花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女主役の物語」&「その仲間たちの雑談話」など。TRPG話や特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、ソード・ワールドのミストグレイヴ妄想リプレイ「魔神ハンター」を連載中。

魔神ハンター、上層階へ帰還す(SWミストグレイヴ4ー5)

スエラの館にて

 

GM(ヒノキ)「前回、お主たちは【流血回廊】でエルフの幽霊エーリカ・ベレを牢から解放するというミッションを達成したのじゃ」

G太郎(ゲンブ)「ミッション内容は、無実の囚人の生死を確かめて来い、というものだったのに、亡者の集団と戦うことになろうとは、想定外だったでござるよ」

デル(リトル)「【流血回廊】はアンデッドの巣窟になっていたもんなぁ」

ホリー(シロ)「ゴーストゴーレムが手強い相手だったな。イノセントに秘められた聖なる力がなければ危なかった」

GM「言っておくが、イノセントに聖なる力なんぞ設定されておらんからの」

ホリー「嘘だって誠心誠意で突き通せば誠になる、と頼朝公だっておっしゃっておられる。ましてや、TRPGのプレイヤーキャラに関する設定はプレイヤーに委ねられているので、主張し続ければGMだって認めてくれるはず」

GM「まあ、それで物語が面白くなるということならばな。誠心誠意は我がままにあらず。大義や自分の意を叶えるための責任感、そして何よりも自己の立ち位置を自覚した演出をもって信頼関係を構築した上での振る舞い方あればこそ。身分ある頼朝が、自分を認めてくれたという状況あればこそ、『お前だけが頼りじゃ』の弁も成り立とう」

デル「でも、いろいろな人間に『お前だけが頼りじゃ』と言い続けるのは、口先だけという気がするけどなぁ」

GM「いわゆる二枚舌外交という奴じゃが、一人一人に向き合う労はとってくれ、付き従えば誠実に褒美を与えてくれそうな立ち位置にあるなら、社員一人一人を大切にする社長と同じで、まあ、付いて行ってもいいかとは思わせるかものう」

G太郎「要は、選挙運動の際に、少しでも多くの票を募るための宣伝文句でござるな。『あなたの清き一票が世の中を変える』という類の。実際は、清き一票も数を獲得せねばならぬと言うに」

GM「それでも、票は一つ一つ固めて行くのが選挙活動の基本で、あとは公約を果たすだけの力と責任を示せるのが、信頼感となろう。ともあれ、頼れる者は少しでも多い方が良いのも事実。そして、奉公にはしっかり御恩をもって応えることが誠心誠意と言えるのじゃろうな」

G太郎「土地を介した主従の契約関係こそが鎌倉幕府封建制度でござるからな。まあ、それはともかく、我らは今、ドラゴンのエサユハ殿をパトロンとして仕える身。この深層階では今のところ、エサユハ殿だけが頼りでござる」

GM「うむ。エサユハにとっても、自分のミッションを果たしてくれそうな人族の知り合いは稀少なゆえ、お主たちが頼りと言えよう」

G太郎「そこで今後のコミュニケーションの必要から、ドラゴン語を学びたいと思うのでござるが、この魔動機術【サウンドレコーダー】でドラゴン語の日常会話を録音し、地道にレッスンできる教材にしたいわけで」

GM「なるほど。セージ技能7レベルでドラゴン語を後付け習得する際の、手順じゃな」

G太郎「ルール上は、セージ技能が上がれば習得言語が自然に増えるのでござるが、そこはしっかり録音機器を使うことで、努力しているというフレーバー演出でござる」

GM「相手の使う言葉に合わせようとするのも、誠意と言ったところか。では、エサユハは快く、録音に応じてくれた。少なくとも、ドラゴン語を習得したいということは今後の付き合いを強めたいという意志の表れじゃからな」

G太郎「それで一夜の休息もしっかりとった上で、我らはミッションの達成報告のために、上層階へ引き返すでござるよ」

GM「うむ。『秘薬の材料集めの件、よろしく頼んだぞ。お前たちだけが頼りじゃ』と、エサユハは誠心誠意、お主たちを送り出す」

デル「誠心誠意が、全力全開並みの流行キーワードになるのかなぁ」

 

蒸気の谷(28日めの昼)

 

G太郎「朝に【赤い瀑布】を出発して、西の【蒸気の谷】を目指すとしよう」

ホリー「ここはバルカンの橋守りから、情報を聞いたんだな。サソリ人間アンドロスコーピオンの魔動機士たちが整備している巨大魔法装置があるとか」

デル「わざわざ寄り道する必要があるのかぁ?」

G太郎「商売の種はどこに転がっているか分からぬでござるからなあ。それに寄り道とは言え、回り道ではござらぬ。【ミノタウロスの門】に帰る途中の道すがらでござるよ」

●ミストグレイヴ深層階の地図

(青字は拠点および宿泊可能地点。赤字は現在地。

 緑字は新規に記入)

 

瑠璃宮ー?ー?

 l  l l

 ? ー?ー?ーー流血回廊ーー?

       l l      l  l 

    ?ー蒸気の谷ー赤瀑布ー?

                 l      l  l
             ミノタウロス翡翠のー?

      上層階 ←の門  ピラミッド

GM「ランダムイベントは発生しなかったようじゃの。では、労せず現地に着いた。そこは鋭く切り立った断崖に挟まれた谷間で、真っ白な蒸気が充満しておる。ムッとするような熱気の中、たくさんのサソリのような甲殻と多足を持つ蛮族が、蒸気を噴き上げる魔動装置の周囲で何か作業をしておるようじゃのう」

G太郎「お初にお目にかかる。我らは上層階で音に聞こえた烈火団の者でござる、と挨拶しておこう」

GM「烈火団の名は、アンドロスコーピオンには知られていないようじゃな。わずらわしそうに、何しに来た? と用向きを尋ねてくる」

G太郎「我らは煌びやか卿と提携したりしながら、上層階で大経済圏を構築しようとしている商売人でござるよ。この度、深層階に商業ルートを開拓しようと意気込んでいるところであるが、この地にて壊れた機械部品をご所望と聞いたのでな。我らが何か役立つのではないか、と訪ねた次第」

GM「そういうことなら、とサソリ人間はお主たちへの警戒を解く。煌びやか卿の名は知っているので、一先ずの信用を得たようじゃ」

ホリー「持つべきは、信頼されているコネってことだな」

GM「それと、相手の需要を知ることじゃな。需要もろくに調べずに、WinWinは成立せん。この地では、魔動装置の整備のために、慢性的に補充パーツを必要としているゆえ、メカ系の敵を倒したり、発掘して手に入れた魔動部品があれば、引き取ってくれるそうじゃ。物によって適切な代価の勲章と交換してくれる上、ポイントがもらえる。ポイント500点で★1つがもらえる形じゃ」

G太郎「機械系の戦利品は別枠扱いにして、ここに持って来ればいいのでござるな」

GM「ここでは機械パーツの買い取りだけをしてくれる。まあ、彼らの整備している魔動装置を破壊しようとする暴挙に出れば、戦闘が発生するじゃろうがな」

G太郎「その場合、何体のサソリ人間と戦うことになるでござろうか?」

GM「魔動装置は30機あって、各装置に1体のボスサソリと3体のサソリ兵士がいて、総計120体はいる。ボスのレベルは7で、兵士のレベルは5と読みとることができた」

G太郎「魔動装置の1機ぐらいは壊せるかもしれんが、そうするメリットがないでござるな。たとえ、奇襲によって機械を壊しても、100体以上のサソリ人間に囲まれて生き延びられる保証は全くない、と判断して、この場では暴れないようにしよう」

デル「と言うか、ここの機械で地下の明かりを確保してんだろぉ? 壊す必要なんて、どこにあるんだぁ?」

G太郎「蛮族に戦争を仕掛けるために、混乱を招くためのテロリスト的発想でござるな。しかし、夜目を持つ種族が多い蛮族と戦うに際し、自ら明かりを破壊するなど愚の骨頂。仮にテロを仕掛けるにしても、戦略的価値というものはしっかり考えねば」

ホリー「まあ、そこまで戦略的にテロ活動を企てる者は、現実では少数派だと思うけどな。大抵は、追いつめられて感情的になった者が、とにかく起死回生の一撃を、と後先考えずに突っ込んで、無防備な市民に大被害を与えて、自己満足の惨事を引き起こすわけで、そういう戦略度外視の自暴自棄な輩が一番怖い」

G太郎「戦略家は合理的に考えるゆえ、非合理な作戦には後手に回りがちでござるからな。ともあれ、我々は非合理なテロリストではないゆえ、ここで問題行動を起こすのは賢明でないと判断するでござるよ」

GM「合理的すぎて、非合理なことは一切考えられないというのも、想像力の欠如というものじゃからのう。少なくとも、ストーリーテラーたる者は、合理と非合理の双方の視点で物を見る訓練は意識せねばな」

G太郎「非合理でも効果的な一手というものも世の中では多いでござるからな」

GM「手法は合理的でも、人道理性的に非合理という犯罪もあって、愚かな行動に知性を注ぐ知的バカと称される者が近年の犯罪者には見られるケースじゃ」

G太郎「犯罪の手法を細かく解説するマスコミの功罪と言われているでござるな。まあ、この場では自ら敵対行為に走らない限りは、事件も起こらない、と」

 

ミノタウロスの門を抜けて

 

GM「では、ランダムイベントも発生せず、お主たちは【ミノタウロスの門】に到着した。手順に従い、深層階から上層階のジンドラルに声をかけ、階層移動の魔力を発動してもらう。そうして、1日半ぶりに上層階へ帰還することができたのじゃ」

●ミストグレイヴ上層階の地図

(青字は拠点および宿泊可能地点。赤字は現在地。

 緑字は新規に記入。青いラインは安全ルート)


            死者の道ーミノタウロス

              l   の門→深層
              l     l  階

蛇の酒蔵ー凱旋門岩棚のーゴミ溜め窟ー炎河橋

(梯子) (魔窟) 城塞  l     l

  l   l   l   l    腕試しの
コボルド窟ー無限ー隠者の地底湖の畔ー通路→深

      金床  迷路 (人魚宮殿)   

         l   l       階

     大水車ー烈火団煌びやかな 

         本部 大通路

         l   l

   物乞い市場ー 騎獣ー水没通路

    (蜜蜂) 調教所 (梯子)

         l

     肉の穴ー処刑遊戯場

    (解放軍) 

G太郎「亡者はこりごりなので【死者の道】は避けて、【炎河橋】を通るでござる」

GM「通行料は300Gじゃ」

G太郎「戦利品から適当に300G分を見繕って支払うでござる」

GM「おっと、手順が前後したが、ランダムイベントが発生したようじゃ。橋を渡った直後、一人の顔見知りの密偵が姿を見せる」

ホリー「誰だ?」

GM「バルカン女の姿をしたシル・メリルじゃな」

G太郎「レジスタンスの情報を探している裏切り者でござるな。さて、どう対処したら良いものやら」

ホリー「人族を裏切って、蛮族に寝返ったんだろう? 裏切り者は死あるのみではないか?」

G太郎「しかし、世の中にはダブルスパイという者がいてな。利用できるなら、相手の立場を利用するのも諜報活動というもの。一応、戦うとなれば、相手がどれほどの強さか、じろじろ観察してみるでござる」

GM「能力的には、レベル10人族の『邪教の高司祭』相当じゃ。剣のかけら入りなので、HPは115もあって、妖精魔法と神聖魔法を行使できる。一応、騎士神ザイアの神官を装っているようで、自分の正体がバレていることは気づいていなさそうじゃ」

G太郎「では、レジスタンスの拠点は分かったでござるか? と尋ねてみるでござるよ」

 

シル・メリル『おそらくは【肉の穴】ね。先日、トロール兄弟の軍勢が攻めて行って、壊滅させられたそうだし。あそこに人族の戦力が集まっている可能性は大きいと思うの』

G太郎「いや、あれを始末したのは我らでござるよ」

シル・メリル『あなたたちが!? まさか……』

G太郎「北の驕王ムルカグンドリに頼まれたでござるからな。【肉の穴】の人族が犠牲になろうとしていたので、ついでに助けてやろうと思った次第。もしも【肉の穴】にレジスタンスなるものが存在しているなら、我々、烈火団が動く必要もなかったでござろう。烈火団の手柄を、よく分からんレジスタンスがやったように吹聴されるのは、心外でござる」

シル・メリル『烈火団……噂には聞いていたけど、あなた達がそうだったとはね』

G太郎「そうとも、烈火団のリーダーは、マッスルG太郎。この情報はすでに翠将ヤーハッカゼッシュ殿も知っているゆえ、上に漏らしても問題ないでござるよ」

シル・メリル『上? 何のことかしら?』

G太郎「これは噂で聞いた話でござるが、人族を裏切って蛮族に与した密偵がいるとか」

シル・メリル『……そうなの? それは初耳ね』

G太郎「まあ、我らも蛮族の地で生活していると、一部の蛮族と親しくもなろうし、時に情も移ることもあろう。それを咎め立てするつもりはないが、我らの大経済圏構想の前に立ちはだかると言うなら、力をもって叩き潰すのもやぶさかではない」

シル・メリル『……それはいかにも蛮族らしい考え方ね。どっちが裏切り者なのかしら』

G太郎「レジスタンスとやらがどこにいるかは知らぬが、時代を動かすのは我ら烈火団であると自負している。人族も蛮族も関係ない。我らは我らの利を求めて行動するのみ。そなたの利がどこにあるかは考えた上で、行動するのだな」

シル・メリル『なるほど。所詮は同じ穴のむじなと考えていいのかしら』

G太郎「下手にレジスタンスを刺激して、この地の平和を脅かすようなマネをするのは、翠将のためにもならんと考えるゆえ、そなたも大経済圏構想に参加しないか?」

シル・メリル『何を言い出すかと思えば。お断りよ。あたしは商人じゃなくて、もっと違う力を求めているの。でも、烈火団があなたたちの組織ということは覚えておくわ。気が向けば、力を貸してもいい。WinWinでいられるよう願っているわね』

G太郎「利害が対立しなければ、むやみに敵対する必要もなかろう」

シル・メリル『縁があれば、道が交わることもあるでしょう。じゃあね』

 

ホリー「G太郎、あれで良かったのか?」

デル「【肉の穴】に解放軍がいるらしいってことを嗅ぎつけられたっぽいぞぉ」

G太郎「決定的な証拠は与えていないでござるよ。それよりも、彼女の注意を我ら、烈火団に引き付けることには成功したと思う。彼女が次にどう動くかは知らぬでござるが、もしも我らに敵対することが明らかになれば、その時こそ全力全開で叩き潰すでござるよ。少なくとも、レベル10ということは分かったので、対決の機会は後にした方が良いと見た」

 

真夜中の密偵(スカウト)

 

GM「橋を渡ったのが28日めの夜。もう、間もなく深夜になろうとしている。さて、次にお主たちが向かう先は?」

G太郎「【ゴミ溜め窟】でござるな。ここで会いたい男がいる」

GM「その前に、またランダムイベントで、密偵と遭遇した。登場したのは、トロール姿のイゴールじゃ」

G太郎「おお。イゴール殿には報告したいことがある。お探しのエーリカ・ベレの件でござるが……と、かくかくしかじか【流血回廊】でのできごとを知らせるでござるよ」

イゴール『そうであったか。彼女とヴァラルトとの仲は、私も無縁ではないのだが、もう過ぎたことだ。幽霊の無念を晴らしてもらえたことには感謝している』

G太郎「あとは、〈琥珀のマギスフィア〉をご所望であったな。1つ余っているゆえ、渡すとしよう」

イゴール『かたじけない。ならば返礼の情報だが……深層階には竜族が住んでいて、あらゆる毒や病気、呪いを打ち消す秘薬の製法を知っているとか。蛮族嫌いと聞くので、交渉は交易共通語でするといいだろう』

デル「ドラゴンとはとっくに交渉済みだぁ。その情報は遅すぎるぅ」

イゴール『そ、そうか。ならば、どんな情報が欲しい?』

G太郎「差し当たっては、その秘薬の材料となる〈乳白色のソーダ水〉と〈ストーンメルト〉がどこで手に入るかが知りたいのでござるが」

イゴール『残念ながら知らん。う〜ん、深層階の情報であれば2つ。【歯車の迷宮】という場所には、地下水路全体に明かりを灯す仕掛けがあるという話。もう一つは、【王女の鍾乳洞】という場所には、古代の魔法時代の魔女が封じられているらしい。魔女は王族であったのだが、強力な魅了の瞳を備えていたために、誰しもが彼女の虜になってしまうゆえ、あまりにも危険と見なされた親族によって封印されたと聞く。魔女の瞳を直視しないように気を付けることだな』

G太郎「すぐには使えぬ情報であるが、【歯車の迷宮】と【王女の鍾乳洞】でござるな。覚えておこう」

イゴール『私の欲しいものは、あと3つ。ユリア・ミルドリスの件と、知り合いの密偵ノイア・カーナの行方と、白銀騎士勲章1つだ』

G太郎「もしかして、ノイア・カーナはセバスチャンのことではあるまいな」

イゴール『セバスチャンとやらが何者かは知らんが、それは男の名前だろう。ノイア・カーナは女性だから、別人だと思うな』

ホリー「行方不明の女密偵ノイア・カーナだな。しっかり、心に焼き付けておこう」

デル「またもや、ホリー姉さんが食いついたぁ」

G太郎「それにしても、エーリカ・ベレと言い、ユリア・ミルドリスと言い、ノイア・カーナと言い、古代の魔女と言い、イゴール殿はやたらと女性関連の追っかけネタが多いでござるなあ」

GM「うむ。『女たらしのイゴール』という浮名があるとしよう。さて、イゴールとは平穏に別れたわけじゃが、G太郎がここで会いたい人物とは一体?」

 

G太郎「ここにはリザードマンの情報屋ゾ・ゴグがいるでござるな」

ゾ・ゴグ『あっしに何かご用ですか、旦那?』

G太郎「そなたにだけは打ち明けておこう。目下計画中の魔窟コンビニの店長兼バーテンダーを任せたいのだ」

ゾ・ゴグ『魔窟コンビニ! それは一体!?』

G太郎「要は、地上にある冒険者の店でござる。情報収集のできる酒場&宿屋、それに装備品を買い揃えられる便利なお店ということで、現在、魔窟総監のギルギダッシュと設置交渉の最中でござるよ」

ゾ・ゴグ『どうして、そこの店長に、あっしみたいな不具なリザードマンが?』

G太郎「酒場の主人に必要なものは何だと思う?」

ゾ・ゴグ『そりゃあ、荒くれ者を束ねる腕力でしょ? もちろん、酒類に関する知識は当然として、魔窟みたいなところで商売をしようと思えば、武力は間違いなくいるはず』

G太郎「武力は、驕王ムルカグンドリが用心棒役として担当することも、鋭意交渉中でござる。しかし、ムルカグンドリにはいささかオツムの方が足りん。酒場の主人に必要なのは、度胸と情報収集力。元海賊にして、現情報屋のそなたには間違いなく両方が備わっているでござる。このような場所でサバイバルしている以上は、生存能力も秀でているでござろうし、何よりも片眼の爬虫人類というのは押しが強い外見だ。いかにも、こういうおっさんでござるからな」

ゾ・ゴグ『い、いや、さすがにそれほどマッチョには見えんでしょ?』

G太郎「短期間で筋肉を付けるボディビルディング技術は、このマッスルG太郎が指南してやれるが、バーテンは別に腕っぷしが強い必要はない。隻眼隻手で修羅場をくぐり抜けた風格さえあれば、威厳は保てるというもの。それよりも大切なのは、裏社会で生き延びるコネとか知恵というもの。そこを見込んでおるのだ」

ゾ・ゴグ『買いかぶりすぎです』

G太郎「では、一つ情報屋としての仕事を尋ねたい。〈乳白色のソーダ水〉と〈ストーンメルト〉について聞いたことは?」

ゾ・ゴグ『〈乳白色のソーダ水〉は一向に存じませんが、〈ストーンメルト〉は酒類の類ですね。【蛇の酒蔵】で250Gで販売してますよ』

G太郎「素晴らしい。その酒類に関する情報収集能力は、バーテンダーにふさわしい」

ゾ・ゴグ『いや、蛇の道は蛇とかトカゲとか言いますし……』

G太郎「ついでに、地下水路のリザードマン部族とも、そなたを通じてコネを作っておこうと思ってな。昔、リザードマンとは霧の街を脱出する際にやり合ったことがあって、コネなしで接触するのは危険だと思うのでござるよ」

ゾ・ゴグ『……すると、烈火団がリザードマンの部族と提携したいと?』

G太郎「うむ。昔のことは水に流して、今後は仲良くやって行きたいと部族の者に伝えて欲しい。今でも、伝手はあるのでござろう?」

ゾ・ゴグ『買いかぶりでございますよ』

G太郎「そうであろうか? これは私の商売人の、あるいは密偵としての直観でござるが、そなたもまた部族の密偵ではござらんか? この上層階の裏情報を集めて、地下水路に報告する役目を背負っているとか?」

ゾ・ゴグ『まさか、そこまでお見通しとは、旦那も侮れないですな。所詮は使い捨ての身ですが、このままゴミ同然に埋もれるよりは、旦那の魔窟コンビニですかい、その夢に乗ってみるのも面白いかもしれませんな』

G太郎「うむ。誠心誠意、魔窟コンビニの経営はそなたが頼みでござる。力任せの暴れん坊はいくらでもいるが、度胸と知恵を備えた店長候補は他にいなさそうでござるからな。まずは店を開かねばならぬが、その先の営業は誰かの手に委ねる必要がある。店の名前は〈隻眼トカゲの荒くれ亭〉と言ったところでどうか?」

ゾ・ゴグ『荒くれは勘弁して欲しいですな。『モノアイ・リザード・イン』ということで〈一つ目トカゲ亭〉、いや、ゴブリン王を前面に押し出して〈驕王と一つ目トカゲ亭〉と言ったところでしょうか』

G太郎「よし、では、将来の店長候補ということで、これは前金でござる。少ないかも知れぬが、あくまで手付金だ、と言って、黒鉄勲章2つを情報料代わりに渡しておこう」

 

帰還と次なるミッション

 

GM「魔窟コンビニのための人材スカウトを終えた烈火団は、【ゴミ溜め窟】から南下し、【地底湖の畔】に向かうことにする……でいいのじゃな」

G太郎「うむ、人魚宮殿に預けてあるビビりドワーフを回収せねばなるまい」

GM「そのビビりドワーフじゃが、今回より名前を付けた。その名もバーリン、の子のビーリンじゃ」

ホリー「バーリンと言えば、かの有名なトーリン・オーケンシールドの仲間の一人で、モリアの領主じゃないですか」

GM「そのまま使うのはトールキン殿に恐れ多いので、ビーリンとなった次第」

デル「だったら、その子はブーリンになるのかぁ?」

GM「それだと空飛ぶブタになりそうじゃが、まあいい。とにかく、お主たちは26日の昼にビーリンを2日間の期限付き約束で、人魚宮殿に預けた。しかし、今は28日の深夜過ぎ、未明じゃ。予定よりも半日遅くの帰還ということになる」

G太郎「すると、哀れビーリンは呼吸困難で溺れ死んだりしていないだろうか?」

デル「オラたちは期限までに間に合わなかったのかぁ? ああ、ビーリン、お前のことは忘れないぞぉ」

GM「そうやって、ビーリンのことを心配しながら、夜明け前にパランティーナと対面するのじゃな。しかし、その心配は杞憂でしかなかったようじゃ。ビーリンは賓客として扱われ、パランティーナと談笑していたりする」

ホリー「さすがに、人魚の女王には慈悲の心があったようだな。ホッとしたよ」

 

パランティーナ『ああ、烈火団の者たちよ。少し遅くなったようで、心配しましたよ。ご無事に帰還できて何よりです。預かったダークドワーフのビーリンですが、彼は魔動機術の天才だったようです。宿泊施設の呼吸装置の機能を効率アップして、1tbにMP1点で利用可能になるよう改造を施してくれました』

G太郎「何と。前は1tbにMP2点でござったが、倍の効率とはどんな改造を施したら?」

ビーリン『師匠仕込みの技でさあ。やり方は門外不出の秘伝だから、お教えできませんが、人魚宮殿の魔動装置なんて見る機会がなかったから、いい勉強になったもんです。まさに「苦難と逆境があっしに知恵を授けてくれた」と思いますね。グレンダール様はさすが発明の神ですなあ』

デル「そうかぁ。ただのビビりドワーフから一皮剥けたんだなぁ」

GM「なお、ビーリンは深層階出身のダークドワーフで、師匠の命で上層階に魔動機術の修行の旅に出てきたという設定が、今回から生えたのじゃ」

G太郎「深層階出身でござると? ならば、当然、深層階の情報も分かるのでは?」

GM「うむ、その話はまた後の記事で語るとしよう。ともかく、パランティーナはお主たちに、休息と朝の食事を勧めるぞ。呼吸装置の効率が上がったので、今回は無料で休ませてくれる。その上で、次のミッションの話がしたいとのことじゃ」

G太郎「無料で食事と休息がとれるなら、その提案に応じるでござる」

 

GM「では、29日めの朝。朝食の席で、次なるミッション『マーマンの宝を取り戻せ』の依頼が正式に行われる。要はギルマン王ブグプリと交渉して、〈人魚姫の髪飾り〉を返して欲しいという話じゃ。元はと言えば、のこのこと魚人の集落に乗り込んで、無策に仲良くしようと言ったら捕まったバカ公子のオランビリアスを助けるために、部族の宝を渡したものの、やはり何とか回収しなければ、という考えに至ったらしい」

ホリー「人魚の女王が直接、バカ公子と言ったのですか?」

GM「いや、パランティーナは直接はっきり言ったわけではないが、『兄は気のいい性格で、善意で行動しているのは間違いないのですが、世の中には悪意の輩も存在していることが分からないようで、考えなしに思いつきの行動を気まぐれにとりがちで、しばしば空回りしていて……』と、身内をフォローしようとしてフォローしきれていないような言い回しになっている次第」

デル「要は、純粋無垢で世間知らずの子どものような王子さまってことかぁ?」

G太郎「しっかり者で苦労性の妹女王と、自分の立場を弁えずに迂闊に動く兄公子ということでござるか。それこそ、烈火団に入れて鍛えてやる方がいいのでは?」

GM「『機会があれば、それもお願いすることがあるやもしれません』とパランティーナは苦笑を浮かべつつ、『でも今は〈人魚姫の髪飾り〉の奪還が優先です。私たちの部族が出向くと、悪意ある魚人の者どもに捕まってしまう可能性が高いので、あなた方のような外部の方に交渉をお任せするしかないのですが、まずはブグプリと面会するのに〈ストロベリーオイスター〉を12個、地下水路で調達する必要がありますね。あるいは、リザードマンの部族から購入するという方法もありますが、手段はお任せします』」

G太郎「水路の探索には、〈魔動カヌー〉があれば便利だそうでござるな。提供してはもらえぬか」

GM「良かろう。ただし、水妃ポイント3点と引き換えになるのじゃが」

G太郎「探索を効率的に進めるには、必要な経費でござるよ。現在、水妃ポイントは5点あるので、残り2点になった」

GM「このミッションを果たせば、5点進呈しよう」

ホリー「ミストグレイヴからの脱出ルートは、水妃ポイント25点が必要みたいですね」

G太郎「ところで、ドラゴンの秘薬の材料についても質問したい。〈虹色の宝石〉は地下水路で集められると聞いたが、〈乳白色のソーダ水〉については聞き覚えがござらんか?」

GM「パランティーナは知らないと言う。もしも知っている者がいるとしたら、上層階なら【物乞い市場】の商人たちが、地下水路ならリザードマンたちが詳しいだろう、と。それで分からないなら、深層階で見つかるのではないか、とアドバイスしてくれる」

G太郎「ならば、ブグプリとの交渉ミッションは正式に受け賜ったでござる」

 

GM「では、29日の昼、お主たちはビーリンを連れて人魚宮殿を出発、ミッションの達成報告のために、ヴァラルトのところへ向かうのじゃが、その途中で事件発生じゃ。8レベル蛮族の仮面魔術師フェイスレスと、7レベル蛮族のサソリ人間シザースコーピオンがお主たちに因縁をつけてくる。許して欲しければ、250G分のアイテムをよこせ、とのことじゃ」

G太郎「う〜む、面倒くさいでござるなあ。相手が1体なら瞬殺できようものを、遠距離攻撃を持った敵が2体なら下手をすると、ビーリンが狙われて殺されてしまうやもしれぬ。250G程度なら支払う方が時間のロスにもなるまい」

デル「今回は足手まといを連れているから、登場する魔物が増えているんだなぁ」

G太郎「金を払って避けられる戦闘なら、無理に危険を冒さないのも知恵でござるよ。250G払って、『これで美味い酒でも飲まれよ』と愛想よく笑顔を見せる」

GM「『何だ。その筋肉は見掛け倒しかよ』と蛮族たちは嘲り笑いながら立ち去って行った」

ホリー「G太郎、悔しくないのか!」

G太郎「しょせんはランダムエンカウント。大した収入にはならないでござるよ」

デル「敵に背中を向けたんじゃなくて、あくまで戦いを回避しただけさぁ。ビーリンさんを万が一にも、怪我させないためにもなぁ」

ホリー「次に会ったら、蛮族殺す、と腹の中で憤りを感じながら、今回は我慢していよう」

 

GM「ランダムイベントを切り抜けた後で、とうとうお主たちはヴァラルトのところに帰って来た。ミッション達成報告して、★2個進呈じゃ」

G太郎「ようやく、今回の深層階への遠征も終わりでござるな。ずいぶんと長いミッションでござった」

GM「深層階は移動距離が長かったからのう。報酬は、ランダム宝物決定表の3枠めを1人1つずつ振るがいい」

G太郎「ひらめき眼鏡が出たでござるよ」

デル「赤銅勇士勲章だぁ」

ホリー「ガストボールのクイーン版だ。こいつは1万ガメルの価値のある値打ち品だよ」

GM「ガストクイーンは、レベル10魔法生物じゃ。強力なモンスターを召喚できる代物じゃよ」

ホリー「いざという時の切り札として、持っておくと良さそうだな」

G太郎「ひらめき眼鏡は必要なさそうなので、2000ガメルで売ってしまった方が良さそうでござるな」

GM「さて、ヴァラルトはエーリカ・ベレの幽霊が解放された話を聞いて、こう呟くように頼むのじゃ。『ぼくを【流血回廊】に連れて行ってくれないか? 彼女の亡くなった場所で思い出を偲びたいんだ』 新たなミッション『エーリカの思い出を求めて』(6レベル以上推奨)がこうして受注可能になった」

G太郎「そのミッション、今すぐは受注できぬでござる。苦労して深層階へ行って帰って来たばかりなので、少し時を置かせて欲しい。それに、新たなミッションもすでに引き受けた後でござるからな」

GM「それでは、今回のミッションはここまでじゃ。他には、ヴァラルトの蔵書の閲覧許可をもらったので、そこから得られる情報もあるのじゃが、それも次回の記事に回すとしよう」

●ここまでの冒険成果

 

日数経過:29日めの夕方(ヴァラルトの元から本部に帰還)

 

経験点:ダークドワーフをオーガから助ける★1個

    竜のエサユハの信頼を得る★1個

    エーリカのゴーストを解放する★1個

    【流血回廊】から脱出する★1個

    ヴァラルトにエーリカの件を報告する★2個

    (合計★6個)

    魔物撃退分530点

    ピンゾロ分(なし)

収支結果:戦利品(9250G分)、赤銅勇士勲章

     剣のかけら8個、ガストクイーンボール

     魔動カヌー入手

     琥珀のマギスフィアは1個減

     食料消費(2食ずつ、ホリーは4食)

ミッション:エーリカ・ベレの生死を確認せよ

       →達成

      マーマンの宝を取り戻せ

      ドラゴンの秘薬の材料集め

エスト:ジーズドルフ解放軍の同志を集める

     (現在14人)

     深層階で【月の図書館】を探す

     地下世界から外への脱出方法を探す

     魔窟50階を踏破(店舗経営の許可)

     驕王ポイント31点を目指す(現在10点)

     人魚奴隷の救出

     虹色の宝石の確保

     (現在水妃ポイント2点)

 

情報

・煌びやか卿アー・ヌルチェと商業同盟を樹立

・〈銀の蜜蜂〉からティアハートの花ミッションを受注できる。

・防空施設の魔力供給源【翡翠のピラミッド】に入るには、〈翠緑のマギスフィア〉が必要。

 ・〈破剣の星槌〉らしき略奪品は深層階のダークドワーフに渡った。

・【地底湖の畔】のマーマンは、水妃ポイント25点で地上への抜け道を教えてくれる。

・地下水路のリザードマンの集落の位置情報。

・ギルマン王ブグプリとの面会には、地下水路で手に入る〈ストロベリーオイスター〉が12個必要。リザードマンからの購入も可。

・〈ギルマン王の冠のかけらI〉入手。

・【コボルド窟】のオードル・プルは地上に伝手がある。

・【戦神の凱旋門】の魔窟総監ギルギダッシュと知り合い、魔窟ミッションを攻略中。

・四祖の1人シェラシースは魔剣である。

・地下水路から地上への脱出には、〈銀水晶のサークレット〉が必要。

・漆黒のマギスフィアは、深層階の黒い球体に入る鍵。別に合言葉が必要。

・竜のエサユハと知り合い、竜姫ナーデージュ救出の活動を行う。

【歯車の迷宮】には地下水路の明かりの仕掛けあり。

【王女の鍾乳洞】では魅了の瞳に注意。

 

密偵の知り合い

・アム・ヤーセン(ドワーフ娘→ラミア)

 キーワード「月の図書館」「隠者ヴァラルト」「黒炎の工房」「巨大格納庫」「漆黒のスフィア」

イゴール・ぺステリ(エルフ男→トロール

 キーワード「ユリア・ミルドリス」「ノイア・カーナ」「白銀勲章」→「エーリカ・ベレ」と「琥珀のマギスフィア」達成

・ニコ・シュナウヘア(ナイトメア→オーガ)

 キーワード「防空施設」「シェラシース」「ヤーハッカゼッシュ」「地底に眠るもの」

・オスカル・バロー(シャドウ→バジリスク

 キーワード「白銀以上の勲章コレクター」

・シル・メリル(人間女→バルカン)

 キーワード「レジスタンスを探す裏切り者」

 

冒険達成度:合計14%

(当記事 完)