花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、ソード・ワールドのミストグレイヴ妄想リプレイ「魔神ハンター」を終了に向けつつ寄り道迷走気味。

伝説のお宝本の話(SWサプリネタ)

アイテム本GET

 

ヒノキ「新兄さんから、これが送られてきたのじゃ」

ゲンブ「おお、それが伝説のお宝集でござるな。それさえあれば、マッスル太郎がフルボトル付きのベルトでパワーアップできるという」

ヒノキ「いや、それが腰用装備品にフルボトル付きベルトは存在しなかったのじゃ。〈無敵に変身ベルト〉はあるんじゃがのう」

ゲンブ「〈無敵に変身ベルト〉でござるか。それはどのような品で?」

ヒノキ「初出は、前のアイテム本のルミエル・レガシィなんじゃが、1500ガメルで買える魔動機文明時代の玩具という設定。合言葉を叫んで、適切な身振りをとって、MPを1点消費すれば、幻覚で好きな鎧をまとっているように見せることができる。ただし、能力には一切変化がなく、姿が変わるだけじゃがの」

ゲンブ「つまり、変身と叫んで、腕を回したりすれば、マッスル太郎も仮面ライダーの姿になれるでござるな」

ヒノキ「姿だけじゃがの。なお、仮面ライダーになるためには、騎乗して戦うライダー技能も欲しいところじゃが、格闘家であるグラップラーとライダー技能は相性が悪くての。騎乗戦闘では格闘武器が使えん」

ゲンブ「何と。パンチやキックができないならともかく、ヌンチャク(チェインスティック)もダメでござるか」

ヒノキ「騎獣や魔動バイクに乗っての体当たりなどは可能じゃが、ファイター技能やフェンサー技能なら、武器攻撃と乗騎による攻撃を併用できるのがメリットと言える。格闘専門のグラップラーの場合は、元々、連続攻撃などで攻撃回数が多いため、乗騎の攻撃回数まで加えるのは、戦闘力のバランスを崩すというデザイナーの意図じゃろうな」

ゲンブ「ライダー技能はともかくとして、ソロで戦闘中に回復できるポーションインジェクターはどうなったでござるか?」

ヒノキ「エピックトレジャリーでは、残念ながら割愛されたようじゃ。まあ、ルミエルレガシィがあるから、マッスル太郎が購入することは認めるがの」

ゲンブ「しかし、首にはすでに奴隷の首輪がハマっているため、首用の装備品は着けられないでござる。であるからして、腰用のインジェクターを所望したでござるのだが」

ヒノキ「うむ。それについては、新兄さんから一つ指摘されての。『装着部位:その他を見落としているんじゃないか?』とのこと」

ゲンブ「装着部位:その他? おお、そう言えば、一箇所だけ自由に装着できる枠があったのを失念していたでござる。これで首装備も普通に付けることができる!」

ヒノキ「わらわもうっかりしておった。よって、次回のマッスル太郎は、ポーションインジェクターを購入して、活用してもよいものとする」

ゲンブ「ならば、ポーションの回復量を上げるために、レンジャー技能を取得することも検討せねば。レンジャー技能が1でもあれば、回復量が3点増えるでござるからな」

ヒノキ「ヒーリングポーションの回復量は、期待値で5点。これが8点になると思えば、大きいかもしれんのう」

ゲンブ「いやいや、我にとっての期待値は2dで5を振ると見なして、回復量は3点でござる。よって、レンジャー技能で倍になると思えば、大きいどころでは済まん」

ヒノキ「うむ。自動的失敗のピンゾロは論外だとしても、ポーション飲んで出目が3だと、1点しかHPが回復せんからのう。ガッカリもいいところじゃ。それが最低でもプラス3して、4点は回復できるとなると、安心感が全然異なるわ」

ゲンブ「ということで、エピックトレジャリーのおかげで、ますます強くなったマッスル太郎の活躍が楽しみでござる」

ヒノキ「ん? ポーションインジェクターの件は、単に『装着部位:その他の見落とし』に気づいただけじゃから、エピックトレジャリーは関係ないような」

 

エピックトレジャリーについてのNOVA補足

 

 そんなわけで、「装着部位:その他」を見落として、以前に記事書きした作者NOVAです(該当記事はこちら)。

 今回、新サプリのエピックトレジャリーを読んでいて、それに気づいたわけですな。ざっとアイテムリストを見て、「おや、ポーションインジェクターはなくなったか。だったら、ルミエルレガシィはまだ必要だな」とか、多少の不満を覚えつつ。

 まあ、ルールの版上げが行われた際、前のバージョンであった物やできたことが、新バージョンで消えたりすると、不満が出るのは年季の入ったゲーマーの性ですが。それでも欲しいものは自作したり、コンバートしたりするのもアリだし、変更点を記事書きするネタにもなるわけで。

 それでも、他にいいアイテムないかなあ、と思ってたら、ディスプレイサー・ガジェットなる物に目が行きましたよ、と。

 

 これは、あらゆるアイテムを一つ、自分の代わりに装着してくれる人形です。人形に装着したアイテムの効果が本人に反映されるということで、ゲームルール的には「装着部位:その他を一箇所増やしてくれる」というもの。

 おお、これさえあれば、ポーションインジェクターも装備できる。だけど、5000ガメルは高いなあ……なんて思っていたときに、ふと気がついた。

 「その他が1つ追加」ということは、元々、その他の装着部位があったってことじゃないか、と。慌ててルールを確認したり、リプレイなんかのキャラシートを見たりして確認。

 はは、ポーションインジェクターは、その他欄に普通に装備できるじゃん、と今さらながらに気が付いた次第。

 ルールとしては知っていても、意識できなかったこと、認識されていなかったこと、うっかりしてしまうことって普通にあるよねえ、と改めて思ったりも。

 このタイミングで、新たな気付きを与えてもらったことで、自分にとってエピックトレジャリーを買った意義は十分にあったなあ、って思っております。

 

 うちの読者さんで、ソード・ワールドのルールに詳しい人が、コメントなんかで指摘してくれたら嬉しかったのになあ、とか、いや、読者の方に指摘される前に自分で気付けたから良かったんじゃないか、とか、あれこれ思いつつも、まあ、こういうミスとか修正は記事ネタにするのが面白いと開き直る奴なんで。

 

 さて、ここで今回のエピックトレジャリーについて、過去のアイテム本との比較も含めて、紹介しておきましょうかね。

 

アルケミストワークスとの比較

 エピックトレジャリーの原型にして、2.0の初サプリメントです。

 まあ、シナリオ集とか、リプレイとか、ミストキャッスルの方が前なんですが、ルールやデータの大型追加本としては、これが最初。

 

 この本の目玉の一つは、追加職業の「アルケミスト」。ラクシア世界のアルケミストは、マテリアルカードを駆使して、戦闘などを補助する符術、いやゲームの専門用語では賦術の使い手。2.0では追加職業でしたが、2.5ではルールブック3に掲載の基本職に格上げです。

 そして、2.0時代のアルケミストは賦術以外にも、見識判定、文献判定、薬草学判定ができて、限定されたセージ(学者)みたいなことができました。2.5でも、その能力は持ってますが、アルケミストワークスではもう一つ、アイテム加工のルールも掲載されていて、モンスターの落とした戦利品なんかを使って、自分でアイテムを作成することもできたわけですな。

 ただ、この加工ルールは、数多くのアイテムと連動しているため、2.5のアルケミストからは割愛された能力でした(基本ルールブックには、そこまで大量のアイテムは掲載できない)。それが今回のエピックトレジャリーで復活するかなあ、と思っていたのですが、それはなし。

 まあ、別にアイテムを自分で作らなくても、金を出して購入する方が手っ取り早いから、というのが実際のところなんでしょうね。それでも、アルケミストワークスが発表された10年前は、コンピューターゲームでも素材を集めて、自分の手でいろいろ作る錬金術とかが流行していたという背景事情があったのだろうと思います。今年20周年のアトリエシリーズとか、鋼の錬金術師(コミック連載は2001〜2010、アニメは2003〜04の1期および2009〜10のFA)とか、他にもドラクエ8(2004年)の錬金釜とか、21世紀最初のゼロ年代はフィクションとかゲーム界で結構、錬金ブームがあったので、ソード・ワールドもそこに乗ったりもしたのだと思います。

 もっとも、TRPGでアイテム作成ルールを扱うのは、そこに物語テーマを置かない限りは、余計な手間なのかな、とも思ったり(その手間を楽しむマニア層もいるので、一概に否定はしないけど、一般的には手間が多いのは初心者が敬遠するかと)。

 とはいえ、今回のエピックトレジャリーにないだけで、今後、アイテム加工ルールが2.5版に復活する可能性は否めませんが。実プレイでは手間が掛かりそうなルールでも、話のネタとか、シナリオ作成の材料になったりもしますので、あれば自分は喜ぶ。

 

 次に、「冒険者技能の背景解説とゲーム上の運用アドバイス」「ラクシアの神々についての解説」「一般職技能の解説」といった記事が、アルケミストワークスからエピックトレジャリーに再掲、あるいは一部改稿されています。

 大体は同じ内容で、自分的には新鮮味が薄いですが、2.5から新しくソード・ワールドを始める方には必要な内容ですし、

 新版で呪歌のルールが大きく変わった吟遊詩人(バード)の運用アドバイス

 アルフレイムで新登場した9柱の神々(盗賊の神ミルタバル、奈落の盾神イーヴ、導きの星神ハルーラ、慈愛と復讐の女神ミリッツァ、樹神ダリオン、風と雨の女神フルシル、鉄道神王ストラスフォード、海掠神エイリャーク、不死の女王ツァイデス)の追加情報などは、

 旧作を知る者としても新鮮に読めました。

 

 一般技能については、エンチャンター(付与術師)、バウンサー(用心棒)、ローリマー(馬具職人)、ワックスチャンドラー(蝋燭職人)が消え、代わりにエンジニア(機関士)、シグナルマン(信号士)、ツアーガイド(旅先案内人)、プレスティジテイター(手品師)に置き換わったことを確認。

 消えた職業は、用心棒以外が加工ルールに関わるもの、用心棒は戦士技能などで代替可能で、わざわざ一般技能にする必要を感じなくなったというところでしょうか。

 追加された職業としては、魔動列車という新要素を盛り込んだアルフレイムらしいものが中心ですね。手品師というのは少し新鮮に感じますが、盗賊とか魔動機士の副業としても面白そう。

 そして、マッスル太郎のお笑い芸人については、コメディアンではなく、単なる芸人(パフォーマー)として、2.0時代から採用されているのですが、果たして今後の記事書きでどういう風に扱うかなあ、と検討中。

 

 他には、アルケミストワークスには「名のある追加モンスター」のデータがありましたが、それについては今回、アイテムには関係ないということで、割愛されました。

 

ルミエルレガシィとの比較

  ルミエルレガシィは、SW2.0のアイテム集大成を謳った本(既存のサプリメントやリプレイに掲載されたアイテムのデータを一通り網羅)なので、2.5初のアイテム本であるエピックトレジャリー(あくまで新システムの入門編)と比べると、単純なデータ量的には、前者の方に軍配が上がります。

 ということは、いずれルミエルレガシィの内容に準じたアイテム本第2弾が5年後くらいに出るのかな、と推察してみるわけで。

 

 さて、ルミエルレガシィの目玉の一つは、新種族の聖少女っぽいヴァルキリー、太陽神に祝福された筋肉男ソレイユ、アイテムに親和性の高い小人種族のレプラカーンの3つでした。

 そのうち、レプラカーンは2.5の基本ルール3にも採用されております。

 ヴァルキリーは2.0改訂版のルール3にもありましたが、2.5でも復活しないかなあ。ヴァルキリーはライダー向きの種族というのが、ソード・ワールドでの常識で、今だとネタ的にタイムリーなわけで。

 

 次に、アイテム加工のルールは、ルミエルレガシィにも引き継がれていて、追加データがあるわけですが、エピックトレジャリーではスルーされています。一方で、強化されたモンスターの落とす追加の戦利品ルール「トレジャードロップ」については、継承されました。

 

 そして、ルミエルレガシィで全面改訂されたのが、ライダー技能と騎獣関連のルール。まあ、改訂後に出た2.5ではそれが標準になってしまっているので、昔のサプリメントの価値が減っているわけですが(ページ数にして30ページほど。全体の6分の1は2.5環境下では無用のルール)。

 

ゴーレムと騎獣、バイク

 

 ソード・ワールドの中堅プレイヤーにとって楽しいのは、自分のキャラを育てるだけでなく、自分のキャラをサポートしてくれるゴーレムや、騎獣、マシンを育成したり、改造したりすることだと思います。

 ゴーレム使いはコンジャラーが、騎獣やバイク関連はライダーが担当し、例えば「自分は魔法使いだけど、肉弾戦でも楽しみたいので、ゴーレムに命令するキャラを扱う」とか、ペット代わりの騎獣の育成に資金を注ぐとか、あるいはマシンの改造に励むとか、そういう楽しみ方も中堅レベル(5レベル以降)は楽しめるんじゃないかなあ、と思います。

 ただ、自分は今のところ、コンジャラーもライダーも、そこまで育てたことがないので、あくまでルールのデータを見ての未経験なワクワク感でしかないのですが。

 

 で、ゴーレム関連は、旧サプリメントのイグニスブレイズが充実していて、そこから2.5のルールブック2以降に、

 騎獣やバイク関連は、旧サプリメントのルミエルレガシィから2.5のルールブック3以降に、

 それぞれ継承された後、今回のエピックトレジャリーにも、少々の追加データ(もっぱらライダー関係中心、ゴーレムは基本ルールの再録リストのみ)が採用された、という流れですね。

 

 ともあれ、2.0時代の数多いアイテムデータを整理、再収録したのがエピックトレジャリーで、自分にとっては新鮮味の薄いサプリメントでしたが(旧サプリとの比較だけで一応楽しめたりはしつつ)、ここまでのSWの展開を踏まえながら、今後の展開を期待するだけの道標にはなったかなあ、と思っています。

 そして次は、魔物本になるのか、魔法本になるのか、先の展開にワクワクしつつ、まあ、のんびり懐古と追跡を続けるつもり。

 (当記事 完)