花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女主役の物語」&「その仲間たちの雑談話」など。TRPG話や特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、ソード・ワールドのミストグレイヴ妄想リプレイ「魔神ハンター」を連載中。

魔神ハンターと、竜の秘薬クエスト最終章(SWミストグレイヴ5ー9)

北西区画の踏破を目指して

 

GM(ヒノキ)「前回は、妖精たちと出会って温泉に入って幕引きじゃった」

G太郎(ゲンブ)「ルーンフォークは妖精を見ることができないが、温泉は楽しめるでござる」

デル(リトル)「妖精から聞いた情報では、〈セランシェの灯火〉はバルカン族に奪われたらしいなぁ」

ホリー(シロ)「ボク、悪いバルカンじゃないよ(涙目)」

G太郎「誰も嬢ちゃんが奪ったとは思っておらぬ」

ホリー「いや、妖精には疑われているんだよ。翔花似のドライアドに疑われたんじゃ生きていられない。こうなったら死んで身の潔白を晴らさねば」

GM「いやいや、生きて身の潔白を晴らせよ。まあ、すぐにはミッションを受注できない状況じゃが」

G太郎「パーティーの平均レベルが8以上の推奨ミッションでござったな」

デル「それと、今の仕事を果たさないと、新しいミッションは受注できないしぃ」

ホリー「宅配仕事の報告に【コボルド窟】に戻ってから、改めて出直して来るんだったな」

G太郎「さらに、ドラゴンの秘薬の材料集めミッションで、残りの〈乳白色のソーダ水〉の在処が判明したようなので、そちらを解決したいでござるよ」

 

GM「では、1tbの休息をとった後、41日めの深夜過ぎから未明にかけて【地下庭園】から西へ向かった烈火団というところからスタートする。ところで、宇宙刑事ギャバンの作曲家、渡辺宙明さんが亡くなったそうで、新兄さんが大いに悲しんでおるから、わらわも冥福を捧げないと」

GM「それにしても、ギャバンについては、第5部の初めに語ったので、わらわたちも無縁ではないぞ」

G太郎「ギャバンの変身者の名前は烈。烈火団の名前に関わっていることは後から気づいたでござるよ」

GM「どうでもいいと言えば、どうでもいいネタじゃが、いろいろつながる良縁は大事にしたいって気持ちで、当記事も改めて宇宙刑事の作曲家を偲びたいと思う」

G太郎「偲びながら、次の目的地がどこになるかダイスを振るでござるよ。61」

GM「それは【赤い瀑布】になるので、D6を振れ」

G太郎「2」

GM「ならば、61の前の56番で【歯車の迷宮】じゃ。お主たちは突如、機械仕掛けの迷宮に引きずり込まれた」

 

迷宮狂騒曲

 

G太郎「何と。気づけば、不思議なことに幻夢のような迷宮に引きずり込まれていたでござるよ」

GM「うむ。本来なら、ここに来る前のランダムイベントも決めなければならんのじゃが、迷宮自体がランダムの塊のような場所なので割愛じゃ。ここから脱出するために頑張るといい」

ホリー「ここぞというところで、宙明さんの曲を使いまくりですね」

GM「まあ、TRPGの最中でも雰囲気を盛り上げるためのBGMとして、宙明さんのサントラにはいろいろお世話になったらしいからのう、新兄さんは」

デル「とにかく、新しく迷宮が出現したわけだなぁ。マップに書き込み、と」

●ミストグレイヴ深層階の地図

(青字は拠点および宿泊可能地点。

 緑字は新規に記入)

 

瑠璃宮ー歯車地下庭園

 l  l  l

王女の暗殺ー不死者ー流血回廊ー月の図書館

鍾乳洞 斡旋所 の城  l   l

      l   l   l   l 

黒炎の工房ー蒸気の谷ー赤瀑布ー巨大ー銀灯の通路

        l    l  格納庫   l

                     l       l   l    l
             ミノタウロス翡翠のール=ロウド漆黒の

      上層階 ←の門  ピラミッド 神殿    スフィア

                 l            l

                  ?ーーー?

                 l

                                       愚か者のー ?

           上層階 ←

ホリー「情報によると、【歯車の迷宮】には地下水路の明かりを付ける装置があるそうで」

G太郎「もっとも、我々は全員が暗視できるようになっているでござるからな」

デル「オラの場合は、〈ナイトゴーグル〉のアイテムの力だけどなぁ。ただ、10秒で1MPのカートリッジを消費するので、戦闘中だけ起動させて、普段は〈蝙蝠の耳飾り〉で聴覚に頼った移動をしているのでさぁ。だから明かりがあるに越したことはねぇ」

GM「カートリッジのMPは後からG太郎の魔動機術で補充しているわけじゃが、その辺の処理はテキトーに済ませて、記事にはいちいち書いて来なかった形じゃ。書いてもつまらんからのう」

デル「オラが探索役なら、戦闘時以外でも夜目が利くかどうかは重要だけど、そういう能力が一切ない技能構成だからなぁ。移動時の探索や感知は師匠やホリー姉さんに任せたぁ。オラは視力ペナルティーがあっても、戦闘時に見えてたら問題ねぇ」

ホリー「それでも、ロールプレイを考えるなら、見えている方がいいだろうさ」

G太郎「では、明かり問題の再確認はこれぐらいにして、迷宮探検を頑張るでござる。どのように処理するでござるか?」

GM「2Dを振れ」

ホリー「じゃあ、ボクが。6」

GM「大小の様々な、無数の歯車が回転している奇怪にして機械な空間。歯車の間に、梯子や通路が設けられているが、複雑に入り組んだ構造で、つながりがよく分からないようになっておる。それでも進んで行くと、通路が途切れて、代わりに横倒しになった歯車がいくつも連なって回転していて、その上を渡らなければならないようじゃな。全員、冒険者レベル+敏捷で15以上を出せば、無事に渡れる。パーティーの半数が渡れればクリアじゃ」

G太郎「17。余裕でござるな」

ホリー「ボクも16で成功だ」

デル「これって、鎧のペナルティーってあるのかぁ? なければ基準値10、あれば基準値8なんだけどぉ」

GM「まあ、あるんじゃろうなあ」

デル「(コロコロ)どっちにしても、出目3で失敗だぁ。運命変転を使った方がいいかなぁ?」

G太郎「3人中2人が成功すればいいのでござろう。とっさに足を踏み外した弟子の手をガッとつかんで、引き上げる。ファイトォォ!」

デル「???」

GM「そこはイッパーツと叫ぶのが伝統芸じゃよ」

G太郎「そう言えば、このCMで有名な渡辺裕之さんも今年の5月に亡くなられていたのでござるな。奇しくも渡辺がかぶった」

GM「故人を惜しむネタはそれぐらいにして、無事に歯車を渡ることができた。次に2D+5を振れ」

デル「出目5に5を足して10でさぁ」

GM「ガラクタが積み上げてある。探索判定17に成功すれば、何かが見つかる」

G太郎「6以上でござるな。(コロコロ)出目11で余裕で成功」

GM「では、〈粗悪な魔動部品〉3個を見つけた」

ホリー「確か、機械部品は【蒸気の谷】に持って行けば、ポイントになるんだな」

G太郎「節電協力ポイントとは違うでござるな」

GM「さすがに、わずか2000円のポイントのために節電協力しろとは、ふざけるにも程がある。家電量販店ならともかく、国の言うことじゃなかろう。まあ、ポイント1点が100円の価値があるのなら、喜んで節電に協力したいと思うが、どうして為政者は庶民の金銭感覚を逆撫でするようなことばかり言うのじゃろうな」

ホリー「それで、この〈粗悪な魔動部品〉は何ポイントになるんですか?」

GM「本来の価格は100Gじゃが、【蒸気の谷】なら〈黒鉄剣士勲章〉1つと、20ポイントに換えてくれる。500ポイント貯まれば、★1つになる計算じゃ」

G太郎「ゲームの世界なら、2000ポイントは結構な量に感じるが、単位が円だとショボく感じる。せめて1ポイント1ドルであれば、円安ドル高の現在、節電協力も喜んでするでござる」

ホリー「そりゃあ、1ドルは現在、136〜137円だから」

 

デル「時事ネタは置いておいて、迷宮探索を続けていこうかぁ」

GM「ならば、今回は2D+10じゃ」

G太郎「出目5なので、15でござる」

GM「では、敵との戦いじゃな」

 

 出現したのは、レベル7蛮族ミノタウロスが4体。

 数が多くて危険だと判断したG太郎は、逃走を決断。

 逃げたことで、時間を浪費して42日めの朝になった。食事を消費した一行は、次に2D+7で15を出し、またも敵と遭遇。

 次の敵は、ダークトロールとクインドゥーム。

 ミノタウロス4体よりは組しやすいと見た一行は、戦いを開始することに。

 

ホリー「先制権はゲットしたな。先に、ボクから行かせてくれ。クインドゥームが雷に弱いと分かったので、操霊魔法の【スパーク】からだ」

 

 ホリーの魔力6では相手の抵抗を打ち破れなかったが、それでもダークトロールに4点、クインドゥームの各部位に6点、8点、7点、6点のダメージを与える。そして、対雷バリアを張ったクインドゥームに対しては、鳥型ゴーレム・トリッキーの攻撃は無効化されるので、ダークトロールへの雷撃で5点ダメージ。

 その後、鼓咆のダメージ+1を用いた後、イノセントはクインドゥームの胴体Aに突進したものの、回避されて終了。

 

G太郎「4部位モンスターのクインドゥームは瞬殺不可能なので、ダークトロールを先に仕留めるでござる」

 

 【マッスルベアー】【ジャイアントアーム】に、鼓咆も受けて、ダメージ+6。

 4回キックは全て命中し、与えたダメージは27点、29点、31点、26点。これでトロールを撃退。

 

デル「さて、オラの番だが、【マッスルベアー】【ビートルスキン】【キャッツアイ】で、ダメージ+3、防護点+2、命中+1だなぁ。敵は防護点無効の銃弾を撃ってくるが、こんなこともあろうかと、オラの鎧や盾は防弾仕様だから怖くはねぇ。ついでに、イノセントにもかばう宣言して、それからクインドゥームの胴体を狙うさぁ」

 

 この攻撃が17点のダメージを与えて、胴体Aの残りHPは26点。他の部位は、砲塔Aが24点、砲塔Bが22点、胴体Bが44点。

 

GM「それでは、わらわの反撃じゃ。主砲は射程が長い上に、遮蔽無効の能力を持つので後衛まで届く。よって、G太郎、デル、イノセント、ホリー、トリッキーの5体をランダムで狙うのじゃ」

ホリー「え? トリッキーも狙われるのですか?」

GM「もちろんじゃ」

G太郎「アム殿は?」

GM「おっと、彼女もいたな、そう言えば。ええと、彼女はフェロー扱いみたいなもので、敵の攻撃の対象にはならないが、支援射撃ができる。と言うことで、アムの攻撃を忘れていたので、先に撃つとよい」

G太郎「命中判定はしなくていいのでござるな。ならば、砲塔Bを狙って、ダメージは11点でござる」

GM「残りHPは11か。では、砲塔Aの主砲が……(コロコロ)ホリーを狙う。命中15を避けてみよ」

ホリー「回避は……14」

GM「ヒヒヒ。ダメージは17点が素通しじゃ」

ホリー「残りHPは14か。次に同じダメージが来たら、HPが0になる」

GM「2発めは……(コロコロ)またもホリー」

ホリー「アリナ様、これはイジメですか!?」

GM「何だかんだ言って、クインドゥームに一番ダメージを与えたのは、ホリーの【スパーク】じゃからのう。警戒レベルが上がっておるのじゃろう」

ホリー「回避の基準値は9あるのだから、6が出れば避けられるんだが。よし、出目7。生き延びた」

GM「チッ。主砲の装填数は1発だけなので、次のラウンドは弾込めのみ。では、残る胴体は機銃攻撃を前衛に。1発めは……イノセント」

ホリー「やっぱりイジメだ」

デル「心配するなぁ、姉さん。イノセントはオラがかばってるぅ」

GM「ダメージは15点」

デル「防護点は12点あるから、受けたダメージは3点だけさぁ。ただ、防弾加工が削れたから、1発当たると修繕費用500ガメルが吹っ飛ぶけどなぁ」

GM「では2発め。狙うはG太郎。命中は18じゃ」

G太郎「回避は24。フッ、当たらなければ、どうと言うことはないでござる」

 

 2ラウンドめ。

 ホリーはイノセントに【ファイアウェポン】をかけて、さらに鼓咆【烈火】でダメージをバフ。

 それでもイノセントの攻撃は胴体Aに当たらず、もう一体のトリッキーも雷バリアの前に無力で、ホリーの涙目な手番はあえなく終了した。

 

 次にデルは、マルチアクションを宣言してから、ホリーに【キュア・ウーンズ】をかけて、14点回復。残りHP28点。

 その後、【ヒートウェポン】の後で、胴体Aを攻撃。出目3を運命変転で命中に持って行き、ダメージは23点で、残りHP9点に追い込む。

 胴体Aのとどめは、アムの14点ダメージに任せた後、G太郎は胴体Bを狙いに行く。【エフェクトウェポン】で属性がかぶらないように氷を選び、キックの2連発は32点と、クリティカルで46点ダメージが炸裂して、胴体Bを一気に粉砕する。

 

GM「胴体が破壊されたので、装填中の砲塔は何もできんまま、このラウンドは終了じゃ。シクシク」

 

 その次のラウンドで砲塔2門も撃退され、歯車上での戦闘は終了した。

 経験点は360点。戦利品は、トロールの血(100G)と宝石(300G)3個。そしてクインドゥームの鉄(20G)と、魔動部品、稀少な魔動部品2個、未知の魔動部品だった。

 魔動部品は全部で4500Gの値打ちがあるが、それよりもポイントに換える方がいいだろうと判断。

 

 なお、戦闘後の各キャラのデータは以下のとおり。

 デル:HP67/70、MP20/36

 ホリー:HP28/31、MP26/36

 G太郎:HP53、MP22/30

 

暗殺斡旋所

 

GM「では、戦闘後、いろいろあって、お主たちはようやく【歯車の迷宮】を抜け出して、南への旅に向かうことになった。さて、次の目的地は【暗殺斡旋所】じゃが、その前にランダムイベントを振れ」

デル「1」

GM「何も起こらない平和な42日めの昼。しかし、到着した場所は平和とは程遠い雰囲気の立ち込めた場所。天井から吊るされた鎖の先に、干からびた蛮族の頭が引っ掛けられた異様な空間じゃ。周り中が、生首のカーテンのようになった場所で、その隙間にオベリスクが立っているのが分かる」

G太郎「まるで鎌倉の如し」

GM「いやいや、誤解を招くようなことを言うでない。確かに、鎌倉殿では生首が樽に詰められている様が描写されておるが、放送コードに引っ掛かるようなグロ描写は控えめじゃ。あくまで視聴者の想像の範囲に収まるように表現されておる。とにかく、この場所にたどり着いた者はあまりの狂気に満ちた光景のために正気度判定を行わなければならない」

ホリー「ソード・ワールド初の正気度判定か。使う能力値は精神力ですか?」

GM「冗談じゃ。とにかく、正気度を試されるようなこの場所で、オベリスクの方に近づいて行くなら、ふいに汎用蛮族語で『ようこそ、ラーリス神殿の暗殺斡旋所へ』と涼やかな声が背後から掛けられる」

G太郎「ヒ、ヒーッと悲鳴を上げたいのを押し殺しながら、振り返るでござる。涼やかな声に背中をゾクゾクしながら」

GM「そこにいたのは、1人の美少年じゃ。年の頃は13歳ぐらいで、ラーリスの聖印を首からかけて、にこやかな微笑を浮かべている」

ホリー「微笑を浮かべた美少年か。興味はないな」

デル「ちゃっかり或人級のダジャレで無関心を表明しているんだなぁ」

ホリー「微笑を浮かべた美少女なら興味はあるんだけどな」

GM「そういうことなら、このニムバス・ファラガンは男の娘設定にするぞ。『無貌の殺し手』の異名もあるので、男女どちらにでも化けられるはず」

G太郎「いや、そう言っているだけで、人間じゃないって言ったも同然ではござらんか」

GM「ただの変装の達人かも知れんがのう。とにかく、急遽ゴスロリメイドな服装を身に付けた性別不明の美少年ニムバスは、自己紹介した後で、この場所について解説してくれる。お主たちの素性にはあまり関心がないような素振りじゃな」

デル「ところで、ラーリスの聖印ってどういうデザインなんだぁ? グレンダールは炎の剣だがぁ」

GM「角の生えた魔神の頭部じゃ」

デル「こいつは明らかに敵じゃないかぁ」

 

ニムバス『イヤだなあ。ぼくは敵や味方といった狭い見方で考えたりしていないし。我が神の教えは、完全なる自由であり、完全なる解放。自由に生きるのも、束縛するのも自由。汝の望むがままに為すがいい。本能を解放し、心の赴くままに行動すればいい。ぼくを敵だと思うなら、戦うのも自由。さあ、戦って己を解放してみるかい?』

 

G太郎「アリナ様、こやつに対して、魔物知識判定を試みてよろしいか?」

GM「好きにすればいい」

G太郎「では、17」

GM知名度19だから失敗じゃが、〈狩人の目〉効果でレベル15ということは分かった」

G太郎「ダメだ、勝てん。今は奴に乗せられるわけにはいかん、とデルニールに自制を求めるでござる」

GM「なお、デルニールには無条件で魔神が分かるという設定があったのじゃが、ニムバスからは魔神の臭いがビンビン感じられる」

デル「師匠、止めるなぁ! と叫びながら、レベル15には勝てないってプレイヤーには分かっているので、ジレンマだぁ。どうしたらいい?」

ホリー「魔神でも悪事を働いていなければ、すぐに成敗しないといけないものでもないだろう? 相手がゴスロリ少女の姿をしているなら、話し合いの余地はあると思うんだ」

デル「見た目で判断するなよぉって思いながら、相手の話ぐらいは聞いてもいいかぁって気になったぁ」

G太郎「とにかく、ここは【暗殺斡旋所】という話を聞いたが、いわゆる暗殺者ギルドなのでござるか?」

GM「少し違う。どちらかと言えば、暗殺を依頼する願掛け所であり、賞金首を取って来た者に報酬を与える場所。ニムバス自身が手を下すわけではなく、彼はただ蛮族の殺戮衝動を観察して楽しんでいるだけ、とうそぶく。そして、『オベリスクに貼り付けられた羊皮紙が殺しの的さ。君たちも誰か殺したい相手がいるなら、報酬の勲章とともに羊皮紙に記入するんだね。例えば、ぼくの名前も書いてあって、報酬は〈黄金近衛勲章〉さ』とニコニコ打ち明ける」

G太郎「黄金近衛は他に誰がいるでござるか?」

GMオベリスクを観察するなら、『スフィンクスのザナエル』『竜姫ナーデージュ』『バルカンの女王バイラヤーナ』の名前が分かる。他には『翠将ヤーハッカゼッシュ』の名前が目立つのう」

G太郎「何と。一体、誰が頼んだのでござるか?」

GM「ニムバスが答えて曰く、『ああ、それは面白いよね。翠将の側に付き従っている金髪少女が、翠将の目の前で張り付けて行ったんだよ。翠将自身も楽しんでいるようだった。そして翠将を倒した報酬は、勲章じゃなくて伝説の魔剣らしい。ぼくも詳しくは知らないけど』……とのこと」

ホリー「ボクたちの知り合いの名前はあるのかな?」

GM「いろいろある。ざっと挙げると、マルクス・クルーゲ、ムルカグンドリ、ヴァラルト、パランティーナ、ブグプリ、オードル・プル、ビシャナ・ヨーヨー、ソニア・ゾラ、フーララバラ、魔窟総監ギルギダッシュミノタウロスの門のジンドラル、ゲリ・ブレキ、エサユハ、ツルクフ・パドゥーリンなどの名が挙がっているが、不思議なことに煌びやか卿アー・ヌルチェの名がないのじゃな。ミストグレイヴの重要人物の名はあらかた載っているというのに」

G太郎「烈火団の本部のワジマさんや、ロベルク殿の名は?」

GM「さすがに本リプレイのオリジナルキャラの名前が載っているはずがない。もちろん、お主たちの名も挙がってはおらん。ともあれ、暗殺対象リストに載っているキャラを殺して、その首をここに持って来れば、報酬の勲章がもらえるシステムじゃ」

ホリー「将来的に殺しても良さそうなのって、ムルカグンドリ、ブグプリ、ゲリ・ブレキぐらいかな」

G太郎「いや、ムルカグンドリは殺しちゃダメでござる」

ホリー「ボクには、G太郎がそこまでムルカグンドリに肩入れする理由が分からないんだが」

GM「ムルカグンドリの報酬は赤銅勲章2つで、彼を殺して得る報酬よりも、彼をパトロンとして仕事でもらえる勲章の方が明らかに多い。ブグプリは赤銅1つで、ゲリ・ブレキは白銀2つ。とにかく、NPCを物語の都合で殺害してしまった場合、ここに首級を持って来れば、報酬がもらえる賞金稼ぎシステムと思ってくれればいい」

デル「しかし、知り合いの名前が暗殺リストに載っているのは気分良くないなぁ。羊皮紙をオベリスクから剥がして、殺しの依頼を取り下げることはできないのかなぁ?」

GM「好きにしたら? とニムバスはニコニコ言う」

ホリー「だったら、フーララバラお姐さまの羊皮紙を剥がそうとする」

GM「魔法の結界が張られているらしく、オベリスクには近づけないようじゃ」

G太郎「う〜む。では、例の吸血鬼マゴメダリの名はあるでござるか?」

GM「ある。報酬は白銀3つじゃ」

G太郎「ゲリ・ブレキよりも格上ということか。このリストを見れば、少なくとも相手の力量が分かるでござるな」

 

ニムバス『とにかく、ぼくは死こそが究極の解放だと思っているし、死は平等だとも思っている。だからと言って、死を強要するつもりもない。この世には生きたいと願う人も多いし、だったら戦って生き延びるのも自由。自らが生き延びるために、他者を殺す。その際に生まれる歓喜や心の葛藤を味わいたい。ただ、それだけさ。まあ、君たちもリストに挙がっている誰かを殺したら、証を持ってここに来ればいい。相応の報酬を支払うよ。その時は、さぞ面白い話が聞けるだろうね』

デル「オラたちは、別にお前を面白がらせるつもりはないさぁ」

ニムバス『何を面白がるかは、ぼくの自由だよ。そして、面白い話というのはオベリスクに刻まれた昔話さ。暗殺リストの的が殺されたら羊皮紙が消失する。そうすると、オベリスクに刻まれた「ジーズドルフの昔話」が読める。その情報は、君たちにとって面白いかもしれないし、興味ないかもしれない。興味があれば、首級を一つ持って来ればいい』

G太郎「情報のために、誰かを殺せと?」

GM「誰かを殺した際に、ここに報告すれば情報と★が手に入るかも、という話じゃな。ニムバスは強要するつもりはないが、人が自らの欲望のために堕落する姿を見るのは大好きなので、自由意思を尊重しつつも、適度な欲望を煽る餌をチラつかせるのが流儀なのじゃ」

デル「何だか胸糞が悪いなぁ。殺してやりたいが、それも相手に乗せられているようで釈然としないしぃ」

G太郎「煽りに乗って、無謀な戦いを挑むのも愚かしいでござる。ここは自制すべきところと見た。スルーして、西へ向かうのでよろしいか」

GM「好きにすればいい」

 

王女の鍾乳洞

 

GM「では、42日めの夕方。お主たちは【暗殺斡旋所】から西に向かう。ランダムイベントは……」

G太郎「出目6でござる」

GM「イベント番号34番じゃな。温泉がある。見識判定17をせよ」

G太郎「20で成功」

GM「温泉に入ると、MPが回復する効用があるのが分かった」

 

 この回復効果を利用して、デルのMPは32点になり、G太郎とホリーは全快した。

 しかし、同じ温泉にゴブリンハイキングが2体、入って来て、バトルとなる。

 先制判定に成功したG太郎は1体を瞬殺し、もう一体も次のラウンドに撃退されて終了。被害はイノセントが2点のダメージを受けたのみだった。

 経験点160点。

 戦利品は〈きらびやかな首飾り〉(2000G)が2個と、150Gの宝石4個、そして黒鉄勲章1個、赤銅勲章1個。

 

G太郎「思いがけない臨時収入も得られて、ホカホカ温まった気分でござるよ」

GM「そんな気分でたどり着いた【王女の鍾乳洞】じゃが、仄かに白く輝く鍾乳石に覆われた洞窟となっておる。無数に立ち並ぶ鍾乳石の柱の中には、蛮族や人族が封じ込められていて、いずれも瞳を閉じ、まるで眠っているかのようじゃ。さて、お主たちは事前にイゴールから警告を受けていたので、王女の持つ魅了の視線に対して+2のボーナスが与えられる。さらに必要だと思えば、【カウンター・マジック】をかけることを推奨するがのう」

ホリー「かけた方がよいのですか?」

GM「わらわとしては、フェアなマスタリングを心掛けたいからのう。王女ルイーズ・アンジェリーク・ドゥ・シャレットの魅了の視線はあまりにも強力であるが故に、もしも抵抗判定に失敗すれば今後の物語の進行にも思いきり影響を与えてしまうことになる。ゆえに抵抗の機会はきちんと与えておかねば、想定外の事態に困惑させられることになるのは必定じゃ。その困惑状態を楽しむのもTRPGの一興と言えなくもないが、一応は警告ぐらいはしておく、と」

ホリー「だったら、GMの警告には従って。全員に【カウンター・マジック】を」

G太郎「いや、私には必要ないでござる」

ホリー「どうしてだ?」

G太郎「レンジャー技能レベル5で戦闘特技《サバイバビリティ》を自動習得しているでござるからな。自然環境下で1日1回、生命または精神の抵抗判定に自動成功できる」

ホリー「だったら、自分とデル、イノセントとアムに【カウンター・マジック】だ。MP4点消費して、発動成功」

GM「では、準備も終えたところで、話を進めるのじゃ。鍾乳石の中には一際目立つ、黄金に輝く巨大な柱がある。柱の下には黒曜石の石板が設置されていて、魔法文明語で『ルイーズ・アンジェリーク。魔法王コルネイユ・ドゥ・シャレットの第一王女にして、黄昏の魔導姫と讃えられし乙女。その美貌に魅入られし騎士たちの守護により、ここに眠る』と刻まれておる」

ホリー「眠れる鍾乳洞のお姫さまかあ。もちろん、美人ですよね」

GM「それを確かめたくば、黄金の石柱を見上げてみるといい。そこには豪華な衣装をまとった黄金色の長い髪の少女が封じ込められている。そして、不意に少女の瞳がパッチリ開かれ、黄昏色にきらめく双眸から魅了ビームが放射されるのじゃ。さあ、王女の精神支配に耐えられたか抵抗するがいい。難易度は20。人じゃないイノセントと、擬似的なフェロー扱いのアムには無効とする」

G太郎「私は自動成功を選択するゆえ、ご主人と嬢ちゃんだけの判定でござるな」

デル「ええと、精神抵抗の基準値は10で、ボーナスが+4あるから、6以上で成功するなぁ。よし、8で成功したぁ」

ホリー「ボクは精神抵抗9だから、7以上か」

GM「ああ、女性キャラは魅了されにくいので+4のボーナスがある」

ホリー「何だ。だったらピンゾロ以外で成功じゃないか。魅了の視線、恐るるに足りず」

デル「何だかピンゾロを出すフラグっぽいなぁ」

ホリー「まさか。(コロコロ)ふう、普通に8で成功。だったら、魅了の効果ではなく、自らの意思で膝まづき、美しい王女に臣下の礼を尽くす。あくまで自分の意思でな。ボクの信条では、魅力的な女性は無視できないんだから」

GM「傍目には、魅了されたのと変わらない振る舞いを示すってことじゃな。まあ、魅了の呪いは受けなかったということで話を進めるぞ。もしもパーティーの誰かが魅了されていれば、★1個を進呈なのじゃが、それはなし」

G太郎「魅了されていた方が得なのでござるか?」

GM「ある一面ではのう。美しい王女の視線に魅了された者は『守護の誓約』という呪い状態になり、この鍾乳洞が壮麗な宮殿に見え、この区画で休息をとることもできるようになる。ただし、死んでしまうと、その肉体は鍾乳石に転移して封じ込められてしまい、しばらくすると〈カーストアーマー〉というレベル12アンデッドに作り替えられてしまうのじゃ」

デル「ここでもアンデッドかぁ」

GM「ダイス目の偶然じゃが、【王女の鍾乳洞】【暗殺斡旋所】【不死者の城】【流血回廊】の行は、最東端の【月の図書館】を除いて、全てが死や亡者に関わる区画となってしまったのう」

ホリー「死してもなお愛する姫に尽くす騎士かあ。それはそれでロマンチックな物語と言えなくもないけど、自分の意思じゃなくて強制的に呪いの力ってのがなあ。ボクだったら、強制されなくても美しい姫の頼み事なら喜んで引き受けるんだけどな」

 

ルイーズ『それなら、この私の願いを聞き入れてもらえませんか? 忠実なる女騎士よ』

 

ホリー「え? 王女が喋った?」

GM「何を驚いておる? 先ほど自分で膝まづいて、臣下の礼を誓ったではないか。それゆえ、王女の心の声はホリーにのみ聞こえる」

ホリー「え? ボクの頭の中にルイーズ王女が!? はい、何でしょうか?」

ルイーズ『私はこの鍾乳洞を出ることができません。そして守護者の騎士は数多くいれども、私のために外の世界を旅して、面白い冒険譚を聞かせて下さるような遍歴の騎士は滅多にいません。あなたは私の目や耳となって、世界を見て回り、私を楽しませてくれますか? はいかイエスでお答え下さい』

ホリー「はい、そして、イエス。麗しい姫のためなら、このホリー・カーシェイン、喜んで旅の物語を紡いで参りましょう」

ルイーズ『期待してるわね、ホリー』

ホリー「はあ、ルイーズ様ぁ……❤️」

 

G太郎「傍目には魅了されているようにしか見えないでござるな」

デル「いや、師匠。頭の中の声と話して、何やらブツブツ呟いて妄想モードに入っているのは、ホリー姉さんにはよくあることなんだぁ。今に始まったことじゃないしぃ」

G太郎「なるほど。ガルドだったり、イノセントだったりしたのが、今度はルイーズ王女が加わっただけだと」

 

GM「ホリーの頭の中のルイーズ王女が教えてくれる。鍾乳洞の奥に、乳白色の水が湧き出す泉があることを」

ホリー「王女が導いてくれた。〈乳白色のソーダ水〉ゲットだぜ」

GM「こうして封印された古の王女の目となり、耳となったホリーの新たなる冒険が始まったところで今回の話は終了じゃ。次回は竜の秘薬ミッションの完結と、上層階への帰還に続く予定」

●ここまでの冒険成果

 

日数経過:42日めの夕方(王女の鍾乳洞)

 

経験点:人魚宮殿に宝石6個を納めた★2個

    翡翠のピラミッドの内部に入った★1個

    人魚奴隷を助けた★1個

    アムを【巨大格納庫】に連れて行った★1個

    アムを【月の図書館】に連れて行った★1個

    アムを【黒炎の工房】に連れて行った★1個

    妖精たちの信頼を得た★1個

     (合計★8個)

    魔物撃退分810点

    ピンゾロ分(G太郎1回)

収支結果:タクシー代400G分消費、食料3日分消費

     戦利品9095G分、黒鉄剣士勲章5個

     赤銅勇士勲章1個

機械部品:粗悪な魔動部品3個、魔動部品1個

     稀少な魔動部品2個、未知の魔動部品1個

ミッション:深層階への荷物配達

      ドラゴンの秘薬の材料集め

エスト:ジーズドルフ解放軍の同志を集める

     (現在19人)

     【月の図書館】の書物を読む方法を探る

     地下世界から誰かを外に脱出させる

     魔窟50階を踏破(店舗経営の許可)

     驕王ポイント31点を目指す(現在22点)

     人魚奴隷の救出

     虹色の宝石の確保

     (現在水妃ポイント6点)

     転送装置のマスターキーを入手する

     〈黒魔熔鉄鉱〉30個を集める

 

情報

・防空施設の魔力供給源【翡翠のピラミッド】を装置を操作するには、〈銀水晶のマギスフィア〉が必要。

 ・〈破剣の星槌〉は深層階の【黒炎の工房】で〈黒魔熔鉄鉱〉30個と交換。

・〈黒魔熔鉄鉱〉は、深層階の南東部にある【溶岩湖の宮殿】で入手できる。

・【地底湖の畔】のマーマンは、水妃ポイント残り20点で地上への抜け道を教えてくれる。

・【コボルド窟】のオードル・プルは地上に伝手がある。

・【戦神の凱旋門】の魔窟総監ギルギダッシュと知り合い、魔窟ミッションを攻略中。

・四祖の1人シェラシースは魔剣である。

・地下水路から地上への脱出には、〈銀水晶のサークレット〉が必要。北東の隠し扉を開けられる。

・漆黒のマギスフィアは、深層階の黒い球体に入る鍵。別に合言葉が必要。

・竜のエサユハと知り合い、竜姫ナーデージュ救出の活動を行う。

・【歯車の迷宮】には地下水路の明かりの仕掛けあり。

・ユリア・ミルドリスは深層階の【瑠璃宮】に向かった。

・翠将の親衛隊になるには〈黄金近衛勲章〉を入手して、試練を受けねばならない。

・暗闇を見通す〈セランシェの灯火〉は妖精たちの【地下庭園】に。現在バルカンに奪われたとのこと(ミッションの予定)

・【ル=ロウド神殿】でNPC密偵を呼び出せる。

・【不死者の城】のランタンヘッドは、〈ワルプルギスの鐘〉に呪われている。ゲール・ハイネメルから解放ミッションが受けられる。

 

密偵の知り合い

・アム・ヤーセン(ドワーフ娘→ラミア)

 キーワード「月の図書館の書物閲覧」「漆黒のスフィア」

イゴール・ぺステリ(エルフ男→トロール

 キーワード「白銀勲章」

・ニコ・シュナウヘア(ナイトメア→オーガ)

 キーワード「防空施設」「シェラシース」「ヤーハッカゼッシュ」「地底に眠るもの」

・オスカル・バロー(シャドウ→バジリスク

 キーワード「白銀以上の勲章コレクター」「転送装置のマスターキーを持つ」

・シル・メリル(人間女→バルカン)

 キーワード「レジスタンスを探す敵」

 

冒険達成度:合計21%

(当記事 完)