花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、D&Dを中心に世紀末前後のTRPGの懐古話を不定期展開中。

魔神ハンターと、人魚の女王(SWミストグレイヴ3ー9)

本部への帰還、そして旅立ち

 

GM(ヒノキ)「前回は、トロール兄弟を倒した後、トロール姿の密偵イゴールから重大な情報を手に入れたのじゃ」

G太郎(ゲンブ)「ミストキャッスルの前身、人族の都市ジーズドルフの四祖として語られていたシェラシースが、実は人ではなくて魔剣で、今はヤーハッカゼッシュの付き人をしているかも、という秘密でござるな」

ホリー(シロ)「とは言え、前作ミストキャッスルをプレイしていない身には、シェラシースと言われても、あまりピンと来ないんだが」

GM「シェラシースについては、光を司る姫君で、蛮族の穢れを祓う聖女って感じの伝承が伝えられておったが、ミストグレイヴにおいて真実が明かされた形になる。なお、前作でシェラシースの偉業として伝えられた業績はすべて、三祖の長女セランシェがシェラシースの補佐を受けて成し遂げたことのようじゃ」

デル(リトル)「だけど、穢れを祓う光と称された伝説の聖女が、蛮族の王に付き従っているという構図は、確かにライフォス神官のマルクスのおっちゃんには受け入れ難いものがあるよなぁ」

G太郎「光の剣の精霊が、暗黒皇帝に従っているようなものでござるからなあ」

GM「ともあれ、お主たちはマルクスイゴールとの対談を済ませ、1tbの休憩の後で、烈火団の本部に帰ろうという話になった」

G太郎「人魚の解放奴隷シアニッサを故郷に帰してやらねばならぬし、その後でムルカグンドリにミッション達成を報告しなければならぬ」

GM「ミッション達成報告をもって、第3部終了という運びじゃ」

G太郎「できれば、上層階の地図開示を全部クリアしたいが、あと何区画残っているでござるか?」

ホリー「固定区画の大水車を除いて、今は15区画が開示しているな」

GM「上層階は18区画のランダム地形があるので、残り3区画になるのう」

G太郎「1つか2つなら、一気に行こうって気になるが、3つは微妙にたくさんと思えて来るでござる」

デル「まずは、人魚イベントを片付けて、どうするかはそれから考えないかぁ?」

G太郎「うむ。人魚からまた別の仕事を引き受ける可能性もありそうでござるからな。今回は人魚に専念しよう。とりあえず、ケンタウロス・タクシーに300G分の支払いをして、本部に急行する。そこで挨拶もそこそこにシアニッサを確保して、煌びやか通路に向かうでござる」

GM「いろいろと気忙しいのう。ええと、23日めの夕方に【肉の穴】、夜に【烈火団本部】、深夜に【煌びやか通路】となるが、それでいいかのう?」

G太郎「未明に【地底湖の畔】に着いて、人魚のところで食事と休息を所望するでござる」

ホリー「何だか図々しい気がするが、シアニーを連れ帰れば、それぐらいの祝宴は開いてくれるかもしれないな」

 

人魚の宮殿

 

GM「では、23日めの深夜、【煌びやか通路】へ向かう途中で、ランダムイベントが発生しないか、ダイスを振れ」

デル「5だぁ」

GM「すると、奴隷を運ぶ蛮族と遭遇するのじゃが、蛮族の種類もD6で決まる」

ホリー「ボクが振ろう。3」

GMケンタウロス・インペイラーが1体じゃ」

G太郎「1体なら、瞬殺でよろしいでござるか?」

GM「……先制値15を越えればのう」

G太郎「18」

GM「……戦いは終わった」

 

 経験点60点と★1個、意匠を凝らした槍(600G)、黒鉄剣士勲章2個を獲得。

 

GM「さて、助けた奴隷は、人魚が1体じゃ」

デル「2人め人魚ゲットだぜぇ」

ホリー「シアニーさんの知り合いか?」

GM「『彼女は……』と、シアニッサは名前を言おうとして、思いつかんのでアウトロー本を使って……(コロコロ。エルフの名前表を参照して)『ソランシェル! 私と同じく、公子オランビリアス様の従者です。ギルマンに捕まって、もう二度と会えないと思っていたのに』と再会を涙ぐむ」

G太郎「知り合いを助けられたのは不幸中の幸いでござるが、他に何人捕まっているのやら」

GM「それは彼女たちにも分からん。何せ、ランダムイベントで奴隷が発生するからのう」

ホリー「できれば、もっと早く奴隷イベントが発生していれば、2500ガメルを払わなくても良かったのに」

G太郎「まあ、2人を連れて、【地底湖の畔】へ急ぐでござる」

GM「では、さらなるランダムイベントチェックじゃ」

G太郎「今度は私が。3」

GM「通りすがりのケンタウロス・タクシーと遭遇するが、使うまでもないじゃろう」

G太郎「ご苦労、と軽く挨拶をしながら、別れるでござる」

GM「そうして【地底湖の畔】へ到着した。シアニッサたちは喜んで、お主たちに感謝の言葉を述べ、『仲間たちに事情を話して来るので、ここでお待ちください』と言って、湖に飛び込む。やがて身分の高いマーマンを引き連れて、戻って来るのじゃ」

G太郎「女王陛下でござるか?」

GM「いや、違う。剣のかけら入りのマーマンビショップ。なお、すぐ後で判明するので今、明かしておくと、女王パランティーナはレベル9の剣のかけら入りマーマンアークビショップと設定されておる」

G太郎「レベル9か。格上でござるな」

GM「通常のマーマンはレベル5、ビショップはレベル6という設定じゃ」

ホリー「レベル4のボクたちにとっては、みんな格上か。ボクは未熟だ」

デル「未熟だからこそ、頑張って鍛えるんだろぉ。オラよりも強い奴がいっぱいいるからこそ、頑張る意味と必要があるってもんさぁ」

GM「ビショップの名前もアウトロー本で決めて、メリサンドと言う。うん、名無しのNPCの名前をとっさに決めるのに便利じゃのう、これ。なお、今月出るソード・ワールドの新刊はこれじゃ」

GM「まだ画像は挙がっておらんが、リプレイだと聞いていたので文庫サイズだと思っていたら、データおよびワールドガイド付きの大型本サイズ、ちょっとしたサプリメントになっておる。さらに来月予定の魔法サプリメントも『メイガスアーツ』とタイトルが決まったそうじゃ」

G太郎「秋はソード・ワールドサプリメントが目白押しでござるな」

GM「うむ。それと来週は、ゴブリンスレイヤーの新巻が出る。これも楽しみじゃ」

G太郎「今度はどういう話でござるか?」

GM「今、流行りのウマ娘じゃ」

ホリー「ウマ娘はゴブリンだった!?」

GM「そんなわけがあるか。ええと、ケンタウロスの姫君が誘拐されたので、それを探して欲しいという依頼でゴブリンスレイヤーが動き、いろいろあって、結局はゴブリンと戦う話になるのじゃろう」

デル「ウマ娘かぁ。ソード・ワールドでは、ウマ娘はできないのかぁ?」

GM「2.0では、蛮族PCとしてケンタウロスを選ぶこともできたが、2.5では未実装じゃな。先日のアウトロー本で初蛮族のウィークリング種が登場した上、アルフレイム大陸では今のところ、蛮族が大手を振って歩ける地域が、ヴァイスシティを除いて提示されておらぬからのう」

G太郎「今度のリプレイの舞台、中原のオーレルム地方は西部劇っぽい荒野らしいので、普通に蛮族の活動も盛んと見たが?」

GM「アルフレイム大陸は、西部の文明が比較的発展して冒険の中心となっており、東部が魔法文明の名残りが濃厚な森林王国である一方、中央部が戦乱の地ランドール地方で危険度大という世界観じゃ。詳しくは、今年の初めに簡易地方ガイドを紹介しておる」

ホリー「西海岸が最先端の産業が発達していて、東部が伝統的な地域。そして中央が未開拓の荒野が広がっているというと、北アメリカ大陸的ですね」

GM「うむ。新大陸という設定からしても、そうなのじゃろうな。ここに来て、アルフレイムのモデルはアメリカである、と確信できた次第。とは言え、大陸の配置的には、テラスティアが南米で、レーゼルドーンが北米で、アルフレイムがヨーロッパ的なことを新兄さんは語っておったが」

G太郎「文化的にはむしろ、テラスティアがヨーロッパで、レーゼルドーンがアフリカで、アルフレイムが北米と考える方が、しっくり来るのかもしれんでござる」

GM「テラスティアが南半球にあるという設定が、リアル地球との対応関係を分かりにくくしておるようじゃのう。まあ、世界観に関する新設定が明らかになるにつれ、自分の中の世界イメージが描き変わるのは現在進行形で未知の世界を探検しているようで、ワクワクするがな」

ホリー「へえ。世界はこうなっているんだあ、というのを感じて、既知の世界と未知の世界の間に橋渡しする発見の喜びという奴ですね」

 

GM「では、広い新世界の話はこれぐらいにしておいて、こちらは一都市という狭い世界ながら、まだまだ未探索な発見がある地下世界の話を続けるぞ」

G太郎「マーマンビショップのメリサンドさんでござるな」

デル「メリーさんの羊♪ みたいな名前だなぁ」

ホリー「きっと、人魚の女王に仕える執事みたいな人に違いない」

GM「では、宮廷執事のメリーさん曰く、『我らの仲間を2人も助けてくれたことを感謝します、烈火団の方々。つきましては、我らの女王「紺碧の水妃パランティーナ」が是非とも貴方がたに会いたいとおっしゃっておられます。ご案内しますので、ご同行を願います』とのことじゃ」

G太郎「ご同行とは言え、水中に潜るのは厳しかろう」

GM「メリサンドの話によると、湖底の宮殿は魔動機文明時代の魔法装置のおかげで、地上のように呼吸したり会話できるようになっているそうじゃ。さらに、そこに行き着くまでは水中呼吸可能なマジックアイテム〈うろこの仮面〉を貸してくれる」

デル「〈うろこの仮面〉? 確かオラが聞いたのは、〈うろこの覆面〉だったがぁ」

GM「うむ。元々は〈うろこの仮面〉という名前で、値段が4万ガメルもする高額商品だったのじゃが、その後、バランス調整のために同じ性能の〈うろこの覆面〉が購入価格1万ガメルで設定され直しておる。なお、2.5では未実装なレアアイテムじゃ」

ホリー「そんな高価なものをボクたちにプレゼントしてくれると?」

GM「あくまで貸すだけじゃ。宮殿に着いたら、すぐに回収される」

G太郎「すると、宮殿に入ったら、脱出困難ではござらんか……と思いつつ、人魚を信用しても良いのでござろうな。一度、宮殿に入ったら、海賊の流儀で我らは虜囚の身となり、身ぐるみ剥がされて売り飛ばされたりは?」

GM「そのようなアウトロー人魚は、少なくとも当シナリオにはおらん。海賊人魚というのは、海掠神エイリャークを崇めるマローラ部族であって、エイリャークは古代神ではなく、大神設定であるゆえ、大陸限定の神じゃ。アルフレイム大陸で主に信仰されておるので、この地ではよく知られていないということで」

ホリー「マローラ部族という設定が、当ブログのソード・ワールドでは定着しつつあるなあ」

GM「とは言え、魔神の襲撃で滅びた部族なのじゃがな。ともあれ、別大陸のヴァグランツの話は置いておき、お主たちは人魚の宮殿に招待されておる。誘いに乗れば、★1つを進呈するがどうする?」

G太郎「★をちらつかせられると、経験点が欲しい冒険者としては、応じずにはいられないでござる」

デル「どっちにしても、人魚から情報をもらいたいし、オラとしては〈うろこの仮面〉にワクワクしているので、喜んで装着するぞぉ。これで練技【スケイルレギンス】を発動すれば、完全水中戦対応型のアクア・デルニールにモードチェンジできるぜぇ」

G太郎「ご主人が乗り気なら、逆らわずに従うでござるよ」

ホリー「あのう、イノセント用の〈うろこの仮面〉は?」

GM「騎獣は彫像化させておくように」

ホリー「仕方ないなあ。だけど、もしもこの後、水中でバトルする機会があるなら、水中活動できる騎獣を見繕う必要が出て来るなあ」

GM「イルカを入手できる機会があればいいがのう🐬」

ホリー「人魚と仲良くなれば、イルカを貸してくれて、トロピカルごっこもできそうだなあ。よし、トロピカル精神に乗っ取るなら、人魚と仲良くなるのは正義と見た。イルカのために、人魚と仲良くしよう」

GM「全員の同意が得られたようなので、紺碧の宮殿にご招待じゃ。湖の深さは10メートルほどで、透明度が高いので、光り輝く湖底まで見通せる。そこには青い宝石のようなドーム屋根を持つ大きな宮殿があり、周囲にいくつもの建物が集まっていて、ちょっとした水中街を形成している」

G太郎「おお、いかにもファンタジーって感じでござるな」

ホリー「このミストグレイヴに来てから、初めて美しい景観を見た気がする」

GM「一応、【煌びやか通路】も美しいんじゃがのう」

ホリー「あそこはキラキラじゃなくて、ドギツいギラギラって感じだからなあ。ガメル硬貨は銀貨って設定だから、キンキラキンじゃなくてギンギラギンなんだろうけど、黄金魔人じゃなくてギンヒーローなんだろうけど、それでもボクはイルカのいる人魚の街を愛するってことで」

GM「にわかにイルカ推しじゃが、それがトロピカルな時流じゃからのう。ともかく、美しい宮殿に案内されて、やがて女王パランティーナとの謁見式と、歓迎の宴が催される。なお、パランティーナは外見年齢17歳の萌えキャラで、一見、儚げな美少女に見える。ただ、ラクシアのマーマンは人族のエルフと近い種族らしくて、同じくらい長命じゃ」

デル「すると、外見年齢17歳で、実年齢170歳ということもあり得るんだなぁ」

GM「10倍までは行かんかのう。エルフの寿命も、ラクシアでは5倍ということなので、人魚の場合は3〜5倍といったところで、パランティーナの実年齢は50歳程度としておこう。ちょうど50周年が旬じゃからの」

 

水妃の話

 

GM「パランティーナは烈火団の噂を、野蛮なバルバロスの文化に光を当てようとしていると高く評価し、仲間を助けてくれたことから、盟友関係を結びたいと言ってくれる。そして、奴隷人魚の解放で「水妃の好感度」がまず3点アップ。さらに、もう一人加わったことで、2点アップの合計ポイント5点じゃ」

G太郎「はあ、なるほど。驕王ポイント4点だったのが、水妃ポイント5点であっという間に抜いたでござるな」

GM「さらにパランティーナは友好の証として、〈水妃の髪飾り〉をくれる。これがあれば、いつでも湖の畔でマーマンの案内のもと、この宮殿で女王との対面を取り計らってもらえるという話じゃ。そういうことで、お主たちはパランティーナの信頼を勝ち得て、★1個をゲット。さらに解放人魚が1人加わったことで、自動的にクエスト達成ということになり、★1個が追加される。つまり、女王との対面で★2個を進呈じゃ」

デル「経験点をいっぱいくれる良い女王様だなぁ。ところで、いつもの情報3点セットを質問するけどぉ?」

GM「まず、ユリア・ミルドリスについてじゃが、同じ名前のドレイクがここに来たこともあり、【物乞い市場】のソニア・ゾラの友人という話だから、詳しい話はソニアに聞け、ということらしい」

G太郎「まあ、そうでござろうな。防空施設については?」

GM「そういうことに詳しそうなのは、隠者ヴァラルトだろう、と。それ以外では、深層階にある【月の図書館】が知識の宝庫なので、そちらを調べることも勧めてくれる」

ホリー「さすがに見識豊かだなあ。女王の名前は伊達じゃないってところか。だったら、略奪品の話も詳しいんだろうなあ」

パランティーナ『人聞きの悪いことを言わないで下さい。私たちが扱っているのは、海賊の略奪品に限らず、海からミストグレイヴの地に持ち込まれる品のほとんどをまともな商業として仲介しているのです。煌びやか卿は良い取り引き相手ですが、彼の行う奴隷取り引きについては反対ですし、お金が全てという彼の貪欲さに対しては、あまり良く思っておりません。私どもの商業活動は、水の流れるように皆が潤って幸せになれるような流通が理想ですので、人を不幸にしたり、流れを堰き止めるようなやり方は好ましくないのです』

G太郎「なるほど。みんなの笑顔のための商業でござるか。別に海賊行為に加担しているわけではない、と」

パランティーナ『同じ水の民であるリザードマンやギルマンが海賊行為を働きがちなことは知っています。しかし、彼らの全てが海賊を生業としているわけではありませんし、彼らが持ち込む品物が略奪品なのかどうか、私たちが知る方法はございません。いちいち海賊行為で手に入れた物だから取り引きに応じないなどと訴えたら、流れを止めてしまいますからね。奴隷取り引きだけは明らかに間違えているから応じませんが、それ以外の品物には罪がないと考えています』

G太郎「では、〈破剣の星槌〉についてはご存知か?」

パランティーナ『品物の名前は存じておりませんが、その手の戦槌なら、深層階のダークドワーフさんが興味を持って買いつけに来たことがありますね』

G太郎「深層階? 上層階ではなく?」

パランティーナ『上層階の【無限の金床】もダークドワーフさんはいるようですが、そちらの取り引き相手は【コボルド窟】ですので、ここに来ることはめったにありません。私たちが取り引きしているダークドワーフは全て深層階から来た方々。ただ、深層階がどういう構造になっているかは、私も分かっていないので、どこへ行けばいいのか具体的には教えられないのですが』

G太郎「かたじけない。結局、深層階に行かねばならないことが確認できただけでも重宝。ところで、ギルマンに公子様が拉致された件を聞いたのでござるが」

パランティーナ『兄の件で、いろいろな方にご迷惑をおかけしているようで、申し訳ありません。その件は、ギルマン王に秘宝〈人魚姫の髪飾り〉を渡すことで、兄を返していただきました。大切な宝なのですが、兄の命には代えられませんので』

デル「それは〈水妃の髪飾り〉とは違うのかぁ?」

パランティーナ『別物ですね。私があなた方に差し上げたのは、マジックアイテムではなくて、ただの身分証明書のようなもの。一方の〈人魚姫の髪飾り〉は、私たち人魚が人間のように足を生やして地上で活動するために必要な魔法の品です。古代魔法時代の遺産ですので、今では同じものを作ることは困難です。できれば取り返したいところですが、今の私には交渉できる材料がありませんし』

G太郎「ギルマン王との交渉材料でござるか。そう言えば、以前に〈ギルマン王の冠の破片I〉なるアイテムを拾ったことがあって、これなどはいかがであろうか?」

パランティーナ『そのような物を入手済みとは、さすがは烈火団、聞きしに勝る手際の良さですね。それでは、その品を交渉材料にギルマン王から〈人魚姫の髪飾り〉を取り戻していただけないでしょうか?』

G太郎「それはミッションでござるか?」

パランティーナ『ええ。兄の身柄と引き換えに手放した品を、今さら返せと言うのも、マーマン族の名誉に関わる問題。しかし、あなた方が親切心で交渉して下さるのであれば、その恩義に報いる形で私たちの名誉が保てるというもの』

デル「そんな面倒なことをしなくても、ギルマンに直接、言った方がいいと思うけどなぁ」

パランティーナ『兄もそう言って、自ら交渉に出向いて、囚われの身となったのです。直接の会話が通じるのは、相手との仲が良好で気心が知れている場合と、自分の力に自信がある場合、そして双方がWinWinになる交渉材料が明確な場合などです。我らとギルマンは利害がはっきり対立し、向こうは傲慢で武力に訴えることを辞さない上、仲裁を依頼した煌びやか卿も信じるに値しないとなれば、下手な動き方をすると種族間の戦争が勃発しかねません。他に手がなければ、種族の誇りを守るために戦争もやむを得ないという覚悟はありますが、我らがギルマンの短絡的な挑発に乗せられることこそ悪手だと考えます』

ホリー「つまり、ボクたちに和平工作の仕事をしろ、と?」

デル「そんな大役をオラたちに任せて大丈夫なのかぁ?」

G太郎「いや、大役だからこそ、我ら烈火団の出番でござろう。ここで臆すると、烈火団も所詮はそこまでの器だったということ。誰もが臆する仕事を成し遂げてこそ、烈火団の未来も輝けるってことで」

デル「さすがは師匠。そこまで自信を持って断言できるところに痺れる憧れるぅ」

G太郎「なお、これは口に出さない本音でござるが、大役だからこそ、失敗した時にトカゲの尻尾切りができる外部の組織に仕事を委託するのは、政治的な陰謀劇ではよくある話。成功すれば相手の組織規模に応じた報酬を与え、失敗すれば相手の組織など知らぬ存ぜぬを言い張り、自分の国には傷を付けぬように立ち振る舞う。もっとも、この場合、成功した時の報酬が十分でなければ、後から余計な禍根を招きかねんのが問題かと」

GM「まあ、パランティーナがどこまで腹黒いかは何とも言えんが、人魚と魚人の対立劇は、このミストグレイヴのシナリオの大きなエピソードの一つとなっておる。攻略には、ある程度の時間を要するものと思っておいた方がいい」

G太郎「ところで、ギルマン王との面会には、〈ストロベリーオイスター〉12個を地下水路で探さないといけないようでござるが、何とかできないでござろうか?」

GM「そうじゃのう。方法その1.地下水路を探索するのに便利な〈魔動カヌー〉を、水妃ポイント3点と交換に提供してもらえる。このカヌーは、通常だと1マスずつの水路移動を2マスずつ動けるようにできるのじゃ」

ホリー「そいつは便利だ。水路探索がはかどるな」

G太郎「そうか。水妃ポイントは貯めるものではなくて、消費するものでござるな。他に、どのように使えるでござるか?」

GM「大きいのは、5ポイントで〈紺碧の三又矛〉という儀礼用の武器を手に入れ、『水妃のお気に入り』の称号を得ることができる。その上で、20ポイントを消費すれば、《紺碧の門》を抜けて、ミストグレイヴの地底湖から地上のシェス湖に脱出できるようになる」

G太郎「つまり、人魚ルートで脱出するためには、水妃ポイントを最低25点貯めなければいけないのでござるか」

GM「なお、〈ストロベリーオイスター〉を簡単に入手できる方法2として、地下水路を根城にしているリザードマンから購入することもできる、とパランティーナは教えてくれる。さらに、クエストとして、人魚の奴隷を見つけることと、地下水路で〈虹色の宝石〉を集めることを依頼されて、その都度、水妃ポイントを稼ぐことができるようになっている」

G太郎「ずいぶんと、いろいろと要求してくるパトロンでござるなあ。人魚関連のイベントに専念しているだけでも、結構、いろいろ稼げると見た」

GM「マーマン、リザードマン、ギルマンの水棲種族関連のイベントは、ミストグレイヴの大きなエピソードとなっているが、実のところ、それだけを果たして行っても、冒険の目標は達成できないので、深層階に降りるまでのレベル稼ぎに利用するといい」

ホリー「深層階に降りるための適正レベルってどれだけですか?」

GM「それはまだ秘密じゃが、上層階で請け負えるミッションの最大推奨レベルは6と言っておこう。それぐらいになった後であれば、深層階でも十分通用すると推測していい」

デル「師匠は十分だが、オラとホリー姐さんはさっさとレベル6になれってことだなぁ」

ホリー「ゴブリン王のところに報告に行けば、レベル5にはなれる。それから、レベル6まで頑張ったら深層階ってことかなあ」

G太郎「まあ、ご主人や嬢ちゃんがレベル5になれば、パーティー平均レベルは6に達するので、その時点で深層階に挑戦してもいいのでござるがな」

GM「ということで、今回はこの辺で当記事 完としよう。結構いろいろな情報が出たので、整理する必要もあろう」

G太郎「ところで宿泊はただでできるのであろうか?」

GM「ムムッ。それなんじゃがのう。パランティーナの好意により、宿泊代そのものは無料なんじゃが、宿泊施設を地上の者が呼吸可能にするために、魔晶石から2点分のMPを消費してもらうようになっておる。実質的に1tbにつき200ガメル分の魔晶石代を負担してもらわねばのう」

G太郎「結局、ただで寝泊まりできるのは、本部か解放軍かムルカグンドリのところだけでござるなあ」

GM「ムルカグンドリのところでは食事は出ないがのう」

G太郎「仕方ない。呼吸できる空気を買うために、200ガメル払って宿に泊まるでござるよ」

ホリー「こんなことなら、本部で1tb寝てから、ここに来れば良かったなあ」

GM「十分な金を持っておろうに、ケチ臭いことを言っているでないわ」

●ここまでの冒険成果

 

日数経過:24日めの朝(人魚の宮殿)

 

経験点:防空施設の暗号入手★3個

    バリンガー撃退★1個

    トロール兄弟の行方判明★1個

    トロール兄弟の撃退★1個

    シェラシースの謎3を聞く★2個

    人魚奴隷の救出★1個

    人魚の宮殿に招待される★1個

    水妃の信頼を勝ち得る★1個

    人魚奴隷解放エスト★1個

    (合計★12個)

    魔物撃退分420点

    ピンゾロ分(G太郎1回)

収支結果:戦利品8460ガメル分、黒鉄勲章7個

     400ガメル、剣のかけら12個

     〈水妃の髪飾り〉入手

     食料消費

     (G太郎とホリー2食、デル1食)

     人魚奴隷購入に2500ガメル支払う

     腕輪代2000ガメル分(デルとホリー)

     タクシー代600ガメル分

     宿の空気代200ガメル分

ミッション:驕王の敵トロール兄弟を倒せ→任務達成、未報告

    迷路の隠者:上層階の地図を完成させろ

エスト:ジーズドルフ解放軍の同志を集める

     (現在13人)

     深層階で【月の図書館】を探す

     地下世界から外への脱出方法を探す

     魔窟50階を踏破(店舗経営の許可)

     驕王ポイント31点を目指す(現在4点)

     人魚奴隷の救出

     虹色の宝石の確保

     (現在水妃ポイント5点)

 

情報

・煌びやか卿アー・ヌルチェと商業同盟を樹立

・〈銀の蜜蜂〉からティアハートの花ミッションを受注できる。

・防空施設の魔力供給源は深層階の【翡翠のピラミッド】である。

・防空施設の暗号入手。

・【死者の道】に〈真紅のマギスフィア〉があるらしい。

 ・略奪品は【地底湖の畔】のマーマンが詳しい→情報入手、深層階のダークドワーフへ。

・【地底湖の畔】のマーマンは地上への抜け道にも詳しい→情報入手、水妃ポイント25点が必要。

・地下水路のリザードマンの集落の位置情報。

・ギルマン王ブグプリとの面会には、地下水路で手に入る〈ストロベリーオイスター〉が12個必要。リザードマンからの購入も可。

・〈ギルマン王の冠のかけらI〉入手。

・【コボルド窟】のオードル・プルは地上に伝手がある。

・【戦神の凱旋門】の魔窟総監ギルギダッシュと知り合う→魔窟ミッション攻略途中

・四祖の1人シェラシースは魔剣である。

・地下水路から地上への脱出には、〈銀水晶のサークレット〉が必要。

・漆黒のマギスフィアは、深層階の黒い球体に入る鍵。別に合言葉が必要。

琥珀のマギスフィアは、深層階に降りるのに必要。

・深層階へ行くには白銀勲章が必要。

 

密偵の知り合い

・アム・ヤーセン(ドワーフ娘→ラミア)

 キーワード「月の図書館」「隠者ヴァラルト」「黒炎の工房」「巨大格納庫」「漆黒のスフィア」

イゴール・ぺステリ(エルフ男→トロール

 キーワード「ユリア・ミルドリス」「エーリカ・ベレ」「ノイア・カーナ」「琥珀のマギスフィア」「白銀勲章」

・ニコ・シュナウヘア(ナイトメア→オーガ)

 キーワード「防空施設」「シェラシース」「ヤーハッカゼッシュ」「地底に眠るもの」

・オスカル・バロー(シャドウ→バジリスク

 キーワード「白銀以上の勲章コレクター」

・シル・メリル(人間女→バルカン)

 キーワード「レジスタンスを探す裏切り者」

 

冒険達成度:パランティーナの信頼を得た+1%

       合計10%

(当記事 完)