花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女主役の物語」&「その仲間たちの雑談話」など。TRPG話や特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。

屋久島ゴジコン雑話

怪獣王座争奪戦の行方

 

弥生「海の日が過ぎましたが、今回は番外編ですね」

ケイP『その海の日に、マスターNOVAが映画を見に行ったので、記事書きするような時間と気力体力が持てなかったッピ』

ハイラス「まあ、『ゴジラVSコング』のストーリー展開によって、ここでの今後の展開が大きく変わるぐらいの可能性を考えていたでござるが、結論としては無難な形で決着がついたと言うことで」

カニコング「吾輩の王座奪回の夢が破れたでごわす。かつてはキングコングと呼ばれた大猿が、ただのコングに格下げされる決戦がホングコング(Hong Kong)の地で繰り広げられたでごわすな」

弥生「香港ですね。英語表記がダジャレめいている地で戦ったのは、製作者が狙っていたのでしょうか」

カニコング「こうなったら、吾輩もキングではなく、ホングの称号を狙う方がいいのかも」

ケイP『ホングの称号がどういうものかは知らないッピが、香港といえば、フィクション的には伝説のブルース・リージャッキー・チェンなどの空手系香港映画が栄え、第13回ガンダムファイトの決戦大会も行われたほど、武闘家にとっての聖地とも呼べる場所だッピ』

ハイラス「この地で勝利すると、キング・オブ・ハートの称号と共に、ラブラブハッピーになれるというジンクスもあるそうでござる」

弥生「ガンダム時空では、ホンコンと言えば、デビルガンダムの他に、サイコガンダムも出現する危険な戦場らしいですね」

ケイP『スパロボでは、香港が舞台というだけで、Zガンダムのフォウと、Gガンダムのアレンビーの強化人間コラボがしばしば見られたこともあるッピ』

セイリュウ(そして、わしも世紀末に暴れたことのある懐かしい地である)

ハイラス「おお、セイリュウ殿。この度は、キングの座の防衛戦にてタイトル死守、まことにおめでとうでござる」

セイリュウ(まあ、さすがにコングと、ギドラ脳を持つメカの二連戦は疲れたが、ボストンでのギドラ戦ほどの規模ではなかったと言うべきか)

ハイラス「今回は、セイリュウ殿とカニコング殿にこの度の戦いを振り返って頂こうという企画でござる」

カニコング「と言っても、別に吾輩が直接戦ったわけではないでごわすし、セイリュウ様自身が戦ったわけでもあるまい。どうして、我が事のようにおっしゃるのでごわすか?」

セイリュウ(つまらないことを気にする奴だな。だから、お前はカニなのだ。真っ直ぐ突き進むことができず、横道に逸れることしかせん)

カニコング「それは……時空魔術師に対する当て付けのように聞こえるでごわすが」

セイリュウ(今は、時空魔術師のことなどどうでもいい。いいか、カニコングよ。わしはゴジラの眷属セイリュウとして、この地を守護する聖霊スピリットよ。ガイア様に仕える身となったわしの言葉は、地球の意思を体現したものと思え。もちろん、全てのGが地球に通じているとは言わんが、Gの眷属として、わしはあらゆるGの動向を霊的に感知することが可能。すなわち、Gの心とつながっているのだ)

ケイP『この場合のGとは、ガンダムやゲッターやガメラは含まないッピね』

セイリュウ(さあな。含むかもしれぬ、含まれぬかもしれぬ。だが、連中が地球の意思につながるのであれば、どこかで通じるものもあろう。ゲッター線はかつて恐竜を滅ぼしたと言われるが、それでも生き残ったものの一部が、わしら怪獣と呼ばれる存在となった。ならば、今いる怪獣もゲッター線に選ばれた存在と呼べんかね)

ケイP『すると、ドゴラも?』

セイリュウ(精進すれば、ゲッタードゴランに進化する可能性もあるやもな)


ケイP『おお、それはワイルドだッピ。ゲッター線を浴びれば、マジンガーだってマジンカイザーになるという話も聞いたことがあるし、ドゴラだってゲッター線に導かれれば、ドゴランカイザー、またはドゴランエンペラーと呼ばれる存在になっても不思議じゃないッピよ』

弥生「いや、十分不思議だと思いますが。ゲッター線は恐竜を滅ぼした以上、私たちにとってみれば、デーボスと変わらない存在に見えます。そのような未知の力に身を委ねるのは危険すぎます」

ハイラス「ゲッター線と、デーボス軍にいかなる関係があるかは考察の余地があるが、今は寄り道でござるな。それよりも、今はゴジコン話でござる。セイリュウ殿、霊的な立場では話を続けるのも負担が掛かるゆえ、我が身をお使い下され」

セイリュウ(うむ。では、言葉に甘えるとするか。Gスピリット・イン!)

弥生「ああ、何だかブレイブですね。竜の魂が人の身に入るという現象は、よく分かります」

セイリュウinハイラス『獣の精霊を身に宿すことのできる、親和性のある人間は、それだけで選ばれた存在と言えような。次元ドルイドはそういう才を備えている逸材だ』

ケイP『才能のない人間がうかつに怪獣王の魂を身に宿したりしたら、下手すれば魂が砕けてしまうッピね』

弥生「私もバイオレットに変身するには苦労しました。獣電竜と意思を通わせた上で、強き竜の者に恥じない強い想いの力が必要なんですね」


 

 ゴジコン漫才

 

セイリュウ『それにしても、カニコングよ。今回のコングの戦い方は、ちとズルくないか?』

カニコング「何がで、ごわすか?」

セイリュウ『あの斧だよ。コングアックス。こっちは生身の徒手空拳で戦っているのに、そっちは武器を持ち出して、反則だよ、あれは』

カニコング「それを言うなら、怪獣王さまは口から飛び道具の熱線を発射するでごわす。だったら、それに対抗する道具を装備するのは当たり前でごわす。TRPGの戦士が武器を装備して、強大なモンスターに挑むことをズルいと言う者はいないでごわすよ」

セイリュウ『しかも、何、あの斧? Gの背びれを素材にするなんて、そんなのを構えられたら、キレるしかないやろ』

カニコング「ジェットジャガーだって、アンギラスの槍を使ってたし、倒したモンスターの角とか牙とか硬そうな素材を元に武器を作るのって、人類にとっては普通でごわすよ。道具を使う。それで文明は発達したでごわす」

セイリュウ『チッ、あの武器さえなければ、もっと簡単に勝てたものを。普通に殴り合いをしていても、こっちの方が有利だったわけだし』

セイリュウ『コングが殴っても、こっちはよろめくだけ。だけど、こっちのGパンチは相手を軽く吹き飛ばすほどだからな』

カニコング「そりゃ、スペックが違うでごわすからな。そちらの身長は120メートルで、体重は9万トンを越える。コングは100メートルちょい。今回の体重は公開データが見つからないものの、身長30メートル強で158トンという前作『髑髏島の巨神』データから計算しても軽量級なのは明らか。おまけに怪獣王さまには尻尾もあるので、体格差は倍近い開きがある感じ。正面から殴り合っても不利なのはすぐに分かったでごわす」

セイリュウ『だから、死んだフリとか、高層ビルの間を跳び回って逃げてばかりで、こっちを翻弄してくる。何て姑息な戦い方だ』

カニコング「重量級ファイター相手に、軽量級で俊敏性が長所のコングは回避主体の奇襲攻撃に勝機を見出すのは当然でごわそう。そもそも、そっちだって十分チート設定ではごわさんか」

セイリュウ『今さら何を。怪獣王がチートなのは昔からだろうが。違うのは、息子と、昭和の後期と、マグロばかり食っている奴ぐらいで、Gはチートの代名詞。それを知って、勝負を挑んできたのはそっちだろうが』

カニコング「それにしても、地球の核エネルギーを独占しているという設定は何でごわすか。話が進むにつれて、強さの設定が上乗せされて行くのはインフレにも程があるでごわそう」

セイリュウ『いや、Gアースに比べれば、まだまだ控えめなものよ』

カニコング「そんなチートな設定増し増しのキングに抗うのに、武器の一本ぐらい許してくれてもいいでごわす」

セイリュウ『地球エネルギーとつながる秘密が、背びれにあったとは、わしも今まで知らなかったがな』

カニコング「だから、コングの一族も地球エネルギーとつながるために、Gの背びれから伝説級の武器を加工したでごわすな。今回のコングは、過去最高レベルの知性を誇り、人間と手話で会話するなど、ほぼ人並みの頭の良さを披露」

セイリュウ『いや、我が息子のミニラは普通に人と喋っているがな』

カニコング「そりゃ、子どもの夢でごわす。まあ、怪獣王の頭が人智を超えたレベルで良いことは時々描写されているでごわすが、コングの場合は、これまでがせいぜい類人猿で、人類に匹敵するだけの知力は今回が初披露のような気がする」

セイリュウ『まあ、ここでのわしらが喋っているように、パロディ的に擬人化されることは多々あるが、映画劇中できちんと人とコミュニケーションを取り、古代に文明を築いていたことが示されたケースはなかなか珍しいからな。怪獣同士なら吹き出しで会話したり、モスラの小美人のような巫女を介することはあっても、口の聞けない少女と手話で話すとは驚いた。さすがのわしも手話はマネできん』

カニコング「シェーとか、加山雄三木枯し紋次郎のマネはできるでごわすがな」

セイリュウ『王ともなれば、それぐらいのパフォーマンスも求められよう。威厳を保ちつつ、かつ親しみやすい道化となることも受け入れてこそ、熟達の器量と言うものよ。悪役なら悪役として、子どもたちのヒーローならヒーローとして、チートな神級モンスターでもあり、家族想いの優しく強いお父さんでもあり、恐ろしい怨霊役も、ワイルドな野獣役も、多種多様な演技をこなす経験豊富なロールプレイヤー、それがわしよ』

カニコング「それって、みんな演技なんでごわすか?」

セイリュウ『当然だろう。何しろ、ベテラン主演俳優だからな、わしは。国内だけでも、実写アニメ合わせて30作を越えるし、ハリウッドにも進出して4作め。TV出演も多数。コングは1933年生まれで、わしより年季が長いが、映画はまだ9作め。62年の初対決の時は、アメリカを代表するキングコング先輩であったが、先輩が孤島でくすぶっている間に、わしは地道に世界を駆け回り、営業活動を続けておったのよ。一時は引退を考えたこともあったが、ファンの惜しむ声に呼び戻されて華やかにリバイバル活動中なのが今。

『そして、今回のコングは、一族の中でも若造だと言うではないか? しかも、未来世界で地球の生態系を支配している物語が描かれたGの一族と違い、コングは島の唯一の生き残りで、今のコングが死ねば絶滅確定だという話。その点で、モスララドンのように卵を生んだり、大量発生して子孫を残す連中の方が未来がある、というもの』

カニコング「コングにだって、息子のリトルコングや恋人のレディコングがいたこともあったでごわす」

セイリュウ『しかし、それは昭和の話。令和のコングが独り身であることには変わりあるまい』

カニコング「モンスターバース版では、怪獣王さまも独り身でごわす」

セイリュウ『前作でクイーンのモスラが散ったのが惜しまれる。まあ、モスラの眷属は不滅だから、また出て来ても不思議ではないが。いずれにせよ、昭和にはミニラが、平成にはベビー→リトル→ジュニアと進化成長する息子がいるし、近年は自分自身が成長進化するという芸を身に付けたからな。シンと名のつく個体は、勝手に増殖することが示唆されているし、それでなくても勝手にG細胞とかを採取されて、亜種怪獣がどんどん生み出されて行くし、Gの遺伝子が絶えることは考えにくい。それに比べて、コングの遺伝子から生まれた怪獣は果たしているかな?』

カニコング「戦隊メカや、仮面ライダーにはコングモチーフがいるでごわすが」

セイリュウ『そう言えば、コングというのは元々、ゴリラを意味する一般名詞ではなく、ラドンやギドラと同じ固有名詞だったそうだな。言わば、映画のキャラクターの名前だったのが一般名詞化したような形。こういうゲームの影響もあるかもしれぬが』

カニコング「コングの歴史や未来の話はともかく、今回の戦いについて振り返ろうではごわさんか」

セイリュウ『そうだな。今回、コングとは3ラウンドの戦いが展開されて、2勝1敗で怪獣王の勝ちという形で終わった。そこに乱入してきた不作法なメカを、コングの協力で倒して、そしてコングがわしに土下座して許しを乞うたんだったな』

カニコング「それは前作のラドンでごわす。コングは頭を下げん。ただし、共に強敵にして悪の源を倒した以上、無益な戦いを続けても仕方ないと悟って、武器の斧を落とす形で和解の意思を示したのでごわすよ」

セイリュウ『ふむ。戦意を捨てた者に牙は剥かん。ギドラの亡者を破壊するのに貢献してくれた以上は、漢気の分かる若造と思い、今回は見逃してやろう。するべき仕事は終わった。わしは帰る。もう暴れるんじゃないぞ』

カニコング「いや、今回、一番暴れたのは怪獣王ではごわさんか。こっちは島で平和に暮らしたかっただけなのに、いきなり襲撃してきたりして」

セイリュウ『そりゃ、コングが島から出て来るから悪い。おまけに人間がギドラの脳を使って、傲慢にも王の座に挑戦して来る気配を感じたからな。わしは挑戦に応じて、身の程を知らしめただけよ。王の秩序を脅かす輩は報いを受けて当然だ』

カニコング「怪獣王の理屈だと、そうなるでごわすな。しかし、コングの理屈も聞いて欲しいでごわす」

 

第1ラウンド(南太平洋海上

 

セイリュウ『そもそも古来からの盟約により、コングの一族は髑髏島から出てはならぬ、と取り決められていたのだったな』

カニコング「その辺は、映画本編では断片的にしか語られない背景情報でごわすな。大昔の怪獣神話の時代に、ゴジラの一族とコングの一族が争った歴史があって、結果的にゴジラ族が怪獣王として君臨し、敗れたコング族は髑髏島のみを領分にするように決められたことが。ゴジラ族は勝ったとは言え、コング族相手に苦戦を強いられたので、髑髏島には手を出さぬようになり、双方の縄張りをしっかり守っている限りは平和が保たれた」

セイリュウ『しかし、コングが人間にそそのかされて、盟約を破ったのだ』

カニコング「今のコングは両親を殺された若い孤児であったため、そのような盟約があったことなど知らなかったでごわす。おまけに、本作の前日譚のコミックによれば、平和だった髑髏島は、ギドラの手下と化した蝙蝠怪獣カマソッソの侵攻がもたらした大嵐のせいで、生態系も島の住民のイーウィス族も壊滅状態。唯一生き残った島の少女ジアとコングは、モナークの研究グループの手で確保され、島の環境を再現したドーム型施設で生活していたが、成長するコングには手狭になり、コング本来の故郷である地下世界へと移住する計画が立ち上げられたのでごわすよ」

セイリュウ『しかし、その移住計画の裏では、コングを水先案内人にして、地下世界の遺跡に眠る地球エネルギーの秘密を探ろうとする人間の企てがあった。そのエネルギーを利用してのギドラ再生計画が行われているのを感知して、あちらの世界のわしは愚かな計画を止めるために実力行使を開始したのよ』

カニコング「話し合いで解決すれば良かったのに」

セイリュウ『だからGは、コングほど器用じゃないし、前回、王に命を助けられてシンパになってくれた娘がいて、今回のヒロイン役の一人として行動してくれたんだが、Gは一人の人間の娘など認知しておらんからな。その娘に連絡して、王の要望を人類に伝えるなどという術は思いも及ばん話だ』

カニコング「もしも、話ができたら、何と言っていたでごわそうか」

セイリュウ『そうだな……。愚かな人類よ、お前たちは恐ろしいことに手を出している。過ぎたる力をすぐに捨てるがいい。こいつは王からの警告だ。要求が聞き入れられなければ、わしが直接出向いて、お前たちが作ろうとしている危険を排除するのに全力を尽くすだろう……って感じか』

カニコング「そんな脅迫じみた言い回しでは、交渉にならないでごわすよ」

セイリュウ『そうか? 可能な限り、妥協してみたんだが。これが破壊神だったら、こう言うだろう? 愚かな人類よ。お前たちは恐ろしいことに手を出している。過ぎたる力に手を伸ばした罪はあまりにも重い。よって、裁きを言い渡す。死ね。お前たちのような地球を蝕むクズ蟲どもには改心など期待できぬ。潔く自らを恥じて死ぬがいい。降伏は認めん……って路線も考えてみたんだが』

カニコング「考えたでごわすか!?」

セイリュウ『そう、考えはした。しかし、それじゃダイ大のミストバーンみたいではないか、と鬼岩城襲撃のアニメを見て、考え直したのだ。そこまで言うのは、やり過ぎだ、とな』

カニコング「おや? それは時間軸的におかしなことになるでごわす。ダイ大のその回は7月17日放送。しかし、ゴジコンはそれ以前に公開されていた。いくら怪獣王さまのお言葉とは言え、矛盾が発生するでごわそう」

セイリュウ『甘いな。ゴジコンの映画は確かに、もっと早く公開された。だがしかし、あの物語の作品世界は2024年設定だぞ。つまり、2021年に放送したアニメを見て、考え直して、2024年の破壊活動を少し控えめにしたと言っても、別に時間軸的に問題ないではないか』

カニコング「いや、しかし……」

セイリュウ『それでも気に入らんようなら、こう言い直そう。鬼岩城襲撃の原作コミックを読んで、考え直したのだ、と。どうだ、これなら文句はあるまい』

カニコング「あのう、これは読者の方に代わっての疑問なんですが、怪獣王さまはアニメを見たり、コミックを読んだりするのですか? とてもそのようには見えないのでごわすが」

セイリュウ『怪獣は見かけによらぬもの。そんなことも分からないから、お前はキングの座を失ったのだ。王たる者、幅広く勉強はしなければならぬ。ましてや、映画の主役を長年、務めようとするなら、今の時流をつかんだ演技を模索せねば、たちまちオワコンだ。大体、怪獣王の眷属たる聖霊がマンガやアニメを鑑賞してはならない、という法律が、この国にはあるのか? このわしが何を見聞きしようが、誰からも文句を言われる筋合いはない。未成年でもないのだからな』

カニコング「い、いや、それはそうですが、それにしては交渉能力があまり高いようには見えなくて」

セイリュウ『そりゃそうだ。わしの交渉能力は、怪獣相手に発揮されるもの。弱肉強食のワイルドな怪獣世界においては、まず自らの力を示して、それから相手の主張を聞く。ナメられては負けだからな。だが、お前にもっといい人類に向けた交渉手腕があるなら、聞いてやるぞ。さあ、良き例を示すがいい』

カニコング「そうでごわすな。吾輩の考えでは、怪獣王さまはただでさえ強面でごわすから、もっとギャップ萌えのさわやかさ、親しみやすさを前面に出せば良かったのでごわさんか? つまり……やあ、賢明な人類のみんな。いつぞやのギドラ戦では、核エネルギーで支援してくれてありがとう。そう、わしは地球の救世主、キング・オブ・モンスターズのG。わしのことをタイタヌスGと呼んだり、神の獣と呼称する者もいると聞いたけど、とにかく大切な話があるので聞いて欲しい。

「君たちの中で、ギドラめを復活させようとしているバカなマネをしている輩がいると感知した。賢い人類の中にも、時には愚か者が発生することは残念だ。わしが自分で破壊してもいいんだが、それだと君たちに迷惑をかけるから、そんな愚かな行動をする輩は、君たちの手で粛正して欲しい。それこそが救世主の願いだ。わしを破壊神にさせないでくれ。真の破壊神は、わしではなくギドラなんだからな。

「それと、これは神の予見パワーで聞いた噂なんだけど、どうやらセリザワ博士の息子が、ギドラ計画に携わっているらしい。セリザワという名前は、いろいろ縁深さを感じているんだが、今回のセリザワJrはどうも不肖の息子っぽい。わしの復活のために命を捧げてくれた偉大な父親と違い、まさかギドラの復活に手を貸しているそうじゃないか。それが本当なら、父親の名を汚すな、と警告するぞ。もしも、今のまま引き返さないなら、制御できないギドラの力のために命を落とすことは間違いない。

「ただ、これも可能性の未来の話で聞いたことでごわすが、元々はセリザワJrがギドラの力で世界の王に君臨しようとしたラスボスだったという話じゃないか。セリザワJrが、早乙女博士のようにメカGを操って、GとKの前に立ちはだかるプロットだったのが、諸事情でボツになったというIF物語も聞いて、いくら何でもそれはないと思った。そういう設定だったら、メカGを操るのは、セリザワの息子ではなくて、娘のサイボーグ少女じゃなければダメだろう。

「そう、メカと美少女。Gを相手にするには、それでなければ勝ち目はない。メカギドラのパイロットもそうだし、三式機龍のパイロットはマンホールの女王さまだ。いや、ガオレッドでもいいけど。とにかく、わしの相手をさせたければ、パイロットは美女に限る。女の子の操るメカ怪獣が今の世の流行だということを知れ。これが神のお告げである……といった感じで、どうでごわしょうか?」

セイリュウ『……好きに話させたなら、長々と妄想オタク丸出しな戯言を並べおってからに。だから、お前はカニなのだ。そこまで一部のマニアしか喜ばないことをまくし立てたなら、Gの威厳が失墜するのは目に見えておる』

カニコング「これでも、自分の願望は抑えに抑え込んだでごわすが。本来なら、メカGにも触手を装備するように神のお告げを訴えていたはず」

セイリュウ『だから、それはお前の欲望であって、Gの立場で人間と交渉する良き例にはちっともなっておらんではないか。もういい。お前に交渉役を期待したわしが間違っておった。やはり、交渉などとまどろっこしい話で試行錯誤するよりも、一時的に誤解されようが己の為すべき道を果たすのが王の道。評価は後から付いて来る。己の信じる道を力で貫き通すのが、Gの道よ』

 

カニコング「そんなわけで、初の海外旅行、南極への船旅を恐る恐るも堪能していたコングを邪魔しに来たのでごわすな、G様は」

セイリュウ『人とコングが手を組んで、王の座に挑もうとしていたのは明白だったからな』

カニコング「劇中のコングはそんな大それたことを考えてなくて、ただ平和に暮らせる故郷に帰りたかっただけでごわすよ」

セイリュウ『そんなのわしの知ったことか。結果的に、コングが髑髏島に留まるという盟約を破り、ギドラ復活のエネルギー確保に協力したという事実に変わりあるまい。わしは地球の秩序を守ろうとしたに過ぎん』

カニコング「しかし、この第1ラウンドはコングにとって実に厳しいハンデマッチでごわした。最初から船に拘束されていて、まともに戦える状況でもなかった上、戦場は海上。得意な俊敏性が全く活かせない状況で、一体どうしろと? とりあえず力で応戦してみたけど、地力の差が明らかになっただけ」

セイリュウ『うむ。結果として、たわいない奴と思っただけだった。戦意喪失して、死んだふりをしたものだから、こいつは相手にならんと大目に見てやったわ』

カニコング「コングとしては、涙目気分でごわすな。長年暮らしてきた故郷が滅ぼされ、人工環境にもなかなか馴染めず、大好きなジアちゃんのお願いだから拘束にも耐えてたら、おっかない化け物に襲われて、生き延びるのに必死でごわす」

セイリュウ『しかし、海上での戦いは、なかなか新鮮な感じではあったな。これまでは、あの世界のわしは人の世界の艦船を意識して襲うことはなかったが、背びれで船を斬り裂くことがあんなに痛快だとは思わなかったぞ』

カニコング「これまでの怪獣王さまは、熱線を吐くときに背びれが光る演出は数多く見られたが、背びれそのものを武器に使う場面はほとんど見られなかったでごわすからな」

セイリュウ海上を泳ぐときに、海蛇のように体をくねらせたりはしたが、サメのように海上を背びれだけが見えるような演出は今回が初っぽい。ある意味、コロンブスの卵的発想というか、サメモチーフのキャラがヒレカッターを武器に使うのはあったが、海のGをジョーズに見立てるという発想は、今作の見どころの一つと言えような』

カニコング「Gさまが艦船に海中から接触すると、背びれカッターで船が真っ二つになるという演出はゾッとしたでごわす」

セイリュウ『背中から体当たりというのは、これまではアンギラスの技だと考えていたが、背びれの切断力があれほどならば、今後は新たな戦法を考えるヒントになったやも知れぬ。まあ、敵に背中を見せるのは、いまいち性に合わんのだが。背びれが自由に取り外しできるのなら、背びれサーベル二刀流とか、背びれブーメランなる技を編み出すことが可能だが、背びれって外しても、また生えて来るものかな?』

カニコング「そんなの吾輩が知るか、でごわす」

セイリュウ『まあいい。とにかく海上・海中という戦場では、こちらの得意フィールドだから、悠々としたバトルが展開できたよ』

カニコング「映画のコングも、カニの力を備えていれば、海でも普通に戦えたろうし、ヒレカッターに対しても腕のハサミで対処しようがあったのでごわすが」

セイリュウ『そういう相手とも戦ったことはあるな。確か、エビラと言ったか。ハサミを引きちぎってやったわ。相手の得意武器を封じるのは、戦いの基本だからな』

カニコング「その映画も、元々はキングコング主役のプロットを流用したと聞いたでごわすが。ともあれ、怪獣王は本当に容赦ないでごわす。コング初めての海上戦は、勝手が分からず、とりあえず船を足場にしたりしながら、跳躍して翻弄するしかなかったでごわす」

セイリュウ『他に戦闘機を投げつけて来たりしおったな。中のパイロットが脱出しなければ、人類の守護者として顰蹙ものだったぞ』

カニコング「あくまでコングは島の守護者であって、人類の守護者を名乗った覚えはないでごわす。そんなワールドワイドに物事を考える習慣はなく、南洋の孤島でローカルに守り神として崇められているだけで幸せだったのに、島の気象環境が変わったせいで、過酷な運命に翻弄されねばならんとは」

セイリュウ『地球環境の問題はグローバルに考えないといけないってことだな。まあ、コングが人助けしたシーンは、横転して沈みかけた船をわざわざ起こし直すぐらいの気遣いに表れておったが』

カニコング「あれは、単に足場の確保のために船が必要だっただけで、みんな沈められたら、こっちも困る。結果的に、WinWinになったに過ぎないでごわす」

セイリュウ『とにかく、戦況がコングに不利だと悟った人間が、死んだふりをすることでGの目をそらす作戦。上手く騙せたわけではないが、こっちは力の差が分かったし、この場は大した脅威にもならんと見切って、見逃してやった次第』

カニコング「これ以上の海上航行は危険だと察したから、ここから空の旅が始まったでごわす」

セイリュウ『さすがに空は、Gの縄張りではないからな。ラドンの縄張りに引っ掛からなくて良かったと思え』

 

第2ラウンド(地底探検から香港へ)

 

セイリュウ『ここからはコングの見せ場の地底世界探検行で、Gの出番はあまりなかったわけだが』

カニコング「怪獣王さまはシリーズのレギュラー主役みたいなものだから、ドンと構えておいて、ドラマ面ではゲスト主役にスポットが当たるように見せるのが、シリーズ物の作劇手法でごわす」

セイリュウ『そんなわけで、怪獣王には1敗して逃げざるを得なかったコングが、人類と連携して地下世界を探検し、己のルーツを探る話が展開される』

カニコング「そう。絶対無敵の怪獣王と違って、コングは人類と助け、助けられる関係を紡いで、感情移入を呼ぶでごわすよ」

セイリュウ『その辺は絶妙に頼もしく、だけど守ってあげたい不幸なヒーローぶりを示しているな。わしには、息子を通じてしか示し得ない作劇だ』

カニコング「確かに、怪獣王さまは人類のことなど気にしない強面ぶりが評価されて、優しいキャラというイメージは、同族を守る場合限定でごわすからな」

セイリュウ『一応、悪役の人間に対して天罰を落とす役どころも押さえているが、人類の味方をするのもモスラに説得されて仕方なくとか、悪役怪獣をぶっ潰すことを優先しているのであって、仲間の怪獣のため、敵の怪獣を倒すため、そして幼い息子を守るため、という怪獣優生思想だ。人類を中心に物事を考えているわけではないのが、Gの道というものよ』

カニコング「その辺は、人類とのコミュニケーションを積極的にとろうとするモスラガメラ、コングとはヒーロー性が異なるでごわすな」

セイリュウ『それらはみんな女子供に優しいという属性を身につけているわけで。Gの場合は、三枝美希以外に交信できる女性キャラは確立されなかった』

カニコング「前作の怪獣教教祖の母親や、今作の娘はどうでごわすか?」

セイリュウ『人間側が一方的に怪獣に思い入れしているだけで、こっちが気にかけてやるわけではないが。王たる者が特定個人に思い入れが強すぎると達観して物を見れなくなるだろう?』

カニコング「そんなものでごわすか。まあ、怪獣王が可愛い女の子のために頑張るってのも、何かが違うだろうし」

セイリュウ『硬派は大義のために頑張るのであって、かつては復讐のために暴れたこともあったが、今は戦いたい時に戦い、守りたい時に守るハードバイオレンスな漢としてのキャラ付けがメインだ。守りたいのは女々しい奴ではなくて、強敵に対しても健気に立ち向かう勇気を示した相手ということになるな。一応、恩義を解するぐらいの心根は持ち合わせているので』

カニコング「なるほど、任侠物の親分とか兄貴分みたいなキャラ立てでごわすな。それはともかく、今回の中盤は『コングの地底秘境大探検』といったシーンで、対戦ものよりもアドベンチャーものと言った方がいい。これによってコングへの感情移入度を高めるストーリー展開が行われ、ついに自分の先祖が築き上げた古代文明の遺跡に到達。一族は死に絶えていたが、コングアックスを手に入れ、地球の超エネルギーの秘密に触れることになったでごわす」

セイリュウ『一方のGは、ギドラの骨が香港に移送されていたことを察知し、劇中でも大企業の陰謀を探るGファンの娘がメカGの秘密に迫り、いろいろと話がつながって謎解きが行われるタイミング。超エネルギーのデータが地底の古代文明遺跡から香港の研究施設に送信されていることを知ったGが、地上から地下へ熱線放射をするシーンこそ、チート極まりないと言えようか』

カニコング「古代遺跡は南極の入り口から、地球空洞説に従って地球のコア付近に位置付けられていたはず。香港の地表からそこまで熱線を到達させるって、どれだけスケールの大きいバカ話でごわそうか」

セイリュウ『その辺は、リアルで考えるとツッコミどころと言えようが、ツッコミ入れた上で続く怪獣バトルの盛り上がりを楽しむ。つまらないリアルよりも、荒唐無稽な面白さを楽しむのがファンの心意気ってもんだが、この映画は何よりも怪獣映画だ。怪獣の激しいアクションを楽しむ映画だと思えば、多少のオーバー演出は派手に盛り上げるスパイスとなろう。

『しかも、今回のGはこれでもか、という勢いで熱線を吐く。ムートー戦ではほとんど吐かずに地味な見せ方で、ギドラ戦では必殺技として勢いよく吐いていたのに対し、今回のGは熱線のオンパレードと言ってもいい。それだけGの勢いが強まっていることの表れで、さすがは怪獣王。これから激しいバトルへ突入するタイミングにて、クライマックスの幕開けを飾る派手な花火の撃ち下ろしだったわけで。

『ここで楽しむための正しいツッコミは、「いくら何でも凄すぎるだろう!? こんなチートな怪獣王にコングはどう立ち向かう? 大丈夫なのか? とにかく燃える見せ場なのは間違いない!」と熱戦を期待することであろう』

カニコング「楽しむためのツッコミ! なるほど、むやみに、無意味にツッコミを入れればいいのではなくて、楽しむことを前提に置いたツッコミこそマニアの心意気でござるな」

セイリュウ『的を正しく定めぬ攻撃ほど、周りには迷惑な行為はないからな。ツッコミを入れるには、事実関係の正しい認識、ツッコミ対象を下手にディスってないか、その場でウケそうなツッコミか、自分のツッコミは自分を傷つけてしまわないか(自分にも当てはまるのではないか)などなど、判断した上で読む者、聞く者が共に楽しめる内容にすべし。自分の話題が、人や作品をネタにする以上は、過剰な敵意の表明は総じてポジティブとは言えまい。ネガティブな思いのツッコミは、ただの悪口でしかないので、己の心の闇に囚われるようでは人を楽しませるエンタメ芸など到底できん』

カニコング「とにかく、地下に撃ち放たれた熱線により、大穴が開いて、安住の地になるはずだった先祖の遺跡を破壊されたコングは激怒して、怪獣王の待つ香港の地上に向けて飛び出して来るのでごわすな」

セイリュウ『王座を賭けた第2ラウンドの開始だ!』

 

カニコング「結果として、第2ラウンドはコングの勝ちでごわすな」

セイリュウ『チート武器のコングアックスが、Gの頭部にクリーンヒットしたからな。これが並みの怪獣なら、頭部を破壊されて、Gファイト第1条に基づいて失格になるところであった』

カニコング「とにかく足場のある地上なら、コングも自分の得意なスタイルのバトルを縦横無尽に展開できるでごわす」

セイリュウ『怪獣王に欠点があるとすれば、鈍重ゆえ正面からのガチンコバトルは持ち前のパワーとタフネスで粉砕できるが、機動性で翻弄してくる相手は、ムートー戦みたいに思わぬ苦戦を強いられる点だろう』

カニコング「ムートーは夫婦揃っての連携攻撃にも苦しめられたでごわすな。一説によると、あの時は怪獣王も目覚めたばかりで本領を発揮できず、またムートーの発するEMP(電磁パルス)攻撃で体内の核エネルギー制御が不全を起こしていたそうでごわすな」

セイリュウ『うむ。1対1では無敵を誇る剣匠と呼ばれる英雄も、同時に複数を相手にすればピンチを免れ得ないものよ。ギドラは3本の首ゆえに通常の3倍の相手をしているようなものだったが、こちらも人間たちが支援してくれたおかげで勝つことができた。人間も変わらぬ忠義を示してくれたなら、今回のような事態に発展することもなかったが、よりによって王座に挑戦して来たからな』

カニコング「とにかく、2ラウンドめのガチ対決は、素早いジャンプ攻撃と、熱戦を受け止めるコングアックスの防御機構、そして熱線エネルギーで威力を高めるチート機能で優位に立ち回ったコングが怪獣王のドタマをカチ割って勝利したでごわす」

セイリュウ『カチ割ってなどおらぬ。とっさに足元をスリップして、衝撃を和らげて威力を軽減したから、直撃を免れたのだ』

カニコング「それは何たる戦闘センス。しかし、そうとは知らぬコングは、これで勝ったと思い、油断をしたでごわすな」

セイリュウ『怪獣王のタフネスをナメるな。一時的に気を失う羽目にはなったが、死んではおらん。すぐに立ち直って、第3ラウンド開始だ!』

 

第3ラウンド(そしてメカゴジラ

 

カニコング「復活した怪獣王は、コングアックスを狙いにかかったでごわすな」

セイリュウ『相手の得意武器を封じる。戦闘の基本だ』

カニコング「さしもの猛攻の前に、トマホークブーメランで奇襲攻撃を狙ってみたが」

セイリュウ『狙いを外して、ビルに突き刺さったようだな』

カニコング「何とか回収しようと思ったが、熱戦連発の前に、避けるだけで手一杯でごわす」

セイリュウ『高層ビル街を跳び回り、まるでスパイダーマンもかくやのアクロバティックな俊敏性を披露しおって。ここまでパワーと機敏さが同居した敵は滅多にいない。普通は機敏な相手はパワー不足と相場が決まっておるが、コングは上手く両立させておる。相手が怪獣王でなければ、勝てたであろうな』

カニコング「ギドラでも、でごわすか?」

セイリュウ『背後から組みついて、首の一本でも締め落とせば勝機はある。ギドラの弱点は背中に攻撃手段がないことで、あの飛行能力を封じ、3本の首から放たれる光線を回避できれば何とかなるとは思う。残念ながら、わしの戦闘スタイルではそういう器用なやり方はできんから、正面から強引に立ち向かうしかなかったが。ラドンが敵でなければ、わしが正面で奴を押さえ込んでいる間に、ラドンもしくはモスラが背後から攻撃できたろうに、よりによってラドンがギドラの軍門に下って、モスラに襲いかかるようなマネをしおったから、昔の対ギドラ戦術が使えなくなった。とにかく、ギドラ相手には、素早く背後に回れるアンギラスのような相棒がいれば心強いわけだ』

カニコング「なるほど。だったら、コングが相棒になると最強コンビ結成でごわすな」

セイリュウ『う〜ん、コングって言うほど最強とは思えんのだが』

カニコング「どうしてでごわすか?」

セイリュウ『防御力がな。攻撃力と回避力に特化したために、打たれ弱くなって傷つきやすい。相手の攻撃が当たれば、すぐに大ダメージを受けてしまう上、飛び道具を持たず、決め手の必殺技にも欠ける。髑髏島みたいなローカルな田舎では無敵を誇れたかも知れぬが、元祖が戦闘機の機銃掃射でビルから落下して死んでしまうだけの打たれ弱さではな。Gの眷属で言えば、せいぜいマグロ食ってた奴程度ではないかなあ、客観的に見て』

カニコング「それを補うためのコングアックスでごわす」

セイリュウ『そいつのおかげで、今後、Gの背びれを狙うモンスターハンターがどんどん現れる時代になるかと思うと、気が休まらん。ただでさえ、これまでG細胞を狙って来るバイオメジャーの工作員などが陰で動いていたのに』

カニコング「ビオランテの時でごわすな。確かにG細胞は、自己増殖、自己再生、自己進化の能力を持つアルティメットな細胞でごわす。しかし、セイリュウ様が心配する必要はないでごわそう」

セイリュウ『どうして、そう断言できる?』

カニコング「だってセイリュウ様は、生身の肉体を持たぬ聖霊体ゆえ、背びれとか細胞などは取りたくても取れないでごわすから」

セイリュウ『バカめ。それだから、お前は王の資格を剥奪されたカニなのだ。王たる者が自分の心配だけをしていると思うな。当然、世界の安泰、続いて一族の安泰を心配しておるに決まっておろう』

カニコング「……と、おっしゃられますと?」

セイリュウ『察しの悪いカニだな。コングの知恵はどこに行った? 一族の安泰と言えば、リトルの身の上よ。今はスザクこと日野木アリナが保護しているから安心だが、一人になると、いつ悪い人間や悪い怪獣に狙われないか心配する親心ぐらい、お前には分からんのか?』

カニコング「天涯孤独なカニゆえに、親の顔も知らず、子など作りもせず、カニコングの同族はバトルスピリッツの世界にしかおり申さん」 

セイリュウ『いや、別の世界にもカニコングが出現したらしいぞ』

カニコング「何と。カニコングが女性用ブランドのデザインに採用でごわすか? 世界がカニコングの時代に追いついてきたですと?🦀」

セイリュウ『うむ。カニコングで商品検索すると、こんな物が出てきて、わしも驚いておる。そのうち、街でカニコングデザインのグッズを持ち歩いている女性が増えるかと思うと、事実は妄想よりも奇なりと言わざるを得ん』

カニコング「デザイン名が『赤いカニのコングシェル』というイラストで、鮮やかな色彩が女性用に密かな人気を集めているとか。ところでコングシェルって、どういう意味でごわすか?」

セイリュウ『そんなこと、わしが知るか。意味を検索しても、よく分からなかったわ。シェルが貝殻というのは普通に分かるが、コングが枕言葉に付くと全くもって意味不明。コンクシェルだと、コンク貝という真珠を生み出す貝があるそうだが、それとも関係ありそうでなさそうで、よく分からん』

カニコング「言葉の意味はよく分からんが、カニコングのブランドが密かな人気ということでごわすな」

セイリュウ『密かに人気を集めているという宣伝文句はよく聞くが、それって本当に人気なのか、これから明らかに人気になって欲しいというマスコミの煽りなのかはよく分からん。ただ確実に言えるのは、カニコングで検索して出てくる女性向き商品デザインがあるという事実。カニが当たると考えたデザイナーがいて、活動しているということだな』

カニコング「カニコングブランドがブレイクすると、そこから王の名を取り返す契機となるやも知れぬ」

セイリュウ『それまでに王の名に恥じぬ風格と良識を身に付けなければな』

カニコング「おっす。精進させていただくでごわす」

 

セイリュウカニらしい横道はこれぐらいにして、話を戻すぞ。機敏な動きで、香港の高層ビル街を跳び回り、Gの連続熱線放射を避け続けたコングだったが、王の執拗な攻撃を避けきれず、ついに熱線を浴びてしまう』

カニコング「普通はこれで爆発四散してもおかしくはないが、コングは重傷を負っただけで、まだやられてはいなかったでごわす」

セイリュウ『ここに来て、わしは、この猿、若造と思って甘く見ていたら、なかなか根性、座ってるやないけ。こうなったら、本気で殺ってやらんと決着が付きそうにないな。覚悟しておけ、と思い、本気で仕掛けて、心臓停止状態にまで追い込んだわけで』

カニコング「ウルトラマンで言うところのカラータイマーの光が消えた感じでごわす」

セイリュウウルトラマンと違うのは、変身解除して巨体が消えるには至らないということだな。しかし、3ラウンドめはコングの戦闘不能で、怪獣王の防衛戦勝利が確定した、と』

カニコング「そこに現れた乱入者が、ギドラ脳で制御されたメカGでごわすな」 

セイリュウ『真の破壊神はこいつと言うことで、スマートな人型とGのマッシブな恐竜体型を絶妙にミックスさせ、Gのパワーとコングの俊敏性とギドラの狡猾さを兼ね備えた恐るべきボスキャラよ』

カニコング「怪獣王がコングと戦って、疲弊したようなタイミングで出現。もしかすると、人間の精神に干渉して、自分を復活させたのでは? と思わせる悪魔のようなギドラの思惑があったのかも、でごわす」

セイリュウ『没プロットでは、ギドラの力で世界を支配しようとしたセリザワJrが開発企業の社長を裏切り、メカGの操縦者としてGやコングに最終決戦を挑むストーリーだったそうだが、そんなことをしても日本人ファンの気持ちを逆撫でするだけだったろうから、没になって正解だったと思う』

カニコング「セリザワ博士の息子が、完全悪役の野心家になるとか、ギドラに支配されてしまうとかで、ラスボスになるというのは、完全に人間VS怪獣の怨讐になってしまい、ドラマ的にスッキリ終われんでごわすな」

セイリュウ『結局、野心家の人間たちはギドラに抹殺されてしまい、復活ギドラのメカGとの戦いで後腐れなく終わる方が、結果的に怪獣バトルを盛り上げる展開だったと言えよう。まあ、セリザワJrというキャラの使い方としては勿体ないと思うが』

カニコング「大丈夫でごわす。あれが最後のセリザワとは思えん。次は、セリザワの娘を登場させて、サイボーグ少女にすれば一部のマニアは喜ぶ。当然、ギドラ脳を排除した人間操縦型のメカG2号を登場させて、続編を作る。メカG2号は最初、Gと敵対していたが、さらなる強敵スペースGが出現して、共闘するなら『メカゴジラの逆襲』と『VSスペースゴジラ』のコラボで、昭和と平成のエッセンスを融合リメイクさせた令和の作品としてウケること確実でごわす。メカG2号の操縦システムが触手による意思伝達システムだと、吾輩も歓喜全開、うむ、それで次の企画を立ち上げるでごわすよ」

セイリュウ『いかにもダメなオタクが考えたプロットと言った感じだな。だから、お前はカニなのだ』

カニコング「それなら、メカG2号の企画を変更して、メカニコングにしてはどうか、と。ジェットジャガーさえ復活したのだから、メカニコングにも愛を」

セイリュウ『そんな横道話に現を抜かしているお前には、ダメカニコングの称号を与えよう』

カニコング「いや、今回はご辞退申す。そんな名前を名乗っては、ますますダメになって、キングの座から遠のくばかり」

 

セイリュウ『まあいい。とにかく、メカGは疲弊した怪獣王を圧倒する暴れっぷりを示して、このままだと殺られると覚悟を決めたとき……』

カニコング「真の主役の復活でごわすな」

セイリュウ『死んだと思われていたコングの心臓が微かに動いていることを知った少女ジアの願いで、電気ショックを与えてコング復活の作戦を敢行しようとする人間側主人公たち』

カニコング「電気パワーでコングが復活するのは、67年の映画へのオマージュでもあり、平成ライダー元祖のクウガにも通じる特撮マニア納得の展開でごわす」

セイリュウ『雷パワーで死者に命を宿すのは、フランケンシュタインの怪物以来の伝統でもある』

カニコング「そんなわけで、主人公の決死の努力で九死に一生を得たコングは『ゴジラは敵じゃない。悪いのはメカゴジラ』という少女の手話で状況を理解し、己の為すべき役割を心得て、脱臼した肩の骨を強引に治し、落ちてた斧を回収して、ピンチのGを助けるべく、戦場に飛び込むでごわす。まさに、今作限りの日米最強王者のゴジコン黄金タッグの結成キター」

セイリュウ『確かに、ゴジラとコングの共演はレアである上、共闘するのは怪獣ファン夢のシーンであろうな。しかも敵はギドラの魂を宿したメカゴジラということで、バトルのお膳立てとしては申し分ない。人間ドラマにはツッコミどころも多いが、怪獣バトルを盛り上げるために犠牲になったと思えば、メインディッシュの味を引き立たせるための控えめな前菜ということで、傑作ではないが十分佳作。まあ、前作の世界中の怪獣が暴れ回る大スペクタクル映画に比べれば、壮大さという観点では劣るが、多数のアイデアに満ちた劇的な意欲作と言えようか』

カニコング「酒の力で動作不良を起こすギドラ、いやメカゴジラというのがトホホ感を覚えるが、まあ、あの辺の人間連中はシリアスさをギャグで緩和する役割なので、そこに真面目にツッコミを入れる方が分かってないということになる」

セイリュウ『確かにギャグ演出だと気付かずに、マジツッコミをしても、ユーモアを解さないナンセンスな人間に過ぎんからな。ツッコミ入れた後、まあ、向こうの国のギャグセンスは理解しにくいとでも言っておけば、それなりの体面は保てようが』

カニコング「燃える演出は、怪獣王が助っ人に現れたコングに熱線を浴びせるところ。相棒の意図を悟ったコングは、斧で熱線を受け止め、合体技の核爆魔法斧みたいな演出で、ティルトウェイト・アックス・ボンバーみたいな技名が似合う必殺の一撃を、メカゴジラに叩き込む。そして、メカゴジラの首根っこをコングが引っこ抜くシーンで、コングが勝利者の雄叫びをあげるわけでごわすな」

セイリュウ『一応、人間もちょっとだけサポートしたが、何よりもメインアタッカーがコングで、怪獣王はサポート役として華を持たせた形で、上手い共闘劇を展開した。そして、最後にコングと怪獣王が両雄、睨み合うことになる』

 

ゴジラ『おい、若造。助けてくれたことは恩に着るが、一体どうするつもりだ? まだやる気なら、相手してやるぞ』

コング『やる気は尽きてねえ。……だが、もうやる意味は見出せなくなった。あんたの目的は達したんだろう? オレも島を滅ぼした元凶の首はとった。あんたの王座を脅かすつもりはねえよ。こっちの望みは、平和な家での暮らしだ。不毛な戦いじゃねえ。(カランと斧を落とす)こいつが答えだ。一度は落とした命、あんたの好きにしろ』

ゴジラ『ふん。だったら、その命は預けておく。平和を望むなら、もはや、お前は敵じゃねえ。敵はいなくなった。ここにはもう用はねえ。わしは去る。お前も達者で暮らせよ。平和が保てて、2度と会わないことを祈っておけ。あばよ(海に退場す)』

コング『格好つけやがって。あれが伝説の怪獣王の風格か。王座には何の興味も持てねえが、漢としては見習ってもいいかもな』

 

セイリュウ『両雄の想いを言葉にするなら、こんなところか。では、わしも十分話したので、この体を次元ドルイドに返すとしよう』

カニコング「怪獣王さま、まことにいい勉強になったでごわす」

セイリュウ(おお、お前もコングの名を持つ者として今後も精進しろよ)

カニコング「ええ、美女と野獣ならぬ、美女と触手のパラダイスを目指して」

ハイラス「まだ、その野望は諦めていないでござるか。セイリュウ殿も呆れて物が言えない、と、おっしゃっておられる」

弥生「それって、物を言っていますよね」

ハイラス「いいや。単に思念が伝わっただけでござるよ」

カニコング「しかし、蟹という字には、触手の触の字が含まれるでごわすからな。あとは刀と牛をどうするか。刀はコングアックスに姿を変えて、牛は干支以外に何かごわさんか?」

ケイP『今度のライダーは、恐竜+動物のセットでフォームチェンジするという噂だッピが、その中に牛フォームが入っていることを願うといいッピよ』

 

弥生「それでは、長い横道映画雑話でしたが、次こそキャラ作りの続きをするってことで」

(当記事 完)