花粉症ガール・翔花伝&コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女主役の物語」&「その仲間たちの雑談話」など。TRPG話や特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。

マッスル太郎、霧の街へ(SWミストキャッスル1)

ヒノキ帰還

 

ヒノキ「ただいま、なのじゃ」

ゲンブ「おお、アリナお嬢さま。お帰りなさいませ。この度のご出張は、ずいぶんと時間が掛かりましたな」

ヒノキ「うむ。新兄さんのところでは、こういう打ち合わせをしたのじゃが、その後、出雲の方へちょいと立ち寄ってのう」

ゲンブ「出雲でござるか。そう言えば、今月は神無月。日本の多くの神霊が出雲大社に集まる月でござったな」

ヒノキ「うむ。元来は歴史や神話的根拠のない俗信流説であったが、一度、多くの人々がそういう話を信じてしまうと、歴史や習俗すら書き換えられてしまうものでの。今では、神霊がこの時期に出雲に参りに行くのが当たり前のようになってしまった。わらわも阿蘇の地を守護する神霊の一種として、顔見せ挨拶ぐらいはしておこうという気になったのじゃ。何しろ、今年は令和元年という記念すべき年なのじゃから」

ゲンブ「神付き合いも大変なのでござるな」

ヒノキ「それなりにの。確か、去年の今頃、コナっちゃんが旅立つ前に、こういう話をしておったのじゃが、結局、一年経っても屋久島から戻って来ないゆえ、サクヤ様への挨拶が今だ果たせず仕舞いになっておった。そこで今年は、わらわ直々に出雲へ寄って、彼の地でサクヤ様をお迎えすることにした次第。その上で、サクヤ様とは入れ替わる形で、この地に帰参したというわけじゃ。サクヤ様の話では、屋久島を守護する外様神霊のガイア様がコナっちゃんを後継者に指名しようとお考えらしいが、そうなると、あの娘も神霊の務めを果たさねばならぬ」

ゲンブ「粉杉どのが神霊でござるか。ただ者ではないと思うておったが、誕生してわずか2年足らずで、それほどの成長を遂げようとは」

ヒノキ「何でも時空を超えた修行をしているゆえ、時間は関係ないらしい。時空魔術師の娘という素質があればこそじゃ。ともあれ、修行を終えた暁には、あの娘もわらわと同格の神霊となろう。これまでのように、気楽な付き合いは難しくなるやもしれぬのう」

ゲンブ「シロはどうしているでござるか?」

ヒノキ「シロは……時の神のいたずらで、おかしな方向に成長したやもしれぬ。わらわたちの知るシロは……失われたか、あるいは……獣の皇子プリンスシーサーがどうなるかは作者の新兄さんすら予知できない永遠の謎らしい」

ゲンブ「そんな無責任な」

ヒノキ「シロについては、コナっちゃんに任せるしかないじゃろう。何しろ、二人はパートナーなんじゃから。ともかく、わらわたちは今、できることをするしかない」

ゲンブ「それは一体?」

ヒノキ「新兄さんから託された、このシナリオじゃよ」

ソード・ワールド2.0サプリメント  ミストキャッスル  ─蛮都からの生還─

マッスル太郎の冒険始め

 

ヒノキ「先月、お主が作ったルーンフォークの腹筋崩壊太郎をソロアドベンチャーで活躍させることになった」

ゲンブ「おお、本当でござるか」

ヒノキ「ただし、腹筋崩壊太郎という名前そのままだとマズいかもしれないので、無難にマッスル太郎と改名してのプレイじゃ」

ゲンブ「マッスル万太郎ではないでござるな」

ヒノキ「それはそれで、別の方面でマズい」

ゲンブ「しかし、マッスル太郎はソード・ワールド2.5のキャラであって、ミストキャッスルは2.0対応のシナリオ。一部データに齟齬をきたしたりはしないであろうか」

ヒノキ「モンスターデータやアイテムなどは、旧バージョンのルールが必要じゃろうな。簡単な例を挙げるなら、旧バージョンのテラスティア大陸には[連続攻撃]を持った3レベル蛮族のボガードがいるが、新バージョンのアルフレイム大陸には[痛恨撃]を持った3レベル蛮族のボルグに置き換わっており、大まかなデータは似ていても、細かいところが違っておる。そんなわけで、敵モンスターのデータは旧ルールを使い、自キャラのデータは新ルールを使う。冒険中に入手できるアイテムについては、両方を使いつつ、なるべく新しい方に合わせる方向で考えるとしよう」

ゲンブ「では、早速、装備品の買い物を」

ヒノキ「いや、その前に1Dを振れ」

ゲンブ「(コロコロ)1でござる」

ヒノキ「ならば、マッスル太郎は虜囚の身じゃ」

 

奴隷からスタート

 

ヒノキ「君は、カシュカーンの街の冒険者の店を拠点とする冒険者だった。しかし、不運にも、はじめての冒険で強力な蛮族の集団と遭遇し、捕らえられてしまった。蛮族の虜囚となった君は、そのまま霧の街へと連行されてきたのだ……と、シナリオには書いてある」

ゲンブ「いきなり、捕まったでござるか?  他の出目だと、どうなっていたのであろうか」

ヒノキ「3〜4だと、霧の街への潜入任務を依頼される。5〜6だと、霧の街生まれの若者が脱出を画策する話となる。しかし、1〜2だと、奴隷の身からスタートなのじゃ」

ゲンブ「装備品や所持金は?」

ヒノキ「そんな物はない。代わりに、首に装飾品を着けてやろう(ガチャ)」

ゲンブ「これは一体?」

ヒノキ「〈奴隷の首輪〉じゃ。ご主人さまの命令に逆らったり、勝手に街から外に出たら、首輪が締まって死んでしまう」

ゲンブ「うおー、何ということ。ご主人さまは、どういう方なのでござるか?」

ヒノキ「1Dを振れ」

ゲンブ「4」

ヒノキ「魔神使いのザバールという名のタビットじゃな」

ゲンブ「タビットとは、魔法が得意なウサギ人でござるな。そして、我はカメ。ウサギがご主人さまで、カメが奴隷とは何たる屈辱」

ヒノキ「ふむ、せっかくなのでザバールは女性キャラに改変して、バニーガールのザバーラという名にしよう。『ドジでのろまな亀くん。君は、あたしの奴隷として買われたのよね。せいぜい、あたしのために働いてもらうから』って感じの口癖じゃな」

ゲンブ(以降、太郎)「私の名前はマッスル太郎。みんなを笑顔にするのが仕事。ですから、この首輪を外して下さい」

ザバーラ(ヒノキ)『マッスル太郎?  ぜいたくな名前ね。これからは亀太郎と名乗るといいわ。首輪は外してもいいけど、そのためにはしっかりお仕事をして、6000ザバーラポイントを貯めることね』

太郎「ザバーラポイントですと?  何をすれば、よろしいのでしょうか、ご主人さま?」

ザバーラ『そうね。まずは骨の川に行って、あたしが落とした赤い宝石のペンダントを回収してきてもらおうかしら』

太郎「骨の川。それはスネ夫に関係するのでしょうか」

ヒノキ「ラクシアがドラえもん時空につながってるとは思えんが、もしかすると魔動機文明期にネコ型ロボットが作られていた可能性はあるかものう。少なくとも、ガンダムに似たロボの動画は公式であったことが分かったわけで」

太郎「ともかく、骨の川へ行けばいい、と。それは、どこにあるのでしょうか」

ザバーラ『それを探すのも、君の仕事のうちさ。それすらできない役立たずじゃ、今後が思いやられるからね』

太郎「それでは早速、探しに行ってきます」

ザバーラ『ちょいと待ちな。武器も防具も持たずに、この街じゃ生きていけない。いきなり死なれたんじゃ、君に投資した金が無駄になる。奴隷とは言っても、あたしの財産なんだ。きちんと役立つ働きはしてもらわないとね。1200ガメルを出してやるから、それで買い物をして来るといい。外に出たら、目の前にある黒の天幕があたしの店だ。店員のディエゴとダリオには話を通してある。さあ、きちんと仕事をして来るんだよ、亀太郎』

太郎「1200ガメルは、キャラ作成時の所持金ですな。ところで、私一人での冒険ということは、先制判定のために、スカウト技能は必須だと考えるのですが、残った経験点500点で習得しても構わないでしょうか」

ヒノキ「まあ、認めてもよかろう」

太郎「では、スカウト用ツールも買わねば」

ヒノキ「ザバーラのいる青の天幕を出ると、目の前に赤と黒の天幕がある。どっちに入る?」

太郎「店は黒と言っていたので、そっちに入るでござる」

ヒノキ「中には店番らしい2人のそっくりなルーンフォークがいて、出迎えてくれる。『いらっしゃいませ』『いらっしゃいませ』『私はディエゴ』『私はダリオ』『おや、その首輪は、新しい奴隷の方ですね』『同じルーンフォークの奴隷仲間同士よろしく』」

太郎「ああ、あなたたちもルーンフォークですか。では、お近づきの印に……腹筋パワー!  と叫んで筋力を見せましょう」

ヒノキ「2人のルーンフォークは一瞬、お互いに顔を見合わせてから、何とも言えない表情になって、肩をすくめる。それから作り笑いを見せて、『いやあ、すごい筋肉ですね』『いかにも強そうな戦士だ』『こちらの武器などどうです』『防具もありますよ』『あなたの筋力なら、バスタードソードがお勧めです』『プレートアーマーも行けそうですが、資金が厳しそうですな。最初はハードレザー辺りが無難かと』とアドバイスをしてくれる」

太郎「いや。私は芸人グラップラーだから、格闘用の装備しか身に付けられないでござる……と言って、自分で適当に見繕う。癒し手もいないから、ポーションも買わなければ」

ヒノキ「双子店員はさらにニコニコと話を続ける。『ザバーラ様の奴隷ですと、自動的にザバーラ商会の会員となります』『こちら、会員証になります』『会員の方が当店で買い物をなされると、購入金額の1割がザバーラポイントになります』『是非とも当店をご贔屓に』」

太郎「流暢な店員トークでござるか。この二人をうまく仕込めば、トリオ漫才ができるやもしれぬ。『ディエゴでーす』『ダリオでーす』『腹筋崩壊太郎でーす』って感じで。とにかく、店員マギアの人たちの笑顔にこちらも営業スマイルを浮かべながら、買い物を続けるでござるよ」

ヒノキ「双子は、その後もザバーラポイントについての説明をしてくれるが、この場では割愛しておこう。いろいろな情報やアイテムが付いてくるが、何よりも奴隷から解放されて、街から脱出するには6000ポイントを貯めなければならないのじゃな。あと、赤の天幕は危険なので入らないように、という注意を受けて、ここでのイベントは当面、終わりじゃ。赤と黒と青の天幕のイベントをクリアしたと見なして、★3つを進呈しよう」

太郎「★は何に使うのであるか?」

ヒノキ「ミッション達成時に、★1つで追加経験点が200点得られる。しかし、ミッションが失敗すれば半減してしまうので注意せよ」

太郎「今のミッションは骨の川へ行って、赤い宝石のペンダントを回収することでござるな。双子に聞いてみよう。骨の川がどこか知らないか?」

ディエゴ『知っていますが、教えることはできません』

ダリオ『それを見つけることも、あなたへの試験なのです』

ディエゴ『まずは簡単な仕事からさせてみて、あなたの力量が信頼に値するものと分かれば、次第に大切な任務を与えてもいいだろう、とザバーラ様はお考えです』

ダリオ『ザバーラ様は、契約を重視される方。その約束は信じるに値するものと、私どもは考えております』

太郎「うむ、今はその言葉を信じるしかないか。では、買い物を済ませて、街の探索に出るとしよう」

●マッスル太郎のキャラデータ

 

ルーンフォークの練体拳闘士
グラップラー2レベル、エンハンサー1レベル、スカウト1レベル(残り経験点0、★3つ)

所持金:55ガメル(ザバーラポイント114点)

器用20、敏捷11、筋力21、生命力21、知力15、精神6
HP27、MP6

武器:チェインスティック(命中6、威力15、追加ダメージ+6、クリティカル値11、2回攻撃)
防具:クロースアーマー(回避3、防護点2)

特技:追加攻撃、武器習熟A/格闘

練技:マッスルベアー

所持品:冒険者セット、ヒーリングポーション3本、スカウト用ツール

 

   こうして、奴隷の身となったマッスル太郎の霧の街での冒険が始まった。

   果たして、彼は無事に、野蛮で危険な蛮族都市を脱出することができるだろうか?

   彼の運命は、作者ですら分からない(ゲームだからね。良いも悪いもダイス目次第)

(当記事 完)