煌びやか通路を去る前に
GM(ヒノキ)「煌びやか卿アー・ヌルチェとの実りある会食会を終えたお前たちは、★1つを得て、そのまま奴隷購入の手続きに移ることになった」
G太郎(ゲンブ)「うぉおお、コヨミちゃん。おのれ、グレムリン、許すまじ(涙目)」
GM「って、YouTube配信の仮面ライダーウィザードのネタはもういいから」
G太郎「しかし、アリナ様。これほどの悲劇に接して、泣くなというのが間違っているでござる。今回ばかりは、プレイに集中することは不可能。マッスルG太郎抜きで進めてくだされ」
GM「バカ者。お前はお笑い芸人の道を選んだのではなかったのか。ピンチはチャンス。世界を救うために自己を犠牲にする。ビースト仁藤の道こそ、ヒーローの王道と知れい。その涙で何かが救えるか? みんなの笑顔のために戦うのが、平成ライダーのクウガの道ではないのか?」
G太郎「ハッ、そうだ。クウガだ。ウィザードが悲劇になっても、我にはまだクウガが残っている」
GM(しかし、今夜のクウガもギノガの毒で主人公の五代雄介が昏睡状態になったまま、次週に続く、とは今はまだ言えんのう)
ホリー(シロ)「とにかく、ゲンブが今さらながら平成ライダーに感情移入しすぎて情緒不安定な現状、ボクたちが頑張らないといけないようだな、リトル」
デル(リトル)「そうですねぇ、シロ姉さん。今回はデル&ホリーの魔神ハンターコンビでプレイを進めますので、ゲンブ師匠はダイスだけ振って下さいぃ」
G太郎「かたじけない。ではバトルになるまでは、このゲンブ、しばらく温泉に浸かり、涙と汗を洗い流してくるでござる(しばし退場)」
GM「やれやれ。久々に涙もろいゲンブを見たものよ。とにかく、奴隷購入に使える費用は2000ガメル。これで買える奴隷は、ダークドワーフの女1人、コボルド1人、人族の若い女1人、人族の年寄り2人、あるいは人族の子供2人のいずれかじゃ」
ホリー「だったら、人族の若い女に決定だな」
デル「何でですかぁ? 人族の子供なら2人買えますよぉ」
ホリー「だったら、両方の意見を混ぜて、人族の女の子2人にしよう」
デル「結局、女の子限定なんですねぇ」
ホリー「今回のミッションの依頼主のビシャナさんは、『できるだけ可哀想で救いを求めていると思しき方』を求めていた。だったら、男より女が優先だろう。そうだな、ゲンブの心情を汲んで、女の子2人には、ミサとコヨミと名前を付けて呼ぶとしよう」
GM「では、お前たちは、アー・ヌルチェからミサとコヨミ、2人の女の子を購入した」
ホリー「うん。ボク自身は、シロの魔法使いだし、真語(ソーサラー)と操霊(コンジャラー)の二系統から発展したウィザードの深智魔法も使えるからな。世界観的にも何となくリンクしているってことで」
GM「そうして、お前たちが奴隷販売所を出発しようとする間際になって、アー・ヌルチェがもう一つの情報をくれる。『そう言えば、人族の子供が別に1人、処刑遊戯場の供物として、売られて行ったなあ。今から助けに行けば、処刑の儀式に間に合うかもしれんが』」
ホリー「ボクたちに助けに行け、と?」
アー・ヌルチェ『さあな。強要はしないが、救える命があれば救いたいと思うのが、人族の流儀と聞く。蛮族ならば、弱者がどうなろうと知ったことじゃないと見捨てても、誰も咎めはせんだろうが(ニヤリ)』
ホリー「この男、ボクたちの正体が人族だと見抜いている?」
GM「それは知らんが、とにかく処刑遊戯場に行けば、ハルトという少年を救えるかもしれんぞ」
子供を守るために
ホリー「帰りの旅程だけど『亡者の神殿→騎獣調教所』までは確定として、その後で一度、子どもを宿に預けるか、直接、処刑遊戯場に向かうかの二つの選択肢があるわけで」
デル「女の子2人を連れて、処刑遊戯場に出向くのはどうかと思うけどなぁ」
ホリー「確かに、ミサなら喜んで処刑遊戯を見物するかもしれないけど、コヨミにはそういう残酷な競技は見せたくないなあ」
GM「別にミサと言っても、ファントムのメデューサと同じ性格とは限らんのじゃが」
ホリー「あ、そうか。むしろ、ファントム化する前の優しいお姉ちゃん人格のミサかもしれないな。処刑遊戯を見せられて、その残酷さに絶望してファントムになるのかもしれない」
デル「とにかく、子供たちを連れて、処刑遊戯場でオラたちが戦うのは情操教育にも良くないから、一度、宿に連れ帰るぅ。ハルトを助けるのは、その後ってことでぇ」
GM「仮面ライダーの話をしているのか、ソード・ワールドの話をしているのか分からなくなって来たが、そもそもこのリプレイシリーズは最初から、腹筋崩壊太郎ロスをきっかけに始まった面もあるからのう。読者の面々は、そういうネタもタイムリーに許容してくれるものと期待しよう」
9日めの昼。
ミサとコヨミ、2人の幼い少女を連れた烈火団の一行は、亡者の神殿区画を通過する。
そして、蛮族と肩がぶつかるランダムイベントが発生。
プレイヤーが退出中のG太郎に幼な子の護衛を任せ、デルとホリーの2人で対処しようという流れになった。
出現する蛮族は、彼らの平均レベル3に合わせて、ボガード1体(同じくレベル3)のみ。
先制を許し、ホリーをかばったデルが連続攻撃を受けて7点のダメージを負うものの、反撃で13点のダメージを与える。さらにホリーは攻撃を外したものの、イノセントが運命変転で攻撃を命中させて、11点のダメージを与えて戦闘終了。
戦利品は、意匠を凝らした武器(150G)をゲット。
デル「受けたダメージは、【キュア・ウーンズ】で問題なく回復だぁ」
ホリー「すまないな。ボクが先制をとれたらノーダメージで1ラウンドキルできたんだが。イノセントがいなければ、それすらままならなかったし。ボクは未熟だ」
デル「ホリー姉さんをかばうのがオラの仕事だし、怪我を回復するのもプリーストの仕事だぁ。助け合うのが仲間なんだし、オラは自分の仕事をしただけなんだから、いちいち気にするなよぉ」
ホリー「ああ。この借りは必ず返す。約束だ」
GM「最近は、某小説家の影響で、約束が流行語になりつつあるのかもしれんのう」
9日めの夕方。
騎獣調教所を通過し、ランダムイベントはケンタウロス・タクシーが出たけど、目的地の物乞い市場が隣なので、軽いあいさつだけして別れる。
そして、夜が近づこうとしている時に……
GM「物乞い市場に向かうお前たちの前に、1体のアンドロスコーピオン(サソリ人間)が現れた。剣のかけら入りのレベル5蛮族。2部位モンスターで、上半身HPは39、下半身HPは38。銃による射撃と、サソリの尻尾による毒が脅威となる。本ミッションのクライマックスバトルの相手じゃ」
デル「こんなところで待ち構えていたのかぁ。てっきり、処刑遊戯場がクライマックスかと思っていたのによぉ」
GM「当ミッションにおける処刑遊戯場は、★や報酬が増えるだけの中間イベントに過ぎん。さて、アンドロスコーピオンは『悪いことは言わん。その奴隷の少女をどちらか一人、オレに寄越せ。腹が減ってるんだ』と要求する」
ホリー「人を食うと言うのか?」
サソリ男『弱肉強食なんだから当然だろう。腹を減らしたオレの前に、これ見よがしに奴隷を引き連れて歩いているのが悪い。だが、オレもワガママは言わん。一人でいいんだ。品物なら払う。100G相当のアイテムならどうだ?』
ホリー「この娘たちは、一人1000ガメルで買ったんだ。そんな端金じゃあ、少なすぎる」
デル「いや、姉さん。金の問題じゃないだろぉ? 人の命は地球の未来。燃えるレスキュー魂で、子どもは守らないとぉ」
そこへタイミングよくゲンブが帰ってくる。
G太郎(ゲンブ)「ふう、いい湯でござった〜。汗も涙もスッキリ流し、しかも年末のゼロワン映画に腹筋崩壊太郎が出演決定という噂も聞いて、憂さが晴れたでござるよ。マッスルG太郎、これより復帰する」
ホリー「おお、いいところへ来た。今、ミサちゃんとコヨミちゃんを守って戦おうとしていたんだ」
G太郎「何? ミサちゃんとコヨミちゃんだと? どういうことか説明するでござる」
GM「かくかくしかじかじゃ」
G太郎「なるほど、大体分かった。だったら、このマッスルG太郎が言えることはただ一つ。アンドロスコーピオンよ、お前は私を怒らせた。死ぬがいい(ゴゴゴゴゴ)」
結果、G太郎のファストアクション4回攻撃が発動。
コア部位である上半身に4発の蹴りを入れられ、24点、18点、19点、20点のダメージが炸裂(これでも低め)。
防護点6で減らしても57点も削られて、アンドロスコーピオンは敢えなく瞬殺された。
ホリー「すごい。まるで空条承太郎のオラオララッシュみたいな怒涛の連続攻撃。そこに痺れる憧れる〜」
デル「さすがは師匠だぜぇ。オラたちだったら苦戦するような相手を、こうもたやすく粉砕するとはぁ」
G太郎「フッ。ウィザードの原作では、悲劇に終わった少女たちだが、ゲームの世界では守り通すことができた。これぞスパロボマジックに匹敵するSWマジック。ミサちゃんとコヨミちゃんを、ビシャナさんのところに連れ帰って、ミッション終了でござる」
ホリー「いや、G太郎。ボクたちはもう一人、処刑遊戯場でハルトを助けないといけないんだ」
G太郎「どうして?」
ホリー「どうしてって、おい。蛮族に食われようとしているんだぞ。助けられるなら助けたい。それが人族ってものじゃないのか?」
G太郎「ハルトは、別に死んでないからな。いや、一回、死んだけど涙パワーでインフィニティーの力を覚醒させて復活した。なあに、ハルトなら大丈夫。主役なんだから、過酷なめにあっても希望を持って、自力で何とかするでござろう。我らが助ける必要はないはず」
GM「まあ、ハルトは助けなくても、ミッション達成可能なんじゃがな」
デル「師匠、だけどよぉ、ハルトを助けたら、解放軍の同志が一人増えるんだぜぇ。指輪の魔法使いが仲間になったら、心強いと思うんだけどなぁ」
GM「いや、当リプレイにおけるハルトは、まだ少年時代モチーフなので、指輪の魔法使いには覚醒しておらんのじゃが」
G太郎「おや、ハルトは子ども設定でござったか。それならば話は別。ガメラの眷属である我が、子どもを見捨てたとあっては、今は亡き湯浅監督に申し訳が立たん。先日はゴジラの日であったが、実のところ、今月11月27日はガメラ55周年記念というめでたき日。そんな月に、ガメラの名を貶めるような所業を我がするわけにはいかんでござる」
『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス 』予告篇+『ガメラ大怪獣空中決戦』 特報&予告篇
もはや、プレイヤー発言(ゲンブ)とキャラクター発言(マッスルG太郎)がごっちゃになっているが、プロの商業リプレイじゃないTRPGのプレイって、しばしばこういうものだよね(笑)
何にせよ、戦利品ゲットはしないといけないので、機械的に処理して、サソリの殻(50G)と毒針(100G)、黒鉄剣士勲章1個を取得。さらに名誉点16点を得た一行は、一度、ビシャナの宿屋へ、ミサ&コヨミを連れ帰る。
銀の蜜蜂
ビシャナ『女の子2人ですか。ミサとコヨミというんですね。確かに預かりました。これは報酬の当宿〈宿泊無料券〉5回分です』
G太郎「ここの宿代は、1人100G分のアイテムで割高でござったが、無料券1回でイノセントの分も合わせて400Gと換算するなら、合計2000G相当の報酬でござるな」
ホリー「買い物仕事の報酬としては悪くないけど、他に情報が手に入るなら嬉しいな」
ビシャナ『確か、ユリア・ミルドリスさんという方について、知りたがっていましたね。当方でも、あなた方の素性や行動について、それなりに調べさせてもらいました。その上で、相応に信頼できる方なのではないかと考えますが、奥の部屋でじっくりお話させていただいて構わないでしょうか?』
G太郎「従おう。私も〈銀の蜜蜂〉について聞きたいことがあるでござる」
ビシャナ『……すでに、そこまで聞き及びとは。さすがですね、マッスル太郎さん。仮面はもう付けないのですか?』
G太郎「……お互い、蛇の道は蛇ということでござるな。では、続きは奥の部屋で」
GM「それでは、宿の主人ビシャナ・ヨーヨーは、自分が反蛮族組織〈銀の蜜蜂〉の活動リーダーであることを明かすのじゃ。そして、お前たちが人族の密偵で、バルバロス・ブラッドの力で蛮族に化けていることも確認する」
デル「これ以上の情報を得るには、腹を割って話すべきなんだろうなぁ」
G太郎「レジスタンスと関わり合いになるのは、これが初めてではござらん。互いのスタンスを尊重し合い、適度な距離感を保てる間は、WinWinで付き合っていけるはず。少なくとも、私は地上でそうして来た」
ビシャナ『地上にも〈月夜蜂〉という組織があるそうですね。私たちとは一切関わりがございません。当方の方針としては、むしろ〈スエラの炎〉に近いかしら。蛮族に迫害されている方をこっそり助ける互助組織と思っていただければ』
G太郎「うむ。過激なやり方ではなく、非暴力、不服従の慈善活動を旨としているのでござるな」
ビシャナ『地上の密偵、ダーレスブルグのユリア・ミルドリスさんも一時期、私たちの協力者として活動されておりました。だけど、半年ほど前に深層階を調べに行ったきり、行方が分からなくなっています。ユリアさんは出発する直前に、ソニア様と話をされていましたから、詳しい話はそちらで聞けばよろしいかと』
ホリー「そのソニア様とやらには会わせてもらえるのか?」
ビシャナ『お望みなら、会見の手はずを整えましょう。紅の水魔ソニア・ゾラ様は、物乞い市場の守り役として、私たち〈銀の蜜蜂〉の後ろ盾にもなってくれる方。蛮族でありながら優しく寛大な方で、この弱肉強食の世界で私たちが無事に過ごせているのも、彼女の力があってこそ』
G太郎「煌びやか卿といい、そのソニア様といい、蛮族の中でも上に立つ者は意外と話の通じる者が多いでござるな。そのソニア様の種族は何でござろうか?」
ビシャナ『スキュラですわ』
デル「スキュラって、どういう種族だぁ?」
GM「8レベル蛮族で、女性の上半身と、タコのような触手12本の下半身を持つ水棲のモンスター。物乞い市場の中央広場にある井戸の中を住処としておる」
G太郎「なるほど。そのソニア様に会って、またいろいろ話を聞くことで、ストーリーが展開するのでござろうが、今は他にするべきことがある。処刑遊戯場に行ってハルト少年を救わねば、めでたく第1部完という気にはなれん。〈銀の蜜蜂〉との交渉は、第2部に回すとしよう」
GM「では、ビシャナの依頼はこなして、★1つを進呈するが、正式なミッションクリアはハルト救出をもって締めくくるとしよう」
処刑遊戯場へ、再び
9日め深夜。
肉の穴に戻る途中で、暴走幻獣サンダーバード3体を見かけるが、さすがに5レベルで3部位を持ち、雷鳴による範囲攻撃を持つ相手に挑むのは自殺行為と判断した一行は、やむなくスルーすることを決断。
拠点に帰り着いて、一晩過ごしている途中で、蛮族ケンタウロス・インペイラーが夜襲を仕掛けて来る。それをG太郎のファストアクション4回蹴りで瞬殺し、槍(50G)と真鍮戦士勲章2個を入手。
朝方にも、襲撃するインペイラー。同じく瞬殺し、今度は槍(50G)と黒鉄剣士勲章1個を入手。
結局、ゆっくり睡眠できたのは10日めの昼になるのだった。
G太郎「こんなことだったら、宿賃を削らずにビシャナさんのところで休ませてもらうべきでござった。2tbを無駄に浪費したでござる」
GM「肉の穴での休息は無料とは言え、3分の1の確率で蛮族の襲撃を受ける仕様じゃからのう」
ホリー「この間、倒した追い剥ぎインペイラーの残党に恨まれているみたいだな」
デル「6レベル蛮族が1体だけだから師匠が瞬殺できているけど、連続で波状襲撃を掛けて来られると休息が取れないので、ジワジワ追いつめられそうな気がするぜぇ」
G太郎「ともあれ、今から処刑遊戯場に向かうと夕方になるでござる。ハルト少年の安否が気遣われるので、急いで行くとしよう」
ホリー「よし、行くぞ。イノセント」
イノセント(おお、ヒンソンとっちゃんに気合い入れてもらったので、ヤル気満々だぜぇ)
10日めの夕方。
本来なら、東の処刑遊戯場に到着するはずだったのが、暗視も効かない魔法の暗闇に包まれて道に迷った結果、北の物乞い市場に出てしまう。
10日めの夜。
東の騎獣調教所に向かう途中で、人族の密偵と遭遇。
登場したのは、オーガの姿をしたニコ・シュナウヘア。その正体は、デルたちと同じルキスラ帝国出身のナイトメアであった。
彼は、霧の街の防空施設や翠将ヤーハッカゼッシュについて探っているのだが、残念ながらデルたちもそれを知らないので、情報交換が成立しない。
互いの幸運を祈りながら別れを告げ、先を急ぐ。
10日めの深夜。
南の処刑遊戯場に向かう途中で、さらにランダムイベント発生。
山賊の首領(レベル4)3人に追われるダークドワーフ1人と遭遇。
ダークドワーフ『お願いじゃ。わしを助けてくれ』
G太郎「助けたら、解放軍の同志になるでござるか?』
ダークドワーフ『もちろんなる。奴隷の身から解放されるなら、喜んで軍に身を投じるなり』
山賊たち『何だと? お前たち、解放軍の手の者か? すると、肉の穴に怪しい動きがあるという噂は本当だったのか?』
G太郎「それを知った以上は、生かしておくわけにはいかないようだ」
例によって、G太郎の4回攻撃が2人の山賊を瞬殺。
デルは攻撃を外すものの、ホリーが15点ダメージ。イノセントが運命変転を使用して命中させたものの、7点ダメージしか与えられず。
山賊はイノセントを狙うものの、イノセントは奇跡的な回避を見せ(出目11)、続くラウンドに移る。
ホリーが11点ダメージを与え、イノセントとデルは外した挙句、G太郎がとどめを刺した。
戦利品は銀貨700枚と、真鍮戦士勲章1個と、黒鉄剣士勲章2個。
GM「え〜と、今回の敵は悪党表に基づく遭遇で、本来は人間の山賊という設定じゃが、蛮族の土地で人間の悪党と戦うのも不自然なので、ほぼ同じデータの雑魚蛮族として処理させてもらった。まあ、山賊ボガードとでも思っていただければ良かろう」
G太郎「了承したでござる。さて、助けたダークドワーフでござるが、普通のドワーフとはどう違うのだろうか? やはり、肌の色が黒いのか?」
GM「逆じゃ。ずっと地下暮らしで日に当たらないので、ラクシアのダークドワーフは色が白いという設定になっておる。炎武帝グレンダールを信仰し、蛮族側に付いたドワーフということで、本家のドワーフからは裏切り者扱いもされておる。黒炎という業火を操り、独自の鍛治術を誇る他、このミストグレイヴではハンマーを使った【ソソ破皇戦槌術】という武術を伝授することもできる」
デル「グレンダールの信徒ということは、オラとは話が合いそうだなぁ。武術にも興味があるしぃ。ハンマーってことは、メイスではダメなのかぁ?」
GM「武術データは後で見て、じっくり検討するがいい。ともあれ、ダークドワーフの彼は、お主たちに礼を言うと、自分は処刑遊戯場の供物にされそうになったところを必死で逃げて来たと言う。自分の他に、人間の年若い少年も殺されそうになっていた。できるものならば、一緒に連れて逃げたかったが、自分一人だけ逃げるので手一杯だった。お主たちの強さを見込んで頼みがある。その少年を助けてやってはくれんだろうか? と縋るように頼むわけじゃ」
G太郎「念のために聞くが、このダークドワーフの名は?」
GM「ランダムイベントに登場するキャラで、本来、名はないのじゃが、今回はウィザードつながりでNPC名が決まっていく流れなので、職人のおっちゃん……ということなら、ワジマが良かろう。お願いじゃ、ハルトを助けてやってくれ、とワジマのおっちゃんが訴える」
G太郎「ワジマのおっちゃんの頼みだったら、喜んで聞き入れるでござるよ」
ホリー「元々、ハルト少年を助けに行くつもりだったしな」
デル「オラたちが、最後の希望だぁ」
ハルト救出
G太郎「さて、ここに来るまで思ったよりも時間が掛かってしまったわけだが、ハルト少年はまだ無事だろうか? サバトの儀式はまだ始まっていないでござろうか?」
GM「別に、サバトではないのじゃが、ワジマのおっちゃんが逃げ出す騒動があったので、予定がずいぶん遅れているようじゃのう」
G太郎「ところで、ワジマのおっちゃんをここに連れて来て良かったのでござるか?」
ワジマ『構わん。無我夢中で逃げたはいいが、やはりハルトを見捨てて一人だけ生き延びたりしちゃ、グレンダール様に申し訳が立たんからな。わしの代わりに、ハルトが助かるように、手続きを頼んでくれんか?』
G太郎「手続きか。だったら、辺りを見回し、顔見知りの蛮族Aがいるのだろうと見当を付け、呼びかける。『おい、バルバロスA。聞いているんだろう? 早速、烈火団の試合の段取りを進めてくれ』」
蛮族A『ほう、さすがだ、マッスルG太郎の旦那。もしかすると手遅れになるかも、とドキドキしましたが、ギリギリ駆けつけてらっしゃいましたね。こうなることは予想して、いつでも試合に参加できるよう、手は打っております』
G太郎「ずいぶん、手回しがいいな。お前に、そんな機転と力があったとは驚きでござる」
蛮族A『筋書きを考えたのは、オレじゃありません。煌びやか卿の差し金って奴でして。オレは卿の命令に従って動いているだけに過ぎません』
G太郎「すると、私の情報を卿に知らせたのも、お前だったのか」
蛮族A『それがオレの仕事ですから。とにかく、卿は旦那が子どもを助ける義侠心と度胸を持つ強者か、それとも自分の身の可愛さを優先して危険に背を向ける小物か、確認したがっていました。だけど、旦那は時間内にここに駆けつけて来た。オレの見込んだ通りの漢ですよ。さあ、煌びやか卿に良い報告ができるよう、これからの試合にも勝って下さい。そうすれば、旦那を卿に紹介したオレの株も上がるってもんですから』
G太郎「……煌びやか卿アー・ヌルチェというのは、ずいぶん回りくどい手を使う男のようだな。まあいい。私としては、戦いに勝って少年を助けるのみだ。試合の手続きをよろしく頼む」
蛮族A『へい。健闘を願っていますぜ、旦那』
GM「そういうわけで、以前にシャドウ族の密偵カレンを助けた時と同様に、試合開始の運びとなるわけじゃ。前に戦ったのは、ゴブリンシャーマンとゴブリン2体じゃったが、今度の相手はボガードトルーパーとボガード2体。本来はボスキャラ戦ではないはずじゃったが、結果的に第1部のラスボス戦になってしまったので、トルーパーには剣のかけらを入れ、さらにルミエルレガシィ所収のトレジャードロップルールで強化を施してある」
G太郎「ルミエルレガシィ? エピックトレジャリーの最新ルールではなくて?」
GM「エピックトレジャリー所収のルールは、詳細に魔物の強化が図れるようになっているが、選択肢が多すぎて事前準備が必要そうで、とっさのアドリブには使いにくい。要は、ボスキャラが瞬殺されなければ良いのであって、それならHPを向上させるだけのルミエルレガシィ版で十分と判断したまでじゃ。とにかく、この戦いにおけるボガードトルーパーは、本来、HP32点のところを、剣のかけらで25点、トレジャードロップで30点加算され、HP87点を誇るタフガイとなっておる」
G太郎「さすがに、それだと1ラウンドキルというわけには行かなそうでござるな」
●バトル開始時の状況
ボガードトルーパー(HP87/87、MP22/22)
ボガードA(HP21/21)
ボガードB(HP21/21)
G太郎(HP48/48、MP25/28)
デル(HP28/28、MP21/21)
ホリー(HP21/21、MP18/21)
イノセント(HP39/39)
GM「それでは、魔神ハンター第1部最終戦を開始する。まずは、魔物知識判定と先制判定を行うがいい。弱点値はボガードトルーパーが15、ボガードが13、先制値は11となっておる」
G太郎「魔物知識はトルーパーが弱点を見抜いて、ボガードの方が失敗。先制は問題なくとったでござる」
GM「ならば、トルーパーの弱点が土属性ダメージ+3だと分かった」
G太郎「では、トルーパーに命中判定を4回するでござる。【マッスルベアー】【ガゼルフット】【キャッツアイ】を入れてMP9点消費しつつ、命中値は24、19、19、20。当然、全部当たりでござるな」
GM「おっと、今回はわらわがダイスを振るのじゃ。一応、6ゾロが出ないと避けられんのじゃが……4、11、11、10。惜しいのう」
G太郎「アリナ様のダイス目は恐ろしい」
GM「それとついつい宣言を忘れがちじゃが、SW2.5では戦闘前の事前準備で防御系の呪文や練技などは先に掛けておくことができるのじゃな。防護点アップの【ビートルスキン】を戦闘開始時に使っておくぞ。これで防護点は7から9に上昇する。さあ、ダメージを寄越すといい」
G太郎「24点、21点、22点、18点でござる」
GM「では、防護点9点を減らして、15、12、13、9で合計49点ダメージを受けて、残りHPは38点。これだと、あと2ラウンドは戦えそうじゃのう」
デル「次はオラの番だぁ。ホリー姉さん、かばう必要はあるかぁ?」
ホリー「いや、こいつらは連続攻撃があるからな。一人に攻撃が集中する方が危険だ。ボクが回避すれば問題ない。デルはボガードAを、ボクとイノセントはボガードBをそれぞれ倒そう。トルーパーはG太郎に任せるにしても、ボクたちはボクたちでしっかり自分の相手を倒す。これでいいな」
デル「了解だぁ。だったら【マッスルベアー】を宣言して、ボガードAにヘビーメイスの一撃ぃ。命中は13だぁ」
GM「ダイス目10で、回避14。避けてみせるのじゃ」
デル「アリナ様がダイスを振らなければ、回避期待値11で当たっていたのによぉ」
GM「ヒヒヒ、それじゃあ、バトルが盛り上がらんじゃろう。さあ、次はホリーの番じゃ」
ホリー「だったら、ボクはまず補助動作で、ヒューリカフラッシュを使う。うまく成功すればラッキーということで、魔法行使は8」
GM「9と言って抵抗じゃ」
ホリー「まあ、そうでしょうね。では、さらに補助動作で練技【キャッツアイ】。命中+1してから武器は威力重視のジャベリンを使う。魔力撃を宣言して、命中は12」
GM「おっと、回避は8で失敗」
ホリー「よし、ダメージダイスは10が出てクリティカル。次は7。5点と3点と、追加ダメージ+6と、魔力撃分3を足して、合計17点」
GM「何と。すると防護点3を減らして、14点をくらった。ボガードBのHPは残り7点じゃ」
ホリー「ここでイノセントが攻撃を当てれば倒せるかも。がんばれイノセント。命中は……低い、達成値8。運命変転は使ってしまったからなあ」
GM「回避は14なので、イノセントの攻撃は当たらない」
イノセント(すまねえ、お嬢さん)
ホリー「ドンマイ、イノセント」
GM「では、1ラウンドの裏じゃ。まずはボスのトルーパーがG太郎を殴る。【マッスルベアー】+全力攻撃でダメージ+6にした上で、命中は11じゃ」
G太郎「おっと、私にはカウンターがあるんだった。相手に攻撃される前に蹴り倒す展開が多いから、忘れかけていたでござる。カウンター命中は19で問題なく成功。ダメージは21点」
GM「ぐはっ。12点くらって残りHPは26点。そうじゃ、わらわもカウンターの存在をすっかり忘れておったよ。これは次のラウンドで呆気なく沈んでしまいそうじゃ。だがしかし、他のボガードがまだいる。デルにボガードAが襲いかかる。命中は9」
デル「同じく9で避けたぁ」
GM「ならば、次はボガードB。イノセントを狙って、命中は13」
ホリー「イノセントは11と言って、避けられない。いや、ここで剣の恩寵を使っていいですか? ボクがクールに『イノセント、バックだ』と命じると、猪突猛進気味だったイノセントが後ろにジャンプする。そして回避+2され、13だ。これで避けた」
GM「ムッ。剣の恩寵ルールは、他者の行動に+2ボーナスを与えるが、騎手が騎獣の行動に与えてもいいのか。しかし、ホリーの機転がお見事なので、避けられたものとする」
ホリー「やったな、イノセント」
イノセント(ホリーお嬢さまの指示が的確だったからです。さすがはお嬢さま)
ホリー「お前が、ボクの指示どおりに動いてくれたからさ。さあ、このまま一気に行くぞ」
イノセント(了解です)
●1ラウンドめ終了時の状況
ボガードトルーパー(HP26/87、MP16/22)
ボガードA(HP21/21)
ボガードB(HP7/21)
G太郎(HP48/48、MP16/28)
デル(HP28/28、MP18/21)
ホリー(HP21/21、MP15/21)
イノセント(HP39/39)
G太郎「2ラウンドめ開始でござるな。このラウンドから魔法が使える。《マルチアクション》を宣言して、魔動機術【エフェクトウェポン】を使用。自分の両脚に土属性の魔力を宿すでござる。呪文は普通に発動。くらえ、アバン流蹴殺法、大地蹴り。命中は19と24。避けられるかな?」
G太郎「蛮族に運命変転などない。まあ、ルーンフォークにもないのでござるが。では、ダメージを決める。相手の弱点を突いているので+3されて、さらに元々の呪文効果で+1。すなわち追加ダメージ+19からスタート。結果、25点と29点でござるよ」
GM「9点ずつ減らしても、16点と20点で36点くらった。ボガードトルーパーは力尽きて、ズズーンと大地に沈んだ。なお、【エフェクトウェポン】がなくても、28点ダメージで倒されていたわけじゃが」
G太郎「しかし、トドメはやはり必殺技っぽく決めたいでござる」
デル「やるなあ、師匠。オラは命中14で、今度こそ当てられるかぁ?」
GM「8だから避けられん。ボスが倒されたので、戦意喪失じゃ」
デル「だけど、オラのダメージじゃ、倒せそうにないんだなぁ。ダメージダイスの出目は4。これじゃあ、あまりにも情けないので、運命変転でひっくり返して、出目10にしてみる。するとダメージが17点。あと一撃が必要だなぁ」
GM「ボガードAは14点くらって、残りHPが7点じゃ」
ホリー「続いて行きます。まずは魔力撃で命中13」
GM「回避9でダメじゃ。当たった」
ホリー「ダメージは16点」
GM「ボガードBはそれで落ちた」
ホリー「だったら、その勢いでイノセントに、ボガードAへ向かって突撃させる。デルへの借りをこれで返せたらいいなあ。あ、一応、ヒューリカフラッシュを使っておこう。8」
GM「そんな目くらましは効かん。抵抗した」
ホリー「だけど、イノセントの特攻は13」
GM「回避は11で当たった」
ホリー「相手の残りHPは7。防護点は3だから、10点以上のダメージで落とせる。では、ダメージ行きます。よし来た、12点!」
イノセント(やりましたよ、お嬢さま)
ホリー「ああ、イノセント。お前は最高だよ。デル、これで借りは返したからな」
デル「そうだなぁ、姉さん。これはまさに、みんなの絆の勝利だよぉ」
G太郎「よし、我々の勝利を宣言し、ボガードたちから戦利品を奪いとって、死体を周りの観客蛮族どもの餌にして、ハルト少年と、ワジマのおっちゃんを引き連れ、一目散にこの場を脱出。これにて晴れてミッション終了、第1部完でござる」
GM「何も、そこまで一気にまとめんでも、余韻を楽しむぐらいすればいいものを」
ボガードたちから回収した戦利品は、意匠を凝らした武器(150G)、普通の武器(50G)2本、真鍮戦士勲章1つ、黒鉄剣士勲章3つ、それから忘れちゃいけないトレジャードロップのアイテムはカテゴリーAの金属鎧ブリガンディ(価格3800G)。まあ、デルが《防具習熟A》を覚えていないので装備できず、売るしかないんだけど。
ともあれ、この戦いで魔神ハンター・烈火団の名誉点も、さらに16点上がって、めでたく第1部完となった次第。
いささか急ぎ足ながら、今回のエピソードはこれにて幕。
次は、レベルアップとか、諸々の雑務をこなしてからということで、しばしの中断を挟むことになりますが、年内には第2部スタートの予定。
書いている方も、続きが気になるのは、ゲームゆえのランダム性やキャラの気分に物語が左右されちゃうもので、ストーリー展開に作者すらサプライズしがちな幻想物語ってことで。
●ここまでの冒険成果
経験点:ヒンソン救出★1つ
アー・ヌルチェと対話、奴隷を買う★1つ
ビシャナに少女2人を引き渡す★1つ
ダークドワーフのワジマ救出★1つ
処刑遊戯場でハルト救出★1つ
解放軍の同志3人に達する★1つ
奴隷購入ミッション終了★2つ
(合計★8つ)
魔物撃退分(560点)
ピンゾロ分(G太郎1回、ホリー1回)
収支結果:火トカゲの髪飾り
銀貨730ガメル、戦利品(2850G分)
同志集めクエストの報酬(4500G分)
イノセントの鎖かたびら購入
(ホリー1000Gアイテム分使用、
150Gおつり)
宿代(ホリー100G減、他50G減)
宿泊無料券5回分(パーティーまとめて)
黒鉄剣士勲章6、真鍮戦士勲章4
獲得名誉点32点
ミッション:煌びやか通路で奴隷を購入せよ→達成
(現在4人)
コボルドを助けて、コボルド窟へ連れ帰る
情報
・物乞い市場の宿の女主人ビシャナは〈銀の蜜蜂〉のリーダーであり、今後のパトロンとして協力関係に。彼女のバックにいる紅の水魔ソニア・ゾラと対面予定。
・煌びやか卿アー・ヌルチェとは緩やかな関わり合い。
・【ゴミ溜め窟】にいるリザードマンの情報屋ゾ・ゴグが略奪品に詳しい。
・【ゴミ溜め窟】に、カレンの密偵仲間が行方不明に。
・【死者の道】に〈真紅のマギスフィア〉があるらしい。
・略奪品は【地底湖の畔】のマーマンが詳しい。
・地下水路のリザードマンの集落の位置情報。
・ギルマン王ブグプリとの面会には、地下水路で手に入る〈ストロベリーオイスター〉が12個必要。
・【亡者の神殿】にライフォス神像がある?(ミッション予定)
・【コボルド窟】のオードル・プルは地上に伝手があるかも。
・【戦神の凱旋門】の魔窟で、魔神狩りができる。