サンドリーヌへの報告
ヒノキ「今回で第6部も終了(予定)なのじゃ」
太郎(ゲンブ)「前回は、サンドリーヌに依頼された牧場の少女ハイネを無事に助け出すことに成功したでござる。とりあえずは、鮮血城の図書館に匿ってもらうことにしたが」
ヒノキ「一応、クエストではハイネをサンドリーヌ館に連れて行った時点で達成ということじゃが、まあ、ほぼ達成したということで構わないじゃろう。報告した時点でクエストクリアという形にする」
太郎「では、早速、報告に出向くでござる」
サンドリーヌ『そうですか。ハイネは鮮血城の図書館で外の世界に馴染むための勉強中ということですね。何から何まで気を遣っていただいてありがとうございます。お礼に、★3つと3000ガメル、それに「情報1つ」を差し上げましょう』
太郎「情報はこれで2つになったが、とりたてて知りたい情報はないでござる」
ヒノキ「もう、物語も終盤なので、サンドリーヌが提供できる情報は『名のある魔物の情報』ぐらいしか残っていないからのう。では、記事ネタとして、名前の挙がっているジャバディーンと、それからミストキャッスル全体のラスボスとも言うべきヤーハッカゼッシュのデータを見てみるとしようか」
太郎「今回のマッスル太郎リプレイでは、戦わない相手でござるが、データを知っておくこと自体は悪くないでござるな」
ヒノキ「まず、ジャバディーンはヒューリカと同じレベル8のバジリスクじゃが、こいつは出来損ないではないので、魔獣形態への変身能力を持つ。そうなるとレベル9の3部位モンスターに強化されて、ますます倒しにくくなる強敵なのじゃ」
太郎「人間形態でHP89(剣のかけら入り)。魔獣形態だと、邪眼30、頭部48、胴体57の部位HPに、剣のかけらで45点が加わるでござるか。コア部位は頭部だから、速攻で倒すなら頭部を集中攻撃すればいいものの、回避18、防護点8なので、なかなか厳しい」
ヒノキ「バジリスクは特殊能力も多く、石化の視線の他に、真語魔法7レベルを使ってくる上、ダメージを与えると毒の血液を飛ばして、2Dの魔法ダメージを返してくる。生命抵抗で無効化できるとは言え、抵抗の目標値が18と高くなっておる」
太郎「今の太郎の生命抵抗基準値が10。レベル7で11に成長したとしても、ダイス目7を出さないとダメでござるか。つまり、バジリスク戦では、最悪、物理攻撃と魔法と毒の血液で、 通常の3倍ダメージを受ける可能性がある、と」
ヒノキ「ダメージ期待値としては、物理攻撃19点、魔法は威力30の【ブラスト】が17点、毒で7点で合計43点といったところかの」
太郎「全てをまともに喰らったら、マッスル太郎も2ラウンドで倒されてしまうでござるな。物理攻撃を回避し、魔法には精神抵抗し、毒には生命抵抗で応じることになろうが、まともに戦うと危険なのは分かったでござる」
ヒノキ「そして、ミストキャッスルの大ボス、ヤーハッカゼッシュは、さらに強いジェイドバジリスクなのじゃ。人間形態でレベル14、HP168(剣のかけら入り)。命中期待値25、回避期待値23」
太郎「もう、それで十分でござる。回避23という時点で、命中基準値10のマッスル太郎では、6ゾロ出さない限り触れることすらできないのだから、勝てる勝てない以前に、まともにダメージを与えることもままならん。確かに化け物でござるな」
ヒノキ「現行のソード・ワールドではレベル15が人としての最高域で、それ以上は半ば神の領域に踏み込んでおるからのう。ヤーハッカゼッシュは神レベルの一歩前と言ったところで、後の作品ではもっと強い20レベル越えのボスも登場し得るが、それでもソロプレイでヤーハッカゼッシュを倒したプレイヤーが、日本に、いや、世界でも果たしておるのじゃろうか、と言えよう」
太郎「超英雄のルキスラ皇帝なら、タイマンで勝てるかもしれないでござるが」
ヒノキ「彼らはパーティーで神に匹敵する巨敵を倒した偉業持ちじゃからの。まあ、4人ぐらいのパーティー戦ならレベル13ぐらいでヤーハッカゼッシュも倒せるのではないか、と思うのじゃが」
ゲンブ「1レベル上がれば命中や回避が1増えるシステムで、7レベル差があるというのは、それだけで命中・回避に7点のペナルティーを受けているようなものでござるからな。2Dで判定するゲームで7差はとんでもないハンデと言えよう」
ヒノキ「単純に考えて、1差を10%と計算するなら、7差は7割じゃから、その差はまず埋まらんのう」
ゲンブ「とにかく、そんな化け物はスルーして、レベル7になったら街から脱出、このリプレイを完結する。その方針は変わらないでござるよ。そして、サンドリーヌへの報告で★が6つ貯まった。これで経験点1200点。目標は1600点なので、あと★を2つ稼げばいい」
ヒノキ「今のミッション、インクの材料入手で得られる★は1つの予定じゃ」
ゲンブ「すると、あと1つでござるか。ならば、今回は闘技場で戦って、それからミッション達成までをプレイして、次回、成長の儀から第7部の完結編エピソードに突入して、マッスル太郎の冒険・完という流れでござる」
サンドリーヌ『それでは、ハイネ救出後の予定を打ち明けましょう。これが私の最後の依頼となります。まず、貴方さまからはこれまでに運河通行証と、2つの水門開閉コードを手に入れてもらいました』
太郎「3つめの開閉コードも入手済みでござるよ」
サンドリーヌ『それは素晴らしいことですわ。だけど、3つめは私も知っておりましたの。何はともあれ、これで翡翠の塔の地下にある水門を開き、運河を通って街の外に脱出することができるようになりました』
太郎「そうですか。では、街の外に出てからの計画は?」
サンドリーヌ『大変なのは、街を脱出すること。それを果たせば、後のことは些事なので、何とでもなりますわ』
太郎「いやいや、世の中それほど甘くはござらん。何の伝手もなく街を出ても、人族の社会に受け入れてもらえるとは限らん」
サンドリーヌ『そうでしょうか。人族の男の多くは、美しい女性の頼みは無下にしないものと聞いています。野蛮なバルバロスならともかく、温和な人族なら私が一声掛けて魅了すれば、力になってくれると考えますが』
太郎「魅了前提なら、精神抵抗するような相手だと心許ないでござろう。それよりも、私に一つ心当たりがあるでござる。ザバーラ様から聞いた話だが、街の牢獄にダーレスブルグ公国の貴族さまが囚われているそうな。彼を救出すれば、街を脱出した後の協力者になってもらえると考える次第」
サンドリーヌ『牢破りですか。それは恐ろしい重罪ですね』
太郎「いやいや、翠将の奴隷少女の脱走も重罪でござろう。こうなった以上は、一人逃がすも、二人逃がすも、事の重大さは変わらん。つきましては、サンドリーヌ様には貴族さまを匿っていただき、共に脱出する同行者として認めていただきたい。もちろん、私も護衛として付き従うでござる」
サンドリーヌ『ありがとうございます。護衛のお仕事は、こちらからもお頼みしようと思っていましたの。確かに、人族の社会については、私も世間知らずなもので見通しが甘かったかと思います。世間知に長けたマッスル太郎さまがご一緒してくれるなら、これほど心強いことはありません』
太郎「……とは言え、この私も出自が出自なだけに、街の外の人族社会のことに詳しいわけではござらんのだがな」
ヒノキ「何せ、ルーンフォークのボディに異界の魔神の魂が宿った存在じゃからのう」
太郎「体は機械人形、魂は異界の魔神、職業はお笑い芸人の魔動武人に果たして人の世界で生きる術はあるのでござろうか」
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