花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、TRPGの魔法研鑽を展開予定。

怪獣優生思想の行く末(スパロボYチャプター7の2)

風都探偵(DLC)は来週に来る

 

NOVA「ゴジラ様を倒して、残りは消化試合みたいになってる最終盤なんだが……」

ヒノキ「わらわとしても、ここがウルトロピカルを越えたということで満足じゃ」

NOVA「俺の中では、空想タイム、コンパーニュ、ウルトロピカルの優先順位ができてるのですが、マイブームな話題によって、どこかに偏ったりすることもあるわけで。まあ、スパロボに夢中になってる間は、他のゲーム(アナログデジタル問わず)に気を回している余裕はないってことで」

ゲンブ「しかし、今の旬は違うのでござろう?」

NOVA「11月に入ると、戦隊シリーズ終了? の件が気になって気になって……長く続いたものが終わるのは寂しいものです。それは特撮ヒーローだろうと、スパロボYだろうと同じで、そこはかとない寂寥感を感じる今日この頃です」

シロ「『そこはかとない』というのは、『何となく、理由のよく分からない』という意味なので、この場合は理由が割と明確(ハマっていたものが終わりそう)だから、言葉の選択が正しくないと思います」

NOVA「うっ、では、そこはかとある寂寥感、と言い換えよう。とにかく、寂寥感は寂しくて虚しい気持ち。あるはずの物がなかったりするときの欠如感とか、大切なものを失って心にぽっかり穴が開いたような状態ってことだな」

ヒノキ「心に穴……開いておるのか?」

NOVA「いや、全然。一つのものが終わっても、すぐに別の楽しみができて、消化するのに忙しいとか、慌ただしさの方が多い感じですかな。まあ、シリーズ終焉とか、ゲームの終盤というのは、終わらせるのを惜しむ気持ちが先立って、そこを達成感とかで勢いづけて最後まで乗りきるべきなんでしょうな。ところで、そんなことを考えていると、こんなものが来ました」

ヒノキ「ほう。待ちに待った仮面ライダーがついに来るんじゃな」

NOVA「俺としては、DLC第2弾といっしょにやりたいので、しばらく待機モードになるかと思います。まあ、我慢できずに手を出す可能性もそれなりにあるとは思いますが、年末が近づくとまた忙しくもなりそうだし、他にやるべきこともあるので、スパロボにハマりっぱなしというわけにもいかない、と」

シロ「気になってもじもじする。ダイエットを頑張らないとって考える女の子が、美味しそうなケーキを前にして、うっ我慢しなきゃ、でも、ジュルリ……ああ、誘惑が抑えきれない……って気持ちですね」

NOVA「そんな表現で正しいのかどうかは微妙だが、そこはかとなく絶妙に言い当てているような気がする。つまり、そういう気持ちがあるうちは、寂寥感が癒されたってのが現状だ、と」

 

ゲンブ「前置きはこれぐらいにして、さっさと話を先に進めるでござる」

 

託されたものって、なに?(79話)

 

NOVA「ダイナゼノン最終回のサブタイトルですな。物語的には、ゴジラを倒したことで次元の歪みが正常化されて、怪獣が発生しにくくなった現状で、最後の怪獣ガギュラが出現して、怪獣優生思想の最後の襲撃となります。それを自らの消滅の可能性を知りながら、ガウマさんが最後の戦いを決断して、怪獣ファイナルバトルを展開する、と」

ヒノキ「最後の怪獣バトルとは! むちゃくちゃ寂しくはないか、それ?」

NOVA「原作アニメどおりだと、ガウマさんも怪獣優生思想も消滅して、蓬たちが元の日常より少し前向きになった未来を享受している、そこはかとない寂寥感は残しながらもハッピーエンドではあります。でも、スパロボでガウマさんが消えてもらうと困ります」

ゲンブ「ダイナゼノンは主戦力でござるからな」

NOVA「原作では、ガウマさんの肉体は消滅しますが、その魂はダイナレックスと一体化して、グリッドナイトや2代めとともにマルチバースを守るハイパーエージェントとして活動。グリッドマンの新世紀中学生の新人として、レックスを名乗って、劇場版『グリッドマン ユニバース』で蓬たちとも再会したりしますが、今作ではエーアデントの力で、ガウマさんの肉体消滅は免れ、今までどおりの生活と戦いが続けられるように改変」

シロ「グリッドマン ユニバース』の物語は、スパロボ次回作で参戦するのを楽しみにってことですね」

NOVA「ユニットだけなら、スパロボDDで参戦しているんだけどな」

NOVA「ゲーム的には、カイゼルグリッドナイトの最終技を習得するのと、敵の怪獣優生思想を仲間にするために、ガギュラをカイゼルグリッドナイトで倒すことがポイント。フラグを立てると、消滅間際にシズム君が蓬に再会を約束してくれます」

ヒノキ「いつ再会するのじゃ?」

NOVA「次のシナリオですね」

 

永遠の終わりに(80話)

 

NOVA「NOAHSとの決戦シナリオその1です。3つに分裂したNOAHSのうち、大西洋のイヴォルバー遺跡を拠点とするポセイダル軍、ウィンダミア、ドレイク軍残党との決着をつける話ですね。ストーリー密度が非常に濃いです」

シロ「それは……3つの作品の最終決着を1シナリオで終わらせようってことですからねえ」

NOVA「まず、会話パートで、パプテマス・シロッコがエーアデントに通信を送って来ます。NOAHSの大西洋組が地球侵略のための大きな作戦を企てているから、同じ地球人同士、連携して異星人を倒さないか、と」

ヒノキ「シロッコは確か、インド洋のガンダム敵役連合のトップじゃったな」

NOVA「そちらにいるのは、シロッコヤザン、ロード・ジブリール、ウルベ・イシカワですね。Zガンダム、種D、Gガンダムの敵が集まっています。シロッコヤザンはともかく、他の2人と和解できるとは思えません」

ゲンブ「シロッコ殿とは和解できるのでござるか?」

NOVA「彼は女性の支配する世界が理想とか言ってますので、エチカに世界の女王になって欲しい、と言うのですが、エチカは断って決裂。その頃、アマンダラ・カマンダラはシーラ女王のところに赴いて来た」

ヒノキ「それは真のポセイダルではないか? 何をしに来たのじゃ?」

NOVA「この辺は原作と大きく違うコラボシナリオになっていますが、要はシーラ女王をミアンの代わりの影武者ポセイダルに据えたいという野心があるわけですね。今作はエルガイムダンバインの物語のリンクが、従来よりも強調されていて、最後の最後にこう来たか、と感じ入ったりも」

シロ「シロッコシロッコで、エチカお嬢さまを誘おうとし、ポセイダルの方はシーラ女王に野心を向ける、と」

NOVA「それを、アマンダラの立場で搦め手を仕掛けて来たわけですが、シーラ様はアマンダラの正体を真のオルドナ・ポセイダルと見抜いていた。つまり、フル・フラットが裏事情を明かすという原作と違う形で、正体がバレたポセイダルという展開に、さすがはシーラ様、アマンダラの上手を取るとは! と面白く思っていたら、正体がバレたアマンダラは開き直って、強引にシーラ様を拉致しようとした」

ゲンブ「そんな超人みたいなことができるのでござるか?」

NOVA「原作設定だと、ポセイダルの力の源であるバイオリレーションシステムは、首都スヴェートの範囲内でのみ発動可能なのですが、本作では『イヴォルバー遺跡の研究で、バイオリレーションシステムの効力をスヴェートの外でも発動可能にした』という独自設定を付加して、やりたい放題のアマンダラ改めポセイダルという展開にした、と」

シロ「シーラ様を操り人形にして、新たな影武者ポセイダルとして擁立しようということですね」

NOVA「一方、ウィンダミアの方では、拉致されたミクモさんを操り人形にして、星の歌を歌わせようとするロイド宰相の計画が進行中。この星の歌も、歌によって人々の心を無理やり一つに結びつけ、洗脳するのみにあらず、遺跡の超パワーによって範囲内の人間の思考と生命を一体化して、種族の壁を越えた永遠の生命を万人が享受しようという計画でした」

ヒノキ「みんなで一つになる調和を目指すのじゃな。それが理想社会じゃと」

NOVA「ただ、画一的で個性、多様性を廃した極端な世界が理想とは言えないですね。ポセイダルとウィンダミアのそれぞれの目的は違っていますが、やっていることは同じで、推しの女の子をさらって来て、操り人形に仕立てて、その力とイヴォルバー遺跡を連動させて、世界を自分の理想どおりに作り替えようという壮大な計画。それを阻止するために、ここよりエーアデントの戦いが始まるわけです」

ゲンブ「目的は、シーラ女王とワルキューレの美雲どのの救出でござるな」

 

3つの仲間参入

 

NOVA「ストーリー的な目的は置いておいて、ゲーム的な目的は隠し仲間3つを入手することになります。まず、1人はダンバインのライバル役、バーン・バニングス」

NOVA「彼を仲間にするには、ライバルのショウ・ザマで彼を撃墜する必要があります。これまでも、ショウでバーンを撃墜することでフラグを立てておいて、バーンの憎しみを断ち切る必要があったわけですが、その積み重ねが結実したのがこのシナリオ。

「このシナリオのバーンは、ポセイダルに拉致されたシーラ女王を助けてくれて、おかげで母艦のグランガランが出撃可能になります。これはいいんですけど、問題はグランガランの出現ポイントが敵の密集地帯で、育成していなければ集中砲火を浴びて、撃墜されそうになります。今回の記事で、一番苦労した部分かと」

シロ「こういう時に役立つ精神コマンドが、隠れ身ですね」

NOVA「それがあれば、どれだけ助かったか知らんが、今のスパロボに隠れ身はねえよ。2001年のα外伝までだ。あるいは2013年の『魔装機神III』および翌年の『魔装機神F』で復活したが、それっきりだ」

シロ「すると、グランガランをどうやって生き残らせればいいというのですか?」

NOVA「基本は、妖精エルの『鉄壁』をかけて、ダメージを減らす。次に、大ダメージはシーラ様の『先見』でかわしたり、『友情』で回復したり、敵からの攻撃回数を減らすべく囮役のビルバインなんかを急行させたり、とにかくグランガランと自軍がうまく合流できるように、頑張れば1、2ターンの集中攻撃を凌ぐことも可能だろう。今作で唯一、グランガランが窮地に陥ったシナリオだが、同時に見せ場であるとも言えよう」

ヒノキ「ショウでバーンを倒し、敵陣に出現したシーラ女王のグランガランを撃墜されないようにする。序盤の展開はこうじゃな」

NOVA「他にも、ウインダミアの空中騎士団とか、高速で飛来する敵勢を優先して撃墜するとか、エルガイムのダバでネイを撃墜するとか、名前ありの強敵だった連中がいっぱい登場しますので、ドラマ的にも燃えますな。美雲の歌に対抗して、自分たちの歌を送るワルキューレもゲームには影響しませんが、演出としては重要」

ゲンブ「敵の空中騎士団は撃墜しても大丈夫でござるか?」

NOVA「原作アニメでは、TV版でカシムが終盤に死んだのですが、今作では劇場版準拠で全員、生き延びます。ハヤテの暴走イベントもなく、代わりにハヤテは最強技を習得するイベントあり。そして、一度撃墜された後の白騎士キースがスポット参戦の味方として、同志のロイドの暴走を止めるべく動いてくれます」

シロ「黒騎士の称号を持つバーンは味方になるけど、白騎士の方は味方にならない、と」

NOVA「最終的にロイドと相討ち心中するからな。それまでロイドは、母艦シグル・バレンスに乗って、こちらの救援に来たマクロス同型艦2隻を洗脳音波で操ったりして、大暴れするわけですが」

ゲンブ「マクロス同型艦が敵でござるか? 面倒な相手でござるな」

NOVA「撃墜すると、正気に戻って、撤退することになる。とにかく、ロイドの洗脳音波で味方の応援をしてくれるはずのNPCが敵になるのは、いろいろヤバいと思ったな」

ヒノキ「自軍は洗脳音波の影響を受けないのか?」

NOVA「ワルキューレの歌が守ってくれるという設定だ。そして、物語が進むと、ワルキューレの歌で美雲の洗脳も解けて、救出に成功するわけだな」

シロ「マクロスΔのイベントは、敵と戦っていると自動的に進行するので、特に説得とか特殊な条件が用意されていることはないんですね」

NOVA「もう、勝手にドラマが進行して、迷うことはない。ただ、発売後まもなくの時点では、水星のエランと、白騎士キースと、ゲッタータラクの號さんをどうすれば正式に仲間にできるのか、と真剣に考えていたプレイヤーも多いと聞く。あと、メッサーの生還フラグとかな」

ゲンブ「そんなものはない、と納得するまでは、もしかすると……という希望が存在したでござるか」

NOVA「ともあれ、俺としては今回のプレイで絶対に欲しいと思ったキャラは、水星のグエルさん(ボブ)、東方不敗、そして怪獣優生思想の操るダイナゼノン・リバイブだ。1周めできちんと欲しいものは入手できたので満足だ。他には、こちらも上手くフラグが成立していたようで味方になってくれた」

NOVA「本作のネイは、ギワザを捨ててミアンの味方になり、真のポセイダルとは敵対する立ち位置になる。女をコマとして利用する男が嫌いというキャラになったが、乗機のオージェは味方になると、あまり性能が高くないので、好んで使いたいとは思えない。本命はやはりこれだな」

シロ「怪獣優生思想がポセイダルやウィンダミア軍と戦うエーアデントの応援に登場したんですね」

NOVA「このシナリオで、バーン、ネイ、怪獣優生思想の面々が次々と自軍に参入して、決戦回を盛り上げる。そんな中で、バーンが未来の自分の転生体である黒騎士ラバーンと対決したり、ネイは女の尊厳のためにも真のポセイダルを討つべし、と立ち位置を改めたり、怪獣優生思想は大好きなエーアデントを守るために、怪獣の力を宿した謎のロボットで自由に暴れ回ったり、それぞれの物語や生き方を示してみせる」

 

永遠を求めし果て

 

NOVA「ウィンダミアの旗艦シグル=バレンスは、外から破壊することは難しいと言った。何故なら、HP10万超えというのはチャプター6に入った時点で、不滅のタフさと考えられていたからだ」

ゲンブ「しかし、未来に行って帰ってきた頃から、HP15万のバグやら、HP20万のゲッター聖ドラゴンを倒すようになって、HP10万超えというのが当たり前のボスといった感でござるな」

NOVA「1ターンでHP24万を削らないといけないゴジラを倒すべく自軍を鍛えていたら、それを達成した時点で、HP10万超えぐらいタカが知れている、と考えるようになった自分がいる。かつては難攻不落と考えられていたシグル=バレンスも、たかが前座ボスと葬れるようになった」

シロ「敵の立場から見れば、何て化け物なんだ、エーアデントってのは!? と驚愕するところですね」

NOVA「そしてシグル=バレンスを落とすと、ロイド宰相は可変戦闘機で脱出する一方で、黒騎士ラバーンが登場。この2機を落としてからでないと、シナリオボスの真ポセイダルの駆るオージ(オリジナル・オージェ)に傷ひとつ付けられない仕様だ」

ヒノキ「いきなりラスボス瞬殺ができないようなシナリオギミックじゃな」

NOVA「きちんと手順を踏んで、イベントを発生させないと倒せないボスということだ。シオンのヴェルビンおよびバーンのガラバその他でズワウスを落とし、ロイドについてはマクロスエリシオンとかで倒したあと、白騎士キースが相討ちで道を踏み外した親友の妄執を断ち切った」

ゲンブ「黒騎士と白騎士の最期でござるか」

NOVA「前座ボスを倒すと、影武者ポセイダルのミアンがバイオリレーションの機能を停止させることで、オージの絶対無敵防御を無効化させる。そこで総攻撃を仕掛けて、あっさり終わらせたんだ。ここまで来ると、ボス単体でそこまで強敵だと感じることはないが、一つのシナリオでHP1万越えのザコ多数、HP2〜3万の中ボス複数、そしてHP10万越えの前座ボスおよびシナリオボスという敵構成になっているので、ゲームとして一番うっとうしいのは群がる大勢のザコといった感じだ。やはり、戦いは数だよ、と」

シロ「通常攻撃でHP1万を軽く落とせる機体を用意していないと、面倒ですね」

NOVA「ザコ戦では継戦能力が問われ、ボス戦では一度に3万〜5万に達する破壊力を短時間で連発できることが必須になる。何しろ、ボス出現後は2ターンか3ターンの時間制限が設けられるシナリオストーリーが設定されて、じっくり待ちの戦術で長期戦を挑むということが許されないから」

ヒノキ「ゲームとしては、かなり大味な殲滅戦になるところを、ストーリーに基づいた手順を示すことで、インフレしたプレイヤー側の殲滅能力を盛り上がるように誘導しているってことじゃな」

NOVA「こういうシミュレーションゲームで一番つまらないのは、膨大なHPとして設定されたボスが、プレイヤー側のインフレした火力の前に、為すすべなく1ターンで瞬殺されることですからね。今作では実際に、ゴジラ相手にそれができたものだから、以降はゴジラよりも弱いシナリオボスを順次葬っていくだけの消化試合なんです。最強の敵を倒した後は、どう話を盛り上げられるか、というのが終盤の今ですな」

シロ「最強の敵は倒した。普通はそれで終わりですね」

NOVA「だけど、敵は武力以外の搦め手で、世界の改編を狙っている。ポセイダルもウィンダミアも、イヴォルバー遺跡の秘密を解き明かして、不滅の永遠を手にして、神さま気取りで自らが選んだ民とともに理想郷を築こうとした節がある。彼らの理想が実現すれば、いかなる武力でも脅かされることはない、絶対的支配と救済が完成する」

ヒノキ「その支配と救済が、個人のエゴに基づくものじゃから、自由意思を大切にする自軍とは相容れないのじゃな」

NOVA「だから、ここでのストーリーは、永遠を望む妄執がいかに醜いエゴを見せるかを描いて、その妄執を断ち切るドラマを演出し、複数の野心を順番どおりに終わらせる段取りを踏むわけだ。美雲の歌を利用した洗脳音波はワルキューレの歌で相殺され、自由な空と自由な歌というテーマでマクロスΔの物語は終結する。白騎士キース曰く、『ロイドの求めた永遠は、私は空の中にとっくに見つけていたよ』と。最後に、白騎士に美味しいところを持って行かれた形だけど、美しく情熱的に散る姿を見せて感動を与えることが、Δのドラマツルギーなんだと思う。後は、残された者が次代を紡ぐとか、限られた命を誰かへの想いで昇華するとか、いろいろだな。

「一方、エルガイムの方は、すでにバイオリレーションシステムの力で、永遠を手に入れたオルドナ・ポセイダルが、ペンタゴナという世界を自らの余興(統治の責任は影武者に負わせ、世界を活性化させるという名目の元に戦乱を煽る裏の支配者のゲーム)のために使ったと考えることもできる。世界は、支配者の遊びのためにあるんじゃないということなら、90年代以降の物語でよくあるテーマなんだが、エルガイム劇中ではそこまで明文化されていない。この時点では、永遠を手にした絶対統治者(かつての英雄)の堕落、という物語がエルガイムの背景にあるらしいが、スパロボではポセイダルがかつての英雄(戦乱だらけのペンタゴナに統一秩序を与えた)だということは語られず、ただの姑息な侵略者に堕している」

ゲンブ「エルガイムの物語が、テーマ的なものも含めて、ずいぶんと改変されているのでござるな」

NOVA「80年代だから、若者の自由と情熱が主人公側のモチベーションで、自由を縛る権力者が敵という方向性。そして王道ストーリーだと、権力者を打倒して革命を成し遂げた主人公たちが新たな時代を築くことを宣言してハッピーエンドなんだけど、自由を旨とする若者主人公が新たな権力者になることをハッピーなゴールにしなかったのが、エルガイムの特殊性。堕落した権力者(かつての英雄)の醜さを見届けた主人公は、革命リーダーの座を捨て、初志貫徹(行方不明だった妹と田舎で静かに暮らす隠遁者の道)を選択する」

ヒノキ「それって、ロードスの自由騎士パーンが選んだ道と似ておらんか?」

NOVA「ああ、それはあるかも。ともあれ、スパロボでは、ダバが革命軍のリーダーではないので、独裁者ポセイダルの地球侵略を止める物語に改変されて、ポセイダルの永遠の支配を断ち切って幕。以降のペンタゴナの話は、下手に踏み込むと別の作品世界(FSS)につながって版権的にも収拾がつかなくなりそうだから、あえて描かない。独裁者を倒して、世界はハッピーになりました、で終了、と」

シロ「80年代だと、それで良かったんですけど、90年代のリアル世界が違う価値観を見せましたからね。独裁者が曲がりなりにも構築していた秩序が崩壊すると、その国は自由で良い社会になるかと言えば、無秩序の混沌が蔓延して、世紀末ヒャッハーな乱世になるって」

NOVA「冷戦終結後のテロリズムがロボット物で描かれ、侵略を企てる独裁者の帝国を打倒する物語が古いと見なされるようになる。そこからセカイ系、日常系の流れを経て、SFロボット物もゲーム要素と結びついた改変世界、多元宇宙を物語に取り込む一方で、スパロボなどのレトロアニメ懐古作品が作られて、その世界の法則や物語の性質などをメタ的に語る視点というのも増えて来るのが平成末期から令和のロボ物かもしれん」

ヒノキ「劇中人物が『ロボ物では、よくあるパターン』とか『物語のパターンだとこうなるはずなのに、現実では甘くない』とか『よし、この世界ではお約束が通用するみたいだな。だったら……』とか、リアルとフィクションの定番の両方をメタ視点で主人公が考えられる作品が今の定番か」

NOVA「ともあれ、今作のポセイダルは、過去のスパロボと比べても、小物っぽさが目立つ気がする。ミアンの影武者ポセイダルは、ギワザの反乱を手のひらで泳がせたような大物みたいに描かれていたが、この最終決戦での真ポセイダルはシーラ女王に正体がバレた途端、イヴォルバー遺跡から得た力に酔い痴れた小物っぷりが露骨に描かれて、強敵の黒幕臭が一気にはぎ取られた感じがする」

シロ「物語としても、ゲーム的な性能としても弱いキャラに成り下がった?」

NOVA「まだ、ウィンダミアのロイドの方が大志を抱いていたような扱いだな。真ポセイダルは結局、何のために地球侵略を考えるようになったのか、という点で、動機が曖昧だし、ペンタゴナの独裁者の道楽(戦乱の世で、鍛えられた若者が育つ姿を楽しむ素振りも見せる)と、地球侵略のゲーム設定が矛盾しているような気もする」

ヒノキ「道楽で地球侵略を考えるボスキャラというのは、気に入らんのか?」

NOVA「〈死の商人〉アマンダラが黒幕でした、という原作設定は、80年代では面白いと思うんですよ。平和が続くと正規軍が腐敗するから、時々反乱軍に肩入れして、正規軍へのカンフル剤にするという発想も面白い。

「ただ、そんな世界を影で動かす神気取りのアマンダラが、スパロボだと70年代の独裁者ラスボス(ボルテスのザンジバル皇帝や、ダイモスのオルバン大元帥)と策士幹部(ボルテスのベルガンや、ダイモスのゲロイヤー)を足して2で割ったような小悪党扱いをされてしまった感じがする。まあ、本作ではさらに、ショット・ウェポンの企みで暴走して自滅みたいな殺され方をするという末路だから、よけいに小物扱いされたなあって印象だが」

 

ヒノキ「ロイドは永遠を夢見て、虚しく散った。ポセイダルは永遠を手に入れたものの、道楽が過ぎて堕落して散った。それを影で演出したのが、ダンバインのショット・ウエポンだった、と」

NOVA「ショットは、バイストン・ウェルに戦乱を持ち込んだ罪で、輪廻の枠から外れて、永遠に死なない体として呪われた、というのがOVAダンバインの設定です。彼の目的は、不死の身の上に倦んで、自らが死ぬために世界を消滅させたいというもの」

ゲンブ「ずいぶんと迷惑な御仁でござるな」

NOVA「全くです。永遠を望んだロイドや、永遠から堕落の道を歩んだポセイダルに対して、もう永遠なんて嫌なんだけど、呪われて死ねないから、世界の全てがなくなれば死ねるかなあ、と考えて、いろいろな敵キャラを煽って、世界崩壊に導こうとした真の黒幕ぶりを告白します」

シロ「すると、ゴジラウルティマの出現もショットの仕業ですか?」

NOVA「いや、さすがにそれは関係してないと思うが、ゴジラ出現の報を聞いて、ワクワクしていたんじゃないかな? だけど、エーアデントがゴジラから世界を救ったのでガッカリした。だったら、エーアデントに自分を断罪してもらえるよう、ウィンダミアとポセイダルとラバーンをそそのかして、今回のシナリオのお膳立てを整えた節が見られる」

ヒノキ「かつては野心家であったが、今では単に自滅願望の塊と成り果てた、と。で、どういう決着をつけたのじゃ?」

NOVA「シオンに、ラバーンに囚われていたレムル王女を返したあと、事の顛末を語った末に、潔く降伏した。そして、既に十分な報い(罰)を受けているというシーラ女王の判断で、浄化を受けて消滅した」

ゲンブ「シーラ女王、大活躍でござるな」

NOVA「ゲーム攻略以外の会話パートで、一番シーラ様が活躍した作品だと思っている。ともあれ、これでエルガイムマクロスΔダンバインのシナリオは終了だ」

 

天帝の行き先(81話)

 

NOVA「最後のサブシナリオに当たる。この後は、メインシナリオ4つを寄り道できずに連続攻略する流れになるので、ゲームクリアの前の最後の寄り道と言えよう」

ヒノキ「天帝との最後の交流シナリオのようじゃな」

NOVA「天帝がエーアデントの居酒屋にやって来て、エチカと最後の交流をかわす話だな。エチカが、ゴジラとの対決の際の助力を感謝したり、和やかに会話が進むわけだが、誇り高い武人としての自分を貫き通そうとしている天帝は、エチカの和平の申し出は聞き入れようとしない。代わりに、1人の武人としての決闘を申し出ることに」

ゲンブ「すると、このシナリオで天帝機と戦うのでござるか」

NOVA「前に戦ったHP8万の機体を、HP10万越えに強化したものの、それほど苦戦することなく倒せたな。よって、天帝はこの後、さらに自機をイヴォルバー文明の超技術で究極強化してラスボス仕様に仕立てる流れになりそうだ」

シロ「正々堂々と天帝と対決する前哨戦シナリオを経て、ここから終盤4連戦を挑むことになるんですね」

(当記事 完)