花粉症ガール・翔花伝&コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女主役の物語」&「その仲間たちの雑談話」など。TRPG話や特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。

魔神ハンターと、闇夜の鷹(SWミストグレイヴ0ー3)

ショウン・グラハムの話

 

GM(ヒノキ)「ミストグレイヴの導入編、第3話じゃ」

デル(リトル)「魔神ハンターを名乗るオラたちは、とある遺跡の探検で、誤って謎の薬を飲んでしまったんだぁ」

ホリー(シロ)「その結果、人間のデルは蛮族の竜人ドレイクに、レプラカーンの少女であるボクは、炎の魔神に似た外見の蛮族、アダルトなバルカンの美女になってしまった。蛮族を憎む魔神ハンターがあろうことか、敵対相手になってしまうなんて、一生の不覚」

ガルド(ゲンブ)「まあ、いつまでも嘆いていても始まらない、でござる。ホリーちゃんの裏人格として、オレサマがしっかりサポート&アドバイスしてやらないと、な」

ホリー「闇の声の誘惑には乗らないようにしないと」

GM「ともあれ、蛮族の姿になって戸惑うお前たちのところに、盗賊ギルド『闇夜の鷹』のリーダーであるショウン・グラハムが現れて、いろいろと話してくれる場面で続いたのじゃ。まず、ショウンはお前たちの姿を変えた薬が〈バルバロスブラッド〉と呼ばれるもので、元々は人族が穢れを身に宿して蛮族の力を容易に得るため、あるいは蛮族社会に潜入工作をするために作られたものだと教えてくれる」

ホリー「そんな薬がどうして、この遺跡に?」

ショウン『逆だろう? 薬は元々、この遺跡のお宝として存在していたんだ。俺たちはその情報を知って、ミストグレイヴ潜入捜査のために手に入れようとしたんだが、お前たちに先を越されちまったみたいだ。お前たちの方こそ、どうして、この遺跡に来たんだよ』

デル「さあ。オラにも何だかよく分からないが、気が付いたら、この遺跡に来ちまっていたんだぁ。邪悪な神か何かにたぶらかされたのかもなぁ」

ガルド(ゲンブ)「まるで、どこかの剛力超人みたいな言い草でござるな」

GM「一言で言うなら、シナリオ都合なのじゃが、おそらくは『この遺跡の奥に、魔神と戦うための強力な力が眠っている』という噂を聞いたのじゃろう」

ホリー「そして、世間知らずなボクたちは、ろくな探索技能も持たずに、無謀にも遺跡探索に来てしまったんですね」

ガルド(ゲンブ)「やれやれ。オレサマは、『そんな美味い話があるはずがない。どうせガセネタに決まっている。少しはオレサマの話を信じて、人を疑うことを覚えろ』って忠告したんだがな、でござる」

ホリー「どうして、心の闇を信じて、人を疑わないといけないんだ? ボクは人の心の光を信じている」

ガルド(ゲンブ)「そう言って、こっちがどんなに正しいアドバイスをしても、その逆に突き進んで、痛い目に合うのがホリー嬢ちゃんなんだから、でござる」

ホリー「そうなのか? ボクには、ガルドのアドバイスが闇への誘惑とか、欲望をそそのかすとか、暴力的にしか聞こえないんだが」

ガルド(ゲンブ)「オレサマは、嬢ちゃんが幸せになれるよう、一番、手っ取り早く有効なアドバイスをしているだけだ、でござる」

ホリー「そのアドバイスの内容が『お腹が空いたら、お店のリンゴを盗めばいい』とか『ケンカ騒ぎがあったら、ドサクサ紛れに財布をスリ取ればいい』とか、犯罪行為ばかりじゃないか」

GM「つまり、ホリーは犯罪行為を毛嫌いしているから、スカウト技能を身に付けなかったということじゃな」

ホリー「うう、そうかもしれない。これまでずっと、ガルドのアドバイスの逆ばかりを選んできたから」

デル「とにかく、オラたちは『力を求めて』この遺跡に踏み入ったわけだぁ。噂は本当だったが、蛮族の力を求めていたわけじゃねぇ」

ショウン『なるほどな。しかし、これはチャンスかもしれんな。せっかくだから、お前さんたち、ルキスラ帝国の密偵として、霧の街の地下のミストグレイヴに潜入して、情報を持ち帰ってくれねえか? 無事に任務を完了して帰ってきたら、元の姿に戻してやるし、報酬として1人辺り3万ガメルを約束しようじゃないか』

ホリー「3万ガメル?」

ガルド(ゲンブ)「こいつは驚いた。駆け出しの冒険者の報酬の相場は500〜1000ガメルってところだぜ。この仕事は破格の報酬だ。引き受けない手がないぜ」

ホリー「だけど、そんな美味い話があるわけがない。こういう時こそ、人は疑わないと。何しろ、相手は盗賊ギルドのお偉方を名乗る男だからな。信じられるはずがないだろう」

デル「どうしてオラたちなんだぁ?」

ショウン『そりゃ、お前たちがその姿になっちまったからだろう』

デル「そいつはそうだが、オラたちは魔神退治みたいな荒事専門だぁ。密偵なんて仕事はしたことがねぇ。もっと優秀な盗賊がいるだろぉ?」

ショウン『そうだな。強いて言うなら、その目が気に入ったと言おうか』

デル「目、だとぅ?」

ショウン『お前たちの仕事場は、人族にとって危険極まりない蛮族どもの地下世界だ。当然、荒事に巻き込まれることもあるだろう。そんな苛酷な場所で任務を果たすには、何にも増して意志の力、どんな逆境でも踏み越えていける荒々しさが必要となる。俺はこう見えても、人を見る目はあるつもりだ。お前たちは鍛えれば、十分に物になると踏んでいる。この仕事を果たせば、お前は確実に強くなる。力が欲しいんだろ?』

デル「そこでは、魔神と戦えるのかぁ?」

ショウン『魔神ねえ。蛮族が魔神の力を利用しているって話は聞いたことがあるが、確実な証拠はねえ。だがしかし、魔神が多少とも絡んだ仕事でもあることは確実だ。情報収集のついでに、とある魔神絡みの物品を運んでもらいたい』

デル「魔神絡みの物品だってぇ?」

ショウン『詳しい話は、仕事を引き受けてからだ』

デル「魔神絡みなら、魔神ハンターとして乗らない手はないなぁ。分かったよ、その仕事は引き受けたぁ。ショウンの旦那、何でもするぜぇ」

ショウン『いい覚悟だ。そちらの姉さんはどうだ?』

ホリー「ボクは……」

ガルド(ゲンブ)「蛮族の世界に潜入するって聞いて、怖気づいたのか? だったら断りな。どっちにしても、この魔物のような姿じゃ、人族の社会で生きていけねえ。このまま一生、闇に潜んで生きていくのも一興かもな。闇に隠れて生きる。オレサマたちは、人族の姿を失った魔神もどき、あるいは妖怪人間として生きて行くんだ」

ホリー「そんな人生はイヤだ。ボクは闇に抗って、人族の光を取り戻す。早く人族に戻りたい。暗い運命を吹き飛ばすんだ!」

ショウン『……何だかいろいろ葛藤しているみたいだが、心の闇に飲み込まれまいと必死で抗っている想いは、ひしひしと伝わってくるな。今のあんたは闇に苛まれているようだが、闇に飲まれずに利用する術なら、俺たちが専門家だ。こう見えても、オレたち「闇夜の鷹」は皇帝陛下にもパイプを持つ、真っ当なギルドだからな。正義を名乗るつもりもないし、汚れ仕事だって引き受けたりもするが、人族の仁義ってものはわきまえているつもりだぜ。闇との戦い方、闇の世界の流儀ってものは教えてやっても構わないんだが』

ホリー「闇と戦う……闇を利用する……それがボクの生きる道」

ショウン『そう。闇に飲まれるな。しかし、闇を恐れて目を背けるな。そうすれば、闇はお前さんの力になる。それが「闇夜の鷹」の生き様だ』

ホリー「闇夜の鷹……ですか。そこに入れば、ボクは光の世界に飛び立つことだってできるかもしれない」

ショウン『覚悟は決まったようだな。ようこそ、我が組織へ』

 

密偵としての訓練

 

GM「ということで、魔神ハンターの2人は、盗賊ギルド『闇夜の鷹』で、密偵としての最低限の教育を施されることになったのじゃ」

ホリー「これで、スカウト技能をゲットですね」

GM「いや、冒険者技能の習得には、きちんと経験点を消費してもらわねばのう」

ホリー「だったら、何の訓練ですか?」

GM「まずは、蛮族の新しい肉体の動かし方に慣れてもらわねばのう。体格はそれほど変わらないデルニールはともかく、ホリーの場合は視点も高くなったし、手足の長さや3サイズなどの体型も大きく変わったから、体の動きの感覚をつかむにも、それなりの訓練が必要となろう」

ホリー「確かに。子どもが急に大人になったようなものですからね」

GM「次に言語じゃ。蛮族社会への潜入に当たって、最低でも汎用蛮族語の会話と読み書きぐらいは身に付けないと、情報収集もままならん」

デル「言語なんて、そんな簡単に身に付けられるものなんかぁ?」

GM「本来ならセージ技能、あるいは会話だけならバード技能の習得が必要じゃが、前作のミストキャッスルではシナリオ上の必要から『汎用蛮族語会話は無条件で習得済み』となっておった。今作のミストグレイヴでは異なるが、続編リプレイである以上は、前作と同じ条件でなければ、かえって不公平かと思って、お前たちは盗賊ギルドでの効率いい短期間の訓練で、汎用蛮族語を習得することができた」

デル「ただで、言語のレッスンを受けられるとは、盗賊ギルドってのも親切なんだなぁ」

GM「汎用蛮族語は比較的単純な荒くれ言葉じゃからのう。ただし、これだけで十分ではない。読み書きや、その他の種族語はまだ未習得。ドレイクならドレイク語、バルカンならバルカン語を身につけないと、同種族の者に怪しまれることとなろう。それは各自でセージ技能やバード技能を伸ばして、習得するといい」

ホリー「ボク、がんバル。敵をぶっ潰すバル」

デル「おっす、おら、ドレイク。エリート種族でイクドラよ」

GM「語尾に、バルとか、イクとか、ドラとかを付けても、言語習得したことにはならんぞ」

ホリー「とにかく、言語の壁は早めに意識して克服する必要があるんですね。スカウト技能とセージ技能の習得が必須」

GM「スカウト技能は、短期間の訓練で最低限の手ほどきはしてもらったが、ホリーの心がまだ盗賊稼業に葛藤しているようで、訓練だけではどうにもならなかった。後は、実践を通して身に付けるしかねえな、とは教官の弁」

ホリー「隠れるだけなら、レプラカーンの種族特徴[姿なき職人]で何とかなるんですけどね」

GM「そして何よりも問題なのは[暗視]じゃ。地下世界で生きる蛮族は、最初から[暗視]を身につけているので、明かりに頼る必要はない」

ホリー「[暗視]はボクも持っていますね」

デル「だけど、人間には[暗視]がねぇ。どうしたらいいんだぁ?」

ホリー「武器や盾にライトの魔法を掛けて、『こういうキラキラ輝くのが好きなんだ。オシャレだろう?』と主張するか」

デル「ああ、そうだぁ。オラは炎武帝グレンダールの神官だったぁ。炎の神さまを祀っているんだから、松明持って何が悪いぃ?」

GM「ミストグレイヴの地でグレンダールを信仰するのは、ダークドワーフのみというのが社会常識らしいがのう」

デル「社会なんて知るかぁ。このオラが信仰したいんだから、蛮族の常識なんて知ったことかぁ。オラはオラの好きな神さまを信仰するぅ。オラの炎武帝信仰を邪魔する奴は、力づくで叩き潰すぅ」

GM「まあ、それこそが蛮族の精神じゃのう。一応の社会流儀はあるにせよ、結局は個人の自己主張を力で押し通すことを推奨するのが、何よりも蛮族らしい考え方と言えよう」

デル「だったら、『炎武帝を信仰する光と炎が好きな変わり者ドレイク』ということで、オラは自己主張すればいいわけだぁ」

GM「他にも、バルカンは『同族殺しを忌避する名誉ある蛮族で、自分を魔剣イグニスの戦士と考えている(他の神は信仰しない)』とか、ドレイクは『魔剣を誇りとする』とか各種族の一般常識なんかも、お前たちは習得して、最低限怪しまれないだけの準備は整った。もちろん、根掘り葉掘り質問された場合にどう立ち回るかは、お前たちの機転に掛かっているのじゃが」

ガルド(ゲンブ)「大丈夫。イザとなれば力を示して、『これが我が生き様、お前たちにどうこう言わせはしない。文句があれば掛かって来い』と恫喝すれば解決するのが蛮族社会でござるよ」

ホリー「力がなければ?」

ガルド(ゲンブ)「ひとまず逃げて、後から力をつけて雪辱を晴らす。逃げられなければ、 とにかく謝り、相手の力を称賛する。それでも許してもらえないなら、覚悟を決めて、死なば諸共の精神でござる。なあに、イザとなれば、相手と一緒に壁の上から地面に激突する気で掛かれば、何とかなるでござるよ」

ホリー「それは、ガルドじゃなくて、マッスル太郎の言葉じゃないのか?」

ガルド(ゲンブ)「お、おお。まあ、ガルドも似たようなことを言ったということで。死ぬ気でやれば、道は開けるとか……」

 

GM「ともあれ、密偵としての技よりは、現地に潜入するための一般知識や文化風習の概要、そして心構えなどをいろいろ教わったことになる。他に話すべきことは3点。1つは、蛮族の地下世界は貨幣経済が発達しておらず、買い物は物々交換が中心になること」

ホリー「つまり、ガメルを残していても、あまり使うことができないんですね。出発前に645ガメルで買い物をしておかないと」

デル「オラは、30ガメルしか残っていないから、それほど気にしないがなぁ」

ホリー「薬草やポーションが基本かな」

GM「あと、スカウト用ツールも先に100Gで購入しておくといい。それと保存食一週間分(50G)もな」

デル「保存食だとぅ? しまった、金が足りねえぞぉ。姉さん、すまねぇ。オラの分も買っておいてくれぇ」

ホリー「仕方ないな。こいつは貸しにしておくぞ」

GM「買い物は後で済ませるとして、2点めの話に移ろう。お前たちが現地で遭遇するのは、ほぼ蛮族じゃろうが、わずかながら人族が隠れ住んでいる場所があったり、レジスタンス活動を行ったりしている。そういう隠れ集落は拠点になるので、早めに見つけるといい。

「また、現地にはお前たち同様に蛮族に身をやつした各国の密偵が動いているという情報もある。そうした密偵たちが人族同士で助け合えるよう、ルキスラ、ダーレスブルグ、フェンディルの3ヶ国は共通の〈密偵の指輪〉を用意した。パッと見はただの鉄の指輪だが、見る者が見れば巧妙な紋様が目に付くはずじゃ。この指輪を身につけている者は、人族の密偵なので、もしかすると情報源として協力してくれるかもしれん。もちろん、彼らにもそれぞれの任務があるゆえ、無条件に協力してくれるお人好しばかりではないだろうが、敵地では頼れる盟友と呼べることもあろう。お前たちにも、〈密偵の指輪〉を渡しておくので、同志を見つけるのに役立てるといい」

ホリー「〈密偵の指輪〉ゲット!」

デル「これって、密偵の中に裏切って、蛮族とつるんでいる奴がいたら、結構ヤバいんじゃないかぁ?」

GM「そういう裏切り者を見つけたら、好きに始末するといい。まあ、人族を裏切って、あえて蛮族の社会で生きようとする輩がそうそういるとも思えんが、ある程度は警戒するに越したことはないじゃろう。そして、最後に本リプレイのオリジナルアイテムを授けよう」

ホリー「それは、もしかするとマッスル太郎に関係するものですか?」

GM「その通り。その名も〈笑う魔神の壺〉という代物で、このようなデザインをしている」

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ホリー「こ、これは!?」

デル「魔神の壺だとぅ?」

 

笑う魔神の壺

 

ホリー「ええと、この壺は一体?」

ガルド(ゲンブ)「どうやら、魔神を封印した壺らしいな」

ホリー「分かるのか、ガルド? いや、プレイヤーのゲンブ」

ゲンブ「マッスル太郎のプレイヤーとして、アリナ様と打ち合わせ済みでござるよ。マッスル太郎はカシュカーンの街にたどり着いて、しばらく経って後、とある冒険の最中にうっかり魔神封印の壺に封じ込められてしまったのでござる」

ホリー「いつの間に、そういうことに?」

GM「まあ、マッスル太郎の連載終了後、一ヶ月もあれば、いろいろと新しいアイデアネタも思いつくというもの。太郎の魔神ネタを活かすには、壺の中に封印するのがいい、と考えた次第じゃ」

ゲンブ「つまり、この壺から解放してくれた者が、私のご主人さまになるでござるよ」

デル「どうやったら解放されるんだぁ? 力一杯、地面に叩きつけて割ってみるとかぁ?」

GM「壺は強力な魔力に守られていて、そう簡単には割れないようじゃ」

ホリー「だったら胡椒を使って、ハックションとクシャミをしてみる」

GM「クシャミをしても、アクビをしても、シャックリをしても、壺は反応しない。どうやら、デザインは同じでも、例のアニメの壺とは違うようじゃ」

ゲンブ「そういうわけで、マッスル太郎は魔神らしく壺に封印されたまま、出るに出れないでござるよ。この壺からどうやってマッスル太郎を解放するかが、当リプレイの序盤のオリジナル要素ということで」

デル「とにかく、その壺の中に強力な魔神が封印されているということだなぁ」

GM「うむ。キャラ設定として、魔神を感知できるデルニールは、壺の中の魔神が自分たちよりも遥かに強いことが明確に分かった」

ゲンブ「具体的には、霧の街を脱出した際のデータそのままで解放されるでござるよ」

ホリー「ボクたちがレベル2なのに対し、マッスル太郎はレベル7。そんなバランスの悪いパーティーで大丈夫なんですか?」

GM「公式では、まず推奨しない形式じゃが、成長済みの前作主人公が、発展途上の新キャラを応援する物語は時々あるじゃろう。Zガンダムアムロ・レイしかり、ジョジョ第4部の空条承太郎しかり、仮面ライダージオウのディケイドしかり」

ホリー「あるいは、ロードス第2部のリプレイに登場したNPCパーンみたいなものですか」

GM「あくまでメインは、デルニールとホリーの成長譚じゃがな。当リプレイはマッスル太郎の続編でありつつ、新たな魔神ハンターの物語として展開予定。そして、マッスル太郎は壺の中に封印されているため、まずは解放しないと登場できないのじゃ」

ホリー「解放条件は設定されているのですね」

GM「もちろん、それは考えておる。おそらく、ストーリーが進めば自然と登場できるはずじゃ」

ホリー「ボクたちが壺を持って行かなければ?」

GM「そいつは困ったことになるのう。壺を持って行かなければ、マッスル太郎が登場できなくなる」

デル「だけど、どうして、そんな強力な魔神が封印された物騒な壺を持って行かないといけねえんだぁ?」

GM「理由はショウンが説明してくれる」

ショウン『この壺は、霧の街に近いカシュカーンの街から送り届けられたんだが、元々は霧の街での魔法実験から逃走した魔神を封印したものだ、と聞いている。カシュカーンの街の貴族エルラーン・ドゥルマイユ卿が、囚われの身から脱出する際に、魔神の力に助けられたとの噂だ。この魔神の壺については、風来神ル=ロウドの神官たちも啓示を受けたそうで、こういう曰く付きのお告げが伝えられた』

 

ル=ロウド神のお告げ『外なる世界より来たる偽りの仮面の魔王、時を動かし、世界を破壊せん。その先に待つ未来は絶望か? それとも……』

 

デル「何だか物騒な感じに聞こえるお告げだが、本当に大丈夫なのかぁ?」

ショウン『ル=ロウド神官の説明によれば、このお告げは元々、霧の街の内部でトホテルという神官に下されたものらしい。外なる世界とは、霧の街の外を意味するもので、世界というのもラクシア全体ではなく、霧の街、かつてはジーズドルフと呼ばれた都市のことを指しているそうだ。霧の街に囚われた住人は、街の外の世界を知らないので、世界=自分たちの街ということになるらしいな』

ホリー「その解釈で合っているのか、専門家ではないボクには判じかねますが、その壺に封じられたのが魔王で、街を破壊するということですよね」

ショウン『この場合の街とは、蛮族の支配体制という意味かも知れない、とル=ロウド神官たちは解釈しているそうだ。つまり、壺に封じられた魔神だか魔王だかが、霧の街の蛮族どもをぶっ潰す切り札になるかもしれないってことだな。それほど上手く事が運ぶかは半信半疑だがね』

デル「まったくだぁ。魔神の力に頼るなんて、バカげているぅ」

ショウン『うちの皇帝陛下もそう言った後で、こう決断された。「そんな面倒くさくて、聞くからに危険な壺をルキスラ国内に置いておくのは気に入らん。どうせだったら、霧の街に持って行って、そこで解放してやればいい。魔神がそこで暴れるなら、それでよし。上手くコントロールできるようなら、それはそれで儲けものだが。まあ、こっちは魔神の力に頼らなくても、飛行戦艦で空襲が仕掛けられるようにすればいいだけだしな」とのこと』

ホリー「なるほど。制御できるかできないか分からない物騒な力なので、国内ではなく、敵地に運んでから、解放させようってことですね」

ショウン『そう。それと絡めての情報だが、霧の街にはザバーラというタビットの女商人がいて、彼女が古代魔術とか魔神の研究もしているらしい。彼女と接触できれば、その壺の秘密も分かるのではないか、と。あるいは、貴重な研究資料として、彼女が興味を持つかもしれないので、それなら売りつけて現地での活動資金に換えてもいい。その辺の判断はお前たちに任せる』

ホリー「結局、ボクたちの目的は3つある。1つ、霧の街の防空施設を無力化させる情報を手に入れる。2つ、霧の街に危険な魔神の壺を持っていく。3つ、壺の謎を解明できそうなタビットのザバーラに壺を渡す、と言ったところですか」

ショウン『2つめと3つめは、おまけみたいな物だがな。戦略として考えるには、神のお告げとか、物騒な魔神とか、不確定要素が多すぎる。最悪な場合、魔神が解放されて、制御できずに暴れ出しても、蛮族の街なら問題ないだろうという皇帝陛下の判断だ。その上で、魔神の力が上手く利用できるようなら、現場の判断で自由に対処しろ、と』

デル「つまり、オラたちに丸投げってことなんだなぁ」

ショウン『一度、敵地に侵入してしまえば、こちらが逐一判断し、命令したりすることはできないからな。お前たちが生き延びるために最善を尽くし、上手く情報を持ち帰ってくれ。魔神の壺については、秘密兵器になるかも知れんし、資金源になるかも知れん。どう使ってもいいので、お前たちに預けた』

 

ホリー「結局、プレイヤーのボクたちは、壺の中のマッスル太郎の物語を知っているけど、ルキスラには断片的な噂しか回って来ていない。だから、ホリーやデルはマッスル太郎のことを知らないという前提でプレイしろ、ということですね」

GM「そういうことになるのう。その上で、プレイヤー知識もうまく活用しながら、封印されたお笑い魔神、マッスル太郎を解放させる手段を模索するように」

ゲンブ「まあ、冒険中にヒントは与えるつもりでござるがな」

GM「そして、いよいよ次回から、地下世界へ侵入することになる」

デル「オラ、ワクワクして来たぞぉ」 

(当記事 完)