凱旋門へ
GM(ヒノキ)「今回は、魔窟探索を頑張るのじゃ」
デル(リトル)「ようやく魔神ハンターらしいことができるんだなぁ」
ホリー(シロ)「ボクは前回、MP4点を使ったままなので、残り28点だ」
G太郎(ゲンブ)「それを言うなら、私はMP9点を使ったので、残り21点でござる」
GM「ところでG太郎は生命抵抗力判定18をしてもらおうかの?」
G太郎「どうしてでござるか?」
GM「バジリスクを蹴った際に、毒の血を受けたからのう。念のためダメージを受けたかどうか判定じゃ」
G太郎「そんな1週間以上も前のプレイの後処理をさせられるとは……(コロコロ)出目5。達成値17でござる」
GM「ヒヒヒ、失敗しおったか。ダメージは2Dで(コロコロ)チッ、4点か」
G太郎「残りHP48点。今ごろヒリヒリして来たが、大したことはござらん」
GM「ということで、ランダム遭遇で出会ったバジリスクを多少傷つきながらも、難なくあしらった烈火団は、ゴブリン王ムルカグンドリのところで、『黄金鎧ミッション』をどうするか話したわけじゃ」
G太郎「シナリオどおりなら、ダークドワーフから力づくで黄金鎧を奪いとるような蛮族ミッションでござるな」
デル「ダークドワーフは、あまり敵に回したくはないんだなぁ。狂神官ならともかく、真面目な鍛冶屋を襲撃するのは、グレンダール様にも申し訳が立たねぇ」
ホリー「殺るなら無理難題を吹っかけるゴブリン王の方だろう」
G太郎「魔窟コンビニのためには、ゴブリン王にも、ダークドワーフにも協力をしてもらわねばならぬ。そこで我らは、両者の話し合いのために、魔窟総監ギルギダッシュ殿の知恵を借りようということになったでござる」
GM「では、35日めの夕方、烈火団は【岩棚の城塞】から西の【戦神の凱旋門】に向かった。ランダムイベントは……何かを拾う。1Dを振るがいい」
ホリー「イノセントが見つけたってことで。4」
GM「〈虹色の宝石〉1D個じゃ」
ホリー「5個だな」
G太郎「でかした、嬢ちゃん。これで人魚女王のクエストで、★2個がゲットできる」
デル「地下水路で見つからなかった宝石が、こんなところで拾えるとはなぁ」
G太郎「今回はまことに幸先がいいと言うか、運が巡って来たと言うか、この勢いで魔窟に突入するでござるよ」
魔窟総監の話
ギルギダッシュ『おお、烈火団か。久しいな。前にここに来て、2週間が過ぎた』
G太郎「実時間では、去年の8月だから8ヶ月ぶりでござる」
デル「オラとホリー姉さんはあの時レベル4だったけど、今はレベル6だぁ。深層階にも潜ったりして、だいぶ強くなったはずさぁ」
ギルギダッシュ『その成長具合、魔窟で試してみるがいい』
G太郎「ところでギルギダッシュ殿に尋ねたいことがある」
ギルギダッシュ『何だ?』
G太郎「昔、この魔窟にはユリア・ミルドリスという女戦士が頑張って戦いを続け、〈近衛黄金勲章〉を勝ち得たという話を聞いたでござる」
ギルギダッシュ『ああ、あのドレイクの女か。〈白銀騎士勲章〉を5つ集めて、〈黄金近衛勲章〉に替えてやったわ。翠将親衛隊に入るためには〈黄金近衛勲章〉が必要で、その後の試練に挑む資格が与えられる。お前たちも彼女の栄光の道を歩みたいのか? 特に、そこのドレイクの若者よ。お前には、あの女に似た魂の輝きを感じる』
デル「魂の輝きかぁ? 自分ではよく分からねぇが、自分を鍛えて強くなりたいって気持ちなら、誰にも負けねぇって思う。ユリア姉さんもそうなのかぁ?」
ギルギダッシュ『強さを求めることこそ、バルバロスの誉れよ。お前たちがユリアの後を追いたいのなら、拙者は応援したく思う。強さを目指して精進する姿は美しく、鑑賞に値する生きた芸術と呼べるもの』
G太郎「それならば、いつか話した魔窟コンビニの開設に協力してもらいたい。現在、周辺の協力者を募っての折衝活動中でござるが、ゴブリン王とダークドワーフの間の不協和音を解消するためには、この地にダークドワーフの鍛冶場出張所が必要となる。魔窟コンビニ設立の前段階として、ダークドワーフの鍛冶場をこの地に設置させてはもらえぬだろうか」
ギルギダッシュ『前に言ったよな。魔窟コンビニとやらを開設するには、地下50階まで降りられるだけの力を示せ、と』
G太郎「もちろん、そのつもりでござるが、物事を進めるには段取りというものがござる。地下50階まで降りた瞬間に、コンビニがいきなり開設できるものではござらん。開設の前段階としてのダークドワーフ鍛冶場は、地下50階に到達する前に立ち上げておかねば、その後の商業活動にも滞りが出る。商業活動には商機というものがあって、機を見過てば大願成就ならず、鉄は熱いうちに打て、筋肉も若きうちに鍛えてこそ、笑顔と魂の芸道となる。ギルギダッシュ殿も芸の道を解するならば、時機を逃さぬことこそ肝要なれとはお分かりのはず」
ギルギダッシュ『口ばかり達者でも、拙者の心には響かぬと知れ。地下50階の前段階が必要なら、せめて地下30階まで潜ってみよ。それすらできぬ輩には何もつかめんわ』
G太郎「地下30階でござるな。そのミッション、確かに引き受けたでござる」
地下10階を越えて
GM「それでは、いよいよ魔窟に潜るのじゃが、その前に手持ちの勲章の整理をしておこうかのう」
G太郎「勲章5個で1つ上位の勲章に両替えしてもらえるのでござるな。両替え後の手持ち勲章は以下の通り」
●勲章、および真紅のマギスフィアのデータ
・黒鉄剣士勲章(50G):4個
・真鍮戦士勲章(250G):2個
・赤銅勇士勲章(1250G):3個
・白銀騎士勲章(7500G):2個
・魔神討伐ポイント:6点
・転移門:地下10階
デル「白銀5個で、黄金近衛に昇格できるんだなぁ」
G太郎「翠将のところに近づくには、黄金近衛の勲章を勝ち得る必要がござる。ユリア・ミルドリス殿の後を追うには、そうしなければならない、と」
ホリー「他に、魔窟では〈妖精の歌笛〉が手に入るって聞いたけど」
GM「それは地下31階以降の話じゃな。先に30階までを達成するといい」
G太郎「ならば、まずは〈真紅のマギスフィア〉の力で転移門を起動させ、地下10階に到達した」
GM「それでは、次に2Dを振れ」
デル「オラが振るさぁ。7」
GM「烈火団は頑張って17階まで降りた。そこでイベントが発生する。1Dを振れ」
デル「2」
GM「魔窟を徘徊する魔物と遭遇した。出現したのは……ゴブリンハイキングが2体。ムルカグンドリの劣化バージョンで、レベル8蛮族じゃ」
G太郎「驕王の親戚か何かでござるか?」
GM「身内のライバルじゃのう。驕王を源頼朝に例えるなら、こやつらは木曾義仲や武田信義に相当すると言えようか。ムルカグンドリとの覇権争いに負けて、魔窟に追放されて、今や理性を失った狂ゴブリンと化しておる。話し合いの余地は一切ない」
G太郎「先制判定は……出目が低くて14」
GM「こちらは15なので、こちらが先攻……」
ホリー「いや、4月分の剣の恩寵を使います。G太郎の判定に+2して、先制を成功させる。次いでウォーリーダーの鼓咆【怒涛の攻陣】でダメージ+1。さらに【エンチャント・ウェポン】の3倍がけでMP6点消費して、G太郎、デル、イノセントのダメージ+1。合計ダメージ+2のバフだ」
G太郎「おお、正に天才軍略家の采配か。八幡大菩薩の化身とはこのことか」
ホリー「さらに倶利伽羅峠の戦いのように、イノセントを突撃させる。命中判定は16」
GM「こっちの回避は17じゃ」
ホリー「くっ、外したか」
デル「いや、オラも剣の恩寵を使うさぁ。いっけえ、イノセントォッって叫んで、判定に+2だぁ」
G太郎「出し惜しみなく、剣の恩寵を使うでござるなあ」
ホリー「4月末だからな。今回使わなければ、もったいない」
GM「デルの声援で、イノセントの突進が加速し、木曾ゴブリンを貫いた」
ホリー「ダメージは……21点」
GM「防護点は8点なので、13点をくらって、残りHPは41点じゃ」
G太郎「では、もう1体の武田ゴブリンを4回蹴る。練技は【マッスルベアー】【ジャイアントアーム】に【キャッツアイ】を重ねて、命中+1、ダメージ+5。あと、うっかり忘れていたが、魔物知識判定をして14」
GM「弱点は見抜けなかったが、〈狩人の目〉効果で命中判定+1になるのう」
〈狩人の目〉とは、魔物知識判定に失敗しても、相手のレベルが分かる片眼鏡である。
本リプレイでは、記事書きの簡便さのために、魔物知識判定をせずとも相手の名称は明かしてしまっているが、厳密には〈狩人の目〉で分かるのは、レベルだけである。
また、魔物知識判定に成功することで命中+1できるという利点が〈狩人の目〉にあり、命中力の確保のために、後から判定するに至った次第。本来なら、戦闘開始時に魔物知識判定を行うのがルールどおりの処理なんだけど、GMがうっかり魔物の名称を明かしてしまうと、魔物知識判定を失念しがちなのが実プレイでよくある話である。
GM「まあ、知識判定にこだわりがちな魔法使いキャラは積極的に『マモチキします』と発言するのじゃが、G太郎は前衛武闘家キャラで、魔物知識よりも先制判定の方に神経が行きがちじゃからのう」
G太郎「とにかく、バフの結果、命中基準値が14になったので、4以上で命中するでござる。(コロコロ)4回とも当たって、ダメージは29点、29点、31点、27点」
GM「すると、8点ずつ減らして、84点ダメージで武田ゴブリンは死亡」
G太郎「オーバーキルでござったな。2発ずつ振り分けた方が良かったかも知れぬ」
デル「それだと、木曾ゴブリンを撃破して、武田ゴブリンに42点ぐらいダメージを与えていたかもしれないけど、どこかでピンゾロを出していたら、2体とも生きている可能性があったわけでぇ。ここは確実に1体ずつ倒しておく方が安心さぁ」
GM「わらわとしては、1ターンで瞬殺されて、こっちが何もできない状況だけは免れたいところじゃ。デルニールの攻撃力で、木曾ゴブリンを倒すことは不可能じゃろう」
デル「まあ、やれるだけやってみるさぁ。練技は【マッスルベアー】と【キャッツアイ】でMP6点使用。命中判定は……16じゃあ当たらないので、誰かに支援して欲しいんだけどぉ」
G太郎「仕方ないでござるなあ。剣の恩寵で+2」
デル「師匠の応援で、やる気が出て命中したさぁ。ダメージは……19点」
GM「残りHPは30点じゃ。では、木曾ゴブリンの反撃と行こうかのう。ゴブリンハイキングは特殊能力ウェイトアクションで、後攻になった場合、2回攻撃ができる。さらに全力攻撃を宣言して、ダメージ+4に高めた上で、G太郎、デル、イノセントの誰を狙うかはランダムで……って、G太郎に2回じゃとぉ? 命中は18じゃが」
G太郎「カウンターキック。見事に決まって、29点ダメージでござる」
GM「木曾殿の残りHPは9点。せめて一矢は報いたい。もう一撃を避けてくれるな」
G太郎「回避判定は……22」
GM「無念じゃ」
こうして木曾義仲の名前を冠したゴブリン狂王は、最期を迎えることとなった。
とどめを刺したのは、G太郎のキックである。デル、イノセント、前衛に出てきたホリーの攻撃はかすりもせず、一応の8レベル蛮族の貫禄は見せたんだが。
戦利品は、きらびやかな首飾り(2000G)が2つと、宝石(150G)が4個、王冠(700G)、黒鉄勲章3つ。
●地下17階までのリソース消費
・G太郎:HP4点ダメージ、残り48点。
MP18点使用、残り12点。
・デル:MP6点使用、残り30点。
・ホリー:MP10点使用、残り22点。
地下20階の魔神
G太郎「さて、いよいよ地下20階でござるなあ」
デル「ついに魔神と戦えるんだなぁ(ワクワク)」
ホリー「G太郎、ずいぶんとMPを消費したが、回復はしなくていいのか?」
G太郎「あと1戦はできるでござるよ。いざとなれば、ルーンフォークの種族特徴[HP変換]で、HPをMPに換えることもできるし、地下20階をクリアしたら、魔香草でMPを回復するという手もある」
ホリー「そうだな。回復は次の戦闘を終えてから。よし、だったらまず魔神との戦いを乗り越えよう」
GM「ヒヒヒ、では、いよいよ到達した地下20階にて、お主たちを待つのは……魔物知識判定を振れ」
G太郎「14でござる」
GM「弱点は抜けず。レベル5魔神のダスキーグレイス、剣のかけら入りで、HP67点が2体じゃ」
G太郎「2体では、瞬殺できないでござるか」
GM「ボスキャラがいつも、そう簡単に瞬殺されてばかりでは、ゲームとしてつまらんじゃろう」
G太郎「しかし、レベル5のザコ魔神よりも、さっきの木曾殿の方が明らかに格上ではござらぬか」
GM「ランダム遭遇は、パーティーのレベルに応じた敵が登場する。一方で、ボスキャラは固定モンスターが登場することが多いので、ボスよりザコの方が高レベルなことも有り得るのが、ミストグレイヴの仕様じゃ」
デル「それで、ダスキーグレイスってのは、どんな姿形の魔神なんだぁ? ファンタジーでよくあるモンスターなら説明されなくてもイメージできるが、魔神はこの世界のオリジナルだからなぁ。名前だけで姿形が想像できるのは、ソード・ワールドのマニアさんしかいないだろぉ」
GM「そうじゃのう。ならば解説しよう。ダスキーグレイスというのは、小型のデーモンじゃな。背の低い人間のような外見で、薄い灰色の肌と細長い尻尾を持つ。尻尾で攻撃して、相手を絡めとる戦術を使うほか、操霊魔法3レベルまでを使いこなす」
ホリー「レベル5ということは、冒険の初心者が戦うには相当に厳しいが、今のボクたちから見れば格下ってことだな」
G太郎「うむ。ボスキャラゆえHPは補強されているが、恐れる相手ではない。先制判定は18で取った」
ホリー「だったら、初手はボクが支援するよ。さっきの鼓咆と操霊魔法でダメージ+2のバフをかけ、イノセントを突撃させる。命中判定は13」
GM「さすがに、それは当たらんじゃろう。魔神をナメるな」
ホリー「あっ、イノセントもヒンソン効果で[運命変転]できるんだよな。ダイスをひっくり返して命中判定19にする」
GM「それは当てられた」
ホリー「フフフ、お前こそイノセントをナメるな、と言い返す。ダメージは18点」
GM「防護点は3点なので、15点くらった。残りHPは52点じゃ」
G太郎「では、もう1体に4回キックを浴びせるでござるよ。使う練技は【マッスルベアー】と【ジャイアントアーム】のみ。命中は十分確保されているでござるからな。ピンゾロ以外で命中できる。(コロコロ×4)全て命中して、ダメージは29点、26点、31点、31点でござる」
GM「115点ダメージで、跡形もなく吹っ飛んだ」
デル「師匠の与えるダメージだけ、違うゲームをしているみたいだなぁ。オラは残った1体に攻撃するぅ。使う練技は【マッスルベアー】に【キャッツアイ】で、命中判定は19。当たったので、ダメージは22点だぁ」
GM「19点くらって、残りHPは33点」
デル「あと二撃で倒せそうだなぁ」
GM「その前に、こちらの反撃じゃが、少しでもダメージをたくさん与えようと思えば、自分を巻き込んで、範囲攻撃呪文の【スパーク】を使うべきじゃろうな」
G太郎「そんな自殺行為はやめるでござる!」
GM「何を言うか。お主も昔、麻薬窟での戦いで同じ戦術をしたじゃろう」
GM「さらに、魔神ハンターの物語に入ってからも、自分を巻き込んで【スパーク】を繰り返しておる」
GM「ヒヒヒ、魔神奥義、死なば諸共じゃよ。前衛は精神抵抗13を行うがいい」
G太郎「成功。鋼の筋肉で跳ね返したでござる」
デル「オラも同じく」
ホリー「イノセントも抵抗した」
GM「全員抵抗したじゃとう!? ならばダメージは半減して、G太郎4点、デル5点、イノセント3点、そして自分自身に5点じゃ。残りHP28点」
ホリー「2ラウンドめだな。よくもイノセントを傷つけたなあ。前に出てきて、《魔力撃》レイピアを突き込む。命中判定は17」
GM「怒りのレイピアが魔神に突き刺さった」
ホリー「ダメージは16点」
GM「残りHP15点じゃ」
ホリー「次にイノセントの番。でも、命中13で外れ」
デル「トドメはオラに任せてくれぇ。まずは《マルチアクション》を宣言だぁ。それから補助動作で【ヒート・ウェポン】を使用。オラのメイスが真っ赤に燃えるぅ。勝利をつかめと轟き叫ぶぅ。これでダメージ+2されたぁ。命中判定は20で難なく当ててぇ、ダメージは28点だぁ」
GM「《マルチアクション》は必要なかったようじゃのう」
デル「倒せなかったら、神聖魔法【フォース】を使うつもりだったけど、これでヒートエンドだなぁ」
こうして、デルニール・イーストンは待望の魔神狩りに成功した。
戦利品は、悪魔の血(100G)が2個と、悪魔の耳飾り(260G)。それに名誉点が33点分。さらに魔窟の地下20階を達成したことで、★1つをゲットした烈火団であった。
もっと深く
GM「さて、地下20階に到達したことで、地上への転移門が使えるのじゃが」
G太郎「このまま地下30階まで進むでござる」
デル「ああ。レベル5のザコ魔神を倒しただけじゃあ、真の魔神ハンターとは呼べねぇ。地下10階でレベル4、地下20階でレベル5なら、せめて自分と同じレベル6魔神ぐらいは倒してみせないとなぁ」
ホリー「だけど、ボクたちは傷ついているし、MPもそろそろ限界に近いんじゃないか? 一度、地上に戻って出直してみるって選択肢も……」
G太郎「いや、魔神ハンター・烈火団の心得としては、ギリギリまで頑張って、ギリギリまで踏ん張って、自分のパワーを信じて飛び込んで、勇気の光をきっとつかむべし、とある」
ホリー「そんな心得がいつの間に!?」
G太郎「マッスル太郎がG太郎になった時からでござる。GはグレートのGにして、ガイアのG。ならば、ここから一歩も退がるべきではござらん。なあに、霧の街の地上では、なけなしのMPと回復手段を利用して、効率の良い回復を成し遂げて節約術に励んだでござるよ。久々にその技を披露しよう」
●マッスルG太郎の回復術
・魔動機術【ヒーリング・バレット】で、デルとイノセントのHP完全回復(弾薬2、MP2点消費)
・ルーンフォークの種族特徴[HP変換]によりHP26点を消費して、G太郎のMP完全回復(残りHP17点)
・さらに【ヒーリング・バレット】を連発。5回使用で、G太郎のHP完全回復(弾薬5、MP5点消費)
・ホリーのMPは、魔香草1つで11点回復(残り27/32)
・デルのMPも、魔香草1つで11点回復(残り31/36)
G太郎「これで全員MPを5点消費した程度まで回復したでござる」
ホリー「なるほど、これなら、あと地下10階ぐらいは探索できそうだな」
デル「ここまでの収益計算は以下の通りだなぁ」
●地下20階時点でのリソース消費&収入
・G太郎:MP5点使用、残り25点(弾薬7つ消費)
・デル:MP5点使用、残り31点(魔香草1つ消費)
・ホリー:MP5点使用、残り27点(魔香草1つ消費)
経験点:モンスター退治分260点、★1つ(魔窟20階クリア)
戦利品:剣のかけら10個(名誉点33点に換算)、悪魔の血×2(魔神討伐ポイント4点に換算)、その他の戦利品5560G分、黒鉄剣士勲章3個、虹色の宝石5個
G太郎「それでは、さらなる深みへ進むでござる。2Dは11」
GM「何と。いきなり地下30階へ到達したのじゃ」
ホリー「呆気なさすぎないか?」
デル「きっと、魔神ハンター・烈火団の破竹の進軍に、ザコ魔神は怯えて隠れているんだなぁ」
GM「と言うことで、お主たち烈火団は地下30階のボス魔神と対面することになったのじゃ」
地下30階の魔神
GM「今度の魔神は身長4メートルほどの巨漢が2体。首は分厚い胸の中に埋没し、その様子はジャミラの如し」
G太郎「ジャミラでござるか? すると、弱点は水?」
GM「ジャミラそのものではない。右腕は異様に肥大化し、一方の左腕は細長く4、5本生えている」
デル「奇怪な姿の化け物だなぁ」
G太郎「とりあえず、魔物知識判定をするでござる。16」
GM「6レベル魔神ヴァルブレバーズという名じゃ。胴体と、右の大腕、左の小腕の3部位モンスター。弱点は魔法ダメージ+2で、胴体HP53点がコア部位になっておる」
G太郎「(データを見ながら)コア部位を落とせば、倒せるみたいでござるが……大腕が庇うのでござるか。まあ、先制判定をしてみよう。21で難なくとったでござる」
ホリー「最初はボクが鼓咆を使うのはいいとして、やっぱり【ファイア・ウェポン】かな。3倍がけでMP12点消費して、ダメージ+3のバフだ。そして、燃えるイノセントの突撃で、敵1体の胴体を狙う。命中は15」
GM「胴体の回避は13なので命中じゃ」
ホリー「だったら、ダメージは19点」
GM「そのダメージは右腕が受け止めて、14点くらった。右腕のHPは残り29点。これで、このラウンドのこやつの右腕ガード回数は使い果たした」
G太郎「だったら……上手く行けば2回キックで、そいつは落とせるかもしれぬ。よし、同じ奴の胴体を狙うでござる。練技は【マッスルベアー】と【ジャイアントアーム】でダメージを+5して、胴体を2回蹴る。両方当たって、30点と26点」
GM「防護点5点なので、56点ダメージじゃ。魔神ヴァルブレバーズAはドドーンと地面に倒れ伏した」
G太郎「よし。続いて、ヴァルブレバーズBにもG太郎火柱反転キックを喰らわせる。おっと、1発はピンゾロで外れて、もう1発が命中。ダメージは25点」
GM「そいつは腕がかばって、残りHPは23点じゃ」
デル「だったら、先にその腕を落とした方がいいんじゃないかぁ? 胴体は落とせなくても、傷ついた腕なら落とせる可能性ならあるかもぉ。【マッスルベアー】と【キャッツアイ】、それから反撃に備えて【ビートルスキン】まで掛けておいてぇ、命中判定は19だぁ」
GM「腕に命中。防護点は6点なので、29点ダメージで落ちるがのう」
デル「それは無理だぁ。24点ダメージにしかならねぇ」
GM「ならば、腕の残りHPは5点じゃ。さて、反撃に移るかのう。まずは、右の大腕で前衛の3体をなぎ払う。命中判定は13と言っておこう」
G太郎「カウンターキックで撃退するでござる」
GM「ならば、魔神の腕が蹴り飛ばされたが、デルとイノセントに対してはダメージが及ぶかもしれん。回避してみよ」
デル「回避15と言って、避けたぁ」
ホリー「イノセントも回避15だ」
GM「チッ、1発も当たらんとは。仕方ない。それでは左腕の攻撃じゃ。うにょうにょ動いて、イノセントを狙う。命中判定は16じゃのう」
ホリー「さすがに、それは避けられない。ごめんよ、イノセント」
GM「ヒヒヒ。ダメージは15点じゃ」
ホリー「防護点は12点なので、3点だけくらった。残りHPは56点」
GM「何じゃと? たった、それだけしか与えられぬのか?」
ホリー「フフフ、ボクのイノセントはこのパーティーの中で一番タフなんですよ」
G太郎「確かに、私の最大HPは52点なので、イノセントの59点には及ばないでござる」
GM「ええい、しかし左腕には連続攻撃がある。再度イノセントに16と言って攻撃じゃあ」
ホリー「避けられないので、ダメージを下さい」
GM「16点じゃ」
ホリー「4点くらって、残りHPは52点。フッ、ただのかすり傷だ、とイノセントはつぶやく」
デル「さすがはイノセントだぁ。そのタフさに痺れる憧れるぅ。これからはイノセント兄貴って呼んだ方がいいかもしれねぇ。『同志として尊敬』から『兄貴として尊敬』に見方を変えたくなったさぁ」
GM「ええい、こちらにはまだ胴体が残っておる。真語魔法5レベルが使えるので、威力30の単体呪文【ブラスト】を使うのじゃ。目標は……G太郎。精神抵抗13を行え」
G太郎「22と言って抵抗でござる」
GM「だったら5点だけじゃ」
G太郎「そんな魔法、屁のつっぱりにもならんですよ」
GM「じゃろうな。では、次のラウンド。もう、好きにしていいぞ」
ホリー「とりあえず、かすり傷とは言え、イノセントを傷つけられた恨みは返しておかないと気が済まない。前に出て、怒りの《魔力撃》レイピアをくらえ。14と言って攻撃」
GM「当たりじゃ。こやつは鈍重なのじゃよ」
ホリー「ダメージは16点」
GM「11点くらって、残りHPは42点じゃな」
ホリー「次にイノセント・アタック。15は命中で、ダメージは17点」
GM「12点くらって、残りHPは30点」
デル「オラも攻撃してみるけど、とどめは師匠になりそうだなぁ。命中判定は……13」
GM「さすがに、それは外れじゃ。やる気のなさがダイス目に出おったみたいじゃのう」
G太郎「では、2回攻撃。どちらも当たって、26点と30点」
GM「ふう。試合終了じゃ」
経験点は360点と、★1つ。G太郎のピンゾロ1回分。
戦利品は、悪魔の血2個、動く腕(200G)3個、いきのいい腕(500G)3個。そして名誉点45点分。
ホリー「この腕、何だかピクピク動いて気持ち悪いよ」
GM「脅威の再生能力を持った魔神じゃからな。一気に倒されたので、再生能力を披露する間もなかったのじゃが」
こうして、烈火団は魔窟の地下30階までを無事に到達して、転移門で意気揚々と地上に凱旋するのであった。
●勲章、および真紅のマギスフィアのデータ
・黒鉄剣士勲章(50G):2個
・真鍮戦士勲章(250G):3個
・赤銅勇士勲章(1250G):3個
・白銀騎士勲章(7500G):2個
・魔神討伐ポイント:14点
・転移門:地下30階
●ここまでの冒険成果
日数経過:35日めの夜(戦神の凱旋門)
経験点:〈翡翠の塔〉の秘密を知った★1個
バジリスクたちを倒した★1個
驕王ポイント12点達成★1個
魔窟の地下20階に到達★1個
魔窟の地下30階に到達★1個
魔窟の新階層に到達して脱出した★1個
(合計★6個)
魔物撃退分760点
ピンゾロ分(G太郎2回)
収支結果:戦利品8460G分、虹色の宝石5個
名誉点78点
弾丸7個消費、魔香草2個消費
ミッション:ドラゴンの秘薬の材料集め
魔窟の30階に到達せよ→達成
(現在14人)
【月の図書館】の書物を読む方法を探る
地下世界から誰かを外に脱出させる
魔窟50階を踏破(店舗経営の許可)
驕王ポイント31点を目指す(現在17点)
人魚奴隷の救出
虹色の宝石の確保→クエスト一部達成
(現在水妃ポイント4点)
情報
・煌びやか卿アー・ヌルチェと商業同盟を樹立。
・防空施設の魔力供給源【翡翠のピラミッド】に入るには、〈翠緑のマギスフィア〉が必要。
・〈破剣の星槌〉らしき略奪品は深層階のダークドワーフに渡った。
・【地底湖の畔】のマーマンは、水妃ポイント残り20点で地上への抜け道を教えてくれる。
・【コボルド窟】のオードル・プルは地上に伝手がある。
・【戦神の凱旋門】の魔窟総監ギルギダッシュと知り合い、魔窟ミッションを攻略中。
・四祖の1人シェラシースは魔剣である。
・地下水路から地上への脱出には、〈銀水晶のサークレット〉が必要。北東の隠し扉を開けられる。
・漆黒のマギスフィアは、深層階の黒い球体に入る鍵。別に合言葉が必要。
・竜のエサユハと知り合い、竜姫ナーデージュ救出の活動を行う。
・【歯車の迷宮】には地下水路の明かりの仕掛けあり。
・【王女の鍾乳洞】では魅了の瞳に注意。
・深層階のダークドワーフ情報いろいろ。
・【月の図書館】の伝承詩。
・ユリア・ミルドリスは深層階の【瑠璃宮】に向かった。
・翠将の親衛隊になるには〈黄金近衛勲章〉を入手して、試練を受けねばならない。
・暗闇を見通す〈セランシェの灯火〉は【妖精庭園】に。
・妖精をなだめる〈妖精の歌笛〉は魔窟の31階から69階の間に。
・〈乳白色のソーダ水〉は深層階にある。温泉か鍾乳洞と推測されている。
密偵の知り合い
・アム・ヤーセン(ドワーフ娘→ラミア)
キーワード「月の図書館」「隠者ヴァラルト」「黒炎の工房」「巨大格納庫」「漆黒のスフィア」
キーワード「ユリア・ミルドリス」「ノイア・カーナ」「白銀勲章」
・ニコ・シュナウヘア(ナイトメア→オーガ)
キーワード「防空施設」「シェラシース」「ヤーハッカゼッシュ」「地底に眠るもの」
・オスカル・バロー(シャドウ→バジリスク)
キーワード「白銀以上の勲章コレクター」
・シル・メリル(人間女→バルカン)
キーワード「レジスタンスを探す裏切り者」
冒険達成度:合計21%
(当記事 完)