花粉症ガール・翔花伝

会話リプレイ形式の「精霊娘主役の物語」。特撮・怪獣ネタやTRPGネタも絡めたり。

スペースG(新・屋久島編その4)

ダブルG、相対す

 

   復活したスペースGの生み出す結晶の侵食を受けている、屋久島の地。

   その地の守護者として活動していたセイリュウは、リトルシーサー・シロの発動した1万ボルトの電気パワーを「雷電吸引の極意」で己の力に変えて、スペースGの結晶エリアを突破するのに成功した。

   奴に囚われた息子のリトルGを取り戻すために、そして島に宿る大地母神ガイアの力を守るために、セイリュウは己の悪しき分身であるスペースGに今こそ挑むのだった。

 


大怪獣 スペースゴジラ

 

スペースG「ほう。我が結晶エリアを突破したか、我が兄弟よ。老いた体にしては、よくやったと褒めておこうか」

セイリュウ「貴様のような紛い物に、兄弟呼ばわりされる覚えはないわ。今こそ、息子のリトルを返してもらうぞ」

スペースG「まあ待て。我らの体を構成するG細胞の声を聞くといい。G細胞は総てを司る神の力。この王たるG細胞を、母なるガイアの力と融合させれば我らGの一族は、何者にも負けないモンスターの王として君臨できる。それこそが我らの本懐と言うべきではないか。そのために、我は暗き宇宙から降臨してきたのだ。全てのG細胞を一つにまとめるためにな」

セイリュウ「そんなややこしい理屈は知らん。わしはただ強い敵と戦うのみ……そう思って、荒んでいた時期は確かにあったな。だが、目的もなく荒れ狂うのを、モスラが諌めてくれた。あやつはまだ幼き身ながら、宇宙から来た侵略者に立ち向かって見せた。その心意気に惚れたゆえ、我は共に強敵ギドラに挑んだのだ。そして、わしは知った。この美しい地球を、宇宙の侵略怪獣から守ることこそが我の使命だとな。その後、何度か生き方に迷うこともあったが、その度にモスラはしつこくわしを諌め、道を示してくれた。そう、命の結ぶ絆、生命の輪廻、自然を守る意義という奴をな。わしは自分だけが絶対的な神として君臨することを望まん。強き者は戦い、弱き者を守り、鍛えて次代につなげる進化と継承の儀。それこそが、わしの得た結論なのだ」

スペースG「進化と言ったか。ならば、我こそが進化の究極体。G細胞と宇宙細胞が一つとなって、総てを凌駕するのが我が使命。そなたも我が取り込んでやろう。すでに、そなたの息子も我の一部となった。大人しく我の軍門に下るといい。全てのGは我が力となるのだ」

セイリュウ「そうはさせん。息子はまだ生きている。わしには分かるぞ。貴様の中で今なお足掻き、戦っているのが感じられる。ならばこそ、邪悪な根源的破滅招来体たる貴様は、ガイアに代わって、わしが倒す。この最期の力でな」

スペースG「やれやれ、話すだけ無駄であったか。所詮は下等な地球怪獣。力だけは強くても、宇宙の真理と正義というものを理解せぬ。ならば、力には力をもって、食い尽くすのみ」

 

   こうして、屋久島の命運をかけて、いや地球の未来をかけて、2体のGが激突するのであった。しかして……

 

白き稲妻 

 

   青と赤、二条の火花が幾たびも激突し、雷鳴のような咆哮が響き渡る戦場に向けて、白き影、いや、疾風が今、駆けつけようとしていた。

 

シロ「空気の向こうにビリビリ感じられる。セイリュウが戦っているんだ、スペースGと。急がないと。全てが手遅れになる前に。父さんのこと、決着はきちんとつけるんだ。そのために、ずっと鍛えて磨いた力と技を、ぶつける相手が死んじゃったら、何のための修行だったんだ。だから……間に合ってくれ!」

 

   しかし、戦場へ急ぐシロの前に、障害が立ち塞がった。

 

シロ「これは、以前に固められそうになった凍結水晶の森。セイリュウの火炎で燃やされた痕跡が残っているけど、時間が経って、また固まったみたいだ。ここを突破しないと、戦場にはたどり着けない。だけど、以前は無理だった。結晶の侵食スピードよりも早く駆け抜けることができるのか?  空が飛べたらいいんだけど、ボクには翼がない。ボクにあるのは2本の足と、身に帯びし電気の力。これで何とかなるのか?」

翔花(それだけじゃないよ、シロちゃん)

シロ「翔花!  どこにいる?」

翔花(ん〜と、近くまで来ているはずなんだけど、もう少し時間が掛かるかな。たぶん、次の回には登場できると思う。それまではシロちゃんが主役だから、自分の力で頑張るしかないの。だけど、大丈夫。シロちゃんには究極の力が宿っているから)

シロ「究極の力?  何だ、それは?」

翔花(それは勇気よ)

シロ「勇気だって?」

翔花(そう、「確率など目安に過ぎん。足りないところは勇気で補え」ってGGGの長官が言っていた。加速装置の性能で負けていても、「最後の武器は勇気だ」ってサイボーグのジョーさんも言っていた。恐れていてはダメだ、と心に誰かのメッセージ♪    宇宙の青いエメラルド、地球に悪の手が伸びるんだから、シロちゃんは悪を滅ぼす風になって)


アニぱら音楽館 #242  超電子バイオマン

 

シロ「そのためには、5つの愛が集まらないと」

翔花(シロちゃん、私、KPちゃん。これで3つだね❤️)

ガイア(愛が必要なら、私も母なる大地の想いを送るとしましょう、獣の巫女よ)

シロ「精霊の声と、大地母神の声。それを心で受け止めることができるのが、巫女の能力か」

ガイア(そうです。そなたには獣の声、そして、そなたを想う神霊の声を聞き取る才が秘められていたのです。そういう感受性の強さこそ、巫女たるに必要なもの。そして、そなたを呼ぶ声はもう一つ)

謎の声(モスラに選ばれし者よ、お願いです。父さんを助けてください)

シロ「この声。前に、ボクに助けを求めてきたものか。もしかして、セイリュウの子リトルなのか?」

リトル(はい、そうです。ぼくはスペースGの体内の結晶に囚われ、力を吸われ続けています。頑張って抵抗は続けているんだけど、それももうすぐ限界になりそうで……。セイリュウ父さんは、ぼくを助けようと懸命に戦ってくれていますが、ぼくがスペースGの中にいるために本気で攻めきれなくて、このままだと力尽きてしまう。お願いです。父さんを助けて。そのためなら、ぼくはどうなったって構わない!)

シロ「……バカを言うな。セイリュウは何のために戦っている?  お前のためだろう?  お前がどうにかなったら、セイリュウの戦いも無意味になってしまう。 お前がセイリュウの子なら、決して諦めるな。誰かに助けを求めるんじゃなくて、お前自身も戦うんだよ。ボクはシーサーの子、リトルシーサーのシロ。だけど、ボクには父さんがいない。死んだ父さんの後を継ぐため、懸命に修行した。ボクは人に助けを求めるだけの甘えた奴は嫌いだ。だから自分が強くなる。力を求めて、自分の限界を越えようとする。自分の弱さに負けない心が勇気。そして、勇気を支える絆こそが愛。お前が父さんを愛しているなら、その愛を勇気に変えて戦うんだよ!」

リトル(シロさん……)

シロ「ボクも戦う。愛や勇気を蝕む凍結結晶なんかには負けない。ボクには、ガイア様から授かった『令和の光』がある。獣の巫女から、野獣の皇子(プリンス・ビースト)にアグレシッブ・チェンジする。ボクにあるのは2本の足だけじゃない。手も含めた4本の肢だ。やっってやるぜ!」


超獣機神ダンクーガ OP [STEREO]


Seijuu Sentai Gingaman - Official Opening Theme and Theme Song | Power Rangers Lost Galaxy

 

    その時、シロの肉体に変化が生じた。

    稲妻のような電流が走るとともに全身を白い獣毛が覆い、ネコ耳少女から四足のネコ科の成獣に育つ。

   これぞ、プリンスシーサー、その戦闘形態である。

   地上を最速で走るチーターの如きスピードで、凍結結晶の森を駆け抜ける一陣の風。

   それこそ、バイプレイ・アコライト(側仕えの従者巫女)から新たな称号プリンス・ビースト(大地の神獣皇子)へと至る覚醒段階だった。

 

師子の絆 

 

スペースG「フフフ、年寄りにしては粘ったようだが、その満身創痍。もはや力尽きるのも時間の問題のようだな」

セイリュウ「クッ、命を燃やして、奴もろとも自爆を図れば倒せるかもしれんが、それでは奴の中の息子ごと吹き飛ばしてしまう」

スペースG「心配するな。我がそなたの体を吸収すれば、永遠に我の中で、息子と共にいられよう。さあ、大人しく我が軍門に下るといい。共にG細胞の奏でる新世界の支配者となろうではないか。お前の息子も、我の中でそうだそうだと言っている」

セイリュウ「そんなことを息子が言うものか。勝手に捏造するな」

スペースG「おっと、これはどこかの飛行怪獣のセリフであったか。しかし、あやつの方が頭は良かったのかもしれんな。確かファイナルウォーズの時は、大人しくエイリアン・エックスの軍門に下り、そなたと戦ったそうではないか。強い者に尻尾を振る生き方も、機を見て敏と呼べるのかもしれんぞ」

セイリュウ「おのれ、我が友スザクを愚弄するか!  地球怪獣の誇りにかけて、貴様のような紛い物には決して媚びぬわ。それこそGの生き様って奴よ」

スペースG「誇りなど、真の強者の前では虚しきものよ。だが、よかろう。我を紛い物と嘲るならば、本物を倒して我こそ新世代のG、怪獣王(キング)にして破壊神の名を勝ち取るとしよう」

 

   その時、両者の間を白い稲妻が駆け抜けた。

 

白虎「ふう、どうやら間に合ったようだな」

セイリュウ「お前、もしや……」

スペースG「何者だ!  G同士の王位決定戦に乱入する不届き者は!」

白虎「王位決定戦だって?  それなら野獣の皇子(プリンス・ビースト)である、このオレサマにも参戦する資格は十分あるわけだ」

スペースG「皇子だと?」

白虎「そう。琉球を守護するキングシーサーこそ、オレサマの父親だ。お前のような宇宙から迷い込んで来た他所者とは、格が違うってものよ」

セイリュウ「やはり、乙女であったか。ずいぶんと様変わりしたようだが……」

白虎「あんたの燐光一閃を食らって、瀕死の重傷を負わされたからな。ガイア様に力を授かって、復活と覚醒を遂げたって寸法よ。こうなることが、あんたの思惑どおりだったんだよな」

セイリュウ「いいや、思惑など関係ない。わしはただ、お前を利用して、スペースGに挑めるだけの力を奪ったまでよ。あれで死のうが、お前の力不足。だが、こうして戦場に駆けつけてきたところを見ると、運命がお前を選んだと言うことか」

白虎「そういうことだ、師匠。それに引き換え、あんたは随分とボロボロじゃねえか。オレサマから力を奪っておきながら、そのザマとは、かつての怪獣王の名が泣くぜ。そろそろ引退を考えた方がいいんじゃねえか」

セイリュウ「小娘ごときが言いよるわい」

白虎「小娘じゃない。今のオレサマは女を捨てたんだ。プリンセスじゃなくて、プリンスになるためにな。兜をかぶったメスライオンじゃなくて、白いたてがみのオスライオンこそが目指す道。だから、二度と乙女とか小娘って呼ぶんじゃねえ」

セイリュウ「良かろう、次世代のシーサーよ。だが、このスペースGとの決着は、わしがつける。それが息子を奪われた父の想いってものよ」

白虎「いいや、あんたはそこで黙って見ていろ。奴の中のリトルには、オレサマが頼まれたんだ。あんたを助けてやってくれってな。父親を慕う子の想いってものは、痛いほど分かる。だから、これはオレサマの仕事なんだ。それに、親父の敵討ちって意味では、親父を操った宇宙侵略者の方が罪が重い。親父の仇がGであり、宇宙人であるならば、宇宙から来た紛い物のGこそ文句なしの仇だぜ」

セイリュウ「そうか。ならば、共に戦うとしよう。思い起こせば45年前、そなたの父親と共に機械仕掛けの紛い物と戦ったこともあったな。銀色の奴も、確かブラックホールの名を持つ宇宙人の尖兵だったか」


メカゴジラのテーマ

 

   こうして、アグレッシブに心身ともにビーストチェンジしたシロこと白虎は、師匠のセイリュウと共に、スペースGに挑むのであった。

   果たして、この戦いの行方やいかに?

 (当記事 完。「新・屋久島編その5 翔花降臨」につづく)