最後の序章
ヒノキ「今回はザ・ラスト・プロローグ、マッスル太郎の冒険最終部の序章なのじゃ」
ゲンブ「泣いても笑っても、これで終わりということでござるな」
ヒノキ「いや、一つの物語が終わっても、また次の物語が始まる。そのための準備を、新兄さんと検討した」
ゲンブ「準備とは?」
ヒノキ「ミストグレイヴのためのキャラ作り、マッスル太郎の冒険の同行者キャラをキャラクタービルディングブックで作るのじゃ」
ゲンブ「おお、先月に出たばかりの新作サプリメントでござるな」
ヒノキ「うむ。ダイスを振るだけで、キャラの背景設定が作られていく、キャラ作りを楽しむための本じゃ。言わば、ソード・ワールドで昔のトラベラーのような経歴作成ができると言えよう」
ゲンブ「トラベラーでは、作成途上でキャラが名誉の殉職を遂げることもあると聞くが」
ヒノキ「基本的にトラベラーは、軍人として戦闘技能や宇宙船の操縦技能、機器の操作技能などを習得したキャラが引退して、そこから自由な宇宙の旅人として冒険するSF作品じゃからの。元宇宙海軍のメカニックとか、そういう経歴を作ることができるが、できるキャラはそれなりの人生経験を積んだおっさんばかりになる」
ゲンブ「まあ、そういうレトロゲームの話題をする我らも、それなりの人生経験を積んだ者ばかりでござるがな」
ヒノキ「新兄さんの持っているのは、上級版のメガトラベラーらしいが、機会があればメガトラベラーのキャラ作りだけで記事を書きたいみたいなことを言っておった」
ゲンブ「今どき、それだけの記事に需要があるとは思えんが。それより、旬のソード・ワールドでトラベラーのエッセンスを味わえるなら、その方がいいでござろう」
ヒノキ「旬と言えば、来週にはこのシナリオも発売されるのう。とうとう書影が出た」
ゲンブ「デモンズライン? 魔神とネットで通信するのでござるか?」
ヒノキ「そのLINEじゃない。魔神と戦う最前線って感じの意味で、魔神討伐をテーマにしたシナリオらしい。さらに、8月は清松さんのリプレイが出版予定とも聞く」
ゲンブ「おお。ソード・ワールドはコロナにも負けず、順調に出版されるのでござるな」
ヒノキ「そのようじゃの。清松さんと言えば、旧ソード・ワールドのシステムデザイナーであり、現ソード・ワールドでは裏方に回りつつも、上級レベルのリプレイ、サーペントシリーズで名高い方なのじゃが、2.5の単独リプレイでは初のお目見えになるのう。オールドファンとしては、期待するところ大のお方じゃ。何しろ、SNE創設メンバーの一人でもあらせられる御仁じゃからの。ソード・ワールド史を語る上でも、絶対に外せない人なのじゃよ」
ゲンブ「旧ソード・ワールドのバブリーズ・リプレイや、ケイオスランド小説でも大人気でござったな」
ヒノキ「そして、伝説のRPG『混沌の渦』の翻訳者の一人でもある」
ゲンブ「って、何かやたらと混沌というキーワードに縁があるように思えるが」
ヒノキ「うむ。リプレイの作風としては、プレイヤーに無理難題を押しつけて、だけどプレイヤー側もそれを高度な戦略・戦術・パワープレイで切り抜ける派手で豪快な印象がある。まあ、多分にバブリーズやサーペントのイメージなんじゃが。ベテランのシステムデザイナーとして、システムの上限を突きつめる役割と言ったところか。まあ、友野さんほどではないにせよ、ヒーロー志向の大きいところもあって、ロードスの主役プレイヤーの一人でもある」
ゲンブ「確か、スパークでござったか」
ヒノキ「そう噂されておる。まあ、昔のドラゴンマガジンファンじゃと、みーちゃんはーちゃんのマグネシウムリボンネタとか、昔のウォーロックファンじゃと、ディスオーダー先生とかケイオス先生ネタが懐かしく、新兄さんの今のブログの作風に与えた影響も大きいらしい。あと、ハイパーT&Tとか央華封神な」
ゲンブ「って、今回はずいぶんと清松みゆきさん推しの記事でござるな」
ヒノキ「まあ、8月発売のリプレイの期待も込めてみた次第じゃ」
レベル7成長の儀
ヒノキ「で、前置きを終えて、ここからマッスル太郎の成長に移る」
ゲンブ「能力値成長ダイスを振って、2と4。よし、とうとう念願の2が出て、敏捷が16に成長した。これで疾風の腕輪で敏捷+2すれば、待望のボーナス+3になったでござる」
ヒノキ「次に経験点じゃが、4810点加わるのう」
ゲンブ「3930点持っていたから、8740点になったでござる。グラップラー7レベルで3000点、スカウト7レベルで2500点、エンハンサーを3レベルから5レベルに上げるのに3000点で、合計8500点を消費するでござるよ」
ヒノキ「一気に強くなった感じじゃな」
ゲンブ「戦闘能力と探索系の能力がまとめて上がって、自動習得特技の《カウンター》と《ファストアクション》をゲット。さらに、継戦能力を高めるための《練体の極意》までを会得したでござる」
ヒノキ「読者のために、順に解説よろしく」
ゲンブ「うむ。まず《カウンター》だが、近接攻撃してきた相手に対して、回避する代わりに命中判定を行い、成功すれば相手の攻撃を避けつつ、ダメージを与えられる。その代わり、失敗すれば相手のダメージダイスで最大値の12が出たというリスクを伴うが、対接近戦では『攻撃は最大の防御』と言っていいし、1対1なら自分の回避を下げて命中を上げる【ファナティシズム】の魔法と組み合わせて、無敵に近くなれるでござるよ」
ヒノキ「カウンターを習得した武闘家相手には、殴りたくないのう。攻撃に対してカウンターのライダーキックで仕留めるカブトみたいなプレイも可能っぽい」
ゲンブ「天の道を行き、総てを司るマッスル太郎も夢じゃないでござる」
ヒノキ「なるべく接近攻撃を避けて、魔法攻撃を多用せねばな」
ゲンブ「他には、1ラウンドに1回しかカウンターはできないので、複数部位を持つ相手と戦う際は、回避を下げる戦術は危険でござる。その辺は、相手を見て判断することになろう。次にスカウト7レベルで得られる《ファストアクション》でござるが、先制判定を取った最初のラウンドで、主動作をもう一回できる。つまり、1ラウンド目限定で、4回蹴ることも可能になるでござるよ」
ヒノキ「ソード・ワールドのシステムは攻撃回数が多いほど、つまりパーティーの人数が多かったり、《追加攻撃》持ちのグラップラーだったりすれば、1ラウンドにおける与ダメージが増えるので、先制判定の重要度がどんどん増していくようになっている」
ゲンブ「先に相手を仕留めたり、数を減らすことができれば、反撃を恐れる必要はない先手必勝システムでござるな」
ヒノキ「うむ。先手を取れば、パーティー全員が先に行動できるからのう。おまけに範囲攻撃魔法などの集団に大ダメージを与える手段が伴えば、開幕早々に敵陣が半壊してしまうこともよくあることじゃ」
ゲンブ「逆に、敵が先手を取れば、高レベルでは一気にピンチになったりもするわけで」
ヒノキ「そして《ファストアクション》は先手有利の法則をますます加速する特技じゃ。初手のみとは言え、2回攻撃を許すわけじゃからな」
ゲンブ「元々、2回攻撃ができるグラップラーは4回攻撃でござるから、正に仮面ライダーカブトのクロックアップに相当する無敵っぷりよ」
ヒノキ「おまけに《マルチアクション》持ちじゃからな。これで攻撃魔法が充実すれば、ますます手が付けられん」
ゲンブ「まあ、そこまでのマッスル太郎無双は、続編の楽しみにとっておくでござるよ。そして、3ラウンドを超える長期戦にも対応できるように取ったのが《練体の極意》。さらに練技として、命中+1の【キャッツアイ】、それに自己回復用の【リカバリー】を取得。これで【リカバリー】とポーションインジェクター、それに【アースヒール】を組み合わせると、1ラウンドに平均20ポイントのHPが回復可能。一つ一つの回復量はさほど高くなくても、組み合わせることで大ダメージにも対応できるようになったでござる」
ヒノキ「攻防そして回復能力と、隙のないキャラクターになって行くのう」
ゲンブ「今のマッスル太郎に弱点があるとしたら、魔法に弱いことを除けば、対遠距離能力と、集団相手の殲滅能力に欠けることぐらいでござろう。一人では限界があるゆえ、続編でパーティーが組めるのは心強いことよ」
ヒノキ「うむ。プレイヤーは、シロとリトルの予定じゃ。新兄さんのところでキャラ作りを終え次第、こちらに戻って来る手はずになっておる」
ゲンブ「成長の儀の最後は、買い物タイムでござるな」
ヒノキ「前に3万ガメルの〈正しき信念のリング〉を買ったが、それでも1万1492ガメル残っておる」
ゲンブ「〈疾風の腕輪〉で1000ガメル使用。あとは9600ガメルで〈狩人の目〉を購入。これは魔物知識判定に失敗しても相手の能力が分かる上、成功したら命中+1できる優れ物」
ヒノキ「〈ひらめき眼鏡〉はどうするのじゃ?」
ゲンブ「これはこれで探索時に有用なアイテムであるゆえ、所持しておく。ふだんは〈ひらめき眼鏡〉で探索モード。そして、バトルが予想される場面で〈狩人の目〉を装着し直すことで戦闘モードに切り替えるでござる」
ヒノキ「なるほど。状況に合わせて、装備品を切り替えるか。いかにも熟練冒険者って感じじゃのう」
ゲンブ「金がないなら、選択できるオプションも限られてくるが、働いて稼ぐことができれば、いろいろな試みもできよう。もっとも、それらを使いこなすことができるかは、金のあるなしに関わらずセンスの問題でござるが。金はなくとも、センスを磨くことはできる。もちろん、両方あるに越したことはないが、センスの欠如はエンタメを楽しめないという精神的な問題に帰結するゆえ、物理的な豊かさ以上に人間性を問われることになるやもしれん」
ヒノキ「まあ、センスはアイデアにも通じるからのう。金のない作家は数多くいるので恥じることではないが、センスがなければ、アイデアが出せなければ、そもそも作家を名乗るのに値しないので、やはりクリエイティブなセンスは大切に磨いていきたいものよのう」
●マッスル太郎のキャラデータ(青字は成長部分)
ルーンフォークの魔動武人(冒険者レベル7)
グラップラー7レベル、エンハンサー5レベル、スカウト7レベル、セージ5レベル、マギテック2レベル、レンジャー1レベル、コンジャラー2レベル(残り経験点240)所持金:892ガメル(ザバーラポイント1万1373点)
器用24、敏捷16+2、筋力24、
生命力26、知力18、精神9
HP47、MP21
技巧11、探索11、危険感知10、先制10、隠密12、
魔物知識8、見識9
生命抵抗11、精神抵抗10
魔動機術魔力5、操霊魔法魔力5
武器:ハードキッカー+1(命中11(12)、威力30、追加ダメージ+13、クリティカル値11、2回攻撃)
防具:ミモレの上質布鎧(回避13、防護点4)特技:追加攻撃、武器習熟A/格闘、防具習熟A/非金属鎧、マルチアクション、トレジャーハント、鋭い目、カウンター、ファストアクション、練体の極意
練技:マッスルベアー、ビートルスキン、ガゼルフット、キャッツアイ、リカバリー
所持品:冒険者セット、スカウト用ツール、救命草3つ、魔香草3つ、保存食1週間分、サーペンタインガン、弾薬25発、アンチドーテポーション、キュアストーンポーション、月光の魔符+1、月光の魔符+2、北向きの針、3点魔晶石×10、トリートポーション×3、俊足の指輪
部位装備(括弧内は仮面レンジャーへの扮装時)
頭:ディスプレイサー・ガジェット
顔:狩人の目ORひらめき眼鏡(仮面レンジャーのマスク)
耳:蝙蝠の耳飾り
(仮面レンジャーの赤マフラー)
背中:マギスフィア(小)
右手:疾風の腕輪
左手:発動体の指輪
腰:ブラックベルト
足:サイレントシューズ
その他:名誉蛮族の腕輪
その他:正しき信念のリング
最後の展望
●霧の街のマップ(7ー0時点)
青字は宿泊可能地点。
ヤムール 奴隷 血染めの
牧場 ー 娼婦街ー黒の丘ー 酒場ー市場ー 壁
l l l l l l
l l 泉の l ティダン l
路地裏ー施療院ー 広場ー鮮血城ー神殿跡ー牢獄
l l l l l l
常夜 l サカロス l 灼熱の踊り l
回廊ー 涸れ井戸ー 神殿跡 ー 橋 ー 子亭ー 廃屋
l l l l l l
港ー 三色の天幕ー庭園ー翡翠の塔ー長ー 叫び
(拠点) l l 屋 の門
l l l l l
ダルクレム l l l l
神殿 ー骨の川ー 処刑場ー市場ー奴隷宿
l l l l l
剣闘士の宿舎 ー 追い剥ぎー廃墟ー嘆きのー腐敗
l 小路 l 広場 神殿
l I l l l
闘技場ー麻薬窟ー帰らずー知識ーS館
の街 神殿跡
ヒノキ「成長の儀が終わったので、あとは今後の展望を見ておくとしようかの」
ゲンブ「とは言え、残りは3つでござろう。1つ、『牢獄で貴族のエルラーン・ドゥルマイユ卿を救出すること』 。2つ、『ヒューリカと決着をつけること』。3つ、『ハイネ嬢をサンドリーヌ館へ連れて行き、そこから霧の街脱出作戦を敢行すること』。これを果たせば、マッスル太郎の物語は晴れて完結するでござるよ」
ヒノキ「まあ、そうじゃが、一応、残っているクエストの確認もしておこうか」
ゲンブ「アリアドネからは、『ズ・グリとジャバディーンの暗殺』を依頼された。ジャバディーンは倒せないと思うが、ズ・グリなら倒せると思う。しかし、どうもズ・グリを倒したいとは思わないでござるよ」
ヒノキ「どうしてじゃ?」
ゲンブ「あの豪快な貪欲卿が、自分は嫌いじゃないでござる。確かにわがままで、人族にとって迷惑な奴だと思うが、約束ごとには公平で、鬱屈したところがない。言わば、オーズの鴻上会長みたいなキャラに見えてな。今回の物語では保留にしておきたい」
ヒノキ「まあ、クエストを残しておけば、将来、シロやリトルのキャラに経験点を分けることもできよう。では、次にウルスラのクエストじゃが、レベル7になって『ハタロン腐水の入手』を頼まれる」
ゲンブ「それはどこにあるでござるか?」
ヒノキ「さあのう。入手できる場所は二つあると言っておくが、ヒントは腐るという言葉じゃな」
ゲンブ「そのクエストも、後のために残しておこう」
ヒノキ「最後に、トホテルのところじゃが、『守りの剣の探索』『ジャバディーンの討滅』に加えて、『剣のかけら100個を集めること』を求められる。守りの剣を起動するには、多数の剣のかけらが必要なのでな」
ゲンブ「今から剣のかけらを100個集めるのも手間暇が掛かるでござるな。闘技場で戦いまくれば、結構行けるかもしれんが、まあ、今後は入手した際にトホテルのところに持って行けばいい、ということでござるな」
ヒノキ「以上のクエストを、物語のクリア前に達成するかどうかは、お主の自由じゃ」
ゲンブ「我としては、もう十分な成長を果たしたと思うので、ランダムミッションも引き受けずに、最終攻略を果たしたいと考えるでござる」
(当記事 完)