花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、TRPGの魔法研鑽を展開予定。

最終回の1話前までクリア(スパロボYチャプター7の3)

まもなく終了

 

NOVA「ふう。パプテマス・シロッコの率いるデビルガンダム軍団を撃退した。これで残りは1シナリオを残すのみだ」

シロ「でも、DLCでブライガービッグオー仮面ライダーWが来ましたね」

NOVA「導入シナリオをプレイしたいのはやまやまだが、天帝を倒すまでは終盤連続4シナリオ以外に寄り道できないんだ。今回の記事で、3シナリオ分の感想語りをして、それで天帝との決着をつけてからだな、DLCは」

ゲンブ「今回のシナリオタイトルは、『暗黒を裂く光』『鳴動する宇宙』『新世界へ』の3本でござるな」

NOVA「そして、最終回は『未来は誰がために』だ。82話〜85話が俺のスパロボYプレイ1周め最終段階となる」

ヒノキ「では、前置きを終えて、本編へ移るのじゃ」

 

暗黒を裂く光(82話)

 

NOVA「前回、3分裂したNOAHSの異星人派閥(ポセイダル軍、ウィンダミアの宰相ロイド、ショット・ウェポン)を撃退し、ウィンダミアの若き王ハインツとの間では、和平が結ばれることになった」

シロ「ハインツ王は、宰相のロイドに利用されて、国政を簒奪された形になるので、終盤でマクロスエリシオンと共闘するんですね」

NOVA「アニメでは最後の最後で友軍となるわけだが、スパロボでは戦いが終わってから、あっさり和平に至るので、キャラ立てが弱いな、と思った。自軍のキャラとほとんど絡みがないのでドラマ性が薄いわけだが、原作アニメだと、フレイアのライバル的なウィンダミアの歌い手として登場して、最終的に美雲さんに役割を奪われてしまうものの、自分の国のために命を削って歌う健気な少年として描写されていた」

ヒノキ「まあ、最後まで敵として立ちはだかるのではなくて、平和主義者の若い国王だけど世間をよく知らないことで、野心家の奸臣に操られていた形。それから解放されて戦争終結に至るわけじゃから、国家間戦争のドラマを描くうえで、きちんと和平を考える国の代表が健在という構図が重要なんじゃろう」

NOVA「敵を殲滅して終わりではなくて、和平を見据えて未来を模索というのが終盤のテーマですね。ポセイダルを倒したダバも、その点で悩んでいたりします。これまでのペンタゴナの習わしだと、前の支配者を倒した者が新たな支配者になるという歴史があったそうですが、ダバは指導者になるつもりはないと宣言。代わりにエーアデントのやり方を勉強して、ペンタゴナに議会制民主主義を導入できないか、と提案する流れだな」

ゲンブ「絶対王政を廃止して、議会による合議を旨とする共和政でござるか」

NOVA「原作だと、政治の世界に背を向けて、田舎に隠棲するのがダバの選択なんだが、スパロボではエーアデントの手法を学ばせてもらうという形で、ポセイダル亡き後の政治体制の改革を目指すことになる。まあ、ペンタゴナの外の世界を知ったゆえの発想の広がりってことだな」

シロ「しかし、ラー・ヴァルの天帝とは和平に至れなかった、と」

NOVA「天帝は武人だからな。張五飛ではないが、武人としての己を貫き通す以外の生き方を見出せなかったらしい。それについては、最終回に至るテーマだが、似たようなキャラクターとしてミケーネの暗黒大将軍が挙げられる。冥帝連合との決戦では、暗黒大将軍、ガルーダ、アンドロメダ流国の残党、そして妖魔大帝バラオとの決着が描かれる」

ヒノキ「暗黒大将軍が天帝と同じとは?」

NOVA「対ゴジラウルティマ戦で、自軍の応援に来てくれたんだな。その件で、暗黒大将軍に礼を言うエチカ。しかし、暗黒大将軍は古の恨みを晴らしたかっただけのこと。今さら和平など結ぶつもりもない、と頑なに好意を拒む。武人としての礼儀と、敵対種族としての立場は別物だということだな」

ゲンブ「武人としての最大の礼儀は、戦いの中で力による決着でござるな」

NOVA「ああ。そして地球人類を守るためには、世界中にケドラの群れで侵攻を始めた冥帝連合を殲滅しなければいけない。それまで隠し持っていた冥帝連合の軍事的規模は相当なもので、エーアデントにとっては容易に倒せるザコだとしても、世界中の大都市を襲撃してくる妖魔の集団は人類にとっての脅威だ。だから、大規模な侵攻のために手薄となった敵の本拠地に攻め込んで、ボスを倒してしまおう作戦なんだよ」

シロ「少数精鋭で敵の大将を落としてしまえば、指揮系統を失った戦闘獣や妖魔帝国の魔物は弱体化させられるってことですね」

NOVA「バラオの恐ろしさは、自分の魔力を配下の魔物に注ぎ込んで、戦力を増強している点だからな。まあ、いろいろあって、コン・バトラーでガルーダを倒し、ゲッターアークでアンドロメダ流国残党の兎猿猴と、マクドナルドのウザーラを落とし、ダブルマジンガーで暗黒大将軍を落とせば、ドラマとして盛り上がるわけだな。ゲーム的に絶対必要なのは、コンVでガルーダを落とすことだけで、他のトドメは誰が刺してもいいんだが」

ヒノキ「すると、ガルーダが味方になってくれる、と?」

NOVA「それはないが、ライバルとの決着こそがガルーダの最後の願いだったようで、満足して散るんだ。一方、暗黒大将軍も強者と思う存分、武芸を競い合いたかったようで、それが満たされて悔いなく散った。悔いを残して死んだのは、マクドナルドだけだ」

ゲンブ「百鬼帝国の残党だったでござるな」

NOVA「ここで重要なのは、ウザーラがアトランティスの無敵の守護竜で不死身だということだ。倒しても死なずに、暴れ続ける」

シロ「倒しても死なないって、どういうことですか!?」

NOVA「ゲッター聖ドラゴンと同じだ。ゲーム上はHPを0にしたんだが、物語上ではそれでも死なないという話になる。ただ、聖ドラゴンが自軍の力量を認めて、ゴジラ退治をこちらに委ねたように、イベントで解決する話。ウザーラは百鬼帝国にコントロール装置を付けられて暴れていたので、そのコントロール装置をライディーンが『弱点はそこだ』と見抜いてそれを破壊することでウザーラが鎮静化。アトランティス海底遺跡に帰って、長い眠りに就いた形だ」

ヒノキ「ムーの守護神が、アトランティスの守護竜の呪縛を解いたのじゃな。きれいに物語を締めくくった、と」

NOVA「そして、シナリオ前半戦が終了し、後半戦は妖魔大帝バラオの構築した妖魔空間に引きずり込まれての決戦です」

NOVA「ここでのBGMは、スパロボだとダンガイオーが参戦していたらいいのになあ、と思いましたね」

ゲンブ「異次元に引きずり込まれての決戦は、まさに宇宙刑事のノリでござるな。渡辺宙明BGMがよく似合う、と」

NOVA「それだけじゃない。マップ北には妖魔大帝バラオ、マップ南には怨獣ミドロ。この両方を同一ターンで撃破しないと、片方がもう片方に復活エネルギーを与えてHPフル回復というゲーム内仕様になっている。これは『宇宙刑事シャリバン』の最終決戦、魔王サイコと分身のサイコラーの両方を同時に倒さないといけないシチュエーションと類似。シャリバン1人では魔王を倒せないので、ギャバンシャリバンの同時必殺技でボスキャラと分身を一度に倒す珠玉のクライマックスだ」

シロ「つまり、バラオとミドロは魔力でつながっているから、同時に撃破しないといけない。マップの北と南にバラバラに配置されているから、自軍も部隊を2つに分けて、北側と南側の同時攻略が必要になる、と。なかなかゲーム的に凝ったシナリオですね」

NOVA「バラオもミドロも、どっちも10万越えのHPを持つボスユニットなので、ちょっとだけ部隊分割を迷ったが、北はライディーンとゲッターアーク、コンVとジェットジャガー、ドモンぐらいで何とかなったかな。南はカイゼルグリッドナイト、ダイナゼノンリバイブ、ダブル魔神皇帝、東方不敗、主人公忍者ぐらいで十分だったと思う。いざという時のために、覚醒で攻撃手数を増やせるアーク、グリッドナイト、ダイナゼノンリバイブを活用すれば、問題ない。あとはシャアとシーラ様で、精神コマンド・威圧を使って、相手の能力を下げたりもしながら、同一ターン撃破を成し遂げた」

ヒノキ「これで妖魔大帝バラオは滅びたんじゃな」

NOVA「いいえ、HP0にしてもまだ生きているのが仕様です。これを撃退するには、洸のお母さんのレムリア皇女が〈ラ・ムーの星〉を使えばいいと分かっているんだが、原作アニメではそれで彼女が死んでしまうビターエンドだったからな。スパロボでは、その悲劇を覆すべく、ガルーダが最後の輝きを見せてくれた」

NOVA「フラグを立てていなければ、レムリアが〈ラ・ムーの星〉発動のために全ての霊力を使い果たして原作どおりに死ぬ。しかし、ガルーダフラグを立てていれば、ガルーダの魂が『母子の別れを見るのは忍びない。余が〈ラ・ムーの星〉の霊力を肩代わりしよう』と告げて、バラオの封印に力を貸してくれる。おかげでレムリアは健在のまま、アシストクルーになってくれる。これが最後の隠し要素で、SP消費量を減らすパッシブと、SP全回復のコマンドで非常に強力なんだな。精神コマンドを使いやすくなるのは、終盤攻略で非常に重宝した」

ゲンブ「ガルーダ殿が非常に美味しい役回りでござった、と」

NOVA「これで、ライディーンの物語もビターならぬハッピーエンドで終了。まあ、ゲームスタート時にお亡くなりになっていた神宮寺さんには気の毒だが」

 

拉致されたイザナ

 

NOVA「さて、ライディーンはハッピーで終わったが、不穏な事件が一つ。天帝が連れて行ったイヴォルバーの少女イザナなんだけど、別ルート(イザナ拒絶ルート)だと天帝を操るラスボスになるらしい。しかし、イザナ対話ルートだと、イヴォルバーの思念と力を天帝が吸収して、天帝がラスボスになる。その際、イザナはイヴォルバーの思念から解放されて、おとなしい少女に戻った」

ヒノキ「高慢な口調は、イザナ自身ではなくて、イヴォルバーの思念に乗っ取られていたのじゃな」

NOVA「そして、イザナは天帝が力を得るうえで、もう用済みということになって、システィスが連れて、こちらに引き渡してやるよう天帝が命じたんだが、セイヴァースとシスティスの待ち合わせ予定場所に放置されたイザナが、パプテマス・シロッコに拉致されて、デビルガンダムのコアにされてしまうというオリジナル展開だ」

シロ「こっちのルートでは、ラスボスではなくて、囚われのヒロインになるんですね」

NOVA「彼女の遺伝子から人工的に培養されたクローンみたいなのが、エチカだからな。つまりイザナは、エチカにとって双子の姉みたいな存在。対話ルートでは、世界の平和を守る以外に、彼女を助けることがストーリーの目的になっていきます」

 

鳴動する宇宙(83話)

 

NOVA「イザナを拉致したパプテマス・シロッコの最終作戦が発動します。インド洋のイヴォルバー遺跡が急浮上して、宇宙に飛び出して、ネオジオンの管理していた宇宙要塞アクシズを急襲。そして、奪いとったアクシズを地球に落下させようとする暴挙に出ます」

ヒノキ「『逆シャア』で、シャアがやろうとしていたことを代わりにシロッコが行おうというのじゃな」

NOVA「で、敵はガンダム系の残りで、具体的にはデビルガンダム軍団を率いるウルベ・イシカワと、人工知能のMSやMA部隊を率いるロード・ジブリール、それにヤザン・ゲーブルですね。そいつらを倒した後でシロッコと戦うことになるのですが、シロッコ登場は次のシナリオで、ここでは無数のザコ集団と、それほど強くない中ボスたちを倒して終わり。最終決戦4部作の中では、内容的に一番つまらないザコ退治作業ゲームになってました」

ゲンブ「アクシズ落としというインパクトだけで、危機感は十分でござろうが」

NOVA「こう言っては何だけど、逆シャアアクシズ落としも、スパロボでは何度も再現シナリオが行われているせいで、マンネリ気味なんですね。今回の趣向は、シャアではなくてシロッコが主導しているのと、デビルガンダムを取り憑かせたデビルアクシズという過去ネタを再演したぐらいですか。スパロボにおけるアクシズ落としネタの系譜は、ざっと以下の通り」

 

  • スパロボF完結編(1998):記念すべき初アクシズ落としは、クローン復活したパプテマス・シロッコの仕業だった。総帥シャアが初登場した新スパロボ(1996)では、異星人と結託したシャアはアクシズ落としを行なっていない。また、それ以前はアクシズが敵の重要基地になったりして、クライマックスの舞台になることもあったが、地球に落下させる作戦で使われるのはコロニーが主になっていた。第3次スパロボでは異星人インスペクターがコロニー落としを予告して、サイド1のシャングリラを襲撃(こちらの抵抗によって未遂に終わる)。第4次スパロボでは、ハマーン率いるノイエDCがコロニー落としを狙ったが(0083再現シナリオ)、阻止限界点に至る前に止めることができた。そしてF完結編のアクシズ落としは、最終的にイデの力によって消失する。そこに至る前に、νガンダム以外のスーパーロボット軍団がアクシズを押し返そうとするクライマックスが見どころネタ元の一つ(◯◯は伊達じゃない)。「ガンバスター真ゲッターがいれば、アクシズなんて簡単に破壊できるのでは?」というツッコミも。
  • スパロボCOMPACT(1999):ダイターン3のドン・ザウサーがアクシズを落とそうとするのを止めるのが終盤の大イベント。
  • スパロボ64(1999):物語終盤で、それまでクワトロだったシャアが突然、敵になって逆襲を始める。そして初めて原作どおりに自らアクシズ落としを敢行するのみならず、デビルガンダムと融合させてデビルアクシズに仕立て上げる。つまり、スパロボYにおけるシロッコのやってることは、シャアの二番煎じというわけである。ともあれ、今回のアクシズネタは、F完結編と64を足して2で割った形。懐かしくはあるが、斬新ではない。
  • スパロボCOMPACT2(2001)およびIMPACT(2002):21世紀初のアクシズ落としは、64同様にこれまで味方だったクワトロが逆襲して敢行。しかも、仲間にしていたガトーまでシャアについて行く。1つの作品内でクワトロが裏切って、最後に逆襲するスパロボは64と本作だけであるが、これ以降ずっとクワトロは裏切りを警戒されることに。ともあれ、逆シャアシナリオは、本作では合計ターン数が一定以下でプレイできる隠し最終シナリオ(2話分)になっている。
  • スパロボA(2001):ここではオリジナルボスのヴィンデルが最終戦アクシズを落とそうとするも、オリジナル主人公に阻止される。
  • スパロボR(2002):序盤の逆シャアシナリオで、地球に落とされそうになる。主人公たちが過去に時空転移したため、ロンド・ベルの旗艦ラー・カイラムが撃墜された後、アクシズ落としが成功したかどうかは不明。
  • 第2次α(2003):同シリーズのα、およびα外伝でクワトロだったシャアが逆襲して、アクシズ落としを展開。この時期、毎年落とされそうになるアクシズが不憫でなりません。
  • スパロボD(2003):邪魔するはずのアムロとブライトさんを監禁して、シャアがとうとうアクシズ落としを成功させるか!? と思いきや、突如の地球消失という事態に作戦失敗。何だか想定外の地球のピンチに、シャアが方針転換、アムロとブライトさんに支援要請して、地球を守るために戦う指導者としてのシャア総帥が初登場。シャアに新しい未来が生まれた記念作である。シャアのネオジオンおよびギュネイとクェスが終始味方であるというレアな構図は、スパロボYに踏襲された。
  • スパロボOE(2013):10年間、アクシズ落としは休眠ネタになってました。理由は、宇宙世紀ガンダムよりもSEEDなどのアナザーガンダムが採用されることが多くなり(J以降の携帯機)、αシリーズ終了後のZシリーズで逆シャアシナリオを展開したのは2014年までかかったから。そして、OEではギレン・ザビによるアクシズ落としが行われて、『ケロロ軍曹』のアンゴル=モアによるアクシズ破壊に至るという驚愕展開。意外性という意味では、DとOEが群を抜いていると思う。
  • 第3次スパロボZ 時獄篇(2014):2008年から始まったZシリーズも、最終2部作でようやく逆シャアシナリオに入った。それまではZガンダム主流の物語でシャアはクワトロとして自軍にいたのだが、第3次Zでついに総帥になった……と思いきや、アクシズ落としを企てたのは、『ガンダムUC』のフロンタルの仕業で、シャア総帥はそれを止めるべく自軍に協力する流れ。今作のアクシズは、大特異点であると設定されて、Zシリーズの目的である時空修復の鍵になっている。ゆえに破壊困難だし、下手に破壊すると時空修復もできなくなるという状況で、アクシズスーパーロボット軍団で押し留めながら時空修復に励むというクライマックス。Dに続いて、味方になる総帥シャアが見られたことに感じ入る、と。
  • 第3次スパロボZ 天獄篇(2015):前作でアクシズは消滅したものの、自軍が黒歴史の端緒となる過去世界に飛ばされて、アクシズ落としの現場に立ち会うことになる。後付けながら、アクシズショック(シャアのアクシズ落としと、νガンダムサイコフレームの共鳴現象による奇跡)を、スパロボお馴染みの混迷世界の起源の一つに設定するのは、面白いと思った。
  • スパロボT(2019):Zシリーズに次ぐVXT3部作では、3作めのTでアクシズ落としを再現。今度はオリジナルボスと『ガンXソード』のカギ爪が地球を滅ぼすべくアクシズを落とそうとするのを、シャアとハマーンが共闘して阻止しようとする展開。そして、アクシズDG細胞に侵食されていて、うかつに破壊しようものならDG細胞の破片が地球中に降り注ぐ……という設定はそのままスパロボYに踏襲された。
  • スパロボDD(2019〜):いろいろと変化球を披露したアクシズ落としですが、DDの第1章ラストでは久々にシャア総帥による王道アクシズ落としイベントが見られました。第2次α以来の快挙ということになるかな。
  • スパロボY(2025):前作30(2021年)では、逆シャア後の世界で、再びクワトロに戻ったシャア総帥がことあるごとにアクシズ落としの大罪を責められた話になっていたが、こちらではシャア総帥がアクシズ落としをする前にゼロ・レクイエムの事件が発生して、シャアは憑き物が落ちたように地球連邦との戦争を中断。宇宙の平和のために頑張る「きれいなシャア総帥」として、味方勢力のネオジオンのリーダーを務めることに。敵か味方かで、いつもドキドキさせる総帥シャアだけど、ラスボスあるいはそれに準じる大ボス扱いだったのは、1999〜2003年の限られた時期のみ。まあ、DDで敵シャアの姿を久々に見せたけど、2章以降で再登場した後は味方ライバルの位置づけに。そして、シャア総帥が味方になると、暗躍するシロッコの影……という展開になりつつも、DDは展開が遅いので、先にスパロボYで「暗躍するシロッコ」ネタを結論づけた、と。ともあれ、スパロボ史で初めてアクシズ落としを行なったのはシロッコで、初めてデビルアクシズを用意したのが総帥シャアであるという事実を再確認した、と。

 

ヒノキ「つまり、今回のアクシズネタは、何の新要素もない過去ネタの流用でしかないわけじゃな」

NOVA「ええ。その意味では、ガンダムのボスキャラ決戦シナリオにも関わらず、プレイヤー的な盛り上がりが薄かったですね。役者が、原作終了後の復活ウルベと復活ジブリールで、いずれも『前に負けた奴がしつこく出張ってきて、何の成長もない小物ボスに成り果てた』と自軍から散々バカにされる始末。まあ、原作でもその2人は醜態をさらした小物扱いでしたから」

シロ「Gガン最大の大物は東方不敗師匠で、デスティニー最大の大物はデュランダル議長でしたからね」

NOVA「師匠は自軍に参加したし、議長は前の戦いで死んだけど、同じ声の人(シャア総帥)は味方だし、言わば大物ボスと仲間たちが小物ボスを成敗する話。アクシズは地球の危機感を演出する背景でしかない、と」

 

新世界へ(84話)

 

NOVA「そんなわけで、小物ボス率いる無数のザコメカ(HPは1万5000と高いので、ひたすら面倒なマップではあった)を殲滅させた後*1、ボスのシロッコがいよいよ登場して、シナリオ仕切り直しです」

ヒノキ「今回のガンダム勢でのラスボスじゃな」

NOVA「スパロボ史におけるガンダムラスボスの系譜は、ギレン、シロッコハマーン、総帥シャア、トレーズ&ミリアルド(ゼクス)、フロスト兄弟、ギンガナム、クルーゼ、リボンズといったところですかね」

ゲンブ「Gガンダムのウルベはラスボスではござらんか?」

NOVA「いや、Gガンのラスボスはデビルガンダムで、ウルベが乗っているのはグランドマスターガンダムだから、スパロボでは微妙にラスボスになりきれないんですよ。原作でいうところの前座ボス。ラスボスを名乗るには、こいつを倒して戦いが終わった描写が必要です。あと、デスティニーの議長は物語上のラスボスなんだけど、機体には乗らずにイベント処理されるので、スパロボのゲームではラスボスとして扱われない。また、ギレンは原作で機体に乗らないけど、スパロボの初期作では空母ドロスに乗って、自軍に倒されるボス扱いとして登場したこともあるので、大物ボスとして戦ったこともある、と」

シロ「ところで、F91のカロッゾ・ロナや、クロスボーン・ガンダムクラックス・ドゥガチはどうなんですか?」

NOVA「そいつらはクロスボーン・バンガードや、木星帝国の大ボスなんだけど、ザンスカールのフォンセ・カガチと同じで、スパロボという物語のラスボスにまではなってないんだよな。作品そのものが他の宇宙世紀ガンダムのおまけみたいに扱われて、割と扱いが格下。カガチは戦闘要員ではなくて、前線に出てくるクロノクルやカテジナさんの方がボス扱いだし、カロッゾはDCのラストバタリオンとか、秘密部隊の長扱い。ドゥガチは第2次αやスパロボVに登場しているが、前者はシャアと結託したために扱いが一段下、後者はガミラス軍に再生されたクローンだからなあ。スパロボでのラスボス格とは程遠い」

ヒノキ「シナリオボスではあっても、物語全体のクライマックスボスではない、と」

NOVA「大体、版権キャラがラスボスというケースは稀で、それを果たしたのは、初代スパロボのギルギルガン(劇場版グレートマジンガー)、第3次スパロボおよびF完結編のシロッコ、F完結編の別ルートのシャピロ(ダンクーガ)、新スパロボのデビルガンダムパイロットはキョウジだったり、レイズナーゴステロだったり)、COMPACTのドン・ザウサー(ダイターン3)、64およびIMPACTの隠しラスボスの総帥シャアぐらいですね。あとは完結編でないFの最終マップでハマーン・カーンが大ボス扱いですか」

シロ「他は、スパロボオリジナルキャラがラスボスで、版権作品はラスボスとの決戦前のシナリオで決着が付けられる、ということですね」

NOVA「版権ボスを一通り倒した後で、最後に出現した諸悪の根源として物語を締めくくるべく倒されるのがラスボスの仕事。オリジナル主人公と、オリジナルラスボスが対峙して物語テーマも含めて総括されるのが21世紀スパロボが確立した構図。だから、版権キャラがラスボスを担うのは、ほぼ旧世紀で、オリジナル主人公もあまり確立されていない頃合いです。その頃には、物語テーマというのも特になく、単に『ロボット大集結のお祭りゲーム』以上の作品ではなかったですから」

ヒノキ「その中で、Zガンダムのラスボスであるパプテマス・シロッコは、ラスボスクラスの大物として持ち上げられた過去もあり、今作でも大ボス扱いということじゃな」

NOVA「ただ、シロッコは2008年のスパロボZを最後に、ほぼ登場しなくなっていたんですね(ソシャゲのXΩやDDを除く)。だから、今回のシロッコは17年ぶりの登場ということになります。どうして生きていたのかは、ダンバインのドレイクたちと同様、結局、謎なんですが、時空がいろいろと乱れている世界なので、どこかの並行世界から紛れ込んでいたのかな、と」

ヒノキ「テキトーじゃな」

NOVA「まあ、味方のエマさんが最大の謎なんですけどね。確実に言えるのは、シロッコがかつてカミーユに殺された際に、その魂をバイストンウェルに放逐した挙句、カミーユの魂が現世に戻って来たから、シロッコも復活してもおかしくないという話。冷静に考えたら、それはおかしいだろう、とツッコミ要素になりますが、そこにツッコミを入れると、我々は東方不敗マスターアジア大師匠の荒唐無稽な復活エピソードにもツッコミを入れなければいけなくなるし、何だかんだ言って、シロッコが大物であることは否定できないわけですね。ゲーム中では、自軍からボロクソにこけ下ろされていましたが。たぶん、過去最悪クラスにシロッコの尊厳が破壊されております」

ゲンブ「どういう風に、でござるか?」

NOVA「ここでシロッコは総帥シャアを、原作アニメでクワトロを小バカにするような感じで、見下すんですね。ニュータイプのなり損ないみたいにバカにした後、『ラー・ヴァルから聞いた本来の歴史なら、お前がアクシズを落とすはずだったのが、お前は歴史に抗った愚か者だ。だから、お前に代わって、私がアクシズを落としてやるのだ』と発言。どうやら、このゲームのシロッコ特異点であるシャアに嫉妬して、自らシャアを模倣して特異点になりたいらしい」

シロ「シロッコがシャアに嫉妬するというのは新しい解釈ですね」

NOVA「実のところ、シロッコがクワトロでない総帥シャアと対峙したスパロボって、今回が初なんだよな。歴史上、シャアが逆襲するのは、Zガンダムグリプス戦役以降の話だし、シロッコが死んだ後でシャアは総帥になる。すると、復活したシロッコは自分がかつて見下したシャアが歴史上重要な人物として持ち上げられたのが悔しい、という話になる」

シロ「そういう俗人的な感情とは無縁なのがシロッコだと思ってましたが」

NOVA「本人もそれを自覚していなかったようだが、自軍にその点を厳しくツッコまれて、ぐぬぬってなるんだな。シロッコにしては珍しく」

ヒノキ「シロッコというのは、達観した上から目線で他人を見下すキャラだったはず」

NOVA「要するに、アクシズ落としを糾弾されて、『それは元々、シャアが行おうとしていたことだ』と総帥シャアに罪をなすり付けるんだ。それに対して言い返すことのできないシャアをカミーユが擁護する構図。『この世界のシャアは、別の未来を志向しているのだから、お前なんかに詰られる謂れはない。いつまでも過去に囚われて、新しい未来を描けないお前みたいな者がいるから、戦争は終わらないんだ。この世界からいなくなれ』ってノリで、シロッコに暴言むき出しの挑発を行う聖戦士カミーユという構図。

「さらに、他の仲間も、『女を利用して、裏から操るだけで責任を取ろうとしないのはアマンダラと同じ』とか、『自らを天才と見なしているけど、友だちのいないボッチ』とか、言われたい放題のシロッコさんが本当にお気の毒」

ゲンブ「それでも、シロッコ殿は本当に天才なのでござろう?」

NOVA「イヴォルバーの文明を解析し、DG細胞と、ポセイダルのバイオリレーションシステムを融合させることで、自らの機体であるジ・Oに無敵結界を張り巡らせる程度には。天才技術者であることは間違いないが、政治家として天才であるとは思えない。どこまでいっても策士ではあり、パイロットとしても天才ではあるが、裏方や参謀にはなれても、トップとして人々を情熱的に引っ張るカリスマ性は持たないんだよな。義理人情とは無縁で、機械のように冷徹な合理性はギレン・ザビにも似ているが、ギレンほどの大義理論武装するには至っていない。一本の筋とか思想性で人を惹きつけることはできずに、そういう部分をはぐらかすことでミステリアスに見せるのが彼の処世術。表に立つと、どんどんボロが出てくるようだ」

ヒノキ「シロッコの人となりはそれぐらいにして、ゲーム的にはどうなのじゃ?」

NOVA「シロッコの周りには、前シナリオ同様、AI制御のMS・MAと、DG細胞の汎用ザコがいっぱいです。そして、拉致したイザナをコアにしたデビルガンダムがボスキャラの一つ。デビルガンダムを倒してからでないと、ジ・Oにダメージを与えることができないので、デビルガンダム撃破→ジ・Oの順で倒すことになります。そして、女の子を人質みたいに扱うことで、ますます小物評価を受け取ることのできるシロッコに対し、株価が上昇する天帝機が出現します」

シロ「天帝が、この戦場に何をしに来たのですか?」

NOVA「自分ところのミスで、解放したイザナがシロッコごときに拉致されたから、責任を果たすべくイザナ救出作戦に協力してくれるらしい」

ヒノキ「ほう。さすがは天帝、共に小悪党のシロッコを成敗してくれるんじゃな」

NOVA「プレイヤーとしても、『え? 天帝機を期間限定で使えるの?』と内心喜んだんだが、エチカお嬢さま曰く、『お断りします。あなたの助けは借りません』とのこと」

ヒノキ「何と。断るのか!?」

NOVA「エチカ曰く、『私たちの力を見くびらないでください。あなたに助けてもらわなくても、これぐらいの局面は打開してみせます。そうでなければ、未来を変えて、新たな世界を作ることなんてできませんから』とのこと」

ヒノキ「う〜む、ラスボスが協力してくれると言うのに、それを拒むとはのう」

NOVA「ここで下手に恩義を受けると、来るべき決戦で倒すことができない、との気持ちもあるんでしょうね。とにかく、天帝が介入しようとして、それを拒んだことで、シロッコの小物ぶりがますます浮き彫りになるという、このストーリー展開に笑えました。天帝も、エチカも、誰もシロッコを脅威と思っていないという事実」

ゲンブ「プレイヤーはどうでござるか?」

NOVA「シロッコ? 昔は強かったよね。何だか懐かしい。今? う〜ん、ゴジラ様ほどじゃないから1ターンもあれば、余裕で撃退できるでしょう」

シロ「そんなに弱いんですか?」

NOVA「正直に言えば、この辺のマップは大勢のザコが面倒なだけで、ボスキャラは割と簡単に沈めることができるんですよ。もちろん、自軍の戦力をそれほど鍛えているってこと前提ですが」

ヒノキ「ならば、デビルガンダムからイザナを助けて、その後で、シロッコを瞬殺したということでいいのじゃな」

NOVA「たぶん、今まで相手してきたジ・Oで、最も弱いという印象でした。なお、シロッコを撃退後に、原作アニメ同様、カミーユの魂を再び連れて行こうとするイベントがあるのですが、今回はシャアが『そうはさせん』とプレッシャーをかけてシロッコを牽制、カミーユを救出して感謝されるようになってます」

ゲンブ「原作アニメの悔恨を、シャアが晴らすという素晴らしいイベントでござるな」

NOVA「そして、シロッコの魔手から地球とイザナを救ったエーアデント。その勝利を見届けた天帝は、見事だと言って、最後の決戦の約束をして立ち去る、と」

ヒノキ「いよいよ、長い物語も終局を迎えるのじゃな」

(当記事 完)

*1:唯一、大物扱いで演出されたのはヤザン。戦いが好きな狂犬として演出されて、かつての仲間だったトッドやギャブレーが手を差し伸べても、戦いの中で華々しく散ることが本望といって、脱出装置を使わずに爆発する。立ち位置としては、暗黒大将軍やガルーダと同じ散り様を見せた。原作アニメでは死なないのに、スパロボでは在庫処分的に退場しがち。でも、実は生きていて再登場してもおかしくはないキャラです。今回のガンダム勢では、名あり前線パイロットとして孤軍奮闘してたなあ、と。大塚芳忠キャラとして嫌いじゃない。