花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、D&Dを中心に世紀末前後のTRPGの懐古話を不定期展開中。

魔神ハンターと、ゴブリン王(SWミストグレイヴ2ー5)

前置き戦隊話

 

ヒノキ「仮面ライダー剣の後配信は、ジャッカーを期待しておったのにゴレンジャーが来たのじゃ」


秘密戦隊ゴレンジャー OP

シロ「まあ、戦隊45作品めのゼンカイジャー開始前に元祖戦隊を再復習できるのは、悪いことではないでしょう」

ヒノキ「無論、悪くはないと思うが、ゴレンジャーは思いきりメジャー過ぎてレア度が足らんというか、ブレイドの後にトランプ戦隊が来ると思うておったのじゃがのう」

ゲンブ「レア度と来れば、昨年ガメラ祭りを盛り上げてくれたシンフォギアが、今度はこういうのを取り上げてくれるでござる」


「シンフォギアXD」シンフォギア✕キラメイジャーPV

ヒノキ「ほう。スパクロよりも先に、そちらがキラメイてくれるとはサプライズじゃのう」

シロ「本当に、キラメイは次回のネコネタも含めて、キラキラ輝いているニャー」


魔進戦隊キラメイジャー 第41話 予告


『スーパー戦隊MOVIEレンジャー2021』予告編

リトル「これから番組最終回を経て、新番組開始まで熱い戦隊祭りが展開されると思うと、期待全開ですぅ」

ヒノキ「うむ。昭和初戦隊のゴレンジャー、平成初戦隊のターボレンジャー、令和初戦隊のキラメイジャーが配信も含めて一同に会する機会もそうそうないからのう。そしてゴレンジャーと言えば、バリブルーンやバリドリーンの飛行メカが楽しみなのじゃ」


とべ! バリブルーン ささきいさお こおろぎ'73


バリブルーン


空の要塞バリドリーン&万能戦車バリタンク


バリドリーンの歌 ささきいさお こおろぎ'73

ゲンブ「しかし、バリドリーン登場は42話。 ずいぶんと先の話でござるなあ。我としては、それよりも金曜配信中のターボレンジャーの2号ロボ、ターボラガーが近日登場予定なので、楽しみでござるよ」


Turboranger Turbo Rugger first appearance

シロ「それだと、戦隊初の基地ロボ、ターボビルダーも楽しみだニャー」


ビルドアップ!ターボビルダー!! 高速戦隊ターボレンジャーの特撮傑作選 

リトル「でも、リウとしては、現役ロボのキラメイジンも応援しているですぅ」


魔進戦隊キラメイジャー/Kiramagers - 魔進合体キラメイジン (歌: 串田アキラ) / Kiramagin(Kirameijin) theme song

ヒノキ「それぞれの時代の戦隊メカやロボに、それぞれの良さがあるので、みんな楽しみに応援したいのじゃ」

ゲンブ「そしてこれからプレイするミストグレイヴでも、超巨大魔動機サスライオーの登場が楽しみでござるよ」

ヒノキ「そんな物は、シナリオには書いておらんのじゃがのう」

ゲンブ「たとえシナリオには書かれてなくとも、TRPGはプレイヤーとGMの想像力、キラメンタルさえ高まれば、自由にひらめキングしてクリエイトできる遊びでござる。ですから、是非ともサスライオーを用意してくだされ」

ヒノキ「う〜ん、深層階には確かに【巨大格納庫】なる施設があって、魔動博士によって巨大魔動機ドラゴンフォートレスという全長50mの飛行要塞が研究されておるのじゃがの」

リウ「本当ですかぁ? それは深層階に降りるのが楽しみですぅ」

シロ「だったら、そのドラゴンフォートレスを奪って、人型への変形機能を付ければ、サスライオーも夢ではないと?」

ヒノキ「簡単に言うでないわ。そこまで話が進むには、まず上層階を攻略せねばのう。今回は、魔窟やゴブリン王の城塞だけでも盛り上がるはずじゃし」

 

 前回のおさらい

 

ヒノキ→GM「では、前置き雑談から先々のネタバレを経て、ここからプレイを開始する。前回は何があったか覚えておるか?」

リトル→デル「〈銀の蜜蜂〉の依頼で、ワインの運搬仕事のために【蛇の酒蔵】ってところまで来たんだなぁ」

シロ→ホリー「その途中で、2人の密偵に出会ったんだ。バルカン女の姿をしたシル・メリルと、バジリスクの姿をしたオスカル・バローだったかな」

ゲンブ→G太郎「シル・メリルは蛮族側に寝返った裏切り者で、オスカルの方はレア勲章コレクターでござったな」

GM「シル・メリルに、レジスタンスの情報を与えるかどうかで物語の動向は大きく変わるが、本リプレイはあまり悲惨な展開を好まないということで、あからさまに彼女が怪しいとバレるようにプレイした。GMによっては、シルがもっと狡猾にプレイヤーを騙すように立ち回り、レジスタンス壊滅の悲劇に直面するような展開を推す者もおるかもしれん。一応はバッドエンド、ビターエンドの模様をシナリオ内でも丁寧に記述されておるのじゃな」

ホリー「もしも、メルやミサ、コヨミが殺されていたら、ボクは必ずシル・メリルに復讐を誓っていたろうな」

G太郎「原作で悲劇に終わったミサちゃんやコヨミちゃんを折角、ゲームで助けたと思ったのに、そのゲームでまた殺されてしまっては、浮かばれないでござるよ」

GM「自分たちのプレイするゲームで、助けたいキャラを助けられなかったという展開は、強烈なストレスに見舞われるからのう。理想は『失敗していたら、こうなっていたかも』という悪夢の未来を感じさせつつ、そこを主人公たちの知恵と努力で乗り越えて、ハッピーな物語を迎えたという達成感であって、『死んだらリセットを押して無かったことにできる、やり直しや繰り返し可能なゲーム』ならともかく、『物語への感情移入を求めるストーリー重視なプレイを求める層』には、やはり好みのシナリオ展開へのコンセンサスをとった上で、実プレイする方がよかろうな」

G太郎「昔なら、物語が悲劇に終わったのはプレイヤーの選択が愚かだったからだ、と責任転嫁するGMも多かったらしいが、そうやってプレイ仲間の関係がギクシャクして、あのGMのシナリオは後味が悪いので、2度とプレイしたくないと思わせたら、ゲーマーとしては負けでござるな」

ホリー「対戦ゲームならともかく、共に物語を作るのが目的のTRPGで、できた物語に納得できないと他人のせいにするというのは、成熟していないゲーマーと言われても文句は言えないでしょう」

GM「少なくとも、シリアスな展開を含むシナリオか、それとも気楽に考えて楽しくプレイするシナリオか、あるいはキャラが死にやすいシステムか、そういうことは事前に告知した上で、納得のいくゲーム体験ができることが望ましいのう」

G太郎「前作ミストキャッスルや、当作ミストグレイヴはダークな要素を多分に含むシナリオで、死んでも改造されたり、穢れパワーで強化されてやり直せる(ただし真っ当な人の世界には戻れない)ことが告知されているでござる。その中で、いかに明るく強く、希望を持って立ち回るかがプレイヤーとしての力量である、と期待されてるのでござろうな」

GM「世界観はハード、でもキャラはほのぼのコミカル、だけどやる時にはしっかりやる姿を見せるのが、本作の方向性と考えておる。それでも、ダイス目次第でどう転がるか分からないのがゲームたるところじゃ。

「後はゲームマスターとプレイヤー間のコミュニケーション、互いにやりたいことを上手く伝え合い、折り合いを付けることで、双方の満足度を極力、高めることを目指すと良いかのう。TRPG格言として、GMはしたいように何でもできるけど、何をしてもいいわけじゃない(極力フェアに努めるべし)。プレイヤーはルールの範囲で何をしてもいいけど、何でもできるわけではない(GMの裁定に従うべし)』というのがある」

G太郎「TRPGだけでなく、コミュニティーの管理に応用できる考え方でござるな。趣味や遊びの場であっても、いや、そうであるからこそ、その場の興趣が何かを理解し、場に合わせたやりとりや振る舞いが望まれている。人間どうし行き違いが生じることはあるにせよ、場の興趣を理解していない言動は慎むべきでござろう」

デル「場の興趣って何だぁ?」

GM「個人間なら、相手が何を望み、何を嫌っているかを把握し、自分も楽しく相手も楽しくがWinWinということになろうが、『嘘情報に無頓着』『下手くそな批判』『独り善がりな話題展開』は創作においても、コメント書き込みにおいても、三重苦と評するに値しよう」 

G太郎「逆に言えば、『正しく、時に有益な、あるいは興味深い情報』『素直に楽しめる感想、そこから深入りした考察』『場の話題や自分の話を上手くまとめる技術』が興趣の例となるでござろうか。最後のは、『いろいろ書いたけど、上手くまとめられませんでしたが、今回はこれで失礼』という言辞も掲示板書き込みではたまに見る。これで、本人が『上手くまとめること』を目指した文章の書き手だと察することができようし、上手くまとまった文もしばしば書いているのであろう。つまり、自分の文章スタイルを、自分で知悉しているからこそ言える言葉もあろう。一流の戦士が、自分のバトルスタイルを理解して、利点や欠点までも把握しながら、利点を伸ばし、欠点を克服あるいは補う方法を模索するようなものでござろうな。

「自分の得意武器が剣であれ、言葉であれ、ジャンル知識であれ、日頃の修練があるかないかは、少し刃を交えれば分かるというもの。そこで磨きをかけるかどうかが道と申そうが、プロとして作品構築を目指している者は皆、自分の作品はこうだという自負心を強烈に持っている。もちろんプロとして世に出ない者も自負心を備えたセミプロは少なからずいようが、ここで大事なのは自分のレベルがいかほどかはきちんと本人なりに把握していて、何かを批評する際も、自分の力量や目指すべき理想(プラトン流に言えばイデア)、そして対象クリエイターの日頃の手腕や作風なんかを見据えての批評になることが多い。つまり、批評の土台をしっかり取得しているのでござるな」

ホリー「批評のまね事というのは、その場の思いつき、自分の主観以外の根拠がないということですね」

G太郎「自分に剣技の心得がないのに、あるいは剣技をたしなむ者の技を(現実、フィクション問わず)きちんと分析研究したことすらないのに、誰かの剣技を語ることはできぬであろう。いや、雰囲気だけで強そうとか弱そうとか感じたことは言えるかもしれんが、その奥の本質、『一見、強気に見えるが、力が入りすぎて咄嗟の小技に対応しにくい。真っ直ぐすぎて読みやすいゆえ、実戦経験は少ないであろう』とか『飄々とし過ぎてとらえにくい。やりづらい相手だな』とか『妙な構えだな。どう動くか見えんが、試みに仕掛けてみて、反応を確かめてみるか』などの判断はできぬだろうな」

ホリー「それでも、相手が動けば、そのスピードや技の冴えを見切ることはできますよ」

G太郎「見切る前に自分が倒されていなければな。あるいは、相手の動きが速すぎて、自分の目が付いて行かないこともあろう。何だか凄そう、ではなくて、何が凄いのかを把握できること自体が、すでに相応の力量に達していることの証でもある。宮本武蔵の『五輪書』は剣豪が自身の研鑽した剣技の奥義を地水火風空の五輪(五大元素)になぞらえて書き記した古典でござるが、オリンピックのマークを五輪と称するようになったのもこの書から採ったとか。すなわち、体を鍛え、技を究め、心を修めるのも五輪の伝承に通じるもの」

デル「ふぇぇ、宮本武蔵とオリンピックが五輪でつながっているとは、さすが師匠、博識だなぁ」

GM「ゲンブ、講釈はその辺にしておけ。今は、前回のあらすじじゃ」

G太郎「おっと、そうでござったな。では、大経済圏構想の話でも」

GM「それはそれで、物語の本筋から外れた飛躍じゃ。今はまずワインの運び屋に徹して、仕事をきちんとこなさねばのう。目前の仕事をおろそかにする者が大望を語っても、人の信用は得られぬもの」

G太郎「うむ。ワイン5樽を荷車に積んだ。3樽は依頼の品で、2樽はゴブリン王なる者に配達することを求められたでござるな。ところで、この荷車は誰がどうやって運ぶのでござろうか」

GM「荷車のHPは25点。防護点は2点とする。攻撃でHPが0になれば、ワイン樽が割れ、ミッション失敗になろう。なお、弁償代として1樽600ガメルを要求されることが、シナリオに記述されておる」

G太郎「5樽全てを失うと3000ガメルの損失でござるか。これは荷車を何としても守らねば。しかし、荷車の護衛に回ると、後衛ということになって、私は前に出ることができん」

デル「だったら、師匠は前衛で、オラが後衛に就くようにするさぁ。戦闘特技《かばう》も持ってるし、荷車の命はオラが守るぅ」

ホリー「ボクも提案するが、イノセントを荷車に繋いで牽引してもらうのはどうだろうか?」

G太郎「イノセントを荷馬代わりに使うのでござるか」

GM「そういうことなら、イノセントの回避4の半分の2で、荷車は回避できるようにする。本来なら、回避0となるところじゃが」

デル「回避が0でも2でも、あまり大した差はないかもしれないが、ザコゴブリンの命中が10だからなぁ。ダイス目8で避けられるのと、10を出さないといけないのでは、大した差になるかもしれねぇ。何にせよ、オラはかばうだけの話だぁ。イノセントが荷車を牽引し、オラが後ろから押してやろう。文字どおりのバックアップって奴だなぁ」

G太郎「私も押すのを手伝いながらも、危機に際しては、即座に前に飛び出すつもりで」

ホリー「先導はボクの役目か。ミルク荷車を牽引するパトラッシュを可愛がるネロ少年の気持ちで、イノセントに話しかける」

イノセント(大事なワイン運びの仕事。やる気満々で務めさせてもらいやす)

ホリー「それでこそ、ボクのイノセントだ。頑張れよ」

 

戦神の凱旋門 

●ミストグレイヴ上層階の地図

(青字は拠点および宿泊可能地点。赤字は目的地。

 緑字は新規に記入。青いラインは安全ルート)

 

蛇の酒蔵ー凱旋門岩棚のー?

(梯子) (魔窟) 城塞

  l   l   l
コボルドー金床ー ? ー ?

      l   l   l

     大水車ー解放のー煌びやかな 

      l  神殿  大通路

      l   l   l

   物乞い市場ー 騎獣ー水没通路

    (蜜蜂) 調教所 (梯子)

         l

     肉の穴ー処刑遊戯場

    (解放軍) 

GM「酒蔵を出発したのが14日めの昼。そして夕方には、魔窟のある【戦神の凱旋門】に到着するのじゃが、その前にランダムイベントをチェックじゃ」

デル「出目は5。何かがあったみたいだなぁ」

GM「突然の暗闇で、道に迷いそうになる。もう一度、1Dを振れ」

デル「2」

GM「すると、盲滅法に歩いていたら、偶然に東へ向かっていた。運よく目的地に到着したわけじゃ」

G太郎「ラッキーでござったな」

ホリー「これもイノセントのおかげだな」

イノセント(いや。あっしは普通に歩いていただけでやんす)

ホリー「暗闇にも怯えず、自分の道を踏み外さないだけで立派なんだよ」

イノセント(それも姐さんの先導に従っただけでして、迷いなく進めたのは姐さんがいればこそ)

ホリー「そうか。相棒にそういう風に言われて、悪い気はしないぞ」

デル「何だかホリー姉さんがぶつぶつ呟いているなぁ。でもまあ、前からそうだった気もするぅ」

G太郎「以前は裏人格のガルドとぶつぶつ言い合っていたが、今はその相手が騎獣のイノセントに代わったようでござるな。心の中でケンカしないだけ、少しは良くなったと言うべきであろうか」

デル「自分の脳内で、誰かと会話しているのがホリー姉さんのデフォってことだなぁ」

GM「では、初めての地なので、景色の解説から入ろう。白亜の石で造られた巨大な門がある。二枚の大扉は鋼鉄製で、盾を構えた逞しい青年と、剣を構えた勇ましい乙女の姿が描かれている。おそらくは、かつてジーズドルフの礎を築いた長兄ゾラエンテスと次女スエラなのであろう。門の上には、何らかの紋章があったようだが、今は削られているみたいじゃのう。

「城門の脇には、石造りの建物があり、戦神ダルクレムの聖印が掲げられている。その建物の前には、1人の人間態のバジリスクがいて、石化の魔力を秘めた瞳を布で隠したまま、辺りを睥睨している。彼は君たちに気づいて、声を掛けてくる。『魔窟への挑戦者か?』」

G太郎「いずれはそうしたいと思っているが、今はワインの配達仕事の最中ゆえ、ただの通りすがりでござる」

バジリスク『自ら、ただの通りすがりとか風来坊と称する者は、実は屈強の武人だという風説があってな。お主もその類であるならば、名前ぐらいは聞いておこう。後の手続きが楽になるゆえな。旅人よ、名を名乗れ』

G太郎「名乗るほどの者ではござらんが、我らは〈魔神ハンター・烈火団〉と自称している」

バジリスク『ほう。お前たちが最近、南の処刑遊戯場を荒らし回ったと評判の〈烈火団〉か。腕に覚えがあるなら、いずれはここに来るとも思っておったが、マッスル某とか、血まみれトマトケチャップとか、情熱の女騎士の噂は聞いておるぞ。拙者は魔窟総監ギルギダッシュ、強さを愛する戦神ダルクレムの神官戦士なり。そなたたちが魔窟に挑むというのなら、手続きの上で、ミッション『魔窟を踏破せよ!』を与えるのが拙者の役目だ。今の運送仕事を果たした上で、その気があるならここに来い。魔窟の詳細を話して、送り出してやるぞ。そして、力を示して魔窟から帰って来たら、大いに称えてやろう。名誉は力で勝ち取るのが、ダルクレムの教えだからな』

G太郎「では、一つお尋ね申す。地下100階まであるというのは真実でござるか?」

ギルギダッシュ『拙者の目で確認したわけではないが、翠将配下の学者が古文書の記述などから読み解いたのならば、それを信じるしかなかろう。実際に100階まで到達した者がいれば、実はさらに下があったとか、新たなことが分かるやも知れぬが、定説を覆すには相応の証拠が必要になろう。個人の疑念は学術検証のスタートにはなるかも知れぬが、そこから思索や考察、実地検証に発展せねば、ただの無為な戯言に過ぎぬ。愚か者の言葉遊びに無駄に付き合いたいなら、それもまた一興かも知れぬがな』

デル「戦神の神官にしては、ずいぶんと学者っぽい言い回しだなぁ」

GM「それは彼がバジリスクという種族ゆえであろう。バジリスクは蛮族社会のエリート種族と言われておるが、享楽主義の趣味人が多く、実用的というよりは好奇心で研究する気質のいわゆるマニアじゃ。良く言えば哲学者気質の者も多く、魔術師や詩人、批評などを嗜む者も多々見られる。ギルギダッシュが戦神の神官をやってるのも、戦いたいからと言うよりは、戦いを通じて『強さとは何か?』という自分の哲学研究の一環なのかもしれん。つまり、自らが強くなるのはもちろんじゃが、強い者と語り合って思索の材料にしたいと言うのが個人的な願望じゃろう」

G太郎「強き者と知り合って、強さ談義をしたいから、魔窟の管理人をやってるのでござるな。ここにいれば、確実に強き者がやって来る。強き者を称えながら、その武勲譚を聞き質すことができれば、自分も嬉しい。趣味と仕事が一致すれば、それは充実した人生が過ごせよう」

GM「逆に言えば、それ以外の野心のない人物だからこそ、この地の管理を任されているのじゃろう。魔窟の力を利用して翠将への謀反を企むとか、自らの力に溺れるタイプの男には、魔窟の管理など危険すぎて任せられん」

ホリー「研究そのものが好きなタイプと、研究したことを利用して成り上がろうとか実益重視なタイプがあって、ギルギダッシュは前者だから害がない、と」

GM「何かのファンになるにしても、自分が好きだから応援しているだけで満足というのと、応援している自分を認めて欲しい、自己の欲求を満たして欲しいという報償目的では、行動パターンも異なって来ような。前者は応援している対象を傷つけようとは決して思わんが、後者は相手が自分に振り向いてくれないと逆恨みをしてくる」

G太郎「バジリスクはマニアになりやすい気質の種族でござるが、ギルギダッシュは比較的無害で、ヒューリカみたいなのはストーカー化しやすい。そして翠将は……どっちのタイプでござろうか?」

GM「さあのう。それより、ギルギダッシュは『質問は終わりか? だったら、そろそろ仕事に戻った方がいいんじゃないか? 魔窟に入りたいなら、ミッションを受注していない身で、ここに来い。そして自分の目であれこれ確かめろ。まずは、自分の嘘偽りない力を魔窟の中で示してから、自己の経験と他者のアドバイスをつなげて考えよ。経験を伴わない憶測や、力なき者の戯言は聞いててつまらんからな。ただの冷やかしでしかないなら、二度と来るな。熱意を持った研究ならば歓迎だがな』と、いかにもな趣味人らしいことを言う」

G太郎「ならば、近い将来、力を証明しに来るでござるよ」

 

岩棚の城塞

 

GM「では、14日めの夜になろうとしている頃合いに、お主たちはゴブリン王が支配しているという【岩棚の城塞】に至るのじゃが、その前にランダムイベントがあるかもしれん」

デル「今回のダイス目は2」

GM「連続してのイベントはダイス目から連続分を引くので1。 すなわちノーイベントじゃ」

ホリー「1はノーイベント。2はケンタウロスのタクシーで、3以上で何か起こるんですね」

GM「3以降は、出目の分だけイベント一覧を埋めていくことになる。現在、イベントナンバー26番まで進んで、18番と24番がまだ出ておらん。つまり、1と2以降、3が出れば18番のイベントが、4が出れば24番のイベントが、5が出たら27番のイベントがという風に進展する。そして全部で35番まで過ぎれば、36番めに隠密行動している翠将ヤーハッカゼッシュと遭遇するようになっている」

G太郎「バカな。こんな普通の通りを翠将閣下が歩いているはずがない!」

GM「ヒヒヒ。ラスボスと遭遇するのがいつになるか、楽しみじゃのう」

デル「遭遇したら、どうなるんだぁ?」

GM「弱かったら『フン、雑魚か』と一瞥しただけで通り過ぎる。ある程度強くなっていれば、『貴様たちが巷で噂になっている者たちか。面白い。どれほどの腕前か、余自ら試してやろう』と攻撃される。なお、ミストキャッスルの翠将は14レベルじゃが、ミストグレイヴでは強化されて20レベルになっておるのじゃ」

G太郎「今のソード・ワールドの最高レベルは15なので(それ以降は超越者といって、いわゆるイモータル=神への道に踏み込む)、ミストキャッスルなら、まだレベル的に倒せる可能性も大きいが、20レベルの敵ともなると、果たして倒せるのだろうか?」

GM「そればかりは分からんのう。少なくとも、作者にとっても未知の領域じゃからして」

デル「いまだレベル4とかのオラにとっては、そんなレベルは夢のまた夢なので、現実をしっかり見るぞぉ。ゴブリン王の城塞って、どんな感じだぁ?」

GM「うむ。広大な地下空洞に足を踏み入れる。空洞に張り出した岩棚の上には、古い城塞が築かれているが、その城壁はところどころで崩れ、外からの侵入は十分可能なようじゃ。ただし、中にどれほどの戦力が待ち構えているかは定かではないがのう」

G太郎「しかし、我々は戦いに来たのではなく、お届け物を配達に来ただけでござる。警戒はするが、堂々と城塞に向かうとしよう。一応、ワイン樽が遠目からも分かるように、【ライト】の呪文を掛けて欲しい」

ホリー「分かった。王とは言っても、しょせんはゴブリン。G太郎さえいれば瞬殺できる。堂々と乗り込むぞ」

G太郎「だから、戦いに来たのではないと言っておる」

ホリー「だけど、ボクは蛮族が嫌いなんだ。ゴブリンの顔を見れば、昔の恨みが噴出して、抑えきれるか分からんぞ」

G太郎「戦いは最後の手段ということで、よろしく頼む。では、奇襲攻撃には警戒しながら、城塞へ向かう」

GM「ならば、目標値12の危険感知判定じゃ」

G太郎「当然、成功でござる」

他の2人「失敗した」

GM「では、G太郎だけが、城壁の隙間から弓で狙われていることに気づく」

G太郎「そりゃ撃たれないように、叫ぶしかないでござるな。『ちょっと待った。我々は怪しい者でござらん。酒蔵からお届け物のワインを配達に来ただけでござるよ。用が済んだらすぐに帰るから、荷物を受け取りに来てくだされ〜』」

GM「すると静まっていた城塞が賑やかな喝采に包まれ、『酒だ、酒が来たぞ〜』と妖魔語のどよめきが聞こえる」

ホリー「妖魔語? 汎用蛮族語じゃないの?」

GM「他の蛮族部族がいるならともかく、ここにはゴブリンしかいないからのう。ゴブリンの喋る種族言語は、妖魔語と決まっておる」

G太郎「幸い、私は妖魔語会話も習得済みでござるよ。酒が来て喜んでる、と通訳してやろう」

ホリー「つまり、G太郎の呼びかけはうまく伝わったんだな」

GM「そのようで、城塞からは10人のゴブリンがわらわら出てきて、荷車に乗った樽を見て盛り上がっている。『うお〜、ワイン樽が5つと、食用のボーアの肉まで届けてくれるとは、今夜の晩餐は盛り上がるぜ〜』」

ホリー「ん? ボーアの肉? 何だか聞き捨てならんことが聞こえたんだが……」

GM「しかし、ホリーにはゴブリンの妖魔語が理解できない。そうしているうちに、ゴブリンたちはイノセントごと、荷車の樽5つを城塞の中に運び込もうとする」

ホリー「さすがに、その行動を見過ごすわけにはいかない。汎用蛮族語で、『そのボーアは、ボクの大事な騎獣で、食用じゃない。汚い手で触るんじゃない』と睨みつける」

G太郎「それと、お届けに来た樽は2樽だけで、他の3樽は別のところへ運ぶ予定になっておる。だから、そちらは2樽だけ引き取ってくだされ〜、と商売人らしく下手の姿勢で振る舞おう」

ゴブリンズ『何だと〜。ポンコツルーンフォークがオレたちに要求するつもりか? それに、そこのバルカンの女もずいぶんと偉そうな口を聞くじゃねえか。ここをどこだと思っているんだ? 恐れ多くもガンツフォートの驕王ムルカグンドリ様」の城塞なるぞ。控えおろう』

デル「そのムルカグンドリっていうのがゴブリン王の名前かぁ? イノセントと荷車を奪われないように、このオラがしっかりガードしているぞぉ。ところでガンツフォートって何だぁ?」

GM「この【岩棚の城塞】が廃墟になる前の呼称らしいのう。元々は魔動機文明時代に作られた由緒正しい城塞だったのじゃが、今はゴブリンハイキングのムルカグンドリの支配下になっている」

G太郎「では、そのムルカグンドリ殿に話をするでござるよ。注文の樽は2つ。我らも仕事ゆえ、それ以外の品は渡すわけにはいかないとな。どうしても無理強いすると言うのなら、この〈烈火団〉のマッスルG太郎の名に掛けて、ゴブリンスレイヤーの道を踏み出すでござる」

ゴブリンズ『〈烈火団〉だとぉ? 南の処刑遊戯場で暴れ回ったという?』

G太郎「おお、ここでも我らの勇名は響いていたでござるか?」

とあるゴブリン『そこで殺された処刑人のゴブリンシャーマンは、オレの兄貴なんだ〜。兄貴の仇、今こそ討ってみせるとき!』

G太郎「ほう、お前があのゴブリンシャーマンの弟でござるか。確か、この時のエピソードでござったな。4連発のカオスショットがなかなか鬱陶しかったが、名前を聞く間もなかった。兄貴の名前は何と言ったんだ? そして、お前の名は?」

とあるゴブリン『兄貴の名前はゴブ次郎。オレの名前はゴブ三郎だ』

G太郎「ん? すると、長兄のゴブ太郎がいるのでは……って、いたよ〜、ここに。地上の闘技場で戦ったゴブリン三兄弟の長男を、私はクリティカル2連発で瞬殺したでござる。しかし、よもや生き残った弟2人が地下生活を送りながら、そうと知らずに次男が処刑遊戯で殺され、まさかの三男が今、仇討ちに現れるとは。物語って、つながっているのでござるなあ」

GM「たまたまの思いつきじゃ。お前さんが名前を聞いたから、とっさにひらめいたに過ぎん」

G太郎「しかし、この状況。どうにも平和的解決は望めないのではござらんか? やはり、一戦交えてゴブリンスレイヤーへの道に踏み出さねばならぬのか?」

 

GM「その時、『ええい、やかましい! 何を騒いでおるのだッ!』と野太い汎用蛮族語の大声が轟く。ゴゴゴゴゴと周囲のゴブリンどもを圧するオーラが立ち込め、ズンズンと足音が響き渡り、体長2メートルを越えるような巨体の大ゴブリンが城塞から出現した」

G太郎「ついにボスのお出ましでござるか。魔物知識判定を行うでござる。達成値は16」

GM「弱点は抜けなかったが、データは分かった。ゴブリンハイキング、レベル8蛮族じゃ」

G太郎「レベル8? たかがゴブリンと甘く見ていたが、私のレベル7より上でござるか?」

デル「何だってぇ? 師匠よりも強いゴブリンだとぉ?」

ホリー「ルールブックには載ってませんよね」

GM「うむ。それまで最強のゴブリンとされていたのは、レベル6のゴブリンロードであったが、ミストグレイヴオリジナルの最強ゴブリン種、それこそレベル8のゴブリンハイキングなのじゃ」

G太郎「久々に遭遇した自分よりも格上の姿に、身震いを禁じ得ないでござる」

 

 ついに出現したマッスルG太郎を越える最強の8レベルゴブリン。ハイキングの名前は伊達じゃない。

 その名も、ガンツフォートの驕王ムルカグンドリ!

 ワイン配達の最中に現れた、この威厳の主に〈烈火団〉のメンバーはどう対処するか?

 風雲急を告げる魔神ハンターの物語は、果たしてどうなることやら。

 

 なお、オチを付けるなら、ゴレンジャーと、五輪書と、ゴブリン王って音の響きが何だか似ていない?

 はい、ゴレンと五輪とゴブリンを掛けた素晴らしいギャグですね。

 アルトじゃないと〜(もはや死語)。

●ここまでの冒険成果

 

経験点:6人の囚われ人を救出★2つ

    解放軍の同士6人め到達★1つ

    ワインの配達を頼まれる★1つ

     (合計★4つ)

    魔物退治分60

              ピンゾロ分(G太郎1回)

収支結果:戦利品(600ガメル分)

     クエスト報酬(9000ガメル分)

     コボルド窟の宿代(黒鉄勲章4つ支払う)

ミッション:蛇の酒蔵でワインを買ってきて

エスト:ジーズドルフ解放軍の同志を集める

     (4人→現在10人)

    コボルドを助けて、コボルド窟へ連れ帰る

     深層階で【月の図書館】を探す

     地下世界から外への脱出方法を探す

 

情報

・煌びやか卿アー・ヌルチェとは緩やかな関わり合い。

・〈銀の蜜蜂〉からティアハートの花ミッションを受注できる。

・【呪われた神殿】が【解放の神殿】として新たな拠点候補に。

いっそのこと【烈火団の本部】にする?

・解放軍同志6人め達成で、いろいろフラグが立った。

・【ゴミ溜め窟】にいるリザードマンの情報屋ゾ・ゴグが略奪品に詳しい。

・【ゴミ溜め窟】に、カレンの密偵仲間が行方不明に。

・【死者の道】に〈真紅のマギスフィア〉があるらしい。

 ・略奪品は【地底湖の畔】のマーマンが詳しい。

・【地底湖の畔】のマーマンは地上への抜け道にも詳しい。

・地下水路のリザードマンの集落の位置情報。

・ギルマン王ブグプリとの面会には、地下水路で手に入る〈ストロベリーオイスター〉が12個必要。

・〈ギルマン王の冠のかけらI〉入手。

・【コボルド窟】のオードル・プルは地上に伝手があるかも。

・【戦神の凱旋門】の魔窟で、魔神狩りができる。

魔窟総監ギルギダッシュと知り合う→魔窟ミッションの予定

・四祖の1人シェラシースの秘密は?

 

密偵の知り合い

・アム・ヤーセン(ドワーフ娘→ラミア)

 キーワード「月の図書館」「隠者ヴァラルト」「黒炎の工房」「巨大格納庫」「漆黒のスフィア」

イゴール・ぺステリ(エルフ男→トロール

・ニコ・シュナウヘア(ナイトメア→オーガ)

・オスカル・バロー(シャドウ→バジリスク

 キーワード「白銀以上の勲章コレクター」

・シル・メリル(人間女→バルカン)

 キーワード「レジスタンスを探す裏切り者」

 

冒険達成度:合計3%

(当記事 完)