花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、ソード・ワールドのミストグレイヴ妄想リプレイ「魔神ハンター」を終了に向けつつ寄り道迷走気味。

SW希少種族の話(その2)

話の続き

 

NOVA「では、前回の希少種話に続いて、今回はリルドラケン、グラスランナー、メリア、ティエンス、そしてレプラカーンの話をして行きましょう」

ヒノキ「うむ、それはいいが、お前さん、今回の記事が終われば、一度、粉っちゃんやアッキーのところに帰ってやれ」

NOVA「ええ? ヤーハッカゼッシュのロールプレイはどうなるんですか?」

ヒノキ「その時は、また呼んでやる。いつまでも、ここにおったら、仕事にも支障が出るじゃろう」

NOVA「ええ、まあ、明日から仕事ですが」

ヒノキ「ブログ書きとして、いろいろ記事書きしたいのは結構じゃが、為すべきこともせねばならんぞ」

NOVA「為すべきこと、ですか。まあ、いろいろとあるので、したいこととの兼ね合いを考えながら、できることから順に片付けていこうと思ってます」

ヒノキ「では、今為すべきことは?」

NOVA「希少種記事を終わらせることです」

ヒノキ「よかろう。では、リルドラケンからじゃ」

 

ソード・ワールドの希少種族

 

★リルドラケンの希少種(小翼種と有毛種)

 

NOVA「リルドラケンは竜人種族ですが、元々、種族特徴が多いのですね。防護点が+1される[鱗の皮膚]、[尻尾が武器]、1日に1分だけの飛行能力[風の翼]を持っていて、筋力や生命力に優れた種族。弱点は器用度と知力で、明らかに前衛戦士として戦うのに向いた種族でしょう」

ヒノキ「小翼種は、翼が退化していて飛べないとか?」

NOVA「正解です。その代わりに[竜の咆哮]という種族特徴が与えられて、雄叫びで周囲の仲間を鼓舞して、1日1回1ラウンド間、抵抗+2、与える物理ダメージ+2のボーナスを自分も含む仲間全員に与えることができます」

ヒノキ「ウォーリーダーの鼓咆みたいなものか?」

NOVA「ええ。それに鼓咆と組み合わせることも可能ですから、一気に味方を強化できそうですね。前線で支援もできる戦闘員として優秀な種族でしょう」

ヒノキ「有毛種というのは、鱗じゃなくて毛が生えてるのか?」

NOVA「寒冷地に対応した種族ですが、おかげで[鱗の皮膚]と[尻尾が武器]という特徴がなくなりました」

ヒノキ「もはや竜人ではなくなった感じじゃのう」

NOVA「恐竜から始祖鳥に進化したような種族っぽいですね。[風の翼]は健在で、さらに[暖かき風]という特徴が得られます」

ヒノキ「風づくしか。ある意味、こちらを鳥人と解釈することもできよう」

NOVA「確かに。[暖かき風]は自分が与える風属性のダメージを+2できて、逆に敵から受ける風属性のダメージを2点減少。6レベルで特徴が強化されると、風だけでなく、水・氷属性にも有効になります。そんなわけで職業選択の際も、風系の妖精魔法を使うなり、魔動機術の【エフェクト・ウェポン】で風属性のダメージを出せるようにすることが推奨されますね」

ヒノキ「リルドラケンは知力が高くないので、魔力もあまり伸びぬであろうから、攻撃魔法よりは補助魔法の方が使い勝手が良さそうじゃのう」

NOVA「これまでは、リルドラケンとマギテックってあまりイメージがつながって来なかったのですが、有毛種は新境地を切り開いた感じですね」

 

★グラスランナーの希少種(アリーシャとクリメノス)

 

ヒノキ「タビットのパイカとリパスもそうじゃが、カタカナ語の固有名詞じゃと特徴がいまいち分かりづらいのう」

NOVA「グラスランナーの種族特徴は、[マナ不干渉]と[虫や植物との意思疎通]なんですが、極端に高い器用、敏捷、精神力、そして極端に低い筋力も目立った個性と言えますな。そして、普通なら高い精神力は魔法使いに向いている能力なんですが、[マナ不干渉]のせいで、MPがないわけです」

ヒノキ「MP0なのではなくて、そもそもMPという概念がないわけじゃな」

NOVA「おかげで、〈魔晶石〉などの形でMPをアイテムでまかなわない限りは、魔法を初めとするMP使用の技が一切使えない、と。豊富な精神力が宝の持ち腐れ(精神抵抗力の高さのみに反映される)なんですが、MPを消費しない呪歌を使うバードが天職とも言われていますな。グラスランナーと言えば、吟遊詩人というのはロードスや旧版ソード・ワールド以来の伝統です」

ヒノキ「もちろん、スカウト技能による盗賊というのも小人族としての伝統じゃのう」

NOVA「抜群の回避力を活かした回避盾という役割から、フェンサー、グラップラー、バトルダンサーみたいな軽戦士として活用することも可能。もちろん、筋力が低いのでダメージ源になることは期待しにくいのですが」

ヒノキ「投げ主体のサポート拳闘士がお勧めになるかのう。グラップラー武装の必要筋力が低めじゃから、装備で困ることはあまりない。そして手数の多さを利用すれば、多少のダメージの低さをカバーできる強みがあるし、〈魔晶石〉でエンハンサーの練技を使えるようにすれば、意外に強いグララン・グラップラーも目指せるなど、グラスランナーの活用術というのは公式でもいろいろ提案されておる」

NOVA「こういうリプレイも出るくらいですからね」

ヒノキ「で、グラスランナーの基本はそれぐらいにして、希少種の話に移らんか」

NOVA「実は、アリーシャもクリメノスも、基本のグラスランナーとは大きく違わないんですね。能力値修正もなく、種族特徴も変わらない。違うのは主に性格ですか」

ヒノキ「性格じゃと?」

NOVA「ヒノキ姐さんにとって、グラスランナーってどういう性格イメージです?」

ヒノキ「う〜む、楽天的で好奇心旺盛で、子供っぽく無邪気じゃが、意外としたたかというか、ちゃっかりしているというか」

NOVA「アリーシャは、その陽キャラな部分をより強調して、何にでも首をつっこんで、隠されたものを暴きたくなる性質。一方でクリメノスの方は、陰キャラというか、忍びやかで寡黙、生真面目な隠密タイプ。明るく派手な芸人、吟遊詩人要素の強いアリーシャと、目立つことが嫌いな忍び要素の強いクリメノスの二方向に性格が特化している感じです」

ヒノキ「主にロールプレイの違いということか」

NOVA「ゲームデータはほぼ同じですが、種族特徴が6レベル以上と11レベル以上で強化された場合に、違いが出てきます。[マナ不干渉]は、低レベルだとMPなしの他、精神抵抗力の判定に成功すると、いかなる魔法も効果なしにできてしまう特徴ですが……」

ヒノキ「普通は、ダメージ魔法の場合、抵抗成功で半減ダメージになるものじゃが、グラスランナーは抵抗に成功すると、半減ダメージすら受けずに済む、と」

NOVA「魔法使いにとっての天敵ですね。物理攻撃に対しては抜群の回避力を誇り、魔法攻撃に対しては効果消滅で、サバイバル能力においては全種族でも最高に近い」

ヒノキ「まあ、攻撃が命中した際の打たれ強さはそれほどでもない、というのが弱点と言えようか」

NOVA「それでも、生命力は人並みにあるわけで。ともあれ、[マナ干渉]が強化されると、6レベルで魔法破りの能力が加わり、魔法の鍵を無効化したり、仲間にかけられた魔法によるデバフ効果や状態異常を打ち消すことができるようになります。11レベルになると、魔法による知覚から感知されにくくなり、隠密判定+1や、魔法的な知覚能力を持った怪物(ゴーレムなどの魔法生物など)からの命中・回避が+1されたりします」

ヒノキ「グラスランナーのそういう部分を強調したリプレイは、読んだことがないのう」

NOVA「グラスランナーのプレイングは結構、奥が深そうですね。で、アリーシャは、6レベルの特徴強化も通常のグラランと同じで、違いは唯一、11レベルの特徴強化のみ。魔法からの非感知能力がなくなる代わり、魔法破りの性能が向上します。それまで接触が必要だった魔法破りが射程10mで行え、さらに達成値+4になるなど、魔法破りを極めた存在がアリーシャです」

ヒノキ「いかなる呪いだって解除してくれるスーパーお祓い師……になれるのがアリーシャということじゃな」

NOVA「逆に言えば、10レベルまでは、普通のグラランと全く同じなのがアリーシャです。一方で、クリメノスは6レベルで魔法破りを覚えられず、代わりに魔法知覚への隠密能力をいち早く習得します。そして、11レベルでボーナスが+1から+2に上昇して、ますます魔法で発見されにくくなるというか、魔法センサーに引っ掛からず、対魔法生物の専門家にもなれる、と」

ヒノキ「とにかく、派手に魔法破りができる陽キャラ推奨なのがアリーシャで、隠密能力に特化した陰キャラ推奨なのがクリメノスだと。グラスランナーには興味があるけど、真面目で、騒ぐのが嫌いだから避けていたプレイヤーは、クリメノスという新たな選択肢ができた、と」

NOVA「元々、ホビットでも比較的真面目なビルボやフロド(バギンズ家)に対して、イタズラ好きのおふざけ屋、好奇心旺盛で冒険好きのトゥック家というのがあって、ケンダーやグラスランナーはトゥックの性質をさらに強調したキャラ付けが為されているわけですな。しかし、ホビット本来の気質である素朴な生真面目さをロールプレイしたい層もあるわけで、そういう需要にはクリメノスが応えてくれそうに思います。グラスランナーでも慎重でクールな隠密プロフェッショナルを演じてもいいのだよ、とか」

 

★メリアの希少種(カーニバラスとファンギー)

 

ヒノキ「メリアは、花粉症ガールとして気になる植物種族じゃのう」

NOVA「当ブログなどで、植物の精霊少女という名目で花粉症ガールを扱い始めたら、ソード・ワールドでも植物娘というキャラをプッシュし始めて、おお、時代の流れに乗れた、なんて思ったりもしました」

ヒノキ「しかし、実際のメリアは精霊ではなく、物理的な肉体を兼ね備えていた、と」

NOVA「花粉症ガールの原型イメージはドライアドなんですが、メリアはもっとこう何か、思ったよりもタフなキャラ付けが為されているんですな。元が植物だから、動きはあまり機敏でも器用でもなく、能力値は生命力、知力、精神力に特化していて、『HPの高い魔法使い(とりわけ妖精使い)』というのが定番イメージです。種族特徴は[繁茂する生命]で、睡眠が必要ない。眠らなくても、朝になればHPが2割回復、MPは完全回復というのが初期状態。さらに6レベルで強化されると、自然環境で太陽光を受けていると、生命抵抗と生死判定が+4ボーナスという」

ヒノキ「ある意味、ドワーフ並みのタフなイメージが付いてくる種族なんじゃな」

NOVA「タフな魔法使いという意味では、鉱石人間のフロウライトという印象もあったのですが、今回の復刻で改めてデータを見ると、生命力やHPは決して高くはないんですね。ただ、生来の防護点+3とか、毒や病気が無効ってだけで、硬いけど脆い。決して前衛に立つこと推奨な種族ではありません。しかし、メリアはとにかく打たれ強い。まあ、初期状態で生命力、知力、精神力のボーナスが+3の種族は他にないです」

ヒノキ「元々、草花をモチーフにした短命種(無邪気な子ども思考。寿命は10年程度)、樹木をモチーフにした長命種(落ち着きのある性格。寿命は300年程度)の2種類あって、ロールプレイのパターンも融通が利く種族じゃったが、希少種として新しく加わったカーニバラスは食虫植物モチーフ、ファンギーはキノコモチーフなんじゃな」

NOVA「おや、それはチェック済みでしたか」

ヒノキ「うむ。花粉症ガールV3としては、他はさておくにしても、メリアのことはチェックしておかねばな」

NOVA「食虫植物のカーニバラスメリアは、種族特徴[繁茂する生命]が[捕食する生命]に置き換わります」

ヒノキ「睡眠は絶対不可欠ではないが(寝不足によるペナルティーはなし)、HPやMPの回復には他の種族同様、睡眠を必要とする。それと魔法攻撃によって相手に与えたダメージを、1日1回吸収して、自分のHPを回復することができるんじゃな」

NOVA「解説ありがとうございます。カーニバラスのメリアは、攻撃的な種族特徴もあって、性格も好戦的になりやすいみたいですね。分類としては短命種ということになります。次に、キノコのファンギーメリアは、種族特徴が[胞子散布]に置き換わります」

ヒノキ「睡眠については、カーニバラスと同様。さらに、1日1回、補助動作で胞子をまいて、1ラウンド間、相手をかく乱し、行動判定にマイナス2のペナルティーを与えることができる。病気属性で抵抗不可なのが通常生物にとっては厄介じゃな」

NOVA「毒や病気に耐性のあるアンデッドや魔法生物、魔動機なんかには通用しませんが、ここぞというところで命中や回避にペナルティーを与えるというのは、思わぬ伏兵といった感じです」

ヒノキ「[胞子散布]は射程が短いため、有効利用しようと思えば、前衛に出る必要がある。よって、ファンギーメリアは魔法戦士を目指すことが多い」

NOVA「戦士として必ずしも優秀な能力ではありませんが(命中、回避、ダメージいずれも低い)、それでも打たれ強さは備えていますので、前衛で魔法を使うサポート戦士として機能すると思われます。長命種に分類され、性格は思慮深く物静かな者が多い、と。ともあれ、胞子を撒き散らして、短時間ながら病気に感染させる陰キャラ種族として、これまでのメリアの陽キャライメージを覆すと言えましょう」

ヒノキ「もしも[胞子散布]が[花粉散布]であれば、花粉症ガール的なキャラ付けだったんじゃがのう。惜しい、まことに惜しい」

 

★ティエンスの希少種(機解種と魔解種)

 

NOVA「ルールブックII所収の種族が終わって、最後にルールブックIII所収の2種族です。まずはティエンス」

ヒノキ「対魔神ライダーと言うべき種族じゃのう。戦士向きの優秀な能力をしていて、特に弱点もないバランスの取れた種族といえよう。種族特徴は[通じ合う意識]。10m以内の相手と思念で会話ができる他、自分の動物や幻獣などの騎獣を1分間鼓舞して、命中・回避を+1できる。よって、種族特徴を有効利用しようとすれば、ライダー技能の習得は必須なのじゃ」

NOVA「解説ありがとうございます」

ヒノキ「ルールブックの基本解説はしてやった。希少種については、お主に任したぞ」

NOVA「任されました。まず、機解種は[通じ合う意識]が[無生物と通じ合う意識]に置き換わります。つまり、生物と分かり合う代わりに、無生物の機械(魔動機や魔法生物)とコミュニケーションする能力です」

ヒノキ「なるほど。洗濯機にクルルと名前を付けて、会話する能力じゃな」

NOVA「そのネタ、今のタイミングしか通じませんよね」

ヒノキ「だったら、シュゴッドと会話できる現シュゴッダム国王のギラかもしれぬ。これじゃと、もう少しメジャーじゃろう」

NOVA「俺としては、戦国魔神ゴーショーグンの真田ケン太少年を思い出しましたが」

ヒノキ「それこそ、旬にもなっていない、分かる人にしか分からんネタじゃろうが」

NOVA「要は、機械とコミュニケーションできる機械オタクな種族で、自分が騎乗する魔動バイクとか自分の作成したゴーレムなんかの命中・回避を+1できます」

ヒノキ「メカマニアやゴーレムマニア推奨の種族じゃな」

NOVA「一方、魔解種は[魔神と通じ合う意識]を持ちます」

ヒノキ「ちょっと待て。ティエンスは魔神ハンターとも言うべき種族じゃろう。敵と通じてどうするんじゃ?」

NOVA「本当に不思議ですね。『魔神ハンター』というタイトルのリプレイなのに、魔神退治の専門家であるティエンスをプレイヤーキャラに用意しなかったのは」

ヒノキ「いや、それは舞台がアルフレイム大陸じゃないからであって、シナリオがティエンス登場前の2.0時代のものを使っているんじゃから、不思議でも何でもない当然の理じゃろう。アルフレイムが舞台で『魔神ハンター』というタイトルの物語をプレイするなら、プリーストだってグレンダールではなく、奈落の盾神イーヴを採用するはず」

NOVA「それはさておき、魔解種のティエンスの理念は、プレイヤーキャラの魔神使いデーモンルーラーと同じ理屈です。2.0時代のデーモンルーラーはどうしても邪悪な職業のイメージがありましたが、2.5になって『魔神との戦いがより強調された大陸世界観』になると、魔神の力を研究して魔神退治に活用する対魔神専門家として、デーモンルーラーのキャラ付けが再定義されました。もちろん、従来どおりに己の欲望を満たすために魔神と契約する悪役もいるでしょうが、アルフレイムではデーモンルーラーにも公的に認められた立ち位置が保証されているわけです」

ヒノキ「確かに、2.0時代はデーモンルーラー技能の習得は、禁書などを通じた独学が中心じゃったろうが、アルフレイムでは公式の魔法学園でもデーモンルーラー学科が存在するほどじゃからのう」

NOVA「で、魔解種ティエンスももっぱらデーモンルーラー技能を活用するために、特別調整されたティエンスです。その特徴は、自分が召喚したデーモンが無差別に攻撃しようとした場合などに、きちんと抑え込んで、攻撃先を正しくコントロールするためのもの。つまり、相手を操るためにコミュニケーションできるようになったわけですな」

ヒノキ「決して、魔神と友だちになることを目指したわけではなく、魔神の力を制御するために自分の思念を強く伝える能力じゃと」

NOVA「まあ、デーモンだって一枚岩ではありませんから、利害関係の一致する良いデーモンだっているかもしれません。舞台がアルフレイムになってから、俺が欲しいなと思っているのは、蛮族サプリ以上に魔神サプリです。魔神サイドの裏側とか、対魔神の大陸の歴史とか、魔神に占領された地域の実態とか、そういうのを掘り下げて欲しいな、と思っています」

ヒノキ「AFFではあるのじゃがのう」

NOVA「さすがに、プレイヤーが魔神キャラになれるルールまでは求めていませんが、GMが魔神の設定について、あれこれ参考にできる敵陣営の奥深いガイド本があれば欲しいな、と」

 

★レプラカーンの希少種(放浪種と探索種)

 

ヒノキ「長かった希少種話も、ついに最後じゃのう」

NOVA「さすがに20種類も種族話をするのは疲れますね。今のソード・ワールドを理解する良い勉強だと思ってますが。で、魔神ハンターではシロ君がプレイしている レプラカーンですが……」

ヒノキ「どちらかと言えば、 レプラカーンよりもバルカンとしてのロールプレイがメインになっているようじゃがのう。あれをレプラカーンの標準スタイルとはとても思えん」

NOVA「ソード・ワールドのレプラカーンって、種族特徴が[暗視][見えざる手][姿なき職人]で、夜中にこっそり職人仕事を手伝ってくれる小人さん種族の発展系なんですね」

ヒノキ「FFでのタイタン世界では、幻術使いのイタズラ好きの陽性種族として扱われ、フォーセリアではイタズラ好きだけど心には寂しさを抱えた精神の精霊であり、もう作品によって設定やイメージが異なってくる感じじゃのう」

NOVA「ラクシアの レプラカーンは、あまりイタズラ好きってイメージじゃなくなって、シャイな性格で、自分の趣味の作業やこだわりを持ちながら、周りをサポートする気の良い小人族って感じがします」

ヒノキ「データ的には、魔動機文明のたしなみがあって、多彩な道具を使い分けるアイテム使いとして有能ってことじゃったな。シロのプレイするホリーの場合は、『騎士貴族の館で可愛がられて育てられた』『蛮族に育ての家族を殺された』『トラウマで二重人格になった』という複雑な背景持ちで、標準のレプラカーンとは大きく異なる人生を歩むようになった、という経緯がある」

NOVA「装備アイテム数が増やせる[見えざる手]は、多彩な技能を活用して、アイテムをいろいろ購入できるようになった中盤以降は、地味ながら便利な特徴と言えますが、隠密行動のできる[姿なき職人]はちっとも使ったことがないですな」

ヒノキ「単独で隠密行動をする機会がなかったからのう。レプラカーンは優秀なスカウトになれる性質を持っておるが、それ以前に優秀なスカウトとして成長していたマッスル太郎がおったから、ライダー技能とサポート魔法使いを中心に育成した軽戦士キャラとして、サポートに務めた経緯がある」

NOVA「うちのプレイの、必ずしも標準とは違った育成 レプラカーンと違って(それも個性と見なしつつ)、希少種レプラカーンは種族特徴の[姿なき職人]が置き換わります。放浪種は[姿消す職人]ですね」

ヒノキ「どっちも同じに思えるが、どう違うのじゃ?」

NOVA「[姿なき職人]は透明化であるのに対し、[姿消す職人]は短距離テレポートですね。1日1回、10m以内の見えている場所に転移できます」

ヒノキ「すると、乱戦に巻き込まれた際に即離脱できる、と?」

NOVA「それが無理なんですね。離脱のために移動を費やす必要があって、手番中に移動した場合は[姿消す職人]が使えないなど、能力使用に制限があって、これを使いこなすにはどうすればいいか、と考えてみると、橋のない幅5mほどの亀裂を飛び越えるとか、崖から落下している際に、とっさに崖上に飛び戻るとか、ただの隠れ身よりもアクティブに動くことができそうです」

ヒノキ「いささか地味な[姿なき職人]よりも、[姿消す職人]の方が派手に遊べそうじゃのう」

NOVA「要はT&T版レプラコーンの《瞬き移動》が使えるようになったと思うと、分かりやすい」

ヒノキ「その例えを分かりやすく感じるのは、オールドスクールTRPGファンぐらいじゃろうて」

NOVA「俺とヒノキ姐さんが分かれば、今は十分じゃないですか。まあ、それより次の探索種 レプラカーンは、[群れなす職人]ですね」

ヒノキ「分身できるのか?」

NOVA「いいえ。MP5点で操霊魔法【リモート・ドール】と同じようなことができます。要は、人形やゴーレムなんかに憑依して遠隔操作できるわけですね」

ヒノキ「自分の代わりに、依代人形を分身として操る能力か」

NOVA「もちろん、本体はその間、行動不能なんですけどね。危険な罠が想定される場所で、人形に探索を代行してもらうのは、便利でしょう」

ヒノキ「[姿なき職人]は真語魔法6レベルの【コンシール・セルフ】の効果、[群れなす職人]は操霊魔法6レベルの【リモート・ドール】の効果か。初期段階から6レベル呪文と同じことができるのは強力じゃが、成長してその呪文が使えるようになれば、無用の長物になってしまうのが残念と言えば残念じゃのう」

 

シロ「……ということで、アリナ様。ボクのホリーは『実は放浪種レプラカーンだったの』ということで、[姿なき職人]を[姿消す職人]に置き換えるということでは、どうでしょうか?」

ヒノキ「……って、シロ、いつの間に? [姿なき職人]でも使ったのか?」

シロ「いや、そんな物を使わなくても、ボクは元より忍び。例え、アリナ様相手であろうと、新星さまとの話に集中していれば、気配を悟らせぬことなど容易いこと」

ヒノキ「うむ。新しいサプリメントが出たら、そのルールを既存のキャンペーンに導入したくなるのは必定。これまで[姿なき職人]を使う機会がなかったから、より使いやすそうな[姿消す職人]に置き換えるのは、ありじゃろう。よし、ホリーは生まれこそ通常の レプラカーンの一族じゃったが、家族を失って長年の冒険者生活や、バルカンの遍歴の騎士であるという役割演技、そしてイノセントの飛竜覚醒の機縁に際して、[姿なき職人]の特徴が突然変異覚醒して、瞬間移動能力の[姿消す職人]に進化した……ということで、どうじゃろうか、新兄さん……って、いない?」

シロ「どうやら、ここでの話が一段落したと判断して、暇も告げずに転移したようですね。さすがは神出鬼没の時空魔術師と言いましょうか」

ヒノキ「姿消す職人かよ。せめて、『じゃあ、これで帰るわ』の思念ぐらい残して去るのが礼儀ってものじゃろうが」

 

NOVAの思念(じゃあ、これで帰るわ)

 

ヒノキ「何と。思念が残っていたじゃと!?」

シロ「せっかくの用意周到さも、発動のタイミングがズレてしまえば、単に後付けの言い訳にしか受け止められないのが残念ですね」

ヒノキ「まあいい。これで種族話も一段落した。あとは、作者の時間ができて、気分が盛り上がったタイミングで、『魔神ハンターFINAL』を始動させようぞ」

シロ「最終局面で、新たな能力に目覚めるのは、何だか主人公みたいでワクワクします」

(当記事 完)