鍛錬場への到着
GM(リナT)『じゃ、50日めの朝、烈火団の皆さんは【灼熱の鍛錬場】に到着しましたですの。場所の説明文を読み上げますね』
巨大な岩の剣が頑丈な鎖で吊された空洞だ。空洞の左右の壁から真っ赤な溶岩があふれ出し、地面に刻まれた溝の中を流れている。そのためか、凄まじい熱気が空洞に充満している。この空洞には、君たちが入ってきたものの他に、3つの通路がある。
GM『そして、この場所に入ると、「おおー。新たな鍛錬志願者か」と汎用蛮族語で話しかけて来る者がいます。筋骨隆々のバルカンメジャーアデプト(剣の欠片入り)、どうやらこの男が……』
G太郎(ゲンブ)「音に聞く炎の教官バルンガロム殿でござるな。私は烈火団のマッスルG太郎と申す。こちらは我が主人、血塗れドレイクのデルモンテと、そして……」
ホリー(シロ)「外の世界から来た遍歴のバルカン女騎士、ガルダだ。この度、バイラヤーナ様に忠誠を誓うことになった。また、【騎獣調教所】の戦神の翼フーララバラ様からも紹介を受けた。我が騎獣イノセントに秘められし竜の力をあなたなら解放してくれるとな」
バルンガロム『フーララバラか。確か、我が鍛錬を途中で投げ出した軟弱者だったな』
ホリー「フーララバラお姉さまが軟弱者だと!? それは聞き捨てならない」
GM『だって、フーララバラさんのレベルは、通常トロールの6ですからね。上層階では強キャラぶっていても、この深層階では雑魚も同然。ここの訓練を成し遂げたとは思えません。それとも、レベル8のダークトロール、もしくはレベル10のダークトロールアデプトに強化した方がよろしいでしょうか』
ホリー「今のボクがレベル8だから、お姉さまもレベル8のダークトロールぐらいではあって欲しいかな」
GM『じゃ、当リプレイではそうするとしましょう。通常トロールだったフーララバラは、【灼熱の鍛錬場】でバルンガロムさんに師事し、レベル8のダークトロールにまで鍛え上げられた。しかし、その後の訓練よりも騎獣愛の方を優先して、己ではなく騎獣を鍛える調教師として地位を獲得したのが現状、と』
バルンガロム『もっと鍛えれば、ダークトロールアデプトにでもなれたものを。もう、これで十分だと言いながら、この場を去って行きおった。究極の強さを求めずして、途中で鍛錬を投げ出すとは軟弱者の誹りを免れまい。だがしかし……お前たちが我が試練を乗り越えられたなら、フーララバラの中途半端な鍛錬にも意味はあったと言うべきであろうな。誰もが究極の強さを得られるものでないことも分かっておる』
デル(リトル)「オラたちは、魔神ハンターとして、魔神を倒す力を望んでいるぅ。そのために魔窟の50階を踏破したんだぁ。目指すは魔窟の最深部の100階。そのために自分を鍛え直したいぃ」
バルンガロム『ほう。魔窟の50階までを踏破したか。ギルギダッシュは元気にやっておるか?』
G太郎「烈火団の後ろ盾になってもらっているでござるよ」
バルンガロム『烈火団か。【灼熱の鍛錬場】で鍛えるにふさわしい名だ。魔窟の地下100階を踏破するには、トロールで言えばブラッドトロール(レベル13)、ドレイクで言えばドレイクバイカウント、バルカンで言えばバルカンアデプタスロード並みに己を鍛え上げねばならんが、さすがにそこまでの強さは、わしも持ち合わせておらぬ。まだまだ鍛えねばならぬが、己の分を弁えるのも修行の成果と見なすこともできよう。ヤル気のない者に力は伴わない。お前たちにヤル気はあるのか?』
デル「グレンダール様のために」
ホリー「イノセントのために。そして女王バイラヤーナ様と、フーララバラお姉さまのために」
G太郎「そして、みんなの笑顔のために、でござるな。お笑い芸人にして、商売人としては」
バルンガロム『鍛える理由は人それぞれ。しかし、これだけは忘れるな。全ての道はイグニスに通ず。お前たちはイグニスの精鋭となるために、ここに来たのだ。さあ、思う存分、己を鍛えていくがいい!』
バルンガロムの思想
ホリー「ええと、このバルンガロムって人は、イグニスの強信者ってことですか?」
GM『間違いなく、そうだと断言します。バルンガロムさん曰く、「我らバルバロスは、イグニスによる新世界の樹立のために生み出された。それは、戦神ダルクレムや炎武帝グレンダールとて同じこと。イグニスのために戦い、イグニスのために死する。それが、我らの役目なのだ。さあ、吾輩とともに人族を滅ぼし、ライフォスら人族の神々を葬り、イグニスによる新世界を打ち立てるため、己を鍛えようではないか!」と過激に演説したりしますね』
G太郎「もしかして、この男がバルカンを煽って、内紛を引き起こそうとしているのではあるまいか? 念のため、シル・メリルのことをどう思うか尋ねたい」
バルンガロム『シル・メリル? あれはダメだ』
G太郎「どうしてでござるか?」
バルンガロム『己の私利私欲にまみれておるからな。純粋に己を鍛えて、誰かや何かのために己が身を尽くすという精神が欠けておる。己が信仰を捨てて欲望の世界に堕落した者は救えん。例え、イグニスの道には至っておらずとも、求道の精神を持つ者なれば、やがてはイグニスの真理を悟る日も来よう。しかし、自己の欲望だけに耽溺し、偉大な何かに対する敬愛を蔑ろにする者は、志という面で信用ならん』
G太郎「つまり、己のことしか考えない輩は、間違った信念に殉ずる者よりも性質が悪い、と?」
GM『要は、滅私奉公の精神に立てるかどうかですね。己が身の可愛さを重視して、大義がどうこう考えない輩には、まともな修行などできないというのがバルンガロムの言い分。しんどい修行を成し遂げようと思えば、身を削る精神が必要なわけで、そういう自分自身よりも大切な何かを持っている者が鍛え甲斐のある相手だってのが、教官としてのバルンガロムの信念です。彼自身は強固なイグニス原理主義者ですので、言っていることは過激で押しつけがましいですが、ひたすら真っ直ぐですね。まあ、とりあえず「イグニスのために」と言っておけば、満足はしますが』
デル「でも、グレンダール様の神官であるオラとしては、そういう信仰をねじ曲げることはできねぇ」
GM『その辺は、バルンガロムも寛大ですね。炎の力で己を鍛えるグレンダール信仰は、イグニス信仰の一部と見なしていますから。バルンガロム視点では、大神イグニスに帰依した小神がグレンダールという認識です。そしてバルンガロムは別に教義論争したいわけじゃなくて、強くなりたい理由、土台が各人の中に、しっかり備わっていることを見極めたかっただけで、少なくとも、あなた方が自己中な軟弱者でないことは理解したようです。もちろん、あなた方が人族だと分かれば、敵意をむき出しにすることは確実でしょうが』
ホリー「とにかく、ボクはイノセントが強くなれれば、それでいい。過激な原理主義者の戯言は聞き流して、どういう修行をするのかという実利に話を向けよう」
GM『じゃ、ここから試練の説明に移ります。3つの通路は、それぞれ心・技・体のコースに分かれていて、各人一つの試練を選んでもらいます。3つのコースの試練を乗り越えたら、ミッションクリアとします。だけど、試練の最中は他のキャラクターを支援することができませんので、自分の力だけで乗り越えて下さい。また、試練の最中にHPが尽きかけたら、途中で脱落を宣言することもできます。そして、各試練を達成することで、★1つを進呈しましょう』
デル「オラは、体の試練かなあ」
G太郎「私は、技でも心でもよろしいが、嬢ちゃんはどうするでござるか?」
ホリー「心にする。G太郎は技を頼む」
GM『じゃ、ホリーさんの心、G太郎さんの技、デルニールさんの体で試練を開始いたしますの』
心の試練(ホリーの場合)
GM『じゃ、ホリーさんのHPとMPを申告して下さい』
ホリー「HPはマックスの39点。MPは7点消費しているから、36点だな」
GM『じゃ、まずは2Dを振って下さい。ボーナスを加えて、16以上が出れば、試練が達成できます。初期状態ではボーナスがありませんので、最低でも+4のボーナスを累積しないと、達成できないわけですね』
ホリー「6だ」
GM『心の試練の通路を歩いている最中に、溶岩の熱が身を苛みます。HPに1点ダメージで、ボーナスを得られません。ボーナス獲得のためには、最低でも7を出さないといけません』
ホリー「ええと、これはボクとイノセントの両方ダメージを受けるのかな?」
GM『処理がややこしくなるので、イノセントさんは彫像形態ということで。ただし、ホリーさんの試練はイノセントさんにも影響します』
ホリー「うう、熱い。だけど、イノセントが飛竜に覚醒するための苦痛なら、耐えてみせる」
GM『じゃ、さらに通路を進んで2Dです』
ピンゾロを出したホリーは、さらに1点のダメージを受けた後、3回めにようやく10を出した。
GM『「魔法に抵抗するのだ!」という声が聞こえてきて、【ストーンブラスト】の魔法が飛んで来ます。行使判定は20ですね』
ホリー「こちらの精神抵抗基準値は11なのに、難しいよ。ええと、とっさに【カウンター・マジック】で抵抗+2にできたりは?」
GM『今回は認めましょう』
ホリー「MP1点消費して、(コロコロ)【カウンター・マジック】発動成功。これで、抵抗の基準が13になって、7以上を出せばいい。(コロコロ)よし、9が出た。抵抗したよ」
GM『じゃ、16点ダメージの半減で8点のダメージを受けて下さい』
ホリー「痛い。残りHPは29点だ。ところで、今、気が付いたんだけど、ボクは特技で《MP軽減/コンジャラー》を持っていたんだよね。だから、前回に消費したMPを3点減らしてもかまわないだろうか?」
GM『う〜ん、原則として処理の巻き戻しはするべきではないので、認めません。今後のMP消費は1点ずつ減らしてもかまいません』
ホリー「仕方ないな。残りMP35点。あと、【アース・ヒール】でHP回復したい」
GM『試練の最中の各イベントにつき、1回だけ回復処理を行えます』
【アース・ヒール】で10点回復して、マックスHP39点、残りMP33点になった。
また、魔法抵抗に成功したことで、試練ボーナス+2になる。
GM『じゃ、次の試練です』
ホリー「出目は5。だけど、ボーナス+2があるので、7だ」
GM『壁から溶岩がはぜて、ホリーさんに降りかかります。冒険者レベル分のダメージなので、8点ですね』
ホリー「熱い、熱い。ええと、〈炎姫の騎竜マント〉の効果で、ダメージを4点減らしたりは?」
GM『抵抗失敗時に魔法ダメージを4点減らす効果ですか。ええと、今回は抵抗判定がそもそもできないのですが、魔法ダメージなので減らせることにします。最低1点はくらうことにしますが』
ホリー「4点ダメージで済んで、残りHPは35点か』
GM『今ので、試練ボーナス+1ですね。累積+3になりました』
5度めのイベントは、再び溶岩を浴びて4点ダメージ。
しかし、【アース・ヒール】で回復して、HPはフルの39点。残りMPは31点になった。
ホリー「《MP軽減/コンジャラー》を習得していて良かったな。回復魔法の消費MPが3点から2点に減るだけでも、長期戦を耐えしのぐことができそうだ」
6度めのイベントは、ピンゾロでHP1点ダメージを受けただけ。
7度めのイベントは、再び【ストーンブラスト】への抵抗。再び【カウンター・マジック】の効果でかろうじて抵抗に成功し、7点ダメージに抑える。【アース・ヒール】でフル回復し、残りMPは28点。ここまでの累積試練ボーナスは+6になる。
ホリー「10が出れば、試練達成だ。(コロコロ)惜しい、9だった」
GM『バルンガロムの声が聞こえてきます。「諦めるな! 諦めなければ希望はある。だが、諦めたらそれで終わりだ! たとえ死の影に包まれようと、最後まで立ち向かえ!」 この激励の声に対して、精神抵抗20を行なって下さい』
ホリー「何で? 激励してくれてるんじゃないの?」
GM『疲れている心に熱の入り過ぎた激励指導は、かえってプレッシャーになることもあるんですよ』
ホリー「その激励に対して、【カウンター・マジック】します。(コロコロ)しかし、肝心の抵抗判定が失敗して、どんよりする」
GM『「気合いを入れんかあ!」とバルンガロムの喝が飛んで来て、物理ダメージ17点です』
ホリー「ちょっと、何それ? 防護点で減らしても、14点ダメージを受けたんですけど〜。残りHP25点」
回復して、HP34点、MP25点になった。累積ボーナスは増えず。
ホリー「次こそ、10出ろ。(コロコロ)よし、10出た。心の試練は達成だ!」
バルンガロム『よく頑張ったな。吾輩は貴様を誇りに思うぞ。これは〈心の鍛錬修了証〉だ。今後、心が折れそうなことがあっても、この鍛錬のことを思い出して、気合いを入れ直すといい』
ホリー「ありがとうございます、教官。何だか自分に自信がついたような気がします」
技の試練(G太郎の場合)
GM『じゃ、次はG太郎さんの技試練です。HPとMPの申告をお願いしますの』
G太郎「HPは56点。MPは最大32点でござるが、今は9点消費して残り23点」
GM『烈火団は、全員が自力でHP回復できるのが強みですわね』
G太郎「うむ。この私は操霊魔法も使えるが、それよりも練技の【リカバリィ】+〈スマルティエの武道帯〉の効果で、MP3消費でHP11点回復できるのが大きいでござる。また、その気になれば、種族特徴の[HP変換]でHPをMPに置き換えることができるので、よほどのことがない限り、MP切れによる回復不能には陥ることはなかろう。つまり、この試練、勝ったも同然でござるな」
GM『じゃ、これで終わりにしますの』
G太郎「ちょ、それは、いくら何でも横着ではござらんか? 少なくとも、読者は私がどんなドジを踏むか、と期待しているはず。お笑い芸人として、その期待には応えねば」
GM『おかしな使命感を持たないでくださいませ。まあ、一応は技の試練がどのようなものか示すぐらいはいたしますが。さっさと2Dを振って下さいませ』
G太郎「10でござる」
GM『すると、「吾輩の攻撃をかわしてみせよ!」と言って、いきなりバルンガロムさんが近接攻撃を仕掛けて来るのです。命中判定は21ですね』
G太郎「それは6以上でかわせるでござるな。(コロコロ)8で回避した。フッ、そのようなツッコミは芸とも呼べぬ。もっと鋭いツッコミを仕掛けて来ねば、一流の芸人にはなれぬでござる」
GM『どっちが教官なのか分かりませんね。試練ボーナス+2です。次、どうぞ』
G太郎「出目6に+2して、8でござるな」
GM『じゃ、溶岩で9点のダメージを進呈します。ついでに、ボーナス+1点』
G太郎「心頭滅却すれば、火もまた涼し。回復はまだ必要なかろうな。次の試練はボーナス込みで6」
GM『熱で1点ダメージですね』
G太郎「上手く加工すれば、ここでいい温泉やサウナも築けそうでござるな。次の試練は11」
GM『じゃ、「吾輩に攻撃を当ててみよ!」と言って、神出鬼没のバルンガロムさんが仁王立ちになっています。相手の回避は20なので、21以上で命中ですね』
G太郎「素の状態なら7以上でござるが、ここは練技【キャッツアイ】で+1して、6以上。(コロコロ)4で外したでござるな」
GM『「フンッ、貴様のツッコミ芸とやらもその程度か。キレがない」と、バルンガロムさんは勝ち誇るやいなや、近接攻撃で魔力撃を仕掛けて来ます』
G太郎「それは避けるでござるよ。(コロコロ)出目3で避け損ねたでござる(涙目)」
GM『ダメージは35点ですね』
G太郎「ぐはっ。防護点で3点減らして、32点ダメージでござるか。残りHP14まで追い込まれた。このような衝撃は、翠将ヤーハッカゼッシュを相手にした時以来でござる」
慌てて、練技【リカバリィ】を使用するG太郎。これでHP25点、MP17点になった。
G太郎「今の一撃をもう一度喰らえば、死は免れまい。次はドジを踏まぬようにせねば。試練は6」
GM『じゃ、1点のダメージですね』
G太郎「だが、【リカバリィ】で回復(残りHP35、残りMP14)。次なる試練は11」
GM『バルンガロムさんは、さらにツッコミ芸を要求します』
G太郎「芸人をなめおって。こうなったら、剣の恩寵で達成値+4をして、会心のツッコミ芸を披露するでござるよ」
GM『剣の恩寵ですか。確か、月に一度、使えるというハウスルールを当リプレイは採用していたのですね』
G太郎「フッ、時は正に世紀末、ならぬ月末。今回、使っても次の記事では、ほぼ確実に使用回数が回復するでござる。剣の恩寵込みの、ええと第2の剣のイグニスツッコミ! (コロコロ)出目3。しかし+4して7。やはり、剣の恩寵を入れておいて良かったでござるよ」
バルンガロム『バカな。キレのないツッコミ芸と思えば、イグニスの名に惑わされたわ。不覚』
GM『ということで、累積ボーナスは+5になりました』
G太郎「何度も同じ手は使えないでござるがな。ここで11を出せば、試練は終わらせられる。(コロコロ)出目7か。ボーナスを加えて、12でござる」
GM『再び、攻撃を当てて下さい』
G太郎「念のため、【キャッツアイ】を使って……また出目3。シクシク」
GM『カウンターの魔力撃ツッコミが飛んで来ます』
G太郎「それはかわした。うむ、次の試練はまた12でござるか。【キャッツアイ】なしでも、7以上で当てられる。(コロコロ)しかし、また3で外れ。どうして当たらんのだ。回避は成功。何だか泥試合になって来たでござる。ええい、今度こそ11よ、出ろ。(コロコロ)おお、11が出たでござる。これで試練は終了でござるな」
バルンガロム『よく頑張った……と言いたいが、貴様の実力はこんな物ではなかろう』
G太郎「いや、レッサーヴァンパイアに攻撃が当たらなかったことと言い、どうもスランプというか、呪われているように出目が冴えないでござるよ」
バルンガロム『ならば、厄除けに〈技の鍛錬修了証〉を進呈しよう。次の機会には、もっと面白い芸を期待しておるぞ』
G太郎「この傷の痛みに、自分の未熟さをまた痛感したでござる(涙目)」
体の試練(デルニールの場合)
デル「思わぬ苦戦をしていたけど、技の試練は師匠じゃないとクリアできなかったと思うぞぉ」
ホリー「ああ。命中で21以上を出すなんて、基準値が9のボクや11のデルにはまず無理だからな」
G太郎「残りHP35点とMP11点は心許ないので、試練の後に[HP変換]で回復するでござる。まず、HP21点を消費して、MPをフル回復。それから、MP9点使用すればHPを33点回復できて、これでHP47点とMP23点になった」
GM『[HP変換]と【リカバリィ】のコンボは非常に便利ですね。じゃ、後はデルニールさんの試練です。HPとMPの申告をお願いします』
デル「HPは75点で、MPは3点消費済みで41点だなぁ」
GM『じゃ、体の試練の開始ですの。2Dを振って下さいませ』
デル「11出たぁ」
GM『「転がり落ちてくる大岩を受け止めろ!」と言って、通路を大岩がゴロゴロ転がって来ますよ。冒険者レベル+筋力の判定で20以上を出して下さい』
デル「基準値12なので、8以上が必要なのかぁ。練技【マッスルベアー】で筋力ボーナス+2したら、6以上だなぁ。(コロコロ)ここでピンゾロとはぁ。[運命変転]も使用済みなので、使えないぃ」
GM『じゃ、大岩に踏み潰されて……80点のダメージですの』
デル「80点だとぉ? 死にましたぁ(涙目)」
GM『あっ、防護点でダメージを減らしてかまいませんよ』
デル「だったら11点減らして、69点ダメージですぅ。残りHPは6点になりましたぁ」
G太郎「そのダメージは、ご主人でなければ耐えられなかったでござるな。まさに適材適所と言ったところか」
デル「うう、このままだと危険なので、回復魔法【キュア・ハート】を使うぞぉ。(コロコロ)18点回復ぅ(残りHP24点。MP33点)」
GM『じゃ、次の試練です。2Dをまたどうぞ』
デル「同じ試練だったら、HPが保たないので小さい出目を希望するぅ。(コロコロ)12だとぉ!?」
GM『また、大岩ですわね』
デル「これを受け止めるのに失敗すれば、今度こそ確実に死ぬぅ。念のため、剣の恩寵を使いますぅ。これなら出目4で助かるぅ。グレンダール様、ついでにイグニスさんにもお願いして、(コロコロ)出目10で成功したぁ」
GM『では、ボーナス+2を獲得できました』
今度は【キュア・ウーンズ】で13点回復して、残りHP37点、MP30点。
回復効率で考えるなら、MP3点で期待値13点回復できる【キュア・ウーンズ】と、MP5点で期待値17点回復できる【キュア・ハート】では、前者の方がお得なのである。
しかし、どちらの回復魔法も、一度に80点も大ダメージが来るような状況だと、回復が全く追いつかないので、デルニールのピンチはなおも続くわけで。
デル「次の試練は出目7に+2して、9だなぁ」
GM『「限界まで走り続けるのだ!」と言って、地獄のマラソンを強要されます。ええと、こういう時はジープに乗って追いかけ回すのが、特訓の王道なのかしら』
G太郎「ラクシアにはバイクはあっても、公式にジープはないでござるよ」
GM『じゃ、ジープに似た幻の怪物が追いかけ回すってことで、目標値17の生命抵抗力判定です』
デル「基準値11だから……(コロコロ)出目7で成功」
GM『じゃ、ボーナス+2を得て、累積+4ですの。これで次に12を出せば、試練達成ですね』
デル「大岩だけは勘弁。(コロコロ)出目10で14来たぁ」
GM『「諦めるな!」と激励されます。だけど、精神抵抗20をお願いしますね』
デル「12が出て成功したぁ。この目はさっき出て欲しかったのにぃ」
GM『それでも、激励効果で累積ボーナス+5になりましたね』
デル「あっ、回復はしておきますぅ。さっきは忘れていたけどぉ(HP48点、MP27点)」
次の試練はボーナス込みで8。溶岩によって8点のダメージを受けるも、累積ボーナス+6。
回復魔法でHP51点、MP24点にした後、ボーナス込みで15。
バルンガロムの激励プレッシャーにまたも耐えて、累積ボーナス+7。
そして、3度めの激励プレッシャーが飛んで来て、今度は判定失敗。17点の物理ダメージを受けるも、防護点の高いデルニールには大した痛手ではない。
回復魔法でHP59点、MP21点にした後、再び地獄のマラソンで幻新幹線に追い回される。
デル「どうして新幹線ですぅ?」
GM『天幻星・霧隠れで印象的な技ですのよ』
デル「よく分からないけど、判定は成功したぁ。大岩じゃなければ、まあいいかぁ」
GM『じゃ、累積ボーナス+9になりましたの。次は7以上で試練達成ですわね』
デル「6ですぅ」
GM『バルンガロムさんが激励してくれます』
デル「激励でダメージを与えて来るのは、勘弁して欲しいぞぉ」
結果的に、9点のダメージを受けながらも、回復魔法によってHP66点、MP18点になった。
そして、ようやく体の試練を達成に漕ぎつけるのである。
バルンガロム『よく頑張ったな。吾輩は貴様を誇りに思うぞ。これは〈体の鍛錬修了証〉だ。これにより、貴様たち烈火団は3人で心と技と体の鍛錬を全てやり遂げたことになる。ガルダ、貴様にはオネスト・ハートの称号を。マッスルG太郎にはファンタスティック・テクニックの称号を。そして大岩に踏み潰されても耐えたデルモンテにはアンブレイカブル・ボディの称号を授けよう』
G太郎「これで激気技が使えるようになったでござるか」
GM『ゲキレンジャーネタはただの特撮ジョークですが、烈火団の皆さんが試練で得た3種の気力がオーラとして立ち上り、イノセントさんの中に注がれます。そしてイノセントさんが気力転身してリュウの力を覚醒することになる、と』
ホリー「そうか。ボクたち3人の気力が集まって、イノセントを覚醒させるんだな」
GM『これで【灼熱の鍛錬場】でのミッションは終了です。心技体の鍛錬を修了したので、合計が★3つ。それに加えて、飛竜覚醒ミッション(その1)の達成で★2つを加えて、HPとMPもフル回復してかまいません。また、バルンガロムさんがあなた方に「イグニスの精鋭」の称号を授けて、蛮族名誉点が30点加算されますね。そして、バルンガロム教官が以降、冒険のパトロンにもなってくれて、ミッションやクエストをくれたりもしますよ』
新たなミッション
GM『バルンガロムさんがくれるミッションは、推奨レベル6以上の「武者修行にて己を鍛えよ!」です。これは繰り返し受注可能なミッションで、報酬として〈黒魔熔鉄鉱〉が得られますよ』
G太郎「〈黒魔熔鉄鉱〉は、〈破剣の星槌〉を買い取るのに必要でござるからな。ここか、バイラヤーナ女王の仕事でもらえるわけで、いずれミッションを引き受けねばならぬか」
GM『さらに、クエストとしては、「武器の収集」を依頼して来ますね。戦利品の武器(売却価格50G以上)を10個納めるごとに★1つと報酬をくれます』
デル「戦利品で武器が出たら、記録しておかないといけないんだなぁ」
ホリー「ええと、魔動機の部品は【蒸気の谷】に持って行き、武器はここに持って来るとポイントが貯まって、★がもらえると。忘れないようにしないとね」
G太郎「高価すぎる武器は、売った方がいいので、安物の武器をここに持って来るとしよう」
GM『それと、次の「飛竜覚醒ミッション(その2)」なんですが、まずは【赤い瀑布】に向かって、エサユハさんに会いに行けばいいという話をフーララバラさんが言っていました』
ホリー「竜のことは竜に聞け、というのは当然だな。では、次の目的地はそこだ」
G太郎「そこに向かう途中に、未踏破の【漆黒のスフィア】と【銀灯の通路】に寄って行くでござる。そうすれば、深層階も【瑠璃宮】以外を踏破できるでござるからな」
●ここまでの冒険成果
日数経過:50日めの朝(灼熱の鍛錬場)
経験点:イケメンメガネ吸血鬼を倒した★1個
心技体の鍛錬をそれぞれ修了した★3個
飛竜覚醒ミッションその1達成★2個
魔物撃退分110点
ピンゾロ分(デルニール1回)
収支結果:真鍮戦士勲章2個
心技体の鍛錬修了証
戦利品300ガメル分
イノセントの飛竜覚醒費用4万ガメル消費
ミッション:翠将への親書を届けよ
【灼熱の鍛錬場】で心技体を鍛えよ
(イノセント覚醒その1)→達成
【赤い瀑布】でエサユハから話を聞け
(イノセント覚醒ミッションその2)
(現在20人)
【月の図書館】の書物を読む方法を探る
地下世界から誰かを外に脱出させる
驕王ポイント現在40点
人魚奴隷の救出(残り2回)
虹色の宝石の確保
(現在水妃ポイント8点)
転送装置のマスターキーを入手する
〈黒魔熔鉄鉱〉30個を集める
(現在5個)
機械の部品ポイント370点
魔神討伐ポイント(現在42点)
【鍛錬場】に武器を納める
情報
・防空施設の魔力供給源【翡翠のピラミッド】の装置を操作するには、〈銀水晶のマギスフィア〉が必要。
・〈破剣の星槌〉は深層階の【黒炎の工房】で〈黒魔熔鉄鉱〉30個と交換。
・【地底湖の畔】のマーマンは、水妃ポイント残り20点で地上への抜け道を教えてくれる。
・四祖の1人シェラシースは魔剣である。
・地下水路から地上への脱出には、〈銀水晶のサークレット〉が必要。北東の隠し扉を開けられる。
・漆黒のマギスフィアは、深層階の黒い球体に入る鍵。別に合言葉が必要。
・竜のエサユハと知り合い、竜の秘薬を完成させた(竜姫ナーデージュ救出ミッションの予定)
・【歯車の迷宮】には地下水路の明かりの仕掛けあり。
・ユリア・ミルドリスは深層階の【瑠璃宮】に向かった。
・翠将の親衛隊になるには〈黄金近衛勲章〉を入手して、試練を受けねばならない。
・暗闇を見通す〈セランシェの灯火〉は妖精たちの【地下庭園】に。現在バルカンに奪われたとのこと(ミッションの予定)
・【不死者の城】のランタンヘッドは、〈ワルプルギスの鐘〉に呪われている。ゲール・ハイネメルから解放ミッションが受けられる。
密偵の知り合い
・アム・ヤーセン(ドワーフ娘→ラミア)
キーワード「月の図書館の書物閲覧」「漆黒のスフィア」
キーワード「白銀勲章」
・ニコ・シュナウヘア(ナイトメア→オーガ)
キーワード「防空施設」「シェラシース」「ヤーハッカゼッシュ」「地底に眠るもの」
・オスカル・バロー(シャドウ→バジリスク)
キーワード「白銀以上の勲章コレクター」「転送装置のマスターキーを持つ」
冒険達成度:イグニスの精鋭の称号を得た+1%
(合計27%)
(当記事 完)