花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、ソード・ワールドのミストグレイヴ妄想リプレイ「魔神ハンター」を終了に向けつつ寄り道迷走気味。

新年度仕切り直しのアルシャード話

春期が明けたので再スタート

 

ヒノキ「さて、花粉症ガールが3人そろったので、新たな気分でTRPG話をするのじゃ」

翔花「あれ、グリッドマンユニバースの話じゃないの?」

晶華「それよりもD&Dでしょう」

ヒノキ「そのネタは、新兄さんが嬉々として語っておる」

翔花「脳天フワフワ病とやらで、わたしたちの誕生日を1日間違えていたNOVAちゃんが、わたしたち3人を映画に連れて行ってくれたのよね」

晶華「その話の顛末はこちらね」

ヒノキ「わらわたちも、こっちでD&D話とかグリッドマン話を展開しようと思ったが、新兄さんが『同じ話を違うブログで記事書きするのはつまらん。D&Dやグリッドマンのことは、空想タイムに任せて、アルシャードのキャラ作りをしてくれ』と言われたのじゃ」

晶華「本当は、春期の間にキャラ作りぐらいはサクッとするつもりだったけど、作者のNOVAちゃんがD&D脳だったので、春期明けの今になっちゃったのね」

翔花「その間に、わたしたちはわたしたちで映画の感想会とか、シロちゃんたちとの交流をたっぷり楽しんだってことで、記事書きされていない裏エピソードも作者の脳内にはたっぷりあるの」

シロ「ボクと翔花のパートナー話とか、記事書きして欲しい」

翔花「誕生日ケーキありがとうね」

ゲンブ「我としては、復活ガメラの話で盛り上がりたいでござる」

リトル「リウたちもグリッドマン映画を楽しみたかったですぅ」

ヒノキ「怪獣ネタも、TRPGネタも、当ブログは大いに推奨するのじゃが、『今はインプット情報が多すぎて、アウトプットが追いつかん』という新兄さんの嬉しい悲鳴が聞こえて来る」

晶華「確かに、脳内整理しないと寄り道脱線転覆事故が発生しそうよね、NOVAちゃんの今の脳天フワフワ状態だと」

ヒノキ「うむ、したがって今はアルシャードのキャラ作り、続いて魔神ハンター完結に向けての記事書きに専念したいのが、当ブログの方針とする」

翔花「グリッドマンネタや、D&Dネタは、アルシャードのキャラ作りに反映させればいいってことで」

 

アルシャードって、どんなゲーム?

 

翔花「で、基本的な質問だけど、アルシャードってどんなゲームなの?」

ヒノキ「2002年にスタートして新世紀スタンダードTRPGと称された、FEAR社製のシステムじゃ。

「元祖のD&Dやソード・ワールドの広げて来た『剣と魔法の中世ヨーロッパ風ファンタジー世界観』。それに、コンピューターゲームファイナルファンタジーなどが提示した『銃や飛空艇、バイクなどの近代技術を含むジャパニーズRPGの要素』を投入して、新時代の定番システムを目指したのじゃ。当時においては相当に画期的なシステムと言えよう」

晶華「D&Dのエベロン世界(2004)や、ソード・ワールド2.0以降のラクシア世界(2008)に先駆けて、伝統的なファンタジー世界観をブラッシュアップしたってことね」

ヒノキ「うむ。ファンタジーRPGの主人公たちは、しばしば『冒険者』と呼称されるが(この呼称はロードスやソード・ワールドフォーセリア世界が定着させる。冒険者ギルドという定番設定も起源の一つはロードス第2部リプレイと言われる)、アルシャードでは『クエスター』と呼称される。2006年のスーパー戦隊であるボウケンジャーに、中盤から強敵クエスターが登場して、当時のTRPGファンは『ソード・ワールドVSアルシャード』か? とネタにしていたのも懐かしい」

翔花「つまり、アルシャードソード・ワールドのライバルってことね」

ヒノキ「21世紀の初頭と言えば、90年代の後半に『TRPG冬の時代』と呼ばれる失墜現象から数年を経て、D&Dの抜本的改革や、発売10年を経たソード・ワールドのシステムの古さが指摘されていた時代じゃ」

翔花「え? ソード・ワールドって古いの?」

ヒノキ「旧ソード・ワールドでは、武闘家や銃使いにはなれないし、騎兵用のルールもなかった。まあ、90年代初頭は中世ヨーロッパ風世界観だけで充分じゃったのが、日本でファンタジーが定着するにつれて、『魔法使いが派手な体術も駆使して暴れる世界』『忍者や侍がヨーロッパの騎士とチームを組んで戦う世界』『銃と魔法の世界』『機械文明と魔法文明の融合した世界』など、多様な作品が登場してくる。それこそ、スパロボにおける魔装機神サイバスターみたいな要素は、昔のソード・ワールドでは再現できんじゃろう」

晶華「ソード・ワールドが目指したのは、乱雑だったD&Dのシステムを日本人がプレイしやすいようにシステマチックにしたことと、クラス(職業)システムとスキル(技能)システムの融合、そしてフォーセリアという『地に足ついた冒険世界の確立』だもんね」

ヒノキ「ソード・ワールドはD&Dを目標に、きちんと確立した、完成されたシステムと世界観を売りにしたが、それゆえに発展性の乏しい膠着したゲームとなったのじゃな。D&Dに代わる伝統的なシステムとして王道にはなったが、多様性という意味ではSNEは汎用RPGシステムのGURPSを中心に展開するようになるし、別にソード・ワールドに全てを託すようなことはしていない。いろいろなシステムがあって、それぞれのニーズを満たせるように、いろいろと手を広げて行ったわけじゃな」

晶華「でも、ソード・ワールドでできないことが増えると、王道とは呼べなくなるわね」

ヒノキ「だから、ソード・ワールドよりも日本のゼロ年代当時の風潮を反映した世界観とシステムを企図したのが『アルシャード』じゃよ。結果的に、ソード・ワールドも2.0の改訂に際して、エベロンアルシャードが採用した機械文明を取り込んで、今に至るわけじゃし、『アルシャード』が提唱した新世紀スタンダードを、ソード・ワールドも受容した形になる」

晶華「GURPSが目指した汎用RPGという考えを、3版以降のD&Dのd20システムが継承したのが21世紀のアメリカ事情。そして、アルシャードの目指した日本の21世紀スタンダードを、2版以降のソード・ワールドが継承中ってことでいい?」

ヒノキ「もちろん、そんな単純なものではないが、一つの大筋としては、そう見なすことも可能ということじゃ。ともあれ、アルシャードが開拓したのは、ファンタジー世界に機械文明の要素を持ち込んだだけじゃない。AD&D2版やGURPSが意図した多元世界、マルチバースの要素を貪欲に取り込んで発展した」

翔花「どこもかしこもマルチバースってことね」

ヒノキ「特撮界では、2006年のウルトラマンメビウスから本格的にシリーズの再統合とマルチバース化を始め、2009年のウルトラマンゼロから現在のニュージェネレーション、そしてギャラクシーファイトに受け継がれておる。ライダーでは2009年のディケイド、戦隊では2011年のゴーカイジャー以降じゃな」

晶華「2008年のアイアンマンから始まって、2012年のアベンジャーズに至るMCUや、スーパーマンとかバットマンのDCEUの流れも忘れてはいけないわ」

ヒノキ「ゼロ年代後半から10年代にかけては、映像作品でもマルチバースが定着し、氾濫するようになっておる過程じゃな。それまではスパロボや一部作品のクロスオーバー展開、シリーズ物の先輩キャラの共演、同一作者のお遊びでしかなかったものが、異世界転移と組み合わさって膨大な数のマルチバース作品が生まれるに至っておる」

翔花「昭和のウルトラ兄弟マルチバースじゃない?」

ヒノキ「単にシリーズ物の共演は、ユニバースであってマルチバースではない。わらわたちコンパーニュ組と、新兄さんところのお主たちは、同じ世界の住人ということで別に次元の壁を突き抜けて来たわけじゃなかろう?

マルチバースを形成するには、世界の歴史や物理法則までもが異なるほどの違いを設定しなければならぬ。『この世界では魔法が使えるが、別の世界ではマナが枯渇しているので使えん』とか、『この世界では怪獣が暴れているが、別の世界では怪獣なんて存在しない』とか、『この世界のガンダムは最新兵器じゃが、別の世界のガンダムは遺跡から発掘された古代兵器で、また別の世界では代理戦争の競技用』とか、作品世界ごとの常識の差異を描いて、ええっ? と登場人物に世界観の違いを驚かせないと、マルチバース物とは言えんと思う」

晶華「つまり、マルチバース異世界転移の延長で、比較対照できる世界が複数あって初めて成立する?」

ヒノキ「ウルトラ兄弟は同一世界のM78星雲だけだと、マルチバースとは言わんが、ウルトラマンガイアの映画で『ガイアがTVの中のヒーローで、怪獣なんて実在しない』という話をやって、初めて並行世界、パラレルワールドって言葉を採用した(1999)。そこから一部のマニアックなSF用語だったパラレルワールド、そしてマルチバースという概念が、ヒーロー物にも定着するのが2010年代だったと言えようか」

 

翔花「マルチバース云々の話は長くなるので、アルシャードに話を戻しましょう」

ヒノキ「うむ。アルシャードと現ソード・ワールドの最大の違いは、アルシャードマルチバースを世界観の根底に置いているのに対し、ソード・ワールドフォーセリアラクシアさえ公式にはリンクしておらん。ロードスの騎士パーンも、同じフォーセリアアレクラストには行けるが、ラクシアには行けん」

晶華「ロードス最強の魔女のカーラ様も、界渡りまではしていないものね」

ヒノキ「せいぜい大陸を渡る程度がソード・ワールドの世界観じゃな。それに対して、アルシャードは、奈落の脅威にさらされた北欧風ファンタジー世界ミッドガルドを主舞台に、ユグドラシル宇宙観という枝分かれした無数の世界があるという多元宇宙観を提示。その一つが、2006年に発表された『アルシャード・ガイア』の世界、ブルースフィアじゃ」

晶華「ブルースフィアは、ファンタジー異世界のミッドガルドと違って、私たちの住む現実の地球に近い世界ね」

ヒノキ「うむ。現代日本ファンタジー(魔法や魔物は存在するが一般人からは隠匿された世界)を表現するゲームなのじゃ」

晶華「『ナイトウィザード』とは何が違うの?」

ヒノキ「ナイトウィザードは、菊池たけしのファンタジーRPG『セブンフォートレス』の派生作で、美少女の姿をした魔王と戦うラノベ風コミカルRPGで、萌え要素を前面に出しておる。世界の名はファー・ジ・アースで、主八界と呼ばれるきくたけ多元宇宙の一つ。ファー・ジ・アースとブルースフィアの違いじゃが、同じ現代日本でも萌えがはびこるのがファー・ジ・アースで、ブルースフィアの方がもう少し硬派でシリアス寄りだと思う。まあ、ルールブックの表紙を見比べれば、分かるのではないかのう?」

アルシャードガイアRPGルールブック 「アルシャードガイアRPG」シリーズ (ファミ通文庫)

ナイトウィザード The 3rd Edition (ログインテーブルトークRPGシリーズ)

翔花「分かった。アルシャードは青と白がイメージカラーで、ナイトウィザード赤と黒がイメージカラーね」

ヒノキ「むむっ。言われてみれば確かに、そんな感じのカラーリングじゃのう。アルシャード、とりわけガイアは、世界の名前がブルースフィアというだけに青い。一方、ナイトウィザードは『赤い月』に象徴される赤い夜空が印象深い。ルールブックを並べてみて、初めて気付いた差異なのじゃ」

翔花「広がるスカイっぽいのは、アルシャードみたいね」

ヒノキ「確かに、アルシャードシリーズの公式リプレイには、プリキュアっぽい呼称を持つクエスターもいたのう」

翔花「とにかく、プリキュアっぽいゲームはアルシャードの方ね」

ヒノキ「いや、ナイトウィザードだって、『魔法つかいプリキュア』ならできなくはない……って、いや、世界設定的に無理なのか」

晶華「世界設定的に無理って、どういうこと?」

ヒノキ「ファー・ジ・アースの世界は世界結界に包まれており、異世界からの来訪者が容易に侵入できないようになっておるのじゃ。つまり、異世界の壁がブルースフィアよりも強固なので、気軽に異世界に行くことはできないようになっている」

晶華「それでも、世界結界の壁を抜けて侵入してくる敵がいるのよね」

ヒノキ「世界結界が破られると、世界の常識が崩れたり、書き換えられたりして世界滅亡の危機となってしまう。すなわち、異世界からの来訪者は、善意であれ、悪意であれ、ナイトウィザードの世界では常識を破壊し得る存在となって、遅かれ早かれ排除されてしまう。異世界にルーツを持つことの多いプリキュアは、ナイトウィザードの世界では存在そのものが難しいのじゃ」

晶華「意外と不自由な世界観なのね」

ヒノキ「まあ、多元世界で遊べることを売りにしたのは、『ナイトウィザード』ではなく、『セブンフォートレス』の方じゃからのう。主八界のワールドサプリメントも、あくまで『セブンフォートレス』のサプリメントという形式じゃ」

晶華「今は、セブンフォートレスよりもアルシャードの話よ」

ヒノキ「そうじゃのう。アルシャードは2006年以降、SRS(スタンダードRPGシステム)という形で、日本版の汎用RPGシステムに発展しており、アルシャードそのものの展開は終了して10年近くなるが、そのシステムは今も『マージナル・ヒーローズ』というゲームに受け継がれておるのじゃ。つまり、システムの寿命は長いということになる」

晶華「スパロボ風味のゲームの『メタリックガーディアン』ってのもあるのね」

翔花「いろいろ楽しそうな派生作はあるけれど、今はアルシャード・ガイアってゲームをしないといけないのね」

ヒノキ「まあ、ガイア・グランプリというネタじゃからのう。では、ようやくじゃが、キャラ作りを始めるとするかのう」

 

コンストラクション始め

 

ヒノキ「アルシャードを含むSRSでは、キャラクターは2つの作成方法がある。サンプルキャラクターを選ぶクイックスタートと、1からキャラデータを組み上げるコンストラクションじゃ」

翔花「よく分からないけど、コンストラクションにします」

ヒノキ「よく分からない場合は普通、クイックスタートにするのじゃ」

晶華「クイックスタートは、最初から数値データが決まっているので、後は出自とかキャラの背景情報などのライフパスを決めて、完成ね。ソード・ワールドにおけるかんたん作成に相当する」

翔花「だけど、わたしは自分独自のキャラが作りたいの」

ヒノキ「よく言った。では、コンストラクションで進めるとしよう」

翔花「まずは種族を決めるのね。エルフはある?」

ヒノキ「ない。ガイアの基本ルールにあるのは、キツネのフォックステイルと、半吸血鬼のダンピールだけじゃ。異世界のミッドガルドなら、いろいろな異種族もおるが、ガイアじゃからのう」

翔花「キツネは好みじゃないし、モンスターはゲームブックでやってるから、普通の人間にします。アキちゃんは半分吸血鬼になる?」

晶華「それは、後で合流予定のアナちゃんに任せるわ」

ヒノキ「種族よりも大事なのはクラスじゃ。まずは4つある基本クラスを分担し、後はサブクラスを最大2つまで選び、全部で3つのクラスを組み合わせて、キャラを構築するマルチクラス形式じゃ」

翔花「基本クラスは、戦士、魔法使い、僧侶、盗賊の4つかしら?」

ヒノキ「ほぼ正解じゃ。ファイター、ブラックマジシャン、ホワイトメイジ、スカウトから選ぶ。これが続編のセイヴァーじゃと、物理攻撃のアタッカー、魔法攻撃のキャスター、回復や支援担当のエンチャンターの3種に減ったのじゃが」

翔花「わたしはファイターでいい?」

ヒノキ「お主は勇者じゃからな。あと、サブクラスではレジェンドを推奨する」

翔花「伝説? 何で?」

ヒノキ「ガイアやセイヴァーにおけるレジェンドは、ガイアの加護を受けし勇者クラスなのじゃ。当ブログ時空では、お主をおいてレジェンドの担い手に相応しい者はおるまい」

翔花「うん。ファイターとレジェンドだね。あと、もう一つは何にしようかな」

ヒノキ「どんなキャラがやりたい?」

翔花「う〜ん、ソード・ワールドでは不死鳥の剣を振り回す、妖精神の神官戦士で踊り子の半吸血鬼をやってるんだけど」

ヒノキ「ずいぶん属性を持っておるのじゃな。何か要素を絞れ」

翔花「いわゆる聖戦士ってキャラはない?」

ヒノキ「そうじゃな。戦士を強化する方向じゃと、異世界からの来訪者オーヴァーランダー、魔剣使いのソードマスター、ルーンメタルと呼ばれる武器鎧を装備したルーンナイトといったところか」

翔花「ええと、ルーンナイトの元ネタはもしかしてこれ?」

ヒノキ「まあ、正解じゃ。ルーンナイトは『アイギス』というブルースフィア防衛組織に所属する。アイギスのトップは折田志緒理お嬢さまで、彼女は古代文明のアルフ族の魂を受け継いだ財閥令嬢じゃ」

晶華「なるほど。星矢の女神アテナこと城戸沙織お嬢さまのオマージュね」

ヒノキ「アルシャード北欧神話モチーフじゃが、ガイアの方はギリシャ神話も絡めておるからのう。古代の神々の戦いにおいて、巨神族ティターンがオリュンポスの神々に敗れて奈落の世界タルタロスに封印された。その封印を破るべく、いろいろと奈落絡みの事件を起こしている配下の奈落憑き(スペクター)と戦うのが、プレイヤーキャラのクエスターの使命となる。敵の親玉がティターン12神と呼ばれるなど、まあ、星矢ネタも仕込まれておるのう」

翔花「つまり、わたしは伝説の聖闘少女をプレイすればいいのね。セインティア翔とでも名乗らせてもらうわ」

晶華「そのままね」

翔花「う〜ん、ネーミングは検討の余地ありだけど、ファイター、レジェンド、ルーンナイトは確定ってことで」

ヒノキ「クラスが決まると、能力値はほぼ自動的に決まる。ダイスを振る必要はない。基本値は体力14、反射14、知覚11、理知9、意志11、幸運13になるのう。それに、あと1点、自由に加えることができる」

翔花「どれに加えたらいいのかしら?」

ヒノキ「基本値÷3(端数切り捨て)で能力値ボーナスが決まるから、3の倍数になるようにすればいいのう。戦士系なら体力か反射が良さそうじゃ」

翔花「だったら、反射ってことで」

ヒノキ「すると、体力14(+4)、反射15(+5)、知覚11(+3)、理知9(+3)、意志11(+3)、幸運13(+4)といったところじゃ。能力値が決まれば、戦闘値のベースも決まる。【命中】4、【回避】4、【魔導】3、【抗魔】3、【行動】8、【耐久値】14、【精神値】11に、クラス修正が加わる」

晶華「クラスを選べば、自動的に各種数値が決定されるのね」

ヒノキ「うむ。クラス修正を加えると、【命中】7、【回避】6、【魔導】3、【抗魔】4、【行動】9、【耐久値】23、【精神値】17となり、さらに【攻撃値】+2じゃ。あとは装備によって修正されるが、その前にシャードの加護を確認し、特技を決める必要がある」

翔花「シャードの加護って?」

ヒノキ「シャードは、クエスターに神の加護を与える宝石のような結晶体じゃ。アルシャードのシリーズでは定番のアイテムで、クエスターはシャードの輝きに導かれて、理想郷アスガルドを目指すことが究極の目的となる。そのために奈落退治のクエストを達成していくのが個々のシナリオということになるが、ともかくアスガルドに到達すると、その先は新たな世界が再構築されて、アルシャード・ガイアの世界はアルシャード・セイヴァーの世界に版上げされたのじゃ」

晶華「ええと、ガイアからセイヴァーで何が変わったの?」

ヒノキ「細かいルールはそれなりに変わったと思うが、結局、新たな世界でもクエスターと奈落の戦いは続いているので、クエスターの戦いは終わらずに永遠に続くと言ったところか。なお、アルシャードのルール史を年号順に並べると、こうなる」

 

●2002年:異世界ファンタジーRPGアルシャード』発売。

●2005年:改訂版の『アルシャードff(フォルティッシモ)』発売。

●2006年:同システムの現代アクション版『アルシャード・ガイア』発売。以降、アルシャードシリーズは、異世界ミッドガルドを舞台としたffと、地球風味のブルースフィアを舞台としたガイアの2作を同時展開する。

●2010年:ffとガイアの2作をクロスオーバーさせて、ユグドラシル宇宙の運命をかけた大ラグナロクを描いたキャンペーン企画『アルシャード・トライデント』が始動。

 3シリーズのリプレイを並行的に展開して、高レベルキャラクターによる派手なクライマックスを飾った結果、これで世界を一度終わらせて、再構築する流れとなる。

●2012年:ffとガイアの2つのシステムを統合した新版『アルシャード・セイヴァー』が発売される。最初の版から10周年のタイミングで登場した記念作品でもあるが、残念ながら20年は続かなかったようだ。一応、SRSの後継システムが現役で続いていることを良しとしつつ。

 

ヒノキ「一つのゲームタイトルが、版上げを重ねて20年続くというのはなかなか大変なことじゃ、というのが、よく分かるのう。ソード・ワールドは20年めを目処に2.0に版上げして(2008年)、舞台をフォーセリアからラクシアに移して、新たな時代を迎えた。そこから10年を経た2018年にまた版上げして、今は2.5じゃのう。D&Dの版上げの歴史はややこしいが、現行の5版は2014年の40周年記念作で、来年の50周年記念での版上げが発表されておる。そして、版上げによって、システムのみならず既存の物語世界がどのように変わっていくのかにも今は密かに注目が当たっているわけじゃ」

晶華「ええと、D&Dは4版でフォーゴトン・レルムを大改変したら、これまでのファンのブーイングを買って、5版で元に戻したって聞いたんだけど」

ヒノキ「まあ、プレイヤーの意見は様々じゃからな。既存の世界で引き続き楽しみたい者もいれば、大きなイベントで世界の改変ダイナミズムを楽しみたい者もいる。原点回帰の3版と、新規刷新の4版、そして再び原点回帰および旧作懐古の5版を経て、6版はどのようになることやら」

翔花「ソード・ワールドは、フォーセリアからラクシアに世界そのものを移行させて、違うゲームとして再スタートした。そして、2.0から2.5へは違う大陸に舞台を移して、古い世界はしばらく放置した形ね」

ヒノキ「昔の世界で遊び続けたい根強いファンもいるからのう。わらわたちみたいに」

晶華「で、アルシャードはセイヴァーになったけど……」

ヒノキ「ffやガイアで一度クライマックスを描いた世界なので、作り手の方が同じ展開を繰り返すのも飽きたのじゃろう。20周年で何かの動きがあるかと期待してはいたものの、特に何もなく、まあ、看板デザイナーの井上&きくたけがTRPG業界から抜けた現状では、彼らの世界の引き継ぎ手もいなくなったので、10年前ほどの大企画を展開することも困難なのじゃろうな」

翔花「でも、昔のゲームを懐古したいNOVAちゃんみたいな物好きがいて、機を見てネタにするってことね」

 

ヒノキ「さて、シャードの加護に話を戻そう。粉っちゃんの伝説聖闘少女キャラが持つ加護は以下のとおり」

 

●トール:ファイターの加護。戦神トールの力で、〈神〉属性の追加ダメージ(10D6)を与える。

●ガイア:レジェンドの加護。世界神ガイアの力で、一つの願いをかなえる。どこまで叶えられるかは、GMと相談の上で決めること。

●フレイ:ルーンナイトの加護。豊穣神フレイの力で、他の使用済みの加護の力をコピーする(敵味方を問わず)。

 

ヒノキ「加護の使用は1セッションで1回ずつなので、合計3回の奇跡が起こせることになる」

翔花「分かりやすいのが《トール》ね。必殺の一撃を相手に叩き込むのに使えて、ボス敵に大ダメージを与えるのに便利。他の2つは、臨機応変に使うことが求められる」

ヒノキ「何なら、《トール》を使った後で、さらに《フレイ》を《トール》に変えることも可能じゃぞ」

晶華「どんな加護を使えるかで、クラスごとの特性も決まって来る感じね」

ヒノキ「次は、特技じゃが、それは記事を改めてにしよう。ダイアンナも待たねばならぬからのう」

(当記事 完)