花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、ソード・ワールドのミストグレイヴ妄想リプレイ「魔神ハンター」を終了に向けつつ寄り道迷走気味。

魔神ハンターVS処刑人(SWミストグレイヴ1ー4)

処刑遊戯場への到着

 

GM(ヒノキ)「前回は、囚われの密偵カレンを救出するために、処刑遊戯場へ向かう行程の話が展開されたのじゃ」

デル(リトル)「夜までに到着しないと、カレンさんが処刑されてしまうんだなぁ」

G太郎(ゲンブ)「まあ、朝に水没した通路、昼に騎獣調教所を抜けて、夕方に処刑遊戯場だから、時間的には余裕があるでござる」

ホリー(シロ)「そう。そしてボクはとうとう念願の騎獣を手に入れた。名前はイノセント。ボーア、すなわちイノシシだからな」

GM「なお、作者の新兄さんが1971年生まれのイノシシ年なので、イノシシにはそれなりに愛着があるそうな。まあ、この場ではどうでもいい話なんじゃが」

●ミストグレイヴ上層階の地図

(青字は拠点および宿泊可能地点。赤字は目的地)

 

(梯子)ー?

 l   l
 ?  ー? ー ? ー ?

     l   l   l

    大水車ー亡者のー煌びやかな

     l  神殿  大通路

     l   l   l

  物乞い市場ー 騎獣ー水没通路

     l  調教所 (梯子)

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    肉の穴処刑遊戯場

ホリー「とにかく、キャラ作成時点から習得していたライダー技能が、騎獣の獲得によってようやく生きて来るんだ。パワーアップしたホリー・カーシェインの力を今こそ振るう時。この勢いで処刑遊戯場へ乗り込もう!」

デル「ホリー姉さん、騎獣を手に入れてから、ずいぶんと好戦的になったなぁ」

G太郎「ハンドルを握ると性格が変わるドライバーのようでござるな。あるいは、こち亀の本田のようなものか」

GM「ホリーの性格が安定するのは、いつのことやら」

デル「何にしても、カレンさんを助けないといけないことには変わりないんだぁ。オラたちも急ぐぞ、師匠」

G太郎「そうでござるな、ご主人。いざ、処刑遊戯場へ!」

 

処刑遊戯場(4日め夕方)

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  • 発売日: 2014/03/14
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GM「この区画の名前は、松田優作主演の映画タイトルのパロディーなんじゃろうが、それにちなんで、ハードボイルドなシーンにしたいと思う」

G太郎「ハードボイルドは歓迎でござるな。なお、遊戯シリーズで松田優作が演じたキャラの名前は鳴海晶平。仮面ライダーWの鳴海探偵事務所のネーミングモデルと思われ」

ホリー「松田優作さんと言えば『探偵物語』で、そちらがWの元ネタの一つと聞いていたのですが、同じ松田さんで別のルーツもあったんですね」

デル「ハードボイルドと言えば、帽子というセリフもWで聞きましたが、ソード・ワールドで格好いい帽子ってありますかぁ?」

G太郎「マジックアイテムだと、どうしても魔法使いのとんがり帽子みたいになって🧙‍♀️、カウボーイのテンガロンハットや、イギリス紳士風の山高帽みたいなデザインは稀でござるなあ。頭装備は、ティアラや冠、その他の髪飾りが主体で、ハーフボイルド探偵や今の小説家がかぶるような帽子、あるいはハンチング帽みたいなスタイルは、少なくとも古代魔法時代にはなかったらしい」

GM「まあ、古代になかっただけで、現代のラクシアなら、マジックアイテムじゃない一般帽子の中に、そういうデザインの品物があってもいいのじゃがな。とにかく話を戻すと、ランダムイベントは……(コロコロ)発生せず、いきなり処刑遊戯場のイベントを始めるとしよう。お前たちが到着したのは、広い円形の空洞じゃ。その中心に円形の舞台が設置されていて、その周囲に鋼鉄製の柵が設けられている。空洞の中は蛮族たちでいっぱいで、まるで闘技場に集まった観衆のように興奮し、怒号や笑い声を発しながら、地面を踏み鳴らしたりもしている」

デル「し、師匠。この状況で大暴れするんですかぁ?」

G太郎「さすがに周りじゅう蛮族だらけで、援護が全く得られそうにない状況で、闇雲に暴れても目的は達成できないでござろう。まずは、状況を見極めなければ。救出対象であるカレン嬢がどこにいるかをまず確認しないと、動くに動けん」

GM「鉄柵の中の舞台上では、レッサーオーガが哀れなコボルドを文字どおり八つ裂きにし、四肢を引きちぎって、柵の外にポイポイと投げ捨てるパフォーマンスが行われておる。そして、飛んできた肉片を一部の観客が嬉々として貪り食う様子も見られるのう」

ホリー「こ、これが蛮族の弱肉強食の実態か。胸糞が悪い……」

G太郎「子どもにはあまり見せられない様子でござるなあ。さりげなく、その凄惨な光景を体で遮り、ご主人や嬢ちゃんにははっきり見えないように位置どりをするでござる」

GM「その時、一人の蛮族がG太郎に近づいて、話しかけて来るのじゃ。『も、もしかして、そこにいるのはマッスル太郎さんじゃないですか?』」

G太郎「む、誰でござるか?」

蛮族A『オレですよ、オレ。霧の街の地上の【どぶ川を渡る橋】にたむろしていた、名もなき蛮族、いやバルバロスAです。オレの登場は、この記事参照

G太郎「何と、名もなき蛮族Aか。こんなところで何をしている?」

蛮族A『それはこちらのセリフですよ。名誉バルバロスとして大活躍し、闘技場でも大暴れしていた天下のマッスル太郎さんと、こんなところで出会うとは。噂によれば、とある貴婦人のお供をして霧の街を脱出したと聞いていましたが、まさか地下世界で出会えるとは。生きていて良かったです』

G太郎「うむ、今はマッスルG太郎と名乗り、このドレイクの若者とバルカンの嬢ちゃんのお供をしている。用心棒とか武術指南と言ったところでござるな」

蛮族A『オレもあれからいろいろあって、波乱万丈の経験の果てに、このミストグレイヴに流れ着いた始末。オレに文才さえあれば、「バルバロスAの奇妙な冒険」という自伝小説でも書けるんじゃないか、と思いますが、そんな才能はないし、誰も読者がつきそうにないので、やめにしておきます。大事なのは、オレが今ここにいて、久方ぶりにマッスル太郎の兄貴と再会ができたってこと』

デル「師匠の昔の舎弟かぁ」

蛮族A『おうよ。「吾輩はバルバロスAである。名前はまだない」という書き出しだけは思いついたんだけどな』

デル「オラはマッスル師匠の弟子をやらせてもらっているデルってもんだぁ」

蛮族A『すると、オレの弟弟子みたいなもんだなあ。よろしく頼むぜ。ドレイクの若者よ』

デル「そう言うあんたは、そもそも種族は何なんだぁ?」

蛮族A『そんな細かいこたぁ、どうでもいいんだよ。オレにとって大事なのは、バルバロスAという通称と、マッスル太郎の兄貴の舎弟という関係性と、このミストグレイヴに時々出没して、兄貴に大事な情報を伝えるという役割だけなんだからな。それ以外は気にするな』

デル「すごいな、師匠。本当に舎弟が湧いて出たぁ。今後はA先輩と呼ばせていただきますぅ(ペコリ)」

蛮族A『おう、A兄さんでもいいからな』

G太郎「で、大事な情報を伝える役割と言ったが、何を教えてくれるのでござるか?」

蛮族A『へい、ここの処刑遊戯場なんですが、主人に反抗した下級蛮族や、外から侵入して来た人族のスパイなんかを血祭りに上げて、娯楽と食べ物を振る舞う場所ということです。この情報を聞いたことで、★1つを差し上げますよ』

G太郎「★がもらえるのか。確かに、それは大事でござるな」

ホリー「そんなことより、人族のスパイって言ったな。ボクたちは今、カレンというシャドウ族の密偵の女を探している。心当たりはあるか?」

蛮族A『その女だったら、今夜のメインイベントあるいはメインディッシュの予定ですね』

ホリー「何とか助け出して、大切な情報を聞き出したいんだが、どうしたらいいか分からないか?」

蛮族A『ほう? バルカンの姐御が人族の女に興味を持っているとは、どういうことか気になるなあ』

ホリー「ボクが女を愛でて何が悪い? 可愛い娘が切り刻まれて、ただの肉片にされてしまうのは勿体ない。それよりもボクにくれ、ハアハア」

G太郎「ちょっと、落ち着くでござるよ、ホリーちゃん。そこまで興奮丸出しじゃあ、ただの変態にしか見えん」

ホリー「ハッ、ボクとしたことが。ついつい欲望が先走って……落ち着け、ボク。理性を取り戻せ」

G太郎「とにかく、その密偵の女は、我らにとって大事な情報を持っているでござるよ。助けたら、★をもらえるぐらいのな」

蛮族A『ああ、そいつは確かに大切だ。分かりました、このバルバロスA、マッスル太郎の兄貴のためなら、解決策を伝授しましょう。この処刑遊戯場は、処刑人が犠牲者の血肉を観客に振る舞うルールですが、犠牲者を我が物にしたいと思えば、処刑人とデスマッチを行うことも可能。観客は一方的な殺戮だけでなく、バトル競技という娯楽にも飢えていますからね。そして、勝った者が負けた者の遺体を場外に投げ捨ててメインディッシュとして振る舞えば、観客はそれで満足します。血で血を洗うバトルファイト、こいつに参加してみる気はおありですかい?』

ホリー「つまり、舞台の上で処刑人を倒せば、大手を振ってカレンをボクのものにできるんだな」

蛮族A『へい、その後は密偵の女を煮て食おうが、焼いて食おうが、姐さんの自由ということで』

ホリー「そ、そうか。それはいいな、ジュルっ❤️」

デル「ホリー姉さん、理性を捨てないでぇ。邪悪な欲望に負けないで下さいぃ」

G太郎「では、処刑人とのバトルファイト、申し込むとしよう」

蛮族A『そう来なくっちゃ。久々にマッスル太郎兄貴の闘技場で慣らしたバトルが見られると思うと、オレも興奮して来ましたよ。早速、手続きに行って来ます』

G太郎「うむ、チーム名は……」

デル「魔神ハンター・烈火団だぁ」

 

烈火団VS処刑人

 

GM「では、時間が経って、その夜。お前たちは鉄柵の中の舞台上で、対戦相手の処刑人と対峙している。観客たちは、予定外のバトルファイトに興奮し、地上の闘技場もかくやと言うほどの熱気に包まれておる。そして、烈火団各自のプロフィールが紹介されるのじゃ。では、蛮族世界における自己アピールを、それぞれ自分で行うといい」

デル「本名は明かさない方がいいんだなぁ。だったら、オラの名はデルモンテだぁ。『血まみれトマトケチャップのデルモンテ』。ドレイク族の重戦士にして、炎武帝グレンダールの神官。真っ赤な闘志、血と炎で相手を料理する烈火団のリーダーというキャッチフレーズで、観客にアピールするぞぉ」

ホリー「だったら、ボクは『情熱バルカンの女騎士ガルダ』と名乗るぞ。イノセントにまたがり、熱視線で周囲を睥睨する」

G太郎「そして、トリを飾るのが、地上の闘技場で戦った経験を持つ『炎の筋肉ファイター・魔進マッスル』でござるよ。舞台の上で、マッスルパワーと叫ぶ腹筋崩壊芸を示しながら驚きと笑いを取りつつ、そのパワフルかつテクニカルな蹴り技で相手を叩きのめすプロの格闘家の真髄を地下世界でも示すとしよう」

GM「もはや、密偵であることを忘れたような目立ちっぷりじゃのう」

G太郎「まあ、烈火団という名で蛮族の間に知られるようになれば、かえって人族の密偵だと疑われにくくなるでござろう。普通の密偵は、コソコソ立ち回るのが常識と思われるゆえに、常識の逆を堂々と行くことで、かえってカモフラージュになるというか」

GM「花形ダンサーにして、女スパイだったマタ・ハリという実例もあるからのう。スパイが社交界で目立ったりするケースもないわけではない」

G太郎「何の地位もない者が得られる情報など、たかが知れているでござるからなあ。正体を隠すには、それなりの表の顔がある方がいいわけで」

GM「では、この戦いの景品であるシャドウ族のカレンが、縛り付けられた柱ごと舞台の端に設置される。そして、お前たちの対戦相手は、剣のかけら入りゴブリンシャーマンと、ゴブリン2体じゃ」

G太郎「ゴブリンシャーマンはHP56でござるか。ゴブリンはHP16」

GM「一応、シャーマンが後衛で、前衛にゴブリン2体がいるという配置になっておる」

G太郎「つまり、先にゴブリンを倒してからでなければ、私はシャーマンを攻撃できない、と」

ホリー「防護点2点を合わせると、18点のダメージが必要か。ボクは騎獣との協力で何とかなると思うけど、デルはどうかな?」

デル「追加ダメージが+5と、マッスルベアーで+2。すると、両手持ちヘビーメイスの威力30だったら、ダイス目11が出れば倒せるなぁ。運命変転も考慮に入れたら、ダメージダイスが2、3、11、12で、6分の1の確率で一撃で倒せることにぃ」

G太郎「それは、あまり期待できる確率ではござらんなあ。ならば、私がゴブリン2体を瞬殺し、その後、ご主人たちが後衛に突撃し、ゴブリンシャーマンに挑みかかる方がいいと見た」

デル「師匠は2体を攻撃できるのかぁ?」

G太郎「連続攻撃は1体限定でござるが、ファストアクションによる2回めの行動は、別の敵を狙えるでござるよ。では、まず先制判定。16が出たので、難なくとった。マッスルベアーとエフェクト炎でマッスルキックをゴブリンたちに。1撃め、当然命中してダメージ22点で撃破。もう1体も命中して、同じく22点で撃破でござる」

解説蛮族(GM)『おっと、これは何たる早業。目にも見えない蹴りの二撃で、前衛ゴブリン2体がたちどころに弾き飛ばされ、鉄柵に激突したあ。無残な死骸は、鉄柵の近くに待機していた空腹バルバロスの手で引きちぎられ、たちどころに彼らの胃袋に収まる。これこそ、弱肉強食バルバロスの流儀。では、この私も早速ご相伴に預かろうかと』

G太郎「アリナ様、そういうグロい実況は控えていただきたい」

GM「いや、ここは18禁ではないが、R15あるいはPG12ぐらいのグロさは、ミストグレイヴという世界を描写するのに必要ではないか。とりあえず、バイオハザード程度の描写はありってことで」

デル「大丈夫ですよぉ、ゲンブさん。これぐらいの捕食描写は、怪獣の世界ではよくあることですからぁ。まあ、自分が蹴り倒した敵が、直後に貪り食われるってのは、あまり気分がよろしくないですけどぉ」

G太郎「ところで、戦利品はあとで回収できるのでござるな」

GM「むむっ、それはゲーム性を重視して、戦利品判定は行えるものとしよう」

G太郎「ならばよし。では、ザコは始末した。ボス敵の相手は、ご主人と嬢ちゃんに任せていいでござろうか」

ホリー「頑張ってみる。行け、イノセントと言って、騎獣と共に突進だ。それと、これまで使うのを忘れていた特殊アイテム〈ヒューリカの瞳〉を補助動作で使っていいだろうか?」

GM「おお、麻痺効果のある瞳じゃな。では、使うといい」

ホリー「ヒューリカ・フラッシュ! 魔法行使判定は12だ」

GM「こちらの精神抵抗は15。そんなものは効かん」

ホリー「ヒューリカの目って役に立たないじゃないか」

GM「相手は枯れてもレベル5のボスじゃぞ。お主のソーサラーは何レベルじゃ?」

ホリー「……1レベルしかない。魔力3じゃ、12が出ないと相手の精神抵抗を打ち破れないので、試すだけ無駄だと判断した。仕方なく、ショートソードで攻撃。命中は17」

GM「回避は14なので命中じゃの」

ホリー「遅ればせながら魔力撃を宣言していたということで、ダメージは12点」

GM「防護点5点を減らして、7点くらった。残りHPは49点」

ホリー「では、次にイノセントの体当たりだ。だけど、命中11じゃ当たらない」

GM「ヒヒヒ。命中基準値5のイノセントの攻撃だと、ダイスで10を出さなければ当たらんのう」

デル「だったら、次はオラの番だぁ。姉さんをかばう宣言してから、マッスルベアーで殴りかかるぅ。だけど、オラも命中基準値5なので、ダイス目8じゃ当たらないぃ」

GM「さすがに2レベルファイターでは、5レベルボスに当てることは難しいみたいじゃのう」

デル「師匠に瞬殺されていたゴブリンシャーマンだけど、本当は手強い相手だったんだなぁ」

GM「では、ゴブシャーの真の力を見せるとしようかのう。どうせG太郎に攻撃されると、すぐに終わってしまいそうじゃから、その前に大きな花火を咲かせたい。妖精魔法5レベル、《魔法拡大/数》を持つなら、【カオスショット】をイノセントも含めた4体に撃ち放つ。一気にMP 20点消費するが、こちらのMPは43なので同じことがもう一回できる予定じゃ。では、全員、魔力15に抵抗できるものなら抵抗してみるがいい」

G太郎「18で抵抗」

GM「そりゃ、お前はそうじゃろう」

ホリー「ボクは失敗したけど、イノセントは成功したぞ」

デル「オラは失敗だぁ」

GM「では、順にダメージを与えて行こう。G太郎は7点、ホリーは14点。イノセントにはクリティカルしたけど、抵抗が成功しているので回らずに8点か。抵抗されていなければ、23点ダメージじゃったのにのう」

ホリー「そんなの喰らったら、ボクならHP0になっていたいたはず。イノセントよ、よく耐えてくれた」

GM「デルには惜しくも回らず、15点ダメージじゃ」

デル「こいつ、実はとんでもなく強いじゃないかぁ。次に同じ攻撃をくらったら、オラと姉さんは倒れてしまうぅ」

●1ラウンドめ終了時の状況

ゴブシャー(HP49/56、MP23/43)

ホリー(HP7/21、MP14/17)

イノセント(HP31/39)

デル(HP 10/25、MP 15/21)

G太郎(HP40/47、MP20/25)

G太郎「さて、2ラウンドめの戦術は2つある。1つは、私のアースヒールと、ご主人のキュアウーンズで、嬢ちゃんとご主人のHPをそれぞれ回復して、次のカオスショットに備える。そこさえ凌げば、敵の魔法は打ち止めなので、その後は悠々倒すことが可能でござろう。いわゆる安全策でござるな」

ホリー「もう一つの戦術は?」

G太郎「私が回復せずに、攻撃に回る。その場合、私の与えるダメージは期待値的に23点が2発。相手の防護点が5なので、合計36点を与えられるはず。残り13点をお前たちが削ることができれば、2ラウンドめで戦闘終了でござるな」

ホリー「デルとイノセントが攻撃を当てるのにダイス目10が必要だからなあ。ボクも9が必要だし、このラウンドでの決着は難しいだろう。手堅く、回復作戦を取った方がいいと思う」

デル「オラが《魔法拡大/数》を持っていたら、一人で同時に二人を回復できて、師匠には攻撃に専念してもらうんだがぁ」

ホリー「とりあえず、ボクの行動は変わらないと思うので、その結果、ゴブシャーを倒せそうなら攻撃をメインにする。ボクとイノセントが失敗したら、回復に専念ということで。まずは、もしかしたらを狙ってのヒューリカ・フラッシュ! って、6ゾロが出たよ」

GM「何と。ならば、ゴブシャーの回避が1下がって、13になった」

ホリー「続いて、ボクの攻撃。はい、外れ。イノセントの方は、ダイスで9が出て命中だ。でも、ダメージは低くて9点」

GM「残りHPは45点じゃのう」

デル「だったら、オラは姉さんを回復だぁ。7点回復してくれぇ」

ホリー「これでHP14点か。さっきと同じダメージなら倒れるんだけどな」

G太郎「では、私はアースヒールでご主人を。6点回復でござる」

デル「16点だなぁ」

GM「では、運命の【カオスショット】4連発じゃ。ここは重要なので、わらわがダイスを振る。おっと、出目が低くて達成値11じゃ。親切じゃろ?」

ホリー「アリナ様がお優しい。ボクは成功して、イノセントも成功」

デル「オラも成功だぁ」

G太郎「もちろん成功でござる」

GM「ヒヒヒ、ダメージはホリー13点の半分で7点、イノセントは14点の半分で7点、デルは17点の半分で9点、G太郎は14点の半分で7点じゃ」

デル「すると、アリナ様が優しくなければ、姉さんは生き残っていたけど、オラが倒れていたんだなぁ。ふう、死ぬかと思ったぜぇ」

GM「実は、あと1回ファイアボルトが撃てる」

デル「そりゃ酷いぃ。次のラウンドで仕留めないと、誰かが倒されるぅ」

●2ラウンドめ終了時の状況

ゴブシャー(HP44/56、MP3/43)

ホリー(HP7/21、MP14/17)

イノセント(HP24/39)

デル(HP7/25、MP 12/21)

G太郎(HP33/47、MP17/25)

G太郎「このラウンドも回復作戦を行うという手もあるが」

ホリー「いや、ここは攻めに転じよう。相手の魔法攻撃も1体にしか撃てないし、1人ぐらい倒れても、その屍を乗り越えて勝利をつかむのが蛮族魂というもの!」

G太郎「いや、蛮族ではなくて……」

ホリー「はっ、ボクはどうして蛮族などと口走ってしまったんだ? 訂正、バルバロス魂」

G太郎「いや、そういう意味じゃなくて……どうやら、嬢ちゃんはバルカンの肉体に引きずられて、心の蛮族化が進行しているようでござるなあ。とにかく、この戦いを終わらせて、早く蛮族の世界から抜け出さないと。ゴブシャーのいる後衛に移動して、蹴りの二連発を仕掛ける。命中してダメージは25点。さらに命中、ダメージは24点」

GM「5点ずつ減らして、39点くらった。残り5点じゃ」

ホリー「ところで、ゴブシャーの弱点は何なんだ?」

G太郎「そう言えば、魔物知識判定はしていなかったでござるな。今さらながらマモチキ18と言ってもよかろうか」

GM「順番が前後したが、認めよう。魔法ダメージ+2じゃよ」

ホリー「すると、ボクは【エネルギーボルト】を撃つ方がいいんじゃないかな。試してみる。抵抗はされたけど、ダメージ10点。半減しても5点ダメージだ」

GM「その光の矢が突き刺さって、ゴブリンシャーマンのHPはちょうど0になった。戦闘終了じゃ」

ホリー「何とか無事に勝てた」

 

 こうして、烈火団は衆目監視の中、処刑遊戯場の処刑人たちを撃退することに成功した。

 これがミストグレイヴの世界で、烈火団の名が知られることになる最初の戦いである。

 

G太郎「戦利品は、ゴブシャーから豪華な装飾品(500G)が3つ、ザコゴブから武器30Gが2つ、黒鉄剣士勲章が2つでござったよ」

 

カレン救出

 

GM「では、今回の戦いで、お前たちは蛮族名誉点が18点上昇したりもする」

デル「これで44点かぁ。あと7点でオラたちも一人前の蛮族として認められるぜぇ」

G太郎「いや、一人前の冒険者な。うっかり間違えないように。私の方は110点で『噂の人物』となった。ところで『烈火団』の名を今後もパーティー称号として使う場合は、各人が名誉点10点を支払うことで、その名が周りにも知られるようになる。2.5とは違う2.0時代のルールでござるが、それを採用しても面白いと思う」

デル「『魔神ハンター』はどうなんだぁ?」

G太郎「それは……(調べて)名誉点15点分でござるなあ」

デル「すると、『魔神ハンター・烈火団』と合わせることで、名誉点25点かぁ。みんな、それでいいかぁ?」

ホリー「じゃあ、全員25点の名誉点を使って、パーティーネームを『魔神ハンター・烈火団』に確定しよう」

 

GM「パーティーネームの件はさておき、ミッションの後始末じゃ。縛られたままのカレンは、お前たち蛮族の姿を見て、ガタガタ震えておるぞ。しかも、お前たちが倒したゴブリンたちが、周囲の観客蛮族に貪り食われている様子も見ているからのう。次は自分が食われる番かと涙目と悲痛な表情を浮かべておる」

ホリー「それは慰めてあげないと。とりあえず、手にしたショートソードで拘束の縄を断ち切ると、『大丈夫。悪いようにはしないから』と甘い声で囁く」

GM「それでも、バルカンの魔神然とした姿は、彼女の目には恐ろしく映ってヒッと悲鳴を上げる」

ホリー「怯えちゃって、可愛いなあ❤️」

G太郎「それは、別の意味で怖いでござるよ。ご主人、ここは無垢な少年の出番でござる」

デル「オ、オラに何をしろとぉ?」

G太郎「一応、本リプレイの主人公でござろう。囚われの女性を助けるのは、本来、ご主人の役割のはず。どうして、ヒロインキャラが女性を助けて誘惑モードに入っているのでござるか? そういう倒錯した関係は、前作主人公としては認めたくない」

デル「仕方ないなぁ。だったら、『オラたち、こういう者だけどぉ』と密偵の指輪を見せて、『肉の穴のマルクス・クルーゲさんに、あんたの救出を依頼されたんだぁ。さあ、いっしょに帰ろうぜぇ』と小声で、交易共通語で囁きかけるぅ。これなら落ち着くだろぉ」

GM「カレンは目をパチクリさせて、『あ、私、助かったんですねぇ』とデルに抱きつき、泣きじゃくる」

デル「ああ、だったら、『この人族の女は、我が奴隷にして連れ帰るぅ』と汎用蛮族語で高らかに宣言して、今夜の処刑遊戯の終わりを宣告するぞぉ。はい、みんな解散しろよなぁ」

GM「まあ、それで鉄柵も開き、お前たちは無事に舞台を降りることができるようになる。カレン救出ミッションはこれで終了。★3つを進呈しよう。あとは、隣の肉の穴に帰還して、成長の儀に移るとしよう」

 (当記事 完)

 

●ここまでの冒険成果

 

経験点:★5つ

    魔物撃退分(280点)

    ピンゾロ分(ホリー2回、G太郎4回)

収支結果:戦利品(2710G分)、70ガメル

     黒鉄剣士勲章3個

 

ミッション:ルキスラの密偵を救出せよ(達成)

エスト:ジーズドルフ解放軍の同志を集める