花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、D&Dを中心に世紀末前後のTRPGの懐古話を不定期展開中。

魔神ハンターVS強敵戦車ウォードゥーム(SWミストグレイヴ4ー11)

強敵戦を前に

 

GM(ヒノキ)「前回、お主たち烈火団はついに魚人の王ブグプリと対面して、魚人たちの平和を脅かすレベル9魔動機ウォードゥーム退治を頼まれたのじゃ」

デル(リトル)「何だか、途中を思いきり省いて、最後だけ触れた程度のあらすじだなぁ」

ホリー(シロ)「もう少し、詳しく振り返ると、地下水路で高い金を出して〈ストロベリーオイスター〉12個その他をリザードマンから買い取ったボクたちは、ミッション目的地の【水没した通路】へ向かったんだ」

デル「その途中で、カボチャに襲われてホリー姉さんが危うく死にかけたりしたんだなぁ」

ホリー「最初に、カニに襲われて死にかけたし、今度はカボチャで2度めのHP0体験だ」

GMソード・ワールドではHP0は死亡ではなく、気絶と扱われる。死亡するのはHP0からのマイナス分を目標値に生死判定を行い、失敗したときじゃ」

デル「ぴったり0の場合は、ピンゾロでなければ死なないということかぁ」

ホリー「ボクの場合は、基準値7あるからHPがマイナス10になるまでは、ピンゾロ自動失敗以外で死ぬことはないわけで」

GM「HP1の状態から、さらに28点ダメージの【ファイアボール】に巻き込まれたなら、まず生きてはいられまい。それとジャックオーランタンは、特殊能力としてHP0に追い込んだ相手の生死判定にマイナス10のペナルティーを与える『魂刈り』を持つのじゃが、それは鎌で攻撃した場合にのみ発動し、魔法攻撃では発動しないのが幸いじゃったと言えようか」

ホリー「どっちにしろ、ピンゾロじゃなければ死ななかったけど、生死判定を振らされること自体、36分の1で死ぬこと確定だから、避けたいわけだよ」

デル「死んだらどうなるんだぁ?」

GM「死からの復活は、ラクシアの場合、プリーストではなく、コンジャラー7レベル呪文【リザレクション】を必要とする。ただし、当シナリオの場合、〈バルバロスブラッド〉の効果により、死んでもそのtbの終了時に復活する。その際、穢れが溜まり、ますます蛮族化が進行して、能力が強化される」

ホリー「死んだら強くなるってのか?」

GM「うむ。死からの復活で強くなるのじゃが、その回数は穢れが5点溜まるまで。穢れが5点に達すると、アンデッド(亡者)と化してプレイヤーキャラではなくなってしまう。いずれにせよ、死亡を積み重ねているうちに、人族から遠ざかってしまうのがソード・ワールドのルールじゃ」

ホリー「今ならまだ人の世界に戻って来れる。しかし、死んでからの復活を重ねると、いつかは魂が穢れきって、理性を失った化け物になるってことだな」

GM「そう。そして人族は穢れを嫌う一方で、蛮族は穢れを力の証として誇らしく思うメンタリティーの違いがある。ただし、力に溺れすぎてアンデッド化した者は蛮族にとっても愚かな末路と見なされ、忌まわしき者と敵視されるわけで。つまり、穢れが3点とか4点の蛮族は歴戦の勇者、地獄帰りの猛者として尊敬されるかもしれんが、物には限度というものがある。ギリギリのところで踏み堪えることで、リスキーな力を求めることこそ主神ダルクレムの教えなのじゃ」

 

G太郎(ゲンブ)「それにしても、今回のミッションのボスがレベル9のウォードゥームということは、無茶ではあるまいか? 一体、これは何レベル推奨のミッションでござるか?」

GM「ん? 3レベル推奨じゃが、ミッション次第では、ボスのレベルは『パーティーレベル』によって決まる。お主たちの現在のレベル平均は6で、今回のボスは『パーティーレベル+2』を基準に定められたものじゃ。通常なら、ボスを決めるのに『パーティーレベル+1』を基準にするのじゃが、ギルマン一族を脅かすほどの強敵という演出なのかもしれんのう」

G太郎「そりゃあ、王のレベルが5のギルマンでは、レベル9のウォードゥームは脅威でござるなあ」

GM「お前たちはつゆ知らぬことじゃが、実は魚人が人魚に戦争を仕掛けるための決戦兵器として、遺跡に埋まっていたウォードゥームを発掘したのじゃ。ところが、愚かな魚人には制御できるはずもなく、暴走してるという裏設定を辻褄合わせに今、考えた」

 

ブグプリ『ギョギョギョ。この発掘兵器さえあれば、いかに人魚が防御を固めようと、恐るるに足りんわ』

部下『陛下! 発掘兵器が暴走して、我らの手には負えないギョ』

ブグプリ『何だとッ!? ええい、何としても兵器を外に出すな。こいつを何とかしなければ、戦どころではないわ。どこかに発掘兵器の暴走を食い止める猛者はおらんものかのう』

部下『烈火団と名乗る者たちが、王に面会を求めていますが』

ブグプリ『ほう。そいつらが使えるやもしれんな。話を聞いて、協力させるとするか』

 

ホリー「酷い連中だ(苦笑)。さすがは『背信の魚王』の二つ名は伊達じゃないといったところか」

GM「もちろん、お主たちはそんな裏話をちっとも知らんということで、ブグプリは誠心誠意、お主たちに『平和のために暴走した戦争兵器を破壊してくれ』と頼むのじゃ。『戦争推進派の部下が勝手に起動させたのだ。奴を重用した余がまことに愚かであった。海より深く反省しておる。お主たちが我らを救ってくれるなら、人魚との和平も考えていい』とまで、口から出まかせをまくし立てている。お前たちはその言葉を本当だと信じた」

デル「信じられるかぁッ!?」

GM「プレイヤーは信じられぬじゃろうが、裏事情を知らないプレイヤーキャラは、魚人の王の迫真の演技を疑う術がない。あの傲慢な王が、心底反省したように頭を下げるコミカルとも言うべき演技は、鎌倉殿の佐殿、すなわち源頼朝公にも匹敵すると言えようか」

G太郎「そ、それは、今の大河ドラマを視聴する者として、納得せざるを得ないではござらんか。それでは、烈火団の代表として、堂々とこう宣言しよう」

 

『その恐るべき兵器を我らが撃破した暁には、人魚との全面的な和平を要望する。煌びやか卿も……そして翠将閣下も、つまらない戦争のいざこざでミストグレイヴが混乱することを望んでおられぬはず!』

 

魔動機ドゥームの話

 

GM「煌びやか卿はともかく、翠将ヤーハッカゼッシュの名を出すとは、どういうつもりじゃ?」

G太郎「ブグプリが『背信の魚王』として口から出まかせをかますのなら、口八丁のお笑い芸人としては、ハッタリで対抗するのが返し技というもの。ただし、我らは実際に翠将と遭遇し、『十分な力量を備えたら、翡翠親衛隊に取り立ててもいい』との言葉も賜った身。つまり、我らは未来の翠将の代理人として、翠将の意向を忖度しても許されるほどの期待をかけられていることを、格下の魚人どもに知らしめないとな」

GM「翠将の名前を出されて、ブグプリのG太郎を見る目が変わった」

ブグプリ(この男? 本当に翠将の意向を知る立場の者か? もしかして、煌びやか卿よりも上に立つとでも言うのか? ならば無下にはできんが、ただのホラ吹きかもしれん。う〜む、よし、発掘兵器を実際に撃破できたなら、下手に出て要求を聞き入れてみようか。発掘兵器に敗れるようなら、所詮そこまでの男。どちらに転んでも、我ら魚人の損にはならないよう立ち回ってみせるギョギョ)

GM「そんなことを腹で考えているのじゃが、表情の分かりにくい魚の顔なので、人には読みとれんのじゃ」

G太郎「それを読みとるのが、きっとマッスルG太郎の魔神たる所以でござるな。魔神としての直感で、相手の腹の底は何となく伝わってくるということで」

GM「まあ、いいじゃろう。ミッションボスさえ倒してくれるなら、シナリオは破綻なく進む」

G太郎「問題はそれでござるなあ。今回のウォードゥームは強敵ゆえ、下手な立ち回り方をしたら、前回のホリー嬢ちゃんのように生死判定を求められることになりかねん。戦うなら、慎重に作戦を練らなければ。まずは、敵データを確認させてくれぬか? 魔物知識判定は16でござる」

GM知名度14じゃから、データは先に見ていい。弱点は抜けなかったがのう」

G太郎「雷属性ダメージ+3は、欲しいところでござるなあ。私の場合、《弱点看破》の特技で倍の+6まで高められるので、【エフェクト・ウェポン】で雷属性を付与することで、かなり大きなダメージを与えられる」

GM「相手の弱点は、実際にその姿を見たときに、再度判定することを許そう」

G太郎「だったら、剣の恩寵を駆使しても弱点を見切るべきでござろうな」

 

デル「(データを見ながら)相手は3部位で、巨大な四脚戦車かぁ。砲塔と2門の機銃が装備され、砲塔の直径は人間の胴体ほど。ダメージは2D+20点で恐ろしすぎるぅ」

ホリー「2Dで8を出されたら、ボクはまたHP0になってしまうな」

G太郎「銃器に対しては、魔法と同様に防護点が無効なので、ご主人のかばう能力もうかつに使わない方が賢明でござる」

デル「一応、オラの鎧はこういうこともあろうかと、防弾加工が施されているんだぁ」

GM「つまり、鎧の防護点だけは6回まで有効なのじゃな」

デル「それだと防護点7。あとは神聖魔法の【フィールド・プロテクション】と、操霊魔法の【プロテクション】で2点減らせるので、9点まではダメージを減らせるさぁ」

ホリー「機銃の命中は19、砲塔の命中は16か。回避基準値8のボクや、7のデルはあまり回避できそうにない」

G太郎「私の回避基準値が14なので、敵の攻撃が私に集まれば、何とかなるかもしれぬが、ご主人たちは狙われたら、まず当たると見なした上で、回復が追いつくかどうかでござるなあ」

ホリー「攻撃を散らせる使い捨ての的がいれば、生存確率が上がるんだな。前回、地下水路で拾った〈ガストボール〉を使うとするか」

G太郎「〈ガストボール〉は1個100Gの価値でござるな。それぐらいなら使い捨てアイテムとして、この機に使うといいでござろう」

ホリー「あと、ボクは〈ガストクイーンボール〉をもらったんだが、これがあれば、かなり心強いんじゃないかなあ」

GM「ガストクイーンはレベル10魔法生物で、HP107を誇る。召喚すれば、打撃点2D+17で攻撃してくれる」

ホリー「問題は、こいつの価値が1万Gなんだな。こいつを売れば、今回の冒険の赤字分が損失補填できる。ここで使うと戦闘で楽ができるのは間違いないが、もっといい使いどころがあるんじゃないか」

G太郎「1万Gの貴重な宝を、戦争兵器を破壊するために使えるか? ということでござるな。よし、使おう」

デル「師匠、マジかよぉ?」

G太郎「マジでござる。考えてもみよ。我々はギルマン王に格の違いというものを見せつけるために、ウォードゥームに挑むのでござる。それが苦戦して、やっとの上で倒しても、凄さを証明することはできん。ここで、1万Gのお宝を軽々と使って、圧勝して見せてこそ、烈火団の名の下に平和が維持できる。金で平和が買えるなら、そうするのが昨年の大河ドラマ、そして次期1万円札の心意気と言えよう」

デル「おお、言葉の意味はよく分からないが、とにかく凄い自信だぁ。1万Gの女王パワーで、戦争兵器を破壊して、平和を築くぅ。その師匠の心意気にオラは乗ったぁ」

ホリー「では、初手は防御魔法で被ダメージを減らしながら、ボクとデル、イノセントは後衛に待機。G太郎と、召喚したガストクイーンおよびノーマルガストを前衛に出して、敵の砲火はボクたちに来ないことを願う。あとは、前衛に機銃を破壊してもらって、敵の攻撃回数が程よく減ったら、ボクたちも前に出る。もしも、ボクたちがダメージを受けることがあれば、デルが即刻回復する。相手は範囲攻撃を持たないので、回復呪文と支援魔法で援護すれば、何とかなるはずだな」

G太郎「うむ。それと、【ファイア・ウェポン】よりは【エンチャント・ウェポン】で支援してもらいたい」

ホリー「ああ、相手は対属性の防御膜持ちだからな。属性攻撃はバリアを張られて無効化されるのか」

G太郎「うむ。2ラウンド目から、私は雷属性で攻撃するが、ご主人は炎属性の【ヒートウェポン】を使うだろうから、使用属性はバラけていた方が、バリア対策はしやすいというもの」

ホリー「全員が炎属性だったら、炎バリアで無効化されたら目も当てられないってことか」

G太郎「それなら、まだ属性なしのエンチャントの方が安心して使えるでござる」

デル「烈火団が単に熱血バカの集まりでないことを見せてやるぅ」

 

G太郎「なお、ドゥームと言えば、私は以前、レベル7のクインドゥームと戦ったことがあってな」

デル「たった一人で、バジリスクのヒューリカと、クインドゥームの相手をしたのかぁ。師匠の武勲譚でも、一番燃える一戦だったかもぉ」

G太郎「魔動機械のドゥームシリーズは、ソード・ワールド2.0をプレイする者には、結構手強い相手として語り伝えられている。命中率の高い機銃と、威力の高い砲塔で、重装甲の戦士や後衛の魔法使い、僧侶の多くを血祭りに上げてきたと聞く。銃に対しては、避けることしか有効な対処手段が少なくて、しかも、回避特化のフェンサーが愛用している刃の武器からはクリティカルを受けないというイヤらしさ」

ホリー「だから、十分な回避力を持った打撃重視の武闘家だけが有効ということか」

G太郎「レベル5のドゥームは、機銃も砲塔も1門ずつで2部位、HP総計70のザコでござるが」

デル「HP70を雑魚と言っちゃう師匠の凄さが、オラには眩しいさぁ」

G太郎「私が前に戦ったクインドゥームはレベル7の4部位で、HP総計160」

ホリー「一気に倍化したのか」

G太郎「この度戦うレベル9のウォードゥームは、3部位に減ったが、HP総計は同じ160。1部位当たりのタフさが向上した上、1本に集約された砲塔の与えるダメージが8点増えて、強力な破壊力を誇るようになった」

GM「この後、ドゥームシリーズは空中戦車のレベル11エアロドゥームに進化し、その発展系がレベル15のドラゴンフォートレス。一方で陸上の移動要塞と呼べるのが、レベル18ランパートといった感じに技術体系が受け継がれている。ただ、ドゥームシリーズは2.0のテラスティア大陸で見られる戦闘兵器で、2.5のアルフレイム大陸には見られない。わらわとしては、2.5の次のサプリメントとして、魔動機術にスポットを当てたメカニック系の追加データ集が欲しいところじゃのう」

G太郎「飛空艇や魔動列車、魔動蒸気船などマシンに力を注いだサプリでござるか。確かに、2.0時代にはなかった本でござるな」

GM「まあ、予想とかではなくて、あくまで願望じゃがのう。それでは、ウォードゥームと戦う準備はこんな物か?」

デル「もう一つぅ。地下水路で拾った5点魔晶石はオラがもらっていいかぁ? 回復魔法のMP切れになったら困るからさぁ」

G太郎「承認したでござる。それでは、いざ出陣!」

 

愛と平和のための戦い

 

 強敵ウォードゥーム撃退のために、これまで以上に念入りな作戦を立案した烈火団は、いよいよ覚悟を決めて、ギルマンの案内に従い、戦場へ向かった。

 

GM「そこは水没通路に数多く存在する隠し扉の奥。崩壊した遺跡の一角にある広間にして、犠牲になった魚人の死屍累々と倒れ伏している中央に、かくも無惨な破壊をもたらしたウォードゥームが神のように鎮座しているのが見えた。お主たちを案内した魚人どもは怯えながら後退する。ただ、王に命令されているらしく、お前たちの戦う姿を見届けようとはしているようじゃ」

G太郎「ならば、この場で驕王ポイントを稼ぐこともできるということか」

GM「覚えておったか。確かに、この区画は蛮族マークが付いているゆえ、戦闘に勝った後にムルカグンドリの名を持ち出せば、驕王の威名クエストの対象となる」

G太郎「同じ戦うのであれば、稼げるポイントは少しでも稼いでおきたいのが商人魂というもの。では、まず剣の恩寵を使い、魔物知識判定を行おう。(コロコロ)出目8に+4して、魔物知識22でござる」

GM「普通に成功していた出目じゃが、ウォードゥームの弱点である雷属性+3ダメージがはっきりと認識された」

ホリー「ガストボールはいつ使ったらいいのかな?」

GM「使うなら、戦闘配置に関わるので、今から使ってもいいぞ」

ホリー「ならば、1万Gパワーで召喚! 影の女王ガストクイーンよ、現れ出でよ!」

GM「ホリーがボールを投げると、霧状の魔力の塊が結集してレベル10魔法生物、ガストクイーンが出現した」

ホリー「女王に命ず! あの魔動機械を滅せよ」

GM「クイーンは恭しく一礼すると、戦場へ飛び込む態勢をとった」

ホリー「クイーンのダイスはボクが振ることにするから。それと、ノーマルのガストボールはデルが使うといい」

デル「と言っても、レベル1でHP14じゃあ、一発攻撃をくらったら、たちまち消し飛ぶだけなんだなぁ」

ホリー「それでも、その一発がボクたちに飛んでくる可能性を下げるんだから、ないよりはマシだと思え」

デル「だったら、100Gパワーで召喚! ただの影ガストよ、囮になれ!」

GM「すると、ガストは一声、ラブ〜❤️と鳴いて実体化した」

デル「その鳴き声はやめてくれぇ。思わず、我が命に代えて、守りたくなるじゃないかぁ」

GM「ヒヒヒ。なお、当リプレイのガストクイーンは、このような姿をしていることにするのじゃ」

 

GM「それでは召喚が終わったところで、初期配置はこのような形じゃ」

●戦闘開始時の状況

 

ウォードゥーム砲塔(HP55)

機銃付き胴体A(HP75)
機銃付き胴体B(HP75)

 

G太郎(HP52/52 MP30/30)

ガストクイーン(HP107)

ガスト(HP14)

デル(HP37/37  MP33/33)

ホリー(HP28/28   MP32/32)

イノセント(HP54/54)

 

G太郎「それでは、先制判定からでござるな。(コロコロ)20で取った。早速、4回キックで……」

ホリー「ちょっと待った、G太郎。ボクたちの支援を先に受けてからにしろ。まずは、鼓咆の【怒涛の攻陣】を叫んでダメージ+1。続いて、【プロテクション】をG太郎、ボク、デル、イノセントの4倍がけで発動成功。MP4点消費して、ダメージ1点減少。イノセントは動かない」

デル「続いてオラだぁ。【フィールド・プロテクション】発動成功ぉ。MP2点を消費して、防御結界の効果でダメージがさらに1点減るぅ。それともう一つ、今のうちに補助魔法の【ヒートウェポン】もかけておくぅ。MP4点消費で、合計6点使用だぁ。武器に炎が灯り、ダメージ+2が18ラウンド持続するぅ」

GM「フィープロの対象は誰を外す?」

デル「ヘッ?」

GM「フィープロは5体までしか範囲に含まれない。今は6体いるからのう」

デル「ええと、ガストはダメージを1点減らしても、すぐに死ぬと思うからぁ……」

GM「防護魔法の対象から外されようとしているガストは、ラブ〜とうめきながら、つぶらな瞳で召喚者のデルを見つめてくるが?」

デル「そんな可哀想な演出をしないでよぉ。命を持たない使い捨ての魔法生物なんだからぁ」

G太郎「ハドラー親衛騎団のように、長らく付き合い続けると、疑似的な魂を宿すのかもしれぬが、ガストボールはどうあっても使い捨てでござるからなあ。仮にこの戦いで生き延びたとしても、戦闘が終われば魔力が四散して、大気中のマナとして消失する定め」

GM「その儚さを愛でるのも、また一興なのじゃ」

デル「だからと言って、わざわざ不利になるような選択はしないさぁ。どうしても、と言うならガストクイーンを対象から外すけどぉ」

ホリー「ボクはそれでもいいと思うぞ。クイーンの回避基準値は13。結構、避けれる数値だし、たった1点の防護のあるなしが生死に直結するのは、HPの低いキャラだと思う。クイーンが死ぬようなことはまずないだろう」

デル「だったら、クイーンを対象から外して、ラブガストを愛の防護呪文で包みますぅ」

G太郎「ここまでガストが愛されたソード・ワールドリプレイも珍しいであろうな。それでは支援魔法も終わったので、私の手番。練技は【マッスルベアー】【ジャイアントアーム】でダメージ+5、【キャッツアイ】で命中+1、【ガゼルフット】で回避+1のMP12点消費。そして、胴体Aに向かって4回キック発動。回避16に対して、命中基準値14ならピンゾロ以外は外さない。全て命中して、ダメージは固定値20に威力33。4点、10点、8点、4点で合計106点ダメージでござる」

GM「防護点9点じゃから、4回分まとめて36点減らして70点ダメージじゃ。残りHP5点じゃのう」

G太郎「仕留め損ねたでござるか。しかし……」

ホリー「ガストクイーンが動く。命中判定は22で余裕で当てて、ダメージは23点」

GM「女王の一撃でウォードゥームの胴体の半分は機能を停止した」

ホリー「さすがはレベル10だな。使ってみて快感を感じた。自分じゃダメージ20点なんて、まず出せないし。《魔力撃》込みで固定ダメージが13点で、威力10じゃクリティカルが出て、ようやく20点が出せるかも、と言ったところか」

デル「その前に、ホリー姉さんは攻撃を当てられないからなぁ」

ホリー「うるさい。今は女王を使ってるんだから。それより、ラブちゃんも攻撃しなさいよ」

デル「ラブゥ。命中基準値3で、どうしろと〜。出目10で達成値13出たけど〜」

GM「回避16には届かんのう。6ゾロ自動命中でなければ絶対に当たらん。では、こちらの反撃じゃ。まず、恐怖の砲塔はランダムに目標を決めて……デルニールじゃ。命中16を避けられるかの?」

デル「回避基準値7だから、9以上で避けられるぅ。そして、出目10で避けたぁ」

GM「何と。人間の胴体ほどもある砲弾が飛んで来るのを、デルニールは何とか紙一重でかわした」

デル「ふう。助かったぁ」

GM「次に威力は弱いけど、命中値の高い機銃じゃ。目標は……G太郎。命中19じゃ」

G太郎「回避基準値15だから、出目4で避けられるでござるよ。(コロコロ)しかし、出目は3」

GM「ヒヒヒ。ならばダメージは15点じゃ」

G太郎「防御魔法で2点減らして、13点くらったでござる。残りHPは39点。まだまだ大丈夫」

●1ラウンドめ終了時の状況

 

ウォードゥーム砲塔(HP55)

機銃付き胴体A(HP75→0)破壊
機銃付き胴体B(HP75)

 

G太郎(HP39/52 MP18/30)

ガストクイーン(HP107)

ガスト(HP14)

デル(HP37/37  MP27/33)

ホリー(HP28/28   MP28/32)

イノセント(HP54/54)

 

デル「師匠、回復しようかぁ?」

G太郎「いや、必要ない。それよりも、前衛に出てきて攻撃して欲しいでござるよ。とりあえず、受けたダメージは練技【リカバリィ】でMP3点消費して、自力回復11点」

GM「そんなに回復するのか」

G太郎「エンハンサー技能レベルの7に、〈スマルティエの武道帯〉効果で生命力ボーナス4点を加えるからな。続いて、予定どおり《マルチアクション》からの魔動機術【エフェクト・ウェポン】で自分に雷属性を付与。呪文は普通に発動し、これで残りMPは13点。キックに電撃効果が備わって、追加ダメージが+2に弱点効果で6点加算で、ダメージ固定値が28にまで高まった。金のクウガの如く、ライジング・マッスルG太郎・ダブルキックを胴体Bに仕掛けるでござる。どちらも命中して、ダメージは38点と32点」

GM「防護点で9点ずつ減らして、52点ダメージじゃ。残りHP23点。対電撃バリアが胴体に張られた」

ホリー「先に女王さまに殴らせてみるかな。普通に命中して、ダメージは26点」

GM「17点くらって、残りHPは6点じゃ」

ホリー「15点以上で、とどめをさせるんだよね。だったら、イノセントに乗ったボクが突撃するよ。まず、イノセント。命中は15」

GM「回避16じゃから当たらん」

ホリー「だけど、剣の恩寵と言って+2して当てる。イノセントGO! ダメージは17点だ」

GM「何と。イノセントが急加速した突撃によって、胴体が機能停止した」

ホリー「フッ。これがイノセントの聖なる力だ」

GM「胴体部分が機能停止したことにより、残された砲塔の攻撃障害効果がなくなった結果、回避が18から14に下がった。それでも、ピーガガガと壊れた機械特有のぎこちなさを見せつつ、砲塔だけでも敵を撃とうと動き続ける」

ホリー「ボクの攻撃はまだ終わっていない。《魔力撃》と言って、さらに練技【キャッツアイ】で命中+1。使う武器はジャベリンだ。命中は17。ダメージは14点」

GM「防護点は6なので8点ダメージ」

デル「次はオラだなぁ。前に出てきて、練技【マッスルベアー】と【キャッツアイ】でダメージ+3、命中+1して、シェルブレイカーの一撃ぁ。おっと、そう言えば、自分の名を売る宣言を忘れていたなぁ。オラのメイスが真っ赤に燃えるぅ。勝利をつかめと轟き叫ぶぅ。爆熱ゴッド神官のデルとはオラのことだぁ。命中判定は(コロコロ)18。ダメージは……あっそうだ。楯を背中のウェポンホルダーに背負って、久々の両手持ち攻撃を宣言。これで威力が10上がって(コロコロ)22点ダメージだぁ」

GM「16ダメージ受けて、残りHPは31点じゃ」

デル「一応、ラブコフ……じゃなくて、ガストも攻撃ぃ。はい、命中8じゃ外れだぁ」

GM「どうやら、これが最後の射撃になりそうじゃな。目標は……(コロコロ)デルじゃ」

デル「オラかぁ。回避は14だから当たったぁ」

GM「ヒヒヒ。ダメージは25点じゃのう」

デル「ラブコフ……いや、ガストじゃなくて良かったぁ。ええと、9点減らして、16点くらったぁ。残りHPは21点。鎧の防弾膜がちょっと剥げただけさぁ」

ホリー「ボクなら重傷だったな」

●2ラウンドめ終了時の状況

 

ウォードゥーム砲塔(HP55→31)

機銃付き胴体B(HP75→0)破壊

 

G太郎(HP39/52 MP13/30)

ガストクイーン(HP107)

ガスト(HP14)

デル(HP21/37  MP21/33)

ホリー(HP28/28   MP25/32)

イノセント(HP54/54)

 

 そして、残った砲塔も、3ラウンドめのライジング・マッスルG太郎・ダブルキックで、ピンゾロ事故に遭うこともなく(出目3はあったけど)、無事に機能停止に追い込まれるのであった。

 

ホリー「思ったより、楽勝だったな」

G太郎「ガストクイーンがコンスタントに大ダメージを与えてくれたから、短期に殲滅できたでござる。彼女がいなければ、もう1ラウンドか2ラウンド、戦闘が長引いて、嬢ちゃんが大ダメージを受けていたかもしれぬ」

ホリー「アリナ様、今からボクのプレイヤーキャラはガストクイーンにします」

GM「そういうわけに行くか。戦いを終えたクイーンと、お付きのマスコットは、最後に意思ある者のようにコクリとうなずくと、辺りの空気に溶け込むようにシューッと霧状のマナとなって消失するのじゃ」

デル「ラブコフ……いや、ラブガストォ! 短い間だったが、オラはお前のことを忘れないさぁ。助けてくれて、ありがとぉ! お前がいなかったら、オラたちは強敵ウォードゥームに勝てなかったかもしれねぇ」

GM「いや、それはなかろうて」

 

 こうして、束の間のガストクイーン、およびガストとの交流と、強敵だったはずのウォードゥーム戦は終わった。

 しかし、心に愛がある限り、ガストクイーンやガストは再び、烈火団を助けに来てくれるかもしれない。

 そうなる日を信じて、デルニールたちは明日もまた戦い続けるのだろう。

 頑張れ、魔神ハンター。負けるな、烈火団。

 

(当記事 完。次回、第4部完結へ)