花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女主役の物語」&「その仲間たちの雑談話」など。TRPG話や特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。

ゴブリンスレイヤー14巻の話(その2)

新刊読了

 

ヒノキ「ゴブスレ14巻じゃが、今回は序盤を除けば、それほど面白くはなかった……というか、まあ普通の冒険物語じゃったな」

ゲンブ「ゴブスレで普通の冒険物語? しかし、ゴブリンは出たのでござろう?」

ヒノキ「まあ、それはいつもの通りじゃが、北方のバイキングの地でゴブリンが出たので退治しただけの話で、それ以外に特筆するところがあまりない巻というか、消化試合的で、ここが笑えたというか、感じ入るところが特にない。あえて言うなら、バイキングという異文化の言語が『東北弁に標準語のルビ』が付いていて、書く方は苦労したのじゃろうが、読む方も読みにくい。おまけに北の蛮族というキャラのイメージが、東北訛りのイメージで台無しというか、アイデアとしては面白いのが、実際に作品として読むと、いまいちじゃったと言うか」

ゲンブ「しかし、内容はどうでござったか?」

ヒノキ「ゴブスレらしい機転の利きすぎた暴走が見られず、ごくごく無難な冒険譚で終わって物足りないというか、変わった舞台で、いつものゴブリン退治をしました。めでたしめでたしって感じで、舞台設定と方言遊びだけに気が行って、いつもの切れのあるパロディは序盤の霧降り山脈以上のものがなかったと思う。ある意味、『ゴブリンスレイヤーさんが真っ当な冒険者になって、割と普通に冒険したら、それほど面白くなかった』ってことが分かったというか、まあ、女神官さんと北の嗜虐神官の奥方のボードゲーム対決が一番の盛り上がりどころと言えようか」

ゲンブ「冒険ではなく、遊びの部分でござるか」

ヒノキ「今回は、北方の蛮族社会に、新しく冒険者ギルドの支部を置くための異文化交流譚という名目があって、その過程で蛮族と共闘してのゴブリン退治になるのじゃが、クライマックスで巨大な海のモンスターが登場して、ゴブリンとの戦いの最中に強敵を撃破することで冒険者の心意気を示すという展開」

ゲンブ「砂漠でドラゴンと戦ったことを考えると、まあ、普通でござるな」

ヒノキ「映像にすると大した迫力があると思うが、ゴブスレたちの一党の活躍よりも、北の蛮族の海賊文化を描く方に筆を費したために、主人公たちのアクの強さが目立たなくなったというか、だからと言って、北の海賊は割とステロタイプな描写で、方言を除けばごく普通で新鮮味がない。いつものゴブスレの面白さがあまり感じられなかった次第」

ゲンブ「まあ、アニメ2期とか、TRPGサプリメントとかで作者も忙しく、今回はアイデアにキレがないということでござるか?」

ヒノキ「いずれにせよ、冒険の舞台が広がったことで、TRPGの世界観を考える上では良いのかもしれんがのう。嗜虐神という新しい神も登場して、悪役の神かと思いきや北方の文化では、自らの身を犠牲にすることで仲間を助ける力を得るように描写され、文化が変われば、善悪の基準も変わるという事例になったわけじゃし」

ゲンブ「なるほど。蛮族の地下都市での冒険をしている我らにとっては、物語そのものよりも背景世界の想像を広げるという意味では、重要な話にもなっている、と」

ヒノキ「今回は、ゴブスレというキャラ小説というよりも、四方世界の広がりを味わう話と考えれば、また違った読み方ができるかもしれんのう」 

(当記事 完)