最初にミスの修正話と、アニメネタ
ヒノキ「う〜む……」
ゲンブ「アリナ様。眉間に皺を寄せて、どうされたでござるか?」
ヒノキ「おお、ゲンブ。実はシロのキャラのホリー・カーシェインじゃが、前回の成長で一つミスを発見してのう」
ゲンブ「シロがミスでござるか。どのような?」
ヒノキ「シロはライダー技能7レベルの経験点を2000点と発言しておったのじゃが、正しくは2500点。どうやら、経験点表を1マス分ズレて、6レベルの欄を見ていたと思われる」
ゲンブ「すると、あと500点余分に経験点を消費してもらえばよろしいのでは?」
ヒノキ「残り経験点が279点じゃから、それもままならぬ。何かのレベルを下げてもらうしかないのう」
ゲンブ「ライダー技能を下げると、冒険者レベルにも関わって来るし、騎獣のデータにも影響するので、被害が大きすぎる。コンジャラー技能を下げると、新しく作ったゴーレムのシーサーが使えなくなる。ならば、ウォーリーダーのレベルが無難でござろうな。次の冒険では新規習得の陣率を使えなくするだけでいいので、処理が一番容易い」
ヒノキ「やはり、そうじゃろうな。シロが屋久島から戻って来たら、忘れずに伝えねばならぬのう」
ゲンブ「我も覚えておくでござる。して、今回は何の話でござるか?」
ヒノキ「タイトルにもあるように、ゴブリンスレイヤーの新刊とダイカタナの完結編じゃ」
ゲンブ「9月には、外伝のイヤーワン3巻も予定されているでござるからな。ゴブスレに注目したい頃合いと言えようか」
ヒノキ「アニメの2期の追加情報はまだ入って来ないので、来年と思われ」
ゲンブ「何でもゴブスレのスタッフは、バスタードを製作中という話も聞いたので、そちらを優先ということでござろうか」
ヒノキ「制作会社は異なるが、監督が尾崎隆晴で、脚本は黒田洋介&倉田英之コンビということか。全24話で、6月30日にネフリで前半13話が一気に配信されたと聞く。いずれは地上波あるいはBSでも見られるのじゃろうが、アニメファンの話題として盛り上がるのは見られる入り口が増えて、毎週1話ずつの溜めが構築されてからじゃろうな。一気に独占配信じゃと、一部の先行ファンだけの一時的な話題にはなっても一般的な広がりを持たぬゆえ、息の長いコンテンツにはなりにくいのでは、と思う」
ゲンブ「いずれにせよ、ゴブリンスレイヤーとバスタードのアニメのダークファンタジー演出に類似点を見出すのが通の見方でござろうか」
ヒノキ「それでは、話を元に戻して、小説版の感想に移るのじゃ」
ゴブリンスレイヤー16巻
ヒノキ「まず、今回の話のテーマは、王都を舞台にした馬上槍試合と、封印から目覚めし不死の王との人知れない戦いじゃ」
ゲンブ「不死の王。ザンバー・ボーンでござるな」
ヒノキ「そのネタを聞きたいなら、ウルトロピカルに行け」
ヒノキ「ゴブスレの世界は、FFゲームブックの世界と非常に濃いレベルでリンクしておるのじゃが、ダイカタナの最後の一文はFFゲームブックでお馴染みの『さあ、ページをめくりたまえ』であって、主人公もサムライ・ソードを持った『君』なんじゃが、ここは区別してゴブスレに専念するものとする。16巻の大筋を語ると、以下の3点に分けられよう」
・馬上槍試合に出場した圃人(ホビット)少女と、少年魔術師のトーナメント話。
・ゴブリンスレイヤーのゴブリン退治と、その延長上にある吸血鬼退治。王都の地下に隠された封印の再封印。
・呪いにかけられた王妹の身代わりを務める女神官の苦闘と、王都を守る指導者の片鱗を見せる活躍。
ヒノキ「個々の要素は非常に面白いが、これらの3つの物語が同時並行で描かれ、うまく収束せずにバラバラのままに終わるのが、世界の多様性を示しつつも物語のまとまりの悪さを覚えて、ちと残念というのが、わらわの感想じゃ」
ゲンブ「アリナ様の理想の物語は?」
ヒノキ「そりゃあ、バラバラのエピソードがクライマックスでみんな集まって、力を合わせて一大決戦ってのが王道じゃろう。バラバラのエピソードが収束することなく、バラバラのまま個別に事件を解決しても、ただの変則短編集という感じで、みんなの力で心を一つに大きな事件を解決ってノリには到達しない。ゴブスレ氏を中心に、みんなで協力して街の平和を守る……というアニメ1期のクライマックスがやはり王道じゃろうて」
ヒノキ「今回のメインテーマである馬上槍試合は、ゴブスレ氏の冒険とは一切関わらない脇役メインの物語。主役はその試合の背景で、相変わらずの迷宮探検と、ゴブリン退治と、ボス退治を行う。一方でメインヒロインの女神官はゴブスレ氏とは別行動で、試合会場を襲撃したモンスター軍団に対し、指導者の器量を発揮して、観客冒険者を動員する旗頭となった。各人各様の物語が個々に面白く編み込まれてはいるが、支流が合流せずに一本の大河となることはないエピソードゆえ、メインディッシュの定かでないサイドディッシュの食べ散らしといった読後感じゃ」
ゲンブ「その分、メインディッシュはダイカタナの完結編で堪能したのではござらんか?」
ヒノキ「うむ。発売順は、春にダイカタナが先に完結して、その後3ヶ月の間に比較的軽めの後日譚的な気分でローテーション的に描かれたのがゴブスレ16巻と解釈することもできよう」
ゲンブ「2作はリンクしているのでござるか?」
ヒノキ「わらわは、ゴブスレ16巻→ダイカタナ下巻の順で読んだが、後者を読むことで前者の仕掛けにようやく気付いた、という事情がある」
ゲンブ「仕掛けでござるか?」
ヒノキ「ダイカタナの舞台は、ウィザードリィを模した《死の迷宮》じゃが、主人公パーティーは《死の迷宮》を攻略した六英雄として、その一人、盲目の女司教が《剣の乙女》となり、現在のゴブスレ世界の重要人物となっている(残り5人の行方は分からぬが)。
「一方で、主人公パーティーのライバルが現国王の暴れん坊将軍こと《金剛石の騎士》じゃが、彼らが《死の迷宮》の攻略を主人公に託したのは、王都で《不死の王》が暴れたために、王子としてそちらの対応をしないといけない事情があったゆえ」
ゲンブ「ダイカタナで、《不死の王》退治のエピソードが描かれたのでござるか?」
ヒノキ「いや、そちらはあくまで未描写の背景裏エピソードに過ぎぬ。つまり、ダイカタナの裏エピソードの続きが、今回、ゴブスレの探索したダンジョンなのじゃ。
「ゴブスレは8巻(2018年10月発売)で《死の迷宮》の跡地のダンジョン探索を行い、その後で過去編のダイカタナが出版された(上巻は2019年8月)ことを考えると、来年には外伝3の『金剛石の騎士を主人公にした王都での不死の王退治に至る物語』が始動しても不思議じゃないというか、今回のゴブスレ16巻とダイカタナ完結を受けて、その話も読みたいと思わされた」
ゲンブ「剣の乙女の少女時代の過去エピソードがダイカタナで展開されたのならば、現国王の冒険者時代の物語が外伝ストーリーとして立ち上がる可能性もある、と」
ヒノキ「あくまで、これまでの流れを踏まえた上での願望交じりの予測じゃがのう。ともあれ、4年間で本編だけでも単行本8冊が出ていて、半年に1巻のペースでありながら、外伝も展開中なのは今後も期待できるじゃろう。少なくとも、ロードスよりはコンスタントに追っかけることができる」
ゲンブ「ロードスの続きはどうなっているのでござろうか?」
ヒノキ「来年、2023年が作者の作家活動35周年記念じゃから、それに向けて続きを執筆中であることを期待しよう。前が30周年記念じゃったから、次は35周年記念ということで5年に1度の大祭りであれば、祝え祝え〜という気分になる……はず」
ゲンブ「5年に1度の祭りでござるか」
ヒノキ「おまけに来年は、作者も還暦じゃからな。還暦記念に新刊が出れば、素直におめでとうと言えるもの。ファンなら、そういう心意気で続きを期待しつつ、今、楽しめるものも楽しむので良かろう。出ない作品に文句を言ってるばかりでも、つまらんからのう」
ゲンブ「グランクレスト完結が2018年で、ロードス新刊が2019年。その後の新刊が出ないまま、2020年にブシロードの社外監査役という謎役職に就いたきり、その後の仕事の形跡が読めないでござる」
ヒノキ「Twitterで頑張っておるのは確認できるが、最近は和製エルフのデザインにおける出渕裕氏の功績をヨイショしていたようじゃ」
ゲンブ「ゴブスレ感想のはずが、ロードスに流れ込むと収拾がつかないでござる」
ヒノキ「では、これで」
ヒノキ「ともあれ、16巻は相変わらずのゴブスレ氏によるゴブリン退治が楽しめて、ゴブスレ視点ではおまけ的に扱われる本来の大ボスのヴァンパイアについては、背景世界観の情報がいずれ開示されることをワクワクしつつ、女神官ちゃんの毅然とした成長をホロリと味わいながらも、悪役のポリコレ騎士を圃人少女と金剛石の騎士がそれぞれ表と裏で成敗することでスカッとできる小説じゃと言っておこう。
「別に一つに収束しなくてもいい、多様な世界はそれぞれの良さで楽しめばいいというテーマには沿った構成ということなら、もしかして作者の狙いどおりかもしれんしのう。自分の好みは好みとして、それに外れたから批判するというのでは、批評家の器量の狭さが露見する」
ゲンブ「あくまで自分の好みはこういうのだから、100%は褒められない。だけど、これはこれで面白い要素はいろいろと見受けられる……と論じるのが客観評価というものでござるな」
ヒノキ「まあ、自分と違う視点の多様性が大事というのが今巻のテーマじゃからな。そういう話を評価する基準が、自分の好みじゃないからダメ、と言うのでは、おかしなカルトにハマったポリコレ騎士と何ら変わらん。差別はダメと主張する人間が、自分の中の偏見の押し付けで窮屈な社会を生み出すことに邁進していては、それは創作界隈の敵と言ってよい」
ヒノキ「まあ、さすがにゴブリンスレイヤーが学校の図書館にあったらビックリするじゃろうし、夏休みの宿題の読書感想文にお薦めするようなタイプの本でもないが、娯楽本としては十分に健全と思うのが、わらわの見解じゃ。少なくとも、ゴブスレ氏はセクハラをするような主人公ではないし、エロ目線で描写されるのは、全て邪悪なゴブリンか、女性が女性を見る視点だったりする(女らしい体型の大人の女性を羨ましがる発展途上の女の子視点とか)」
ゲンブ「総じて、ゴブスレ小説の男性陣は奥手か朴念仁が多くて、パーティー仲間の女性が色気を意識的、無意識的にチラ見せした時に慌てて赤面して顔を伏せるとか、全く意に介さないかのどちらかに分かれるでござるな。女性陣に比べて、男性陣が初心な反応を示すのが健全な青春小説で、恋バナに夢中なのが総じて女性陣というのがリアルっぽくていい」
ヒノキ「男は恋よりも、夢や趣味、仕事に夢中になってる世界観じゃな。じっさい、オタクの日常って女の子との恋愛がどうこうに関わり合っている余裕はないというか、夢や趣味、仕事を支えるための家庭という価値基準で、モテるモテないを気にする男キャラはゴブスレの物語では一人もおらん」
ゲンブ「作品で一番、女性の評価を気にしているように見える槍使いのリア充戦士も、『女性に優しく振る舞うのは男の甲斐性』ぐらいの認識で、別に下心を向けてくるわけでもなく、あくまで個人が理想とする格好良い社交スタイルってだけで、ただ主体性なく媚びているわけではない、と」
ヒノキ「まあ、身近に守りたい女の子がいて、その子の前では格好悪いところを見せたくなくて、それでも強気な女の子がグイグイ引っ張って、それを前衛で守るか、後衛で支えるかを各人のポジションで考えながら、懸命に自分の役割を果たそうとする純粋な男性キャラが多いかのう」
ゲンブ「女性も自分の役割、自分のスタイルにこだわりを持ちながら、多少の劣等感も示しつつ、できることを懸命に、時に駆け引きっぽく知恵を巡らしながら、視点キャラとして周囲をきちんと観察して、物事を考えている様が描かれているようでござるな」
ヒノキ「ゴブスレ小説の文章は、視点キャラの見る四方世界の情景と、会話を含めた周りの人間模様と、それを受けての内面の心情や考えが優しく描かれていることが多くて、しかも視点キャラの女性率が非常に高い。その意味で、ゴブスレ氏の心情よりも女神官の心情の方がよく描写されていて、心情描写の量を持って主人公とするならば、確実に女神官が主役と言える」
ゲンブ「あと、戦闘シーンではゴブスレ一党に倒される敵ゴブリンその他の心情が多用されるでござるな。ある意味、珍しいスタイルと言おうか。次々と倒される敵キャラの心情の切り替わりが、戦闘のテンポ良さを味わわせてくれる」
ヒノキ「極力、ゴブスレ自身が視点キャラにならず、外面からゴブスレ氏の反応やアクションを見せることで、戦闘時のゴブリン退治プロフェッショナルぶりを引き立たせているように見える」
ゲンブ「ゴブスレ氏の寡黙な格好良さは尊敬に値するが、自分で演じようと思うと難しいキャラ作りでござる。とりわけTRPGでは」
ヒノキ「では、同じく寡黙主人公の別の描き方であるダイカタナに移ろうかの」
ダイカタナ完結
ヒノキ「中巻では、こういう感想じゃった」
ゲンブ「小説では珍しい『君』が主人公の2人称文体でござるな」
ヒノキ「物語はウィザードリィで、文体はFFシリーズ要素の大きいゲームブック。ただし、ゲームブックや一部RPGとは違って、主人公の行動や心情は読者の自由にはならないので、勝手に決断して行動する『君』扱いされる侍主人公に上手く感情移入できるかがポイントじゃ。
「まあ、序盤の素人主人公には感情移入困難じゃが、中盤以降の経験を積んだ立ち位置になって、ようやく普通に感情移入できて読めたというのが、わらわと新兄さんの共通見解。さすがにウィザードリィのことを何も知らないような描かれ方じゃと、経験者は読んでてまどろっこしい」
ゲンブ「しかし、ウィザードリィ未経験者の多い平成キッズにウィザードリィの感覚を伝えようとするなら、上巻の丁寧な背景描写は必要なのでござろう。そして、成長した中巻を経て、今回で英雄物語として完結したでござるな」
ヒノキ「全部で地下10階あるダンジョンで、上巻は地下1階と2階の探索、中巻は地下3階と4階の探索で、このペースだと全部で5巻が必要だろうとうっかり考えておったが、ウィザードリィでは地下4階から9階までの直行エレベーターがある。おかげで今回は地下9階と10階の探索で話を綺麗にまとめ上げた」
ゲンブ「5階から8階はスルーでござるか?」
ヒノキ「本家のウィザードリィですら、4階からはエレベーターに乗って、9階で経験値稼ぎをすることが推奨じゃからな。5階から8階は苦労の割に身入りが少なく、探索リスクも高いので(テレポート魔法必須の複雑なダンジョン構造と、レベルダウンのエナジードレイン攻撃が多発、その上、経験点の少ないアンデッドが頻出)、クリア後の楽しみと考えた方が良い。もっとも、ダイカタナでは地下10階のラスボスを倒した後は、ダンジョンが崩れて4階までしか残らないようになったので、5階から8階は永遠の謎となってしまったわけじゃが」
ゲンブ「ゴブスレRPGで、ウィザードリィRPGのシナリオを遊ぶというのも面白そうでござるな」
ヒノキ「システムがずいぶん違うゆえ、データのコンバートが大変すぎるじゃろう。流用できるのは、せいぜいダンジョンマップと登場モンスターの名前ぐらい」
ゲンブ「ゴブスレRPGで、ダイカタナ・サプリメントを出すとか?」
ヒノキ「それより、リプレイの新刊は出ないものかのう?」
ゲンブ「昨年にサプリメントが出た際に、関連してリプレイの続巻も出るかと思ったが、期待が叶わなかったでござる」
ヒノキ「まあ、わらわたちも2つほどシナリオをプレイしたが、その後、ソード・ワールドに専念する流れになったからのう」
ゲンブ「続きはプレイしないのでござるか?」
ヒノキ「そんなのは新兄さんに聞け。アニメの2期が始まったら、調子づいて何かやるかもしれぬし、やらぬかもしれぬ」
ゲンブ「予定は未定ということでござるな」
ヒノキ「とにかく今はダイカタナじゃ。このダイカタナの完結編を読むに当たって、何よりも気掛かりだったのはラスボス戦じゃ。何しろ、上巻の初めに『ラスボスと対峙した主人公パーティーが壊滅したような描写』が書かれてあったからのう。その伏線をどう回収するのか、と思っていたら、パーティーは確かに予告どおりほぼ壊滅するけど、侍主人公の君が奥義に開眼して無心の境地で瀕死状態から復活し、〈剣の乙女〉の女司教が《降神(コール・ゴッド)》の奇跡を発動させての逆転に至る展開で、見事に打ち勝った。うむ、まことにもってお見事と評価しよう」
ゲンブ「なるほど。絶体絶命のピンチを、悟りの極意と、神の奇跡で乗り越えた、と。まさにクライマックスの王道でござるな」
ヒノキ「それと、これは新兄さんの感想じゃが、『ラスボスが黒衣の男と呼ばれ、それを追跡する物語がいかにもスティーヴン・キングのダークタワー小説へのオマージュが感じられて、タイムリーだと思った』そうじゃ」
ゲンブ「確か、本編の13巻の感想の際も、そういうようなことを言っていたでござるな」
ヒノキ「うむ、2年前の話じゃったな。元よりゴブスレは既存作品のパロディーやオマージュが多く散りばめられた作品じゃが、そのパロディーネタに気付くマニアックな楽しみ方もある。そして、たまたま自分が読んでいた作品と、ゴブスレ作者の引用したセリフや地の文の描写がかぶると、タイムリーに感じ入るもの。知っているからこそニヤリとできる、作者の感情との一体感とか、何となく通じ合えた気持ちが嬉しくなるということじゃろう」
ゲンブ「自分がハマっている作品に、作者が同様にハマっていると分かると、作品への親密度が上がるということでござるな」
ヒノキ「ダイカタナは、ウィザードリィであり、ロードス島伝説であり、FFゲームブックであり、そのことを作者は後書きで思い入れたっぷりに語っておる。もう一つの外伝『イヤーワン』は家族をゴブリンに殺された少年が復讐者になるバットマン・オマージュであることが語られ、本編でもスターウォーズだったり、シャドウランだったり、ウマ娘だったり、いろいろな素材を柔軟に取り込んでゴブスレごった煮シチューに豊潤な味つけを施しておる。このブレンド具合が素人風味ながら、ストレートな作品愛と高尚ぶらない親しみやすさを示しつつ、作者の関心の幅(研究熱心さ)を表明しておるな」
ゲンブ「作者のプロ作家デビューは2016年でござるな。2018年にTVアニメ化、2020年に劇場アニメ化、その後は2023年でござろうか?」
ヒノキ「今年の秋の予定でないのなら、来年じゃろうな。ともかく、9月の外伝の後書きには発表があるかもしれぬし、ないかもしれぬ。それでも2期アニメを楽しみに待ちながら、落語家の作品紹介でも聞くとしよう」
(当記事 完)