花粉症ガール・翔花伝&コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女主役の物語」&「その仲間たちの雑談話」など。TRPG話や特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。

ロードスより先の古代魔術の話2(ラクシア編)

改めてソード・ワールドの話

 

NOVA「今回は改めて、ラクシアの話をするぞ」

晶華「前回は、フォーセリアからラクシアに至るまでの業界背景事情やら、NOVAちゃんの個人的な過去話やらに走っちゃったもんね」

NOVA「俺の過去話にどれだけの価値があるかは分からんが、自分としてはもうネタ的に時効だと思うし、個人的に大切な思い出としてアピールしたかったからな。ただ、昔は良かったという未練に終わるつもりじゃなくて、昔があるから今の自分がいる。哀しいこともあったし、一時期は夢破れて……とネガティブに感じていたことも事実だけど、それでも良い経験させてもらったと前向きに捉えている今の自分を示したい。それが、平成から令和への切り替わりに際して考えていたことなんだ」

ヒノキ「そんな新兄さんの心情吐露とかに、わらわたちは付き合わされたわけだが、今回はきちんとラクシアの話をしてくれるのじゃろうな」

NOVA「ああ。では、ソード・ワールドの話に専念するとして、まずは質問だ。旧ソード・ワールドの職業技能を8種答えよ」

ヒノキ「それは、アッキーではなく、わらわへの質問か?」

NOVA「ああ。晶華は前回、ソード・ワールドのことが分かっていない、と言ったからな。だったら、ヒノキ姐さんに尋ねるしかないじゃないか」

ヒノキ「フォーセリアであれば、ファイター、シーフ、プリースト、シャーマン、ソーサラー、セージ、バード、レンジャーの8種がプレイヤーキャラの冒険者技能で、NPC専用のダークプリーストやドラゴンプリースト、それに多数の一般職業技能(商人マーチャント、職人クラフトマン、猟師ハンター、貴族ノーブルなどなど)がキャラの個性付けのために用意されておる」

NOVA「おお、そこまで答えてくれるとは、隙がないな」

ヒノキ「ヒヒヒ。ソード・ワールドプレイ歴20年以上を誇る、この日野木アリナをナメるでないわ」

晶華「あれ? 30年じゃないんだ」

ヒノキ「それだと発売直後からプレイしていたことになる。残念ながら、わらわとTRPGの出会いはもう少し後、新兄さんがウォーロックの下で見習い生活を始めた頃という設定じゃ」

NOVA「何で、そのタイミング?」

ヒノキ「それは、空の大怪獣ラドンが1993年末の映画『ゴジラVSメカゴジラ』で復帰した頃合いで、わらわがいろいろアクティブに行動を再開したからじゃ。それまでは虚な半覚醒状態の神霊であったが、もう一度、人の世界との交わりを強く持ちたいと思うようになっての。そこでサブロー殿と契約を交わしたり、コンパーニュの塔を築いたり、精霊ネットを立ち上げたり、まあ、新兄さんに負けず劣らずのドラマがあったわけじゃが、今はわらわの過去を話しても仕方なかろう。主題はソード・ワールドじゃ」

NOVA「ヒノキ姐さんの昔話も、いろいろ気になるなあ」

ヒノキ「その話は機会があれば、いずれそのうちな。コメント欄でリクエストがあれば、わらわの記憶もつながるやもしれんし。せっかくのコメントじゃから、創作設定のヒントになるようなものを歓迎したいところじゃ」

NOVA「確かに、コメント欄で記事とは関係なしに、個人的な質問とか相談事とか度々訴えられても閉口するからな。ブログにとって建設的なコメントなら歓迎だし、ここは趣味ブログだから、『同じテーマの趣味を満喫してます』あるいは『ブログ記事を読んで興味を持ったので、試してみたい』ってコメントなら書き手として嬉しい。やはり、趣味に対してポジティブな方面で感化できるブログを目指したいなあ、とは思うわけで」

 

晶華「だったら、ポジティブにラクシアの話を展開しましょう♪」

 

ラクシアの冒険者技能(のはずがゴブリンスレイヤー

 

NOVA「さて、新作RPGが出たときに俺が一番注目しているのは何だと思う?」

晶華「ええと、面白いかどうか?」

NOVA「抽象的な答えだな。そりゃ、わざわざつまらなそうなゲームは買おうと思わんが」

ヒノキ「その世界で、どんな冒険ができるかってことかの?」

NOVA「どちらかと言えば、そのシステムでどんなキャラクターが作れるかってことだな。特に、サイコロを振っただけで、個性的なキャラクターが自然に生まれるシステムだと、創作的に便利だし、経歴や背景がランダムに決まって、そこに物語を想像するようなゲームはキャラ作りだけで遊べる。まあ、最近はランダム性を廃して、プレイヤーが自由に選択するスタイルのキャラ作りが増えたなあ、と感じるが、この場合は『先にどういうキャラを作りたいか』という青写真が必要になる」

ヒノキ「とりあえず『ドワーフの神官戦士』で作ろうとかじゃな」

晶華「その場合、『エルフの精霊使いにして、射手』って定番を選びがちよね」

NOVA「ああ。俺としては、魔術師キャラをやりたいのに、生まれ表を振ったら、騎士になったので、だったら聖騎士の方向で考えたけど、やっぱり魔術師もやりたい……となって絶賛迷走中の『学術騎士』なんてキャラになってしまったが」

ヒノキ「なら、【瞑想】スキルをとって『迷走瞑想騎士』を目指すのも一興なのじゃ」

NOVA「迷想とか冥想とか命喪とかになったら嫌だなあ」

晶華「同じパーティー仲間としては迷走じゃなくて、聡明な騎士になって欲しいのよ」

NOVA「努力します」

晶華「ところで、ソード・ワールド旧版の職業って、ほぼゴブリンスレイヤーTRPGに受け継がれているのね」

NOVA「そうだよな。セージとバードは技能で代用する形になって、代わりに武闘家と竜司祭が加わったけど、最初にゴブスレのシステムを見たとき、まるで旧ソード・ワールドみたいだなあ、と感じたものだ」

ヒノキ「職業を組み合わせるシステムという意味では、ゴブスレはソード・ワールドの系譜に位置づけられるシステムと言えるじゃろう」

NOVA「元々、RPGは職業を選ぶクラスシステムから始まり、その後、能力を細分化したスキルシステムが生まれた。クラスシステムの代表はD&Dで、スキルシステムの代表はトラベラーやルーンクエストクトゥルフというのが80年代のRPGの常識。

「その後、クラスシステムは転職や上級職、多彩な職業の追加で作れるキャラのヴァリエーションを広げて行って、割と豪快な進化を辿って行った感じ。一方、スキルシステムは緻密なキャラクターの再現性を売りにして、単純なレベルアップとは異なる、世界観に密着した物語重視の方向性を模索して行った。そこにクラスシステムとスキルシステムの長所をうまく融合させた画期的なシステムが、ソード・ワールドということになる」

晶華「ええと、どういうこと?」

NOVA「ソード・ワールドのゲームシステムが、発売当初は非常に先進的だったということだよ。単純な職業制と、複雑な技能制の二つに分かれていたRPGシステムの両方を巧みに取り込んだんだからな。兼職いわゆるマルチクラスというのを容易にしたシステムは、その後、『トーキョーN◎VA』や『アルシャード』などにも引き継がれたばかりか、本家D&Dの3版、現在のパスファインダーも、システム的にソード・ワールドの後継者と言えるわけだよ」

晶華「言葉の意味はよく分からないけど、とにかく凄いってことね」

NOVA「なお、TRPGの進化はコンピューターRPGの進化と合わせて語るべき面もあって、転職と上級職という概念を日本で最初にメジャーにしたのはウィザードリィ(81年)、そこからドラクエ3(88年)につながって、さらにFF3(89年)のジョブチェンジに至る。

ジョブチェンジシステムは、これまでの転職に比べて、着せ替え感覚で簡単にキャラ性能を変化させることができるのがポイントで、さらにFF5(92年)でジョブチェンジによるスキル習得システムとしてバージョンアップし、『それまでマニアックな用語であったスキルという英語を一気に一般浸透化させた』という経緯も持つわけだ。ゲームの世界で流行した転職という概念や、スキルという用語が、その後、ビジネスの世界でも当たり前の考え方になっていくのが時流のダイナミズムを感じたりもしたわけで」

ヒノキ「さすがにフリーターを、『たまねぎ剣士』とか『すっぴん』と言ってしまう時代にはならなかったがのう」

NOVA「まあ、自由戦士をフリーターと訳してしまうとイメージが変わってきますしね。フリーファイターの略ではなく、フリーアルバイター自由労働者)の略ですが、自由労働者となると日雇い労働者、人足仕事とか時代劇の口入れ屋とか、そんなイメージもありますね」

ヒノキ「冒険者ギルドのない世界における冒険者も似たようなもんじゃろう」

NOVA「現実でも、フリーターギルドがあればいいんですけどね。そう言えば、冒険者ギルドというのも、ロードス第2部リプレイからソード・ワールドに受け継がれた画期的な発明アイデアなんですが。それまでは酒場にたむろしている冒険者ってイメージはあったけど、冒険者ギルドというお仕事斡旋業はなかったと記憶しますし」

ヒノキ「元々はD&Dで盗賊ギルドという設定が先にあって、他にT&Tで魔術師組合が設定されて、その延長にあるとか」

NOVA「その行き着く先がゴブリンスレイヤーですか。現在、新刊を読んでいる最中ですけど。女神官さんはとうとう青玉級に認定されました」

ゴブリンスレイヤー12 (GA文庫)

ゴブリンスレイヤー12 (GA文庫)

 

ヒノキ「どっちを買ったのじゃ? 牛飼娘の表紙か、女神官表紙の特装版か?」

NOVA「地元の本屋では通常版しか手に入らないので、牛飼娘版ですけどね」

ヒノキ「何じゃと? 新兄さんのことじゃから、デンライナーに乗って特装版を求めて旅立つものと思っておったのに」

NOVA「さすがに、それをするのは売り切れ店続出のロードス新刊ぐらいですし。それよりも、また迷走モードになってますので、ゴブスレ話は新刊読了してから。ラクシアに早く戻ります」

 

改めてラクシアの冒険者技能(今度こそ迷走しないぞ)

 

NOVA「ということで、ソード・ワールド旧版は89年に登場したときは、先進的で画期的な、しかも文庫版で安価に入手できる名作システムだったわけです。だけど、そこからシステムとしては大きく拡張することなく、初心者がファンタジー世界に入門するための土台(スタンダード)以上を求めるマニア層には、次第に物足りなく映ったのも事実。

コンピューターRPGのメインが、古き良きファンタジーを体現したドラクエから、機械文明の要素を濃厚に打ち出したFFに注目が移るように、FFの要素を再現できないソード・ワールドがブラッシュアップを求められるようになったのも21世紀の必然」

ヒノキ「ふむ。それで2.0の登場になるわけじゃな」

NOVA「いいえ。実は21世紀に入った直後で、時代の揺り戻しが起こるわけですよ。その功績はゲームではなく、小説および映画の『ハリー・ポッター』と『ロード・オブ・ザ・リング』というファンタジー2大作品で、ハイブリッドじゃない古き良きファンタジーの魔法観・世界観がマニアじゃない一般層にも浸透。旧世紀には日陰の身に甘んじていたサブカルチャー的ファンタジーが、世間に受け入れられるブームが生じます。

「もちろん、インターネットの恩恵もありますが、一部のマニア層しか顧みないオタク的なコンテンツが、21世紀に入って時代の最先端として若者に取り入れられていく文化史的な考察ができそうですね。こうして現代学園ファンタジー異世界ファンタジーの二大潮流がメジャー化し、そこにトレーディングカードというギミックや、バトルロワイヤルという閉鎖世界でのサバイバルという要素を組み合わせて、さらに現実で起こったテロや天災という危機設定を盛り込めば、21世紀初頭の物語があれこれ語れそうです」

晶華「あと、それに平和な日常のほのぼの感、というのも忘れてはいけないわ」

NOVA「それは主に教育の影響だな。ゆとり教育と言われた『競争原理と詰め込み教育を批判した、のびのび教育』の思想で、表面上は『ケンカ禁止、戦いや暴力は罪悪』という建前が教育者の死守すべき哲学となる。そして、子供たちを叱ることのできない教師や叱られない子供という世界の中で、隠れたイジメやらストレス耐性の低い若者が量産されるようになる。

「そんな彼らにとっては、フィクションの世界でも過度なストレスを生み出すものは敬遠され、『気心の知れた友達とのユートピア』に憧れを感じるようになる。また、その反面、ユートピアに入れない者の鬱屈した感情の発散の場として、『日常を破壊するダークな物語』も流行して、ほのぼのと陰鬱のアンビバレンツな要素が、フィクション界で共存したりもするわけだ。一方で、その両極端な世界にも相容れない者は『異世界のゲームや物語』に埋没して、自分らしさを追求するとか、そんなところだろうか」

ヒノキ「うおっ、この男、いきなり話を文化史まで広げおったぞ。もはや、ラクシアがどこかに消え去りおったわい」

 

NOVA「そこでラクシアです。秩序と調和を重んじる第一の剣に従う人族に対して、弱肉強食の原理で動く蛮族社会というのは、正に『日常を破壊するダークな物語』を堪能できる物語要素かと」

ヒノキ「うおっ、いきなりラクシアに話が戻りおった」

NOVA「ソード・ワールド旧版では、暗黒神官や竜司祭のような邪悪プレイは初心者には向かない(やりたければGMが気心の知れた仲間と勝手にやれ)というスタンスでした。ある意味、RPGの物語では勧善懲悪な健全な冒険譚が推奨されていたわけですね。しかし、現実の世界では、『正義とは立場によって異なる』『圧制に対するテロリスト的正義と、それによって運命を狂わされた者の復讐的論理の対立』などのドラマが語られたりするわけです。

「そういう闇を内包した物語は、ロードスのマーモとか、対立する神獣同士の思惑が交錯するクリスタニアとかで、水野さんも語っても来たのですが、ゲームシステムでそこまでは再現できない。それこそ、アシュラムみたいな暗黒騎士やピロテースみたいなダークエルフをプレイしたくても、ルールではなかなか再現するのが難しいわけです」

晶華「だけど、NOVAちゃんはプレイしたよね。カーラ様の手下の灰色の勇者をやって、ダークエルフの女の子を助けるキャンペーン」

NOVA「いやあ、ボーグナインがこのまま暗黒騎士になるんじゃないか、という選択肢も検討したんだが、結局、モスの騎士長で終わったと記憶する。GMの高山さんとしては、さすがに白と黒で迷うことはあっても、悪堕ちまでは望まなかったようだ。要するに、ロードスの裏を描きたかったミニキャンペーンで、ギリギリのところを狙った形」

晶華「NOVAちゃんとしては、悪堕ちしたかったわけ?」

NOVA「まあ、世間知らずの若者が世界の裏に触れて葛藤しながらも、自分の理想を求めて成長するってストーリーで良かったんじゃないかな。これで、故国を裏切ってマーモの暗黒騎士になるというのは違うし、帰るべき故郷に戻って、その後、歴史に大きな影響を与えられないまま、だけど自分の人生は生ききった、とか、そんな感じ」

晶華「ふーん。まあ、単行本化されなかった裏ロードスだから、仕方ないのかもね」

NOVA「悪堕ちといえば、『央華封神』(1994)の邪仙とか、『アースドーン』(1993。邦訳は1997)のホラーとかが、俺のツボを突いた設定だったな。その辺の『力の誘惑にのまれて敵となる』とか『異界の魔物に誘惑されて、心の弱さから怪物と化す』とかの設定がゲームのルールに盛り込まれるのが、世紀末から21世紀初頭のRPGにはよく見られた設定だ。

「具体的には、『ビーストバインド』(1999)、『ブレイド・オブ・アルカナ』(1999)、『ダブルクロス』(2001)などの作品が、プレイヤーキャラクターの悪堕ちを取り込んだシステムということになる。それ以前も、戒律違反を犯した聖騎士とか、吸血鬼などの亡者に生命力を吸い取られてアンデッド化するとか、悪堕ち要素が内包されていたゲームはあったが、それがシステムの根幹に設定されて、重大なドラマ要素としてルール化される流れが、21世紀の一つの潮流になる」

ヒノキ「そう言えば、プレイヤーキャラがラスボス化するという、衝撃かつ笑劇のリプレイもあったのう」

 

NOVA「で、そういう旧世紀には公式が堂々と推奨できない悪堕ちとか敵側プレイが、21世紀には解禁される流れがあって、ソード・ワールドもそれを取り込んだのが、蛮族(バルバロス)設定であり、また『死からの復活に伴う穢れ』という設定だと考えるわけですね」

ヒノキ「ああ。旧版では神の奇跡による復活じゃったが、ラクシアの神は死者の復活を推奨せず、魂の召還は操霊術師コンジャラーの領域ということになったのう」

NOVA「そうです。コンジャラーはゴーレムやアンデッドを作成できる魔術師の一系統ですが、旧版のソーサラー魔法がソーサラー系とコンジャラー系の二派に分かれたのも、ラクシアの特徴。この辺は、T&Tの魔術師魔法がハイパーT&Tになった際に、魔術師魔法と呪術師魔法の二つに分かれたことを想像しますね。どちらも、清松さんが関係していますし」

ヒノキ「ソード・ワールドとハイパーT&Tは清松みゆき氏の代表作じゃな」

NOVA「俺としては、央華封神も含めたいですけどね。央華封神の裏成功ルールが現ソード・ワールドの運命変転の種族特徴に受け継がれていますし。清松さんはハイパーT&Tを北沢慶氏に託し、ソード・ワールドを田中公侍氏に託しつつ、裏方アドバイザーとしてサポートしてきた経緯があって、言わば清松さんのゲームデザイナーとしての弟子が北沢・田中のお二人だ、と俺は考えています」

ヒノキ「ソード・ワールドサプリメントを見ると、裏方に回った清松氏がどういう仕事をしているか、時おり見えてくる感じじゃのう」

NOVA「前の記事で、俺は旧ソード・ワールドが水野さんの構築した『閉じた世界』と評しました。これは、TRPG入門の決定版として一つの完成されたシステムという必要からであり、土台や根っこの部分としての位置づけゆえですね。

「一方、2.0および現在の2.5は、非常に『開かれた世界かつシステム』として現在展開しています。新職業や新種族がどんどん実装されていきますし、いろいろな要素をどんどん貪欲に取り込みつつ、サポートを絶やさない流れですね。

「一時期は『アルシャード』が切り開いたハイブリッド・ファンタジーの21世紀スタンダードの称号を、現在は奪い返したとも継承したとも考えています。2.0が誕生したときは、いろいろとパクリ呼ばわりもされていましたが(運命変転を裏成功のパクリという意見を聞いたときは笑った。デザイナーの清松さんが普通に認可したものなのに)、長い目で見ると、『既存システムの集大成を目指して、今も発展中なのが現ソード・ワールド』という認識を俺は抱いています」

ヒノキ「なるほど、集大成か」

NOVA「ただし、『アルシャード』が持ちながら、現『ソード・ワールド』が持たない要素が一つありますね」

晶華「それは何?」

NOVA「多元宇宙の物語です。『アルシャード』は後に『アルシャード・ガイア』や『アルシャード・セイヴァー』という続編で、北欧風ハイブリッド異世界ミッドガルドと共に、現代地球のブルースフィアという根幹世界を設定。要するに異世界ものも、現代地球も、それを混ぜたクロスオーバー作品もプレイできる」

 NOVA「これは、異世界ファンタジーの『セブン=フォートレス』が、現代魔法ものの『ナイトウィザード』とコラボして、さらに主八界という背景世界サプリメントを次々と出して多元宇宙展開を成し遂げたり、また違う作品では『カオスフレア』という作品が当初から多元宇宙ものワールドとして展開したりして、FEAR社が得意としてきた方向性なんですね。だから、俺も多元宇宙というテーマを語るなら、それらの作品を無視するわけにはいかないわけです」

ヒノキ「多元宇宙といえば、TRPGではTORGであったか」

トーグ リヴァイスド エディション

トーグ リヴァイスド エディション

 

NOVA「ルールブックが復刻したけど、 サポートが続きませんね。まあ、ガープスを応用すれば、多元宇宙ものも簡単に展開できた時期もありましたけど、今のSNEのRPGは多元宇宙よりも、一つの世界を掘り進めることの方に関心があるように見える。俺としては、せめてフォーセリアラクシアの間に公式でリンクが為されれば、と思うわけですけどね。かつて、ロードスとアレクラストが同じ世界にあると知って、ワクワクしたみたいに」

ヒノキ「じゃが、クロスオーバーもやり過ぎると、飽きられるということもある」

NOVA「特に、現代人が異世界に迷い込んで、現代人の常識で異世界を翻弄してしまうと、異世界での冒険の魅力が損なわれるというか、あまり異世界荒らしにはなりたくないなあ、と思ったりもします。その辺のさじ加減が難しいというか」

 

晶華「NOVAちゃんが、多元宇宙好きなのはよく分かった。だけど、いろいろな世界に首を突っ込みすぎて、迷走しがちな癖は何とかしないといけないと思うの。ラクシアの話を期待しているのに、違う世界に寄り道しまくっているじゃない。じっくり腰を据えて、ラクシアに集中してもらえないかしら」

NOVA「お、おお、そうだな。では、改めて集中するために、記事の仕切り直しだ。今回はこれにて完」

ヒノキ「やれやれ。いつまで続けるのやら。まあ、わらわはTRPG話を楽しんでおるから、いいがの」