花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、ソード・ワールドのミストグレイヴ妄想リプレイ「魔神ハンター」を終了に向けつつ寄り道迷走気味。

令和VS珠保ゴブスレ対決3.75(神の導きによりて)

迷宮を走る者たち(ダンジョン・ランナー)

 

アスト「よし、愛の力でASTROスペック起動。……はい、ゴブスレ.netに接続します」

ヒノキ「今度は大丈夫なのか? まともにプレイができるのかの?」

ゲンブ「アリナ様はダイスを振りたくて、うずうずしているでござる」

NOVA「確かめてみよう。おい、アスト。お前が好きなのは?」

アスト「そんなのは決まっている。翔花ママ……いや、翔花ちゃんだ」

晶華「KPちゃんの影響は受けているけど、まだ、アストの自我は保っている感じね」

NOVA「ああ。ケイPの侵食効果は俺が想定していたよりも大きいようだ。何しろ、あの真面目な武人であるクラブキングが、ケイPマーク3と融合した途端、触手教信者になっちまったからな」

晶華「でも、私たちは影響を受けてないわよ」

NOVA「俺とお前と翔花は、ケイPと魂の契約を交わしているから、ケイPの侵食効果を受けない。だが、そうでない者がドゴランアーマーを装着したりすると、想定外の副作用があるんじゃないか」

GMアスト「無駄話は慎むように。プレイが一向に進まなくて、ここにゴブリンスレイヤーのリプレイ記事を楽しみに来た読者の皆さんがお怒りだ」

NOVA「ああ。今回の記事ナンバーは3.75話だからな。これでプレイが進まなければ、次は3.875話になっちまう」

ヒノキ「そんな中途半端な数字は勘弁じゃ。頑張って、4話を迎えるためにも、今回はしっかり、ダンジョンを駆け抜けるのじゃ」

NOVA「ああ、迷走は控えてな」

 

改めて、分かれ道

 

GMアスト「君たちが狭い洞窟を、罠がないかと慎重かつノロノロモタモタと進んでいると、やがて道が二股に分かれているところに行き当たった。左右どちらの道からも、ゴブリンどもの据えた異臭が漂ってくる」

丸子(ヒノキ)「さて、どちらに進んだものかのう?」

ジャン(NOVA)「選択はアカミドリさんに任せましょう」

アカミドリ(晶華)「ヘッ、何で?」

ジャン「これはプレイヤー発言だが、ヒノキ姐さんと俺はシナリオをちらっとでも読んでいるから、何となくこの先にあるものを覚えている。ゲームとしては、これはズルいと思うんだ。だから、シナリオ未読の晶華に選択は委ねた方がいい」

アカミドリ「それだったら、私よりゲンブさんの方がゲーム慣れしてそうだし……」

用心棒(ゲンブ)「我は、マッスル太郎というリプレイ主人公を持っているでござる。ならば、ゴブスレ対決の主人公ポジションは、晶華どのにお任せするのがよかろう」

ジャン「それに、ここは『花粉症ガール・翔花伝』。翔花が失踪している今は、妹の晶華に主人公を務めてもらわないと」

アカミドリ「うん、分かった。じゃあ、ダイスを振って決めるね。1と2が出れば左。3と4が出れば右。5と6が出ればゲンブさんが決めるってことで」

用心棒「ちょ、どうしてでござるか? 普通は、素直に二択で1〜3と4〜6に分けるのが定石というもの」

アカミドリ「まあまあ。とりあえず振ってみるよ。ほら、6が出た。ゲンブさん、決めて」

用心棒「むむっ。6が出たなら、右でよかろう」

丸子「右か。では、そちらへ進むとしよう」

 

シャーマンの部屋

 

GMアスト「しばらく洞窟を進むと、ぽかりと少し開けた小部屋のような空間に出る。何やらゴチャゴチャとがらくたが散らばっており、見るからに不潔だ。壁には、糞尿で塗りたくったカラスやネズミの頭蓋骨が、異様な雰囲気で飾られているのが目に留まる」

ジャン「それはあれですね。原作では初心者パーティーが誰も気に留めなかったゴブリンシャー……」

GMアスト「それ以上を口にしたければ、博識判定か怪物知識判定に成功するように。難易度は怪物知識判定の方が低い」

ジャン「フッ、知識はぼくの担当。学術騎士の呼称は伊達ではないことをお見せしよう。(コロコロ)出目は9。これに知力集中6と、知識神官レベル2と、【怪物知識】技能のボーナス2を加えて、合計19。さあ、どうかな?」

GMアスト「これは、ゴブリンシャーマン(呪術師)のトーテムだと分かった」

ジャン「もう少し詳しいことは分からないか? 前回の冒険で、我々は覚知神に仕えるゴブリンシャーマンが赤子を生贄にして、魔神召喚の儀式をしようとしているのを退治した。今度もまた、レイワ、エド、ヤヨイという名の赤子や幼子たちが誘拐されたと聞く。そこにシャーマンが絡んでいるとなれば、何かの世界規模な儀式の予感がするんだが」

GMアスト「シナリオには、そんなことは一言も書かれていないんだが」

ジャン「そりゃ書いていないだろうさ。しかし、当リプレイがキャンペーンで前の続きをプレイするなら、物語に多少とも継続性を意識するようなシナリオアレンジは加えても、いいんじゃないかな。プレイグループに合わせた、そういうアドリブができるのが、TRPGの魅力なんだし」

GMアスト「ならば……細かいことは分からないが、トーテムの様式に覚知神っぽい雰囲気を感じた。ただの気のせいかもしれないが」

ジャン「だったら、ぼくはその直感を信じて、こう呟く。『まさかな。ここにも覚知神の痕跡が。これは世界を揺るがす大事件につながるかも……』」

丸子「世界を揺るがすじゃと? たかがゴブリンじゃろうに」

ジャン「しかし、ゴブリンがもっと強力な悪の尖兵であるケースも考えられます。ここに覚知神の気配がある以上は、我々は慎重に事を構えなければいけないでしょう」

丸子「やれやれ。信仰家は必要以上に事を大袈裟に構えたがる。もっと鋭く現実を見て、事がハッキリした段階で即座に対処すればいい。それより今は、お宝じゃ。それほど重要な敵なら、ここには大事なアイテムが隠されているかも知れんからのう。がらくたの探索を試みる」

GMアスト「ならば、一本の瓶と、器に盛られた黒い粘液に気づいた。その正体が知りたければ、博識判定を行うこと」

ジャン「ほう。これは噂の……(コロコロ)出目は5。知力集中6と、魔術師1と、【博識】技能ボーナス1で合計13だ」

GMアスト「ぴったり分かった。瓶に入っているのは解毒薬で、黒い粘液はゴブリン特製の毒だ。1回分しかないけどね」

ジャン「出たな、毒。その効果は?」

GMアスト「追加ダメージD3。武器に塗れば、1戦闘間有効。30分ごとに継続ダメージ1点。さらにダメージを受けると、毒が治療されるまで、舌が痙攣して喋れなくなる」

ジャン「魔法使い殺しの毒だね。丸子さんが使えばいいんじゃないかなあ。敵にシャーマンがいれば、毒を塗って、突き刺せばいい」

丸子「ヒヒヒ。毒を盛って毒使いを征す、じゃな」

 

 水場

 

GMアスト「シャーマンの部屋から奥に行くと、地下水脈とつながっている小川が流れているところに行き着いた。道は左に伸びているが、川の中の岩場に何か黒いものが引っかかっているのに気づいた。全員、【観察】判定をするといい」

丸子「観察は、わらわの得意分野じゃ。達成値14」

GMアスト「ならば、それが只人の死体だと分かる。縄のようなものが絡みついているのが気になるね」

アカミドリ「もしかして、誘拐された子供の誰か?」

GMアスト「いや、背丈は大人だ」

ジャン「こんなところに大人がいるってことは、冒険者の成れの果てかな。身につけている物から何か推測できるか?」

GMアスト「汚れてズタボロになった下着だね」

ジャン「下着! 男? 女?」

用心棒「そこに反応するでござるか」

ジャン「い、いや、だって、下着ってことは半裸ってことだろう? 男か、女かは、ビジュアルイメージ的に重要だ」

丸子「新兄さんは、シナリオを読んだのではないのか?」

ジャン「いや、シナリオには下着なんて書いていなかったと思う。多分だけど」

GMアスト「書いてないな。しかし、ゴブリンどもに装備を剥ぎ取られたような描写があるから、やはり下着だろう? さもないと、全裸ということになるが、そこまで言うと、このブログが18禁指定されても文句は言えない。こう見えても、オレなりに気を遣っているつもりだぜ」

ジャン「そこまで気を遣うということは、女性だな。ゴブスレ名物、女性のリョナ的エログロ描写。TRPGのルールブックにも、『過度の原作再現描写は気を付けて』と示されている通りだ」

丸子「男性の半裸ならいいのか?」

ジャン「少なくとも、男の半裸を見せられてもセクハラだ、と文句をいう男はあまりいないよな。男のマッチョな裸体とか、均整の取れた優美な肉体とか、何かの雑誌の表紙に載っていても、誰も文句を言わないと思う。フェミ的にデリケートに、時に過剰なまでにヒステリックに反応するのは、ことごとく女性の肖像ばかりだ。よって、これ以上、このリプレイ記事がフェミのターゲットにされるのを避けるために、俺はこのシーンからはすぐに撤退することを提案する」

アカミドリ「死体を回収して、埋葬してあげようとは思わないわけ?」

ジャン「知り合いならともかく、ゴブリンの犠牲者Aの死体を丁重に扱う義務は、俺たちにはないはずだ。まあ、ゴブリン退治が終了してから、余裕があれば死体を回収、埋葬してあげてもいいと思うが、まずは誘拐された子供の救出を優先する」

丸子「今のはプレイヤー発言じゃな。キャラクター的には?」

ジャン「ううっ、ぼくって神官なんですよね。原作の女神官さんだったら、心優しい女の子だから、何とかしようと思うんでしょうが、ぼくは……好奇心に駆られるかな? 死体よりも絡みついている縄が気になる。これって、どういうプレイなんだろう? とか妄想を浮かべながら、いかん、覚知神よ去れ、と赤面して首を振る」

用心棒「神官と言えば、我も竜司祭であった。竜の教義としては、遺体を大地に返して命の輪環に戻すことも推奨されると考えるが。このまま水葬というのはどうかと懸念する」

ジャン「どちらにしても、死体を担いで探索は続けられないからね。気になるなら、仕事を終えてからのアフターケアってことにすればいい。略式の祈りを捧げて、この場を後にしよう」

アカミドリ「ゴメンなさいね。また、後で迎えに来るから」

 

罠の通路

 

 その後、一行は道なりに進み、途中にあった横道はスルーして、まっすぐクライマックスの大広間への道を突き進んだ。

 そして……

 

GMアスト「奥の方からは、ギャイギャイとゴブリンたちが騒いでいるような声が聞こえるぞ。このまま進めば、ゴブリンの群れの中に飛び込むだろう、と予想できる。さて、ここでも【観察】判定をしてもらおうか」

丸子「18じゃ」

GMアスト「だったら、足元に切れかけた罠が張ってあるのに気付いた。ゴブリンの仕掛けた罠らしい」

丸子「ムッ、どんな罠か分かるかの?」

GMアスト「手仕事判定に成功すれば、罠を解除することで、その仕組みも把握できるようになる。失敗すれば、罠が発動して、その結果として、やはり仕組みが把握できる」

ジャン「とりあえず動かしてみるってことだな。うまく手応えを感じられれば、被害なしで対処できると」

丸子「手仕事判定の基準値は、わらわは10なのじゃが、目標値はいくらじゃ?」

GMアスト「13だ」

丸子「ならば、容易く成功できる。挑戦じゃ。(コロコロ)出目は3。ギリギリセーフ」

アカミドリ「もう、冷や冷やさせないでよ」

丸子「カチッ。おっと、アッキー、そこは危ない、伏せろ」

アカミドリ「え、キャーーって感じでリアクションして、罠を避けた」

GMアスト「発動すると、振り子のように木の杭が何本も飛び出してきて、貫くような罠だ。ちょうど高さが只人の胸に刺さるようになっている。背の低いゴブリンたちは被害を受けないような巧妙な仕掛けだが、運の悪い長身ゴブリンがいたようで、頭部を貫かれて絶命している」

丸子「ふむ。これを仕掛け直して、木の杭の高さを調整すれば、ゴブリンたちの数を減らすのに有効かも知れん」

ジャン「原作では、ゴブスレさんがロープの罠を張って、相手の数を減らしていたな。面白い。やってみよう」

アカミドリ「そんなこと、できるの?」

GMアスト「シナリオには、できると書いてある。斥候技能の活かしどころだ」

丸子「ならば、罠を仕掛け直しじゃ」

GMアスト「もう一度、手仕事判定を」

丸子「出目9。達成値19の罠の完成じゃ。ヒヒヒ、この罠からは、そう簡単に逃れられんぞ」

 

原作知識を思い出す

 

ジャン『さて、今ので原作の罠を思い出したんだが、もう一つ、爆発の仕掛けをゴブスレさんは用意していたんだよな。このままストレートにゴブリンの大群に飛び込むのもいいんだが、せっかくの原作再現シナリオだ。ここは極力、原作の展開を再現してみるというのはどうだろう?』

アカミドリ「どうするの?」

ジャン『作戦1。隠し通路のあると思われる区画で、大きな声を上げて騒いで、ゴブリンの奇襲を誘発する。奇襲してきたゴブリンを逆に待ち伏せして、分断撃破する』

丸子「ふむ、次に?」

ジャン『作戦2。まだ探索していないエリアを調べて、爆発物の罠が仕掛けられないか、探ってみる。少なくとも、未探索のエリアがあるということは、そこにゴブリンが潜んでいる可能性もあるってことだ。その場合、クライマックス戦闘中に、そいつらが背後から襲い掛かってくる可能性が高いわけで。後顧の憂いは先に排除しておきたい』

GMアスト「そいつは、シナリオを読んだ者の発想だな」

ジャン『それもあるが、原作を読んだ者の発想と言った方がいい。とにかく、原作ではゴブリンを雑魚と侮った初心者パーティーが、狡猾な仕掛けにハマって、女神官ちゃんを除いて、ほぼ全滅という憂き目にあっている。だが、百戦錬磨のゴブスレさんは、決してゴブリンを侮ることなく、多勢に無勢という状況を切り抜けるべく、ゴブリン以上に狡猾に、多くの罠を仕掛けて目的を達成した。

『つまり、俺たちは初心者パーティーらしくロールプレイすることもできるし、ゴブスレさんらしいロールプレイをすることもできる。前者を選べば、俺たちは窮地に陥るシナリオだし、だからと言って、切り抜ける手段がないわけじゃない。何しろ、これは原作者が作ったシナリオだからな。原作を踏まえていれば、クリアしやすくできているはずなんだ』

GMアスト「さっきから、学術騎士ジャンの発言ではなくなっているんだが」

ジャン『フッ、今の我はジャンではない』

GMアスト「何だと?」

ジャン『我が名は知識神。今は信徒の身に入りて、汝らに策を授けておる』

アカミドリ「え? まさかの神ロールプレイ?」

ジャン『うむ。このままだと、汝らは13体を越えるゴブリンとの乱戦になり、数の暴力で圧倒される未来が見えた。たった4人で13体以上のゴブリンの群れを相手にする乱戦を、ひたすらダイスの振り合いで延々と描くだけのリプレイ記事など、書く方も、読む方も退屈であろう。知識や学問は、未来を輝かせるためにある。ゲームは、プレイヤーを楽しませるためにある。決して、不毛な諍いを延々と続けるためのものではない。それゆえ、ここからクライマックスの乱戦にいきなり突入するような愚を、犯さぬよう警告するまでだ。後は、汝らの才覚で現状に対処するがいい』

 

ジャン「ハッ。今、何やら意識が飛んでいたと思うんだけど、ぼくはどうしていたんだ? 何やら神のお告げを聞いたような気がする」

丸子「何を白々しいことを(苦笑)。神のお告げロールプレイとは、笑わせてくれるにも程がある」

用心棒「プレイヤー知識を、『神のお告げ』と称して活用する聖職者プレイでござるか。珍しいものを見せてもらった」

アカミドリ「まさか、学術騎士ジャンってこのまま神に選ばれし救世主キャラとして、プレイし続けるの?」


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GMアスト『ケピッ。さすがはマスターNOVA。神のロールプレイをして、場をかき乱すなんて、シナリオには想定外の事態なので、アストが混乱して、どう対応していいのか判断がつかなくなって、意識を失ったであります』

NOVA「だったら、ここで休憩だな。俺も知識神のロールプレイが本当にこれでいいのか、自信が持てないでいるし。もしかして、間違って覚知神のロールプレイをしてしまったのではないか、という気もするし」

ヒノキ「何だかんだ言って、バトルが、バトルがやり足りないのじゃ。次こそはバトルを」

晶華「確かに弓は一回も撃ってないわね。観察判定は何度かしたけど」

NOVA「お前が、バトルにならないルートばかり選んだからじゃないか」

晶華「ダイスでランダムに選んだ結果よ」

ゲンブ「おかげで、我の出番がほぼ皆無でござる」

NOVA「次回は、どう進んでもバトルからは逃れられない。戦って生き延びないとな」

(当記事 完。無事にリプレイ4話に続く)