花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、ソード・ワールドのミストグレイヴ妄想リプレイ「魔神ハンター」を終了に向けつつ寄り道迷走気味。

魔神ハンター、魔動博士と対面す(SWミストグレイヴ5ー6)

竜虎戦士のお披露目

 

ヒノキ「今回は、ドンブラ6人めの竜キャラ公開記念のドラゴン回じゃ」

シロ「虎の戦士でもあるんですね」

リトル「一人で竜と虎の二役とは、なかなか美味しいキャラですぅ」

ゲンブ「つまり、これでござるな」

ヒノキ「主人公レッドのタロウが敵に倒され、後継者のジロウが登場したと思ったら、その回では変身せずに、続く回で6人めの金色戦士であることが判明」

ゲンブ「ネタが分かれば、例年と同じ追加戦士なのでござるが、みがわりジロウというサブタイトルから、一時的にドンモモタロウに変身するのでは? と思わせていたでござる」

シロ「勇者ロボではよくあるパターンですからね。1号ロボが強大な敵に倒されて、代役を2号ロボが務めて、1号ロボが復帰後はグレート合体するパターンが」

ヒノキ「それも、戦隊ロボが先じゃろう。フラッシュキングの代役のタイタンボーイ&グレートタイタン、グレートファイブの代役のギャラクシーロボを経て、ライブロボと2号ロボのライブボクサーがスーパーライブロボに合体するパターンが」

リトル「すると、復活ドンモモタロウと、ドンモモジロウならぬドンドラゴクウがスーパー合体するパターンも有り得る、と?」

ヒノキ「さすがにロボではない等身大戦士が合体するような『変身忍者嵐と月の輪パターン』ではないと思うが、ドンブラの場合、ロボタロウに変身するから、ドンモモとドンドラの合体もないとは言い切れんのう」

ゲンブ「ドンドラはロボタロウになる前に、ミニロボのアルターが先に登場するらしいでござるな」

ヒノキ「前置き雑談はこれぐらいにしておくが、今回の魔神ハンターはドラゴンとメカの話じゃと言っておく」

ゲンブ「いよいよ、【巨大格納庫】を訪れる時が来たでござるな」

 

竜のエサユハの話

 

GM(ヒノキ)「では、ここからプレイの開始じゃ。39日めの夜、お主たち烈火団は深層階への配達ミッションの途中で、【赤い瀑布】に到達した」

G太郎(ゲンブ)「ここには、竜の秘薬ミッションで依頼された品々を届ける仕事もござったからな」

GM「うむ。お主たちの仕事ぶりにエサユハも満足じゃ。仕事を依頼したのは、27日夕方じゃが、まさかの2週間で〈乳白色のソーダ水〉を除く材料を全て集めて来たのじゃからな」

ホリー(シロ)「こっちとしては、結構、時間が掛かって遅くなった感じなんだけど……」

GM竜族と人族の時間感覚の違いもあるが、実はこの仕事を以前に別の者にも依頼していたのじゃが、一向に果たそうとしなくてな……とエサユハは愚痴をこぼす」

デル(リトル)「誰に頼んだんだぁ?」

GM「エサユハは『東から来たドワーフの魔動機師ゲリ・ブレキ』と打ち明ける」

G太郎「それは【巨大格納庫】の魔動博士ゲリ・ブレキのことでござるな。ドワーフではなくて、ダークドワーフなのでは?」

GM「ドラゴンにとっては、ドワーフもダークドワーフも大差ない。どちらも同じ人族の亜種程度にしか思うておらんのじゃ」

G太郎「その御仁について、詳しい話を聞かせて欲しいでござる」

GM「エサユハも大したことは知らんと言いつつ、分かる範囲のことを教えてくれる。その昔、人族は竜と肩を並べて戦うために、魔動機術の研究を重ねて、ついに『ドラゴンフォートレス』なるメカを完成させた。ゲリ・ブレキは人族と竜族が再び協力して蛮族を殲滅させるために、古のドラゴンフォートレスを再起動させるつもりだ、と言っていた。しかし、ドラゴンフォートレスを再び空に飛ばすためには、【地下格納庫】から地上に転移させる仕掛けが必要だ、とのこと。

「その仕掛けを起動させるために『竜の道』の秘密を知りたいと言ってきたが、その秘密は竜姫ナーデージュのみが知ることゆえ、ナーデージュ様をヤーハッカゼッシュから救うために『竜の秘薬』を作る必要がある、と答えた。ゲリ・ブレキは秘薬の材料集めに協力しよう、と言って帰ったが、それからは何の音沙汰もないまま時が虚しく過ぎた。あやつは烈火団に比べて信用ならん相手のようだ……とエサユハはこぼす」

ホリー「ゲリ・ブレキが蛮族殲滅を考えているのは本当なんだろうか?」

GM「さあのう」

G太郎「ビーリンの話からすると、蛮族嫌いの竜と交渉するために、嘘をついたと考えるのが妥当でござろうな」

デル「直接、ゲリ博士に会って確かめるかぁ」

G太郎「うむ。ゲリ博士の立ち位置が、親蛮族か反蛮族かでこちらの対応も変わって来るが、ドラゴンフォートレスとやらを起動させようとしていることは間違いなさそうでござる。そのドラゴンフォートレスについて、エサユハ殿はどう考えておられる?」

GM「エサユハは、『しょせんは我ら偉大な竜族のまがいものの機械人形に過ぎん』と小馬鹿にしつつ、『しかし、人族の技術は侮れんからな。味方にすれば、それなりに頼もしく、敵に回せば、そこそこ厄介な代物だ。スエラ殿の姉上のセランシェ殿も建造に協力して、人族と竜族の友好の証たる空の要塞ということで、竜の姿と人の姿を模した二つの形態を持つらしいが、どうも変形システムに難があるらしく、竜型形態しか見たことはない』とのこと」

デル「変形ロボなのかぁ。そいつは見てみたいさぁ」

G太郎「宅配ミッションの目的地は、西の【黒炎の工房】でござるが、ここは先に東の【巨大格納庫】と【月の図書館】を訪れておきたいでござる。コボルドの荷車は、この地に待機してもらうとして、エサユハ殿に守ってもらおうぞ」

ホリー「先に西へ行って、仕事を済ませてからにしてはどうなんだ?」

G太郎「【巨大格納庫】に行けば、機械の部品が手に入るやもしれぬ。それで西の【蒸気の谷】に持って行けば、ポイントが稼げて一石二鳥でござるよ」

GM「荷車をここに残しておく理由は?」

G太郎「荷物の鉱石を、ゲリ・ブレキが横取りする可能性があるでござる。エサユハ殿なら信頼できるはず」

GM「まあ、よかろう。秘薬ミッションのアイテム集めをしてきたのじゃから、エサユハは烈火団に好印象を抱いておる。『約束を守らぬゲリ・ブレキの真意を確かめてくれ』と言う。それと、残りの〈乳白色のソーダ水〉の配達も頼んだぞ、と」

デル「それは、深層階のどこかにあるはずなんだなぁ。探索を進めないとぉ」

G太郎「もしかすると、場所だけならゲリ・ブレキも知っているやもしれぬ。いずれにせよ、今は夜なので、1tbの休息をとってから、東へ向かうとしよう」

 

巨大格納庫

 

 39日め未明。

 コボルド荷車を残して、アムを連れた一行は東の【巨大格納庫】へ向かった。

 ランダムイベントは、マーマンの奴隷を連れた蛮族、シザースコーピオン(レベル7)とミノタウロスキャスター(レベル9)の2体。

 先制をとった後、ホリーが鼓咆による支援でダメージ+1。さらに【エンチャントウェポン】をG太郎、デル、イノセントにかけて、ダメージ+1。イノセントの攻撃はミノタウロスに命中して、9点ダメージを与え、さらにトリッキーの雷撃で6点ダメージを加える。

 続くG太郎は、例によって練技で+5のダメージボーナスを重ねた後、まずスコーピオンの上半身に2発の蹴りを入れる。しかし、ダメージでピンゾロを出してしまい、1発分23点ダメージにしかならない。やむなく、もう2発の蹴りでトドメを刺す。

 

ホリー「だから、お前はどうして肝心なところでピンゾロを出すんだ? HPの低いスコーピオンなら、2回当てたら倒せたろうに」

G太郎「すまないでござる。ミノタウロスキャスターの残りHP62点は、ご主人に任せた」

 

 当然、デルの攻撃で、そこまで大きなダメージは出せない。

 出目にも恵まれず、防護点にも阻まれて、11点ダメージを与えるのみで、残り51点。

 

GM「一応、アムの支援射撃で13点ダメージで、残り38点じゃ。まあ、次のラウンドで落ちるじゃろう」

ホリー「G太郎がピンゾロを出さなければ、期待値で1ラウンド全滅も可能だったんだ」

GM「それでは、わらわがつまらん。そうじゃのう。ここは1発、威力40の【エネルギー・ジャベリン】を撃っておくか。狙いはランダムに決めて……イノセントじゃ。精神抵抗18が出せるかのう?」

ホリー「無理です」

GM「ならば、おっと、クリティカルで28点ダメージと来たな」

ホリー「痛すぎます。残りHP31点。アリナ様はイノセントに恨みでもあるのですか?」

GM「そりゃあ、同じ牛じゃし、先に9点ダメージをくらっておるからのう。3倍返しぐらいはさせてもらわんと」

ホリー「こちらの攻撃。鼓咆のランク2烈火で、さらなる怒りを表明。イノセントで23点ダメージ」

GM「15点くらって、残りHP23点じゃ」

ホリー「トリッキーの雷撃は半減されて、5点ダメージ」

GM「残り18点」

ホリー「ボクも前衛に飛び出してショートスピアの《魔力撃》……って、命中12じゃ当たらないか」

デル「師匠より先にオラが殴らせてもらうさぁ。上手く行けば、トドメが刺せるぅ。21で当ててぇ、ダメージは……よし来た、26点だぁ」

GM「ならば、18点ダメージでミノタウロスはピッタリHP0じゃ」

G太郎「自分が手を出さなくとも、強敵ミノタウロスを弟子たちだけで倒せたことに、満足の笑みを浮かべるでござるよ」

 

 負傷したイノセントは、デルが2回の【キュア・ウーンズ】で22点回復。

 マーマン奴隷を助けて★1点。魔物退治の経験点が290点。戦利品がミノタウロスアックス(475G)と大きな角(150G)、サソリの殻(50G)、毒針と毒袋(800G)2セット、毒針と猛毒袋(1200G)、そして〈黒鉄剣士勲章〉4個となった。

 

G太郎「足手まといのマーマン奴隷を連れ歩くのは、いささか荷が重いので、一度、エサユハ殿のところに引き返したいでござるが」

GM「仕方ないのう。では、助けたマーマン奴隷は【赤い瀑布】にあるスエラの館預かりとなった」

デル「【地底湖の畔】まで連れ帰れば、★1点と水妃ポイント2点になるんだなぁ」

 

 翌40日めの朝。

 1日分の保存食を消費した一行は、ふたたび【巨大格納庫】に向かう。

 

GM「通路は、やがて巨大な空間の天井近くに架けられた鉄橋へと変わる。壁も天井も鋼鉄製で、鉄橋の左右には、竜の姿をした巨大な魔動機械が2体ずつ並んでいる。鉄橋の途中には、下へと続く螺旋階段があり、そこから一人のダークドワーフが上がって来た……ということで、この男が噂のマッドサイエンティストのゲリ・ブレキじゃ」

ゲリ・ブレキ『何じゃ、お前たちは? 見ない顔じゃのう? マッチョなルーンフォークの用心棒に、ドレイク、バルカン、ラミアとは、どういう組み合わせじゃ? ドラゴンフォートレスの秘密を探りに来たスパイか何かか? ここで狼藉を図ると、翠将ヤーハッカゼッシュ様の怒りを買うことになるぞ。何しろ、このワシは翠将閣下のお覚えめでたい筆頭魔動機師のドクトル・ゲリ・ブレキ様じゃからな。どうじゃ、恐れ入ったろう、ウヒョヒョヒョ』

 

魔動博士ゲリ・ブレキ

 

G太郎「なるほど。この男の立ち位置を理解したでござる。虎の威を借る狐というか、翠将の威を借る下衆と見たが、まあ、ここは下手に出てみよう。とりあえず、『上層階から来た新興商人の烈火団』と名乗り、『噂のドラゴンフォートレスが商機につながりそうなので、確かめに来た』と頭を下げる。『スパイ呼ばわりなどとんでもない。それよりも商売に関わることなら公式に取材させていただきたい』と丁寧に申し出る」

ゲリ『うむ、ドラゴンフォートレスが噂になっておるのか。ならば天才たるワシの名も広く知れ渡っているであろうな』

デル「天才はビーリンのことじゃないかぁ?」

ゲリ『ビーリンじゃと? あやつは、ワシの弟子じゃ。弟子が天才なら、その師匠は大天才と呼ばれて然るべきじゃろう。なるほど、ドラゴンフォートレスの話はビーリンから聞いたのか。あやつは修行の旅に出したが、お前たち、〈転送装置のマスターキー〉の話を聞いておらぬか?』

ホリー「〈転送装置のマスターキー〉?」

ゲリ『そうじゃ。ビーリンには、それを探して来るように言ったのじゃが……いや、別にお前たちでもいい。ドラゴンフォートレスの起動実験に協力してくれるなら、商売の件、考えてもよかろう』

G太郎「起動実験でござるか。すでに動かせる段階に入っているとでも?」

ゲリ『ワシは大天才じゃからな。この魔道機械の構造はあらかた解析済みじゃよ。現在の技術で再現するのは難しいが、いくつかの機構をオミットすれば、それなりに動かすことは可能じゃ』

ホリー「オミットって何を?」

ゲリ『当然、人型への変形機構じゃよ。まったく無駄としか言いようがない。兵器が人型である必然性など全くないわ』

G太郎「ちょっと待った。人型ロボットはロマンでござろう。この博士は、それを無駄だと切り捨てるのでござるか!?」

ゲリ『無駄も無駄、大無駄じゃ。人型にどんなメリットがあると言うのじゃ?』

G太郎「そりゃあ、武器を持った格闘戦や、汎用性など、いくつも考えられよう」

ゲリ『いいか。よく聞け。ドラゴンフォートレスには、頭部の火炎放射、胴部に2門の主砲、左右の翼にはそれぞれ副砲が装備されており、格闘戦など必要ないのじゃ。一応、脚部のクローで近接戦闘は可能じゃが、魔動機術の本領は銃火器による遠距離射撃にある。武器を持った接近戦など古臭い戦術は時代遅れな代物で、戦争は相手の武器の届かないところから圧倒的な火力で殲滅させることこそが勝利への鉄則。ドラゴンフォートレスを接近戦に用いるなど、用兵の分からぬ素人の考えに過ぎん』

 

デル「もしかして、ゲリ博士にはメカ愛はあっても、人型ロボット愛はないのかぁ?」

GM「うむ。実用性にこだわる技術者であって、機能第一主義。人型は兵器として実用的でないという考えで、さらにこうも言う」

ゲリ『良いか。人型が優れているのは、魔剣を振るうことができるからなのじゃ。古の魔動機時代にも、魔剣信仰は根強く残っていたゆえ、巨大な魔剣を振るう神の如き人型兵器への憧れはあった。それならば、最初から巨神兵を作れば良いだけのこと。わざわざ竜型から人型への変形機構を取り付けることが無駄というもの。生物としての頂点に立つのは竜族であることは常識であり、兵器としての頂点も竜形態であることは当然の理。人型になるのは、ただの人と竜の調和の象徴以上の価値はない……とワシは見なしておるのじゃ』

G太郎「なるほど。この男には、この男なりのこだわりがあって、一応の理が成り立っているのでござるな。ならば、ここは拍手をしながら『ご高説、まことに感じ入ったでござる』と持ち上げておこう」

GM「G太郎の拍手に、ゲリ・ブレキは気分を良くしたようじゃ。そして、さらに理論をまくし立てる」

ゲリ『もちろん、人型機械は兵器ではなく、作業用や儀式用、それに格闘競技などのパフォーマンス用には需要もあろう。そういう技術の研究まで無下にするものでもない。ワシの言っているのは、あくまで兵器としての実用性の観点じゃ。人型兵器不要論であって、人型機械が全て無駄と言っているわけではないので、誤解はするでないぞ』

G太郎「そういうことなら、ルーンフォークとして納得でござる。つまり、人型は兵器以外の活躍の場を与えればいいということでござるな」

ゲリ『うむ。ルーンフォークを前に、あらゆる人型は無駄だと暴言を吐くつもりはない。とにかく、ワシは古のドラゴンフォートレスの無駄を省き、今の技術で可能な限りの洗練された兵器として復活させようとしておる。これらの飛行要塞が大空を駆けることがあれば、ルキスラの飛行艇団など物の数ではなく、南の人族の街など焼き尽くすことが可能であろう』

ホリー「人族相手の戦争を夢見ているのか?」

ゲリ『当然じゃろう。兵器は使ってこそ意味がある。かつては人族と竜族の友好のために建造されたのかも知れぬが、このドラゴンフォートレスが最も輝くのは、その力をフルに発揮できる者の下で用いられるとき。人族の尊ぶ調和の世界と、バルバロスの弱肉強食の世界では、兵器にとってどちらがより幸せであると思うかね?』

デル「それは……あくまで防戦のための兵器と、侵略目的の兵器で考え方が変わるなぁ」

ゲリ『まあ、兵器を何に使うかは為政者次第じゃが、ワシはただドラゴンフォートレスが空高く舞い上がり、その砲火で敵を粉砕し尽くす様を見られたら満足じゃよ。そして、その夢を後押ししてくれるのが翠将陛下であれば、自ずと敵は人族になる。別に人族に恨みはないが、ドラゴンフォートレスの勇姿が見られるなら、魔動機術の新たな発展のために犠牲になるのは仕方ないこと。そうではないかね?』

 

ホリー「こいつ……危険人物すぎないか?」

デル「ビーリンが逃げ出した理由も分かったさぁ」

G太郎「とりあえず、〈転送装置のマスターキー〉があれば、良いのでござるな」

GM「その通り。ゲリはクエストとして依頼する。報酬は★3つと赤銅勇士勲章9個じゃ。引き受けてくれるなら、格納庫を自由に見学してもいいし、近辺の情報も提供しよう、と言う」

G太郎「近辺の情報でござるか?」

GM「格納庫の東と南じゃな」

G太郎「それは聞いておきたいでござる」

GM「ならば東は……(ダイスを振って)【銀灯の通路】で、南は……【ル=ロウド神殿】となっておる。ゲリ・ブレキが言うには、【銀灯の通路】には見るべきものは何もない……と言うか、妙な幻術が掛かっているようで、目に見えぬ魔物から攻撃されるらしい。一方、【ル=ロウド神殿】はサキュバスの少女が経営する、いかがわしい宿屋になっているそうじゃ。一応は寝泊まりできる場所じゃが、油断をしていると精気を吸い取られるのではないか、とゲリ博士は推測している」

G太郎「ちょっとした娼館でござろうか。ルーンフォークである私にはあまり関係ないが、弟子には刺激が強いかも知れぬ」

ホリー「サキュバスだからなあ。あまり健全な場所とは思えないなあ」

GM「もっとも【銀灯の通路】は通り抜けができないので、深層階の南東部に行きたいなら、そこを抜ける必要があるらしい」

●ミストグレイヴ深層階の地図

(青字は拠点および宿泊可能地点。

 緑字は新規に記入)

 

瑠璃宮ー?ー?

 l  l l

 ? ー?ー?ーー流血回廊ー月の図書館

       l l      l   l 

黒炎の工房ー蒸気の谷ー赤瀑布ー巨大ー銀灯の通路

       l     l  格納庫   l

                 l      l   l    l
             ミノタウロス翡翠のール=ロウドー?

      上層階 ←の門  ピラミッド 神殿

                 l

                  ?

G太郎「【巨大格納庫】では寝泊まりできないのでござるか?」

GM「探索はできるが、寝泊まりはできん」

G太郎「ならば、探索だけでもしておこう」

 

 しかし、探索判定の出目は振るわず、目ぼしいものは何も見つからなかった。

 

月の図書館

 

GM「それでは、【巨大格納庫】のイベントはこれで終わりじゃが、ゲリ・ブレキのクエスト『〈転送装置のマスターキー〉の探索』を引き受けた後、同行者のアムが情報をくれる。実は彼女は〈転送装置のマスターキー〉の在処を知っているのじゃ」

デル「本当かぁ?」

GM「彼女を【巨大格納庫】に連れてくると、報酬として情報をくれるのじゃが、その一つじゃな」

G太郎「それは聞きたいでござるな」

GM「アム曰く、『〈転送装置のマスターキー〉は密偵のオスカル・バローが持っている』らしい」

ホリー「オスカル・バローと言えば、勲章コレクターだったな。〈白銀騎士勲章〉1つとマスターキーが交換か」

G太郎「そして、マスターキーをゲリ博士に渡すと、〈赤銅勇士勲章〉9個になる。赤銅は5個で白銀になるので、差し引き得になるが……」

デル「ゲリ博士にマスターキーを渡していいとは思えないんだなぁ」

ホリー「ドラゴンフォートレスを起動させると、人族にとっては災厄になりそうだからなあ」

G太郎「起動させて、我らがドラゴンフォートレスのコントロールを奪うようなことができればいいのでござるが」

デル「後で、ヴァラルトさんやビーリンに相談するってのはどうだぁ?」

ホリー「確かに、彼らの技術ならドラゴンフォートレスを正義のマシンにコントロールすることも可能かもしれない」

G太郎「何にせよ、ドラゴンフォートレスが起動した時点で、目立つことになりそうだから、翠将の気を引くことは確実。そうなったら、現在の隠密任務も、烈火団の商業活動も、これまで通りとは言えなくなろう」

GM「メタなことを言うなら、ドラゴンフォートレスは15レベルの7部位モンスターの扱いなので、プレイヤー側が自由に運用できると、明らかにゲームバランスがおかしくなる。よって本作で起動する時があるとするなら、物語のほぼ終盤になるじゃろうな」

G太郎「ところで、ゲリ博士のレベルはどれほどでござるか?」

GM知名度14で魔物知識判定をするがいい」

G太郎「16で成功でござる」

GM「レベル11ダークドワーフの古強者に、魔動機術11レベルが付与されて、HPは剣のかけら入りで138点となっておる」

G太郎「殴れば即死ぬザコ……というわけではなかったのでござるな」

GM「うむ、意外と肉体派なデータで、回避19、防護点15という点から、G太郎でも攻撃を外し得るし、一撃必殺とは行かんじゃろうな」

デル「師匠よりも格上だったのかぁ」

ホリー「武闘派でバトルジャンキーなマッドサイエンティストとはな」

GM「もしもゲリ博士に戦いを挑むなら、『このワシがそこらの頭デッカチなひ弱技術者だと思うなよ〜。戦場に立つその日のために、日々の鍛錬を欠かさず、続けていたのよ〜。グレンダールの名にかけて死ぬがいい。ゲヒャヒャヒャ』と呵呵大笑して、パーティー全員に威力30、魔力15の【ホーミングレーザー】を撃つことが可能」

G太郎「期待値22点ダメージが全員に降り注ぎ、クリティカルすると32点ダメージにはなると」

ホリー「クリティカルすると、ボクが即死するレベルだな」

GM「さらにダークドワーフのたしなみとして、グレンダールの神官戦士でもあるから、神の拳【ゴッド・フィスト】で威力40、魔力12の攻撃も可能。まあ、ダメージ期待値的には、マギテックレベルの方が高く設定されている分、【ホーミングレーザー】の方が恐ろしいのじゃがのう」

デル「あんな狂った技術者でも、グレンダール様は力を貸してくれるのかぁ」

GM「一応、己を鍛えることと、ものづくりを推奨する教義は実践しておるからのう。グレンダールの教義に、人の命を大事にせよというものはない。むしろ、ダークドワーフ流の教義は『逆境の中で身を焼き、破壊の炎の中で蘇った不屈の闘志こそ、神の戦士たる証』と考えている節がある。ならば戦火の中で散って行く命に価値などないと考える狂神官であっても、信仰に矛盾が生じるわけではないのじゃ」

デル「蛮族社会の流儀に合わせて、歪められた信仰なんだなぁ」

GM「うむ。現実世界の宗教でも、原理原則の土台の上に、社会が求める思想が後天的に肉付けされ、地域文化に則した宗派に変質することは多々ある話。そのため、何が不変の原理原則で、何が個別の解釈として付与されたのか、宗教学者の研究テーマもそこにあると言えよう。まあ、宗教を含めた善悪の価値観とフィクションにおける変遷史は論じると話がややこしくなるので、下手に踏み込まないようにして、次に進むとしよう」

 

G太郎「では、40日めの昼、【月の図書館】を目指して、ランダムイベントは……2なので発生せず」

GM「ならば何事もなく到着した。お主たちは天井の高い円筒形の空間に出る。空間の内壁は、すべて書棚となっており、びっしりと書物が収められている。空間の真ん中には、美しい人間の女性の顔とライオンの胴体、大きな翼とを持つ幻獣スフィンクスがいて、お主たちを出迎えてくれる。なお、天井の真ん中には、月の形をした灯りがあって、今は満月となっていて昼間らしく非常に明るく照らしつけているのじゃ」

G太郎「スフィンクス殿には丁重に頭を下げつつ、魔物知識判定を試みるでござる。達成値は17」

GM知名度は18なので、その能力は読み取れんが、〈狩人の目〉の効果でレベル15幻獣であることは分かる」

G太郎「レベル2桁だらけの場所でござるなあ」

GMスフィンクスは厳かに口を開く。『我はザナエル。知識を喰らうもの。この【月の図書館】の管理を託されし者なり』と名乗ってから、お主たちの名を聞く」

G太郎「烈火団のマッスルG太郎でござる」

デル「同じく、烈火団の仲間にして、グレンダールの神官戦士デル……モンテ」

ホリー「同じく烈火団のガルダだ。そして、イノセント」

GM「アムも自己紹介した後、ザナエルはふんと鼻を鳴らす。『デルモンテガルダ、それは真実の名ではないな。さらにマッスルG太郎を除く3名は、偽りの姿と見える。その正体は……バルバロスではなく、人族であろう。多くの者は欺けても、我の目を欺くことはできん。本当の名を名乗るといい』」

デル「デルニールだぁ」

ホリー「ホリー。だけど、ボクの中には確かにガルドもいた」

ザナエル『その者はいかに?』

G太郎「私の中に。ホリー嬢ちゃんの中のもう一つの命は、私の封印を解くために身を捧げたでござる」

ザナエル『ほう、ただのルーンフォークかと思いきや、そなたも真の姿、いや魂を偽っていたか。だが、深くは詮索すまい。この図書館は、魔法王コルネイユ・ドゥ・シャレットによって造られ、セランシェに受け継がれし、叡智の宝庫。いかなる者にも、書物を閲覧する権利が与えられている。ただし、セランシェの認めざる者は、太古より受け継がれし知識の数々をその目にすることはなかろう。さらに、この図書館より書物を持ち出すことは許されぬ。書物を損ないし者は、我が歯牙によって報いを知るであろう』

 

G太郎「それでは、スフィンクスについて書かれた本を探すでござる」

GM「では、ルイス・ボルヘス著『幻獣辞典』のラクシア版みたいな書物を見つけ出したが、中身は白紙じゃ」

ホリー「『騎獣図鑑』みたいな本は?」

GM「『騎獣大全』ならあるが、中身は同じく白紙となっておる。お主たちが訝しく思っていると、ザナエルがフフフとほくそ笑みながら、謎の詩を口ずさむ」

 

翼持つ獣が守りたる書架 太古の叡智を集めたる図書館

月が姿を隠す夜 セランシェの灯火のもとでのみ

古の叡智は 汝が前に現れる

 

デル「それは、ヴァラルトさんが教えてくれた詩だなぁ」

G太郎「つまり、書物の閲覧のためには〈セランシェの灯火〉が必要でござるな。ならば、一つ質問がござる。【妖精庭園】はいずこに?」

ザナエル『ほう。そこまで知っておるか。ならば、妖精たちのいる【地下庭園】は【瑠璃宮】の東2、【ミノタウロスの門】の北3に位置するとのみ伝えよう。ここより、西を目指すがいい』

G太郎「親切に感謝するでござる。ならば、【黒炎の工房】に行く際に、そちらにも足を伸ばすとしよう」

GM「それは、ジカーイジカイの話じゃな。今回のプレイはこれにて完」

●ここまでの冒険成果

 

日数経過:40日めの昼(月の図書館)

 

経験点:人魚宮殿に宝石6個を納めた★2個

    翡翠のピラミッドの内部に入った★1個

    人魚奴隷を助けた★1個

    アムを【巨大格納庫】に連れて行った★1

    アムを【月の図書館】に連れて行った★1個

     (合計★6個)

    魔物撃退分290点

    ピンゾロ分(G太郎1回)

収支結果:タクシー代400G分消費、食料1日分消費

     戦利品3475G分、黒鉄剣士勲章4個

ミッション:深層階への荷物配達

      ドラゴンの秘薬の材料集め

エスト:ジーズドルフ解放軍の同志を集める

     (現在19人)

     【月の図書館】の書物を読む方法を探る

     地下世界から誰かを外に脱出させる

     魔窟50階を踏破(店舗経営の許可)

     驕王ポイント31点を目指す(現在22点)

     人魚奴隷の救出

     虹色の宝石の確保

     (現在水妃ポイント6点)

     転送装置のマスターキーを入手する

 

情報

・煌びやか卿アー・ヌルチェと商業同盟を樹立。

・防空施設の魔力供給源【翡翠のピラミッド】の装置を操作するには、〈銀水晶のマギスフィア〉が必要。

 ・〈破剣の星槌〉らしき略奪品は深層階のダークドワーフに渡った。

・【地底湖の畔】のマーマンは、水妃ポイント残り20点で地上への抜け道を教えてくれる。

・【コボルド窟】のオードル・プルは地上に伝手がある。

・【戦神の凱旋門】の魔窟総監ギルギダッシュと知り合い、魔窟ミッションを攻略中。

・四祖の1人シェラシースは魔剣である。

・地下水路から地上への脱出には、〈銀水晶のサークレット〉が必要。北東の隠し扉を開けられる。

・漆黒のマギスフィアは、深層階の黒い球体に入る鍵。別に合言葉が必要。

・竜のエサユハと知り合い、竜姫ナーデージュ救出の活動を行う。

・【歯車の迷宮】には地下水路の明かりの仕掛けあり。

・【王女の鍾乳洞】では魅了の瞳に注意。

・深層階のダークドワーフ情報いろいろ。

・【月の図書館】の伝承詩。

・ユリア・ミルドリスは深層階の【瑠璃宮】に向かった。

・翠将の親衛隊になるには〈黄金近衛勲章〉を入手して、試練を受けねばならない。

・暗闇を見通す〈セランシェの灯火〉は【妖精庭園】に。

・〈乳白色のソーダ水〉は深層階にある。温泉か鍾乳洞と推測されている。

 

密偵の知り合い

・アム・ヤーセン(ドワーフ娘→ラミア)

 キーワード「月の図書館の書物閲覧」「黒炎の工房」「漆黒のスフィア」

イゴール・ぺステリ(エルフ男→トロール

 キーワード「ユリア・ミルドリス」「ノイア・カーナ」「白銀勲章」

・ニコ・シュナウヘア(ナイトメア→オーガ)

 キーワード「防空施設」「シェラシース」「ヤーハッカゼッシュ」「地底に眠るもの」

・オスカル・バロー(シャドウ→バジリスク

 キーワード「白銀以上の勲章コレクター」「転送装置のマスターキーを持つ」

・シル・メリル(人間女→バルカン)

 キーワード「レジスタンスを探す敵」

 

冒険達成度:合計21%

(当記事 完)