花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、ソード・ワールドのミストグレイヴ妄想リプレイ「魔神ハンター」を終了に向けつつ寄り道迷走気味。

アルシャード・キャラ作りの続き

前置き映画と寄り道ロードス話

 

翔花「前回、わたしはアルシャード・ガイアのキャラ作りを始めて、ファイター、レジェンド、ルーンナイトの3つのクラスを選びました」

ヒノキ「ルーンナイトは、ハリウッド映画にも進出した聖闘士星矢オマージュのクラスじゃ」

晶華「何だか、ビギニングだけで終わってしまいそうなビジュアルね。こんなのペガサスの聖衣じゃないって声が聞こえて来るわ」

ヒノキ「まあ、一応、ギリシャ風の鎧兜をリアルに表現したという触れ込みじゃが」

晶華「聖闘士の世界に、リアルな歴史造形が必要とは思えないんですけど」

ヒノキ「まあ、動いたら格好いいというのは特撮あるあるじゃからのう」

翔花「それよりも、ゴールデンウィークはドンブラ映画が楽しみなんだから」

晶華「ドンブラ映画じゃなくてゼンカイ映画よ。私はゼンカイジャーを全力全開で応援する」

ヒノキ「わらわはそれよりも、アバレンジャーが気になるのう」

翔花「え? ドンブラとの共演とは別に映画もするの?」

ヒノキ「うむ。アバレキラーこと仲代先生がどうやって復活するかが気がかりじゃ。それに加えて、相棒のトップゲイラーの声がグリッドマン緑川光じゃからのう。緑川と言えば、クリスタニア映画の主人公レードンもやっていた」

晶華「クリスタニアと言えば、ロードスの続編で、今となっては伝説の作品ね」

ヒノキ「そうじゃ。ロードスは86年に『コンプティーク』誌のD&Dリプレイ連載として始まったが、87年にオルソン主人公の第2部が、88年にシステムをD&DからオリジナルのロードスRPG(の原型)に移してスパーク主人公の第3部が展開された。その後は89年にロードスRPGを用いた新大陸の冒険物語として『漂流伝説クリスタニア』が開始された」

晶華「ロードス、ソード・ワールド、そしてクリスタニアの3シリーズが、フォーセリアを舞台にした冒険物語なのね。クリスタニアはロードスの続編として始まったものの、現在においては復刻もされることなく、文字どおりの伝説と化した」

ヒノキ「ロードス小説が2019年に復活したときは、そこからクリスタニアに至るエピソード(半島のダナーン王国は、戦乱で滅ぼされたロードスのとある王国民が漂流民として逃れた末裔設定)も描かれるかもしれぬ、と期待したものじゃが、続巻が出ないので、やきもきしておる」

翔花「そもそも、どうしてフォーセリア世界で3つも物語シリーズが同時に展開されたの?」

ヒノキ「それは出版元である当時の角川お家事情が複雑に絡み合った結果じゃ。ロードスの続編がクリスタニアなのは間違いない事実じゃが、その版権が新興のメディアワークス(角川分家)に移った結果、角川本家は展開が終了したロードスを再展開することになり、同じく角川系列の富士見書房が展開していたソード・ワールドと、3つの物語シリーズが90年代に並立する流れとなったのじゃよ。その中で一番割を食ったのがクリスタニアじゃな」

晶華「クリスタニアRPGは、ロードスRPGの発展版なのに、その後、ロードスRPGも独自に発展して、近年復活したのよね」

ヒノキ「復刻ロードスRPGの関連商品は3つじゃが、その後、展開が止まっておるのう。雑誌でのサポートはまだかろうじて継続しておるが」

翔花「そう? 今度出る予定の新号の表紙からは、ロードスの文字が消えたみたいだけど?」

ヒノキ「何と。8号ではまだ残っておったぞ」

 

 果たして、ロードスRPGの雑誌サポートは打ち切られてしまったのか?

 今月末発売のGMウォーロック誌をドキドキ楽しみにしつつ。

 なお、パグマイア&マウの文字も表紙から消えたので、そちらも気になるところ。

 

改めてキャラ作りの続き

 

ヒノキ「ロードス(およびパグマイア)の運命を気にしながら、アルシャードの続きじゃ」 

晶華「そちらも雑誌サポートはとっくに打ち切られているみたいね」

F.E.A.R. ゲーマーズ・フィールド27th Season Vol.3

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ヒノキ「2020年の24期までは表紙にも載っていたので、25期から打ち切られたようじゃのう」

ゲーマーズ・フィールド24th Season Vol.6

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翔花「何だか、打ち切りマンガの悲哀を見ているような気分ね」

ヒノキ「サポート雑誌の表紙を見ると、TRPGの栄枯盛衰の歴史も堪能できるような気もするのう。しかし、たとえ旬でなくとも、TRPGゲームマスターやプレイヤーの嗜好が一致すれば、いつまでも独自に好き勝手に遊んで行けるものなのじゃ。そう、公式サポートがなかろうとも、ファンが買った商品が消えるわけではないし、愛着も無限大に広がるもの。さもなければ、関連雑誌さえ残っていないファンタズムアドベンチャーが今だに語られるはずがない」

晶華「はいはい。NOVAちゃんみたいな寄り道脱線はそれぐらいにして、お姉ちゃんのキャラ作りの続きをするわよ。ここまで決めたデータは以下のとおりね」

★翔花のアルシャード・キャラ

 

・クラス:ファイター1レベル、レジェンド1レベル、ルーンナイト1レベル

・加護:《トール》《ガイア》《フレイ》

 

・能力値

 体力14(+4)、反射15(+5)、知覚11(+3)、理知9(+3)、意志11(+3)、幸運13(+4)

 

・戦闘値(未装備)

 命中7、回避6、魔導3、抗魔4、行動9、攻撃値+2

 耐久値23、精神値17

翔花「クラスを選ぶと、大体が自動的に決まるので、考える余地もランダム性もあまりないのよね」

ヒノキ「戦士なのに、攻撃の命中や耐久値なんかが極端に低いキャラは作れないってことじゃな。大体は選んだクラスのイメージどおりに落ち着けるルール仕様じゃ」

翔花「次に、特技を決めるのね」

ヒノキ「特技もクラスとレベルごとに習得できるものが決まっておる。まず、ファイター1レベルでは、《戦士の手》が自動取得じゃ。物理攻撃の命中判定でクリティカル値(通常12)を常時マイナス1できる」

翔花「クリティカルすると、絶対命中ね」

ヒノキ「相手が回避でクリティカルを出さない限りはのう」

翔花「『《戦士の手》、命中クリティカルー1して11』って記入したらいいのね」

ヒノキ「次に《ヘビィウエポン》《マーシャルアーツ》《猛攻》のどれか1つを選べる。内容は以下のとおりじゃ」

 

・《ヘビィウエポン》:通常よりも重い武器を装備できる。通常は体力基本値14までのところを、ファイター1レベルを加えた15まで装備できる。

・《マーシャルアーツ》:素手戦闘の能力を高める。通常は素手の攻撃力は「〈殴〉+0」だが、体力ボーナス分を加算して「〈殴〉+4」にできる。

・《猛攻》:MP2点消費して、1回のダメージを+1Dする。

 

翔花「聖闘士の闘法は武器に頼らず、己の拳を使うもの……と思えば、《マーシャルアーツ》一択だけど、『〈殴〉+4』ってどれだけ強いの?」

ヒノキ「武器表によれば、ブロードソードが必要体力12で、〈斬〉+4じゃな」

翔花「拳で広刃剣並みのダメージか。左右の拳で2回攻撃ってできる?」

ヒノキ「両手で攻撃するのは、スカウトの特技《ダブルウエポン》の効果じゃな。ファイターにはできん。それと、ルーンナイトは専用の《ルーンウエポン》と鎧の《ルーンメタル》を装備できるので、先にそのデータを見てから考えるといいじゃろう」

翔花「《ルーンウエポン》かあ。どんなのがあるの?」

ヒノキ「基本ルールにあるのは、拳のルーンアーム、盾のシールドルーン、剣のブレイドルーン、銃のシュートルーン、弓のルーンボウの5種類じゃな。上級ルールだと、これに短剣、杖、槍が加わるが、短剣はスカウト用、杖は魔法使い用、槍はヴィークル搭乗時に力を発揮するので、今は考えなくてもいいじゃろう」

翔花「一番強いのはどれ?」

ヒノキ「そうじゃな。単純に攻撃値だと剣と弓の+7が強いが、拳のルーンアームは通常状態で+4ながら、《マーシャルアーツ》の特技と組み合わせると合計+8になって、初期状態で最強破壊力を示すルーンウエポンと言える。ただし、命中判定は剣に劣るし、ブレイドルーンには1シナリオに1回、命中ダイスを振り直せるという特殊能力があるので、総じて剣が安定して強いと言えよう」

翔花「だったら、ブレイドルーンを愛用するわ」

ヒノキ「キャラクターシートに《ルーンウエポン:ブレイドルーン》と書き記すがいい」

翔花「使用する武器種別ごとに、特技を新しく習得しないといけないのね」

ヒノキ「うむ。新たに《ルーンウエポン:シールドルーン》を習得すれば、回避+2、防御修正が〈斬〉+3/〈刺〉+3/〈殴〉+2を加算することも可能」

晶華「攻撃種類ごとに、防御修正が変わって来るのね。その辺がソード・ワールドと違う、と」

ヒノキ「ソード・ワールドの防護点は、物理攻撃と魔法攻撃の大きく2つで簡略化されておるからのう。一応、マジックアイテムや魔法の効果で〈炎〉ダメージがマイナス3とか、そういう属性防御手段があったりするが、通常時の防御修正データはアルシャードの方が凝っていると言えよう」

晶華「でも、ルールを凝り過ぎると、実際にゲームをプレイする時に考えることが多くなって、煩雑になるからデザイナーのバランス感覚が必要になるのね」

ヒノキ「アルシャードの場合は、基本ルールが割と精密なのじゃが、クライマックス戦闘時は、加護の連発やブレイクといったルールで細かいことを吹き飛ばす豪快さを兼用している。シーンによって、演出の派手さが変化するダイナミズムが魅力的と言えよう。もちろん、ソード・ワールドも2.0以降は、その魅力の一部を取り込みながら、旧ソード・ワールドのシンプルさからの脱却を図っておるので、どっちが上とかを単純に語れるものではないだろうがのう」

翔花「ソード・ワールドでは戦闘特技の組み合わせでキャラ性が変わってくるけど、習得できる特技はアルシャードのようなSRSの方が多いので、成長が楽しめそう」

ヒノキ「そこまで成長するほど、プレイする予定はないがのう」

翔花「とりあえず、《ルーンウエポン:ブレイドルーン》を習得したので、《ヘビィウエポン》と《マーシャルアーツ》は必要なくなった。だからファイターの特技は《猛攻》を選ぶことにするわね」

ヒノキ「それが無難じゃろうな」

 

ルーンナイトの特技について

 

ヒノキ「さて、次にルーンナイトじゃが、初期取得の特技は《ルーンウェポン》の他に、鎧の《ルーンメタル》、結界を作る《ルーンフィールド》の3つに決まっておる。武器の種別の他は選択の余地はない」

翔花「結界って?」

ヒノキ「クエスターと奈落の戦いは、できるだけ隠密理に行うことが望ましい。ファンタジー異世界と違って、現代日本では怪物や武装した人間の戦いは容易に治安を乱し、社会不安を掻き立てる。ファンタジー世界の冒険者が武器鎧を装備し、怪物と戦うことは比較的、日常茶飯事と言えるが、現代日本ではそうではなかろう」

晶華「巨大ロボを使うような戦隊シリーズは別として、ライダーやプリキュアのようなヒーローも正体を隠すのが多いわね」

ヒノキ「中にはデリシャスフィールドのようなバトルゾーンを生成したり、破壊された街は戦闘後に不思議な力で修復されたり、戦闘後のドラマに関係ない一般目撃者の記憶が曖昧になったり、とにかくプリキュアは日常を壊さないような配慮が随所で見られる。

「ライダーは作品によるが、警察組織が味方してくれる作品なら警察が情報管制に協力してくれるし(とりわけクウガやアギト、W、ドライブ)、戦闘の舞台が一般人には認知できない異空間もしくはゲーム世界とかに切り替わったり(龍騎、電王、エグゼイド、セイバー、ギーツなど)、戦闘そのものが人里離れた山とか特殊な学園とか局地的だったり(響鬼、フォーゼ)、平成および令和のライダーは作品ごとにライダーと怪人の戦いが世間で知られて日常を改変しないための工夫が見られる。ただし、中には都市伝説として噂になったり、そもそも世界設定が現代日本と異なる要素を含んでおり、ライダーの戦いが公然と知られているケースもある」

晶華「日本が3分割されたビルドさんや、ヒューマギアが実働しているゼロワンさんは、明らかに現代日本とは違う歴史をたどっているわね」

ヒノキ「他はまあ、味方もしくは敵の大組織が報道管制を敷いて事件が世間で大事にならないように上手く陰で処理しているのだろうとか、複数の世界を渡り歩くディケイドとか、たまにはライダーの戦いが世間で普通に報道されて認知されているようなケースさえある」

翔花「リバイスさんもそうよね。自分たちで積極的にネットで情報を発信してたりもするし」

ヒノキ「怪事件を解決する探偵業(W)とか、悪霊払いなんかを商売にしている寺の住職(ゴースト)などの職業ライダーも、事件そのものは別に隠しておらんな。それを解決するライダーが誰なのかは職業上の秘密として扱われるにしても。仮面ライダーという存在の作品世界での扱われ方は、その作品ごとの根幹設定とも言える」

晶華「さすがに巨大な怪獣や怪人が毎回暴れるようなウルトラシリーズや戦隊では、隠し事はできそうにないわね」

ヒノキ「基本的に主人公は防衛組織に所属していて、怪獣や巨大ヒーローの戦いが認知されているのがウルトラの世界観じゃが、ネクサスは珍しく怪獣の存在が組織によって隠匿されており、人々の記憶を消すような特殊部隊さえ活動しておる。これは、闇に属する怪物の存在そのものが人々に知られると恐怖や不安が蔓延して、ますます闇の力が増大することになり、世界の崩壊につながるということで、ウルトラには珍しい世界観じゃ」

翔花「グリッドマンさんも怪獣を倒せば、街は修復されて、関係者以外の記憶も消されるわね」

ヒノキ「ご都合主義と言えば、そうなのじゃが、アニメのグリッドマンはその不思議な世界の構造そのものを突き止めるドラマも重要な物語のファクターじゃったからな。日常が壊れ始めて、その世界は実は誰かの作った虚構だったと分かり、だけど虚構の中の人間もしっかり生きていて、神さまの思いどおりにはさせないよとか、孤独な神さまを癒すのも虚構の中の登場人物であり、ヒーローであるというメタ世界のドラマが描かれた。

「一方で、原作のグリッドマンは、戦闘の舞台が基本的に電脳空間であり、コンピューター世界で怪獣が暴れると現実の機械が暴走して街中が大混乱(この辺の描写はシリアスな破壊よりも、不思議コメディー調のコント風味に描かれている)して、そのドタバタ混迷状態を解消するためにグリッドマンが怪獣を倒していく話が基本じゃった」

晶華「架空世界上の戦いだから、どれだけ暴れても現実では被害を受けず、ヒーローと敵対者の存在も関係者以外の世間には認知されないという話ね」

 

ヒノキ「ともあれ、現代日本を舞台にしたバトル物フィクションを描く場合、そのバトルが世間でどれだけ認知されているか、日常がどこまで壊れることを作り手は想定しているか、ヒーローの戦いが知られていないならどうしてか、逆にヒーローや怪物の存在が知られたら世界はどう変わるかなどを考えないようであれば、それは子ども騙しでリアリティを無視した陳腐な作品と言えよう。昭和の作品ならお約束で許された諸要素を、なあなあで済ませずにしっかり構築することが90年代以降の創作技術の基本であり、日常と非日常の境界線をどのように描写するかが作品の世界観とも言える」

晶華「日常を壊さずに守ることをヒーローの目的にするなら、その戦いも人知れず行うことが必要になるわね」

ヒノキ「そのために結界を張る能力が一部のクラスには用意されておる。ブラックマジシャンの《シールエリア》、ホワイトメイジの《イノセントゾーン》、ダンピールの《狩場展開》、そして《ルーンフィールド》が基本ルールにある結界スキルじゃな」

晶華「結界を張れないキャラはどうするの?」

ヒノキ「張れる仲間と共に行動するか、結界子というアイテムを使うか、結界がないので派手なバトルを遠慮するか、あるいは結界なんて一切気にしない暴れん坊キャラをロールプレイするというケースも有り得る」

翔花「え? 人前で堂々と暴れていいの?」

ヒノキ「GMは基本的に『結界を使わなければ、被害が拡大する』と警告するべきじゃろうな。結界内のエキストラ(PCや敵以外の一般人)は意識を失って眠っているような状態になるし、クエスターの戦いを認識できないか、曖昧な夢みたいなものと受け止める。結界の外にいる存在は、無意識に結界を避けるように行動するし、近くにいるクエスターは結界が張られたことに気づいて仲間と合流することもできる」

晶華「『結界を張っているのに自由に動けるとは、貴様はクエスターか?』というセリフも使えそうね」

ヒノキ「もしくは奈落憑きを見破る手段にも使えるな。もちろん、敵側の特技で結界を構築する《自己領域》というデータもある。また、結界内での破壊活動は現実の空間に影響を及ぼさないので、安心して派手に暴れていいという記述もある。要は、現代バトルアクション物で日常を守るヒーロー・ヒロインを演じるのに、便利かつ必須なルールと言えよう」

翔花「結界の必要性は分かりました。ルーンナイトは結界を作れるので、派手な鎧を身につけて戦っても、一般の人から『何だ、このコスプレは?』と奇異の目で見られることがない、と」

ヒノキ「うむ。そして鎧の《ルーンメタル》はマイナーアクションで呼び出し、装備できる。普段は学生服もしくは私服姿の少年が戦闘時に鎧を召喚し、武装することもルールで再現できる。防具としての性能は初期状態で〈斬〉〈刺〉〈殴〉の物理防御が4で、〈炎〉〈氷〉〈雷〉の魔法防御が2」

翔花「それはどれぐらい強いのかしら?」

ヒノキ「警官隊が使う金属製の防護プロテクターが同様に物理防御4じゃが、行動値ー4のペナルティーがかかる。しかし、ルーンメタルは軽量な金属と魔力の効果で行動ペナルティーがなく、機敏に動ける。さらにルーンメタルを装備している間は、物理攻撃のダメージが+2できる」

翔花「攻防共に強化されるのか。ルーンナイトって最高ね」

 

レジェンドの特技について

 

ヒノキ「最後にレジェンドじゃが、《運命の予感》を自動習得できる。これは、GMにシナリオ解決の質問を3つまでできるので、情報収集に役立つ特技じゃ」

翔花「シナリオボスは誰? って質問でもOK?」

ヒノキ「GM次第じゃが、いきなりそういう質問だと、わらわは却下するじゃろうな」

晶華「『このうさん臭いNPCから奈落の気配は感じられますか?』って質問なら行けそう?」

ヒノキ「まあ、それならOKかもしれんのう。『いや、奈落は関係ない、ただのうさん臭いだけの一般人だと思った。ただ、本人は奈落と気づかずに、黒幕に利用されているんじゃないかって気はするね』とか、GMが上手くPCを誘導するのにも使える。別にアルシャードは難解な謎解きでプレイヤーをいたずらに悩ませるようなプレイは推奨していないので、痛快ヒーローアクションとして、サクサク情報を入手できるような特技は、GMとしてもシナリオがダレずに済むというメリットがある」

晶華「プレイヤーに情報は与えたいけど、GMがストーリーを露骨に誘導するのは避けたい場合に、プレイヤーからヒントを求める特技を利用して来たら、プレイヤーの行動で手がかりを得たって満足感が得られるもんね」

ヒノキ「うむ。プレイヤーが求めもせず、探しもしていない情報を押しつけられても興醒めじゃが、欲しい情報に当たりをつけて情報収集特技を駆使するのは、プレイを円滑に進める上でありがたい局面も多かろう。特に『誰が奈落か分からないから、関係NPCをみんな集めて結界を張って反応を見ます』などという乱暴な行動に頼らずに済む」

晶華「もしかして、アルシャードのシナリオ攻略裏技って奴?」

ヒノキ「まあ、殺人事件を捜査している名探偵でもあるまいし、無意味にNPCを全員集める必然性を演出できるか、という問題点はあろうが、正攻法で事件を解決できない場合に、脳筋バトルで一気にクライマックスに持って行ける最後の手段ではあろうな。それがストーリーゲームとして楽しいかどうかは置いておくとして」

翔花「でも、もしもNPCが5人いて、そのうちの1人が奈落憑きだとしても、残り4人は無力なエキストラでしょう? 奈落が出現した戦場に、4人の一般人が巻き込まれたりしたら、全員を庇って戦うなんて難しくない? 無関係な一般人を戦いに巻き込まないようにするためには、全員を集めて奈落チェックすることのリスクが大き過ぎる。やっぱり、被害を抑えるためには調査の手抜きはいけないと思うの」

ヒノキ「おお、粉っちゃん。正にその通りじゃ。一般人を危険から遠ざけるための結界じゃと言うのに、強引に危険が予想される場所に集めるのでは本末転倒と言えよう」

晶華「それに、5人とも奈落憑きというケースも考えられるわね。その際は、個別にチェックして各個撃破する方が効率がいい。敵を一網打尽できる範囲攻撃ができない限りは、集団戦のリスクも考えないと」

ヒノキ「まあ、さすがに登場人物が全員、奈落憑きというシナリオは稀じゃろうがな」

翔花「とにかく、情報収集特技を持っていることは、それだけプレイにも幅ができるってことね。わたしは戦闘しかできないバカじゃないってことで」

 

ヒノキ「そして、レジェンドはもう1つの特技を選択取得できる。候補は以下の3つじゃ」

 

・《逆転運命》:MP3点消費して、敵味方の1回の判定を振り直させることができる。1ラウンドに1回使用可能。

・《剣王の城》:MP3点消費して、異次元にある伝説の剣王武器を召喚できる。召喚された武器はそのラウンドの終了時に異次元に戻される。

・《大地の力》:ガイアの力を身に宿し、【命中】か【魔導】のどちらかの能力を+1する常時特技。さらに【耐久値】も+3される。

 

翔花「剣王武器って強いの?」

ヒノキ「ルーンナイトの武器と比べると、劣るのう。ブレイドルーンはルーンメタルの効果で〈斬〉+9になるが、基本ルールの剣王武器はそれを超えるものではない。何よりも、1ラウンドのみ使える召喚武器で、使うたびに3MPを消費する燃費の悪い特技じゃ」

翔花「それじゃあ、魅力が薄いわね」

ヒノキ「特技の使い勝手が悪いので、改訂版のセイヴァーでは、その戦闘シーンの間、持続できるように強化された。代わりに、《運命の予感》の質問回数が1回のみに弱体化したわけじゃが、レジェンドのクラスはとりわけガイアとセイヴァーでの変化が著しく感じるのう」

翔花「今回はガイアなので、《剣王の城》は使いにくい。《大地の力》は能力値が上がって、《逆転運命》はダイスの振り直しが可能だけど、MP3点消費が重いかな」

ヒノキ「敵の成功を振り直させて失敗させたり、味方の失敗を成功させたり、支援系のキャラとしては便利に活用できるのじゃがな」

翔花「だって、わたしの【精神値】は17だから、MPは17点しかないのよ。《猛攻》でMP2点使うから、8ラウンドはフルに戦えるけど、《逆転運命》を使うなら1ラウンドにMPを合計5点も使って、3ラウンドでガス欠になる。こういう振り直し支援系は誰か他の人に任せた」

ヒノキ「まあ、ファイターが支援特技も取るのは、役割分担の上で難儀でもあろう。では、《大地の力》で自己強化を図る方向で」

 

アイテムの取得

 

ヒノキ「次にアイテムを購入して、コンストラクションは終了じゃ。作成時のキャラクターは常備化ポイント50点を与えられる。これを消費して、買い物をするのじゃ。なお、作成時に使わなかった常備化ポイントは失われるので、なるべく使いきる方がいい」

翔花「普通は武器や防具から買うんだろうけど、ルーンナイトの専用武器鎧は最初からタダでもらえるのよね。武器や鎧にお金を払う必要はない」

ヒノキ「一応、ルーン装備じゃないノーマルの盾を購入できるぞ」

翔花「盾かあ。いくら?」

ヒノキ「必要体力14のラウンドシールドなら、常備化ポイント2点で、【回避】+1、〈斬〉+1、〈刺〉+1できる」

翔花「じゃあ、盾を買います」

ヒノキ「次に、武器や盾を収納する時空鞘も常備化ポイント5点で買えるぞ」

翔花「ルーンナイトの武器は、鎧とセットじゃないの?」

ヒノキ「う〜む。ガイアのルールを読む限り、明記はされておらぬが、セイヴァーのルールを読むと武器も鎧もセットで呼び出せるようじゃから、それに準じよう。しかし、ルーン装備でない盾はその限りじゃない」

翔花「じゃあ、盾とセットで常備化ポイント7点使うわ。他に何が買えるかな?」

ヒノキ「キャラのイメージを決めるためにも、先にライフスタイルと住宅を買っておくといいじゃろう」

翔花「ライフスタイル……常備化ポイント10点で大富豪にもなれるのね。でも、聖闘士は大富豪に仕える工作員って感じだから、常備化ポイント2点で日夜、奈落を狩っていることにするわ。住んでいるのは専用の隠れ家ってことで、これも常備化ポイント2点。合計11点使ったので、残り39点よ」

ヒノキ「アクセサリは1つ装備できる」

翔花「でも、防御力を高めるマジックバリアリングは、普通の防具とは一緒に使えないのね。他の指輪は30ポイント以上と高いので、アクセサリはパス。ポーション、MPポーション、万能薬で各10点使用して、残り9点。ええと、上級ルールに『住宅オプション:台所』ってあって、常備化ポイント8点でHPとMPがそれぞれD6点回復できるみたいだけど、これを使っていい?」

ヒノキ「いいじゃろう」

晶華「でも、お姉ちゃんは料理ができるの?」

翔花「わたしはできないけど、わたしの聖闘少女はできるの。食べるの大好き、中学2年生なんだから」

ヒノキ「デリシャスパーティーなキャラなのじゃな」

翔花「ここまでのデータを書き加えると、こんな感じね」

★翔花のアルシャード・キャラ追加データ

 

特技

・ファイター:《戦士の手》《猛攻》

・レジェンド:《運命の予感》《大地の力》

・ルーンナイト:《ルーンウエポン:ブレイドルーン》《ルーンフィールド》《ルーンメタル》

 

ライフスタイル:工作員(財産ポイント2)

住宅:台所付き隠れ家(情報収集+1、HP&MP1D回復)

所持アイテム:ポーション、MPポーション、万能薬

装備品:ブレイドルーン、ラウンドシールド(時空鞘)、ルーンメタル

 

・戦闘値(装備および特技修正)

 命中7(+2)、回避6(+1)、魔導3、抗魔4、行動9

   ブレイドルーン攻撃力〈斬〉+11、クリティカル11

    ルーンメタル&シールド防御点:斬5/刺5/殴4/炎氷雷2

 耐久値23(+3)、精神値17

 

ヒノキ「他には、戦闘移動力を【行動】+5mで決定する」

翔花「14mね」

ヒノキ「全力移動力は、倍の28mじゃな。これでコンストラクションは終了じゃ。あとはパーソナルデータを決めて完成となる」

晶華「次は、私のキャラも作りたいわね」

(当記事 完)