花粉症ガール・翔花伝&コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女主役の物語」&「その仲間たちの雑談話」など。TRPG話や特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。

魔神ハンターと、マッスルG太郎(SWミストグレイヴ0ー6)

マッスルG太郎、誕生の背景

 

ヒノキ「ミストグレイヴの地下水路で強敵ジャイアントクラブと戦ったデル&ホリーの魔神ハンターコンビであったが、奮戦虚しくHPが底を尽き、一敗地にまみれてしまったのじゃ」

リトル「だけど、生死の境で封印された魔神、マッスル太郎さんと契約を果たしたわけですねぇ」

シロ「封印の解除のためには、ボクたちの血、デルの魔神契約の紋章、そして魂が必要だった」

ゲンブ「そこでホリーの中に宿るもう一つの魂ガルドが自らを犠牲にして、封印を解き放ち、晴れてマッスル太郎が復活。一撃で巨大ガニを粉砕するという、華々しい復活デビュー戦を飾ったでござる」

GM「ガルドの魂と一つになったマッスル太郎は、新生マッスルG太郎となったのじゃ」

ゲンブ「ゲッターロボゲッターロボGになったようなものでござるな」

シロ「それにしても、ガルドがマッスル太郎と一体化するとは思いもしませんでした」

ヒノキ「わらわもじゃ。しかし、ゲンブがガルドを演じ、ホリーとデルが共に倒れ、両者が共にマッスル太郎と契約を果たすようなドラマが、その場のノリとダイス目の結果で偶然に発生した。その流れの延長線で何だか不意に思いついてしまったストーリー。書いてみるまで、プロットにもなかった展開で作者ですら驚いておるらしい」

シロ「ボクのキャラ、ホリーはキャラビルドブックで二重人格という設定ができたのに、いきなり、その設定を破棄するような展開で大丈夫なんですか?」

ヒノキ「いやいや、キャラ設定というものは物語を作るための材料であり、物語の展開に合わせて発展解消するのもしばしばじゃ。初期設定を後生大事にして、物語がうまく展開しないよりは、使える設定は大事に扱う、使いにくい設定は適切に改善して物語を盛り上げるために昇華するのも、作劇の基本じゃ、と新兄さんなら言うであろう」

シロ「ガルドは面白いキャラだと思ったんだけど、一人二役を演じると、物語が進みにくいという弊害は確かにあったかな」

ヒノキ「ガルドがアドバイスする→ホリーが反発して逆の行動をとる、というギミックは、小説やコミック、アニメでは面白いキャラの関係性だと思うが、TRPGの形式でプレイヤーが扱うには難しいし、物語的にまどろっこしい内輪芝居にしかならん、と感じてのう。それよりは、ガルドの要素をプレイヤーキャラのマッスル太郎に持ち込む方が、面白くなると判断したのじゃ」

ゲンブ「ガルドの記憶をマッスル太郎が継承することで、デルやホリーの背景を改めて太郎に説明する手間も省けるでござるよ。その意味でガルドは、マッスルG太郎の中に生きているわけで」

シロ「ホリーとしては、ガルドが邪魔に思っていたので、いい厄介払いができたと思うのだろうけど、いなくなったらいなくなったで、心にポッカリ穴が空いたような気分、となるのかな。いなくなって初めて分かるガルドの価値、というか……」

ヒノキ「その辺の細かいキャラ心情は、プレイヤーのロールプレイに任せるとしよう。GMとしては、感情を刺激する状況を与えるのみ。では、改めてプレイの続きを始めるとしよう」

 

 出会い

 

GM(ヒノキ)「壺から解放されたマッスルG太郎が大ガニをカウンターキックで蹴り倒した直後から再開じゃ。辺りには、気絶したドレイクと女バルカンが倒れ伏しており、それとは別に大ガニに襲われていた人間の娘が凄惨な戦いを前にして、ガタガタ震えておる。今、行動できるのはG太郎だけじゃ。他の2人は、意識が回復するまで待っておれ」

デル(リトル)「G太郎さん、早く起こしてくれぇ」

G太郎(ゲンブ)「ご主人さまの魂の声が聞こえたような気がするが、私は状況がよく分からず、マッスル太郎の記憶と、ガルドの記憶の整理に努めているでござる。もしもガルドの記憶がなければ、蛮族2名が倒れているようにしか見えず、トドメを刺して装備品のはぎ取りをしていたかもしれんが」

ホリー(シロ)「ああ、そうか。2人とも気絶しているということは、ボクたちが蛮族の姿になっているって説明できないもんな。なおさら、ガルドの記憶が重要ってことじゃないか」

G太郎「そして、私の中のガルドが囁く。『魅力的な女性は無視できない』と。ここは蛮族2名を後回しにして、先に震えている女性に声を掛けねば。お嬢さん、安心して下さい。あなたを脅かす魔物は、この通りすがりのお笑い芸人が撃退しました。よろしければ、あなたを安全な場所までお連れしましょう」

GM「ええ、どうもありがとうございます。私の名前はメル。あなた様は?」

G太郎「ガルド……いや、その名は過去の名。今の私は……そう、サスライマッスルとでも名乗りましょうか。ル=ロウド神官のサスライダーの仲間で正義の味方。そういう記憶が頭に浮かんだでござる」

メル『正義の味方サスライマッスル。だから突然、光の中から現れたのですね。化け物大ガニに襲われたと思ったら、突然、2体の蛮族が駆けつけてきて、化け物と戦い始めた……しかし、蛮族の方たちは力及ばず倒されたみたいですね。いよいよ次は、私が殺されると覚悟を決めたら、あなた様が突然現れて、化け物を撃退して下さった。あなた様は命の恩人です』

G太郎「いやあ、当然のことをしたまででござる。ところで、私はルーンフォークで記憶が若干曖昧なんですが、そこに倒れている蛮族2名が私の記憶の手がかりになるのでは、と考えます。しばらくお待ちいただいて、あれこれ調べさせてもらえませんか。それが済めば、必ずあなたをどこへなりとエスコートいたしましょう」

ホリー「マッスル太郎って、こういう上品な喋り方のできるキャラだっけ?」

G太郎「そこはサンドリーヌところの執事バトラーさんから、上流社会の作法を学んだのでござるよ。それにガルドの記憶もあるし、ホリーとガルドは貴族のカーシェイン家であれこれ学んだのであろう」

ホリー「ボクの知らないマッスル太郎とガルドのキャラが組み上がっていくみたいだ」

GM「とにかく、メルは快くサスライマッスル、G太郎の申し出を受け入れてくれる。さあ、他の2人を起こすといい」

G太郎「その前に、倒したカニから戦利品をはぎ取るでござる。戦利品判定は8」

GM「ならば、〈鋭利な鋏〉(50G)が手に入った」

G太郎「11以上なら、〈まろやかなミソ〉(600G)も入手できたであろうに」

GM「それと、剣のかけら4個と、経験点40点。さらにカニ撃退イベントで★1個、そしてミッション達成による★2個を進呈しよう。なお、このミッションは拠点に戻らなくても、今、この場で成長可能じゃ。ただし、他の2名を起こして、パーティーが正式に結成できた時点でのう」

G太郎「一つ質問でござる。ミストキャッスルでは、ミッション達成時にHPとMPが完全回復するように裁定したが、今回も同じでよいのでござろうか?」

GM「むっ。気絶した2人は、HPもMPもほぼ0で、そこからの回復も大変じゃな。その状態からの復帰を魔法や薬草、ポーションなどで頑張って立て直すのも一興じゃが、物語の進めやすさを優先して、ここは『ミッション達成時に完全回復』というハウスルールを引き続き採用するか」

デル「ということは、オラたちはそろそろ起きてもいいのかぁ?」

G太郎「気絶状態から目覚めさせるには、魔法やポーションの他に、応急手当判定という手もあるが、ここは私が2人の応急手当をしたということにしておこう。一応、ダイスを振って問題なく成功したでござる」

GM「応急手当てには10分掛かって、その間に生死判定も必要なんじゃが、万が一ピンゾロが出ても酷なので、そこは割愛じゃ」

 

デル「では、ホリー姉さんより先に目覚めて、G太郎さんの姿を確認して言いますぅ。おめえが夢で見た半分魔神って奴かぁ? 夢じゃなかったのかぁ」

G太郎「半分魔神という言い方は心外でござる、ご主人」

デル「だけど、契約時にそう言ったと思うがぁ?」

G太郎「あれはGMが勝手に演じていたイメージでござるからなあ。私であって私ではないと言おうか。今の私はお笑い芸人ルーンフォークのマッスルG太郎、それ以上でもそれ以下でもない」

デル「笑う魔神じゃないのかぁ? とにかく、オラがお前の主人というのは本当なのかぁ?」

G太郎「ルーンフォークは、主人を求めるゆえに」

デル「あくまで、ルーンフォークって言い張るつもりなんだなぁ。オラのマジンセンサーは、お前を魔神認定しているってのによぉ。……アリナ様、そうですよねぇ」

GM「魔神成分を備えた何か、であるのは確かじゃ。そもそもデルは、本格的に魔神の勉強をしているわけではない。セージ技能もデーモンルーラー技能も持たないので、魔神かどうかの識別は多分に感覚的なものと言えよう」

デル「理屈や知識ではなく、本能的にそう感じられるってことかぁ。スペースGを見て、半分Gだけど違う要素がいっぱい混じっているって思う感じかなぁ」

GM「ジラを見て、これはゴジラじゃないと思うようなものか。あるいはジラースやゴメス、アーストロンにゴジラ成分を感じるようなもの」

デル「それでも、オラは魔神みたいな奴を許すわけにはいかねえんだよなぁ。だから、こう言うぞぉ。おい、マッスル魔神、一発殴らせろぉ。そう言って、ヘビーメイスを振りかざすぅ。命中判定は10」

G太郎「いきなり、殴ってくるのか。だが、しかし、カウンターで21! 蹴りを武器に当てて、弾き飛ばす。体にダメージを与えたら、今の負傷した状態で殺しかねんでござるからなあ」

デル「その蹴りのあまりの鋭さに、ガクガク震えるぅ。つ、強ぇ。これが魔神の強さってかぁ」

G太郎「ご主人はいろいろ勘違いをしている。まず、今のカウンターキックは、魔神ではなく武人として鍛えた修練によるもの。人族の冒険者として真っ当に生きてきた証。この私は今まで生きてきて、己が魔神の力に頼ったことは一度たりとてない。……そもそも、ゲーム上は魔神としての能力は何も与えられておらんでござるからなあ」

GM魔改造表を振ってもらおうと思ったが、ゲンブに断られたからのう」

G太郎「それに、仮に私が魔神であれば、今の傷ついた未熟なご主人では、決して勝つことができない。勇気は戦士の証だが、蛮勇は誉められたものではない。それとも、ご主人は蛮族の闘争本能に支配されているのでござるか?」

デル「オラが蛮族だとぅ? 身をやつしてはいるが、オラは人間だぁ!」

G太郎「ならば私も同じ人族だ。たとえ出自に異界の力が関わっていたのが真実だとしても、我が心は調和を重んじる人族のもの。人族として生き、みんなの笑顔のために励み、戦いたいと思っているでござる。それでは問う。ご主人はどうして魔神を憎むのか?」

デル「そんなの決まっているだろぉ。奴らは世界に破壊と混乱を巻き起こすからだぁ。魔界からの侵略者を許していいはずがないぃ」

G太郎「魔界など知らんし、私は破壊と混乱をもたらしたいとはこれっぽっちも思っていないでござる。もちろん、降りかかる火の粉は払うし、依頼された仕事の結果、思わぬ騒動に発展することはなきにしもあらずだが、そんな物は冒険者稼業を続けていれば少なからず有り得る事態。世の中に悪い人族がいるのと同様、良い蛮族や平和主義の魔神だっている。いやまあ、良い魔神ってものには、私も出会ったことがないのでござるが」

デル「……お前が本当のことを言っているのか、オラには分からねえぇ。だけど、今のオラじゃお前には絶対に勝てないことは明らかだなぁ。だったら、お前に一つ頼みがあるぅ。オラを弟子にしろぉ!」

G太郎「はい? 弟子でござるか? お笑い芸人の?」

デル「違うぅ。武道のだよぉ。お前は人として、武人として自分を鍛えたと言ったよなぁ。その技と力をオラに伝授してくれぇ。オラは今よりもっと強くなりたいんだぁ」

G太郎「ご主人が私に弟子入り志願とはなあ。どっちがマスターかよく分からん事態でござるが」

デル「マッスル師匠、お願いだぁ。オラは師匠に弟子入りして、師匠を観察しながら、同時に魔神として悪事をしないかを見届けることにするぅ。オラが、お前のご主人なら、オラはG太郎さんに命令するぞぉ。オラを弟子にして、強く鍛えてくれぇ」

G太郎「ご主人の命令とあらば、応じぬわけにはいかぬでござるが、その前に一つ質問しておこう」

デル「何でございまするかぁ、師匠!」

G太郎「そのおかしな敬語! 上品な言葉遣いに慣れていないのが一目瞭然でござるな」

デル「いや、弟子キャラは日本語が変なのが、最近のトレンドであらせられますからぁ」

G太郎「まあいい。それで質問だが、どうしてお前は身を呈して、そこの娘……ホリーちゃんを守り続けたんだ? 彼女に惚れているのか? ……と私の中のガルド成分が気にしているでござるよ」

デル「惚れているぅ? そんなんじゃねえよぉ。ホリー姉さんは……こんな未熟なオラが魔神ハンターと名乗っても、他の人と違って笑わず、バカにせず、真面目に付いて来てくれたんだぁ。だから、かけがえのない大事な仲間なんだよぉ。守って戦うのは当然だろぉ? それに姉さんは小さいなりなのに勇敢だぁ。今は大きくなっちまったが、あの可憐な勇気を見せられたら、オラだって怖気づくわけにはいかねぇ。尊敬できる仲間がいるから、一緒に頑張れるぅ。自分も強くなって、守りたいと思えるぅ。これも人族の調和の精神って奴だと思うが、こんな答えで師匠は満足かぁ?」

G太郎「かけがえのない大事な仲間か。これまでずっとソロで戦うことの多かったマッスル太郎には、あまりない感情を見せられて、深く感じ入るでござるよ。そして……ホリーちゃんを守るという一点で、我が内なるガルドも納得した。それでは、重々しく頷いて、こう宣言しよう。お前は彼女を守る盾となれ。さすれば、私はお前たちの敵を蹴り破ろう、と。そして、共に強さの高みを目指すとしよう、とな」

 

GM「長いロールプレイのやりとりであったが、これでデルとG太郎の関係性は成立じゃな。では、そろそろホリーの方も絡めるとしようかのう」

 

失った半分の魂

 

ホリー「デルとG太郎が交流している間、ボクはしばらく目覚めない。自分の中のガルドが消えたことで、思わぬ大ダメージを受けてしまっているから。いつもなら、『おい、嬢ちゃん、起きろ。いつまでも寝てるんじゃねえぞ』と口うるさく声を掛けられて、『お前に言われなくても分かっている。黙っていろ』と返しながら、自分に気合を入れるのに、その声が聞こえないと、途端にどうしていいか分からなくなるんだ」

GM「これまではガルドがいたから、それに反抗する形で、自分を維持できたのじゃな」

ホリー「ボクの性格は、身分を否定し、穢れを否定し、ネガティブにできているんだ。それをガルドの持つ欲望を肯定し、闘争を肯定するポジティブな信条でバランスをとってきた。そのバランスが失われたとき、ボクの中にはネガティブ成分しか残っていないことに突然、気付いてしまったわけで」

GM「いなくなって初めて分かるガルドの価値、ということか」

ホリー「反抗期の子どもにとっての口うるさい親みたいなものですか。とにかく、魂の半分を失うということは気力が激減して、自分を維持できなくなるんじゃないか、と思うんですね。その分、何かに依存して生きそうになるというか」

GM「その穴をどのように埋めるかじゃな」

G太郎「では、ガルド成分を受け継いだ私としては、いつまでも起きて来ないホリー嬢ちゃんを心配するものの、どう声を掛けたらいいか戸惑いながら、デルに起こすように促すでござる」

デル「オラがぁ? 仕方ないなぁ。おい、姉さん、大丈夫かぁ? ほっぺたをペシペシ叩くぞぉ」

G太郎「人間の男女はこういうときに、人工呼吸をするそうだぞ、と私の中のガルドが言う。従来のマッスル太郎からは出ない発想でござるがな」

デル「人工呼吸ぅ!? そんなラブコメ展開をロールプレイしないといけないんですかぁ?」

ホリー「さすがに、そうなる前に目覚めるぞ。ええと、ガルドの下卑た欲望を感じたとか、そんなところかな。デルに人工呼吸されそうになったら、パッと目覚めて、一瞬、目をぱちくりさせてから、キャ〜って悲鳴を上げて、ビンタで返すのが古いラブコメの王道だと思うが、今さらそんなベタな展開を演じる気にもなれん」

デル「それはリウが生まれる前の80年代から90年代のセンスだと思いますぅ。とにかく、デルとしては、ほっぺたペシペシで姉さんが目覚めてくれたので、ホッと一息つきながら、『ようやく目覚めたみたいだなぁ』と純朴そうな笑みを浮かべるわけでぇ」

ホリー「その笑みに安心しながら言うぞ。『お前が守ってくれたんだな。すまない』と感謝しつつ、『ボクは未熟だ。あのカニを倒す前に……』と気絶する前の瞬間を思い出し、ブルッと身を震わせる」

G太郎「安心しろ、嬢ちゃん。化け蟹はオレサマ、いや、私が倒した……とガルド混じりで声をかけるでござる」

ホリー「お前、ガルド……と言い掛けて、G太郎の姿を確認して、いや、違うな、と否定する。ええと、夢で見た魔神とやらか。復活したのか? ガルドはどうなった?」

G太郎「どんな夢を見たのか、私には分からんが(アリナ様の演じた太郎はあくまで2人の脳内イメージということで)、ガルドの魂は私の中に生きている。おかげで、封印から解放されたようだ。ええと、ホリーちゃんって呼べばいいのか?」

ホリー「お前にちゃん付けされる覚えはない」

G太郎「だったら、ホリー?」

ホリー「呼び捨てするな!」

G太郎「仕方ないでござるな。嬢ちゃん、で通すのが無難か」

ホリー「……お前の中に、ガルドの魂があると言ったな。その……記憶みたいなものもあるのか?」

G太郎「鮮明ではないが、うっすらと断片的にはな。少なくとも、ご主人と嬢ちゃんが魔神ハンターを名乗って、何のためにこのミストグレイヴに潜入してきたのか、そういう情報は私の中のメモリーにインプットされている……と人造人間っぽく発言するでござる。その方が冷静に会話できるだろう、と判断してな」

ホリー「魔神……と言うより、魔動機械のような物言いだな。レプラカーンは魔動機に馴染みのある種族ということなので、機械的な反応に安心感を覚えるみたいだ。ガルドの魂を宿した機械ぐらいな認識で受け止めるとしよう」

G太郎「ホリー・カーシェイン。私はガルドの意思に基づき、お前を守りたいと思う。それが今の私の欲望の一つだ」

ホリー「何? ボクを守る? それがガルドの意思だと? ボクを闇に誘うつもりじゃないのか?」

G太郎「ガルドの意思に、嬢ちゃんを闇に誘う目的は含まれていない。むしろ、嬢ちゃんに良かれと思って忠言し、守ろうとしてきたはずだ。だから、私が復活できた。私を解放したのは、悪意ある闇の力ではなく、ホリー嬢ちゃんを守りたいという善意ある魂の力だ。それは認めてもらいたい」

ホリー「ガルドはずっとボクを蝕んできた心の闇だ。それが善意ある魂だって? そんなことが認められるものか。お前がガルドの記憶を持つなら、その情報はガルドにとって都合のいい捏造に違いない」

G太郎「その可能性は否めないが、少なくとも私はガルドそのものではない。マッスルG太郎として、ご主人のデルとお前に従い、共に戦おうという意志は本物だ。同行を認めてもらいたい」

デル「ホリー姉さん、オラはさっき、マッスル師匠の弟子になったんだぁ」

ホリー「は? 弟子だと? お前は何を言ってるんだ? この魔神だか、魔動機械に洗脳でもされたのか?」

デル「師匠は強いんだぁ。その強さを、オラは学び、魔神ハンターとして成長するぅ。あんなカニ如き、一撃で倒せるぐらいの強さになぁ」

G太郎「さすがに一撃では無理でござる。ご主人たちが頑張って、カニのHPを削ってくれたから、トドメを刺せただけで。まあ、それでも1ラウンドあれば倒せるとは思う。ダイス目が低くても、2ラウンドあれば確実でござろう」

ホリー「本当に? ボクたち2人で12ラウンド掛けても倒せなかったのにか?」

 

GM「試してみるとするかの」

 

仮想対決「マッスル太郎VS巨大ガニ」

 

GM「では、ロールプレイが長引いたので、ここで一息つくために、マッスル太郎の強さを確認するためのバトルをシミュレートしてみるのじゃ」

G太郎「相手はHP42、防護点7点のジャイアントクラブでござるな。それをレベル7グラップラーのマッスル太郎が本当に1ラウンドで倒せるか。まずは、先制判定で(コロコロ)21。これで、初手に戦闘特技《ファストアクション》で4回攻撃できるから、ほぼ勝ったも同然でござるな。

「次に練技のマッスルベアーでダメージ+2、《マルチアクション》からのエンチャント成功で、さらにダメージ+1で、追加ダメージが合計16点。そして命中基準値が11で、カニの回避達成値が12なので、ピンゾロ以外で命中。だから、純粋にダメージ量だけの問題、と」

GM「では、殴るといい」

G太郎「一撃め。普通に命中して、ダメージは26点」

GM「防護点7点減らして、19点くらった。すなわち残りHP23点じゃな」

G太郎「二撃め。命中して、ダメージは22点」

GM「残り8点」

G太郎「三撃めで20点。これでとどめでござる。念のため、もしも先制判定に失敗して、《ファストアクション》の4回攻撃ができなかったとしても、カニの2回のハサミ攻撃に対して、その都度カウンターを入れていけば、1ラウンドで4回ダメージを与えるチャンスがあるので、ピンゾロを繰り返さない限りは、1ラウンドでカニ如きは落とせる計算になる、と」

GM「これも最初から戦闘特技《追加攻撃》を習得しているグラップラーゆえのことじゃな。同じレベル7でも、ファイターだとこれほどの破壊力は出せんと思われる」

G太郎「まあ、ファイターだと片手武器の《二刀流》を習得し、スカウト7レベルで《ファストアクション》を習得すれば、同じだけの破壊力を生み出せるかもしれんが、それでも《カウンター》ができない分、先手をとれなければ1ラウンドキルに失敗する可能性は大きいでござろうな」

 

ホリー「何にせよ、ボクたちが苦戦して倒せなかった化けガニを、たったの3撃で倒せるというのか。恐るべきマッスルG太郎。信じきれないところはあるが、その強さには敬意を表しないといけない。ボクたちが使命を果たすためには、この魔神だか人造人間の戦闘力はどうしても必要になる。そう判断して、ホリーはこう言うぞ」

 

『勘違いするなよ。ガルドの魂を持つ魔神に心を許したわけじゃないからな。ボクたちが闇を払い、元の人族に戻るために、お前の力が必要なだけだ。そう、ボクはお前を有用な道具として利用する。ただ、それだけの関係だ』

 

 こうして、魔神ハンターの2人は、強力な追加メンバー、マッスルG太郎を迎え入れることとなったのである。

 G太郎を師匠として、強くなりたいと願うデルニール・イーストン。

 魂の半分を代償にして不安に苛まれながらも、G太郎に反発するように強気を崩さないホリー・カーシェイン。

 そして、仲間という存在に惹かれながら、彼らを守り、共に戦おうと決めるも、人の心と機械の体、定まらない自我を備えし魔神、マッスルG太郎。

 

 彼らの試練はいまだ始まったばかりである。

(当記事 完)