花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、D&Dを中心に世紀末前後のTRPGの懐古話を不定期展開中。

魔神ハンターと、地下水路(SWミストグレイヴ0ー4)

いよいよ冒険の始まり

 

ヒノキ「それでは、そろそろ冒険を始めるとするかの」

リトル「ええと、魔神ハンターを自称する二人組、人間の神官戦士のデルニールと、レプラカーンの魔法剣士ホリーが、〈バルバロスブラッド〉という変身薬を飲んだことから、ドレイクとバルカンっていう蛮族になってしまったんですねぇ」

シロ「そして、ルキスラ帝国の盗賊ギルド『闇夜の鷹』に誘われ、蛮族支配下の霧の街、その地下に広がるミストグレイヴという人外魔境に潜入して情報収集するように、無茶振りされた、と」

ゲンブ「おお、ややこしい導入だったが、きちんと理解しているではござらんか」

シロ「情報収集は忍びの基本ですからね。それにリトルも物分かりがいいし」

リトル「リウは、お勉強が楽しいですぅ。シロ姉さんの忍術修行も、時空魔術師さまの不思議な蘊蓄話も。TRPGの役割演技も面白いですねぇ。分からないことは、GMのアリナ様に質問すれば教えてくれますしぃ」

シロ「ところで、アリナ様。ボクのキャラのホリーは、男装の女小人だったんですけど、女バルカンになった時に、服はどうなったんでしょうね。普通に考えれば、デビルマンレディーみたいに弾け飛ぶんじゃないか、と」


パチンコ【デビルマンレディー】PV

 

ヒノキ「まあ、その辺はあまり詳細に語ると、エロ方面に突入しかねないので、読者の想像に任せるようにしよう。わらわたちはゲームの物語を楽しみたいのであって、アダルトコンテンツを語りたいわけではないからのう」

シロ「イメージとしては、人ならざる身になってしまった登場人物に視点を当てたダークファンタジーということですか?」

ヒノキ「ミストキャッスルが、苛酷な奴隷生活の中で強く陽気にしたたかに戦い抜く、お笑い芸人のハードボイルドストーリーを目指したのじゃが、ミストグレイヴの場合は、姿形は蛮族になった者が、闇の世界で人らしさを保てるのか、それとも郷に入らば郷に従えの格言どおり、闇に染まってしまうのかをGMとしては見てみたいと思っておる」

リトル「だけど、完全に闇に染まってしまうのも何かが違うと思いますぅ」

シロ「蛮族の価値観に触れることで、揺れ惑う人間性。自分にとって大事な想いとは何かって感じのストーリーかな」

ゲンブ「まあ、世界観が暗いので、プレイヤーキャラまでが深刻に悩み込んでも、ゲームとしては面白くならないでござるよ。そこは暗い想いを断ち切る陽性コミカルなプレイスタイルを推奨したいところ」

リトル「ええと、蛮族らしく、気に入らない奴は打ち倒すぐらいのバイオレンスな方向性で考えればいいってことですねぇ。力が正義だと言うつもりでぇ」

シロ「ボクは、蛮族やガルドに対して嫌悪感を抱きつつも、どこかで折り合いをつける流れで行きたいと思う」

ヒノキ「いわゆるツンデレを意識すればよかろう」

シロ「ツンデレかあ。『勘違いしないでよね。体は蛮族でも、心までそうなったわけじゃないんだから。いつか、人族に戻るために、今は耐えるしかないの』って方向性でプレイすればいいと」


[スパロボDD]デビルマン & 美樹 (サブ) 全武装

 

冒険初めのデータ確認

 

GM(ヒノキ)「ともあれ、改めてキャラのデータを確認しておこう。蛮族化によって、変わった数値もあるじゃろうし」

リトル「そうですねぇ。デルのデータは次の通りですぅ」 

●デルニール・イーストン(通称デル)、17歳男

 

人間の神官戦士(冒険者レベル2)

外見はドレイク(穢れ度1)

 

信条:努力(肯定)、栄光(肯定)

矜恃:敵に背を向けない

 

ファイター1レベル、プリースト2レベル(炎武帝グレンダール)(残り経験点0)

所持金:0ガメル(ホリーに50ガメル借金)

器用12、敏捷10、筋力18+1

生命18+1、知力12+1、精神14

HP25、MP20

生命抵抗5、精神抵抗4

神聖魔法魔力4

戦闘特技《かばうⅠ》

種族特徴:[運命変転]

習得言語:ザルツ語、交易共通語、汎用蛮族語

 

武器:ヘビーメイス(命中4、威力20(両手使用時30)、追加ダメージ+4、クリティカル値12)

防具:ハードレザー&ラウンドシールド(回避2、防護点5)

所持品:冒険者セット、アウェイクポーション、聖印、魔香草、保存食7日分、密偵の指輪、救命草

GM「本来、ドレイクは種族特徴として、[暗視][魔剣の所持][飛行][竜化]を持ち、ドレイク語を習得しているのじゃが、人間のデルはそれらを身に付けていないので、同種族に出会ったときは正体が露見しないよう、上手く振る舞わないとのう」

デル「ヘビーメイスを魔剣だと言い張るのはありでしょうかぁ?」

GM「珍しいが、任意の近接武器を魔剣に設定できるので、それもあり、とは言っておこう。まあ、『ヘビーメイス持ちの変わったドレイク』と呼ばれるじゃろうが」

デル「お前、オラの武器にケチを付ける気かぁ? 田舎者ドレイクだと思って、バカにしているのかぁ? オラァ、何とか言ってみろよぉ……って感じに、田舎のヤンキーみたいに振る舞うですぅ」

 

GM「次は、ホリーの番じゃ」

ホリー(シロ)「ええ、色々買い物をしました」 

●ホリー・カーシェイン(通称ホリー)、24歳女

 

レプラカーンの魔法騎手(冒険者レベル2)

外見はバルカン(穢れ度1)

 

ホリーの信条:身分(否定)、穢れ(否定)

矜恃:弱者を見捨てない

 

ガルドの信条:欲望(肯定)、闘争(肯定)

執着:魅力的な女性は無視できない。

 

フェンサー2レベル、ソーサラー1レベル、ライダー1レベル(残り経験点0)

所持金:15ガメル(デルに50ガメル貸し)

器用19、敏捷18、筋力11+1

生命10+1、知力12、精神14

HP17、MP17

魔物知識3

生命抵抗3、精神抵抗4

真語魔法魔力3

騎芸:【高所攻撃】

戦闘特技:《魔力撃》

種族特徴:[暗視][見えざる手][姿なき職人]

習得言語:交易共通語、魔動機文明語、汎用蛮族語

 

武器:ショートソード(命中5、威力5、追加ダメージ+4(騎乗時+5)、クリティカル値9)

防具:クロースアーマー&バックラー(回避6、防護点2)

所持品:冒険者セット、アウェイクポーション、魔法の発動体、魔香草×3、保存食7日分、密偵の指輪、スカウト用ツール、〈笑う魔神の壺〉、ヒーリングポーション×2、救命草

GM「魔神の壺は、ホリーが持つようにしたのじゃな」

ホリー「デルが魔神絡みの物品を持つのを嫌がるものだから」

デル「オラは、魔神とのイヤな思い出があるからなぁ。できれば、避けたいんだよぉ」

ホリー「本当は、ボクもイヤなんだけど」

ガルド(ゲンブ)「そんなことを言うなよ、ホリーちゃん。この壺は幸運の壺だよ。持っていたら、きっと御利益があるでござるよ」

ホリー「どうして、お前にそんなことが分かるんだよ、ガルド」

ガルド(ゲンブ)「そりゃあ、中の人が同じだから……という、メタな理由はさておき、ガルドは闘争好きでござるからなあ。マッスル太郎の強さを本能的に感じているでござるよ。ところで、このガルドのセリフは、ホリーちゃん以外には聞こえていないのでござるな」

ホリー「ああ、あくまでボクの脳内会話だ。だけど、ボクはブツブツつぶやいている」

デル「時々、姉さんは放心状態になるんだよなぁ。まあ、オラもグレンダール様に祈ったりするから、きっとレプラカーンの神様に祈ってるんだろぉ」

ホリー「グレンダール様は何か助言を与えてくれるのか?」

デル「ああ。オラが弱気になって、もうダメだぁなんて思ってると、『鍛えよ〜、勝つために〜♪』と歌声が聞こえて来るんだぁ」


AMTV 機動武鬥傳G鋼彈BD 戦闘男児~鍛えよ勝つために~

ホリー「グレンダール様は、流派東方不敗なのか?」

デル「オラのこの武器が真っ赤に燃える的な【ヒートウェポン】の神聖魔法を授けてくれるからなぁ」

ゲンブ「ほう、グレンダールはなかなか良い神ではござらんか。マッスル太郎がルーンフォークでなければ、信仰していたかもしれん」

ホリー「どうして、ボクの周りの男どもは、揃いも揃って脳筋ばかりなんだ? このパーティーには知性キャラがいないのか?」

GM「一番の知性派であるべきソーサラー技能の持ち主が、セージ技能を習得しておらず、知力も人並みの12しかない時点で、このパーティーに知性を求めるのは難しいのかも知れんのう」

ホリー「ボクの能力は、器用や敏捷に割り振ったからなあ」

ゲンブ「まあ、冒険を重ねれば、知力も増えて来るでござるよ。マッスル太郎も、初期状態では知性派ではなかったわけだし」

GM「いや、それでも最初の能力値は15じゃったぞ。この記事を確認するといい」

ゲンブ「ほう。器用20、敏捷11、筋力21、生命力21、知力15、精神6であったか」

デル「精神を除けば、全てがオラ以上。さすが魔神キャラは一味違うなぁ」

ゲンブ「いやいや。マッスル太郎は、普通のルーンフォークとしてキャラクター作成したでござるよ。魔神だから特別にボーナスをもらったということもなく……」

ホリー「うう。脳筋のイメージのあるマッスル太郎に、知力で負けていたなんて。ボクは何て未熟なんだ(涙目)」

ゲンブ「あ、いや、お笑い芸人だって、ネタを覚えるのに知性が必要なのであって、ホリーちゃんだって、敏捷と精神はマッスル太郎よりも優れているんだから、その才能を伸ばせば……」

ホリー「ええい、こうなったら……アリナ様、早くプレイを始めましょう。頑張って、マッスル太郎に追いつき、追い越す。マッスル太郎を解放せずに、ボクとデルの二人だけでミストグレイヴを攻略すれば、ボクたちだって……」

ゲンブ「いや、ちょっと待つでござる。マッスル太郎が解放されなければ、我はずっとガルドのプレイヤーのままということに?」

GM「それもまた一興かもしれんのう」

ゲンブ「いや、一興じゃないでござろう。一応、当記事は『続・マッスル太郎』カテゴリーであって、いつまでも封印されたままだと、カテゴリーに偽りあり、ということに」

 

地下水路への潜入

 

GM「……といったような経緯があって、お主たちは霧の街の地下に広がるミストグレイヴ、その入り口に来ているわけじゃよ。ここまで長い回想シーンじゃった」

ゲンブ「長い背景説明だったでござる。マッスル太郎なんて、いきなり『虜囚の身じゃ』の一言で、ザバーラにこき使われていたというのに……」

GM「ミストキャッスルは2.0初期のシナリオサプリメントじゃからな。ミストグレイヴは、その後、フェアリーガーデン、エターナルエンパイア、カースドランドを経ての5本め。その4年の間に、ラクシアの背景設定も広がり、物語のネタも深くなったのじゃ。その進化の様子が、両作品の導入部の背景にも現れておる」

ゲンブ「確かに、霧の街の中から始まり、外に出ることで一応のゴールに達するミストキャッスルでは、外の世界の情報を語る必要はあまりないでござるからなあ」

GM「一方で、ミストグレイヴの方は、ザルツの三国から霧の街の地下に潜入する使命を帯びた密偵冒険者の物語。霧の街に関わる外の三国の状況を始め、背景情報がそれなりに多くなる。ましてや、今回のプレイヤーキャラは、キャラクタービルドブックで作った個性的な面々。お笑い芸人ルーンフォークというネタ設定以外は、背景を持たない無色透明のキャラだったマッスル太郎と違って、最初からアクが強すぎるわけで」

ゲンブ「そんなアクの強いキャラを、ダイスを振るだけでランダムに作れるキャラビルドブックが、まことに面白いサプリメントということでござるな。我もそのうち1キャラ作ってみたく思えたほどに」

GM「わらわもじゃ」

デル「アリナ様、ファンとしての宣伝活動はそれぐらいにして、早く物語を進めましょうよぉ」

GM「おお、そうじゃのう。お主たちは、ルキスラから飛行船に乗ってカシュカーンの街に到着。そこから、『山猫』というコードネームを持つ密偵に案内され、霧の街の近くまで連れて来られる。そしてミストグレイヴの秘密の入り口から地下水路に入るわけじゃ」

ホリー「山猫さんも一緒に来るんですか?」

山猫『悪いが、ここから先はあんたたちだけだ。この入り口の先は滑り台になっていて、しかも魔動機時代の仕掛けで、水に流されて帰って来れないようになっている。浅いから溺れることはないだろうが、水流の勢いが強いから、その水を止める仕掛けを見つけない限りは戻って来れないようだ。

『まあ、もしも仕掛けの謎を解いて戻って来れたなら、この近くの潜伏小屋に俺は待機している。30日ごとに3日間だけな。そのタイミングで無事に合流できたなら、カシュカーンまで俺が連れて帰ってやる。

『後は、あんたたちの雇い主から500ガメルずつ預かっていたんだ。任務に必要な買い物はこれですればいい。買い物できる場所を見つければの話だがな。

『それと、これはカシュカーンの密偵の話だが、ユリア・ミルドリスという名の女が蛮族に身をやつして、先に潜入している。彼女はうちの姫将軍の旧友とかで、その身の安全を確認できれば、姫将軍から報酬がもらえると思う。

『他には、フェンディル王国が〈破剣の星槌〉という武器を探しているという噂だが、何もかも仕事を押しつけるわけにもいかんな。あんたらはあんたらの仕事に専念して、余裕があれば、別口の仕事の手助けをしてやればいい。密偵同士、持ちつ持たれつだもんな。

『おっと、少し喋りすぎたようだ。そこのバルカンの姉さんが美人なもんでな。とにかく、あんたらの健闘を祈ってるぜ。達者でな』

GM「そんなわけで、山猫は500ガメルと、追加情報をお前たちに残してから、素早く身をくらませた。30日後に脱出できれば、山猫が迎えに来るじゃろう。その期を逃せば、次は60日後じゃ」

デル「何だか、ずいぶん仕事が増えたなぁ。街の防空施設の情報と、魔神の壺。それから……」

ホリー「ユリア・ミルドリスという女密偵と〈破剣の星槌〉か。結局、全ての導入パターンを紹介した形ですね、アリナ様」

GM「まあ、余裕があれば、そちらのサブストーリーも攻略していいぞ、ということじゃ。絶対にクリアしないといけないわけではないからの」

 

ミッション「ミストグレイヴへ潜入せよ」

 

GM「山猫の言葉に従い、ウォータースライダーのような滑り台式の古水道に乗っていくと、お前たちはやがて広い空洞にたどり着いた。滑ってきたスロープはゴオゴオと勢いよく水が流れているため、登っていくことは不可能じゃ」

ホリー「水を止める仕掛けは探せないかな?」

GM「探索判定で高い目を出せば見つかるかもしれんのう」

ホリー「ボクたちは探索技能を持っていない。それでも6ゾロが出れば……(コロコロ)5」

デル「オラも振るぅ。6。これじゃダメだぁ」

ガルド(ゲンブ)「一応、オレサマも振ってみるぜ。6。おい、ホリーちゃん。こんなところをいくら探しても、何も見つからないぜ、でござる」

ホリー「いや、それはボクたちの探し方が悪いからだ。もっと探索能力を鍛えれば、きっと何かが見つかるはず」

ガルド(ゲンブ)「他の出口を探した方が早いかもしれないぜ。さっさと移動しろよ」

ホリー「お前の言うことは聞かん」

GM「ちなみに探索判定の難易度は18と言っておこうか」

ゲンブ「マッスル太郎なら探索基準値11なので、何とか行けそうでござるなあ」

デル「つまり、マッスル太郎さんを解放すれば、あっさり脱出できるってことですかぁ」

GM「出るだけなら、そうかもしれん。じゃが、何の情報も見つけないままに脱出しても、何のための潜入調査か分からんじゃろう」

デル「そうですねぇ。姉さん、オラたちは情報収集のために、移動しねえといけねぇぞ」

ホリー「そうだな。こんなところでもたもたしている場合じゃない。デルの言うとおりだ。先を急ごう」

ガルド(ゲンブ)「だから、オレサマがそう言ったろうが」

ホリー「闇の声には耳を貸さん」

ガルド(ゲンブ)「シクシク」

ホリー「で、GM、移動する場合はどちらへ向かえますか?」

GM「うむ。今、お前たちは広い地下水路の南西の端にいる。地図を書くと、こんな感じじゃ」 

●ミストグレイヴ地下水路


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 ? ー?ー大水車

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 ? ー?ー?ー

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入り口ー?ー?ー

ホリー「何ですか、右上の大水車というのは?」

GM「探索の目印じゃ。地下水路は明かりをつけない限りは真っ暗闇なのじゃが、入り口は微かに地上からの光が差し込んでいるようで、ほんのり明るく輝いている。それと同様に、北東の大水車と呼ばれる区画も、ほんのり光っているようで、そこを目指せば、何かが見えて来るんじゃないか、と思われる」

ホリー「一つのイベント区画ということか」

デル「それより、姉さん。明かりがないとオラは何も見えねえぜぇ。姉さんは[暗視]を持っているから、普通に振る舞っているみてえだがぁ」

ホリー「ああ、分かった。だったらデルのメイスにライトの呪文を掛けます。行使判定は成功して、これで3時間分の明かりになる」

GM「1マスの移動には1tb、すなわち4時間かかるので、1マス移動でMP2消費、2マス移動でMP3消費、3マス移動でMP4消費という形で考えることにする。もちろん、松明やランタンを使うなら話は別じゃがのう」

ホリー「松明はMPがなくなったときの保険にしておきます」

GM「では、北へ向かうか、東へ向かうか、どちらに行く?」

ホリー「デル、お前が決めろ」

デル「だったら、流派東方不敗は王者の風よぉ! ということで東へ向かうぜぇ」

GM「入り口区画が1日めの朝なので、その東に移動したのが1日めの昼となる。ここに入るとランダムイベントで……どうやら激流が発生したようじゃ。難易度11で生命抵抗判定を行え」

デル「14」

ホリー「12」

GM「2人とも成功か。ならば、お前たちは水流に抗ってみせた。失敗すれば、水に押し流されたものを」

デル「それだけかぁ? だったら、さらに東へ進むぞぉ」

ホリー「ライトの魔法はうまく掛かったけど、これでMPを3消費して、残り14。この地下水路の移動って、結構、時間が掛かるみたいだ」

GM「次もランダムイベントじゃが、特に何も起こらなかった」

ホリー「明かりは失敗せず、MP残り13」

デル「次は北へ向かうぜぇ。大水車まで残り1マス」

GM「時間は1日めの夜。もっとも、地下水路では太陽や星の動きが観測できないので、時間の経過がよく分からないのじゃが」

ホリー「ライトの呪文が消えたら3時間経過したと考えるわけですね」

GM「そして、ここでも、まずはランダムイベント。何かキラメく落とし物が見つかった気がした。難易度11で探索判定を行え」

ホリー「7」

デル「6」

ホリー「探索関係の技能は、やっぱり重要だよ〜。何かが落ちていても見逃すなんて、忍びとしては有り得ない」

GM「ヒヒヒ。せっかく出てきた宝石をゲットできなかったようじゃの。では、改めて、ここでランダムでないイベントが発生じゃ。再び激流が発生して、お前たちは押し流されそうになる。先ほどと同じ生命抵抗判定じゃ」

デル「13」

ホリー「12」

GM「耐えおったか。ならば★1つを進呈しよう。お前たちは、流れる水の勢いに飲まれることなく、着実な歩みを続けて行った。そのまま、大水車の区画に入るがいい」

ホリー「ライトの呪文で、MP残り11。そろそろ深夜だし、寝る場所を確保しないと」

GM「では、大水車、正確には【大水車のプール】と呼ばれる区画に行き着いた。ここには上層階に通じる階段が設置されているのじゃが、それを登る前にイベントが発生する。1Dを振れ」

デル「1だぁ」

GM「すると、若い人間の女が大きな蟹の化け物に襲われているのが見えた」

ガルド(ゲンブ)「女だと? すぐに助けに行くぞ」

ホリー「ああ、珍しく意見が合ったな。弱い者は助けないと」

デル「敵に背を向けないのが、おいらの生き様ぁ。行くぞ、突撃ぃ!」

GM「何だかんだ言って、実は全員が脳筋のパーティーだったようじゃの。せめて魔物知識判定ぐらいはして欲しいもんじゃが」

デル「魔物知識に必要なセージ技能は持っていないぃ! だけど平目で振って11が出たぁ。早速、魔神カニデーモンのお出ましかぁ🦀」

ホリー「ライダー技能でも魔物知識は分かるんだな。ボクも11」

GM知名度はちょうど11だから良かったのう。では、魔物の名前はジャイアントクラブ。魔神ではない、ただの動物じゃ。それでも横幅2メートルもある巨大カニで、レベル4の剣のかけら入り。HPは42点で、左右のハサミで2回攻撃をしてくる。果たして、お前たち2人で、この強敵を倒せるかな? つづく」

 

(ミストグレイヴの最初のミッションボス、ジャイアントクラブが難関だったりするわけで、ドキドキしつつ、当記事 完。フェアリーガーデンとは最初から戦闘バランスが全然違うなあ by作者NOVA)