深層階への出発
GM(ヒノキ)「時は38日めの夕刻。【コボルド窟】で成長の儀を果たした烈火団は、新たなミッション『深層階の【黒炎の工房】への宅配仕事』を引き受けた。なお、上層階の青色ルートは普通に使える。【地底湖の畔】の人魚宮殿まではランダムイベントが発生せずに行き着ける」
●ミストグレイヴ上層階の地図
(青字は拠点および宿泊可能地点。
青いラインは安全ルート)
死者の道ーミノタウロスl の門→深層
l l 階蛇の酒蔵ー凱旋門ー岩棚のーゴミ溜め窟ー炎河橋
(梯子) (魔窟) 城塞 l l
l l l l 腕試しの
コボルド窟ー無限ー隠者のー地底湖の畔ー通路→深金床 迷路 (人魚宮殿) 層
l l l 階
大水車ー烈火団ー煌びやかな
l 本部 大通路
l l l
物乞い市場ー 騎獣ー水没通路
(蜜蜂) 調教所 (梯子)
l l
肉の穴ー処刑遊戯場
(解放軍)
G太郎(ゲンブ)「ならば、まずは【無限の金床】に寄るでござる」
GM「顔見知りのロベルクはいない。どうやら、魔窟コンビニの鍛治炉設置のために、北へ出向いているとのこと。それを伝えてくれたロベルクの弟子のノパが『深層階への配達任務ご苦労様です。いつもなら、こっちの仕事なんですが、今回は人手が足りなくて』と頭を下げる」
ホリー(シロ)「その名前は、もしかして新星さまですか?」
GM「いや、新兄さんはNOVAで、北の勇者はノヴァ。ロベルクの弟子のノパは似て非なる別人じゃ」
ホリー「紛らわしい……」
G太郎「とにかく、鍛治弟子のノパ殿には、紳士らしく礼を尽くそう。なあに、【黒炎の工房】にはこちらも用事があったでござるからな。事はついで。私の好きな言葉でござる」
ホリー「そっちはそっちで、風化しやすい時事ネタを」
G太郎「それでも、まあ、鎌倉殿が終了するまでは、役者的に使えそうなネタでござるよ」
GM「メフィラスネタはともかく、ノパ君曰く、烈火団が深層階から戻って来る頃には、魔窟鍛治炉も完成しているだろう、とのこと」
デル(リトル)「すると、深層階配達ミッションの次は、黄金鎧ミッションを完結すればいいのかぁ」
GM「うむ。黄金鎧の件が解決した頃合いで、第5部を完結させようと思う。言わば、第5部は魔窟コンビニのためのエピソード群と言えようか」
ホリー「蛮族の地下都市初のコンビニか。まるで日本初の株式会社である亀山社中(1865)を創った坂本龍馬みたいな気分だな」
G太郎「亀山社中は海運業でござるな。後の海援隊に発展するも、龍馬暗殺によって解散させられることになり、残務整理に当たった岩崎弥太郎が三菱商会に飛躍する礎になったとのこと。ただし、亀山社中は正式な規約に基づいた会社ではなく、あくまで元型0号に過ぎず、正式な和製株式会社1号となると『小栗上野介の兵庫商社』(1867)という意見もある」
GM「小栗殿は、去年の大河でも渋沢栄一の訪欧を支援した傑物として、重要な役割を果たした御仁じゃのう。まあ、当リプレイの舞台が幕末維新期か鎌倉時代のどちらに通じるかは知れぬが、使えるネタは思いつきで何でも拾うことにするつもりじゃ」
魔動機オタクの少女を連れて
GM「夜を過ぎて、深夜となった。烈火団はシロイヌ宅配便の荷車を連れて、【隠者の迷路】にて一夜を過ごそうとしている。ここでラミア姿のドワーフ娘アム・ヤーセンと合流するので良いのじゃな」
G太郎「彼女を連れて、【黒炎の工房】の他、【巨大格納庫】と【月の図書館】も回れば★と情報がもらえるのでござる」
GM「情報を整理すると、【黒炎の工房】はダークドワーフの長、ツルクフ・パドゥーリンが管理する場所で、〈破剣の星槌〉もそこにあるのではないかと言われている。【巨大格納庫】は魔動博士ゲリ・ブレキが管理する場所で、発掘兵器ドラゴンフォートレスが存在するらしい。
「ビーリン曰く、『ゲリ元師匠は、ドラゴンフォートレスを起動させて、外に出撃させるための方法を探し求めているのです』と説明してくれる。ビーリンがゲリと袂を分かつ際にも、『ドラゴンフォートレスの手掛かりが見つかれば、いつでも戻って来い。今のお前は未熟ゆえ、他で修行すれば、わしの考えの正しさも理解するであろう。可愛い有能な弟子には旅をさせよじゃよ。ヒョヘヘヘ』とのこと」
ホリー「ビーリンさん、元師匠の笑い声まで再現しなくていいから」
デル「その笑い声だけで、どこか逝っちゃってる人だって分かるなぁ」
G太郎「あと、【月の図書館】にはヴァラルト殿を連れて行かなければいけないのでござるな」
GM「今回はヴァラルトは付いて行かん。まずは、弟子2号予定のアムに様子見させて、報告用のレポートを書いてもらう。それが弟子入りするための条件というか、試験ということらしい」
ホリー「弟子入りにも試験があるのか」
GM「ビーリンは実際に手に職をつけた技術者であることが、すぐに証明された。しかし、アムの方はただのオタクというか、技術関連に好奇心旺盛なだけで職人や研究者としては素人に近い。ならば、せめて観察眼とかを見極めたいとのこと」
デル「経験ある技術者と、好きだけど素人の違いかぁ」
GM「プラモデルファンで言えば、自分でもキットを組み立てて改造まで施している職人レベルと、模型雑誌は読むけど他人の作品を鑑賞しているだけで自分では作ったことがないオタクの差となるのう」
ホリー「料理で言えば、実際に作ってる料理人と、食べるだけのグルメの差ってことだね」
GM「食べるだけの人間でも食通として、美味しいかどうかは語れるし、評論家にもなれるが、自分で料理を工夫して作る料理人の知恵と工夫、アイデアを評価できるレベルに達するのは稀じゃ。ヴァラルトの弟子として受け入れられるには、やはり好きなだけの素人とは異なる才覚を示さないとなあ。アムの場合、知識偏重な面が強くて、実務が浅はかというのがヴァラルトの弁。ならば、知識の裏付けとなる観察眼が伴えば、育てようもあると考えた次第」
G太郎「観察眼でござるか。確かに、物を見る目というのは職人だけでなく、評論家にとっても大切でござるなあ」
GM「客観的な観察眼がなくても、他人の話の受け売りや主観の思い込みで評論は可能なのじゃが、あまりに偏った私見や事実誤認が過ぎると、それは評論ではなく、私的な創作、感想文でしかない。実物を見ずに、他人の感想から自分の主観を組み立てることも浅いオタクはやりがちじゃが、見方が極端に狭いと失笑を買うだけじゃ。まあ、アムの場合は瑞々しい知的好奇心が武器なので、それをレポートにまとめる経験を積ませて、可能ならば客観的視点というものを身に付けさせればいい、とヴァラルトは判断したのじゃ」
デル「客観的視点ですかぁ?」
GM「面白いものを面白いというのも主観ならば、つまらないというのも主観。作品感想はそれだけでも気の合う者同士なら、十分通じ合う。雑談的なオタ話なら、それでも問題ない。そこに『ここがマニア視点的に面白い。素人には分かりにくい部分だけど』とか『パゴスとネロンガとガボラの類似性には、そういう秘密が!』とか『シン・ゴジラを改造して、シン・ゴメスかあ』とか、いろいろなネタで通じ合える関係がオタク同士のキャッチボールじゃが、元ネタと裏設定を知らない非特撮オタクには分かりにくい話じゃのう」
ホリー「何だか、シン・ウルトラ脳が蔓延しているなあ」
GM「話題作じゃからのう。しかし、オタ話以上の評論にまで言説を高めるには、オタ視点以外の世間一般的な目線を意識しなければならぬ。それが客観視点というもの。知識の伝道師たるには、マニア目線と素人目線を程よく行き来できる柔軟性が必要となる。とにかく、ヴァラルトは自身が典型的な頭でっかちの引きこもり研究者じゃから、まだ若いアムには柔軟かつ行動的であって欲しいのじゃよ。引きこもり気質の連中が固まっても、世界は広がらん。広がらない世界にはアイデアも湧き上がらん。いろいろな価値観に接する機会は、若いうちに大切にして、幅を持たせよ。年をとって完全に考え方が凝り固まってしまえば、成長もできんゆえに」
デル「何だかんだ言いつつ、ヴァラルトはアムさんを弟子として受け止める気が満々っぽいなぁ」
GM「アムが外の世界をいっぱい観察して、その情報を客観的に持ち帰ってくれれば、自分の研究考察にも役立つ。逆に、アムが客観的な観察眼を持たないダメオタクだと分かれば、研究の邪魔にしかならないので、弟子失格という考えじゃよ」
G太郎「では、そういうヴァラルト殿の思惑も考慮に入れながら、アム嬢をしっかり引率するとしよう」
GM「深夜なので、ヴァラルトのところで寝泊まりして、翌朝出発するということで」
人魚宮殿のその先へ
GM「それでは、39日めの朝、【地底湖の畔】に到着した」
G太郎「人魚の女王に挨拶を申し上げたいところだが、荷車を水中にまで引き連れていくわけにはいかないので、私一人だけ簡単に宮殿に寄って参るでござる。入手した〈虹色の宝石〉6個だけを納めに伺うってことで」
GM「パランティーナは烈火団の忙しさを理解してくれ、面談は短く終わった。深層階への旅の無事を祈りつつ、また戻って来たら引き受けて欲しいミッションがある、とのことじゃ」
G太郎「それは第6部になりそうでござるな。時が来れば、またいずれ。今は、これにて御免、といとまを告げる」
GM「では、パランティーナに6つの宝石を渡したことで、★2つと水妃ポイント2点を進呈じゃ」
ホリー「アリナ様」
GM「何じゃ、シロ?」
ホリー「何だかなし崩しに夜から朝になってしまいましたが、昨夜のうちにトリッキーを製作しておいてよろしいでしょうか?」
GM「おお、ゴーレムのストローバードじゃな。前回の成長で作れるようになったという。まあ、よかろう。では、今後とも宣言がなければ、夜寝る前にゴーレム作りをしておくのをデフォルトとしよう」
G太郎「デフォルト……コンピューター用語で初期状態、通常セッティングという意味でござるな。経済用語では債務不履行の意味で、借金が返せない状態を指すようでござるが」
GM「当然、ここでのデフォルトは通常運用の意味であって、経済は関係ない。ともあれ、G太郎はパランティーナとの略式対面を終えて、宮殿から陸地に帰還した。その間に、ホリーとデル、アムとシロイヌは湖の畔で交流を深めていたとしよう」
デル「だったら、交流を深めるために質問するさぁ。アムさんはどうして、ミストグレイヴに来たんだぁ?」
GM「それは、コボルドのいる場で話題にしていい話ではないと思うが」
デル「おっと、いけねぇ。外の世界の密偵であることは、口を滑らしちゃダメだったぁ」
ホリー「例え人族に友好的なコボルドであっても、蛮族は蛮族だからなあ」
GM「まあ、コボルドは蛮族社会でも軽視されている割に、料理や家事労働を任されたりして、『家政婦は見た』的な組織の裏事情を意外と知ってはいる情報通らしいがのう」
ホリー「ボクたちが外の世界から来た密偵であることを知っているのは、今のところジーズドルフ解放軍と、銀の蜜蜂、それからヴァラルトと、深層階のドラゴン、エサユハだけだったかな」
GM「後は同じ密偵のアムたちもいるのう。コボルドのオードル・プルや煌びやか卿は、G太郎が地上から来たことは知っておるが、お主たちの正体が人族だとまでは知っておらん。どちらかと言えば、G太郎の方が目立つので、お主たちは外の世界の変わり者のドレイクと女バルカンだとしか思われておらんわけじゃ」
デル「だったら、アムさんはミストグレイヴで何がしたいんだぁ、技師としてって聞くぞぉ」
アム『個人的に興味があるのは、〈破剣の星槌〉ってハンマーであります。魔力を秘めたハンマーで、鍛治に使うと凄い武器を生み出せそうでありませんかあ。他にも、凄いものづくり技術に関することは何でも学びたいですねえ。ミストグレイヴは魔動機時代の遺跡みたいなものだから、昔の人の技術がいろいろ見る機会があって最高でありますとも』
ホリー「〈破剣の星槌〉ってことは、フェンディル王国の密偵らしいな」
デル「シロ姉さん、フェンディル王国ってどういう国ですかぁ? プレイヤーとして気になりますぅ」
ホリー「確か、双子姫と言われる王女たちが統治しているはず」
GM「うむ。ミストキャッスルの南にあるのがカシュカーンの街で、ダーレスブルグ公国に所属している。その南にあるのがルキスラ帝国で、ルキスラの西に位置するのがフェンディル王国。当シナリオに登場する人族の国は、ダーレスブルグ、ルキスラ、フェンディルを押さえておけば十分じゃが、蛮族との戦いの最前線であるダーレスブルグや、ザルツ地方最大の国家ルキスラに比べると、フェンディルは地味に思えるのう」
G太郎「一応、ザルツ地方最古の歴史を誇る国で、発祥は古代の魔法王フェンディルが築いたのだとか」
GM「花の王国の異名を持ち、伝統と格式を誇る魔法と芸術の盛んな国ではある。ただ、最近、国王のソーラスが41歳の若さで亡くなり、双子姫の姉コークルが10代の若さで女王になることを求められたものの、彼女は妹姫のラフェンサと共同即位したいと主張して、周囲の貴族が反対したために即位が延期状態。国王不在のまま、双子姫の政治手腕と国民人気の高さで統治が維持できているわけで、目下は内政重視の穏やかな国として現状維持を続けているとのことじゃ」
ホリー「つまり、比較的安定した国だから、派手な物語の舞台にはなりにくい、と」
GM「冒険の舞台となる森や遺跡はいろいろあるので、派手さはないが、落ち着いて華やかで安定した冒険スローライフを満喫するには良き国と思われ。さらに魔法や魔動機術関連のアカデミックな研究も盛んで、気品ある文化大国と言ってもいい」
G太郎「軍事国家のダーレスブルグや、覇権国家を目指す若き皇帝が統治する帝国ルキスラとは明らかに方向性が違うでござるな」
GM「花の王国なのじゃから、花粉症ガールとしてはもっとプッシュすべきだったのじゃろうが、ミストキャッスルやミストグレイヴが舞台では、これまで話題に挙げる機会もなく、公式リプレイでも初期の『拳と魔封』で扱われたぐらいじゃないかのう」
G太郎「外の世界の話はともかく、次に進もうでござる。昼は【ゴミ溜め窟】へ向かった」
GM「どうして、【腕試しの通路】に来んのじゃ」
G太郎「そちらは余計なバトルが発生しやすいゆえ」
GM「ならば、ランダムイベントダイスを振るのじゃ」
G太郎「2」
G太郎「ちょうどいいところへ。このまま、【ミノタウロスの門】へ運んでもらおう」
GM「アムの分も合わせて、400ガメルを払え」
ホリー「シロイヌ宅配便の分は?」
GM「彼らは自分たちの交通費を自分で払うという教育が行き届いておる」
デル「アムさんは、そういう教育をされていないのかぁ」
アム『タクシー代、助かるであります』
G太郎「まあ、【炎河橋】で通行料を払うはずのところをショートカットできたのだから、多少の出費は想定内でござるよ」
そして深層階ふたたび
●ミストグレイヴ深層階の地図
(青字は拠点および宿泊可能地点。
緑字は新規に記入)
瑠璃宮ー?ー?
l l l
? ー?ー?ーー流血回廊ー月の図書館
l l l l
黒炎の工房ー蒸気の谷ー赤瀑布ー巨大格納庫ー?
上層階 ←の門 ピラミッド
GM「39日めの昼、ケンタウロス・タクシーは猛スピードで烈火団一行を【ゴミ溜め窟】から【ミノタウロスの門】まで荷車ごと送ってくれた」
G太郎「ゲーム的処理とは言え、荷物の鉱石を積んだ荷車まで乗せて行ってくれたケンタウロスには感謝でござる」
GM「そして、深層階に降り着いた烈火団とシロイヌ宅配便じゃが、39日めの夕方は、どこへ向かう?」
G太郎「ここは東隣の【翡翠のピラミッド】でござるよ」
GM「ランダムイベントを決めてもらおうか」
ホリー「ならば、次はボクが。1。平和な出目だ」
GM「何の事件もなく、お主たちは【翡翠のピラミッド】に到着した。以前にここに来たときは持っていなかった〈翠緑のマギスフィア〉が、今回は入手済みなので、淡く輝き始める」
デル「おお、緑色に光るんだなぁ」
GM「光がピラミッドに注がれ、扉らしきものが表面に浮かび上がる。そして、機械的な声が合言葉を求めてくる」
G太郎「前に唱えたセバスチャンの合言葉を使うでござるよ」
GM「三祖への感謝とジーズドルフの繁栄を祈った合言葉を口にすると、扉が開き、内部に続く通路が現れる」
G太郎「中に何が待っているか分からん。まずは私が入って……」
GM「すると、アムが自分も入りたいと主張するのじゃ。こんな面白そうな機械装置の独り占めは許さないでありますよ、とか言って」
G太郎「NPCが出しゃばるでござるか」
GM「ヴァラルト師匠の命で、いろいろレポートを書かないといけないですから……と、アムは力説する。そして無理やり付いてきたアムといっしょに通路を進むと、球形の空間に到着したのじゃ。そこはマギスフィアを持たない限り、浮遊状態になって自由に行動できなくなる。手をつなぐことで、あと一人分だけが自分の意思で体を動かせる」
G太郎「つまり、ここに入れるのは2人だけでござるか。1人は私で……」
ホリー「ボクは外に出て、荷車の護衛に付いていよう」
デル「オラもそうするさぁ。アムさんに譲ってやろぉ」
GM「それを聞いて、アムは感謝を表明するのじゃが、それも束の間、機械音声が『これ以上のシステムアクセスは〈銀水晶のマギスフィア〉が必要です。〈銀水晶のマギスフィア〉を持参して、再度のアクセスを試みて下さい』と魔動機文明語で拒絶メッセージが流れる。まあ、ピラミッド内部に入ったことで★1つは進呈しよう」
G太郎「次は〈銀水晶のマギスフィア〉探しでござるか。セキュリティが厳重でござるな」
GM「防空施設の管理システムじゃからな。そう簡単に操作されるわけにいかないのじゃろうて」
G太郎「〈銀水晶のマギスフィア〉はどこで手に入るでござろうか」
GM「それは……って、ここで教えられるわけがなかろう」
G太郎「GMがうっかり口を滑らせることを期待してみたでござるが」
GM「その手には乗らん。しかし、アムがこう言う。『〈銀水晶のマギスフィア〉も気になりますが、自分が気になるのは【漆黒のスフィア】であります。どこにあるんでしょうね』」
G太郎「〈漆黒のマギスフィア〉ならば、入手済みでござるよ」
アム『それは【漆黒のスフィア】で使えそうなアイテムですね。自分が聞いた情報ですと、この深層階には【漆黒のスフィア】と呼ばれる装置があって、王家に関わる場所だとか』
G太郎「それは……スエラやシェラシースのことなんかも分かるかも知れん。今度、エサユハ殿に聞いてみるとするか」
GM「それでは、39日めの夜になる」
G太郎「【赤い瀑布】に向かい、エサユハ殿に泊めてもらうでござる」
ホリー「シロイヌ宅配便として、いろいろ注文された品物も届けに上がらないとな。ええと、〈ストーンメルト〉〈ティアハートの蜜〉〈虹色の宝石〉までは見つけたので、この機会に納めたらいいんだよな」
G太郎「もちろん、そのつもりでござる」
デル「後は、〈乳白色のソーダ水〉だけだなぁ。この深層階のどこかにあるというらしいさぁ」
ランダムイベントは、デルが1を振って発生せず。
なぜか平穏な道中である。
そして一行はドラゴンのエサユハのいる【赤い瀑布】に到着した。
G太郎「エサユハ殿から仕事を承ったのは27日めのことだったから、ここまで10日から2週間ほど掛かったでござる」
GM「実時間で4ヶ月ぶりじゃのう。その間にドラクエも36周年を迎えた」
ホリー「去年の35周年に比べて、今年は重要情報もあまり発表されませんでしたね」
GM「1年前に発表されて、まだ出ていないゲームがいっぱいじゃからのう。とりあえず、2月発売と言われた『Xオフライン』が夏に延期になって、新兄さんもがっかりしていたようじゃし」
GM「せめて発売日ぐらいは確定して来るかと思ったが、まあいい。それよりも今はエサユハじゃ。お主たちは【赤い瀑布】に到達して、荷車ごとエサユハに連れられ、スエラの館で歓待を受けている。エサユハに初遭遇したアムとコボルドたちの驚き仰天する場面も想像してもらった上で、烈火団が約束どおりに、注文したアイテムのほとんどを運んでくれたことに彼はご満悦のようじゃ」
デル「幸せを運ぶ商売だからなぁ」
G太郎「前にここに来たときはドンブラも放送前だったので、『幸せを運ぶ宅配便』なるフレーズは使っていなかったでござるが、結果的に上手くつながったと言えようか」
GM「ともあれ、本日のプレイはここまでじゃ。エサユハとの細かいやり取りは次回に回すとしよう」
●ここまでの冒険成果
日数経過:39日めの夜(赤い瀑布)
経験点:人魚宮殿に宝石6個を納めた★2個
翡翠のピラミッドの内部に入った★1個
(合計★3個)
魔物撃退分なし
ピンゾロ分なし
収支結果:タクシー代400G分消費
ミッション:深層階への荷物配達
ドラゴンの秘薬の材料集め
(現在19人)
【月の図書館】の書物を読む方法を探る
地下世界から誰かを外に脱出させる
魔窟50階を踏破(店舗経営の許可)
驕王ポイント31点を目指す(現在22点)
人魚奴隷の救出
虹色の宝石の確保
(現在水妃ポイント6点)
情報
・煌びやか卿アー・ヌルチェと商業同盟を樹立。
・防空施設の魔力供給源【翡翠のピラミッド】の装置を操作するには、〈銀水晶のマギスフィア〉が必要。
・〈破剣の星槌〉らしき略奪品は深層階のダークドワーフに渡った。
・【地底湖の畔】のマーマンは、水妃ポイント残り20点で地上への抜け道を教えてくれる。
・【コボルド窟】のオードル・プルは地上に伝手がある。
・【戦神の凱旋門】の魔窟総監ギルギダッシュと知り合い、魔窟ミッションを攻略中。
・四祖の1人シェラシースは魔剣である。
・地下水路から地上への脱出には、〈銀水晶のサークレット〉が必要。北東の隠し扉を開けられる。
・漆黒のマギスフィアは、深層階の黒い球体に入る鍵。別に合言葉が必要。
・竜のエサユハと知り合い、竜姫ナーデージュ救出の活動を行う。
・【歯車の迷宮】には地下水路の明かりの仕掛けあり。
・【王女の鍾乳洞】では魅了の瞳に注意。
・深層階のダークドワーフ情報いろいろ。
・【月の図書館】の伝承詩。
・ユリア・ミルドリスは深層階の【瑠璃宮】に向かった。
・翠将の親衛隊になるには〈黄金近衛勲章〉を入手して、試練を受けねばならない。
・暗闇を見通す〈セランシェの灯火〉は【妖精庭園】に。
・〈乳白色のソーダ水〉は深層階にある。温泉か鍾乳洞と推測されている。
密偵の知り合い
・アム・ヤーセン(ドワーフ娘→ラミア)
キーワード「月の図書館」「黒炎の工房」「巨大格納庫」「漆黒のスフィア」
キーワード「ユリア・ミルドリス」「ノイア・カーナ」「白銀勲章」
・ニコ・シュナウヘア(ナイトメア→オーガ)
キーワード「防空施設」「シェラシース」「ヤーハッカゼッシュ」「地底に眠るもの」
・オスカル・バロー(シャドウ→バジリスク)
キーワード「白銀以上の勲章コレクター」
・シル・メリル(人間女→バルカン)
キーワード「レジスタンスを探す敵」
冒険達成度:合計21%
(当記事 完)