前置き雑談
ヒノキ「前回から、SW2.0ミストキャッスルのソロアドベンチャーを始めたのじゃ」
ソード・ワールド2.0サプリメント ミストキャッスル ─蛮都からの生還─
- 作者: 川人忠明,田中公侍,グループSNE
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2009/02/20
- メディア: 単行本
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ゲンブ「10年前のシナリオでござるな。蛮族に支配された危険な都市に囚われた(潜入した、生まれ育った)冒険者が、何とかサバイバルして脱出する物語」
ヒノキ「もしも途中で命を落としたとしても、改造マニアな吸血ウサギが蘇生改造を施してくれる。これで、君も改造人間なヒーロー気分を味わえる!」
ゲンブ「例えば、どんな改造をされるのでござるか?」
ヒノキ「試しにダイスを振ってみるのじゃ。1Dを2回な」
ゲンブ「(コロコロ)6の3」
ヒノキ「フェイスレスの仮面じゃな。顔半分に白い仮面が装着された。8レベルの魔法を行使できるようになる」
ゲンブ「おお、それは強いではござらんか」
ヒノキ「まあ、割と当たりな方じゃろう。問題は、MPが上昇するわけではないので、精神力の低いマッスル太郎の場合は、能力の持ち腐れになり兼ねないことかの」
ゲンブ「他には、どんな物があるのでござろうか。(コロコロ)2の3では?」
ヒノキ「インビジブルビーストの腕。片腕が透明になって、それで攻撃された相手の回避がマイナス2される」
ゲンブ「それも有用に思えるが、見た目が隻腕だと日常生活が難しいか」
ヒノキ「普段は袖付き服を着て、手袋でもすれば良い。まあ、中には触手とか四つ足とか強烈なものがあるから、あまり死ぬことは推奨せんがの。怪人ライフを堪能したいならともかく」
ゲンブ「ところで、改造といえば、先日ドクター・ウルシェードと次元ドルイドのハイラス殿が、コンパーニュに立ち寄って、改造ラビットタンクを届けてくれたでござる」
ヒノキ「何じゃと? わらわのいない間に、ハイラス様がいらっしゃったと言うのか。それは一目、お会いしたかった。今はどちらに?」
ゲンブ「何でも、屋久島の方で時空の歪みが観測されたとのことで、そちらへ調査に向かわれるとか。応援が必要なら、連絡をくれるとおっしゃられていた」
ヒノキ「おお。コナっちゃんたちの修行の旅も、そろそろ終わりが近いようなことを新兄さんも予言しておったが、間違いなさそうじゃな。わらわたちも準備しておいた方がいいやもしれぬ」
ゲンブ「分かりました。では早速……」
ヒノキ「ちょっと待て。それはそれとして、マッスル太郎の冒険は続けねばならぬ」
ゲンブ「確かに。粉杉どのも大切ならば、マッスル太郎も大切でござるからな」
マップを作るよ
ヒノキ「さて、前回の話で、蛮族に囚われて奴隷となったマッスル太郎は、魔神使いのウサギ商人ザバーラに買われたわけじゃが」
ゲンブ(以降、太郎)「奴隷の身から解放されるには、6000ザバーラポイントを貯めねばならぬでござるな」
ヒノキ「うむ。そのための最初のミッションとして、骨の川に行って、赤い宝石のペンダントを回収しないといけないのじゃ。ここからマップ移動するために、まずは拠点となる三色天幕の位置を決めよう。ダイスを1個振るがいい」
太郎「(コロコロ)1」
ヒノキ「すると、現在、分かっている街の地形はこんな感じじゃ」
●霧の街のマップ
?ー ?
l l
港ー三色の天幕ー?ー翡翠の塔ー?ー叫びの門
(拠点)
l
?
ヒノキ「拠点では、寝泊まりや買い物ができる。ミッション達成報告もここで行うようになっている」
太郎「そこから、東西南北の好きな方向に向かうことができる、と。まずは西の港へ向かうとしよう。街から脱出する手掛かりがあるかも」
ヒノキ「その前に6000ザバーラポイントを貯めて、奴隷の首輪を外してからでないと、首が絞まって死んでしまうがの」
太郎「分かっています、ご主人さま。とにかく港へGO」
ヒノキ「拠点を出たのは朝じゃ。このゲームでは、1日24時間を4時間ずつ6つの時間帯(タイムバンドtb)に分けてある。朝、昼、夕方、夜、深夜、未明で、夜に出歩くのには危険が伴うから注意するように。1つの区画に移動して、そこでのイベントを処理するのに1tb費やすが、すでに探索済みの区画なら1tbで2つまで移動できる」
太郎「つまり、拠点からあまり遠出をすると、夜までに帰って来れなくて危機に見舞われると。まずは、拠点の周辺の『?区画』を探索するところから始めて、徐々に探索範囲を広げるでござる。とにかく今は港へ」
港(1日め昼)
ヒノキ「(シナリオ文章を読み上げて)シェス湖に注ぐ川を利用した港だ。多くの船が停泊しているが、そのほとんどは外洋で略奪を行う蛮族の海賊船のようだ。荷運びのために、たくさんの奴隷たちが働かされている」
太郎「海賊でござるか。誰か情報収集できる相手を探してみるとしよう」
ヒノキ「ふむ。そうすると、一人の大柄な蛮族が辺りをキョロキョロしている太郎を見とがめて、誰何するのじゃ」
太郎「何者でござるか」
ヒノキ「聞いているのは、こちらなんじゃが。ともかく、魔物知識判定を行ってもらおうかの」
太郎「セージ技能は持っていないから、平目で(コロコロ)おお、12が出た」
ヒノキ「3レベル妖魔のボガード。好戦的な筋肉質の人型妖魔で、連続攻撃で大ダメージを与えてくる。弱点を見抜けば、物理攻撃プラス2を与えられるが、セージ技能を持たないなら無意味じゃな」
太郎「ソロなので、一人で全てをこなさなければならぬ。いずれ、セージ技能の習得も考えねば。ともあれ、誰何に対しては、『どうも、マッスル太郎で〜す。皆さんを笑顔にするのが生き甲斐で〜す。マッスルパワー!』とさわやかに言って、芸を披露するでござる」
ヒノキ「はっ? では、その芸が受けたかどうか……って、どう判定しろというのじゃ。他のゲームだと、交渉事では魅力の能力値を使うことが多いが、SWには魅力という数値がないからのう」
太郎「腹筋崩壊芸は、筋肉の賜物だから筋力を使うといいでござろう」
ヒノキ「ふむ、一理あるのう。では、筋力プラス冒険者レベルで」
太郎「うおー、腹筋崩壊! (コロコロ)出目は7。それに3と2を加えて12」
ボガード『ほう、筋肉を披露するか。それは俺たちにケンカを売っているのか、それとも奴隷として荷物運びをしたいってか?』
ヒノキ「そう言いつつ、ボガードもポーズを付けて自慢の筋肉を披露するのじゃ。ムンッ、(コロコロ)ダイス目は10。それにモンスターレベルを足して13としておこう。そのムキムキの筋肉は、太郎以上でお主は微かな敗北感を覚える」
太郎「ムッ、自慢の筋肉芸が通用しないとは、おのれ蛮族! と内心思いながら、ここは下手に出るしかない。『いや〜、ルーンフォークには蛮族の皆さんのお笑いは分からないんですよ。どうか、ご容赦を〜』」
ボガード『バルバロスと呼べ!』
太郎「へっ?」
ボガード『人族は俺たちを見下して、蛮族呼ばわりするが、俺たちは誇り高くバルバロスを名乗っているのだ。この霧の街はバルバロスのもの。お前はどうも新入りのようだから、まだ礼儀がなっていないようだな。躾をしないといけないようだ』
太郎「もしかして、戦闘でござるか?」
ヒノキ「そう警戒をしていると、相手はお主の首輪を認めて、ため息をついた」
ボガード『おい。その首輪は大商人ザバーラさんの物じゃねえか。お前はザバーラさんところの奴隷なのか?』
太郎「ええ、確かにご主人さまはザバーラってタビットですが……そんなに有名なんですか?」
ボガード『当たり前だ。魔神使いのザバーラさんと言えば、この街の食料調達を一手に握っている大商人さまよ。あのウサギ姐さんを怒らせたとあっちゃ、俺の首も飛ぶかもしれん。ちっ、命拾いしたな』
太郎「それは……思ったよりも、すごい御仁だったのでござるな。では、私がザバーラ様の命令である、と大上段に構えたりしたら?」
ボガード『バカ野郎。偉いのはザバーラさんであって、奴隷ごときのお前じゃない。礼儀知らずの奴隷を始末することぐらい、大したことじゃないんだが、理由もなしに持ち物を傷つけたとあっちゃ、後で申し開きができんからな。
『いいか、この街で一番偉いのは街の中心、翡翠の塔に住む翠将ヤーハッカゼッシュ様。他にも名のある高位バルバロスの方々がいて、その下に上位バルバロス、名誉バルバロス、一般バルバロス、奴隷、浮民となっている。ザバーラ様は名誉バルバロスであり、その奴隷であるお前は、まあ俺たち一般バルバロスと同等やや下ぐらいの立ち位置だ。浮民と違って、面白半分に殺されることはないだろうが、あまり調子こいてると長生きできねえぞ。せいぜい分不相応な態度はとらないことだな』
太郎「分かったでござる。ご親切にいろいろ教えてくれて感謝します。それでは、骨の川がどこにあるか、教えていただけないでしょうか?」
ボガード『骨の川だと? あんなところに何の用があるというんだ?』
太郎「ザバーラ様に託された仕事なんです。骨の川を探して、とある品物を取って来い、と」
ボガード『ほう。つまり、新人奴隷に対するテストみたいなものか。だったら、俺が勝手にテストの邪魔をするわけにはいかんな。とりあえず、北に行って、そこで情報を集めるんだな。西も南も湖だから、そっちに歩いて行くのも無理だしよ。暇なら、荷運び労働ぐらいはさせてやるが、ザバーラさんの奴隷だったら、もっと稼げる仕事もあるだろうさ。無事に生き延びられたらな。それに海賊をやりたきゃ、俺が口を聞いてもいいが、もっと鍛えないと。その程度の腹筋じゃ、ボガードの世界じゃやっていけねえ。ましてや、オーガやトロールの兄貴と比べたら、月とすっぽんってものよ』
太郎「ご教示ありがとう、でござる。郷に入らば、郷に従え。この街の流儀が何となく見えてきたような気がする。では、アドバイスに従い、北へ向かうとしよう」
常夜の回廊(1日目夕方)
ヒノキ「北の区画に進むなら、ダイスを2回振るのじゃ」
太郎「3の4」
ヒノキ「惜しいのう。3の3なら、ばっちり骨の川だったのに。34の区画は、常夜(とこよ)の回廊と呼ばれる場所で、突然、周囲が闇に覆われた。青白い明かりが、ぽつりぽつり浮かんでいる以外に何も見えない。いわゆる迷宮におけるダークゾーンみたいなものじゃ」
太郎「何と。北へ行け、というのは嫌がらせでござったか」
ヒノキ「いや、ランダムマップじゃから、ボガードに悪気はなかったと思うがの。ともあれ、ここでできるのは、明かりを調べるか、闇の中を適当に歩くだけ」
太郎「冒険者セットの松明をつけても無駄でござるか。では、明かりを調べてみよう」
ヒノキ「セージ技能を使って、宝物鑑定判定をするがいい。目標値は15じゃ」
太郎「セージ技能など持っておらん。一応、6ゾロでクリティカル成功するかもしれんが(コロコロ)4だと、何も分からんでござる」
ヒノキ「ならば、太郎は闇の中をめくらめっぽう歩き回っているうちに、徘徊しているアンデッドモンスターに遭遇した。目標値13で危険感知判定をせよ」
太郎「危険感知はスカウト+知力で基準値3だな。つまり、ダイス目で10以上。6しか出ないので、失敗でござる」
ヒノキ「ならば、不意打ちでマイナス2、暗闇ペナルティーでマイナス4を受けて、攻撃を回避してもらおうか。こちらの攻撃は10じゃ」
太郎「合計ペナルティーがマイナス6で回避など、できるはずがないでござる。一応、6ゾロ狙いで振るが7しか出ない」
ヒノキ「ならば6点ダメージじゃ」
太郎「防具で2点減らして、4点くらった。残りHPは23点。今の感触で、どんな敵か分からないだろうか?」
ヒノキ「知名度10じゃが?」
太郎「(コロコロ)出目7だと分からない。闇の中でいきなり攻撃を受けて、4点もダメージを受けたのだから、パニックを起こして、逃げるでござるよ」
ヒノキ「まずは、先制権をとってもらおうか。こちらの先制値は11」
太郎「こっちは10」
ヒノキ「ヒヒヒ。お前も死んで幽霊の仲間入りをするのじゃ、と怨念の声が聞こえたような気がした。攻撃10にペナルティー4で避けるがいい」
太郎「うおー、11以上、(コロコロ)惜しい、10だった」
ヒノキ「ならば5点のダメージじゃ」
太郎「3点くらって、残りHPは20点。これで逃げられるか?」
ヒノキ「逃走判定は冒険者レベル+敏捷で、目標値9じゃ」
太郎「6以上か。ふう、9が出て成功」
ヒノキ「この闇の中で隠れ潜むか、ランダムに1区画移動するかを選べるが」
太郎「これ以上、闇にいても仕方ない。ランダムに1区画移動するでござる」
ヒノキ「1と2なら北、3と4なら東、5と6なら元の港へ戻るが」
太郎「1。北だ」
路地裏(1日め夜)
ヒノキ「太郎は気がつくと、複雑に入り組んだ細い路地に迷い込んでいた。相変わらず暗いが、先程の不自然な闇ではなく、自然の夜の闇らしい」
太郎「ならば、冒険者セットの松明をつけるでござる」
ヒノキ「ふむ。かすかな明かりを頼りに、あてもなく歩いていると、道端にボロ切れが落ちている。と、ボロ切れがもぞもぞと動き始めた。それは、ボロをまとった汚らしい老婆だった」
太郎「もしや、先ほどの幽霊かと思って、ヒッと後ずさるでござる」
ヒノキ「老婆も、その声を聞いて、ヒッと怯えた声を上げる」
太郎「負けじと、こちらもヒッヒッヒッとうめき続ける」
ヒノキ「ヒヒヒは、わらわの専売特許じゃ。お主はゲンブだから、ゲゲゲと鳴いていればよい、亀太郎よ」
太郎「ゲゲゲの亀太郎ではないと。とにかく、いつまでもヒッヒッと言っていても仕方ないので、松明の火を近づけて、その顔をしっかり見てやるでござる」
老婆『ヒーッ。そんな火であぶって、わしをいじめんでくれ』
太郎「いや、いじめるつもりはないでござる。私の名前はマッスル太郎。みなさんを笑顔にするのが生き甲斐で〜す。いたいけなお婆さんをいじめるなど、お笑い芸人の仕事ではありませ〜ん」
老婆『何と、お笑い芸人じゃと? 霧の街では聞かん職業じゃのう。何をしに、こんな所へ来たんじゃ?』
太郎「気づいたら、捕まって奴隷にされていました。今は、ご主人さまの命令で、骨の川を探している最中です。ご存知ありませんか?」
老婆『骨の川かい。また難儀な場所を。まずは、この路地裏から出ないことには、探しにも行けぬじゃろう。20ガメルをくれるなら、路地の外に抜ける道を教えてやってもいいがね』
太郎「金を取るでござるか?」
老婆『当たり前じゃろう。生きるにも金が必要。情報にも対価が必要。ただで手に入った情報は、信憑性に欠けるしのう』
太郎「確かに、港のボガードから北に行け、と言われて素直に行ったら、常夜の回廊で酷いめにあったでござる」
老婆『闇の中で迷い、裏路地で迷うのは、この霧の街での初心者がしばしば陥る苦境なのじゃ。わしの案内なくば、お前さんは6分の1で迷い続け、6分の1で獣に襲われ、3分の1で罠に出くわし、無事に抜け出せる確率は6回に1回程度じゃ。素直に、このナヴァリアの案内に従う方が身のためじゃよ』
太郎「ナヴァリアさんというんですか?」
ナヴァリア『そう。呪いでこんな姿になったが、本当はエルフの美女での。この街が蛮族に支配されるまでは、運河の管理をしておった。運河や水門に関する情報なら、150ガメルで教えてやってもいいぞ』
太郎「いや、そんなに手持ちのお金がないでござるよ。今は、ただ路地裏を出て、休息を取りたいだけ。何せ、闇の中の幽霊に、7点もHPを削られてしまったのだから」
ヒノキ「安全なところで1tb休めば、HPが3点回復するぞ。1日辺り、最大2tbまで休める」
太郎「この路地裏は、安全なところでござるか?」
ヒノキ「いや。今のところ、拠点以外では休めん」
太郎「うむ。では、拠点に戻りたいのはやまやまだが、夜の移動は危険なのでござったな」
ヒノキ「2dで6以下で、ランダムエンカウントが発生する」
太郎「だったら、この場で待機して、未明になったら動くことにしよう」
ヒノキ「では、ナヴァリアさんと知り合ったことで、★1つを進呈しよう」
ゲンブ「これで★は4つだが、残りガメルは35枚。このままだと、宿賃にも支障をきたすやもしれぬ」
路地裏(1日め未明)
ヒノキ「翌朝未明。ナヴァリアの案内で、裏路地を出た太郎じゃが……危険感知判定をしてもらおうか。目標値は11」
太郎「また、敵でござるか? ダイス目は4で失敗」
ヒノキ「子供がドンとぶつかって、所持金をスリ取ったことに、太郎は気付かなかった。いつの間にか、所持金がゼロになっている」
太郎「そんなバカな。この街は、私に金もなく死ねと言うのか〜」
ナヴァリア『おやおや、災難だねえ(クスクス)』
太郎「おお。ナヴァリアさんを笑わせた。お笑い芸人としては、これも一つの芸と誇りたいところでござるが、とても笑えんでござるよ。トホホホホ(涙目)」
ナヴァリア『スリに気付かなかったのは、わしも同じだから、罪滅ぼしにあんたの欲しい情報を教えてやろう。骨の川の場所はここだよ』
●霧の街のマップ(1日め終了時点)
?
l
路地裏 ー ?
l l
常夜の回廊ー ?
l l
港ー 三色の天幕ー?ー翡翠の塔ー?ー叫び
(拠点) l の門
l l
? ー骨の川
太郎「こっちは北西に進んだのに、目的地が南東とは、完全に逆方向ではござらんか」
ヒノキ「一度、拠点に戻って、それから改めて、出直すといいじゃろうな。ともあれ、骨の川の位置が分かったので、★1つゲットじゃ」
太郎「これで★5つ」
木漏れ日の施療院(2日め朝)
ヒノキ「2日めの朝じゃ。太郎は睡眠不足と飢えのために最大HPとMPが2点ずつ減少し、行為判定にもマイナス2のペナルティーじゃ」
太郎「何と。フラフラした頭で東へさまよい歩く。南の闇回廊は避けて通りたいでござるからな。ダイス目は3の6」
ヒノキ「ここも細い路地が続いた場所じゃ。このまま進むと迷いそうじゃが?」
太郎「この辺りには、そんなところしかないのでござるか。先へ進むか戻ろうか迷うわけだが」
ヒノキ「すると、1組の男女が路地の奥に進もうとしているところに出くわす。やつれた女性を、男性が支えるようにしているようじゃ」
太郎「もしもし、そこの人。つかぬことを聞くが、この先に何があるかご存知でしょうか。私はマッスル太郎。見ての通りの筋肉芸人ですが、スリに財布を取られて無一文で、食事も取れずにフラフラしている最中。できれば、一宿一飯でもいただきたい、と思っております」
ヒノキ「男女は太郎を警戒しながらも、あまりにもフラついている様子に哀れみを感じたのか、情報をくれる。何でも、この路地の奥に木漏れ日のウルスラさんが経営する施療院があるらしい。ウルスラさんは、無料で病人の世話をしてくれる優しい人だそうじゃ」
太郎「それなら、私も一緒に連れて行ってくれませんか? みなさんを笑顔にするのが私の仕事ですが、腹が減っては腹筋芸もできぬ。すこし休ませていただければ、たちまち元気なマッスル太郎として一生懸命働きますので、ウルスラさんにご紹介を」
ヒノキ「では、病気の奥さんを支えた夫は、ウルスラさんが蛮族どもに目を付けられているので、身を守るために迷路のような路地の奥で治療活動を行なっている、と説明してくれた」
太郎「なるほど。この物騒な街で、人助けをしようと思えば、自身も強く注意深くあらねばならぬということでござるな。私は奴隷の身ですが、ウルスラさんの奉仕活動には共感の意を示しましょう」
ヒノキ「では、路地奥の施療院に到着した。ウルスラさんは忙しそうに働いている、元気なドワーフの女性じゃ」
ウルスラ『何だい、あんた。病人かい? 何だって? 病気じゃないけど、腹が減って睡眠不足だから、ここで一宿一飯をいただきたいだって? そんなに立派な筋肉をしておいて、ただ飯を食おうなんざ図々しい。働かざる者、食うべからず。調理場に行って、自分の分と、患者の分の食事を用意してきな。美味しい食事が作れるなら、休ませてやるよ』
太郎「おお、では自慢のマッスル料理を披露してみせよう」
ヒノキ「美味しい料理ができたか、2dを振って判定をするのじゃ」
太郎「分かったでござる。ムンッ。(コロコロ)5」
ウルスラ『何が自慢の料理だ。そんなに油こってりじゃ、とても病人に出せたもんじゃないね。全部、自分で食って、さっさと出て行くんだ』
太郎「ム。何だかんだ言って、ただ飯をくれた形にはなるか。食事の恩だけは感謝しながら、今はここを出るとしよう」
ヒノキ「では、ウルスラさんと知り合ったことで、★1つを進呈しよう。それと、飢えの分のペナルティーは消えた」
太郎「これで★6つ」
涸れ井戸(2日め昼)
ヒノキ「施療院の南には涸れ井戸があるが、井戸の中に入る気はあるかの?」
太郎「わざわざ井戸の中に入る理由がない」
ヒノキ「そうか。ここは固定イベントがなければ、ランダムイベントが発生するようになっている場所なのじゃ。1dを振るがいい」
太郎「2」
ヒノキ「霧が出て、道に迷いそうになる。どっちに進むかはランダムじゃ。もう一度、1dを振れ」
太郎「6」
ヒノキ「ならば、好きな方向へ行ける」
太郎「もちろん、南の天幕でござる。これで、ようやく拠点へ帰り着いたが、ザバーラ様に状況報告して、熟睡するぞ。無一文になってしまったので、お小遣いをもらえませんか」
ザバーラ『まだ、一仕事も片付けていないのに、何を言ってるのさ。飯食って、一晩寝たら、朝から早速、骨の川に行くんだよ』
●霧の街のマップ(2日め終了時点)
? ?
l l
路地裏 ー 木漏れ日の施療院ー?
l l
常夜の回廊ー 涸れ井戸ー?
l l
港ー 三色の天幕ー?ー翡翠の塔ー?ー叫び
(拠点) l の門
l l
? ー骨の川
荒れ果てた庭園(3日め朝)
ヒノキ「いよいよ、今回のミッションのクライマックスなのじゃ」
太郎「熟睡したが、あと1点でHPは全快しなかった。今後の冒険では、保存食や薬草の類も用意しておくべきでござる。とにかく、3日めの未明に天幕を出て、東へ進むとしよう」
ヒノキ「東は、荒れ果てた庭園となっているが、特に侵入する理由はないじゃろうな」
太郎「今回はスルーする。骨の川での試練があるゆえ、余計な寄り道はしないでおこう」
骨の川の死闘(三日め昼)
太郎「とうとう、初ミッションの目的地にたどり着いたでござる」
ヒノキ「ここは、蛮族が殺害した人族の骨を捨てる場所なのじゃ。川底に無数の骨が転がっておる」
太郎「それでも、川に足を踏み入れて、赤い宝石を探さねばならんでござる」
ヒノキ「太郎がそうすると、2体の人骨が組み上がって、襲い掛かってくる。そのうち1体は、目が赤く輝いているのじゃ。魔物知識判定をするがいい」
太郎「7」
ヒノキ「スケルトンじゃ。レベル1のアンデッドで、HPは15。赤目の方はボス扱いで強化されており、HPは20になっている。では、先制判定から行くかの。こちらは10」
太郎「8以上。(コロコロ)ぴったり8だから、先に攻撃するでござる」
ヒノキ「攻撃前に生命力抵抗判定を行うのじゃ。骨の川の無数の骨が、足に絡みついて動きを邪魔して来るゆえに。目標値は13」
太郎「何と。これも8以上で成功だが、(コロコロ)7で失敗」
ヒノキ「すると、命中回避にマイナス2のペナルティー」
太郎「命中4、回避1に下がったか。とりあえず、ザコを確実に仕留める。チェインスティック(いわゆるヌンチャク)を振り回して11で当てて、ダメージも11点」
ヒノキ「スケルトンの防護点は3点じゃから、8点くらった」
太郎「グラップラーはもう一撃できる。命中9」
ヒノキ「それは同値回避じゃ。次は、こちらの攻撃の前に、辺りに散乱している骨がヒュンヒュン飛んできて、ダメージを与えてくる。回避不能の魔法ダメージ4点じゃ」
太郎「ぐっ、残りHP22点」
ヒノキ「さらにスケルトン2体の攻撃。命中9は回避できるかの?」
太郎「8と6。どっちも当たった」
ヒノキ「ヒヒヒ。ならばダメージは6点と9点じゃ」
太郎「ぐほっ、防護点で2点ずつ減らして、4点と7点。11点ダメージで残り11点。これはピンチでござる」
ヒノキ「それでは2ラウンド目じゃな。まずは、生命力抵抗を頑張るがいい」
太郎「骨の呪縛は振りほどけん。こうなったら腹筋パワーと叫んで、練技のマッスルベアーを使う。これでダメージプラス2になる」
ヒノキ「何で、さっき使わなかったのじゃ?」
太郎「忘れていたでござる。しかし、これでザコは確実に仕留める。11で当てて、ダメージは13点」
ヒノキ「それで、1体は弾け飛んだ」
太郎「追加攻撃で、もう一体を狙うことはできないでござるな」
ヒノキ「2回攻撃は同一目標だけじゃからの。さあ、こちらの番じゃが、骨の支援攻撃は今回はなし。ボスの攻撃だけじゃ」
太郎「ここは回避したい。(コロコロ)よし、10出て避けた」
ヒノキ「では、3ラウンド目。骨の呪縛を逃れるための生命抵抗からじゃ」
太郎「10で成功。これは勝ったか。続いて攻撃。1撃め命中。ダメージは14」
ヒノキ「11点食らって、残りHPは9」
太郎「トドメの2撃め。命中して、ダメージは……ここでピンゾロを出すか!」
ヒノキ「経験点を50点、進呈しよう。では、こちらの攻撃。まずは支援攻撃で4点」
太郎「残りHPは7点でござる。何とか次の攻撃は避けないと。回避は3で、ダイス目は7出たから合計10。命中9は避けられた。ふう」
太郎「4ラウンド目。骨には縛られてしまい、命中は9と10。1回命中でダメージは……またも1ゾロだと?」
ヒノキ「そこまでピンチを演出しなくてもいいんじゃが。さあ、敵の攻撃を避けてみせよ」
太郎「ダイス目9で何とか避けた」
ヒノキ「5ラウンド目。まさか、たかが2体のスケルトンで、ここまでの長期戦になろうとは」
太郎「まさに命がけの死闘でござる。骨には縛られて、2度目のマッスルベアーを使い、これでMPも0。命中は10と9。どうして、一発しか当たらんでござるか」
ヒノキ「命中ダイスで5とか6しか出さんからじゃ」
太郎「それでもダメージは13。何とか勝った!」
ヒノキ「それにしても、ダメージダイスで2回もピンゾロを出すとは、ゲンブのここぞという時のダイス目の悪さは健在なようじゃの」
太郎「ふう。ソロプレイだと、自分一人が倒れたら終わりだからな。ヒヤヒヤしたでござる」
ヒノキ「果たして、それで厳しい霧の街を生き残れるのかの」
太郎「残りHPは7で、残りMPは0。もうボロボロでござる」
ヒノキ「戦利品は、頑丈な骨が2本。それぞれ30ガメルで売れる。それと剣のかけらが一つ。これは200ガメルじゃ。そして、ボススケルトンの赤目が宝石になっていて、それを入手したことで、★1つ進呈」
太郎「これで★は7つでござるか。ともあれ、今は拠点に戻って、ご主人さまにミッションクリアの報告をして、それからゆっくり休みたいでござるよ」
(当記事 完)