花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、ソード・ワールドのミストグレイヴ妄想リプレイ「魔神ハンター」を終了に向けつつ寄り道迷走気味。

魔神ハンター、飛竜覚醒への道(SWミストグレイヴ6ー8)

GM代役初プレイ

 

GM(リナT)『じゃ、屋久島に行ったシスター・アリナに代わって、GMを担当するリナTですの。じゃ、短い間ですが、よろしくお願いしますですの』

G太郎(ゲンブ)「よろしく頼むでござる。それにしても、ずいぶんと久しぶりのプレイでござるな」

デル(リトル)「前回の記事は、2月だったんだなぁ」

ホリー(シロ)「当初は年度内に終わる予定が、ゴールデンウィーク前に終わる予定になり、そこからようやくの記事再開か。何が悪かったんだ?」

GM『じゃ、作者であるグランドマスターNOVAのモチベーションの問題ですの。春は花粉症で大変とか、花粉症ガール誕生5周年なのに誕生日を1日まちがえたりとか、D&D熱とか、気分があれこれソード・ワールドに定まらないとか、物語のゴールは見えているのに、それを盛り上げるための記事書きテンションが上がらないままズルズル来ちゃってるとか……じゃ、一言で言えば、スランプって奴ですの』

G太郎「とにかく、久々のプレイなので、前回までの『魔神ハンター』の復習をするでござる」

デル「第6部までは、こちらを参照したらいいなぁ」

G太郎「その後、黄金鎧ミッションを終わらせて、晴れて魔窟コンビニを開設。しかし、コンビニ近くの城塞が敵の手に落ちて、状況打開のために深層階のバルカン宮殿に向かうことになったでござる」

ホリー「敵の黒幕がバルカンの女王なのかを確認するのが目的だったんだけど、女王バイラヤーナの話では、他所者のバルカン族であるシル・メリルが地上に憧れる一部のバルカンの心情を煽り立てて、内部分裂を目論んだみたいなんだな。女王自身は揉め事を起こす気がないと分かったので、共通の敵であるシル・メリル一派を討伐するために、ボクたち烈火団は女王と盟約を結んだところまでプレイした、と」

デル「シル・メリルは元を正せば、オラたちと同じ人族の密偵。だけど、今では当初の志を失い、身も心も蛮族に成り果てた裏切りの悪女なんだなぁ」

ホリー「ボクたちは、姿こそ蛮族だけど、心はまだ人族として、自分を保っている……といいなあ(苦笑)」

G太郎「もしかして、ホリー嬢ちゃんは人族である自分に自信が持てなくなっているのでござるか?」

ホリー「キャラクターとして、口には出さないけどね。そもそも、人族と蛮族の精神的な違いって何だ?」

 

人族と蛮族の違い

 

G太郎「人族は和を尊び、法を重んじる。蛮族は弱肉強食社会で、混乱を巻き起こす。元は、第一の剣ルミエルに従い、主神ライフォスを崇めるのが人族。一方の蛮族は第二の剣イグニスに従い、戦神ダルクレムなどの破壊や暴虐、死などを司る、いわゆる邪神を崇めると定義されているでござるな。文明を作るのが人族で、文明を壊して略奪するのが蛮族と言ったところか」

ホリー「しかし、ボクたちは蛮族社会に潜入して、一口に蛮族と言っても、多彩な物の考え方があることを知った。蛮族なりに名誉を重んじる武人や、平和主義な人魚族、商売熱心なコボルド族など、人族視点では蛮族に分類されながらも、人族と大差ない文化文明を持っている連中も少なからずいるんだな」

G太郎「もちろん、道を歩いていれば、急に襲い掛かって来て、返り討ちにされるような野盗まがいの連中も多いでござるがな」

ホリー「そういう連中は成敗すればいいだろうが、この地下都市で平和に、秩序を保ちながら暮らしている連中まで、蛮族は人族の敵だという思い込みで殲滅してしまうのはどうだろうか?」

デル「ホリー姉さんは元々、蛮族憎しの信念を持っていたんじゃないかぁ?」

ホリー「魅力的な女性だったら、話は別だ。それと、騎士として名誉を重んじる姿勢を見せてくれたなら、それは尊敬に値する。ボクが憎む蛮族は、弱い者を蹂躙する残虐非道な連中だからな。そういう連中を、より強い力で討ち滅ぼすことは賛成だ。だけど、人族同様の名誉や文化文明を持って、野蛮でなくなった連中だったら、共存できるのではないだろうか」

G太郎「嬢ちゃんも変わったでござるなあ。蛮族をそこまで受け入れるようになるとは」

ホリー「今、人族に戻れると言われても、ボクはそうしたいと思うだろうか? 何だか、このバルカンとしての姿形に慣れてしまって、自分がレプラカーンであるよりも、むしろバルカンとして物を考える方がしっくり来るようになっているぐらいだ。ホリーとしては口に出さないけど、そもそも、レプラカーンとしてどうロールプレイしたらいいのか、プレイヤーがよく分かっていなかったりする」

GM『じゃ、ソード・ワールドサプリメントをチェックしますですの』

ホリー「レプラカーンは、種族として特に集落を形成していなくて、一人もしくは家族単位で暮らしているんだよね。姿を消す能力と、道具を扱う能力に長けていて、気に入った相手の前にだけ姿を現して、時にはいたずらを仕掛けることもあるけど、職人仕事を手伝ったり、人助けが好きだったりする。性格はもっぱら理知的で控えめなので、サポーターが向いている……ってところか。後は、小柄な獣耳が特徴」

デル「でも、ホリー姉さんは騎士の家に住み込んで、従者として育てられたんだよなぁ」

ホリー「そうなんだ。蛮族の襲撃で、カーシェイン家が滅ぼされる前はな。だから、ボクの心には騎士への憧れというのが根付いていて、自分が騎士になる、または騎士の従者として誰かに仕えたいって願望があった。その夢が今、バルカンとして実現したような気がする」

GM『じゃ、仕える相手が人族であれ蛮族であれ、己の騎士道を貫けばよろしいですの』

ホリー「騎士道かあ。ただ、バルカン族は魔剣イグニスに仕える戦士であることを重視しているんだよねえ。そのイグニスに仕えるってことが、ボクにはよく分からないんだけど」

G太郎「ラクシアの世界は、神さまではなくて、魔剣が世界を創造したことになっているでござるからな。魔剣が自らを振るえる生物として、最終的に人間を生み出し、人間の中から魔剣を手にした者が神となり、その神が人間を基にエルフやドワーフなどの亜種族を作ったりもした。蛮族も元を正せば、人間が穢れを受け入れて力とともに異形化した姿だったりもする」

GM『じゃ、ファンタジー世界でありがちな、エルフの方が人間よりも先に生まれた古代種、上位の種族という設定は、ラクシアにはございませんですの。じゃ、人間、神、亜種族という順番なのがオリジナリティですわね』

G太郎「ただし、ルーンフォークは神が作ったのではなく、人が作った人造人間種族であるため、神を信じないでござる」

GM『じゃ、それにG太郎さんは、ルーンフォークのボディに異世界から魔神の魂を召喚させて、本質が魔神というオリジナル設定ですの』

G太郎「魔神サプリという魔神の世界を扱った資料があればいいのでござるが、現状はせいぜい魔神遣い(デーモンルーラー)という職業があるぐらいで、プレイヤーキャラが魔神になることはサポートされていないでござる」

GM『じゃ、そういうのはAFFのサプリメントを参考に、独自にイメージするですの』

G太郎「違うゲームの設定を混ぜるのは危険でござる」

GM『じゃ、まあ、公式がサポートしていないものを、ユーザーが勝手に自作して、もしも将来、矛盾が生じたときに、適当に辻褄合わせするのも一興ですが、魔神設定は公式設定に基づきつつ、足りないところを他の資料やオリジナルのアイデアで補完するのがTRPGの醍醐味だと思いますです』

ホリー「翔花の妖精郷キャラ、エマ・ショーカは、ヴァルキリーと吸血鬼のチャンポン設定だしな。しかも、公式NPCのエマ・ローズワースの設定を勝手に改変しているし」

GM『じゃ、ホリーさんの騎獣のイノセントも、ドラゴオックスなる改変データ設定ですしね。じゃ、今回の記事の一番の目的は、そのイノセントさんを飛竜(ワイバーン)として覚醒させようという流れですの』

 

ワイバーンへの成長

 

ホリー「そもそも、ワイバーンの騎獣データは、2.5には載ってないんだよな」

GM『ええ。2.5では、レベル4〜7がレッサードラゴン、レベル10〜12がドラゴネット、レベル13〜15がレッサードラゴンと騎獣データが設定されておりますが、隙間のレベル7〜9に入るワイバーンが割愛されています。ですから、2.0時代のデータを元にコンバートしなければいけません』

デル「リナTさま、『じゃ』が消えましたよぉ」

GM『……じゃ、本来のリバTとしての喋り方が戻って来たということで、自然体で行きますのじゃ。とにかく、4万ガメルを支払うことで、ルール上はイノセントがワイバーンに覚醒しますですの』

ホリー「4万ガメルかあ。ボクは2万ガメルしか出せないけど……」

デル「オラが1万ガメル支援するぅ。尊敬するイノセントのためだもんなぁ」

G太郎「私も1万ガメル……と言いたいが、ギリギリ9967ガメルしかないでござる。すまん、嬢ちゃん。仕方ないので、パーティー共有財産としてヘソクリにしていた1000ガメルを崩して1万ガメルにするでござるよ」

ホリー「よし、これで4万ガメルだ。とりあえず、G太郎に9000ガメル、デルに1万ガメルの借金をして、4万ガメルを融通したってことでいいな」

G太郎「まあ、イノセントは烈火団の宝であるゆえ、借金なんて気にしなくていいでござるよ」

ホリー「それじゃあ、ボクの気が済まないんだよ。借金は今後の冒険で必ず返すので、今は仲間たちに借りを作っておく。ところで、ワイバーンのデータだけど、2.0時代のをそのまま使えないのか?」

GM『HP以外のデータはそのまま使えそうですが、モンスターのHPが2.5になって強化されているのですじゃ。だから、ワイバーンの騎獣データもいろいろと検討を重ねた結果、2.0時代の1.5倍に換算するのが妥当と判断しましたの。よって、以降のデータは、当リプレイオリジナルの2.5アレンジ型ワイバーンということで』

 

★イノセント(ドラゴオックス)のデータ

(ビッグホーン、騎獣用甲冑装備)

HP64、MP20

体当たり命中11、打撃点2D+10+1

回避9、防護点10+3

生命抵抗10、精神抵抗8

特殊能力:【マッスルベアー】【ビートルスキン】

 

★イノセント(ワイバーン)のデータ

(ビッグホーン、騎獣用甲冑装備)

 4部位(胴体、翼×2、尻尾)

・胴体:HP72、MP35

 牙命中12、打撃点2D+11+1

 回避11、防護点8+3

・翼:HP59、MP31

 翼命中11、打撃点2D+9

 回避10、防護点7

・尻尾:HP64、MP29

 尻尾命中11、打撃点2D+8

 回避9、防護点7

 

生命抵抗10、精神抵抗7

 

特殊能力

・練技:【キャッツアイ】【ビートルスキン】【リカバリィ(5点)】

・炎の息吹(胴体):行使11、ダメージ威力20+11(生命抵抗で半減)

  射程20m、範囲は半径3mに5体まで。

  ターゲッティングはなし(誤射可能性あり)

  連続使用不可

・飛翔(翼):騎手と同乗者、騎獣の近接命中と回避に+1。

・テイルスイープ(尻尾):自分の乱戦エリア5体まで尻尾攻撃。

  連続使用不可

 

ホリー「イノセントがワイバーンに成長すると、4部位モンスターになって、ずいぶんと強くなる。ただし、騎手のボクが騎芸【獅子奮迅】までしか覚えていないので、2部位でしか攻撃できないんだな。全部位攻撃しようと思えば、レベル10以上で習得できる【八面六臂】が必要ってことで」

G太郎「とにかく、飛竜になったイノセントは強いでござるな」

GM『ええ、強いです。もしかしたら、ゲームバランスが崩壊するかもしれませんが、使用上のご注意がありますの』

ホリー「体が大きすぎて、広い場所でないと使えないってことだな」

GM『その通りですの。ミストグレイヴの通路は部位数2までの騎獣しか通り抜けられませんので、普段はドラゴオックス形態で移動して、広い場所でのみ飛竜として暴れることが可能です。建物内でも使用不可。どこで使用できて、どこで使用できないかはGMが裁定するってことで。あと、地上のミストキャッスルでは防空施設があるため、空中高く飛ぶと撃墜されますので注意ですの』

ホリー「それは、先の話だな。とにかく今は、イノセントが強くなれるってことで問題ない」

GM『しかし、まだイノセントは覚醒を遂げたわけではないのです』

ホリー「え? お金は払ったよね」

GM『はい、ルール上は4万ガメルで購入という形をとりました。しかし、物語上は【騎獣調教所】のフーララバラさんが飛竜覚醒の儀式を執り行った後で、こういうことを言っていたのです』

 

フーララバラ『これで、この子の中に秘められた飛竜の素養は覚醒した。しかし、まだ十分ではない。その真の力を発揮するには、2つの条件がある』

 

ホリー「その条件とは?」

 

フーララバラ『一つは、深層階にある【灼熱の鍛錬場】で我が師匠、〈炎の教官〉バルンガロムと会え。師匠の指導に従い、騎手と騎獣の心技体が鍛えられたとき、イノセントの竜の魂が目覚めるだろう』

 

ホリー「フーララバラさんにも師匠がいたんですねえ」

GM『今回から、そういう設定になりました。フーララバラさんが【騎獣調教所】の主人になる前に、深層階で武者修行していた時期があって、一時期はバルンガロム教官の元で心技体を鍛えたことがある、という過去が生えて来ました。以前の彼女のセリフと矛盾する(バルカン族のことはあまり知らない様子)ようにも思えますが、GM交代に際して、多少の矛盾には目をつむっていただければ、と』

G太郎「後から設定が生えて来ることは、連載作品にはよくあることでござるからな。まあ、物語の大筋や根幹設定を蔑ろにするような矛盾は興醒めでござるが、物語を膨らませる設定追加はありでござろう」

GM『とにかく、今回のあなた達へのミッションは2つ差し上げます。1つは、シナリオ公式にある「翠将への使いをお願い!」(推奨レベル7以上)です。この度のバルカン族の内紛について、正式に申し開きをするための書状を烈火団の皆さまに送り届けてもらいたいとのこと。依頼主はバルカン女王のバイラヤーナさん。目的地はもちろん翠将のいる【瑠璃宮】です』

デル「いよいよ、ボスの城に突入するんだなぁ」

GM『別に殴り込みに行くわけではありませんですの。あくまで翠将とバルカン族の友好を維持するための使いってことで』

ホリー「女王陛下の御心のままに、と臣下の礼を尽くします。仕えるべき主君を持てることは騎士としての誉れゆえに」

G太郎「騎士であるならいいでござるが、一つロールプレイを間違えると奴隷に堕するというのは、経験者として忠言しておくでござる」

デル「経験者って、どういうことだぁ?」

G太郎「マッスル太郎は、かつてタビットの女商人ザバーラの奴隷として働いていたでござる。蛮族社会における奴隷の何たるかは、身をもって承知でござるよ。それに、もしもデルニールご主人が私のことを師匠と崇めていなければ、壺から解放された奴隷魔神として扱われる可能性もあったってことで。元より、ルーンフォークは主人に忠義を尽くすことを旨とする種族であれば」

GM『それでも、G太郎さんはお笑い芸人や商売人としての自我が強くございますですの』

G太郎「立場は奴隷であっても、自分の夢や信念がどこにあるかを見失わなければ、強く生きて行けるでござる」

ホリー「ボクの夢や信念か。それは騎手として、騎獣との絆に集約されるのかな。つまり、イノセントだ」

 

GM『そのイノセントさんを「飛竜として覚醒させること」が当リプレイ・オリジナル、もう1つのミッションとして設定しました。魔窟コンビニ開設ミッションがあるなら、イノセントの飛竜覚醒ミッションがあっても構わないというのが、シスター・アリナからの提案です』

ホリー「そうかあ。イノセントの覚醒はミッション扱いかあ。それは素晴らしい」

GM『このミッションは2つの連作ミッションとして扱います。覚醒ミッションその1は、【溶岩湖の宮殿】の東隣にある【灼熱の鍛錬場】で心技体の鍛錬を行うことです。それをクリアすることで、覚醒ミッションその2が開示されます』

デル「訓練なら望むところだなぁ」

G太郎「【灼熱の鍛錬場】には、深層階踏破のためにも向かう必要を感じていた。では、早速向かうでござるよ」

●ミストグレイヴ深層階の地図

(青字は拠点および宿泊可能地点。

 緑字は新規に記入、あるいは未探索区画)

 

瑠璃宮ー歯車ー地下庭園

 l  l  l

王女のー暗殺ー不死者ー流血回廊ー月の図書館

鍾乳洞 斡旋所 の城  l   l

      l   l   l   l 

黒炎の工房ー蒸気の谷ー赤瀑布ー巨大ー銀灯の通路

        l    l  格納庫   l

                     l       l   l    l
             ミノタウロス翡翠のール=ロウド漆黒の

      上層階 ←の門  ピラミッド 神殿      スフィア

                 l            l

            溶岩湖の宮殿ーー灼熱の

                 l          鍛錬場

                                      愚か者のー 蔓の

           上層階 ←扉  居住区

 

灼熱の鍛錬場へ

 

 ミストグレイヴでの冒険を始めて50日めの未明。

 烈火団の一行は、【溶岩湖の宮殿】から東に向かった。

 道中のランダムイベントでは、レベル11のレッサーヴァンパイアに遭遇。格上の強敵であったが、所詮は剣のかけらの入っていない1体。先制判定を得た烈火団の敵ではない……と思われた。

 ホリーが鼓咆でダメージ+1の支援をし、さらにシーサーの水鉄砲で5点のダメージを与えた上で、デルニールとG太郎に【エンチャント・ウェポン】で支援(MP4点使用、残り39点)。

 続いて、G太郎が【マッスルベアー】【キャッツアイ】【ジャイアントアーム】で自己強化した後(MP9点使用、残り23点)、5回キックを敢行。しかし、何とダイス運が悪くて、1回しか命中しない。5回中4回がダイス目5以下ってのはどうなってるのか!?

 

G太郎「久々のプレイで体が鈍っていたでござる(涙目)」

 

 結局、G太郎が与えたダメージは22点に留まる。ヴァンパイアの残りHPは50点。順調に攻撃が命中していれば、瞬殺できていたはずなのに。

 その後、デルニールの攻撃は外れ。何だかんだ言って、格上ヴァンパイアの回避能力は結構高くて(21)、練技【キャッツアイ】込みでも命中基準値12のデルニールでは命中させることが困難だったりする。

 

GM『瞬殺されるかと思いきや、G太郎さんの不調で思いがけず反撃のターンが回って来ましたですの。だけど、何をしたらよろしいでしょうかね。レッサーと言えども、ヴァンパイアさんは特殊能力が多すぎて、いろいろできてしまうわけで、GM初心者としてはいろいろ迷ってしまいますですの』

G太郎「迷うのだったら、普通に通常攻撃がよろしいでござるよ」

GM『それじゃあ、つまらないじゃないですか? もしも、G太郎さんに通常攻撃を仕掛けたら、カウンターで蹴り返されるのは分かっていますし。一番、面白いのは視線で魅了して、デルニールさんにこちらを庇わせることでしょうか。そんなわけで、デルニールさん、精神抵抗20で判定して下さい』

デル「GM、一つ質問ですぅ。その吸血鬼は男ですかぁ、それとも女ですかぁ?」

GM『デルニールさんは、どちらがよろしいでしょうか?』

デル「もちろん、女性の方がいいですぅ。男に魅了されるような趣味は持っていませんのでぇ」

GM『だったら、新しい性癖を植え付けて差し上げましょう。相手のヴァンパイアは、メガネをかけたクールなイケメンですの。そう、グランドマスターNOVAを耽美に美化したような感じで、フッと笑みを浮かべて、ボクの物におなりって、さわやかな笑みを浮かべる感じで』

ホリー「新星さまは、そういうキャラではないはず」

GM『いいえ、わらわめにとってのグランドマスター理想像でございますですの。メガネのイケメン美男子は貴重なお宝と考えるオタク女史は多いはず』

デル「オラにはそういう趣味はないぃ。とにかく、出目9以上で抵抗できるぅ。(コロコロ)6。う、運命変転しても8。これじゃあ、ダメだぁ。フラフラ〜。イケメンメガネのヴァンパイア様ぁ、このオラに何なりとご命令をぉ〜」

G太郎「ちょっと待つでござる、ご主人。レベル6以上の運命変転は強化されていて、ひっくり返した出目に+1されるので、出目6を9にできるでござるよ」

デル「ハッ、そうだったぁ。思い出させてくれて、ありがとう、師匠。そうとも、オラはイケメンメガネなんかに興味はないぃ。オラの尊敬する漢は師匠みたいな、マッチョなタフガイだぁ」

GM『思いがけぬ性癖の告白、ごちそうさまでしたの。では、次のラウンドに行きましょう』

 

 ホリーはシーサーで再び5点のダメージを与えたつつ、鼓咆を強化して、さらにダメージ+1のバフをかけたあと、さらにデルニールに操霊魔法【ファナティシズム】で命中+2の支援を一応かけておく。

 G太郎は、今度は2回命中させて、46点ダメージ。

 デルニールが攻撃するまでもなく、戦闘は終了した。

 

デル「ハァハァ。レッサーヴァンパイア、恐るべき相手だったぁ。危うく、メガネイケメン萌えに性癖が歪むところだったぜぇ」

G太郎「瞬殺できたはずのランダムエンカウントで、思わぬ手間を要したでござるなあ。さすがは深層階、敵も強敵で侮れないでござる」

ホリー「敵がどうこうよりも、お前のダイス目を何とかしろよ。5回振って、4回が5以下って何だよ〜」

G太郎「何だか体が鈍っているので、これから鍛錬に向かうのはいい機会でござるよ」

GM『初戦闘で思わぬハプニングでしたが、皆さんの思いがけない反応を見ることができて楽しかったですの』

ホリー「このGM、性格が悪くないか? アリナ様のGMでは、メガネイケメンに魅了されるなんて有り得ないだろう」

デル「おまけに、どちらがよろしい? って聞いておいて、相手の嫌がる方を選ぶなんてぇ」

GM『ウルトロピカルでは、これが常識……とまでは申しませんが、秘めたる性癖の開放はわらわめの信念でございまして』

G太郎「しかし、コンパーニュは良い子が見てもよいように、そういう描写は控えめにというプレイ方針でござるからな」

GM『だったら、敵に行動させずに瞬殺していれば良かったのですよ。自分の失態を棚に上げて、人を責めることがコンパーニュの流儀でしょうか?』

ホリー「このリナTってGM、ただのアリナ様の代役かと思っていたら、なかなかどうして侮れないな。今後は用心して掛かった方が良さそうだ」

 

 なお、この戦いでの収穫は★1つと、経験点110点。

 戦利品は〈穢れた灰(300G)〉と、〈真鍮戦士勲章〉2個だった。

 戦利品獲得のダイス目が高ければ、〈吸血鬼のマント(1000G)〉か〈漆黒のマント(5000G)〉が入手できたかもしれないのに。

 

GM『それでは、今回のプレイはここまでですの。作者にとっても、久々の魔神ハンター記事書きなので、今回はリハビリ気分ってことで。次回は「魔神ハンターと、灼熱の鍛錬」をお送りします』

G太郎「今回は3ヶ月後とはならないでござろうな」

GM『そうならないよう、願って下さいませ』

●ここまでの冒険成果

 

日数経過:50日めの朝(灼熱の鍛錬場への到着)

 

経験点:イケメンメガネ吸血鬼を倒した★1個

    魔物撃退分110点

    ピンゾロ分(なし)

収支結果:真鍮戦士勲章2個

     戦利品300ガメル分

     イノセントの飛竜覚醒費用4万ガメル消費

ミッション:翠将への親書を届けよ

      【灼熱の鍛錬場】で心技体を鍛えよ

      (イノセント覚醒ミッションその1)

エスト:ジーズドルフ解放軍の同志を集める

     (現在20人)

     【月の図書館】の書物を読む方法を探る

     地下世界から誰かを外に脱出させる

     驕王ポイント現在40点

     人魚奴隷の救出(残り2回)

     虹色の宝石の確保

     (現在水妃ポイント8点)

     転送装置のマスターキーを入手する

     〈黒魔熔鉄鉱〉30個を集める

      (現在5個)

     機械の部品ポイント370点

     魔神討伐ポイント(現在42点)

 

情報

・防空施設の魔力供給源【翡翠のピラミッド】の装置を操作するには、〈銀水晶のマギスフィア〉が必要。

 ・〈破剣の星槌〉は深層階の【黒炎の工房】で〈黒魔熔鉄鉱〉30個と交換。

・【地底湖の畔】のマーマンは、水妃ポイント残り20点で地上への抜け道を教えてくれる。

・四祖の1人シェラシースは魔剣である。

・地下水路から地上への脱出には、〈銀水晶のサークレット〉が必要。北東の隠し扉を開けられる。

・漆黒のマギスフィアは、深層階の黒い球体に入る鍵。別に合言葉が必要。

・竜のエサユハと知り合い、竜の秘薬を完成させた(竜姫ナーデージュ救出ミッションの予定)

・【歯車の迷宮】には地下水路の明かりの仕掛けあり。

・ユリア・ミルドリスは深層階の【瑠璃宮】に向かった。

・翠将の親衛隊になるには〈黄金近衛勲章〉を入手して、試練を受けねばならない。

・暗闇を見通す〈セランシェの灯火〉は妖精たちの【地下庭園】に。現在バルカンに奪われたとのこと(ミッションの予定)

・【不死者の城】のランタンヘッドは、〈ワルプルギスの鐘〉に呪われている。ゲール・ハイネメルから解放ミッションが受けられる。

 

密偵の知り合い

・アム・ヤーセン(ドワーフ娘→ラミア)

 キーワード「月の図書館の書物閲覧」「漆黒のスフィア」

イゴール・ぺステリ(エルフ男→トロール

 キーワード「白銀勲章」

・ニコ・シュナウヘア(ナイトメア→オーガ)

 キーワード「防空施設」「シェラシース」「ヤーハッカゼッシュ」「地底に眠るもの」

・オスカル・バロー(シャドウ→バジリスク

 キーワード「白銀以上の勲章コレクター」「転送装置のマスターキーを持つ」

 

冒険達成度:合計26%

(当記事 完)