花粉症ガール・翔花伝&コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女主役の物語」&「その仲間たちの雑談話」など。TRPG話や特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。

魔神ハンターと、魔神解放!?(SWミストグレイヴ0ー5)

暴れるカニ

 

GM(ヒノキ)「それではミストグレイヴ導入編もいよいよクライマックス。強敵ジャイアントクラブとの対決じゃ」

ホリー(シロ)「アリナ様、そいつのデータはざっと見ましたが、レベル2のキャラ2人に対して、レベル4の剣のかけら入りって無茶じゃありませんか? 特に防護点7の甲羅と、ハサミによる2回攻撃なんて、勝てないですよ」

GM「確かにのう。ミストキャッスルでは、最初のイベントボスがレベル1のスケルトンで、HP20。フェアリーガーデンでも、レベル2のゴブリンでHP26じゃった。まともに考えて、このジャイアントクラブのレベル4、HP42など、よほど運が良くなければ倒せない」

ホリー「だったら、どうして?」

GM「一応、ここでパーティーが全滅しても、物語は進むようになっているのじゃ。最初に厳しい戦いを経験して、このシナリオがいかに苛酷かを示すのが、デザイナーの目論見じゃろう」

ガルド(ゲンブ)「大丈夫。死ぬ気で戦えば、必ず道は開ける。ギリギリまで戦って、ギリギリ踏ん張って、どうにもならない時に勇気の光が生まれるでござるよ」


MAD ウルトラマンガイア OP / Ultraman Gaia

 

デル「大丈夫だ、姉さん。たかがデカいだけのカニ、このオラがみんなを庇ってみせるぅ。その間に、姉さんの魔法で攻撃すれば、いかに装甲が高くても倒せるはずさぁ」

ホリー「だけど、ボクのMPは残り11しかない。エネルギーボルトの呪文は2発しか撃てないんだ。まあ、MPマックスだとしても3発しか撃てないんだけど」

デル「どっちにしても、オラは敵に背を向けるつもりはないさぁ。ここはオラが引き受けるぅ。逃げたきゃ、姉さんがその女性を連れて逃げてくれぇ」

ホリー「お前一人を残して、逃げられるはずがないだろう。ボクも戦う」

GM「では、先制判定をしようかのう。こっちの先制値は10じゃ」

デル「オラは6」

ホリー「ボクは……よし、平目で10を出した。まずは後衛スタートだ」

デル「後衛スタートして、どうするんだよぉ?」

ホリー「神聖魔法フィールドプロテクションを掛けてくれ。それでダメージを1点減少させられる」

デル「よし、呪文はうまく掛かったぁ。MP2点消費して、残り18点だぁ」

ホリー「そして、ボクが前衛に斬り込む。相手の攻撃を回避すれば、問題ない。魔力撃を宣言して攻撃。命中は9」

GMカニの回避は12じゃ」

ホリー「こいつ、意外と素早い!」

GM「レベル4は伊達じゃないということじゃよ。では、命中13を2回避けるといい」

ホリー「ボクの回避基準値は6。期待値で避けられるはず」

ガルド(ゲンブ)「期待値5だと無理でござるよ」

ホリー「黙れ、ガルド。普通は期待値が7なんだ。1回めは出目10、2回めは出目12。よし、華麗に避けた」

デル「さすがはホリー姉さんだぁ。よし、2ラウンドめ、オラも突撃するぞぉ。姉さんを庇う宣言しつつ、ヘビーメイスで攻撃ぃ。命中は13」

GM「当たった。ダメージをくれ」

デル「8点だぁ」

GM「防護点で7点減らして、1点くらった。残りHPは41点」

ホリー「やはり、物理攻撃じゃまともなダメージを与えられない。ならば魔法で。前衛で撃つ場合は、誤射の心配はないということで、エネルギーボルトを撃ちます。相手の抵抗は?」

GM「11じゃ」

ホリー「こちらの魔力が3なので、期待値じゃ抜けないか。よし、ここで剣の恩寵ルールを使います。この光で闇のカニを撃ち倒す! ダイス目は普通に8出た。それに+4して、魔力も加えて達成値15」

GM「魔力で作られた光の矢が、カニの強固な装甲を貫いた。では、ダメージをくれ」

ホリー「ダメージダイスは期待値どおり7。威力10だと3点ダメージで、魔力を足して6点ダメージだ」

GM「ならば、残りHP35点。では、カニはホリーにハサミで反撃するぞ」

デル「おっと、オラがガードしてるんだぁ」

GM「それならば、9点ダメージを受けよ」

デル「防護点は5。それに防護魔法でもう1点減らして、3点ダメージだぁ。残りHPは22点。まだまだぁ」

GM「もう一撃のハサミは、ホリーを狙う」

ホリー「回避ダイスは5で失敗」

デル「姉さん!」

ホリー「大丈夫。一撃ぐらいなら耐えられる」

GM「ダメージは13点じゃ」

ホリー「10点くらって、残りHPは7点」

デル「ヤバいじゃねえかぁ!」

●2ラウンド目終了時の状況

大ガニ(HP 35/42)

デル(HP22/25、MP18/20)

ホリー(HP7/17、MP6/17)

 

命ギリギリ勝負を賭けて

 

GM「3ラウンド目じゃ」

デル「姉さんに庇う宣言しつつ、グレンダール様に癒しを願うぞぉ。炎の神さま、【キュアウーンズ】で姉さんを回復してくれぇ。呪文は掛かって、HPを9点回復だぁ。MP残りは15点。あと5回は回復できるから、その間に姉さんが攻撃してくれたら、この戦い、勝てるはずぅ」

ホリー「そうだな。やってみる。最後のエネルギーボルト! よし、出目12で抵抗貫通。ダメージは……出目4かあ」

デル「こういう時は【運命変転】って言うんだぁ!」

ホリー「そう言って、出目を逆転できるのは人間だけだって。ダメージは結局、4点」

GMカニの残りHPは31点。ではハサミをくらうがいい」

デル「庇っているんだよぉ」

GM「ダメージは11点じゃ」

デル「6点減らして、5点くらったぁ。残りHPは17点。まだ4回は耐えられるぅ」

GM「もう一つのハサミがホリーを狙う」

ホリー「それは避けてみせる。出目4。くっ、ダメか」

GM「ダメージは12点」

ホリー「3点減らして、9点くらって、さっきの回復分が帳消しだ。残りHPは7点」

GM「ピンチはまだまだ続くようじゃの」

ホリー「ウルトラマンの力が欲しい」

ガルド(ゲンブ)「そろそろ、闇に助けを求める気になったか?」

ホリー「闇だと? ボクを誘惑するな!」

ガルド(ゲンブ)「ならば、このまま苦しみもがいて死ぬというのか?」

ホリー「ボクは死なない。ボクを庇って盾になってくれている仲間がいる限りな」

ガルド(ゲンブ)「その盾がいつまで保つか、見物だな」

●3ラウンド目終了時の状況

大ガニ(HP 31/42)

デル(HP 17/25、MP15/20)

ホリー(HP7/17、MP1/17)

 

GM「では、第4ラウンドじゃ」

デル「庇いつつ、回復呪文だぁ。6点回復ぅ」

ホリー「残りHPは13点だ。では、MP切れなので、頼れるものは魔力撃。攻撃は命中して、よし、クリティカル発生。さらにクリティカルで、ダメージ合計は18点!」

GM「何と! 7点減らして11点くらって、残り20点じゃ」

デル「よし、今の攻撃があと2回続けば、勝てるぞぉ」

GM「ぐっ、そうなると、わらわの予定が狂うのじゃ。お前たち2人のどちらかが戦闘不能状態に陥って倒れたときに、その血が封印の壺に降りかかり、マッスル太郎が復活するという劇的な展開の予定のはずが!」

ゲンブ「このままだと、マッスル太郎の出番が当分お預けになるでござるよ」

デル「そうなったら、オラたち2人だけで、ミストグレイヴを攻略してみせるさぁ」

GM「おのれ、そうはさせん。くらえ、一撃必殺のカニバサミ。ダメージは14じゃあ。魔物の攻撃はクリティカルしないのが残念じゃがのう」

デル「8点くらって、残りHPが9点かぁ。こっちがそろそろヤバくなってきたぜぇ」

GM「ヒヒヒ。先に回復役を落とすのがセオリーじゃった。さあ、ホリーにももう一撃を浴びせてくれよう。今度は、わらわがじきじきにカニのダイスを振る。命中は……思いの外に低かったのう。12じゃ」

ホリー「それは避けた。HP13点を維持してる。次の回復は、デル、自分に回してくれ」

デル「ああ、そうさせてもらうさぁ」

●4ラウンド目終了時の状況

大ガニ(HP 20/42)

デル(HP9/25、MP12/20)

ホリー(HP 13/17、MP1/17)

 

GM「第5ラウンドじゃ」

デル「姉さんを庇いつつ、自分を回復。10点回復して、HP19点。残りMPは9点だぁ。攻撃は姉さんに任せたぜぇ」

ホリー「頑張ってみる。魔力撃で命中は11」

GM「ヒヒヒ。こちらの回避は期待値どおりじゃ。外れじゃのう」

ホリー「くっ」

デル「姉さん、諦めるんじゃねえぇ。あの盗賊ギルドでの訓練を思い出すんだよぉ。今の姉さんの体は、前よりも大きくなってるんだぁ。もう一歩、踏み込めば、その刃は相手を貫くぅ。自分の今の体を恐れるなぁ……と叫んで、剣の恩寵ルールを使いますぅ。これって、味方の判定を+2するのにも使えるんですよねぇ」

GM「ダメージ決定には使えないがのう。ギリギリ攻撃が外れた味方のサポートには可能じゃ」

ホリー「ならば……そう、レプラカーンの体とは敵との距離感が違う。今だと、一歩踏み込むだけで、相手を貫ける! だけど、ダメージの出目は振るわず8点のみ」

GM「本当に貫いただけで終わったようじゃのう。1点だけくらって、残り19点」

ホリー「シクシク。ここでクリティカルを連発すれば、ドラマチックだったのに」

GM「では、ホリーを庇っているデルに一撃10点」

デル「4点くらって、残り15点」

GM「もう一撃、デルを狙ってみるか。命中は、低いのう、10じゃが」

デル「オラの回避も基準値が2しかねえぇ。達成値8だと普通に当たったぁ」

GM「ヒヒヒ、ダメージは11点じゃ」

デル「さらに5点くらって、残り10点」

GM「先にデルを落とす方が確実みたいじゃのう」

デル「オラは回復と防御に専念するぅ。その間に、姉さんが頑張って、何とかカニを仕留めてくれぇ」

ホリー「全てはボクのダイス目次第か」

●5ラウンド目終了時の状況

大ガニ(HP 19/42)

デル(HP 10/25、MP9/20)

ホリー(HP 13/17、MP1/17)

 

自分の光を信じて

 

GM「第6ラウンドになったのう。ジャイアントクラブのHPは残り19点。果たして、そちらが倒される前に、削りきれるかのう?」

デル「庇う宣言は外せねえ。万が一にも、アリナ様が姉さんを攻撃する気になったら、回避失敗で終わっちまうからなぁ。オラだと、MPが残っているうちは、回復呪文の連発で何とかなるはずぅ。回復は7点で、残りHPは17。MPは6点だぁ」

ホリー「あと、2ラウンドでMP切れか。それまでに勝負をつけないと。魔力撃で命中は8。これじゃ当たらない」

GM「お前たちが倒れるのも、時間の問題のようじゃの。ハサミでまずは庇っている盾を削る。ダメージはしょぼくて8点か」

デル「残りHPは15点。このカニもだんだん弱ってきているぜぇ」

GM「続いて追い討ちをかける。命中9」

デル「それなら避けられるぅ。11で避けたぁ。やはり弱っているみたいだぜぇ。次のラウンドで勝負をかけるぞぉ」

 

GM「7ラウンドめじゃ」

デル「先に姉さん、攻撃をしてくれぇ。その結果を見て、オラもどうするか決めるからぁ」

ホリー「分かった。先に魔力撃。ダメだ、出目6だと当たらない」

デル「仕方ないなぁ。オラの攻撃ぃ。ダメだ、出目7だと運命変転しても意味がない」

GM「せっかくの攻撃のチャンスも無駄に終わったようじゃな。では、庇っている盾に7点ダメージ」

デル「そっちもしょぼいじゃねぇか。残り14点」

GM「さらに、もう一撃。命中は16」

デル「そんなの避けられねぇよ」

GM「ダメージは……ピンゾロだと? 6点じゃ」

デル「避けるまでもねえってかぁ。カーン」

 

GM「8ラウンドめ」

ホリー「今度こそ。(コロコロ)ダメだ、出目4。当たらない」

デル「こっちは出目10で当てたぁ。ダメージは9点」

GM「当たっても、その程度ではな。2点くらって、残り17点」

デル「やはり、クリティカルじゃないと、奴の装甲は抜けないようだぁ。ここは姉さんが頑張ってもらわないと、オラじゃ攻撃力が足りねぇ」

GM「庇う盾に13点」

デル「ぐわっ、7点抜けてきたぁ。残りHPは7点しかねぇ」

GM「うまく行けば、これで倒せるかも知れん。命中は10」

デル「何とか避けた」

GM「チッ、わらわが振らずに、期待値に任せるんじゃったわ」

●8ラウンド目終了時の状況

大ガニ(HP 17/42)

デル(HP 7/25、MP6/20)

ホリー(HP 13/17、MP1/17)

 

デル「9ラウンドめだぁ。さすがに回復しないと保たねえよなぁ。7点回復して、残り14点。回復魔法はあと1回のみ」

ホリー「ボクの魔力撃は、ようやく当たった。だけど、ダメージがピンゾロだ」

GM「経験点を50点稼いだようじゃな」

ガルド(ゲンブ)「闇の経験点か」

ホリー「うう、ボクは未熟だ。こんなところで、活躍できないなんて……」

GM「心が折れたところで、盾を破壊しようかの。まずは11点ダメージ」

デル「残り9点」

GM「続いて、期待値13でデルを攻撃」

デル「避けられないやぁ」

GM「ダメージは13点」

デル「残り2点に追い込まれたぁ」

GM「健闘はしたが、そろそろ終わりかのう」

●9ラウンド目終了時の状況

大ガニ(HP 17/42)

デル(HP 2/25、MP3/20)

ホリー(HP 13/17、MP1/17)

 

デル「10ラウンドめぇ。最後の回復だぁ。9点回復して、HPは11点。MPはこれでゼロ。しかし、オラは最後まで姉さんを庇うぅ」

ホリー「こんなボクのために」

デル「ヘッ、オラは誰かを庇い守るために生まれてきたんだぁ。仲間を庇って散るなんて、戦士冥利に尽きるじゃねえかよぅ」

ホリー「お前一人を死なせはしない。ボクが攻撃を当てさえすれば! よし、命中。ダメージはクリティカル。このまま行けば……って行かないし、それでも12点ダメージだ」

GM「5点くらって、カニのHPは残り12点じゃ。では、カニの攻撃。7点」

デル「手加減してくれているのかぁ? 残り10点。回避もできねえぜぇ。とどめを刺せよぉ」

GM「ピンゾロじゃ」

デル「どうやら、1ラウンド生き延びたようだなぁ。だったら続けて11ラウンドめ、行くぜぇ。こうなったら、盾を捨てて両手持ちヘビーメイスで大ダメージを狙ってやるぅ。だけど当たらないぃ」

ホリー「ボクは当てて、クリティカルで13点だ」

ガルド(ゲンブ)「ようやく本気を出してきたじゃねえか。やはり追いつめられないと、強くなれないのが嬢ちゃんだな」

GM「6点くらって、残り6点。では反撃。ところでデルはさっき、庇う宣言したのか?」

デル「おっと、言い忘れてましたかぁ。ええと、追いつめられて庇わないというのも格好悪いので、宣言はなくても、庇い続けるということでお願いしますぅ」

GM「なら必中で、ダメージ……って、またピンゾロとは」

ホリー「何だ? デルの体が光り輝いて、カニのハサミを弾き返した?」

デル「ヘッ、オラの不屈の闘志にグレンダール様が応えてくれたみたいだなぁ。もう一撃来いよぉ」

GM「おのれ、11点」

デル「残りHP5点になっちまったかぁ。だが、最後までオラは諦めないぜぇ」

GM「いや、今、気づいたが、デルはシールドを捨てて両手持ちじゃ。つまり、防護点が1点減っておる」

デル「そうかぁ。ならば残りHP3点。どっちにしても大差ねぇ。このまま最後まで戦うぅ。両手持ちメイスは、出目5じゃ当たらねぇが、運命変転して出目9なら当たるぅ。このまま強引に最後のダメージ行くぜぇ。10点だぁ」

GM「3点くらって、残りHP3点」

デル「よし、これで姉さんが当ててくれれば倒せるぞぉ。最後は任せたぜぇ」

ホリー「出目は4。ダメだった」

GM「そこまでか。では、デルに11点ダメージ」

デル「それには耐えられない。HPがマイナス3になって、戦闘不能ですぅ。ドサっと倒れましたぁ」

GM「守るべき盾がなくなったので、ハサミはさらにホリーを狙う」

ホリー「回避失敗」

GM「ダメージは16点じゃ」

ホリー「ボクもHPがぴったり0になって倒れました」

 

 こうして、12ラウンドにおよぶ死闘の末、魔神ハンターの2人は、力尽きて倒れ伏した。

 

生と死の境で

 

GM「2人とも、倒れたか」

デル「あと、3点だったのにぃ」

ホリー「1回だけでも攻撃を当てていれば! あるいは、最初にエネルギーボルトではなく、ブラントウェポンを使って、相手の攻撃力を下げていれば、粘り勝ちしていたかもしれないのに」

GM「健闘した方だと思うぞ。最後に最大の出目を振って、ホリーまで戦闘不能に追い込んだのは想定外じゃったが。戦闘不能にするのは、どちらか1名の予定じゃった」

デル「2人とも倒れて、どうするんですかぁ」

GM「本来のシナリオどおりなら、カニNPCの女の子をむさぼり食って、ミッション失敗。お前たちは放置されたまま、やがて気絶から目覚めるか、バルバロスブラッドの魔力で死から蘇るはずじゃ。とりあえず、生死判定をしてみるかの」

ホリー「生死判定は、ピンゾロさえ振らなければ成功するんですよね」

GM「HPのマイナス分が少ないうちはな」

ホリー「問題なく成功です」

デル「オラも成功だぁ」

GM「なら、2人とも気絶状態じゃ。そして、ホリーの肉体はガルドが掌握して、ふらふらと立ち上がる」

ガルド(ゲンブ)「ヘッ、嬢ちゃん、無茶しやがって

GM「そして、ガルドは気付くわけじゃ。傷ついたホリーの血を吸って、背負い袋の中の壺が輝いていることに」

ガルド(ゲンブ)「ほう、魔神の壺が反応しているとはな。果たして、こいつは吉と出るか、凶と出るか」

GM「そして、ホリー、今のガルドの肉体にとどめを刺そうと、カニのハサミが振り上げられるのじゃ」

ガルド(ゲンブ)「おっと、こいつはうかうかしてられねえな。魔神さまに祈りを捧げるぜ。カニのハサミから身を庇うように持ち上げ、『ガンガンガンマ、ドンドコガンマ』とそれっぽい呪文を唱える。マッスル太郎のイメージ声優は、神谷明さんだから、これで魔神が復活するはずでござる」


超力戦隊オーレンジャーよりガンマジンの必殺技「マジン一刀流奥義」【スーパー戦隊レジェンドウォーズ】☆チャンネルオリオン☆

 

GM「では、場面変わって、デルとホリーの精神世界じゃ。2人の魂は、バルバロスブラッドの闇の力で肉体につなぎ止められ、このまま死んでも穢れを得て復活してしまうようじゃ」

デル「これが蛮族になるってことかぁ。魂の穢れと引き換えに、闘争を求める戦闘機械になるってことがぁ」

ホリー「ボクは、こんなの認めない。自分が穢れてしまうなんて、おぞましい」

GM「その時、お前たち2人の前に一体のマッチョなルーンフォークが現れる。そのルーンフォークは、ニコニコ笑みを浮かべながら、『どうも〜、マッスル太郎で〜す。まずは、お近づきの印にマッスルパウワー!』と叫ぶや、腹筋を崩壊させる芸を見せた」

デル「何だぁ?」

ホリー「ボクたちは、そのルーンフォークのお笑い芸人を知りませんよね」

GM「うむ。カシュカーンの住人なら、知る人ぞ知る駆け出し芸人にして冒険者のマッスル太郎の話は聞いたことがあるかもしれないが、ルキスラにまではその名は伝わっていない」

ゲンブ「まだまだ、ローカル芸人枠で、全国区には浸透していないでござるよ。できればZRT 48並の知名度があればいいのだが」

GM「さすがに公式リプレイのネタに匹敵するほどの知名度は得られんのう。とにかく、マッスル太郎の芸ネタは、魔神ハンターの2人にはウケなかったようじゃ」

デル「しかし、オラはその武闘家らしい筋肉には羨望の目を向けるぞぉ。おめえ、ずいぶん鍛えられてるなぁ。きっと、むちゃくちゃ修行したんだろうなぁ」

GM「『ああ、実戦で鍛えられたでござるよ。ギリギリまで頑張って、ギリギリまで踏ん張って、ただ一人で霧の街を脱出するぐらいには修行した』とルーンフォークは言い、『お前たちも力が欲しくないか?』と問いかける」

デル「力は欲しいが、蛮族の穢れた力は勘弁だなぁ」

ホリー「同意だ。これ以上、ボクは穢れたくない」

GM「『大丈夫。ルーンフォークは穢れない。魔神だって、ラクシアの理である穢れとは無縁の存在。この私はピュアソウルでござるよ』とマッチョな男はさわやかに言う」

デル「魔神だとぉ?」

マッチョ芸人(GM)『どうも、自分ではあまり自覚してなかったが、魔神封印の壺に封じられてしまった以上は、そのようでござる。正確には、ルーンフォークの肉体を依代に、異界の魂が宿った存在。言うなれば、半魔神(ハーフデーモン)と言ったところでござろうか』

GM「その言葉の通り、魔神を感知するデルの特殊能力マジンセンサーに対して、そのマッチョ芸人は微妙な反応しか示さない。魔神のようでもあるが、完全に魔神かと言えば微妙な感じで、クシャミが出そうで出ないようなムズ痒さを覚えるような……」

デル「たとえの意味は分かったような分からないような微妙な感じだが、とにかく、そういう微妙さを覚えたってことだなぁ。ところで、マジンセンサーって設定はルール的にありなんですかぁ?」

GM「魔神遣いデーモンルーラーの使う召異魔法1レベルに【サーチデーモン】というのがあるんじゃが、契約の紋章を持つデルニールは限定的に【サーチデーモン】の特殊能力を持つとしよう。MPは使わない代わりに、目の前の存在が魔神かどうかは分かるということで」

デル「魔神っぽいけど、完全にそうだとも言いきれない、不思議な感じかぁ」

ホリー「不確定名:魔神っぽい何か」

GM「ゴーバリアンを見て、マジンガーっぽいけど何か違う、と感じるようなものか」 

ゲンブ「その喩えで、どれだけの読者が納得できるかは微妙でござるが、マッスル太郎がそういう微妙なキャラという扱いでござるな」

 

デル「とにかく、その半魔神の旦那がオラたちに何の用なんだぁ?」

マッチョ芸人(GM)『用事は簡単。我と契約して、封印の壺から解放してくだされ。ご唱和下さい、我の名を。そうしないと、凶暴なカニモンスターのせいで、おまえさんたちも、我も、酷いめに合わされて、この物語も終わってしまうかもしれないのでありんす』

デル「日本語が変なのはツッコミどころだと思うが、元ネタに敬意を表して叫ぶぞぉ。ウルトラマンゼーーッt……」

マッチョ芸人(GM)『違います。我の名はMUSCLE TAROと綴るわけで』

デル「つまり、マッスル太郎! と叫べってことかぁ」

マッスル太郎(GM)『よろしい。これで魔神契約の紋章を持つ方をご主人さまと認定し、契約の条件が半分以上満たされました』

デル「これで、全部じゃないのぉ?」

マッスル太郎(GM)『封印解除には、血と紋章と、もう一つ、魂が必要となるでござる』

デル「って、お前、魂をとるのぉ? やっぱり邪悪な魔神じゃねえかぁ」

マッスル太郎(GM)『いや、私としては別に魂なんて欲しいとは思わないのでござるが、封印の壺から解放されるには、相応のソウルパワー(心魂の力)が必要であって』

デル「ダメだぁ。魂なんてやれん」

マッスル太郎(GM)『ご主人さま、別にあなたの魂でなくても構いませんとも。それよりも、むしろ、もう一人のお嬢さん、あなたにお願いしたい』

ホリー「ボク?」

デル「それも断るぅ。姉さんを犠牲にはできねぇ」

マッスル太郎(GM)『話は最後まで聞いてくだされ。我の見たところ、そのお嬢さまは世にも珍しい「一つの肉体に二つの魂を持つ存在」です。その片割れを、我が復活のエネルギーとして使わせていただければ……』

ホリー「もしかして、ガルドのことか?」

ゲンブ「え? マッスル太郎のプレイヤーとして、そんな話は聞いていないでござるよ」

GM「うむ。今、アドリブで話しているからのう。マッスル太郎の復活には、ガルドの魂が必要。そして、マッスル太郎がガルドと一つになる方が面白い、と先ほど思いついたのじゃ」

ゲンブ「そんな理不尽な……」

ホリー「……なるほど。ミストグレイヴでは理不尽なこともしばしば起こると言っていたが、確かにそうみたいだな。ホリーとしては、心の中のガルドから解放されるなら喜んで、魂を捧げてもいいと思うだろうなあ」

ガルド(ゲンブ)「え? ホリーちゃん、もしかしてオレサマを犠牲にする気?」

GM「ガルドは今、この精神世界にいない。では、デルとホリーのプレイヤーの同意が得られたところで、現実世界のガルドに話を戻そうとするかのう」

 

魔神新生! その名はマッスルG太郎

 

GM「精神世界でのやりとりは時間の流れの違う話ということで、現実ではカニのハサミがホリーに振り下ろされようとしている状況じゃ」

ガルド(ゲンブ)「ええと、魔神が復活しないと、ホリーちゃんが死んじゃう?」

GM「ガルドには、そう思えた。そして、壺の封印の魔力が魂を捧げないと解放されないことも本能的に分かった、としておこう」

ガルド(ゲンブ)「いささか、ご都合主義でござるが、GMがそう決めたなら、プレイヤーは物語をよりドラマチックになるよう演出するのが心意気というものでござる。ええと、『オレサマはこれまでホリーちゃんの幸せのために、できるだけのことをしてきた。だけど、今この状況で、オレサマはあまりにも無力。神さま、魔神さま、このオレサマの魂を捧げますので、ホリーちゃんを守る力をお与え下さい。変幻自在、ドンドコガンマフューチャー、未来のために!』とか何とか最期の祈りを唱えるでござるよ」

GMカニのハサミが封印の壺に振り下ろされたその瞬間、ホリーの中から一つの魂が壺に吸い込まれ、そして壺が光り輝いて中から弾け飛んだ。そこに立つのは、マッチョな体格のルーンフォーク! では、カニのハサミが命中13で振り下ろされる」

ガルド→マッスル太郎(ゲンブ)「いささか混乱してはいるが、攻撃に対しては、とっさに体が動くでござるよ。回避せずにカウンターキック。命中判定は(コロコロ)22。ダメージは……23点」

GM「強烈な蹴りがカニのハサミを弾き飛ばすや、その胴体の甲羅を蹴り砕いた」

マッスル太郎「その勢いでジャイアントクラブの巨体が後ろに倒れ、ズズーンと振動が鳴り響く。そして後には静寂が残された。復活したばかりの太郎は、記憶の混濁に戸惑い、頭を抱える。かつてのマッスル太郎の記憶に加え、ホリーの裏人格だったガルドの記憶までもが融合し、自分が誰なのか分からなくなったが、程なく、その両方を受け入れた。自分はマッスル・ガルド・太郎、すなわちマッスルG太郎として新しく生まれ変わったのだと……これでよろしいのでござるな、アリナ様」

GM「おお、さすがはゲンブ。そう、マッスル太郎が復活したら、ガルドをどうしようか困っておったのじゃよ。わらわが演じるのも面倒だし、シロの一人二役でも話がややこしくなりそうじゃ。だったら、ゲンブが演じた縁で、ガルドとマッスル太郎を融合させてしまえばいい。ナイスアイデアじゃろう?」

ホリー「ええと、ボクの中からガルドは消えた?」

G太郎「そう。ガルドは自らを犠牲にして、マッスル太郎を復活させ、ホリーを救ったのでござる。ガルドの魂は私の中に生きているが、今はただ勇敢な漢の散り様を称えようではないか」

 

 こうして、ホリーの裏人格ガルドは、霧の街の地下水路を出ること能わず、魔神の一部となった。

 新たにマッスルG太郎と芸名を変えたマッチョなお笑い芸人ルーンフォークと、蛮族の姿であっても人族の魂を持つ魔神ハンターたちがこれからどのような物語を紡ぐのか、それは作者すら知らない大宇宙の謎である(ミストグレイヴは今回が初プレイなわけで)。

(当記事 完)