花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、ソード・ワールドのミストグレイヴ妄想リプレイ「魔神ハンター」を終了に向けつつ寄り道迷走気味。

ウォーハンマー・キャラメイク(初版)

花粉症ガール来臨

 

POPOPON!

 

翔花「こんにちは〜」

晶華「ここに来るのもお久しぶりね」

NOVA「そんなわけで、娘2人と遊びに来た」

ヒノキ「どういうわけじゃ?」

NOVA「この記事を読めば、分かります」

ヒノキ「リモートではなく、直接遊びに来るなら、先にこっちの都合を確認するのが礼儀じゃろうが!?」

NOVA「いや、まあ、思い立ったが吉日と言うじゃないですか」

ヒノキ「九州は今、地震で大変じゃ」

NOVA「え? そうなんですか?」

ヒノキ「まあ、震源は宮崎じゃから、阿蘇は微震程度じゃがのう。宮崎は震度5弱と聞いておる」

NOVA「先日(4月3日)に台湾沖で揺れたニュースが出てましたが、今度は九州とは」

翔花「やっぱり原因は『混沌の渦』のようね」

NOVA「何でだよ?」

晶華「気づいていないの? 魔法使いが魔法を使うために因果律を操作しようとして《混沌の渦》に接触を重ねると、現実がだんだん不安定になる……ってことがルールブックの169ページに書いてあるわ。これ以上、『混沌の渦』に触れることは危険よ」

NOVA「つまり、時空魔術師にして言霊魔術師の俺が『混沌の渦』のゲームの話をしたら、現実が不安定になって、台湾沖や九州で地震が起こったって言うのか?」

ヒノキ「何と! 諸悪の根源は新兄さんだと言うのか?」

NOVA「言いません。ヒノキ姐さんまで、娘の妄言を真に受けないでください!」

ヒノキ「しかし、お前さんは未来の妄魔時王の疑いが残っておるからのう」

NOVA「その設定、まだ残っていたんですか? とにかく、『混沌の渦』の話をしたら危険なんだったら、もうそのネタは終わりです。今回は『ウォーハンマー』のキャラ作りなんですから」

晶華「そうそう。しっかり勉強して来たんだから、NOVAちゃんのアシスタントガール1号として、先鋒を務めさせてもらうわ。私の相手は誰?」

ジュニア「リウですぅ」

晶華「ああ。最近、リトル君からジュニア君に改名したそうね。翔花2号から太陽サンサンの晶華に改名した、改名先輩の私がウォーハンマー初版でお相手してあげるわ」

ジュニア「アッキーさん、よろしくお願いしますぅ」

シロ「すると、ボクの相手は……」

翔花「よろしくね、シロちゃん」

シロ「喜んで。そうかあ、久々のブログ交流ネタということですね」

NOVA「去年の今ごろはアルシャードだったが、今年は何だかこういうネタになってしまったってことだ」

ゲンブ「なるほど。去年は、我ら三獣士はクロスオーバー企画では蚊帳の外であったが、今年は我らにスポットを当ててのキャラ作り。相変わらず、見事な策でござるな」

NOVA「いや、別に意図したわけじゃないが、春先の花粉脳から勝手にPONと湧いて出たネタだ。まあ、俺もウォーハンマー4版でキャラ作りをするのは、今回が初めてなんだ。よろしくな、ゲンさん」

ゲンブ「うむ、我もマッスル太郎以来のキャラ作りでござる。世紀末に少し齧ったウォーハンマーが令和の時代にどう進化したのか、楽しみにするとしよう」

 

ヒノキ「で、わらわは何をしたらいい?」

NOVA「対戦は、ジュニア君VS晶華、シロ君VS翔花、ゲンさんVS俺の3本勝負。それぞれの版で、キャラ作りを競い合い、より面白いキャラが生まれた方の勝ちとします。で、ヒノキ姐さんは解説および審判役として、どっちのキャラが面白いか俺と相談のうえで、裁定をお願いします」

ヒノキ「どっちのキャラが強いかではなく、面白いかで競うんじゃな。しかし、面白さってものは主観によるじゃろう?」

NOVA「俺とヒノキ姐さんの意見が割れたときは、当の対戦相手以外も票に組み入れるってことで。こっちが3人で、コンパーニュが4人だから足して奇数。例えば、初戦で俺とヒノキ姐さんの意見がぶつかったときは、翔花、シロ君、ゲンさんの3人の票で決定するってことで」

ヒノキ「そうなると、コンパーニュの方が人数が多いから、有利になるじゃろう」

NOVA「まあ、それでもいいですよ。ここのホストはヒノキ姐さんだから、ホスト有利で構いません」

ヒノキ「しかし、なるべく公正な裁定が望まれているってことじゃな。良かろう、その勝負、受けて立とう」

NOVA「では、話がまとまったことで、俺は出番が来るまで、ヒノキ姐さんといっしょに解説役に回ることにします」

 

 こうして、春のウォーハンマー・キャラメイク対決が始まった。

 

初めてのウォーハンマー・キャラ作り

 

晶華「リト……じゃなくてジュニア君、う〜ん、言いにくいので略してジュン君でいい?」

ジュニア「ジュン君ですかぁ。いい愛称ですねぇ。分かりました、アッキーさん」

晶華「ジュン君はウォーハンマーが初めてだそうね。私も初めてだけど、ルールブックは読んできたから、いっしょにキャラメイクをしましょう」

ジュン「お願いしますぅ。まずは何から決めていくのですかぁ?」

晶華「とりあえず、種族からね。人間、エルフ、ドワーフ、ハーフリングの4つがあるんだけど、基本能力値(プロフィール)はこうなってるわ」

        人間  エル ドワ ハー

移動力      D3+2              D2+2

武器技術度   20   30  30  10

射撃技術度   20   20  10  20

筋力       1    1   1    0

強靭力      1    1   2    0

耐久力      4    3   5    3

反応度     20   50  10  40

攻撃回数      全ての種族が1回

器用度     20   30  10  30

統率度     20   30  40  10

知力度     20   40  20  20

冷静度     20   40  40  10

抵抗度     20   30  40  30

協調度     20   30  10  30

 

ジュン「感想が2点ばかりありますぅ」

晶華「どうぞ」

ジュン「能力値が14種類もあるなんて、多すぎですぅ。D&Dやソード・ワールドは6種類だけですよぉ」

晶華「そうよね〜。2版になると整理されて、%表記で表される主要プロフィール8種類と、1桁程度の数値で表される副次プロフィール8種類に分けられたらしいけど」

ジュン「整理されてるはずなのに、増えてるじゃないですかぁ。合計16種類ですよぉ」

晶華「大丈夫、私たちのは14種類だけだから。暗記する必要もないし、プレイに必要なデータはキャラシートを見れば載ってるし、支障はないはず。とりあえず、初版では◯◯度と訳されているのが%表記で、◯◯力と訳されているのが1桁表記みたいね。そして◯◯度はこの数値に+2D10、◯◯力は+D3することで、能力値を決定する流れよ」

ジュン「感想2点め。種族ごとの能力値の差がずいぶん大きいですねぇ。しかも、エルフが凄くて、耐久力以外、人間と比べて弱点がなさすぎますぅ。筋力や強靭力も人間と同じで、エルフは打たれ弱いので戦士には向かないというセオリーが、このゲームでは成り立ちません」

晶華「人間の長所は上記の能力値以外に、3つあるんだって」

ジュン「それは何ですかぁ?」

晶華「1つ。運命点が他の種族よりも多くなるみたい」

ジュン「運命点って?」

晶華「その点数を消費すると、致命傷を受けても死ななかったことにできるらしいの。エルフは運命点が1〜2点しかもらえないけど、人間は2〜4点もらえる。つまり、エルフは最大で2回死んだら終わりだけど、人間は最大で4回まで死んでも復活できるみたい」

ジュン「運命点は『命の数』みたいなものですかぁ」

晶華「2つめ。他の種族は、最初にもらえる種族のボーナス技能はある程度決まっているけど、人間は多様性があって、ランダムでいろいろもらえるらしいのよね」

ジュン「好きな技能を選べるのではなくて、ランダムでもらえる技能が多いってことですかぁ」

晶華「それだけ種族の多様性が豊かってことね。3つめは、背景世界のオールドワールドが基本的に人間の世界なので、人間のルールで世界が動いているってこと。ロールプレイでは、異種族ってやっぱり奇異の目で見られるってことね」

ジュン「異種族差別がまかり通っているのですかぁ?」

晶華「差別かどうかは分からないけど、普通の村や町では珍しいよそ者が来たって感じで、人間よりも打ち解けにくい雰囲気ね。その辺はGM次第だけど、異種族はよそよそしく扱われるって感じかしら。ただ、エルフやドワーフに比べて、ハーフリングは人間社会でも溶け込んでいるって話ね」

ジュン「でも、今回はキャラ作りだけだから、好きな種族を選んだらいいんですよねぇ」

 

NOVA「いいや、この表を使いたまえ」

 

・01〜90:人間

・91〜94:ハーフリング

・95〜98:ドワーフ

・99〜00:エルフ

 

晶華「突然、割り込んで来て、変な表を出さないでよ」

NOVA「変な表とは何だ。4版のルールにあるランダム種族決定表だぞ。大体、エンパイアの人口比はこういう感じになるらしい」

晶華「9割も人間だらけだったら、ゲームとして異種族ファンにアピールできないでしょ」

NOVA「だったら、異種族をプレイしたい人は10面ダイスで10の出目を出せばいいってことで」

晶華「却下よ。私は独自にルールを作る。今は私がGMってことで」

NOVA「どんなルールだよ?」

晶華「そうね。オールドワールドで、人間が多いのを反映して、でも冒険者の中には異種族の割合も高いってことで、次のような感じかしら」

 

・1〜3:人間

・4:エルフ

・5:ドワーフ

・6:ハーフリング

 

NOVA「晶華!」

晶華「な、何よ!?」

NOVA「自分の好みに合わせて、とっさにハウスルールを作る。それもGMに与えられた権限だ。お前はGMとして成長したってことを証明してみせた。俺が教えられることはもう何もない。後は好きにしろ。さらばだ」

晶華「……また困ったら、召喚するから。さあ、ジュン君、邪魔者は消えたので、種族を決めましょう」

ジュン「邪魔者呼ばわりは酷くありませんかぁ?」

晶華「邪魔だったのは事実だし、今のNOVAちゃんは邪悪な魔法使いムーブにハマってそうだから、邪魔あつかいされても大丈夫ッポイわ。それよりもD6を振ってちょうだい」

ジュン「(コロコロ)4ですぅ」

晶華「まさかのエルフを出すなんて。私が狙っていたのに。(コロコロ)4。おお、私もエルフ」

ジュン「エルフが2人だったら、多様性に反するですぅ。リウが振り直して(コロコロ)2。結局、人間ですねぇ」

晶華「気遣いありがとう。あなた、年下っぽいのに、しっかりしてるのね」

ジュン「リウは、リトルからジュニアに成長したですぅ。レッドソウルの力にも覚醒しましたしぃ」

晶華「そう言えば、そうなのよね。私はシルバーソウルの力を秘めているらしいけど、全然目覚める気配がないの。このキャラ作りで何かきっかけになるかしら」

 

ジュニアの人間キャラの能力値

 

ジュン「種族が決まったら、順にサイコロを振って、能力を決めて行ったらいいんですねぇ」

晶華「人間は、◯◯度が全て基本値が20だから分かりやすいのよね」

ジュン「移動力は1振って、2足して3。何だか鈍足キャラですねぇ」

晶華「10秒間で移動力の倍m進めるらしいわ。平均8mだけど、6mしか動けない」

ジュン「武器技術度は8を振ったから28」

晶華「あらら。これで戦士にはなれなくなっちゃったわ」

ジュン「えっ?」

晶華「戦士(ウォリアー)のキャリアを選ぶには、最初に武器技術度が30ないといけないのよね」

ジュン「振り直していいですかぁ?」

晶華「ダメ。運命は受け入れなさい。次は射撃技術度よ」

ジュン「今度はいい目出ろぉ。(コロコロ)19キタァ。20を足して39ですぅ」

晶華「おめでとう。これでレンジャー(野人)のキャリアを選べるわ」

ジュン「接近戦よりも、射撃キャラなんですねぇ。次は筋力をD3(D6の半分)で決めるから、出目3の半分は2で、修正1足して合計3。強靭力も同様に決めて3。耐久力も人並みで6。これって、強靭力と耐久力の違いは何ですかぁ?」

晶華「強靭力は受けるダメージを減らしてくれる防御力ね。耐久力の方はHPに相当するわ」

ジュン「たった6点で死ぬんですかぁ?」

晶華「いいえ、耐久力までのダメージは軽傷扱いみたい。耐久力を越えてダメージを受けたときから、致命傷表を振ることになって、その出目によって気絶したり、即死表を振ったりする可能性が出てくる。一度耐久力がゼロになると累積ダメージが増えることはないけど、ダメージを受けるたびに致命傷表を振らされるシステム。運が良ければ、傷だらけでも戦い続けられるかもしれない」

ジュン「でも、運が悪いと、いきなり致命傷を受けて、即死表を振らされて、あっさり死んじゃうこともあるんですねぇ。耐久力がゼロになるまではかすり傷だけど、ゼロになった後は、いつ気絶するか、または即死するか、冷や冷やしながら戦い続ける、と」

晶華「単純なHP制とはまた違った戦闘ルールなのよね。敵キャラは耐久力がゼロになると死ぬけど、プレイヤーキャラの場合は、ゼロになってからが描写の本番というか、結構、緻密な内容になってる。たぶん、旧世紀の日本で発売された文庫RPGの中で最も緻密なルールだと思うわ」

ジュン「21世紀の文庫RPGだと、ソード・ワールド2.0とか、アルシャードガイアとか、アリアンロッドとか、ダブルクロス3版とか、結構データの多いゲームもいっぱい出ましたからねぇ」

晶華「あら、詳しいのね、ジュン君」

ジュン「アリナ様から、レクチャーされましたからぁ」

晶華「でも、基本ルールブックが最も分厚くて、職業数が最も多いゲームは、ウォーハンマーで間違いないと思うわ(基本ルールだけで97職。盗賊や芸人、職人などのサブクラスを勘定に入れると100職を越える)。D&Dもサプリメントでどんどんクラスやサブクラスが追加されていくし、今のソード・ワールド冒険者じゃない一般技能のルールの拡充で職業数が水増しされているけど、それらは後付けなので」

 

 そんな感じで、どんどんダイスを振っていき、全ての結果はこうなった。

ジュニアの人間キャラ

 

移動力  :3

武器技術度:28

射撃技術度:39

筋力   :3

強靭力  :3

耐久力  :6

反応度  :31

攻撃回数 :1回

器用度  :27

統率度  :31

知力度  :31

冷静度  :25

抵抗度  :34

協調度  :24

 

晶華「この能力だと、レンジャーの他に、知力度と抵抗度が30以上なのでアカデミック(学者系)が選べるわね。反応度が30以上あるから、ローグ(町人系)も選べる。ダメなのはウォリアーだけ」

ジュン「本当は戦士になりたかったんですけどねぇ」

晶華「転職すれば、戦士にだってなれるでしょうけど、最初は無理ってこと」

ジュン「でも、武器技術度も、射撃技術度も、知力度と抵抗度も、反応度も全部30にならなかったら、職業に就けないってことですかぁ?」

晶華「ルール上はそうなるわね。まあ、そこまで能力の低い(ダイス運がボロボロの)場合は、最初からキャラを作り直した方がいいと思うけど」

ジュン「人間は基本の能力が20だから、2D10の期待値(10か11)を出せば、条件が満たせますねぇ。エルフやドワーフは武器技術度が最初から30あるから、確実にウォリアーになれるけど、ハーフリングは10しかないから、出目が最高の20じゃないとウォリアーになれないんですねぇ」

晶華「そうね。同じ理由で、ドワーフがレンジャーやローグになるのも大変。エルフは、アカデミックに確実になれるけど、レンジャーは平均の出目でなれる。でも、ローグになるのが難しい」

ジュン「どうしてですかぁ? 反応度が50もあるのにぃ」

晶華「エルフがローグになるのは反応度65が要求されるの。2D10で15を出さないといけないから、少し大変かな。ハーフリングは確実にローグになれるけど」

ジュン「結局、どの職にも就けなくなる可能性があるのは人間だけで、他の種族は必ず何かの職に就けるってことですねぇ」

晶華「無職で何もできないってのも、人間の多様性ってことね」

ジュン「そんなマイナスの多様性はいらないですぅ」

晶華「まあ、あなたのキャラは就職して何かになれるんだから、良かったじゃない。世の中には、出目が悪すぎて本当に何もできないキャラとか、作成途中に死んでしまうような水子キャラだっているそうだから」

ジュン「キャラメイク中に死んじゃうなんてことが、あるんですかぁ?」

晶華「あら。それはリナ老師から聞いてなかったのね。キャラメイクの途中で、冒険を始める前の経歴を決めるんだけど、経歴表の出目が悪かったら死んじゃうの。『トラベラー』って言うんだけどね。軍隊なんかに所属して経歴表を振ると技能がもらえるんだけど、あまり欲張ると年を重ねたり、任務中に事故死したり戦死したりするので、ほどほどのところで引退して、宇宙の冒険の旅に出るゲームだって」

ジュン「でも、冒険中に死んじゃうことだってあるんですよねぇ」

晶華「冒険って、そういうものでしょ? まあ、今のゲームは比較的、死ににくくできてるけど、オールドスクールって呼ばれる昭和のゲームは死にまくるってNOVAちゃんは言ってた。でも、ウォーハンマーは運命点が残機数みたいなものらしいわ」

ジュン「残機数……って、昔のコンピューターゲームの用語ですねぇ。シューティングゲーム用語だけど、3回死んだらゲームオーバーって感じで」

晶華「せっかくなので、運命点も今、決めちゃいましょう。人間の場合は、D3+1点ね」

ジュン「5が出たから、半分して端数を切り上げて1を足すと、4点でしたぁ。これで4回までは死ねますぅ」

晶華「死なないに越したことはないんだけどね。ついでに、私のエルフの運命点も振っておくわ。エルフはD3−1だから……出目3の半分して1を引くと、やっぱり1ね。1回しか死ねないのがエルフの儚いところ。良くても2回まで」

ジュン「ああ、エルフは優秀だけど、人間みたいに逆境を耐え忍んで命に執着することができないんですねぇ」

晶華「ソード・ワールドだって、人間は運命変転できるけど、他の種族は運命を受け入れるしかないわけで、人間の長所は逆境から這い上がる不屈の魂と、何にでもなれる多様な可能性、柔軟性ってゲームが多い感じ」

 

閑話休題

 

ヒノキ「アッキーはなかなか上手く、GMらしい解説をしておるではないか」

NOVA「そうですね。思ったよりも、板についている感じです」

ヒノキ「これも新兄さんの英才教育の賜物じゃな」

NOVA「まあ、アシスタントガールとして、5年以上がんばって来ましたからね。ともあれ、ウォーハンマーは種族格差の大変大きいゲームですが、エルフが優秀なのは『指輪物語』リスペクトが大きいからでしょうね」

ヒノキ「指輪といえば、今月はこれも発売するようじゃ」

NOVA「あちゃー、さすがに金がない。興味は津々だけど、しばし様子見ですな。大体、発表がギリギリ過ぎます。数ヶ月前から発売予定が出ていれば、購入スケジュールを立てられるっていうのに、今月出るゲームを今月発表されても困惑しますよ」

ヒノキ「まあ、先に発表して、ズルズル遅れるのとどっちがいいかじゃな」

NOVA「ところで、ゲンさん」

ゲンブ「おお、何でござるか?」

NOVA「さっき、キャラ作成はマッスル太郎以来って言ってたけど、よく考えたら、ゴブスレRPGの蜥蜴用心棒を忘れていないか?」

ゲンブ「ああ、そう言えば失念しておった。蜥蜴用心棒は2回しかプレイしていないから、記憶が薄れてござった。よく思い出させてくれた。感謝するぞ」

NOVA「どういたしまして。ミスを指摘して、感謝されるのは心地いいですな。露骨に不愉快さを表明する者も多いわけですが」

ゲンブ「いたらぬところを教えていただけるのは、己を高める糧にできるゆえ」

ヒノキ「ところで、ゴブリンスレイヤーの新刊情報はまだなのか?」

NOVA「新刊ではないけど、先月までCD付き特装版の復刻刊が出てたらしいです」

ヒノキ「買わぬのか?」

NOVA「さすがに一冊3000円は手が出しにくいですよ。でも、気にはなるので表紙だけ貼り付けです」

 

晶華のエルフキャラの能力値と、年齢と、初期技能と

 

晶華「外野が何だか面白そうな話をしてるけど、こっちはこっちでキャラ作りを続けるわ。ジュン君、ちょっと待っててね。私のエルフも、能力を決めるから」

 

 コロコロといっぱい振った結果、

晶華のエルフキャラ

 

移動力  :5

武器技術度:40

射撃技術度:25

筋力   :3

強靭力  :3

耐久力  :6

反応度  :59

攻撃回数 :1回

器用度  :36

統率度  :37

知力度  :50

冷静度  :54

抵抗度  :38

協調度  :44

 

運命点  :1

 

晶華「ええと、この能力だと、レンジャーとローグが無理なので、ウォリアーかアカデミックの2択なのよね。ジュン君は、どうする?」

ジュン「リウは射撃が得意なので、レンジャーをやりたいですぅ。だから、前衛がいればいいんですけどぉ」

晶華「別にいっしょに冒険に出るわけじゃないんだけど、エルフの戦士ってのもいいかもね。私はソード・ワールドでエルフの妖精使い(未来の女王)と、ゴブスレRPGでレンジャー兼職の精霊使い、アルシャード・ガイアでも魔法使い系のミュージシャンをやってるから、たまには前衛戦士も悪くないか。いつも魔法キャラってのも芸がないしね」

ジュン「じゃあ、次はいよいよキャリア決めですねぇ」

晶華「その前に、種族ごとの言語とか、ダイスで決まる身長とか、年齢とか、細かいデータをキャラシートに書き写さないといけないんだけど、年齢以外は能力に関係しないので割愛して、年齢を決めましょう」

ジュン「年齢は能力に関係するのですかぁ?」

晶華「年齢は最初にもらえる技能の数に影響するのよ。人間は21歳から30歳までで技能数+1、31歳から40歳までが最盛期で技能+2。その後は老化して、取れる技能が減って行くわ。もちろん、冒険で経験点を貯めれば技能は増やせるので、あくまで初期作成の話だけどね」

ジュン「30過ぎてから、冒険を始めるってのもありなんですねぇ」

晶華「ルール上は、75歳から冒険を始める人間も作れるわ。初期技能がマイナス2されるけど」

ジュン「リウは若者がいいですぅ」

晶華「だったら6D6ね。15歳以下は振り足しで。もしも成熟キャラを作りたければ、6D10を振ってもいい」

ジュン「6面ダイスで行きますぅ。(コロコロ)18歳になりましたぁ」

晶華「今の日本だと、高校を卒業したての成人年齢ね。選挙権だってもらえるわ。このゲームが出たときは、まだ未成年だったけど。で、追加技能はなし。ついでに技能も決めちゃいましょう。D4を振って」

ジュン「6面で5〜6は振り直しってことで。3でしたぁ」

晶華「だったら、人間レンジャーの技能表で%ダイスを3回振って」

ジュン「種族ごととキャリアごとに表があるんですねぇ」

晶華「細かいルールよね」

ジュン「出目は、95、10、13ですぅ」

晶華「〈強靭〉〈両手利き〉〈天文学〉になったわ」

ジュン「解説お願いしますぅ」

晶華「ちょっと待って。技能リストを見るから。技能が133個もあるから大変なのよね」

ジュン「そんなにあるのですかぁ」

晶華「とにかく細かいゲームなの。イギリス人がアドバンストD&Dに対抗できるように作ったゲームらしいから。ええと、〈強靭〉は技能番号29番。キャラの能力の強靭力を+1できるわ」

ジュン「3から4になって、打たれ強くなりましたぁ」

晶華「〈両手利き〉は利き手以外で武器を使ってもペナルティーがないみたいね。もしも、戦闘中の負傷で利き手が使えなくなっても、もう片方の手で武器を扱えるわ。普通は……ええと、10%のペナルティーを受けるんだけど」

ジュン「アッキーさん、ルールを調べるの早いですねぇ」

晶華「目次とか索引を使って調べられるから。検索性に欠けたルールブックは、どこのページに何が書いてあるのか探すのが大変だけど、ウォーハンマー文庫版はページ数が多い分、検索性には優れていると思うわ。読むのは大変だけど、使うのは難しくないと思うのは、さすがに90年代のSNEのプロの技ってところかしら」

ジュン「今のSNEは?」

晶華「イラストが豊富で、読みやすさにも気を使うようになったわね。とにかく、〈両手利き〉は利き手が使えないペナルティーをなくすのと、あと器用なので『器用度を元にした危険度テスト(判定)で10%ボーナスを得られる』みたい」

ジュン「単純に器用度+10ってわけじゃないんですねぇ」

晶華「危険度以外のテスト(ものづくりとか)では使えないのでしょうし、〈両手利き〉の10%ボーナスが得られるかどうかは、プレイヤーが主張してGMに認めてもらう形で処理するのでしょうね」

ジュン「〈天文学〉は星の動きとかが分かる?」

晶華「レンジャーが野外で、星の位置から方向を見定めたりできる感じね。まあ、流れ星を見て、凶兆とかを読みとる占星術的な使い方もできるかも。使うには、知力テストが必要だけど」

 

ジュン「では、アッキーさんも年齢と技能を決めてください」

晶華「エルフはもちろん、年齢の決め方が違うのよね。10D12か、10D20なんだけど、12面ダイスを10個も持ってる環境はふつうのゲーマーでもないわよね」

ジュン「ふつうは12面を1つも持ってないですぅ」

晶華「面倒だけど、1回ずつ振って行くしかないわね。最初は6で、次は4で……合計48歳よ」

ジュン「期待値65歳なのに、若いエルフですねぇ」

晶華「41歳から90歳までは技能ボーナス+1。エルフの最盛期は、141歳から190歳までで最大+3の技能数がもらえる。で、私はD4でも4を振ったので、初期技能が5つもあるの」

ジュン「それは凄いですぅ。優秀なんですねぇ」

晶華「もっと褒めていいわよ。で、エルフの最初の技能は〈長視野〉で、ふつうの人の1.5倍まで遠くのものが見えるの」

ジュン「それは野外でも便利そうですねぇ」

晶華「2つめの技能は、〈ダンス〉〈楽才〉〈歌唱〉の3つからランダムで1つ。〈歌唱)と出たわ。歌でお金を稼ぐこともできるみたい」

ジュン「芸能活動ができそうですぅ」

晶華「それで、ここからランダムで、エルフのウォリアーの技能表を振るんだけど、99はやっぱり〈強靭〉。次は94で〈第六感〉。惜しいわ、〈第七感〉だったら黄金聖闘士にだってなれるのに」

ジュン「ウォーハンマーに聖闘士なんてキャリアはあるのですかぁ?」

晶華「聖堂騎士(テンプラー)はあるけど、聖闘士(セイント)はないわね。それと〈第七感〉なんて技能もないから。〈第六感〉は敵に見張られていたり、怪しい気配を感じとる技能ね。知力度テストに成功すれば、周囲の不審な様子に気づけるそうよ。ロールプレイが面白そう」

ジュン「楽しそうですねぇ、〈第六感〉は」

晶華「最後の一つは17。戦士らしく〈武器落とし〉と出たわ。〈武器落とし〉を宣言して、武器技術度テストに2回続けて成功したら、相手の武器を落とせるみたい。これって格好いいわね」

ジュン「アッキーさんに比べて、リウのキャラは地味っぽいですぅ」

晶華「次は、本ゲームの最大の特徴とも言えるキャリア決めなんだけど、字数が1万を越えたので、続きは次回に回します」

(当記事 完)