花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女主役の物語」&「その仲間たちの雑談話」など。TRPG話や特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。

魔神ハンター、第3部準備編(SWミストグレイヴ3ー0)

第3部ようやく再開のお知らせ

 

ヒノキ「魔神ハンター・烈火団ファンの読者のみなさん、お待たせしたのう。いよいよ、期待の第3部を開始する時が来たのじゃ」

ゲンブ「第2部開始と同じようなあいさつでござるな」

ヒノキ「第2部は1月に始めて、3月頭に終わった。そこから大体、2ヶ月ぶりと言ったところか」

シロ「本当は4月に第3部を始めるつもりでしたが、作者の新星さまが妖精郷での翔花救出を優先したので、GW明けて翌週の今になってしまったのですね」

リトル「それで今回は、第2部の総集編的なおさらい回なんですねぇ」

ヒノキ「うむ。第2部の準備編の時と同様、いろいろウォーミングアップなスペシャル回ということじゃ」

ゲンブ「では、改めて振り返り編からスタートでござる」

 

 これまでの魔神ハンターは

 

ヒノキ「第0部と第1部の概要は、先ほどの第2部準備編で振り返ったが、今一度、簡単にまとめると、蛮族の姿に身をやつしての潜入工作員2人と一人のお笑い魔神の出会いを描いたのが第0部。そして最初の拠点として、蛮族地下都市のレジスタンス組織〈ジーズドルフ解放軍〉との交流中心なのが第1部と言ったところか」

ゲンブ「第2部になると、別の組織〈銀の蜜蜂〉にスポットが当たるでござるな」

ヒノキ「ミッションを順に追っていくと、まずは『呪われた神殿でライフォス神像を手に入れよ』の依頼を引き受け、同時にクエストとして『解放軍から蜜蜂への親書配達』の物語が展開する」

シロ「好戦的な革命集団になりそうな解放軍と、より穏健な情報重視の蜜蜂という二つの組織の間で、折衝活動をしたわけですね」

ゲンブ「解放軍は、過激な尊王攘蛮的な思想でござったな。この場合の王とは、人族の神々の王ライフォスであって、ライフォスは調和と友愛を旨とする神であるが、蛮族の方が自由と闘争を旨とする文化を持っているため、レジスタンスは人族の自衛と、できるなら独立を勝ち取ることを目指している」

リトル「だけど、強大な蛮族に対して過激な抵抗活動は難しいですぅ」

ヒノキ「ところが、強大な蛮族と一口に言うが、よくよく見てみると、実は一枚岩ではなく、様々な勢力の思惑が入り乱れる群雄割拠な勢力図が判明したのじゃ」

ゲンブ「オーガの煌びやか卿アー・ヌルチェは、人族文化の貨幣というものに興味を示し、略奪上等の蛮族社会に貨幣経済と商業活動の光を当てようと頑張っている御仁でござる」

シロ「ただの金の亡者にも見えるがな」

ヒノキ「商業と言えば、蜜蜂の拠点も下層階級の【物乞い市場】じゃし、さらに【コボルド窟】も食料を中心とした商業活動を展開しておった」

ゲンブ「蛮族は人族の敵。それがソード・ワールドの基本設定でござるが、個々人を見ると、全ての蛮族が悪党とは限らぬ。まあ、弱肉強食を旨とするのが蛮族であるゆえ、平和を重んじる傾向の強い人族とはぶつかることも頻繁で、人族社会から見れば野蛮な侵略者連中であることは間違いないのでござるが……」

ヒノキ「郷に入らば郷に従え。蛮族社会では弱い者が奴隷にされ、それでも有能な仕事ぶりを示せば、強者の庇護を得られるという独自の社会構造を示している。戦わなければ生き残れない。自由が欲しければ、己を鍛えて、その手で欲しいものをつかみ取れ……というのが蛮族の流儀なのじゃ」

リトル「ある意味、海賊とかアウトローな感覚ですねぇ」

ヒノキ「ソード・ワールドの一般的なプレイでは、平和な人族の都市を拠点に、その平和を守るための冒険、あるいは人助け、あるいはお宝探しのためのダンジョン探検、そして未開の地への探索行など、様々な冒険物語が展開可能。ただし、力づくで既存の秩序に挑戦するようなプレイは推奨されてはおらん」

ゲンブ「冒険者が力を付けて、領主を打ち倒して、自らが国家を築く……というプレイは一般ではない、と」

ヒノキ「仮に領主を目指すにしても、冒険者として名を挙げて、名誉点を稼いで、既存の権力者から爵位を購入するなどして、自ら秩序の担い手として社会の頂点に入り込む形になる」

シロ「悪徳領主を討ち滅ぼして、自分が代わりに支配者として君臨して、善政を敷くような物語は?」

ヒノキ「その悪徳領主に相当するのが、人族ではなくて蛮王という形じゃのう。ソード・ワールドの世界では、人族同士の戦争は一部の地域を除いてメインではなく、せいぜいが陰謀を目論んで自国の領土や政治的影響力を増やそうとするぐらい。戦争の相手はもっぱら蛮族という形の世界観じゃ」

ゲンブ「人間同士の戦争を背景に持つロードス島とはまた異なる世界観でござるな」

ヒノキ「ロードスは、光と闇の神々の大戦に端を発する、暗黒の国の侵攻を迎え撃つ物語としてスタートしたからのう。その後、魔神との戦いや、グランクレストの戦争観を経ての『覇道と王道の対立』というテーマに広がっているのが現状じゃが」

シロ「ソード・ワールドでは、戦争がメインテーマではない、と?」

ヒノキ「大規模戦闘ルールが設けられていないのと、冒険者ギルドという社会システムを破壊してしまってはゲーム的な公式世界設定として破綻してしまうからのう。もちろん、ラクシアの世界は多様であるから、中には冒険者ギルドとは違う冒険仕事の受注システムを備えた地域、小世界も存在する」

ゲンブ「それが霧の街と地下の蛮族世界、また閉ざされた異世界である妖精郷などでござるな」

ヒノキ「うむ。それらのシナリオ背景世界は、通常一般的なソード・ワールドの世界と違って、弱肉強食の蛮族ルールや、貨幣経済のあまり発展していない非リアルなおとぎ話ワールドで構築されておる。大きな世界の中の限定された小世界であるゆえ、その中でプレイヤーキャラクターがどれだけ暴れても、ソード・ワールドの一般世界を脅かすことはあまりない」

シロ「隔離された独立世界であるため、その中では自由に好き勝手できるということですね」

ヒノキ「もちろん、世界の管理者の目に余るような振る舞いをすれば、叩き潰される可能性もあるがのう」

ゲンブ「霧の街では翠将ヤーハッカゼッシュ。妖精郷では?」

ヒノキ「妖精郷は管理者不在ゆえに権力構造が見えにくくなっておるが、権力者に近いのは大妖精たちで、目的は世界の崩壊を防ぐこと。まあ、それは実のところ、ヤーハッカゼッシュも世界の崩壊を防ぐために密かに動いていて、必ずしも純粋な悪役とは言い難いところもあるのじゃが」

ゲンブ「ヤーハッカゼッシュは世界の守護者でござるか?」

ヒノキ「ミストキャッスルでは、そこまで描かれておらず、単に蛮都の王でしかなく、彼を倒せば霧の街の人族は解放されて、めでたしめでたし、という最終エンディングじゃが、ミストグレイヴではヤーハッカゼッシュの隠された真意が示されている。霧の街の地下に眠る神レベルの巨悪の封印を監視するのが、ヤーハッカゼッシュの使命であり、『何だか面倒なことになっちまったが、オレサマの支配する街を守るためには仕方ないからな。オレサマがやらねば誰がやるってなもんだ。だけど、オレサマの苦労を肩代わりしてくれる奴らが現れてくれたら、助かるんだがな』ぐらいのことを考えているのが現状じゃ」

ゲンブ「つまり、ヤーハッカゼッシュを倒すと?」

ヒノキ「世界滅亡の危機が訪れるので、プレイヤーキャラが責任を持って、神パワーを行使して、封印された巨悪との戦いに赴かないといけない。まあ、ラスボスを倒すと、真の敵が出現するので、そいつを倒すために終わりなき神レベルの戦いに突入、完……と言ったところかのう」

シロ「って、アリナ様。そこまでネタバレしてもよろしいのですか? 話が終わってしまいましたけど?」

ヒノキ「いや、まあ、そこにたどり着くまでに相当数の冒険を重ねる必要があるからのう。もしかすると、そこまでプレイする気力が保たんかもしれんし、物語は結末も大事だが、過程を味わい、楽しむことはもっと大事ということで、今度、ヤーハッカゼッシュに会うことがあれば、彼の秘めたる内面の苦労を味わって欲しいということじゃよ」

リトル「って、ヤーハッカゼッシュに会ったりするんですかぁ?」

ヒノキ「第3部で、道を歩いているヤーハッカゼッシュにランダムでひょっこり出会う可能性は高い」

ゲンブ「『やあ、ぼくの名前はヤーハッカゼッシュ。世間ではぼくのことを悪の親玉みたいに噂しているようだけど、この世界をぼくが守っていることも知ってもらいたいな。君も力があるなら、ヤーハッカゼッシュ親衛隊に入って、いっしょに世界を守る仕事をしないかい? 腕に覚えのある野心家は大歓迎さ。さあ、ぼくに従いたまえ』って感じでござるか?」

ヒノキ「そんな、さわやか君なキャラではないはずじゃが、まあいい。とにかく、第2部では蛮族の中から見た蛮族世界の様子が浮き彫りにされたと言ってもいい。人族から見れば、自分たちを奴隷にしたり食料にしたりする邪悪な連中に見えるが、蛮族に身をやつして見れば、違う世界が見えてくるという趣向じゃな」

シロ「視点が変われば、同じものを見ても違うように受け取られるということですね」

ヒノキ「物語を味わうというのは、そういう物の考え方もできるようになるということじゃろう。価値観の違い、多様性というものを認めた上で、自分の生き方、考え方を膨らませるとともに、その中で改めて自分の道を選択するというか。広く物を見据えた上でこれしかないと選び取るのと、物を知らぬがままに選択の余地がないのとでは、人としての幅が異なっても来よう」

ゲンブ「それほど堅苦しく考えなくとも、自分と違った物の考え方に接するのは、刺激的でワクワクするものでござる」

リトル「それがあまりにも浅薄で、つまらないものでない限りですけどねぇ。等身大の物語は感情移入しやすくていいという意見もありますが、そこから広がる要素を持たずに、作者の中で広がりや深さを求めて行かなければ、読んでて魅力のないものにしかならないですぅ」

ゲンブ「冒険も同じでござるな。広がる世界の開拓や、深淵のダンジョンの中で得られるスリルやお宝の魅力。広げたからこそ、掘り進めたからこそ見えてくるセンス・オブ・ワンダーが感じられてこそ、人は冒険の物語を求めると言えよう」

 

ヒノキ「そして、根無し草の冒険者が、自分の居場所を構築するビルドゥングスロマンというのも TRPGの魅力と言ってもいい。魔神ハンターの第2部はそういう方向性も示したはずじゃ」

ゲンブ「呪われた神殿を解放し、烈火団の拠点に定めたことでござるな」

ヒノキ「うむ。第2部の物語を一言でまとめると、『拠点構築』ということになる」

 

経済視点の物語

 

シロ「第2部のセカンドミッションは『葡萄酒購入』でしたね」

ゲンブ 「そこから北の魔窟とか、ゴブリン王との出会いなどに物語が発展したでござる」

ヒノキ「魔窟やゴブリン王関連のイベントは、第3部でも引き続きスポットが当たることになるじゃろうが、南の煌びやか卿が比較的、知謀派なのに対し、北は武闘派な蛮族が支配しているようじゃ」

ゲンブ「知謀派には言葉を、武闘派には拳を示すのが、最も良い交渉術でござるからな」

リトル「どちらも持ち合わせているG太郎師匠は凄いですねぇ」

ゲンブ「霧の街を独りで生き残るには、どちらも必要でござったからな。そして、尊王攘蛮の過激思想から時代の改革者になるには、何よりも経済、交易で人と物をつなぐ構想こそが求められている。それこそが第2部で浮かび上がった物語でござる」

ヒノキ「突然、大経済圏構想なんて言い出したときは、何を言い出すのやら、と思ったぞ」

ゲンブ「いや、コロナ禍で分断された世界というリアルな世相と、ミストグレイヴのパラグラフで分断されたゲームシステムが被っているように感じてな」

シロ「だけど、その分断された物語の欠片を、プレイヤーキャラクターが道をつないで、一つの物語に構築していくのが面白いんじゃないか」

ゲンブ「そう。ランダムに地図のあちこちが埋まっていき、その中で浮かび上がって来たもの、それが武力でなく経済でつなげるという話でござる。第2部のタイミング的には、『ログホライズン』『青天を衝け』が開始される頃合いだったし、烈火団のネーミング元ネタの一つである鉄華団、すなわち『鉄血のオルフェンズ』も少年ヤクザの企業経営という方向性を示した珍しいガンダムでござった。本作でも、煌びやか卿というキャラに刺激されて、彼と対等の立ち位置で折衝しようとするならば、経済企業構想というものが必要になるだろうと感じたわけで」

ヒノキ「マッスル太郎の元ネタは、仮面ライダーゼロワンの腹筋崩壊太郎にあり。ゼロワンは、お笑い芸人社長の物語であったから、お笑い芸人キャラを突き詰めた先に社長という方向性があったのかもしれんのう」

リトル「なるほどぉ。ゼロワンが元ネタだったら、会社経営を意図するのも納得ですぅ」

ヒノキ「まあ、ゼロワンは肩書きが社長なだけで、社長らしいことはあまりしていなかったがのう」

シロ「だけど、バトル物語の社長キャラって、戦うことが仕事なんじゃないですか?」

ヒノキ「もちろん、我が社の金庫を守るために戦うのは社長の務めじゃろうが、それ以外でも、業種によっては、社長としての特技を示さねばならぬじゃろう」

シロ「社長としての特技?」

ヒノキ「アイアンマン社長の場合は、天才的発明家という才能がある。社長が最新型の機械を設計・発明し、副社長が経営などの事務サポートに徹するのは、機械系の工場企業ではよくあること。しかし、飛電の創業者はともかく、或人社長には発明の才はなく、彼の社長としての魅力はどこにあったのか、今でも謎じゃ」

リトル「ヒューマギアの心をつかむのが上手いとかですかねぇ?」

ゲンブ「まあ、純粋に盲目的に、ヒューマギアを信じ抜くというのは一種の才能ではござるなあ。当初、『ヒューマギアに人間の笑いは理解できない』と発言していたのは何だったのか、と言わざるを得ないが」

ヒノキ「ゼロワンは、コロナ禍に関係なく、脚本家のドラマ作りの方向性があれこれブレまくった作品ゆえ、完成度は必ずしも高くないが、ヒューマギアの持つ夢というテーマではブレなかったので、ブレた部分も或人の考え方の変化、深化と受け止めれば、最終的には上手くまとまったと言えるかのう。ストーリー的な整合性よりも、キャラの魅力と、付け焼き刃ながらもアイデアの数々が面白くて光った作品という評価じゃ。論理よりも、直観を現実に重ねて積み上げた作品と言ってもいい」

リトル「直観を現実に重ねるってのは、どういうことですかぁ?」

ヒノキ「直観は、『こうなったら面白い』ってひらめきに通じるが、それだけじゃリアルから浮いてしまう。思いついたけれど、口に出してしまえばつまらないとか、作業の段階で上手く構築できないからボツということも数多い。思いつきを形にして面白い作品に落とし込むには、それだけで試行錯誤の過程が伴い、アイデアしか重視しない人間は、他人のアイデアを形にするまでの面倒な過程を評価しない、できないのじゃ」

シロ「ああ、口先だけの評論家にありがちですね」

ヒノキ「有能な評論家は、そのアイデアを実現するための過程までが考えられるから、そこを説明できるのじゃよ。だから、その評論を聞くと、そのアイデアの凄さが納得できる。あるいは、『アイデアはいいけど形にするのに失敗している』というのも、根拠ありで説明できるわけじゃ。

「ゼロワンの場合は、ヒューマギア凄い、というのが根幹的なストーリーテーマであり、同時に、その欠点を描くのも目的。そこで、或人は当初、ヒューマギアへの不信を示しながらも、イズに支えられ、衛星ゼアに洗脳された故か、あっという間にヒューマギアの宣教師に転身した。そこで、自分のお笑い芸もヒューマギアに支えられることで開花して、人とヒューマギアの理想の関係を体現するキャラに変わったわけじゃ。そういう過程はしっかり見せてくれた。そう、ヒューマギアの凄さを示すのに『ヒューマギアなんて大したことない』と言っていた人間が、パッと路線変更するという点で、或人は主体性のあまりない人間としての役割を果たしたということじゃ」

ゲンブ「主体性のない男が主人公で、物語は成立するのでござるか?」

ヒノキ「主体性を持った主人公としては、不破と滅がそれぞれ役割を果たしていたし、或人は自分自身の主体性ドラマよりも、周囲のヒューマギアをヨイショすることで、自分よりもAIの意思を代弁するスポークスマンという立ち位置で、子ども、未来、笑顔、夢を体現したキャラ。ある意味、子どもが感情移入できる等身大主人公ということで、大人視点では未熟さ、主体性のなさが目立ってもやむを得ないと言ったところか」

ゲンブ「確かに、我らは大人であるがゆえ、大人が見て格好いいキャラを求めがちでござるし、主人公なのに主体性がなく、状況に流されるだけ、物語を引っ張る強い意志を見せてくれないと、あまり魅力を感じぬものでござるか」

ヒノキ「子ども代表として、リトルはゼロワンの或人をどう思った?」

リトル「え、そりゃあ、『或人でないと〜』の定番ギャグが面白かったですし、派手なパフォーマンスや顔芸で賑やか、楽しいキャラとして見ていましたねぇ。それだけに終盤で、イズがいなくなって闇堕ちしたら、ショックだったとか、でも、最後はハッピーで終わって良かったですぅ」

ヒノキ「まあ、或人は子どもの感性を持った大人という意味では、この映画を連想したりもするのう」 

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ヒノキ「ともあれ、或人の才能は、ヒューマギアの父親に助けられ、自らも自社製品のヒューマギアを子どものように導き、ヒューマギアと家族のように関わり合えるコミュニケーション能力に集約されたと言っていい。少しヒューマギアに偏り過ぎた嫌いもあるが、その辺は劇場版などで、人間との関わりを描くことでバランスを取っていると言えるか。まあ、道を踏み外した或人のアンチテーゼを示すことで、改めて或人の中の光がイズにあったとも受け取れる。或人に感情移入すればするほどイズに萌えるという、ヒューマギア推しを突き詰めた作品じゃのう」

ゲンブ「だけど、今回の記事テーマは、或人じゃないと〜。すぐに話を元の軌道に戻すことを提案するでござる」

ヒノキ「経済経営の話は、ゼロワンがほぼ参考にならんのは事実じゃが、大河ドラマでメテオやビルドがこれから描いてくれることを期待して、話のネタとして上手く絡めていければいいと思う」

 

本部設立とこれからの物語

 

ゲンブ「第2部の最終ミッションは、『経済と探索の拠点となる本部設立の許可を、煌びやか卿を始めとする周辺諸勢力に認可してもらう』交渉ミッションでござった」

ヒノキ「本部設立と交易路の開拓によって、その路上ではランダムイベントは発生しないという形にシナリオ運用を改変したので、一度、状況整理も必要だったわけじゃ」

リトル「そして、物語を再開するに当たって、改めて状況のおさらいをしているわけですねぇ」

ヒノキ「第2部終了時点でのマップは以下の通りになっておるが、複数の場所でミッションを受注できるようになっておる。よって、第3部はどのミッションを選ぶかの選択肢がいろいろ増えたので、それも挙げてみよう」

●ミストグレイヴ上層階の地図

(青字は拠点および宿泊可能地点。赤字は目的地。

 緑字は新規に記入。青いラインは安全ルート)

 

              ?
              l

蛇の酒蔵ー凱旋門ー岩棚のーゴミ溜め窟ー?

(梯子) (魔窟) 城塞  l

  l   l   l   l
コボルド窟ー無限ー隠者の地底湖の畔

      金床  迷路  

         l   l

     大水車烈火団煌びやかな 

         本部 大通路

         l   l

   物乞い市場ー 騎獣ー水没通路

    (蜜蜂) 調教所 (梯子)

         l

     肉の穴ー処刑遊戯場

    (解放軍) 

ヒノキ「まずは、〈ジーズドルフ解放軍〉の拠点である最南端の【肉の穴】じゃが、パーティーの平均レベルが6に達すると、新たなミッションが発生する。今は平均レベル5なので、受注できるのは『食料の買い出し』だけじゃ」

ゲンブ「【コボルド窟】への往復だけなので、物語的にはつまらん任務でござるな」

ヒノキ「他に受注できるミッションがなければ、経験点稼ぎのための作業で我慢するのもやむなしじゃが、リプレイ記事である以上は、ストーリーにも変化の彩りが欲しいところじゃのう。それと、第2部のラストで、3人の奴隷を救出し、解放軍の有志が12人を越えた。それによって、新たなクエストと情報のフラグが立ったので、この機会に提示しておこう」

ゲンブ「ほう、それはいかなる内容か?」

ヒノキ「地下水路のどこかに地上への脱出口があるが、その扉を開くには、四祖の一人セランシェが使ったと言われる〈銀水晶のサークレット〉が必要らしい」

シロ「でも、〈銀水晶のサークレット〉がどこにあるかは不明ってことですね」

ゲンブ「地上への脱出ルートの手がかりもいくつか出てきたでござるな」

ヒノキ「整理してみると、以下の通りじゃ」

 

★ミストグレイヴからの脱出ルートの可能性

 

1.【地底湖の畔】のマーマンがシェス湖への抜け道を知っているらしい。

2.【コボルド窟】のオードル・プルは地上の霧の街(ミストキャッスル)への出口を知っている。

3.地下水路のどこかに脱出口があって、その扉を開くには〈銀水晶のサークレット〉が必要。

4.地下水路の最初の入り口から、逆に脱出することも可能。まずは探索判定18から。

ヒノキ「現段階で4つの脱出ルートが考えられる」

リトル「最初の入り口から脱出もできるのですかぁ」

ヒノキ「探索判定18は、初期作成のキャラでは不可能に近いが、G太郎なら可能じゃろうな」

ゲンブ「基準値10だから2Dで8以上。【エクスプローラーエイド】の術で、+2ボーナスもあれば、割と成功するでござろう」

ヒノキ「もちろん、他にもいろいろと判定しなければならぬ上、そこからの脱出ルートでは、レベル12の魔物を倒さねばならぬゆえ、今のお主たちでは難しいじゃろうな」

ゲンブ「レベル12でござるか。それはさすがの我も、勝ち目が薄いでござる」

ヒノキ「ミストキャッスルからの脱出はレベル7が推奨と言えたが、ミストグレイヴからの脱出はそれ以上のレベルが求められるようじゃのう。よって、低レベルでの脱出を考えるなら、いったん地上の霧の街へ出てからの方が早く済むと言えよう」

ゲンブ「ミストキャッスルでは、レベル7までのミッションをほぼ達成し終えているので、これ以上の攻略はランダムミッションや、強敵退治のクエストなどで、ちまちま経験点稼ぎをしながら、さらなるレベル向上を目指し、ゆくゆくは翠将打倒を目指せ、というシナリオでござるなあ」

シロ「ところで、地上で翠将を倒してしまったら、ミストグレイヴの物語はどうなるのですか?」

ヒノキ「ネタバレすると、地上のヤーハッカゼッシュは影武者に過ぎん。地下のヤーハッカゼッシュこそ、真のヤーハッカゼッシュなのじゃ」

リトル「シン・ヤーハッカゼッシュですかぁ。庵野監督を呼んで来ないとぉ」

ヒノキ「いやいや。監督はTRPGの専門家ではないじゃろう。冗談はさておき、地上に出ても、実のところ、あまりできることは残されていないのが実情じゃ。ミストキャッスルはレベル7までが楽しめるように作られた初期のシナリオであって、レベル8以上で楽しむには、GMがミッションを自作するなり、それなりの工夫をせねばならぬのじゃ」

ゲンブ「まあ、地上に上がるにせよ、我らの平均レベルが7になった頃がいいと見た。その頃には、闘技場で戦ったり、蛮族の強敵を暗殺したり、地下との連携でレジスタンスを支援したり、いろいろと話を膨らませることもできよう」

シロ「では、当面は地下でレベルアップし、平均レベル7になった時点で、改めて地上の物語との絡みを考えてみるという方向性で」

ヒノキ「地上と言えば、解放軍有志が12人になった時点で、与えられるクエストがある。ミストグレイヴを脱出できたら、外の国にレジスタンスからの密書を届けて欲しい、という内容じゃが、それって物語の終了を意味しておるので、ミストグレイヴのシナリオが終了したからボーナス経験点が得られるということに過ぎない」

リトル「ええと、外に出てしまえば、再び潜入工作するのは難しいということですかぁ?」

ヒノキ「ネックとなるのはバルバロスブラッドじゃのう。この蛮族変身薬がミストグレイヴの物語設定の肝じゃが、一応のハッピーエンドの一つは、潜入しての使命を果たして、外に脱出して、変身薬の効果を解呪して元の冒険者に戻ることじゃが、戻ってしまうと再びミストグレイヴの地下世界への潜入は難しい」

ゲンブ「蛮族の姿で蛮族と付き合うのと、人族に戻って蛮族と付き合うのとでは、物語の性質が大きく変わるでござるからなあ。まあ、マッスルG太郎には関係のない話でござるが」

シロ「確かにG太郎は、地上で名誉蛮族の称号を勝ち得た人族だし、実は魔神ということで、人蛮を超越した設定だからなあ」

ヒノキ「ミストグレイヴの公式シナリオが、蛮族に身をやつした人族冒険者の物語であるのに対して、マッスルG太郎の場合は人族に身をやつした魔神の物語にアレンジされておるのじゃ」

ゲンブ「人族の体と、蛮族の風習と、魔神の正体を合わせ持つ蛮魔人と言ったところでござるか」

ヒノキ「もちろん、公式シナリオ通りでも、バルバロスブラッドの効果が解呪できないビターエンドの可能性があって、元の人族の姿に戻れる方法を求めて、ラクシア中を旅することを決意する終わり方じゃ。そこから、もう一度ミストグレイヴに安住の地を求めて帰ってくるという展開も有り得る」

シロ「一度、蛮族の世界に染まった者は、容易に抜け出せないということですか」

ヒノキ「自分は人族なのか、それとも蛮族なのか、自己のアイデンティティに葛藤しながら、己の生きる道を模索する物語というのも悪くはない。どこにでもいる普通の冒険者とはまた違った物語というのも一興じゃよ」

シロ「しかし、蛮族憎しのメンタリティを持つホリーとしては、やはり一生蛮族の姿で暮らせ、というのは苦痛ですよ」

ヒノキ「その辺のロールプレイも、物語のスパイスとして刺激があってよかろう。何にせよ、魔神ハンターの物語としては、どのエンディングに到達することになるのか、今のところはわらわにも読めん。それこそ、プレイを進めて行きながら見えてくるドラマとしか現時点では言いようがないわけじゃ。ただ、この地上への密使については、アレンジを考えた」

ゲンブ「ほう。公式シナリオのアレンジでござるか」

ヒノキ「この密書のあて先を、霧の街の外の国ではなく、地上のレジスタンス組織〈風の旅団〉に変えるだけで、地上と地下の二つのレジスタンス組織のコラボが成立する。それなら、ミストキャッスルの物語と上手くつながるじゃろう」

ゲンブ「おお、確かにそれなら霧の街の地上に出る理由にもなるでござるな」

ヒノキ「ただ、そのクエストを受ける前に、もう一仕事果たさねばならない」

ゲンブ「隠者ヴァラルトへの協力要請クエストでござるな。烈火団本部のすぐ北にあるので、早急に解決しておきたいでござる」

 

ヒノキ「次に、蜜蜂関連のミッションとクエストじゃが、『食料調達ミッション』『葡萄酒購入ミッション』は繰り返し受注可能。ただし、リプレイでは同じことを繰り返してもつまらないので、ただの経験点稼ぎに過ぎん」

ゲンブ「他のクエストと組み合わせるといいかもしれんが、優先順位は低いでござるな」

ヒノキ「他には『ティアハートの花の採取ミッション』が受注可能。これは探索場所が地下水路になるので、そちらの攻略と組み合わせることを推奨する」

リトル「地下水路と言えば、リザードマンの拠点と、ギルマンの拠点があるようですねぇ」

ゲンブ「リザードマンにギルマンか。彼らとの関わりで、新たな物語が展開する材料にもなろうが、今は上層階の攻略を優先したいところでござる」

ヒノキ「蜜蜂のクエストじゃと、『深層階の図書館探し』と『外の世界への安全な脱出方法探し』を依頼されておる」

ゲンブ「どちらも、すぐには達成困難でござるからな。まあ、蜜蜂とは大経済圏構想の要として、公式シナリオとは別の形でも協力してもらうことになろう」

 

ヒノキ「3つめの取引先は【コボルド窟】じゃのう。第2部の終わりでコボルドの奴隷を連れ帰ってくれたから、新しくミッションやクエストが受注可能になった」

ゲンブ「どのような内容でござるか?」

ヒノキ「ちょっとした小遣い稼ぎに利用できる『荷物の配達ミッション』なんかじゃ。基本的に【コボルド窟】で引き受けることのできる仕事は、繰り返し受注可能な物ばかりで、ストーリーを動かすことにはならぬ。なお、荷物運びミッションを受注している間は、安全な交易ルート(ランダムイベントが発生しない)の恩恵は得られぬものとする。さもなくば、目的地への障害なく『はい、目的地へ向かいます。何事もなく平穏無事に到着しました。ミッションクリアで経験点と報酬を得ました。終わり』となって、もはやゲームとは言えんからのう」

シロ「それらの配達ミッションは、道中に発生し得るランダムイベントを経てのゲーム性なんですね」

ヒノキ「他に受注できるシナリオがない場合や、どうしてもガメルという現金収入が欲しい場合、あるいは冒険初期に解放軍ではなく、【コボルド窟】から物語がスタートした際の初期ミッションになっていた可能性がある」

リトル「解放軍以外のスタートがあったんですかぁ」

ヒノキ「最初のカニに襲われたのが、人族のメルとランダムに決まったから現状のストーリーなのじゃが、他にはガルーダウィークリングの少女ウルメを助けて【物乞い市場】のビシャナと懇意になるスタートと、マーマン族の男シアニスを助けて【地底湖の畔】の人魚王国の客人になるスタートが用意されておる。さらにTRPGサポート雑誌のR&R誌に掲載された追加ミッションで、【コボルド窟】スタートもあったのじゃが、要は複数の物語の入り口が用意されていたわけじゃ。結果、本リプレイではウルメやシアニスの登場がなくなった」

ゲンブ「一応、ウルメはビシャナさんところで働いているのでござろう?」

ヒノキ「まあ、コヨミやミサの先輩女給として登場させてもよいがの」

リトル「質問ですぅ。ガルーダウィークリングってどういう種族ですかぁ?」

ヒノキ「ウィークリングは、弱肉強食の蛮族社会にあって、身体的な障害を抱えて生まれたために奴隷扱いされている可哀想な個体じゃ。蛮族PCとして設定できて、ガルーダ、バジリスク、マーマン、ミノタウロスの4種が見られるのう。要は、蛮族キャラって特殊能力が強力すぎて、プレイヤーキャラとしてはバランスが良くないのを、特殊能力を限定的に抑えることでバランスを確保した存在と言えるか。

「ガルーダは翼で飛べるのが最大の特徴の鳥人間種族じゃが、ウィークリングは翼が未熟で飛べん。せいぜい落下ダメージを20点減らせるのと、翼で風を巻き起こして【ウィンドカッター】みたいな魔法攻撃ができること。まあ、蛮族社会で迫害されたのが人族社会の親切な人に拾われて、冒険者の仲間になったという設定で、プレイヤーキャラとしても使用可能になったという次第じゃ」

リトル「なるほどぉ。蛮族PCにも、いろいろなヴァリエーションがあるんですねぇ」

ヒノキ「普通と違った特殊な背景を持つキャラを作りたい向きにはお勧めと言えるかのう。自分の部族から迫害された過去を持つキャラというのは、それだけでドラマチックになり得る設定じゃが、まあ、そういう不幸な背景持ちが好みかどうかはプレイヤーの資質にもよる。もっと、お気楽極楽なキャラを好む者も多いじゃろうしの

ゲンブ「お気楽極楽なお笑い芸人のはずだったのに、奴隷にされたり、魔神にされたり、それでも師匠と呼ばれる立場になるなど、波乱万丈な人生を歩んでいるでござる」

 

ヒノキ「他には、魔神ハンターというタイトルに応じた『魔窟探索ミッション』と、ゴブリン王に協力する『覇道のゴブリン王ミッション』が、第2部の物語を経て受注できるようになった」

ゲンブ「魔窟はともかく、覇道でござるか」

ヒノキ「うむ。力でミストグレイヴ上層階の覇権を奪取しようとするゴブリン王ムルカグンドリの野望に与するか、それとも見限って倒すかは、プレイヤーキャラの選択次第」

ゲンブ「それでも、ミッションはミッション。経験と報酬がもらえるなら仕事を受注するのもありでござるが、要求が理不尽にエスカレートするなら、袂を分かって対立路線に入る可能性もあると」

ヒノキ「蛮族らしく力で解決し、力さえあれば暴虐無尽に振る舞うという楽しさを味わうのもまた本作ならではの展開と言えよう」

ゲンブ「まあ、自己の力量を弁えぬ暴虐無尽はしばしば、しっぺ返しに見舞われるのが世の常でござろう」

ヒノキ「他には、マーマン王国の麗しき女王に仕えるという選択肢もあるのう」

シロ「それは、これから夏らしくトロピカる話になりそうですね」

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 ヒノキ「人魚といえば、この映画も捨て難い」

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ゲンブ「とにかく、第3部はいろいろなファンタジー異種族との交流が期待できるでござるな」

リトル「人魚ですかぁ。水中から地上に上陸進化する怪獣の眷属としては、興味を駆られますぅ」

シロ「ああ、魚は大好物だ。食欲をそそられる」

リトル「シロ姐さん、まさか人魚を食べるなんて、言わないで下さいねぇ」

(当記事 完)