花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、ソード・ワールドのミストグレイヴ妄想リプレイ「魔神ハンター」を終了に向けつつ寄り道迷走気味。

改めてゴブリンスレイヤーの話

2023年に、ゴブスレII決定

 

ヒノキ「アニメの2期が今年に放送されることが発表されたのじゃ」

ゲンブ「ほう、ついに来たでござるか」

シロ「原作小説は2016年から出版され、2018年にはTVアニメ化。2019年にTRPG化され、2020年には劇場公開されたわけですね」

ヒノキ「当ブログでの初ゴブスレ記事はこれじゃ」

リトル「2019年のTRPG版がきっかけなんですねぇ」

ヒノキ「その後、ゴブスレRPGはシナリオ2つをプレイしたが、今は『魔神ハンター』中心じゃから、ゴブスレは放置されたままじゃ」

ゲンブ「我の蜥蜴用心棒と、アリナ様の圃人斥候(料理人)・ツラヌキ丸子、それに新生殿の学術騎士ジャンと、アッキー殿の森人精霊使いアカミドリのパーティーでござった」

ヒノキ「その後、ルールブックのシナリオ2本めをやる予定じゃったのが、ゴブスレ熱がコロナ禍以降の遅延化も響いて、盛り上がりにくくなっておっての。TRPG展開も2021年のサプリメントを最後に止まっておる」

シロ「一応、GMウォーロック誌でロードス同様にサポートは続いているみたいですが、2ページほどのミニシナリオぐらいなので、コロナ禍以前の熱気が消えているようですね」

ヒノキ「今回のアニメ2期を受けて、TRPGの方も新展開の動きが出ればいいのじゃが、こちらも記事でさほど追っかけているわけではないので、原作小説同様にコツコツ続いてくれれば十分かとも思いつつ」

ゲンブ「本格的に追いかけるなら、ルールブックの2本めシナリオや、サプリメントに収録された4本のシナリオをプレイするという手も数々あるでござるが、その前に『魔神ハンター』が優先でござるからなあ」

ヒノキ「まあ、せいぜい小説の感想だけでも、コンスタントに続けるのみじゃ」

 

ゴブスレ小説展開

 

ヒノキ「さて、今回のメインテーマは外伝のイヤーワン3巻じゃが」

シロ「外伝イヤーワンは2018年には2巻まで出ましたが、3巻めは結構遅れて去年の年末に発売されました」

リトル「その間に外伝2のダイカタナシリーズが展開されていたですぅ」

ヒノキ「ダイカタナは2019年に上巻が、2020年に中巻が出て、2022年の春に完結した物語。ゴブリンスレイヤーの世界の過去において、《死の迷宮》を攻略する6人の冒険者ウィザードリィ風冒険譚じゃ」

ゲンブ「ゴブスレ本編の2巻で登場した盲目司教の《剣の乙女》が6人の冒険者の1人でござるな」

ヒノキ「主人公の侍、女戦士、盗賊→忍者、僧侶、女司教、女魔術師という職業構成は完全にウィザードリィじゃのう。違うのは僧侶の種族が蟲人という点。ウィズには蟲人はおらんからのう」

シロ「ゴブスレでも蟲人は珍しいですね。本編には登場しませんが」

ヒノキ「それでも、TRPGサプリメントには獣人同様に採用されておる。サプリメントを使えば、ダイカタナの物語も再現できるようになっておる。また、ウィズ風味の物語は、さらにスピンオフ的にこちらに引き継がれた」

ヒノキ「新兄さんが3日に購入して、現在読んでいる最中らしいが、呪文の名前はウィザードリィの原典に忠実じゃし、種族も人間、エルフ、ドワーフ、ノームまではそのままじゃが、唯一ホビット著作権の問題で今は使えないので、ゴブスレの四方世界に準えてレーアになっておる」

ゲンブ「ダイカタナがウィズ風味のゴブスレ世界なのに対し、こちらは一部がゴブスレの要素を混ぜ加えたウィザードリィ世界なのでござるな」

ヒノキ「ダイカタナとの雰囲気の違いはどんな感じか気にしつつ、新兄さんの読了を待つとしよう。今はイヤーワンの話に戻す」

シロ「イヤーワンは本編と違って、コミックが小説よりも先に展開されている形みたいですね」

ヒノキ「コミック用のプロットを先に仕上げてから、実際の文章執筆をコミック版のノベライズ形式で行なっているのやも知れぬが、そういう裏事情は見えぬのう。

「ともあれ、本編では『銀等級のベテランであるゴブスレ氏に助けられた女神官ちゃん他の成長物語』の側面があるのに対し、過去編のイヤーワンは純粋にゴブスレ氏の成長物語の要素が大きい。『ゴブスレ氏誕生秘話』である1巻と、『ゴブスレ氏がゴブリン退治に活用するマジックアイテムをいかに入手したか』が描かれる2巻に続いて、3巻は『白磁等級から黒曜等級を経て、鋼鉄等級の冒険者への昇級審査』がテーマとなっておる。その中でゴブスレ氏の問題が浮き彫りになった」

シロ「ゴブリン退治しかしないことですか?」

ヒノキ「冒険者としての実力や品性をギルドが保証するための査察が行われる展開なのじゃが、ゴブスレ氏の問題は単独行(ソロ)の経験しかないこと。よって、査察官が同行することで『仲間との連携というものをゴブスレ氏が学ぶ』というのが物語テーマの一つと言える」

ゲンブ「確かに本編では、単独活動メインだったゴブスレ氏に仲間ができて、ただの小鬼殺しが冒険者に脱皮していく展開でござるなあ」

ヒノキ「イヤーワンの3巻は、『自分はただの小鬼殺しであって、冒険者であることに興味はない』と自認していたゴブスレ氏が、冒険者ギルドの査察官との交流を経て、冒険者の心構えや仲間(パーティー)の意味を知って行く話。査察官はゴブスレ氏の心に種を蒔いただけじゃが、そこで経験したことが花実を咲かせるのが本編の物語と言えよう」

リトル「それにしても、ゴブリン退治だけで銀等級に昇り詰めるのだから凄いですねぇ」

ヒノキ「女神官が白磁から鋼鉄まで昇格したのは小説の6巻においてじゃが、ゴブスレ氏の場合は単行本の巻数にして倍のスピードで昇格しておる。それはともかく、今回の冒険でゴブスレ氏が工夫したゴブリン退治の技術は『盾の縁を削って刃として使うこと』など。また冒険の心得としては『気力の薬(スタミナポーション)の大切さ』もポイントが高い。これまでは一応、圃人の師匠から戦闘技術などを学びはしたものの、冒険者としての常識が身についておらず、自己流のゴブリン退治活動をずっと続けておったわけじゃが、そういう心得を教わる形じゃな」

 

査察官『仲間の大切さは、野営する時に見張りを交代してもらえることも挙げられます』

ゴブスレ『必要ない。俺は片目を開けたままでも寝られるからな』

査察官『それでは熟睡できません。疲労がたまると、いざという時の反応にも支障が出ますし、休めるときに休むのも冒険者の心得です』

ゴブスレ『ムッ……』

 

ヒノキ「ゴブスレに限らず、『未熟なキャラが何かを学ぶ過程を描写している物語』は面白く読めるのう。そこには教える側と教わる側の人間関係の構築やら、キャラの成長のドラマがあって、技術の伝授だけでなく、武道とか人生訓などの心構えが描かれたりすると、ラノベであっても良い勉強になったと感じられて、満足感がある」

ゲンブ「査察官どのは、ゴブスレ氏にとっての先達に当たるキャラでござるか」

ヒノキ「元は《死の迷宮》への挑戦経験もある武道家じゃが、自分の技への限界を感じて引退。貴族令嬢という出自もあって、公役所の冒険者ギルドの職員として管理する立場にあり、受付嬢にとってのクールな先輩に当たるキャラ。ゴブスレ氏を『少年』と呼び、亡き姉や師匠のような雰囲気を持ち合わせている男装の麗人風キャラじゃのう。とにかく、イヤーワンは毎巻、ゴブスレ氏にとっての師匠格に当たるキャラとの出会いと交流、そして別れまでで1つの筋書きが描かれ、本編のベテランに至る成長物語が魅力と言えよう」

 

一方そのころ

 

ヒノキ「さて、ゴブスレの物語はゴブスレもしくは女神官メインの物語に挟まれるように、『間章』で別の冒険者の物語が描かれることもある。ゴブスレ自身は、あまり大きな事件に関わることは少ないのじゃが、ゴブリンというものは悪の勢力の尖兵という立ち位置になり、思いがけない大事件に関わっていることもある。『ゴブスレ氏の関わる事件』と『他の冒険者の関わる事件』が最初は別の物語のように見えて、最後まで読むと、『おお、そういう風につながったか』と感じ入ることも多い。

「例えば、イヤーワンの3巻では、ゴブスレ氏の倒したゴブリンの洞窟は敵勢力の前線基地であり(ゆえに爆発する魔法薬とかがいっぱい保管されていた)、そのさらなる地下には闇の勢力の支配する古代都市があって、そこに迷い込んでしまった若き戦士を初めとする冒険者パーティーのミニエピソードが間章で展開されておる。彼らがピンチになった時に、ゴブスレ氏がゴブリン洞窟を魔法薬で爆発させ、その際に生じた地震がきっかけで、古代都市の冒険者パーティーがうまく生還するきっかけとなった……という風に話がリンクしたりする」

シロ「別の物語が一つの世界内でつながっていて、当の本人たちの知らないところで二つの冒険譚が影響し合っている、と?」

ヒノキ「さらに、後に本編でゴブスレ氏の同期の冒険者友達になる重戦士が、自分より先にゴブスレ氏(変な奴認識)が鋼鉄等級に昇格するかも、という話を聞いて焦ったりするシーンがある。彼もパーティーのリーダーとして無理をして疲労で倒れるのじゃが、ラストで『自分の友人の村長が治める村がゴブリンのせいでピンチ』という話を聞いて、病み上がりの状態で無理して村を守るために駆けつけようとする。しかし、そこにゴブスレ氏が帰ってきて『ああ、その村のゴブリンなら全滅させた。村は無事だ』と聞いて、ホッとして倒れる展開がある」

リトル「ええと、どういう話ですかぁ?」

ヒノキ「ゴブスレ氏は今回、別の村のゴブリン退治を引き受けていたのじゃが、その村のゴブリン数匹を倒した後で、さらなるゴブリンと悪魔犬(ワーグ)の足跡を見つけて、ギルドの依頼と異なる村までゴブリン退治に足を伸ばしたのじゃ。

「それに付き合う査察官は、『この少年は冒険者の仕事ではなく、個人的な使命感でゴブリン退治を続けているのか』と呆れながら納得。そして、ゴブスレ氏に教育指導しながらも、村がピンチなのを見捨てられないだろうとか、でも代わりに冒険者ギルドの仕事として動けるように緊急手配するとか、いろいろ気を回してくれたんじゃな。この時点でゴブスレ氏には全くできない折衝の仕方まで示してくれて、結局、評価するに『冒険者としては未熟すぎて、心構えもなっちゃいないが、教えたことは素直に吸収するし、自分勝手な悪辣な人物でもない。戦士ではなく、斥候としては実践的で鍛えられてもいるし、機転も利くうえ、不撓不屈の心の強さも持っている。彼に付き合う良い旅の仲間にさえ恵まれたら、立派な冒険者として成熟するかもしれないし、そうなって欲しい』といったような思惑で、今回の昇級試験は合格と判断した次第」

ゲンブ「この話を受けて、もう一度、原作の1巻のクライマックス(大切な村を守るために、ゴブスレ氏がギルドの冒険者に頼むシーン)を見ると、感動が深まるかもしれぬでござるな」

 

そしてゴブスレIIへ

 

ヒノキ「なお、アニメ1期は原作小説の1巻と2巻、そして短編集の4巻の一部を組み合わせた話。また、劇場版は小説の5巻を映像化したものじゃが、次はやはり原作3巻からかのう」

シロ「こういう予測動画もありますね」

ヒノキ「コミックだと7巻と8巻になるのか」

ゲンブ「ともあれ、夏か秋の放送を期待しつつ、追加情報を待つとしよう」

リトル「楽しみですぅ」

(当記事 完)