前置きゴブスレII(第5話)と、ホワイトソウルの伏線
リモートNOVA『今夜はゴブスレ6話だが、その前に何とか5話の感想を少しでも書いておきたい』
ヒノキ「それはいいのじゃが、突然、シロを自分の塔に引きずり込んで返さないとは、どういう了見じゃ?」
NOVA『ああ、ホワイトソウルのためですよ』
ヒノキ「ホワイトソウル?」
NOVA『まさか、忘れたとは言わないでしょうね。怪獣王の魂から生まれたブルーソウル、翔花のグリーンソウル、リトル君が去年ゲットしたレッドソウルに続き、次はシロ君がホワイトソウルを生み出すのが「本ブログ時空の花粉症ガール創作物語の骨子」だったはず』
ヒノキ「7つに分かれたソウルを集めるために、TRPGその他の試練で成長して、魂の位階を高めるとか、そんな設定じゃったか」
NOVA『そうです。来年はゴジラ誕生70周年。それまでに、残り4つのソウルを集めるのが美しい、と俺の創作脳が突然、機能しました』
ヒノキ「残り4つとは、ええとシロから生まれる予定のホワイトソウルと?」
NOVA『晶華の中に秘められたシルバーソウル。そして、最後に出現する予定のギドラの力を宿したゴールドソウルまでは分かっているのですが、6つめがいまだに謎です。何か良いアイデアありませんかね?』
ヒノキ「おい、作者。何をメタなことを言うておるか。とりあえず、青=ゴジラ、緑=モスラ、赤=リトルゴジラwithラドン、白=シーサーに縁ある魂石なのは分かっておるが、シルバー予定のアッキーは何の怪獣に対応しておるのじゃ?」
NOVA『それも未定ですね。当初は、翔花がモスラなら、双子の晶華はバトラかな、とも思ってましたが、どうもシルバーという色とは結びつかないし、銀だとメカゴジラかな、とも思いましたが、そちらも晶華とはつながらないですし、現在、うまくつながる何かがひらめくのを待っている最中。それはともかく、シロ君のホワイトソウルは、「シロ君が俺のWhite NOVAの魂と共鳴したときに覚醒する」というアイデアが思い浮かんで、その手段として俺の代わりに妖精郷のGMをすればいいのでは? という創作神の囁きが突如、聞こえました』
ヒノキ「それは、ただの気まぐれとは言わんか?」
NOVA『創作神の囁きと、気まぐれは紙一重です。気まぐれな思いつきに、整合性ある形が構築された際に、必然性のあるアイデアとなって、ピタリとパズルのピースが当てはまる。それこそ、正にミューズのご加護あればこそ、ですよ』
ヒノキ「では、新たなソウルの覚醒のために、シロにGMの試練を与えようということじゃな」
NOVA『反対ですか?』
ヒノキ「いいや。シロがわらわのためにGMをしてくれるようになれば、わらわだってプレイヤーとして楽しめる。ならば、多少の粗食にも甘んじよう。まあ、シロのデザートが欲しいときは、呼び戻すこともしようがのう」
NOVA『では、後づけながら話もまとまったところで、ゴブスレ感想です。まあ、5話は7巻の始まった段階で、原作を知る身にはこれと言ったサプライズもなく、無難に続いた形ですね。今夜のヒロイン4人の水着回を楽しみにしつつ、剣の乙女のポンコツ化がアニメオンリーの視聴者の話題に挙がったことでしょうか』
ヒノキ「原作では、3巻、6巻と間章でゴブスレ氏に恋心を寄せる彼女の違う方向への壊れっぷりの伏線が張られておったが、アニメではそういう途中経過を割愛しておったからのう」
NOVA『魔神王を倒した六英雄の一人にして、水の街の大司教という公式な立場で見せる大人らしい気品と、その内面でゴブリンに怯えて悪夢にうなされる幼児っぽさ、そこから解放されて、年下ながら外見では年齢不詳のハードボイルド鉄仮面に不意に湧き上がった恋情というギャップ萌えが彼女の魅力……と言えるのかな。俺にはよく分からん』
ヒノキ「お前さんは、確か妖精弓手のファンじゃったな」
NOVA『ええ、原作6巻での彼女の名シーンがアニメではほとんど割愛されて残念な想いもあったのですが、7巻では彼女にスポットが当たるので、今夜を楽しみにしている黒曜等級のゴブスレファンですよ』
アーティフィサーの能力
NOVA『では、改めてアーティフィサーです。アーティフィサーは魔法技師、魔法と探索能力の得意な比較的万能な職業だと話しました』
ヒノキ「それと銃器の話じゃな。ゴブスレやガッチャードと絡めたりしながら、すでに2回の研鑽を行なっておる」
NOVA『サブクラスを持たないアーティフィサーの素の能力をまとめると、以下のとおりです』
5版アーティフィサーの能力
●レベル1
・魔法の小発明:超小型サイズの物品に以下の魔力のどれかを付与できる。
「明かり」「録音メッセージの再生」「匂いや音を放つ」「視覚的効果の投影」
・呪文発動:最大5レベルまでの専用呪文を発動できる。
●レベル2
・魔具化:アイテムに各種の魔法効果を付与できる。
●レベル3
・仕事道具作成:作業に必要な道具を自力で魔法的に生成できる。
●レベル6
・道具習熟強化:道具習熟のボーナスを2倍にできる。
●レベル7
・天才のひらめき:自分や仲間の能力値判定やセーヴィング・スローに、知力ボーナスを与えて成功率を上昇させる。
●レベル10
・魔法のアイテムの名匠:同時に同調できるマジックアイテムの数が通常の3から4に増え、コモンおよびアンコモンのマジックアイテムの作成にかかる時間が通常の4分の1、金銭費用が2分の1になる。
●レベル11
・呪文蓄積アイテム:武器や職人道具に1〜2レベル呪文を封じておき、誰でも発動可能にできる。
●レベル14
・魔法のアイテムの碩学:同時に同調できるマジックアイテムの数が4からさらに5に増え、クラスや種族、レベルなどの制限を越えて全てのマジックアイテムを使用できるようになる。
●レベル18
・魔法のアイテムの達人:同時に同調できるマジックアイテムの数が5からさらに6に増える。
●レベル20
・技術魔法の神髄:マジックアイテムとの絆を構築し、同調しているマジックアイテムの数だけST判定にボーナスを得る。また、HPが0になったけど死ななかった際にも、アイテムの魔具化を1つ終了することで、HPを1にして意識を失うことを免れる。
ヒノキ「これを見ると、アーティフィサーの本質がマジックアイテムの専門家であることがよく分かる」
NOVA『ええ。したがって、マジックアイテムに関するルールをいろいろと参照しなければいけないのですが、マジックアイテムのルールはPHBには載っていなくて、DMガイドにあるんですね。よって、アーティフィサーがルールを使いこなすためには、DMガイドを読むか、DMから特別レクチャーを受ける必要があるわけです』
ヒノキ「アイテムの作成や、同調のルールを教えてくれぬか?」
NOVA『同調は簡単です。ポーションや武器+1などのよくあるアイテムは使用者を選ぶことはありませんが、リング・オブ・プロテクション(守りの指輪)とか強力なアイテムには使用者との絆を必要とするものがあるのです。アイテムに自分が主人だと認めさせる儀式を同調と呼びますね』
ヒノキ「アイテムとの間に生じる絆か」
NOVA『たとえば、魔法の剣を入手した後、それが同調を必要とした場合、剣を馴染ませるために1時間ほど試し振りしたりして、剣の持つ力や癖を確かめる作業を行うわけですね』
ヒノキ「拾ったその場で本領発揮というわけにはいかないのじゃな」
NOVA『普通に剣として使うことはできるのでしょうが、剣に秘められた魔力を発動するのに同調が必要なのですね、一般的には』
ヒノキ「一般的……ということは例外もあるのじゃな」
NOVA『ええ、DMが物語の都合で「普通は時間をかけた同調が必要なアイテムを、いきなり使いこなすとは、奴は一体? まさか、伝説の勇者だとでも言うのか!?」といったような特別な話を演出したいなら、そういうのもありでしょう。あくまで、ルールの壁を突破した現象ということで』
ヒノキ「うむ。ルールの壁を突破するとは、その世界でのルールに詳しいキャラがいて、その世界のルールが読者や視聴者にもきちんと認識されていることが必要じゃな」
NOVA『ええ。まあ、いきなり凄い主人公を演出的に見せて、後からそれがどれだけ例外的な現象かを解説するキャラに語らせるという手もありますが。そして、例えば主人公の凄さを語らせるのに、一般人視点で凄いと言わせても、読者には凄さが伝わらない。80年代なら、それでも十分だったのかもしれませんが、21世紀にそんな演出を見せても古臭いというか、世間の価値観のインフレには付いて行けてません』
ヒノキ「武芸の凄さを演出するには、騎士団長とか元格闘技チャンピオン辺りの肩書きを持つ者が『何だ、この少年の技は? 若くして、これほどの武術を身につけていようとは、どんな師に就いたというのか?』とか、そんな感じかのう?」
NOVA『まあ、旧世紀で少年主人公の凄さは、大体、隠遁した凄い師匠の教えを受けた天才であって、その後、その天才の秘密が何らかの血筋によるもの、というストーリーに展開され、師匠の技と血筋に起因するものと本人の努力を組み合わせた究極奥義がラスボス退治の切り札となるわけで。ただ、近年は異世界転生もので、以下の要素が観察されますが』
●神さまから与えられたチート能力、天賦の才。
●転生先がゲーム世界なら、外の世界視点のゲーマー知識、攻略本に基づくデータや裏技、バグ技使用。あるいは攻略済みのゲームの展開を知っているが故の予見および事前対策の才など。
●世間一般からは残念能力とされる才能の意外な活用法。あるいはゲーム以外でも、転生前の現代世界の知識や経験を、文明レベルの未発達な中世風ファンタジー世界で活用する方法。
ヒノキ「そこに、周りの仲間のサポートや精神的絆が加われば、申し分なしじゃのう」
NOVA『つまり、何をもって主人公の強さの起因とするか、また主人公の強さを認める者はどういう立場にあるのか、などを考えておかないと、読者や視聴者が納得できないわけで。まあ、コミックやアニメだと、ビジュアル的インパクトで誰がどう見ても、強そうだ、と演出することが可能ですが、少なくとも文章で強さを示すには、言葉による理屈か、あるいは文体か、いろいろ考察の余地があるわけで』
ヒノキ「あとは世界観とルールによる説明があるのう」
NOVA『これはゲーム的ですが、普通は3回しか使えない魔法を、素人が10回以上も使ったなら、それはルール外の存在なんですよ。しかし、ルール外の存在の凄さを分かるには、何がルールかを分かっていないといけないわけで』
ヒノキ「つまり、その世界観では何が普通で、何が特別で凄いことなのか、理解すること必要がある、と。そして今のD&Dのマジックアイテムは、同調が必要なだけで普通よりも凄いアイテムだということが分かる。そして、同調できるアイテムの数は3つまで、というのが基本じゃな」
NOVA『ええ。高レベル戦士の場合、凄い武器に同調して、凄い鎧に同調して、凄い盾に同調すれば、それで終わり。その他のアイテムを使う余地がありません』
ヒノキ「まあ、盾は普通の+1程度にして、代わりに凄い魔法の指輪や凄い魔法のマントを装備するという選択肢もあるじゃろうがのう」
NOVA『大体、1人のキャラがそんなに凄いマジックアイテムを2つも3つも手に入れられるレベルが10前後なんでしょうな。で、アーティフィサーだけは例外的に4つめ以上のアイテムに同調できる。結果的に、戦士のお下がりのアイテムがどんどんアーティフィサーのところに回ってくることにもなりそうです』
ヒノキ「で、アーティフィサーは自分でアイテムを作ることもできる、と」
NOVA『アイテム作成は、「冒険の合間に時間と資金を費やせば、魔法の素養があるキャラなら可能」とDMガイド128ページにガイドラインがあります。マジックアイテム作成ルールが一番細かく、プレイヤーが積極的にアイテム作成できたのは3版のときでした。何しろ、レベル1の魔法使いが最初に与えられる特技の1つが《巻き物作成》で、3版の魔法使いは無限回魔法こそ持ちませんが、金貨250枚ぐらい払えば、マジックミサイルが10本撃てる魔法の杖を買えるので、ちょっと冒険を重ねれば(2、3回ぐらい?)マジックミサイルを撃ちまくり放題になるのは簡単なんです』
ヒノキ「今は、どうじゃ?」
NOVA『値上がりして、金貨500枚でマジックミサイルの杖(7チャージ分)が買えますね。ただ、毎朝、使用回数がD6+1チャージ回復して、また完全にチャージを使いきったら、20分の1の確率で杖が砕け散る仕様』
ヒノキ「ファイアボールの杖なんかもあるのか?」
NOVA『あります。同調が必要なレアアイテムで、金貨5000枚が相場ですね。これも7チャージ分です』
ヒノキ「金貨5000枚で、ファイアボールが7回は撃てる杖か。そういうのを買ったり、作ったりできるんじゃな」
NOVA『あくまで、DMが認めた場合に限られますけどね。DMによっては、コモンとアンコモンのアイテムのみ作成可能で、それ以上のレアアイテムは作成方法が一般に出回っていなくて、特別なクエストが必要とか、いろいろシナリオネタに組み込んでくる可能性がありますし、そもそも自作する場合は、ファイアボールの杖は自分がその呪文を使えないと作りようがないという話になります』
ヒノキ「とにかく、自分でマジックアイテムを作成できる冒険者ともなると、上級者と言えような」
NOVA『クラシックD&Dだと、自分で塔を建てられるようになったネームレベルの術者だけが許されたルールですからね。3版以降は、自作マジックアイテムのルールが比較的、低レベルでも解放されて、簡単な回復薬や巻き物ならレベル3ぐらいで作ることも十分可能、と』
ヒノキ「まるで時代が変わったかのように、マジックアイテムの自作が簡単になったわけじゃのう」
NOVA『そうなった理由は簡単です。ゲームの受け手であるDMやプレイヤーの価値観が時代を越えて進化したから、その需要に応じてゲームのルールも進化する。旧世紀において、マジックアイテムの自作は、一部のマニアックなゲーマーの間でしか求められていない奥義たるルールでした。しかしコンピューターゲームなどで、アイテム作成という概念が一般化した時代では、TRPGの世界でもそれぐらい普通にできていいのでは? という需要が増えてくる。かつては高度な技や革新的な概念もしくは発明として扱われたものが、よくある普通の技芸として認識されるのが進化する世の常というもの』
ヒノキ「なるほど。じゃが、しかし、時代を経て、失われてしまうものもあろう」
NOVA『そうですね。何が継承され、何が新しく生まれ、何が時代遅れとして淘汰されていき、そしてまた、何が歴史の中から復刻されるのか、新旧の価値観を比較分析するのが俺の好む研鑽というもの。ともあれ、今回は魔具化というアーティフィサー特有の技について、掘り下げてみましょう』
魔具化の話
NOVA『魔具化とは、アーティフィサーが2レベルになって身に付けられる技です。1レベルのアーティフィサーは、多芸な職人呪文使いではありますが、結局のところは魔法使いの亜種でしかありません。しかし、2レベルになると、アイテムに魔具化式を施して、マジックアイテムを簡単に自作できるようになるわけです。以下は、2レベル時点でアーティフィサーが習得できる基本の魔具化式になります』
●精神刺激器:衣服または鎧一つに付与可能。耐久力セーブに失敗した着用者に作用して、成功状態にする。4チャージ分を充填。
●秘術焦点具強化:ロッド、スタッフ、ワンドに付与可能。呪文攻撃ロールに+1ボーナスを与える。また、呪文攻撃を行う際に、1/2遮蔽を無視できる。
●武器強化:武器に付与可能。武器の攻撃ロールとダメージに+1ボーナスを与える。レベル10以降は、ボーナスが+2になる。
●防具強化:鎧または盾に付与可能。ACに+1ボーナスを与える。レベル10以降は、ボーナスが+2になる。
●ホムンクルスのしもべ:100GP以上の価値ある宝石またはクリスタルに付与可能。それらの材料を元に、使い魔のホムンクルスを生成できる。
●魔法筋力鎧:鎧に付与可能。筋力判定あるいはセーヴに、アーティフィサーの知力ボーナスを加える、もしくは伏せ状態になることを阻止できる。6チャージ分を充填。
●魔法のアイテム模造:特定のマジックアイテムを1種類、作成できる。
●戻ってくる武器:投擲できる武器に付与可能。武器の攻撃ロールとダメージに+1ボーナスを与え、投げた直後に使用者の手に戻ってくる。
●連射武器:射撃武器に付与可能。武器の攻撃ロールとダメージに+1ボーナスを与え、装填の手間をかけることなく、射出直後に新たな矢弾が魔法で自然に生成されて、連射が可能になる。こうして生み出された矢弾は、目標に命中、または外れた直後に消え失せる。
NOVA『レベル2になったアーティフィサーは、上記の魔具化式から4つを選んで習得でき、2つのアイテムに魔法を込めることができます。例えば、《武器強化》の魔具化式を習得したアーティフィサーは、最大で2本の武器を+1のマジックウェポンにして、パーティー仲間に渡すことが可能になります。もちろん、自分で使ってもいいのですが、仲間の戦士にいきなりマジックアイテムを貸与して上げることが可能なんですね』
ヒノキ「それは素晴らしいサポーターじゃのう」
NOVA『サポート係に甘んじたくなければ、自分の武器と防具に魔力を付与して、自己強化に努めてもいいでしょう。その辺はマジックアイテムに身を固めた前衛戦士の役回りでも、後衛サポーターの役回りでも、どちらでも務められるわけですね。習得できる魔具化式と、付与できるアイテムの数は4レベルごとに増えますので、レベルが6になると、さらに強力な魔具化式を習得することもできますし、恩恵を得られるアイテムの数も相応に増やせます』
ヒノキ「ホムンクルスも作れるのか。どういうことができるのじゃ?」
NOVA『力場弾という魔法攻撃ができて、あと主人の持つ接触魔法をホムンクルス自身が媒介できます。例えば、D&Dの回復呪文であるキュア・ウーンズは接触呪文なので、回復役が前衛戦士の近くにいないといけないわけですが、ホムンクルスを通じて、自分は距離を保ったまま回復させることが可能。なお、ホムンクルス自体のダメージはメンディングの呪文で回復可能』
ヒノキ「レベル2で使い魔を持てるのも魅力か」
NOVA『どの魔力化式を習得するかは、レベルアップごとに1つ入れ替えることもできます。最初に《魔法のアイテム模造》で、ワンド・オブ・マジック・ディテクション(魔法感知のワンド)を製作したりもできるのですが、冒険中に同じマジックアイテムを入手したら、レベルアップ時にその魔力化式を別のものに習得し直すことが可能。これによって、低レベル時に覚えたけど、後から無駄になった能力を改善することもできるので、いろいろ試してみるのもありでしょうね』
ヒノキ「とにかく、数は限られておるが、レベル2から自分の望むマジックアイテムを金も払わずに選択取得できるのがアーティフィサーの魅力じゃのう」
NOVA『冒険中にどのようなマジックアイテムが出現するかは、DM次第、あるいはシナリオ次第、もしくはランダム宝物表などに基づくダイス目次第のところがありますが(ゲーム外で、DMに欲しいアイテムをリクエストすることは可能)、アーティフィサーだとプレイヤーが恣意的にマジックアイテムを選択作成できるという利点があるわけです』
ヒノキ「そのためには、プレイヤーの方にもある程度のアイテム知識が必要になるので、全くの初心者には向かない職業クラスじゃが、そういうデータが分かってきたプレイヤーなら、自分が作れるマジックアイテムの選択がかなり楽しめる、というわけじゃな」
NOVA『まあ、そのためにアーティフィサーのプレイヤーは、アイテム知識を習得するためだけでも、DMガイドを購入することが望ましいわけですが。あるいは、すでにDMをやっている人が自分用のプレイヤーキャラとして構築したがる職業かもしれませんね』
ヒノキ「結局のところ、初心者向きではないということか」
NOVA『初心者向きというのは、「覚えるルールが少ない」「ゲーム中に行える行動オプションが限られて、単機能型である」「それでも重要な役割で確実に活躍できる」の3点ですな。その意味で、昔はサイコロを振って、武器で殴っていればいいだけのファイターが初心者向きということだったのですが、ゲームが進化すると、ファイターにもオプション行動がいっぱいできて、単純に初心者向きとも言えなくなった』
ヒノキ「すると、今は何が初心者向きなのじゃ?」
NOVA『そもそも、初心者といっても結局、ゲームで何がしたいかですね。前に出て殴るよりも、後衛で支援サポートする方が性に合っている人もいるでしょうし、サイコロを振るよりも役割演技の会話劇が好きな人もいる。TRPGは初心者でも、映画や小説などでファンタジーのイメージを強く持っていて、例えばゴブスレの女神官みたいなキャラをプレイしたいなら、普通にプリースト(D&Dのクラス名では、厳密にはクレリック)を勧めればいいんですよ。少なくともプリーストの特権は、パーティーの中で邪険にされることはまずないことです。よほど変な神を崇めていなければ』
ヒノキ「変な神とは?」
NOVA『人を欺く詐欺師の神(北欧のロキみたいなの)はD&Dでも普通に選べるんですが、とても初心者向きとは言えないでしょう。まあ、他人を魅了したり、幻を作ったり、隠密だったり、信仰心の攻撃が武器に毒を付与することだったり、そういうことをしでかす初心者プレイヤーはイヤですね(苦笑)』
ヒノキ「少なくとも、初心者プリーストには純粋さを求めたくなるものじゃのう」
NOVA『前衛プリーストなら戦いの神か嵐の神がお勧めで、後衛プリーストなら自然か生命か光の神が定番でしょうか。他にも、初心者が後衛魔法使いをプレイしたいケースも普通にあり、ですね』
ヒノキ「昔は、死にやすい魔法使いは一番、初心者向きではないと言われておったものじゃが」
NOVA『今は、前に出られる魔法使いとしてウォーロックがいますし、昔ながらのウィザードだって、ずいぶんと改善されましたからね。少なくとも、呪文1発撃ったら打ち止めってことはなくなった』
ヒノキ「魔法使いも、プリーストも、呪文のルールを覚えるのが初心者向きでない、と言われておったが」
NOVA『初心者用のお勧め呪文が用意されているわけで、それでは次にアーティフィサーも含めた呪文の話をしますか』
ヒノキ「ややこしくなりそうなので、今回はここまでにしておくとしよう。呪文関連は次の記事に回すのじゃ」
(当記事 完)