前回ミスったので
NOVA(リモート)『ヒノキ姐さん、すまない(m0m)』
ヒノキ「何じゃ、新兄さん。前回で話が終わったのではなかったのか?」
NOVA『いえ、前回の記事で勘違いがありましたので、修復したいと思いまして』
ヒノキ「ほう? 何をミスったと言うのじゃ?」
NOVA『この発言です』
>ソード・ワールドで最もアンデッド作りのルールが充実しているサプリメントがこれだ
NOVA『そう言って、イグニスブレイズを示したのですが、勘違いでした。確かにイグニスブレイズには、ゴーレム、魔神、妖精の改訂版ルールは載っていますが、アンデッドのルールは別サプリメントだったことが判明』
ヒノキ「それは一体?」
NOVA『こちらです』
ヒノキ「いわゆる、2.0時代の魔法本じゃな」
NOVA『ええ。アイテム本、モンスター本に続いて登場した魔法本です。よって、今年の秋にはこいつの2.5版が出るだろう、と俺が勝手に期待して、今からワクワクしています。何しろ、俺は魔法を愛する男ですからね』
ヒノキ「魔法を愛する男なのに、アンデッド作りの魔法について勘違いしたのじゃな」
NOVA『いや、アンデッドモンスターは好きですけど、愛してるわけではないですからね。どれぐらい好きかと言うと、10年前にブログでアンデッドについて語り始めて、勢いが止まらなくなって5記事ぐらい続いてしまうぐらい好きですが、愛しているわけではありません』
ヒノキ「わらわには、お主の好きと愛の境界線がどこにあるのか、よく分からんのじゃが」
NOVA『愛はためらわないことですが、さすがにアンデッド相手にはためらいますよ。娘の晶華が吸血花粉症ガールになった時は、俺、抵抗しましたし。さすがにアンデッドでも構わないから、俺の血を吸ってくれ、とは言わなかったですし。研究対象の一環として、吸血鬼映画やゾンビ映画は見たりしますけど、喜んで吸血鬼やゾンビになりたいほどの愛は持ってません』
ヒノキ「ふむ。では、このゲームは持っておらんのじゃな」
NOVA『ええ、ホラー系なら、これで十分だと当時は思ってましたから』
NOVA『どうも、俺はゾンビを銃で撃ちたいわけではなくて、術で封印したり、聖剣で斬ったりする方に魅力を感じるみたいです。やはり近現代ものよりも、ファンタジー志向なんでしょうな。まあ、それはともかく、ソード・ワールドの2.0と2.5のアンデッドルールも、ゴーレムのついでに補完しておこうと思い立ちました』
ヒノキ「そんな物を補完しても、実際に使いたいと思うプレイヤーがどれほどいるものかのう? ネクロマンサー志望のプレイヤーなど、ここにはおらん」
NOVA『しかし、5月発売だというゴブリンスレイヤーのサプリメントにも、ネクロマンサーが実装されると聞いてますので、アンデッド研究をしておいて損はないかと思うんですよ』
ヒノキ「ほう。来月の小説新刊のみならず、TVアニメの2期も制作決定とはのう。では、ゴブスレへのワクワクに免じて、少しぐらいならお主のアンデッド話に付き合ってもよかろう」
クリエイト・アンデッドの変遷
NOVA『ところで、ソード・ワールドのコンジャラー呪文【クリエイト・アンデッド】について、じっくり研究するのは俺も今回が初めてなんですよ。そういう呪文があるのは知ってましたが、俺もアンデッド作りが趣味ではないので、呪文リストも割と流し見で済ませてきた感じで、ゴーレム研究に比べてルールのチェックが甘かったと思います』
ヒノキ「まあ、新兄さんがアンデッド作りを趣味にするような男なら、そのような不浄な輩は退散願うというか、成敗せねばならんからのう」
NOVA『で、気付くのが遅れたのですが、2.0時代は【クリエイト・ゴーレム】の呪文が3レベルなのに対して、【クリエイト・アンデッド】の呪文は5レベル。つまり、ゴーレムよりもアンデッド作りの方が難しかったんです。それが2.5になってアンデッドの方も3レベルで作れるようになった。呪文レベル的には、10年前よりも今の方がアンデッドを作りやすくなったというわけです』
ヒノキ「しかし、今は作れる種類が減ったそうではないか」
NOVA『ええ。基本ルールだと6種類ですね。レベル3でスケルトン、レベル4でゾンビ、レベル5でドライコープス、レベル6でスケルトンアーチャー、レベル7でスケルトンソルジャー、レベル9でスケルトンガーディアンと作れる種類が増えていきますが、ゴーレムほどのヴァリエーションはなく、アイテムによる強化もできません。まあ、ゴーレムの方が強力なので、アンデッドにどんなメリットがあるかと言えば、敵を倒した後、その死体を呪文でアンデッドに変えるという外道な行為ができるぐらい。さすがにラクシア世界では、死者の尊厳を脅かすことは極めて邪悪な行為と認識されていますので、不死神メティシエの神官など一部の邪神の使徒を除けば、蛮族社会でも許容されにくいようですな』
ヒノキ「アンデッド使いを許容する冒険者パーティーだと、物語の方向性も大きく変わるじゃろうし、少なくとも正義の冒険者が邪悪を倒す物語は作れんのう」
NOVA『悪をもって悪を制すとか、不死の研究を極めるには世界を滅ぼされると困るのだよとか、悪者同士の勢力争いとか、そんなカオスな世界観をGMとプレイヤーが共有する必要があります』
ヒノキ「今のセイバーも、禁断の書を巡る危険な物語に突入した感じじゃのう」
NOVA『禁書はともかく、2.0時代は基本ルールでも今より作れるアンデッドの種類は多かったですね。ワイトとか、スペクターとか、ゴーストホースとか、カーストアーマーの名前が見られますし、サプリメントでマミィとかポイズンワイトとか、いろいろ作れるようになりますから、今の2.5のアンデッド作りはかなり制約が強いです。魔法サプリでその辺が拡張されると面白いのですが』
ヒノキ「その辺を面白いと考える新兄さんのセンスには、少々危なっかしいものを感じるのじゃがのう」
NOVA『知識を楽しむのと、実際に行使するのとでは全然違いますから。殺し屋の物語を楽しむのと、実際に殺してしまうのが違うように』
ヒノキ「まあ、道を踏み外して、わらわに退治されないことを願っておるぞ」
NOVA『ええ、闇の道は妄想程度に留めておきますよ。俺はShinyを愛する男ですから』
(当記事 完)