第5部スタートのお知らせ
ヒノキ「魔神ハンター・烈火団ファンの読者のみなさん。新年度開始を祝って、第5部を開始するのじゃ。第5部だから5月からという意見もあったが、それでは時流に乗り遅れるということで、一足お先に光の速さで明日へダッシュするのが若さであり、愛ということじゃ」
ゲンブ「おお、言葉の意味は分かるが、どうして今この場でギャバン? という脈絡が分からず、戸惑うでござる」
ヒノキ「お主は平成ライダーを履修して、少しは物を見る目を養ったと思うたが、ギャバンの価値が分からぬとはまだまだじゃのう。せっかくYouTubeで配信しておるのじゃから、メタルヒーローの元祖をしっかり学ぶがいい」
シロ「アリナ様、そちらのギャバンは10年ほど前から復活して2代目のギャバンGに引き継がれた平成ギャバンです。やはり、伝統を重んじるなら、大葉健二さんの元祖を挙げるべきでは?」
リトル「宇宙刑事ギャバン、格好いいですぅ。でも、これって魔神ハンターと何か関係あるのですかぁ?」
ヒノキ「関係は……これから作るのじゃ」
ゲンブ「はい?」
ヒノキ「ギャバンと言えば魔空空間。魔神ハンターといえば魔窟の探索。よし、魔窟ではモンスターの戦闘力は通常の3倍に設定しよう。レベル5のモンスターはレベル15になるのじゃ」
シロ「アリナ様。いくら何でも、それは無茶です。戦士の防御力が倍とか、〈死の刃〉で攻撃力2倍、〈魔剣〉で攻撃力3倍なんて無茶なことをして許されるのは、T&Tぐらい。ソード・ワールドで3倍なんて極端なパワーアップをされたら、ゲームバランスがどうしようもなくなります」
ゲンブ「T&Tは集団戦闘で、パーティー全員の戦闘ヒットを合計して、相手と比較するシステムでござるから、大きな数値が飛び交いやすい。大味なゲームバランスのシステムであるゆえ、他のゲームに安易に採用するのは危険でござる」
シロ「もちろん、スパロボの『熱血』や『魂』、防御の『鉄壁』などでダメージや装甲を倍にしたり、ドラクエのバイキルト、スクルトなどコンピューターRPGなどで倍効果はないわけではないですが、TRPGで扱う乱数は人間の計算能力に応じて、それほど大きくはできません」
ヒノキ「それでも、マッスルG太郎の初手4回キックは実質的に4倍ダメージみたいなものではないか?」
ゲンブ「4回攻撃は、その都度、相手の防護点を減算しますので、単純な4倍ダメージではないでござる」
ヒノキ「まあのう。魔空空間を再現できないとなれば、魔神ハンターをギャバンっぽくするにはどうすればよいか?」
シロ「魔法で武器をエンチャント(強化)する際に『レーザーブレード』と唱えるとか、メカドラゴンめいた騎獣やゴーレムを用意するとか、そんな感じでしょうか」
リトル「ソード・ワールド以外で、宇宙刑事をプレイできるゲームを探してもいいかもぉ」
ヒノキ「だったら、今のお勧めはこれになるかのう」
ヒノキ「基本ルールでは、変身ベルトをつけて戦う改造人間と、グループヒーローと、魔法少女の3種類が載っていて、まずはニチアサからスタートということになる」
ゲンブ「宇宙刑事はないでござるか?」
ヒノキ「そのためにサプリメントがあるのじゃ」
ヒノキ「上級ルールでは、異世界出身ヒーロー、ギミックと呼ばれる特殊アイテム使い、ダークヒーロー、忍者ヒーローが加わり……」
ヒノキ「ギガファイトで巨大戦ルールが採用されて、光の国から来た巨大宇宙人や、アーマーをまとって戦う宇宙の捜査官的なメタルヒーローなんかも設定できる。さらに、歌や踊りの力で戦うアイドルヒーローなんかも用意されているのじゃ」
シロ「そこまで揃えると、大体のヒーローは網羅できそうですね」
ヒノキ「うむ。しかし、サプリメントはまだあるぞ」
ヒノキ「バーニングハートを導入すると、突然変異で能力を得たミュータントヒーローや、変身しないけど熱いハートと知恵で戦うヒートブラッド、コンピュータープログラムを駆使するサイバー系ヒーロー、夢や想像力を実体化させるドリーマーが加わる」
シロ「ミュータントや、グリッドマン、ウイングマンは分かるけど、ヒートブラッドってどんな感じですか?」
ゲンブ「変身しない変身ヒーローって本末転倒ではござらぬか」
ヒノキ「要は、硬派の番長とか、特殊能力はなくても鍛えた拳で何でも砕く系じゃろう。島本和彦系と言えば通じるかのう」
ゲンブ「変身しないのに強い参謀長とかも再現できそうでござるな」
リトル「ところで、ソード・ワールドの話から、どんどんズレて行ってますねぇ」
ヒノキ「むっ。ここらで前置き終了じゃ」
なぜか飛んできたヒーローRPGの続き
ヒノキ「さて、前置きから引き続きマージナル・ヒーローズのサプリメント話じゃ。ここまで語ったのも何かの縁。つまづく石も縁の端くれ、とは新兄さんも言っておった」
シロ「それはいいですけど、あとサプリメントはいくつあるんです? 一応のゴールは決めておかないと」
ヒノキ「シナリオやリプレイを除けば、残り3つじゃのう」
ゲンブ「それぐらいなら何とか。さっさとヒーロー話を終わらせて、本来の流れに突入するでござる」
ヒノキ「ワールドガイドは、このヒーロー混成の世界観を描くと共に、新たなクラスも4つ加わる。各地の名所や有名人や物産などの力を借りるローカルヒーロー、天才的な頭脳の持ち主が自ら作り出した装備で戦う発明家ヒーロー、マシンを装着したり武装に変形させて戦う機構ヒーロー、妖怪や幽霊などの超常現象の力で戦うオカルトヒーローといったところじゃのう」
ゲンブ「要は、ネイガーや仮面ライダービルド、ドライブ、ゴーストなどを再現できる、と」
ヒノキ「うむ。システムが3つのクラスを組み合わせて、多彩なキャラを組み上げられるSRSじゃから、『ベルトで変身し、マシンから武装パーツを召喚し、多彩なギミックも使いこなすドライブ』にもなれるし、組み合わせ方をあれこれ考える自由度が面白い」
シロ「ボク自身だったら『忍者と、琉球パワー』までは組み合わせられそうですけど、あとは獣の力になるのかな。他のサプリメントでまかなえるでしょうか」
ヒノキ「獣の力か。わらわとしても、怪獣の力を使うヒーローは確かに欲しいのう。そう思って確認すると、『幻獣や実在の獣の力に基づくクラスのヴァリアスライフ』は基本ルールの中に普通にあったのじゃ」
ゲンブ「それは確かに、昭和ライダーからして、バッタの能力を持った改造人間でござるし、獣の力に基づく戦隊は昔からたくさんある」
シロ「なら『忍者+琉球+獣』でボクを再現できる、と」
ヒノキ「ヒーローバースのテーマは、過去と未来と異世界の多元世界を股にかけた冒険じゃ。新クラスは6つ。様々な時代固有の能力を持ったジダイを基軸に、戦国や江戸のサムライ、西部劇のガンスリンガー、ファンタジー世界のアドベンチャラー、そしてマオウと、時を越えてきたタイムリーパーといったところ」
リトル「マオウって、露骨に常盤ソウゴを再現できるクラスじゃないですかぁ」
ヒノキ「基本ルールの発売が2017年じゃから、それ以降、新ヒーローが登場するたびに、それを再現するためのルールを拡張してきたようじゃのう。そして、最新サプリメントがこれじゃ」
リトル「タイトルから見ると、最終回っぽいですがぁ」
ヒノキ「発売は今度の4月15日じゃ。まだ発売はされておらぬが、テラーという悪の秘密結社との最終決戦をテーマにしたシナリオ集&追加データ集らしい。もしかすると、本当にこれで最終回になる可能性も感じられる」
ゲンブ「それは途端に興味深くなってきたでござるな」
ヒノキ「新たなクラスは4つ。テラーの改造人間、金の力で戦う富豪ヒーロー、星や惑星の力に基づく星座ヒーロー、筋肉のパワーで戦うマッスルヒーロー」
ゲンブ「マッスルヒーロー! それは一気に興味さが爆上げになって来たでござる」
リトル「小説家ヒーローや、料理の力や、お手当て系がまだ再現できなさそうですぅ」
ヒノキ「キラメイジャーのような宝石の力や、いろいろ足りないと感じる要素が今後のサプリメントのネタになるかもしれん。そして、実は、このマージナル・ヒーローズが多元世界設定まで広がったことで、2015年に展開が終了したアルシャードシリーズの流れを引き継いだRPGになっているということに、最近、気がついた」
ゲンブ「何と。アルシャード・シリーズは現代地球に似たブルースフィアと、FF風の機械要素を取り込んだファンタジー異世界のミッドガルドの二つの世界を絡めた多元世界RPGでござったが、ガイアからセイヴァーに版上げされた後、3年を待たずして新展開が行われなくなっていた。しかし、ヒーロー物RPGであるマージナル・ヒーローズが同じSRSで展開され、とうとう異世界ファンタジー世界から来たヒーローを再現できるようになったことで……確かに、これはアルシャードの系譜を引き継いだものと言えようか」
ヒノキ「そんなわけで、新兄さんは以前に屋久島でこういうことを言っておったわけじゃが……」
リトル「2022年にアルシャード復活を祈願していたみたいですねぇ」
ヒノキ「どうやら、アルシャード自体は復活する様子もなさそうじゃが、マージナル・ヒーローズが形を変えたアルシャードの後継者と認定すれば、それに気付けたことで願いが叶ったと解釈することも可能ではなかろうか。何せ細かい差異はあれども、根幹システムが同じSRSで、しかも世界観が同じユグドラシル宇宙にあることが公式に明言されているなら、エッセンスを引き継いだ作品であることは間違いない」
ゲンブ「後は今度の新作サプリメントで、シリーズ終了にならないように願うのみでござるな」
シロ「この作品が、アルシャードの後継者であると認定して、興味をもって追いかけ直した途端、展開が終了してしまっては洒落にならないですからね」
改めて魔神ハンター
ヒノキ「さて、違うゲームの話はさておき、魔神ハンターの話に戻るとしよう。準備編では、これまでのおさらいと今後の展望を語るのじゃが、それにはまず『第4部の準備編』を読むと書き手の楽ができよう』
シロ「各部を箇条書きにまとめると、こういう感じですね」
・第0部:地下水路からのミストグレイヴ侵入。
封印の壺からマッスルG太郎の解放。
カニとの対決から助けたメルを連れて、
ジーズドルフ解放軍の拠点へ。
・第1部:解放軍から密偵救出ミッションを請け負い、
煌びやか卿のところへ向かう。
偽装のために烈火団を名乗って情報収集など
した挙句、処刑遊戯場で暴れて、
捕まった元密偵のカレンを救出。
その際、ダークドワーフの鍛治師ワジマを
救出したり、いろいろ烈火団の礎を築く。
食糧調達ミッションでコボルド窟を開拓。
また、解放軍とは別に物乞い市場にて、
宿の主人ビシャナから奴隷購入ミッションを
依頼され、煌びやか卿と交渉して、
2人の少女(ミサとコヨミ)を買い受ける。
・第2部:解放軍と、ビシャナの組織〈銀の蜜蜂〉の間の
折衝を任される。
呪われた神殿でアンデッド退治をした挙句、
神殿を解放して、後の拠点への布石にする。
蜜蜂からのミッションでワイン購入を行い、
その過程で北の地を開拓。
魔窟およびゴブリン王を知ることになる。
解放した神殿を今後の密偵および商業活動の
拠点に使うようにし、名誉点事業として
烈火団を正式に発足。
・第3部:北の地へ向かおうとした矢先に、
いきなりラスボスのヤーハッカゼッシュに遭遇、
圧倒されるも、かろうじて生き残る。
隠者ヴァラルトの知己を得る。
ゴブリン王と盟約を交わした後、魔窟を初探索。
ゴブリン王からトロール兄弟撃退ミッションを
引き受け、その途中に人魚との交流も始まる。
解放軍を襲撃していたトロール兄弟を撃退し、
帰還の際に、人魚の奴隷を助けて、
女王パランティーナとの知己を得る。
上層階の探索マップを完成させる。
・第4部:深層階に突入して、ドラゴンのエサユハの
知己を得る。
ドラゴンの秘薬の材料を探すミッション。
ダークドワーフの長の甥っ子ビーリンを
助けた縁で、深層階のダークドワーフの
情報を取得。
人魚の依頼と秘薬の材料集めのために、
地下水路を探索。リザードマンの長との
知己を得る。
蜜蜂のところで、深層階の情報を渡し、
長のソニア・ゾラの正体が元人間だと
知るに至る。
ソニア・ゾラから攻略情報を聞いた後、
人魚と対立する魚人との交渉に入る。
烈火団の力を示すことで、当面の和平を
勝ち取ることに成功する。
ゲンブ「まとめたつもりが、結構な量のあらすじになったでござるな」
ヒノキ「そして次は、新たに引き受けられるミッションをレベル別にまとめてみるのじゃ」
★レベル3以上
マーマン公子を連れ戻せ(R):行方不明の人魚の王子を探す。
荷物を配達せよ(R):コボルド商人オードル・プルの手伝い。
魔窟を探索せよ(R):魔窟に潜って探索を進める。
ヒノキ「ミッションの中には、経験点稼ぎのために繰り返し受注可能なものがあって、(R)マークで表される。それらはストーリーが大きく進展するものではないが、ゲームとしては必要にもなろう。他にも、解放軍や蜜蜂から受けられる『食糧調達ミッション』、ゴブリン王の敵を撃退する『無礼者をぶち殺せミッション』があるが、すでにプレイ済みであるので割愛じゃ」
ゲンブ「驕王ポイントを稼ぐため、とか特別な目的でもなければ、繰り返しても仕方ないでござるからな」
★レベル4以上
驕王の黄金鎧を入手せよ:ダークドワーフから発注していた鎧を取ってくる。
ギルマン王に親書を届けよ:人魚と魚人の折衝任務のつづき。
ティアハートの花を手に入れろ(R):蜜蜂の手伝い。
ゲンブ「黄金鎧の件はそろそろ解決したいが、強奪するのはダークドワーフとの関係が悪化するので、何とか話し合いに持ち込んで円満に解決する方法を模索したい」
ヒノキ「その分のシナリオの改変案は考えついたので、引き受けても良いと思うが?」
ゲンブ「それならば、5部はそこからスタートすれば良いか。5部だけにゴブリン絡みの話から始めるのは洒落が利いていていい感じでござる」
★レベル6以上
ライフォスの聖宝を探せ:解放軍のために、地下水路の隠し部屋にあるという宝を捜索する。
エーリカの思い出を求めて:隠者ヴァラルトの最終ミッション。彼をエーリカの死んだ【流血回廊】に連れて行く。
深層階に荷物を配達せよ(R):コボルド商人オードル・プルの手伝い。
ゲンブ「第4部で人魚と地下水路絡みのミッションに勤しんだので、今回はゴブリン王関連と、魔窟の探索から進めたい。その後、深層階のダークドワーフ関連に話を進めていこうと考える」
ヒノキ「うむ。それならば、次回から早速、ゴブリン王のところへ向かうといい」
(当記事 完)