2巻購入
NOVA「最新10巻を読了したので、興味持続のまま2巻を購入したぞ。表紙が妖精弓手ちゃんなのもマイ萌え要素だな」
晶華「今のNOVAちゃんは、ゴブリンスレイヤーに夢中、と」
NOVA「まあ、本当はロードスに夢中になる予定だったんだが、新刊が遅れているものな。なお、昨年はこの時期、文庫版岳飛伝やグランクレストの完結で盛り上がっていたが、やはり春から初夏は読書欲が高まる感じだな。
「ゴブスレの面白さは、濃厚なTRPGネタとゲームブックネタとファンタジー小説ネタをブレンドしつつ、ゴブスレさん自身はハードボイルドキャラを貫き、周囲の冒険者が程よくマイルドなところ。そして、ゴブスレさん自身は決して無双キャラではなくて、泥まみれで戦うところだな。なお、タイトルだけ知った時は、もっと軽い内容だと思っていたので、TRPGのルールやリプレイを読んで、思ったよりもハードでシビアな物語と感じたから読むに至ったわけで」
ヒノキ「10巻の感想は?」
NOVA「シャドウランのネタが目立つな、と感じた。女神官ちゃんの育てられた地母神殿に風評被害が出て、その噂に心傷つく彼女を助けるために、冒険者は何ができるか? という話。ゴブスレさんはゴブリン退治しかできないと言いながら、今回は街での陰謀解決、つまりシティーアドベンチャー展開だな。師匠の盗賊関係のツテで闇の仕掛け人(ランナー)と接触して、噂元の商人が混沌勢力と手を結んだことを突き止め、陰謀打開に動いているうちに、最後は混沌勢力との大決戦。その影で、ゴブスレさんは相変わらずゴブリン退治のクライマックスだ」
晶華「結局、ゴブリン退治なの?」
NOVA「ああ。どんなに背景で複雑な物語や、派手なバトルが繰り広げられていたとしても、ゴブスレさん自身はゴブリン退治のクライマックスでブレないんだな。その物語の収束のさせ方が様式美だと感じ始めている。毎回、作者は『今回の話は、ゴブリンが出たのでゴブスレさんがゴブリン退治をする話でした』と後書きで書いているようで、それでよく10巻も続けて来れたなあ、と感心する」
ヒノキ「それで今は2巻を読んでいるのじゃな」
NOVA「いや、過去編の外伝イヤーワンを先に読んでいる」
ヒノキ「どうして、そんな変則的な読み方をするのじゃ?」
NOVA「いや、気になるじゃないか。ゴブスレさんみたいな変わり者のオリジン(起源)って。イヤーワンってサブタイトルもバットマンのコミックが元ネタで、琴線に触れたし。とにかく、TRPGルールブック→原作1巻→10巻→イヤーワン→2巻という順番で読むのが、俺のファンタジーと主張してみる」
ヒノキ「まあ、新兄さんが楽しんでいるなら別にいいがな。それより、読み終わったら、わらわにも貸すこと」
晶華「あ、私も読みたい!」
ヒノキ「そなたは後じゃ。先にロードスの旧巻でも読んでおれ」
晶華「NOVAちゃんの持っているのは全部読んだもん」
NOVA「だったら、ゲームブックのソーサリーでもやっておけ。ゴブスレを堪能するには必読本だ」
晶華「そんな古い本がどこにあるのよ」
NOVA「俺の本棚にあるぞ。まあ、今度、AFFでもシナリオ集が出るらしいが。安田社長がツイッターで宣伝していた。ゴブスレ10巻でも、マンティコアを相手するのに、WALの魔法壁で閉じ込めるというのはソーサリーネタな。というか、女神官ちゃんの使う聖壁の呪文も、WALオマージュと思われ。とにかく、俺が初めてマンティコアというモンスターを知ったのは、ソーサリーだし。もうゴブスレを語るだけで、レトロなRPGやゲームブックの話ができるのは楽しい」
のんびりキャラ作り(まずは種族)
ヒノキ「昔話はさておき、そろそろRPGの話に参ろう。ここにいる4人でキャラを作るのじゃ」
NOVA「そうだな。TRPGを理解するには、まずはキャラを作らないと。最近のゲームはサンプルキャラが設定されていることが多いから、それを見ているだけでもイメージが湧くが、やはり自分であれこれ選択する楽しみも捨てがたい。では、最初に何をするんだ、ヒノキGM?」
ヒノキ「どうしても、わらわにGMをさせたいようじゃな。新兄さんは」
NOVA「いや、リアルだとGMばかりだからな、俺は。妄想ブログの中ぐらい、プレイヤーをやりたいわけよ」
ヒノキ「では、まずは種族を選ぶのじゃ」
NOVA「俺は、当然、人間だな」
ヒノキ「そんな種族はない」
NOVA「ないのかよ!」
ヒノキ「何をボケたことを。ゴブリンスレイヤーの四方世界では、俗に言う人間は只人(ヒューム)と設定されておる」
NOVA「ああ、エルフもドワーフも人だもんな。それぞれ森人と鉱人。ところで、この世界で妖精というのは、どういう扱いなんだ? ロードスなどのフォーセリアでは、エルフもドワーフもグラスランナーも妖精扱いだが、今のSWでは違っているし、だけど妖精弓手はエルフだし」
ヒノキ「彼女は厳密にはハイエルフじゃがな。ただのエルフは森人で、ハイエルフは妖精の末裔という噂がある。よって、ハイエルフに限って妖精と呼称されるのではなかろうか」
NOVA「う〜ん、その辺はもう少し原作小説をチェックしないとな。ともかく、俺は只人。他の種族は、森人(エルフ)と鉱人(ドワーフ)と……」
ヒノキ「圃人(レーア)が、いわゆるハーフリングやグラスランナー相当の小人族じゃな」
晶華「令和?」
NOVA「レイワじゃねえ、レーアだ。まあ、俺は日本語でホビトと読むのが通だと思うがな。圃(ほ)を畑の意味に解釈して、ホビット=圃人という種族にしたのは、洒落が効いていて、いいなと思う」
晶華「ハーフエルフは?」
NOVA「一応、物語には普通に登場しているが、ゲーム上のデータは只人か森人のどちらかを好きに選んでくれ、とある」
晶華「だったら私は森人寄りのハーフエルフをやるよ。花粉症ガールは精霊だけど、父親は人間のNOVAちゃんだものね」
NOVA「別に、ゲームのキャラは自分に合わせなくてもいいんだぞ」
晶華「だけど、ブログ上では花粉症ガールというキャラで定着した私が、今さらドワーフを演じても、読者さんが混乱すると思うの」
ヒノキ「好きにすればいいじゃろう。そしてプレイヤーキャラに使える最後の種族は、蜥蜴人(リザードマン)」
ゲンブ「現SWのリルドラケンだな。それは我が担当しよう」
NOVA「やあ、ゲンさん。やっと口を開いたな。読者の人が『いたのかよ!』とツッコミを入れる前に言っておくが、さっきから存在感がありまくりなんだよ。寡黙なのに、そこにいるだけで空気が変わるのは、ゴブスレさんの如しだな。俺と晶華は、もう慣れたから普通に振舞っているが。じゃあ、ゲンさんはゴブスレさんみたいなキャラを作ること」
ゲンブ「いや、ゴブリンスレイヤー殿は只人であるから、新星殿が担当すべきであろう」
NOVA「俺が? いやいや、俺の役割は魔法使いだから、前衛戦士って柄じゃないし。むしろヒノキ姐さんがドワーフをやって、前衛を担当してもらえば」
ヒノキ「わらわは、圃人(レーア)がいいのう。令和だし、主人公の師匠ってのも気に入った」
NOVA「そう来たか。一応、四方世界には他に、獣人(パットフット)や鳥人(ハルピュイア)、蟲人(ミュルミドン)、闇人(ダークエルフ)といった亜人種が設定されているが、プレイヤーキャラ用のデータは追加ルール待ちだな。基本ルールの範囲では、旧版ソード・ワールドやロードスの種族に蜥蜴人を足したもの。蜥蜴人はゴブスレさんのパーティーにチーズ好きの武闘僧侶がいるから採用された形だ」
能力値決めと判定ルール
ヒノキ「基本能力値は種族によって決まる。固定値が設定されておるが、GMが認めればランダムでダイスを振ることも可能」
NOVA「ランダムと言っても、1D3だから振り幅はそれほど大きくないんだな。試しに振ってみよう。体力点はD3プラス1で、D6で4が出たから、半分して2の足す1で結局3。魂魄2、技量3、知力4。ここまでは平均より上か。次の第2能力値が本作の変わったルールだな」
ヒノキ「集中、持久、反射の3つで、第1能力値の4つと組み合わせて判定に用いる」
NOVA「順に、短時間の能動的な行動、長時間の行動維持、瞬発的な受動的行動って感じだな。俺は集中2、持久3、反射1と出た。平均が2、4、2だから、こっちは平均以下」
ヒノキ「組み合わせると、体力集中5、体力持久6、体力反射4。魂魄集中4、魂魄持久5、魂魄反射3。技量集中5、技量持久6、技量反射4。知力集中6、知力持久7、知力反射5となる」
NOVA「扱う能力値の種類が4×3で12種類。ソード・ワールドが副能力値を足し合わせて、判定で用いる主能力値を6種類にまとめたのに対し、こちらは個々の能力値を組み合わせて数を拡散させたことになる。例えば、面白いブログ記事を書くための判定ってどうすればいい?」
ヒノキ「そんな局面が、冒険中にあるのかの?」
NOVA「とりあえず、体力じゃないよな。意志力や魅力が魂魄で、知識は知力だが、ここは面白さの意味合いをコミカルなギャグセンスではなく、インタレスティングな情報価値と判断して、知力を選ぼう。問題は、集中か持久のどちらを選ぶかだが」
晶華「反射じゃないの?」
NOVA「お前は、反射神経でブログ記事を書くと思っているのか?」
晶華「だって、NOVAちゃんは思いつきの条件反射で、どんどん記事内容が脱線していくのが持ち味じゃない」
NOVA「知力反射の例に挙がっているのって、とっさに危険に気づくとか、相手の嘘を見破るとか、相手の発言のミスや矛盾に気づくとか、そんな感じだぜ。つまり、人のミスに気づいてツッコミを入れるのが知力反射じゃないかな。原稿書きだと、自分の原稿を推敲するのに役立ちそうだが、推敲する前の元原稿を書くのは、知力集中だと思う」
晶華「知力持久は?」
NOVA「そりゃ、膨大な原稿を飽きずに書き続けることだろう。一日何時間か頑張って記事書きするのは知力集中で、毎日コンスタントに記事書きを続けてネタを持続させるのが知力持久。ブロガーや短編小説を書くのは前者で、連載記事を続けたり長編作家に必要なのが後者。そして、記事にコメントを入れたりするのが知力反射ってことでどうだろう?」
ヒノキ「GMに必要なのは?」
NOVA「シナリオ作るのが知力集中で、テストプレイをしてシナリオ手直しするのが知力持久、実際にプレイヤーの対応をして場を盛り上げるのが知力反射ではないかな」
ヒノキ「場を盛り上げるのは、魂魄集中だと思うのじゃが、まあいい。では、この記事がうまく書けたかダイス目で決めるとしよう」
NOVA「何だと?」
ヒノキ「わらわがGMじゃ。さあ、知力集中に2D6で判定せい」
NOVA「うう。俺の知力集中は6だが、ダイス目は(コロコロ)6か。どうやら、この記事は俺にとって平均よりやや低い内容らしい」
ヒノキ「合計12か。難易度としては簡単。職業や技能を習得しているなら、たいてい成功する程度じゃ」
NOVA「って言うか、素の能力しか使ってないよな。俺のブログ書き技能とかゲームライター技能とか、そういうのを足したらもっと増えないか?」
ヒノキ「お前さんのそういう関連の技能はどれくらいかの?」
NOVA「ええと、ゴブリンスレイヤーRPG的には、初歩ってことはないと思うので、習熟か熟練のどちらか。職人系の技能は、習熟だとプラス2、熟練だとプラス4なので、14から16ぐらいか」
ヒノキ「間をとって、15だと普通の作品ということじゃな。可もなく不可もなく」
NOVA「うう。この記事をもっと面白いものにするにはどうすればいいですか?」
ヒノキ「時間を掛けて推敲すれば、知力持久7で、もう一度ダイスを振らせてやろう」
NOVA「じゃあ、そうします。(コロコロ)7出た。能力加えて14。さらに技能分足して16から18ぐらい?」
ヒノキ「18だと、やや難しいレベルの成功。記事の評価としては、普通よりもやや面白いと言ったところか。まあ、この記事の実際の評価を決めるのは、ダイス目ではなく、これを読む読者一人一人の感想じゃがの」
NOVA「つまり、読者さんの心のダイス目に掛かっているわけだな。俺の記事を読んで、2D6でクリティカルな12の出目を出した読者にとっては一大傑作な内容ということになる」
晶華「だけど、1ゾロを出せば能力や技能に関わらずファンブルだよ。そんな時はどうするのよ」
NOVA「読者の不幸なダイス目なんて、俺が知るか。せいぜい経験値50点を稼げたことを喜ぶんだな」
ヒノキ「残念ながら、ゴブリンスレイヤーにはファンブルを振って、経験点をもらえるようなルールはない」
NOVA「何だと? だったら、俺の記事を読んでファンブった不幸な読者をどうやって助けたらいいんだ?」
ヒノキ「そういう時のために、因果点のルールがある。因果点をうまく使えば、経験点も得られるのじゃ」
NOVA「おお、素晴らしき因果点。どんなルールなんだ?」
ヒノキ「それはの……」
晶華「ねえねえ、NOVAちゃん。今はキャラ作りに専念しようよ」
ヒノキ「……ということで、続きは次回じゃ」
ゲンブ「こんなことでは、キャラが完成するのはいつの日になることやら」
(当記事 完)