花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、ソード・ワールドのミストグレイヴ妄想リプレイ「魔神ハンター」を終了に向けつつ寄り道迷走気味。

ソード・ワールドの新作サプリ……などの話

ソード・ワールド・カテゴリー200回記念

 

ヒノキ「ソード・ワールドの新作サプリが出たのに、新兄さんからは何の連絡もないのじゃ」

ゲンブ「前回のブログ記事、魔神ハンター100記事め記念回より1ヶ月。しかし、新星殿から何の連絡もないとは、もしやどこかの異世界に飛ばされて、ピンチなのではござるまいか?」

シロ「梅雨も明けて、これだけ猛暑が続くという状況では、うっかりどこかの異世界の扉が開いて、時空の彼方に引きずり込まれても不思議ではないでしょうね」

リトル「いや、シロ姉さん。それは世間一般では十分、不思議の範疇ではないでしょうかぁ?」

シロ「梅雨が明けることが不思議だというのか?」

リトル「いいえ。異世界の扉が開くことですぅ。大体、それってうっかり開くものなんですかぁ?」

シロ「自然に開くものでないから、事故か、誰かが人為的にこじ開けたということになる。だけど、その誰かが制御できずに、うっかり転移してしまう事故は今の時代にしばしば観測されていてな。うっかりにしても、人為的にせよ、個人の生活もしくは世界に思わぬ混乱を招くことは必定」

 

PONPON

 

リトル「うわっ、噂をしたら、突然、次元の扉が開きましたよぅ!?」

 

翔花「やっほー♪」

晶華「夏休みに入ったので遊びに来たよ♪」

シロ「おお、翔花。ついでにアッキー。お前たちが来るとは聞いていなかったぞ」

ヒノキ「まったく……来るなら来ると、前もって連絡して来い。さすれば、歓迎の準備もしっかり整えてやったものを」

ゲンブ「で、お二方のみで新星殿が見えられぬということは、何か異変でも?」

翔花「リアルで仕事が忙しい時期にも関わらず、アランシアってところで13人の暗殺者と戦ったりして、心ここにあらずだって」

ゲンブ「13人の暗殺者! たった1人でそんな連中とやり合うとは、いかにも厳しそうでござるな。応援に向かった方がよいのでは?」

晶華「一度にまとめて襲って来るわけじゃないから、各個撃破できるので大丈夫だって。それに〈悪魔の短剣(サイ・クロン)〉が相棒になってくれるから……とか、よく分からないことを申しており……」

ヒノキ「一言で言えば、ゲームブックに夢中で、他の記事には作者として手がつけられんと言うことじゃな」

翔花「さすがはヒノキちゃん。上手く行間を読んだわね」

ヒノキ「何じゃ、ドンブラロスの後、キングオージャーにはハマらないなんて言っておらんかったか?」

翔花「キングオージャーが盛り上がらないと、来年の春にドンブラとの共闘映画が作られないかもしれないって、NOVAちゃんが言うから、仕方なくハマってやってるの」

ヒノキ「夏の映画もそろそろじゃし、楽しめるところは楽しめばよかろう」

晶華「来週の映画までには、アランシアから引きずり戻さないとね」

 

改めてソード・ワールド……などTRPGの話

 

ヒノキ「で、新兄さんの魂がアランシアで暗殺者と戦っている最中というのは分かったが、ソード・ワールドについて何か言っておらんかったか?」

晶華「はい、これ、お土産」

ヒノキ「おお、これは先月に出た新作リプレイ。新作サプリに対応した異種族先行公開ルールが収録されているという噂じゃったな。これはいい。しかし、肝心のサプリはまだか? 異種族と秘宝のお宝本を、わらわは所望する」

翔花「買いに行きたいのはやまやまだけど、すぐには無理。月末明けたら、これと一緒に買いに行くつもりだとメモ書きしてたわ」

晶華「自転車で行ける地元の本屋では、文庫本以外のゲーム関連本が売ってなくて、ゲームサプリやGMウォーロックなどの雑誌を買うには、交通費を払って電車を使わないといけないんだって。それで欲しいサプリがあれば月に1度ぐらいはそうしてるんだけど、今月はこれを買ったから、次の機会は来月頭に雑誌とまとめて買う予定、とNOVAちゃんメモに書いてある」

ヒノキ「そのメモには、他に何と書いてある? わらわにも見せてくれぬか?」

晶華「はい、どうぞ」

ヒノキ「おお、これが当ブログ時空の未来(未定)が記されている(かもしれない)、伝説の新兄さん思いつきメモ……って、何じゃこれ? 字が汚くて、何て書いてあるのかちっとも分からん」

晶華「フッ、そのメモは古代神聖文字ならぬ、現代新星文字で記されたもので、NOVAちゃんと魂の契約をした私とお姉ちゃん、そしてケイP一族にしか読めないの。リナ老師でも読めないなんてね」

ヒノキ「むむ。わらわは長らく生きておるが、言葉や文字の専門家ではないからのう。解読は粉っちゃんやアッキーに頼るしかないのか」

晶華「では、読みます。ええと、『ダブルクロス、久々の文庫リプレイ。地元の本屋で売ってるだろうから、今度の休みに買いに行こう』だって」

ヒノキ「FEAR社の文庫リプレイはずいぶん久しぶりじゃのう。一時期はソード・ワールドと並んで、富士見のドラゴンブックスやファミ通文庫などで次々と出ておったが、2015年辺りのKADOKAWA再編の煽りを受けて、文庫リプレイがちっとも出なくなった。10年前は、FEAR社創立20周年イベントで盛り上がっていたものじゃったが」

ヒノキ「今年はFEAR社設立30周年。10年前の勢いはなくなろうとも、相応の記念作品が刊行されて、そこそこ盛り上がることを願っておる」

翔花「FEAR社のサポート雑誌の最新号はこれね」

ゲーマーズ・フィールド27th Season Vol.5

晶華「知らないタイトルがいっぱいあるね」

ヒノキ「何と。新兄さんは今のFEAR社商品を追いかけておらぬのか?」

晶華「本棚でルールブックを見たのは、『メタリックガーディアン』と『ダブルクロス』と『マージナル・ヒーローズ』と『アリアンロッド』ぐらい? 今のFEAR社の主力商品は何?」

ヒノキ「雑誌で一番目立ってるのがこれじゃの」

シロ「他には、これも現在プッシュしているようだ」

翔花「う〜ん、よく分からないけど、ラストレクイエムは『ブレイド・オブ・アルカナ』の系譜? ヴィジョンコネクトは『アリアンロッド』のコンセプト(MMORPGのテーブルトーク化)の系譜? 箱庭双世は……全くの新コンセプトっぽいけど、データ指向ではないナラティブ系の作品……って言ったらいいのかなあ」

リトル「リウには、翔花さんが何を言ってるのかさっぱりですぅ」

ヒノキ「うむ、知らぬうちに、いろいろTRPGの勉強をしていたようじゃな」

翔花「NOVAちゃんの本棚にあるルールブックをざっと流し読みしたのよ。いつまでも、TRPG素人ではいたくないし、優秀なアシスタントガールとして経験値を積みたいしね」

ヒノキ「なるほどのう。しかし、どんどん新作が増えるTRPGで、生き残れる作品は少ないものよ。栄枯盛衰の歴史を感じるのう」

晶華「それにD&Dやソード・ワールド、AFFの新作を追いかけていたら、他のゲームを追いかける余裕は時間的にも、金銭的にも足りないって、NOVAちゃんが嘆いていたわ。新作ゲームも含めて、日本のTRPG全てを網羅したカタログ本なんて、もう作れないのでしょうね」

ヒノキ「90年代のこの本みたいなのが、2020年代ヴァージョンであれば、1万円ぐらいの価値はあるじゃろうか」

晶華「この表紙に載っていて、今も展開を続けているのが、日本でのオールドスクールと呼ばれるものでしょうね」

翔花「ええと、D&DにT&T、クトゥルフに、シャドウランサイバーパンクTORGってところかしら」

晶華「ロードスRPGやゴーストハンターは、微妙に展開中とは言い難いしね。また話題に昇ることはあるでしょうけど」

ヒノキ「ローズtoロードも捨て難いが、現在も展開を続けているとは言えんのう。目次を見ると、ウォーハンマートーキョーN◎VAが継続中作品と言えて、あと今秋にルーンクエストの最新版が帰って来るそうじゃ」

翔花「ルーンクエスト? それは知らない」

晶華「お姉ちゃん、簡易版のルーンクエスト90sなら、NOVAちゃんの本棚にあるわよ。ホビージャパンが最初に邦訳したボックス版は、書庫の奥に封印されていると思うけど。あと、関連作品のヒーローウォーズってのが、床に積まれた本の山の中に……」

シロ「何で、本が積まれて山になってるんだよ?」

晶華「ドラゴンは、自分が集めた金銀財宝の山の上で眠るんだし、NOVAちゃんだって、自分が集めたお宝本の山の上で……寝ているわけじゃないか。枕元には、読みかけの本とか置いてあるけど」

リトル「読みかけの本ですかぁ?」

晶華「今、枕元に置いてあるのは、FFC3の箱ね。寝ているときは、心がいつもアランシアに旅立てるように」

ゲンブ「ラクシアに旅立とうとは思わないでござるか?」

晶華「今はソード・ワールドのルールブックやサプリメントは、本棚に片付けてるわ。また、プレイする時に枕元に移動するんじゃないかしら」

 

TRPG50周年と、ソード・ワールド35周年と

 

ヒノキ「ソード・ワールドの話をするつもりが、広くTRPG全般の話に膨らみ過ぎたようじゃ」

シロ「そう言えば、今年はソード・ワールド2.5の5周年なんですね」

翔花「花粉症ガールと同じだね♪」

晶華「どっちも2018年から、だもんね。つまり、ソード・ワールドと花粉症ガールのメモリアル・イヤーってことで、今年は祝わないと」

ヒノキ「5周年記念のルールブック・ボックスが予定されているそうじゃ」

翔花「こんな感じのセットかな」

晶華「2.5は5周年だけど、2.0から数えるとラクシア15周年で、無印ソード・ワールドのタイトルは1989年からだから、来年で35周年になる」

ヒノキ「来年はD&D50周年だから、すなわちTRPG50周年になる」

翔花「そうかあ。D&Dのメモリアルは、TRPGというジャンル全体のメモリアルにもなるんだね」

ヒノキ「じゃから、誰か『TRPG50周年史』なんて総括本を出版してくれぬじゃろうか。これみたいな感じで」

晶華「ファミコンは今年で40周年かあ。ところで、ファミコンって何?」

ヒノキ「何と。アッキーはファミコンを知らぬのか?」

晶華「名前は聞いたことはある。でも、実物は見たことがない。スーパーファミコンだって知らない。私が知ってるゲーム機は、ゲームボーイアドバンスからよ。NOVAちゃんの手元にないゲームなんて、知ってるはずがないじゃない?」

ヒノキ「赤箱D&Dや、社会思想社版『火吹山の魔法使い』は保管しておるのに、ファミコンは保管しておらんのじゃな。ほぼ同時代のゲームなのに」

ゲンブ「ファミコンは83年で、赤箱D&Dと『火吹山の魔法使い』邦訳が84年。あと、ドラクエが86年でござるなあ」

ヒノキ「とりあえず、RPGというジャンルそのものの誕生が、来年で50周年なのじゃ。日本では、上陸時期の都合で、コンピューターゲームRPGが先にブームとなって、アナログ版(当時はボード版とも言われた)RPGは、後からテーブルトークと呼称され、80年代後半から90年代前半に知名度を上げていき、それと並行する流れで、ライトノベルや各種冒険映画の元ネタとして広く伝播するようになったのじゃ」

晶華「この80年代から90年代が、NOVAちゃんにとっては青春の思い出であり、魂の故郷と言っても差し支えないみたいね」

翔花「でも、世紀末にTRPG冬の時代が到来し、世界は核の炎に包まれたのよね」

ヒノキ「そして、日本最後のTRPGと称して発売されたのが、これの系譜じゃ」

晶華「それでも、その後、ダブルクロスとか、アルシャードとか、アリアンロッドとか新世紀生まれのTRPGが後に続いたので、ビーストバインドの危惧した未来は変えられたってことね」

ヒノキ「2000年代に、日本のTRPG文化が生き残ったのは、ホビージャパンがD&D3版以降を精力的に翻訳出版したことと、FEAR社がTRPGを盛り上げてくれたこと。そこから2003年に、この雑誌が出版されて、TRPG冬の時代の終了宣言が為されたことも大きい」

翔花「SNEさんは何をしていたの?」

ヒノキ「旧ソード・ワールドGURPSという二本柱を基軸に、カードゲームのモンコレその他のTRPGをプッシュしつつ、続く時代の足場固めをしていた、と後の歴史で語られるようになろうか」

翔花「つまり、今、語っている話ね」

晶華「その時代に生まれたSNEゲームで、今も系譜が続いているのって、この2本じゃないかしら?」

ヒノキ「ゲームそのものは一過性のものじゃが、ゲヘナの続編のデザイナーが後にソード・ワールド2.0のメインのシステムデザイナー田中公侍氏であるし、デモンパラサイトの方は北沢慶氏が監修した作品で、関係スタッフがほぼそのままソード・ワールド2.0に移っている。また、デモパラで北沢氏の元でゲームデザイナー修行をした力造氏が後に独立して、世界観の一部エッセンスを引き継いだ作品、『神我狩』を展開したのじゃが、2020年に亡くなられたのは惜しいのう」

翔花「何だか、断片的ながらTRPG50周年の流れを語ろうとしてない?」

ヒノキ「さすがに、個人の観測範囲で全てを語ることはできんじゃろう? SNEとFEAR、ホビージャパン冒険企画局といった老舗会社を追いかけるだけでも大変じゃし、デザイナー個人で言えば、スザクゲームズの朱鷺田祐介氏もシャドウランの翻訳などを中心に精力的に活動しておる。スザクの称号を持つわらわとしても、昔から推しのゲームデザイナーじゃ」

 

晶華「でも、ソード・ワールドの話には近づきそうで、どんどん違うゲームの話に流れていくんですけど?」

ヒノキ「うむ。ならば、新兄さんが早く新サプリのアーケインレリックを入手することを願って、当記事を締めくくるのじゃ」

翔花「せっかくのソード・ワールド200回記事が、こんなグダグダ収拾のつかない内容で良かったのかな?」

(当記事 完)