花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、ソード・ワールドのミストグレイヴ妄想リプレイ「魔神ハンター」を終了に向けつつ寄り道迷走気味。

ドラゴンランスと、D&Dのサブクラス話(戦士編)

D&Dの予定で喜ぶ男

 

リモートNOVA『ヒノキ姐さん、とうとう来ましたよ!』

ヒノキ「何じゃ、こっちの記事書きを怠っておきながら、騒々しい。ゴブリンスレイヤーIIが明日夜スタートなのは分かっておる」

リモートNOVA『いや、それも楽しみなんですが、これですよ、これ』

ヒノキ「何と、ドラゴンランスが児童書になる! って何年前の話じゃ?」

リモートNOVA『ああ、2009年だから、もう14年も前の話ですか。結局、3巻で終わって、続かなかったのが残念ですが、そんなドラゴンランスのD&Dサプリメントがとうとう年末に来ることが発表されました』

ヒノキ「ほう。年末と言えば、ソーサリー復活もあるし、指輪のRPGも発売されたことから今年は海外のオールドRPG関連のムーブメントが凄いことになっているようじゃのう」

リモートNOVA『ええ、正に80年代の最盛期があれこれ復刻している気分ですよ。この流れにロードスも乗ってくれればいいのですが』

ヒノキ「そっちは4年前の話じゃろう? 作者が続きを鋭意執筆中、という発言もなさそうじゃし、新作は諦めて、ゴブスレを堪能すべきじゃと思うがのう」

リモートNOVA『ええ、これについては短い夢だったなあ、とクロトワ気分で嘆息しておくことにします。今月発売のGMウォーロックでも、完全に表紙からロードスは抹消されてますし。ただ、FFゲームブックの安田解説本にのみ残滓を漂わすのみ』

GMウォーロック VOL.11

ヒノキ「まあ、島といえば、ロードス……とつなげるネタじゃな。それはともかく、今月はソード・ワールドの新サプリも出るのじゃろう?」

リモートNOVA『それも大切ですが、AFF2の「真・モンスター事典」の方を気にしているんですがね。今月下旬の予定ですが、いまだに書影が出て来ないことを見ると、来月にズレ込む可能性を想定しておきますか』

 

D&Dサブクラスのリスト始め

 

ヒノキ「で、今回は年末ドラゴンランス、ソーサリーが楽しみで、ソード・ワールドやAFFの新サプリをネタにしながら、ロードスの続きが出ないことを憂えてるだけの記事かのう?」

NOVA『いいえ。遅ればせながら、ターシャ本つながりで、D&D5版のサブクラス(日本語のみ)をまとめておきたくなりました。ちょっと、まとめておかないと、自分でも全貌を把握できていないですからね。とりあえず、コアルールのプレイヤーズ・ハンドブックと、ザナサー、ターシャに載ってるのを羅列しておきます』

ヒノキ「いや、ソード・コースト冒険者ガイドや、フィズバン本のドラゴン関連のサブクラスもあるじゃろう」

NOVA『それらは、後から補足しますね。まずは大筋からまとめておかないと。なお、ルールブックでは、五十音順に載ってますが、ここでは大きく戦士系、魔法使い系、僧侶系、盗賊その他系で区分します。自分的にはその方が把握しやすいので』

ヒノキ「うむ。では、戦士系はゲンブが、魔法使い系はわらわが、僧侶系はリトルが、盗賊その他系はシロが相手するとしよう。最近、出番がないとボヤいているでのう」

 

ファイターのサブクラス

 

ゲンブ「しばらくぶりでござった」

NOVA『ああ、ゲンさん。今回は戦士の研鑽をよろしく頼む』

ゲンブ「D&Dの戦士といえば、基本のファイターと上級職のパラディン、レンジャーの3つが伝統でござったな」

NOVA『あと、バーバリアンも一応、ファイターのヴァリエーションだと思う。ともあれ、その基本職と上級職という分け方はAD&D2版までですな。3版以降は、ファイターが特技の数で優遇されたり、武器戦闘能力では最強に育つように調整されたり、汎用的に育成できる職業として扱われているうえ、上級職の定義も変わってますし。役割固定型の専門職であるパラディンやレンジャーと比べても、5版のファイターはサブクラスの取り方で、多彩さが魅力と言えるわけですね』

ゲンブ「では、そのファイターの多彩さから見ていくとしよう」

 

1.チャンピオン(闘士):PHB所収の基本サブクラス。クリティカル率が高まったり、身体能力が高まったり、純粋にステータスが上がることで、初心者があまり考えなくても強さが実感できるクラス。

2.バトル・マスター(戦技の達人):PHB所収の基本サブクラス。肉体派のチャンピオンに対して、技巧派の戦士。戦技ダイスを消費することで、戦闘中の特殊行動である多彩な戦技を使うことができる。戦技の中には、フェイントやなぎ払い、パリィ(受け流し)、武器落とし、リポスト(回避からの即反撃)など16種類から3種を選択。さらにレベルアップで使える戦技が増えて、最大9種類まで使えるようになる。

3.エルドリッチ・ナイト(秘術騎士):PHB所収の基本サブクラス。いわゆる魔法戦士。選択ルールのマルチクラス(兼職)でファイター兼ウィザードを選択したときと比べて、能力値条件が厳しくなく、成長スピードが普通のファイター並み(よって成長の遅れでHPが低くなるなどのペナルティーがない)のが長所。ルール的にも、5版のマルチクラスは少し複雑な上級選択ルールだし。

 

ゲンブ「レベル10ぐらいまでのショートキャンペーンで、手軽に魔法戦士をプレイしたければ、エルドリッチ・ナイト。もっと高レベルまで成長させることができるのなら、ファイター兼ウィザードの兼職がお勧めでござるな」

NOVA『だけど、普通に魔法戦士をやるなら、エルドリッチ・ナイトの方が得だと思うな』

ゲンブ「どうしてでござるか?」

NOVA『エルドリッチ・ナイトは7レベルになると、初級呪文(0レベル)と武器攻撃を同時に行うことができるんだ。戦いをこなしながら、サポート的に魔法支援をできる即興性ではこちらの方が上で、兼職魔法戦士はそのラウンドで武器攻撃をするか魔法を使うかを選ばないといけない。剣と魔法を同時に使いこなすという意味では、戦術的にエルドリッチ・ナイトの方が能力をフル活用できる仕様だなんです』

ゲンブ「つまり、何でもできるようになる育成の奥深さでは兼職の方が上だが、速攻性や手数の面ではエルドリッチ・ナイトの方が上、と?」

NOVA『あえて、兼職の魔法戦士で行くなら、チャンピオンをサブクラスに選ぶとか、エルドリッチ・ナイトではできない方向を模索することになりますな。それと、バトル・マスター兼魔法使いは戦技と魔法の両方を考えないといけなくて、プレイヤーの負担が大きすぎると思うので、何でもできる=実プレイでの運用に悩むということです。机上の空論ならともかく、実践するならプレイヤー経験とか、周囲の仲間の成長との兼ね合いを考えた上で、自分のキャラの役割をどこに置くか、という判断が問われるのでしょう』

ゲンブ「前衛戦士が求められているのに、下手に魔法使いを兼職すると、成長が遅れて弱くなる。エルドリッチ・ナイトだと戦闘サポート用の呪文との併用ができる、と」

NOVA『クラシックD&Dで、エルフの魔法戦士が人気だったのは、エキスパートまでの戦士が本当に特技がなくて、殴ることしかできなかったからです。まあ、レベルがある程度、上がって来ると、エルフの成長の遅さに伴うHPの低さで前衛戦士としては使いにくいという問題が露呈するのですが。

『だけど、版が進むと、戦士も技能習得で情報収集などの活動もできるようになったりして、昔よりも考えることが増えた。そうなると、何でもできる器用貧乏よりも、自分の強みはこれだってアピールポイント、役割を意識した育成を考えることになる。もちろん、パーティの仲間が持たない機能を兼職で補うのは有効でしょうし、仲間との連携を考慮したキャラ選択、育成を考えられるようになると、中級者ってところでしょう』

ゲンブ「一口に魔法戦士と言っても、呪文が使える戦士という意味では、パラディンのような聖戦士も候補に上がるでござるな」

NOVA『魔法使い魔法と、僧侶の奇跡じゃ呪文の種類が違うということもありますが、D&Dの場合、クレリック呪文にも初級呪文でセイクリッド・フレイムとか攻撃呪文がありますからね。魔法使いにしかできないこと、となると、攻撃よりもむしろ幻術とか、ファミリアなどの召喚とか、移動関係の術になるけど、今は戦士の話なので、これぐらいにしておきます』

ゲンブ「うむ。我もマッスル太郎などで、前衛武闘家でありながら支援系の魔法を使いこなすキャラをプレイしてきた経験がある。その上で言えることは、必要な魔法が何か(回復や武器の強化)を見極めて、得意技を見出した後はそこに力を注ぐべし、ということでござる」

NOVA『選択と集中の精神ですな。では、次にサプリメントの追加サブクラスを見てみます』

 

4.アーケイン・アーチャー(秘術の射手):ザナサー所収の追加サブクラス。矢に魔法を込めて、戦闘支援する後衛戦士。

5.キャヴァリアー(騎士):ザナサー所収の追加サブクラス。騎乗戦闘の達人。

6.サムライ:ザナサー所収の追加サブクラス。東洋風の特殊な文化背景の戦士。

7.サイ・ウォリアー(超能力戦士):ターシャ所収の追加サブクラス。新たな能力のサイオニックを活用できる。武器の威力強化、防護フィールド、念動能力で他者や物品の移動ができて、さらに成長すれば飛行能力も習得可能。

8.ルーン・ナイト(ルーンの騎士):ターシャ所収の追加サブクラス。太古の巨人族由来の魔法のルーンを自分の武具や体に刻んで、能力を強化できる。レベルが上がれば、自らを巨人化させることも可能。

9.パープル・ドラゴン・ナイト(紫竜騎士):ソードコースト所収の追加サブクラス。騎士団の一員として、部隊を率いたり、地位を活かした交渉能力に長けている。

 

ゲンブ「サイ・ウォリアーとルーン・ナイトなんかは、もはやファイターとは異なる特殊能力持ちといった感じでござるな」

NOVA『ターシャは一風変わった癖のあるサブクラスが多い感じですね。もう、ここまで来ると、ただの戦士とは呼べない特殊職業ですが、あくまで基本はファイター。つまり、HPがD10基準で、全ての武器や防具が装備可能で、最高の攻撃回数(5レベルで2回、11レベルで3回、20レベルで4回)、セーヴィング・スローの振り直しができる不屈の能力を持った上で、さらに追加の能力を会得した形です。ファイターは基本がシンプルだから、新たに特殊能力が加わっても処理が重くなり過ぎないのだと考えます』

ゲンブ「なるほど。他の職業と組み合わせる兼職(マルチクラス)と違って、サブクラスは元のファイターの能力に付与して強化するもの。そして、元がシンプルだからこそ、付与する能力も一風変わったものが見られる、と」

NOVA『3版はマルチクラスを中心にしたシステムで、そのマルチクラスに上級クラスも含まれるので、育成自由度が非常に高い。4版は上級クラスとマルチクラスのルールを切り分けて、レベル10になると各クラス特有の伝説の道、神話の道を選択することで、上級クラスの概念を新しくした。そして、5版は上級クラス的なものをもっと低レベルから選択できるようにして、扱いやすいサブクラスという形で取り入れた、という流れです』

ゲンブ「3版は、別に上級クラスを目指さなくても構わない。4版は上級クラスの選択を必然のものとした。5版は上級ではなく、基本クラスに早い段階で付与するものにした、と」

NOVA『4版みたいにレベル10まで育てないと、上級クラスになれないというのでは、楽しさへのハードルが高いと判断したのでしょう。5版はもっと初心者がD&Dの醍醐味を早くから味わえるように工夫したシステム。だから、ファイターであれば、3レベルから選択の幅を広げて、初心者でもちょっとプレイを続ければ(2、3回ぐらい冒険を重ねれば)、サブクラスにすぐ手が届くようになる。初めて、この育成の速さを知った5年前は、その手軽でありながら、かつヴァリエーションの豊かさに感心したものです』

ゲンブ「基本ルールではファイターから始めて、あまり難しいことを考えたくなければ、チャンピオン。オプション行動を求めるならバトル・マスター。魔法を使いたいならエルドリッチ・ナイト。それ以降は、追加ルールでござるが、ここで質問でござる」

NOVA『何でしょう?』

 

ゲンブ「キャヴァリアーとパープル・ドラゴン・ナイトは、どちらも騎士だが、何が違うのでござるか?」

NOVA『騎乗戦士である騎兵と、社会的身分の騎士の差ですね。例えば、古代から中世にかけて、キャヴァリアーは別にヨーロッパでなくても、文化圏にこだわらずに存在します。有名なのは、モンゴルなどの遊牧民族でしょう。

『キャヴァリアーの能力は騎獣を扱う技術に特化していて、ソード・ワールドにおけるライダー技能に相当する職業ですね。まあ、中世ヨーロッパでは騎馬を維持できるのは富裕層だから、貴族が騎兵で、庶民が歩兵という形になりがちですが、時代背景や地域によっては、庶民でも騎乗に馴染みのある文化、逆に騎乗戦士が存在しない文化(古代ローマとか南米とか)もあったりして、支配層の戦士=騎乗戦士とは限らないわけですな。

『だから、パープル・ドラゴン・ナイトは、フォーゴトン・レルムにおける社会的身分として、騎獣とは関係ない能力を有しています。コアミア王国に所属する由緒正しい戦士職で、王命に従うなり、自分の誓いを果たすなりの理由で、遍歴の騎士として旅をする。コアミアの紫竜騎士という称号は、ソード・コースト地域では幅広く知られており、その軍略、指揮能力には一定の信頼が寄せられている。だから、彼らの鼓舞能力は味方チームを強化することができるのです。部隊指揮のエキスパート。これは、騎士という存在が人々の常識にある世界でしか使えない能力でしょう。例えば、現代日本で「騎士さまの命令に従えば、戦いに勝てる」などと考える人間は少数派なので、成立しない職種だと思います』

ゲンブ「もし、現代日本がゾンビ禍などで突然、文明が崩壊してしまった場合、リーダーになりそうなのは、自衛官であろうか?」

NOVA『個人の趣味やフィクションでの擬似体験を除けば、訓練を受けたサバイバルや軍事関係の専門家が他に考えにくいですからね。一方、外国では、何だかんだ言って軍役経験者は相応の社会的信頼を確保するらしいですな。兵役逃れは、公職に就く際にもそこを突かれて、いざという時の体力や精神力には不安を抱かれるらしい。まあ、軍人、企業主、大地主なんかがアメリカの保守的なリーダー層で、現代の騎士に相当する立ち位置かもしれない』

ゲンブ「騎士が軍人であったり、地主的な領主であるのは分かる。しかし、企業主は騎士よりもむしろ商人なのでは?」

NOVA『中世の土地に基づいた封建制度と、近代以降の資本主義社会を無理やりつなげると、そうなるという話なので、一部しっくり来ないのは承知の上です。そんな話をすれば、日本の中世や戦国、近世の武士の立ち位置が現代のサラリーマンに相当すると考えることも可能だし、そこに異論を挟むことも可能だろう。正規のサラリーマンは仕官して宮仕えに成功した者で、フリーターは生粋の武家とは異なる足軽浪人に相当するとも見なせますが置いておいて。

『要は、騎士という職種が、他の戦士よりも明確に社会とリンクした役割なので、パープル・ドラゴン・ナイトというサブクラスも、騎士の存在するフォーゴトン・レルムのような世界だからこそ成立する職種というわけです』

ゲンブ「ドラゴン・ナイトというからには、最初は竜騎士かと誤解していたが、そうではない、と」

NOVA『レルム以外の世界で扱うなら、データだけ流用して、サブクラスの名前をノーブルナイトとか、ソシアルナイトといった感じにアレンジするといいかも。あるいは、軍隊指揮官という能力で考えると、コマンダーとかマーシャルとかエリート・ウォリアーとか世界観に合わせた呼称がいいと思いますね。それと、ドラゴンランスの世界のソラムニア騎士はパープル・ドラゴン・ナイトのデータを流用すればいい、と「ソード・コースト本」に書いてあったんですが、実際にドラゴンランス本が出たら、ソラムニア騎士とデータを比較するのも一興だと思う』

 

ゲンブ「世界観という意味では、サムライなんかも東洋風世界でないと通用しない職業でござろう」

NOVA『その職業が世界観に合っているかどうかは、DMとプレイヤーの要相談ですね。まあ、異国風の戦士が何らかの事情で中世ヨーロッパに迷い込んだとすれば、文化の違いをロールプレイするのも面白いし、ファンタジー世界でサムライをプレイしたがるプレイヤーなら、適当な理屈をこじつけるのもお手のものでしょう。

『そして、ゲームの世界のサムライは、版によって、あるいはシステムによっても大きく能力が異なる職業だと思いますね。古くは、ウィザードリィ魔法戦士が元々はレンジャーだったのがサムライと呼称されるようになって定着したし、ファイナルファンタジーのジョブだと居合い抜きとか、白刃取りとか、銭投げとかを使いこなすわけで』

ゲンブ「銭投げで有名な岡っ引きはサムライではなくて、町人でござる」

NOVA『そこは30年以上も前の話だし、今さらのツッコミだと思いますが、まあ忍者やモンクと並ぶ東洋風のネタですね。D&Dの3版でのサムライは追加職業で、大小の二刀流、気合の一撃(命中とダメージ上昇バフ)、居合の達人、鋭い眼光(威圧判定+4)などの特殊能力をレベルアップによって習得できる他、上級職にケンセイ(剣聖)や、名誉を失った(主君を守れなかったとか、忠義に違背したとか)場合になれるローニン(浪人)なんかがいて、なかなか奥深い職業です』

ゲンブ「剣聖と浪人は何が違うでござるか?」

NOVA『剣聖は、愛用武器との絆を持って、武器に経験点を注ぎ込むことで強化することができます。そして、剛力招来の技で一時的に筋力を高めたり、心頭滅却で範囲呪文のダメージ抵抗を上げたり、気力で交渉力を高めたり、仲間にバフを掛けたり、いろいろと格好いい技を持っていますね。サムライ、パラディン、モンクとの相性が良くて、モンクから昇格した場合には拳聖と見なすことも可能です。愛用武器を自分の拳に設定することもできますし。

『一方で、浪人は悪堕ちしたサムライで、通常のサムライ能力に加えて、盗賊同様の急所攻撃や、身を捨てての死なばもろとも的な技であるバンザイ突撃を敢行できる』

ゲンブ「バンザイ突撃って、特攻でもするのでござるか!?」

NOVA『最大で浪人レベルと同じだけ自分のAC(アーマークラス)を減らした分を、追加ダメージとする能力です。最大でACを10減らして、ダメージを+10にできる。実のところ、3版の追加職や上級職の方が5版よりも派手で、バランスブレーカーなところが面白いと思うなあ』

ゲンブ「それは、つまり5版のサムライは地味ということでござるか?」

NOVA『5版のサムライは、まず侍魂というバフを1日3回使えて、1ターンの攻撃を有利にしたり、一時的なHPボーナスを得たりできます。それと武士道は礼儀作法にも通じていて、交渉能力が高まったり、精神的な抵抗力が高まったりしますな。あとは連撃で攻撃回数を増加させたり、HPが0になってもそのターンの最後までは倒れずに戦い続けることができたり、それなりにサムライしているとは思うんだが、他のファイター・サブクラスと比べても、それほど強いとは思えないし、とりあえず侍魂と連撃のコラボがどれほど強いか、ですね』

ゲンブ「連撃は何回できるかにもよるのでは?」

NOVA『連撃は15レベルから使える能力ですね。そして、そのレベルだとファイターは3回攻撃できるから、解釈次第では、連撃で倍の6回攻撃できるようになる』

ゲンブ「それは普通に強いでござろう。マッスル太郎で、複数回攻撃をして敵に大ダメージを与えているから、よく分かるでござる」

NOVA『ああ、そうか。ただ、この連撃は1ターンに1回しか使えないって書いてあるから、3回攻撃の1回だけが連撃可能で、攻撃回数が結局1回増えて4回だけ、と解釈するのが妥当だと考えます。まあ、サムライで強キャラを作りたいなら、やはり二刀流の戦闘スタイルは必須でしょうね。二刀流スタイルで侍魂を使えば、攻撃2回に有利が乗って有効利用できるし、攻撃回数を高めることこそが5版サムライの道だと、今さらながら実感した次第。サムライの能力はさらっと読んだだけで、実践運用まではあまり考えていなかったわけで』

 

ゲンブ「最後に、アーケイン・アーチャーについて一つ」

NOVA『何かな?』

ゲンブ「せっかくのファイターなのに、後衛というのはどうでござろうか?」

NOVA『まあ、パーティーの人数と職業構成にもよりますな。パラディンとかモンク、バーバリアンなどの前衛職がすでにいる場合、後衛の弓使いファイターにも需要が出て来ると思う。アーケイン・アーチャーの解説を読むと、主にエルフの戦士団に多いそうです。

『ともあれ、大ダメージの毒矢を撃ったり、爆発して周辺にダメージを与える矢を撃ったり、多彩な魔法の矢を使いこなすのが面白そうだ。ただし、魔法の矢って15レベルまでは1戦闘につき2回しか撃てないんですね。だから、まずは2回射撃して、魔法の効果で有利な状況を作り出してから、接近戦武器に持ち替えて通常のファイターのように前衛で戦うスタイルになるのだと思います。

『もちろん、前衛が堅固なら自分はずっと後衛にいて、普通に弓で支援を続けてもいいだろうし、後衛職がアーケイン・アーチャーとのマルチクラスを狙うのも可能だし、弓使いとしての個性をどう活かすかは熟考の余地ありですね』

 

ファイターの次は……

 

NOVA『では、続いてパラディンを……』

ゲンブ「いや、新星どの。今回はファイターだけで終わりにしておかぬか? 9種類もサブクラスを確認したわけでござるし、最初から飛ばし過ぎると、息切れしかねん。読者も長い記事は読むのが大変でござろうし、各メインクラスごとに一つの記事にしても良いのではないか?」

NOVA『確かにそうかも。では、パラディンは次回の記事に回して……』

 

ヒノキ「いや、前にガッチャードを記念して、サブクラスのアルケミストを含むアーティフィサーをチェックしようと言っていたはず。次回は、アーティフィサーの話を皆で語ろうではないか」

NOVA『分かりました。では、そういう予定で』

(当記事 完)