花粉症ガール・翔花伝&コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女主役の物語」&「その仲間たちの雑談話」など。TRPG話や特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。

マッスル太郎、鮮血城へ(SWミストキャッスル6ー4)

7月に入って

 

ヒノキ「7月に入ったのじゃ」

ゲンブ「例年だと、これから作者の仕事が忙しくなる時期でござるな」

ヒノキ「うむ、夏期は平日午前から昼間も授業で忙しくなるのと、その前準備でバタバタするのじゃが、今年は子どもたちの夏休みが激減して、学校通いが多くなるので、例年どおりの講習会が行いにくくなり、結果的に時間ができる、という可能性が高い」

ゲンブ「すると、夏なのに平常運転で楽ができるということでござるか」

ヒノキ「仕事が楽とは、言い換えれば収入が……という問題もあるようじゃが、最大の問題は『世の中が不況だと、新規入塾がないということにもつながるので、夏期だけの問題じゃない』ということじゃな。まあ、わらわたち部外者が心配してもどうしようもないことなので、こちらにできるのは『頑張れ、新兄さん。応援してるから。こちらは新兄さんを明るく楽しませるように振る舞おう』とエールを送るぐらいじゃな」

ゲンブ「確かに、『心配しているように見せかけて、関係ないのにいろいろ質問してきて、かえって不安を煽る報道とかで、人の神経を苛立たせるマスゴミと、それに準じた鬱コメント』ほど頑張ってる人間を苛立たせるものはないでござるからな」

ヒノキ「世の中、特に客商売というのは、当人の頑張りだけではどうしようもないこともある。何せ、世の中の空気に大きく左右される面もあるでな。その中で、その空気に大きく影響を与えるのもマスコミの仕事じゃが、何かとセンセーショナルなニュースに飛び付きがちで、不安増幅装置になったりもする。針小棒大になりがちな報道に翻弄されないだけの自制心は、情報社会において必要じゃろう」

ゲンブ「世の中の動きに鈍感すぎてもいけないが、過敏すぎて一喜一憂のアップダウンが激し過ぎるのも問題でござるか。冷静に状況を見据えて、結局のところは自分にできることを堅実に行うしかない、と」

ヒノキ「そうじゃ。そして、今のわらわたちにできるのは、マッスル太郎のプレイじゃろう」

ゲンブ「結局、遊んでいることを自己正当化するための弁でござるな」

ヒノキ「遊び心は大事。それこそが、ホモ・ルーデンスの極意、と最近、新兄さんがハマっておる思想らしいからのう。簡単な書評は、こちらにもある」

news.kodansha.co.jp

ゲンブ「遊びは無駄じゃなく、文化発展の原動力であり、宗教上の祭礼儀式も、演劇も、ゲームも、精神的な仮想空間を構築し、一定の秩序を与えて、そこに没入することで生を充足させる。そういう場に日常を持ち込む行為は、場を白けさせる背徳行為として排斥される……でござるか」

ヒノキ「まあ、そう言われてみれば、古来、演劇というものは、神に捧げられる一種の宗教性を帯びた儀式じゃったからな。オリンピックをスポーツの祭典というのもその通り。祭りというのは、実用とは離れた文化習俗じゃが、そういう周囲の空気との一体感を得て共同体意識を構築するのも人間文化の神髄かもしれん。日本の舞台芸術も、神々への奉納儀式に端を発するということで、日常の俗事を離れて架空の精神世界を個人の脳内でなく、集団体験できるものとして共有できるということが人の文化を発展させた、ひいては経済行為にも大きな影響を与えるということかもな」

ゲンブ「すると、遊ぶために働くということが、人の営みとして正当化されるでござるな」

ヒノキ「遊び心を精神的退廃ととらえるか、それとも神事に通じる崇高性を帯びたものと見なすかは、個人の価値観にもよるが、前者の質実剛健な気質が極端になると古代ギリシャのスパルタという軍事国家の方向性に突っ走ることになるからのう。遊び心の喪失は、人間を野蛮な獣性に支配された破壊者にしてしまうやもしれん」

ゲンブ「実利偏重で文化軽視の社会は、過剰な競争に人を追いやるでござる」

ヒノキ「まあ、競争原理に対しても、ゲーム理論という数学的・経済学的なアプローチが可能なのじゃがな。つまり、ロールプレイという文系的なアプローチと、数値を扱うゲームという理系的なアプローチの両面が培えるRPGは、複合芸術と言ってもいい遊戯ということで、前置き終了」

 

仮面レンジャーVS骨しゃぶり

 

太郎(ゲンブ)「では、これよりプレイを開始するでござる。それにしても、プレイという言葉に、役割を演技するという意味と、ゲームをプレイするという二つの意味があるのも改めて考えると、秀逸でござるな」

ヒノキ「ドイツ語ではSpiel(シュピール)、フランス語ではjouer(ジュエ)というらしいの。厳密には、Spielは名詞でゲームという意味も持つ。動詞だとspielenと表記するのが正解らしいが、Spielという名で毎年ドイツのエッセンで秋に行われているボードゲーム大会&即売イベントがあって、今年はそれも中止だそうじゃ」

太郎「日本のJGC改めTRPGフェスも今年は中止。いろいろ祭りが自粛される風潮は、たとえ参加する予定がなくとも、寂しいものを感じるでござる」

ヒノキ「その分、個人でゲームを楽しんで、業界にお布施はしたいものよのう」

太郎「……で、拠点を出て東の長屋で一服したあと、北東の廃屋に突入するでござる」

ヒノキ「おや? 南のサンドリーヌ館に向かうのではなかったか?」

太郎「先に強敵ゾンネンフェレスを倒しておく方がいい、と考え直したでござるよ。当然、暗殺任務なので仮面レンジャーの扮装をするということで」

ヒノキ「今は朝じゃな。廃屋に通じる小道に足跡が伸びておる。その正体を見抜くための判定は、魔物知識で14以上じゃ」

仮面「16で成功でござる」

ヒノキ「トロールで確定じゃな。レベル6、HPは剣のかけら入りを想定して70点」

仮面「弱点は太陽の光なので、外に誘い出すことができれば、比較的楽に倒せそうでござるが、無理だろうな」

ヒノキ「建物は本来3階建てだったらしいが、3階部分は完全に崩れ去っており、2階も崩れそうなぐらい脆くなっておる」

仮面「すると、上手くやれば相手を生き埋めにできるかもしれないでござるな。プラズマ火球を撃ち込んで……」

ヒノキ「マッスル太郎にプラズマ火球なんてない」

仮面「くっ、プレイヤーにできることが、キャラクターにできないのは歯痒いでござる」

ヒノキ「ルールで再現しようと思えば、魔動機術5レベルの【グレネード】を習得するのが早道じゃろう。実は真語魔法6レベルの【ファイヤーボール】よりも早く、しかも威力が高いという。魔動機術は低レベルだと地味じゃが、中レベルぐらいになると高火力の戦力として大いに期待できるのじゃ」

仮面「しかし、今はまだマギテック技能が2レベルしかないので、高火力範囲魔法を撃って建物を崩す作戦は不可能でござる。仕方なく、建物に入るとするか」

ヒノキ「2階へ通じる階段と、地下へ通じる階段があるのう」

仮面「迷わず地下へ。太陽に弱い敵は当然、地下に寝ぐらを持っている故に。こっそり、そっと侵入するでござるよ。できれば、暗殺者らしく奇襲攻撃を仕掛けたい。気分は必殺仕事人でござる」

ヒノキ「塾講師が思いの外に小者で、期待していた新兄さんががっかりしていたようじゃの」

仮面「同じ太郎としても、がっかりでござる。とにかく、隠密判定をしたいでござるが、目標値はいかほどでござろうか?」

ヒノキ「では16以上で、奇襲させてやろう。朝のこの時間は寝床でグーグーグーという設定じゃからな」

仮面「仕事人なら夜が定番でござるが、合点承知の必殺供養がキーワードのうらごろしでは太陽の加護ある朝が定番でござるよ。隠密の基準値は10なので、まず成功……はしなかった。ダイス目4だと?」

 

ゾンネンフェレス『貴様、何者だ?』

仮面「フッ、バレたなら仕方ない。我が名は人呼んで仮面レンジャー・ウィザード。骨しゃぶりゾンネンフェレス、お前には個人的に何の恨みもないが、これも仕事なのでな。おとなしく始末されるといい」

ゾンネンフェレス『面白い。しょせんは人族、我が神ブラザバスが寄越した餌ということだな。その肉は美味しくいただき、その骨はしゃぶるだけしゃぶって、その髑髏は神へと捧げてくれるわ』

仮面「聞くからに、野蛮なセリフでござるな。では先制判定13」

ヒノキ「こっちが先攻じゃ。ならば、まずは呪文で攻撃してやるとするか。最も嫌らしいものは……おお、これがいいのう。腐敗の女神ブラザバスが与えてくれる特殊神聖魔法【ロッツ】。相手に6点のダメージを与え、しかも持っているポーションや薬草を腐らせて、使えないようにする。ヒヒヒ、魔力14に対して抵抗するといい。失敗すれば、太郎の持つ回復アイテムは全てゴミと化すのじゃ」

仮面「何だと? それは勘弁願いたいでござる。精神抵抗は8。何とか、6以上を出さねば。(コロコロ)ホッ、9が出て成功でござるよ。ええい、恐ろしい腐敗神の使徒め。仕留めてやるでござる。これは、『使徒め』と『仕留め』を掛けたマッスルギャグで、或人でナイトでござった。補助動作で、マッスルベアーとガゼルフットと、ついでにビートルスキンと、それから神聖魔法が怖いのでカウンター・マジックと、ターゲットサイトを使ってMP12点使用。それからマッスルキックの2連発。16と19」

ヒノキ「どちらも命中じゃ」

仮面「ダメージは22点と、もう1発は……ピンゾロかよ」

ヒノキ「ならば17点だけくらって、残りHPは53点。2ラウンド目は、こちらも殴っておくか。名ありの敵じゃから、わらわがダイスを振ってもいいじゃろう。全力攻撃を宣言して、打撃点+4にしておいて、命中は(コロコロ)8が出たので17じゃ」

仮面「回避の基準値は12。ピッタリ5で避けた。ええい、反撃でござる」

ヒノキ「こちらは全力攻撃なので、回避が2点下がっておるのじゃ」

仮面「するとターゲットサイトは必要ないでござるな。命中は17と16」

ヒノキ「回避は5基準だから、出目3と7じゃどうしようもないのう。ダメージをおくれ」

仮面「19点と20点。そう言えば、エンチャントウエポンの宣言を忘れていたでござる」

ヒノキ「受けたダメージは14点と15点の合計29点。残りHPは24点か。次で終わりそうな計算じゃな。では、もう一度全力攻撃で命中は16」

仮面「22と言って、ヒラリと避ける。では、念のためにエンチャントウエポンも入れて、命中はやはり17と16」

ヒノキ「避けられんよ。とどめを刺していいぞ」

仮面「16点と18点」

ヒノキ「それはエンチャントした割に、低すぎないか?」

仮面「出目が3と4だからでござるよ」

ヒノキ「受けたダメージは、11と13だから、おお、ピッタリ24じゃ。何とか撃退に成功したようじゃの」

 

 こうして、仮面レンジャーは無事に「骨しゃぶりゾンネンフェレス」を撃退することができた。

 戦利品は、トロールの血(100G)と、600ガメル分の価値ある宝石、それに剣のかけらが6個。

 それに加えて、運河通行証を1枚と、★1つを獲得。

 さらに……

 

仮面「ゾンネンフェレスのいた部屋に目ぼしいものがないか、探索するでござる」

ヒノキ「まるで押し込み強盗じゃのう。仕事人の流儀ではないわ」

仮面を脱いだマッスル太郎「ならば、仕事人モードは解除して、今から冒険者モードに戻るでござる。冒険者の流儀は、プレシャス探すぜ、でござるからな」

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ヒノキ「では、探索判定で11を出すといい。12を出せば、もっといいこともあるじゃろう」

太郎「探索の基準値は9だから、3以上でOKでござるな。ダイス目8で余裕で成功」

ヒノキ「なら、まずはランダムで宝物が見つかる。表を振るがよい」

太郎「4ー9でござる」

ヒノキ「ディフェンダーという防護点+1してくれる剣(売り値895G)か、テンペストという両手持ちの銃(売り値1000G)じゃな」

太郎「ならば、テンペストをGETして、後で売る」

ヒノキ「さらに隠し扉が見つかったが、何も調べずに開けるかの?」

太郎「普通、そう言われて罠を調べないバカな冒険者はいないでござろう」

ヒノキ「ならば、発見の難易度は18じゃな」

太郎「それはエクスプローラーエイドの出番でござるな。そろそろMPが心許ないので、HP変換で補充しておいて、基準値11。ピッタリ7で成功」

ヒノキ「毒矢の罠じゃ。解除の難易度も同じく18」

太郎「なら、もう一度エクスプローラーエイド。基準値12で、ダイス目……3だと?」

ヒノキ「罠は外れんが、時間をかけて再挑戦できるのう」

太郎「仕方ない。もう一度エクスプローラーエイド。ふう、今度こそ成功でござるよ。罠の探索と解除のために12点もMPを使ってしまった」

ヒノキ「いかにもな冒険者ライフじゃな。冒険には罠が付きもの」

太郎「まさか、こんな廃屋で遺跡以上に、罠に悩まされようとは」

ヒノキ「隠し扉の向こうには、書庫があってのう。そこで文献判定をすれば、情報が手に入る。目標値は16じゃな」

太郎「文献判定は、セージ+知力でござったな。基準値は8。出目は6。失敗でござる」

ヒノキ「では分からん」

太郎「目ぼしい本を何冊か持っていって、サンドリーヌに読んでもらうわけにはいかないでござるか?」

ヒノキ「なるほど。それなら、サンドリーヌに情報を解読してもらった時点で、★1つを進呈しよう」

 

サンドリーヌ館にて

 

太郎「一度、長屋に戻って一晩休んで回復。その後、南のサンドリーヌ館へ向かうでござるよ」

ヒノキ「うむ、着いた。サンドリーヌは運河通行証を持って来てくれた太郎を大歓迎じゃ。クエスト達成により、★2つと1000ガメル、さらに『情報一つ』をくれる」

太郎「情報一つ?」

ヒノキ「そうじゃとも。サンドリーヌのクエストを達成すると、彼女の知ってる『情報一つ』を報酬としてくれるのじゃ。今までのクエスト達成で、合計4つくれるはずになっておったが、うっかりそのことを明言していなかった。まあ、一つはアリアドネの正体が吸血鬼の一族だと教えていた形じゃが、残り3つがある。もっとも、廃屋から書物を持ってきたわけで、そこに書いてある情報を明かすとしようか」

太郎「だったら、よろしく頼むでござる」

ヒノキ「情報は大きく3つあっての。本来ならランダムで入手できるのじゃが、そろそろ物語も終盤じゃし、3つまとめて公開するとしよう。まず一つは、『四祖の伝説と陵墓の場所』じゃが、これは既に分かっておるな」

太郎「確かに、その情報には意味がないでござる」

ヒノキ「ならば、次は『霧を晴らす魔法装置について』じゃが……」

太郎「それも知っておる。常夜の回廊でござろう」

ヒノキ「そうじゃが、これは追加情報がある。起動させるのに必要な〈銀水晶のプレート〉のありかじゃ」

太郎「おお。それは是非とも教えて欲しいでござる」

サンドリーヌ『〈銀水晶のプレート〉は、翠将の住む翡翠の塔の地下にて「万里の咆哮」と呼ばれるキマイラ、ガド・ボデックに守られています』

太郎「キマイラでござるか」

ヒノキ「なお、キマイラはレベル9モンスターで、5つの部位を持つ強敵じゃ。獅子、山羊、竜の3つの頭部に加え、胴体、翼で1ラウンドに5回攻撃をしてくる。倒すためには3つの頭を全てHP0にしないといけない」

太郎「まるでキングギドラのような奴でござるな。たった一人で倒せるとは思えん」

ヒノキ「しかも剣のかけらで強化されておるからのう。こいつを一騎討ちで倒せるようになるまでに、街を脱出できてしまうじゃろう」

太郎「とりあえず、〈銀水晶プレート〉を入手するのは、続編をプレイする機会までお預けということでござるな」

ヒノキ「これで、情報一つを消費して、残り二つ。廃屋の書物から入手できる情報はあと一つ。『紅霧の魔剣クルルガランについて』じゃ」

太郎「その名は、〈風の旅団〉で教えてもらった気がする

ヒノキ「そうじゃな。翠将ヤーハッカゼッシュの持つ魔剣で、蛮族など穢れを持つ存在の能力をパワーアップさせる紅霧を生み出すことができる。その効果範囲は街全体と周辺地域に及び、人族が蛮族から街を奪い返すためには、この魔力を封じることが必要とされるわけじゃ」

太郎「あるいは、穢れ持ちを弱体化させる守りの剣の力で、魔剣の効果を中和させることをトホテルたちは狙っているのでござったな」

ヒノキ「ここまではサンドリーヌも知っている情報じゃったが、廃屋の書物にはさらに恐ろしいことが書いてあった。それを読んで、サンドリーヌも恐れおののいておる。『翠将ヤーハッカゼッシュがこうも恐ろしい方だとは、私も気付いておりませんでしたわ』と」

太郎「どういうことでござるか?」

サンドリーヌ『クルルガランの魔力を発動するには、大量の血が必要。その血を翠将はどこから集めようとしているか予想できますか?』

太郎「生贄の奴隷か何かを用意しているとか?」

サンドリーヌ『名誉蛮族の腕輪に仕掛けを施しているようですの。翠将が魔剣の力を発動しようとすると、それに連動した名誉蛮族の腕輪から血が吸い取られていく。街にいる全ての名誉蛮族が犠牲になるのです。その力で蛮族が強化され、いつ裏切るかも知れない人族上がりの名誉蛮族の方は血を吸い尽くされて殺される。あなた様も、そしてザバーラ様も』

太郎「それは……恐ろしい裏切りでござるな。魔剣が発動される際には、腕輪を外しておかなければ死んでしまうとは。我々の命は翠将の手の内にあったわけだが、その秘密を知った以上は、何とか回避もできよう」

サンドリーヌ『そうですね。できれば、ザバーラさんにもこの書物を読んでもらった方がいいでしょう。そして、他にもあなたの友人の名誉蛮族の方がいれば、警告されることを勧めます』

太郎「すぐに思いつくのは、ヤムールと闘技場のドン・ブカドゥでござるな。しかし、この秘密が公の物になれば、街で名誉蛮族の暴動が発生するのではないだろうか」

サンドリーヌ『そうなれば、多くの人が死ぬことになるでしょうね。私としては、それは避けたい事態ですし、仮に避けられぬとなれば、争いに巻き込まれぬよう、街を脱出したいと思います。ましてや、このように恐ろしいことを考える翠将の下では、これからも安心して暮らすことなどできませんし』

ヒノキ「……ということで、クルルガランの恐ろしい秘密を知ったマッスル太郎には、★1つを進呈じゃ」

太郎「名誉蛮族になって浮かれていた自分が滑稽でござるよ」

ヒノキ「腕輪は、奴隷の首輪と違って、自分で自由に外せるのがマシなのじゃよ。さらに翠将が魔剣の力を発動するのは、よほどの場合じゃろうしな。人族との大きな戦が起こるか、あるいは名誉蛮族の暴動が発生して鎮圧の必要に駆られた際か」

太郎「この情報は重要すぎて、私一人の一存では処理しきれん。翠将の企てを知ったザバーラがどう考えるか次第でござろう。あと、アリアドネは名誉蛮族なんだろうか」

ヒノキ「そういう記述は特に見当たらないし、実は彼女はクルルガランの秘密については知っておる。だから、腕輪を着けているとは思わんのう」

太郎「とにかく、ここまでで★4つを稼げたでござる」

 

ヒノキ「では、次に『クリスの妹のハイネの探索および救出』クエストじゃが……」

太郎「実は、妹が鉱石人間のフロウライトということはござらんか?」

ヒノキ「妹がマブシーナってこともないし、クリスが王子ということもない。ワンダーを期待しても無駄じゃぞ」

太郎「そこを何とか」

ヒノキ「だったら、翠将の力で翡翠の像に変えてもいいのじゃが、クエストは失敗という形に裁定するぞ」

太郎「それは困る。では、妹は普通の人間ということで、どこにいるでござるか?」

サンドリーヌ『おそらくは、街の北西の人間牧場かと思われます』

太郎「真反対ではござらんか」

サンドリーヌ『ええ。ですから、これまで私どもの探索の手が及ばなかったのです。所在地が分かってみれば、翠将に献上される奴隷牧場にいたとは。ハイネを救出するということは、すなわち翠将に対する反逆の意志を示したことになりますので、行動を急がねばなりません』

太郎「それは相当にヤバい橋を渡るということでござるな」

サンドリーヌ『依頼としては、ハイネの救出ですが、その前に牧場の施設に侵入して、奴隷の首輪を外す鍵を入手しなければなりません。首輪を付けたまま逃げ出しても、時間が来れば命を落とすことになってしまいますので。そして、ハイネ救出後は、できるだけ急いで街を脱出しようか、と考えています。その際の護衛役なども引き受けていただければ』

太郎「……その仕事、少し考えさせて下され。現段階で、安易に引き受けるにはリスクが大きすぎる。それに街を脱出するとなれば、やり残した仕事もいろいろ片付けておきたかったりもするし。ザバーラ様にも相談した方がいいか、と」

サンドリーヌ『分かりました。無理に、とは申しません。いずれにせよ、魔剣に関する翠将の目論見の記されたこの書物は、ザバーラさんに届けて下さい』

太郎「そうさせてもらうでござる。それと、今夜、一晩休んだ後は、帰らずの街で荷物を受け取る手はずになっていますので、その仕事を先に片付けるゆえ、ハイネ救出をどうするかは、しばしお待ちを」

 

 こうして、マッスル太郎は、サンドリーヌの霧の街脱出計画を知ることとなった。

 翌日、帰らずの街で荷物を受け取り、そのまま拠点の天幕に戻ることになったのだが……。

 

太郎「結局、今回は鮮血城まで辿り着けなかったでござるな」

ヒノキ「だからサブタイトルも、『マッスル太郎と、鮮血城』から『マッスル太郎、鮮血城へ』と書き換えることになったのじゃ。『これから鮮血城へ向かうぞ』とこの場で決意すれば、タイトル詐欺にはならんじゃろうし」

太郎「では、次回へ向けて、これから天幕へ帰り、それから鮮血城へ向かうことにする。これでいいのでござるな」

ヒノキ「うむ。次回のタイトルは『マッスル太郎と、鮮血城の主』じゃ」

 

●今回の成果

 

 経験点:★4つ、魔物退治分60点、ピンゾロ1回分50点

 所持金:サンドリーヌからの報酬1000ガメル、戦利品1700ガメル分、剣のかけら6個

 その他:運河通行証、サンドリーヌの情報1個

 

(当記事 完)