花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、ソード・ワールドのミストグレイヴ妄想リプレイ「魔神ハンター」を終了に向けつつ寄り道迷走気味。

ダイカタナ中巻と、ガメライベントの話

ゴブリンスレイヤー外伝の話

 

ヒノキ「ダイカタナの中巻を読み終えたのじゃ」

シロ「それは早いですね」

ヒノキ「まあ、魔神ハンターの第2部に入る前のインプット充電期間じゃからのう。集中すれば、容易く読めよう」

リトル「ダイカタナって、どういう話ですかぁ?」

ヒノキ「新兄さんの上巻・感想記事はこちらを参照じゃが、わらわも改めて紹介するなら『ゴブスレ版ウィザードリィ』じゃな」

シロ「ウィザードリィと言えば、ダンジョン探索ゲームの代表にして古典、80年代からのオールドゲーマーにとっては聖典に近い作品の一つですね」

ヒノキ「うむ、ゴブスレ作者は、80年代のゲームブックや90年に至るファンタジーへのレトロ愛が溢れ出しておるからのう。他にも、新兄さんのツボを突く時代劇マニアっぷりや、アメコミヒーローマニアっぷりを示して、ダイカタナでも『侍主人公の君』を始めとする6人パーティーのダンジョン探索冒険譚を描いている」

シロ「パーティー構成は、侍、女戦士、蟲人僧侶、半エルフの盗賊、女司教、女魔法使いですか」

ヒノキ「原典のウィザードリィには、蟲人や半エルフという種族はいなかったから、その辺は四方世界風味じゃが、職業構成はウィザードリィに基づいていると言えよう。盗賊が『蝶のナイフ』を手に入れて、そろそろ忍者に転職しそうなのも、ほぼ原典どおりじゃな。まあ、物語の基本はウィザードリィの第1作『狂王の試練場』に基づくダンジョン構成じゃが、ゴブリンが出たり、ダイヤモンドの騎士が活動していたり、蝶のナイフなどは後の作品から抽出しているネタもあって、いろいろと混ざってはおるのじゃが」

シロ「それにしても、主人公名が『君』というのは珍しい文体ですね」

ヒノキ「ゲームブックや『世界樹の迷宮』なんかを意識した文体じゃろうな。最初は、新兄さんもキャラへの感情移入の距離感に戸惑った文体じゃったらしいが、ある程度、キャラが成長した段階で、ようやく没入できるようになったようじゃ」

シロ「それまでは、没入できなかったと?」

ヒノキ「これは読者にもよるが、上巻は『君が迷宮のことを何も知らないズブな素人』で、ウィザードリィの世界を何も知らない読者が感情移入できるように描かれておる。逆に言えば、新兄さんのようなウィザードリィ経験者から見れば、『うわ〜懐かしい』とか『こいつの元ネタはアレだな』とか感じながら読むのに、劇中の『君』とはそういう感覚を共有できない。初心者の『君』を押し付けられても、ベテラン読者は感じ入ることは困難じゃろう」

シロ「まあ、全く新しい世界観ならともかく、読み手には『懐かしさ』を感じる世界で、主人公の新鮮な驚きを自分のことのように受け止めることは難しいかも」

ヒノキ「じゃが、上巻を終えて中巻に入るころには、主人公の『君』も迷宮攻略に慣れて、初心者から中級レベルになったわけで、その辺でだいぶギャップも解消されたようじゃ。今巻は割とスッと読めたようで、わらわのところにもあっさり送られてきた。うむ、中巻に入って、ようやく話が展開して面白くなってきた感じじゃな」

シロ「後で、ボクも読ませてください」

 

シロとリトルの読了後

 

シロ「……読み終わりました」

リトル「大体、分かったですぅ」

ヒノキ「思ったより早いのう」

シロ「忍者秘伝の速読法です。感じ入るレベルの読み方ではないので、味わうためにはじっくり再読しないといけませんが、情報を素早く吸収するには十分です」

ヒノキ「では、尋ねよう。主人公の君は、従姉の女魔法使いを何と呼んでおる?」

シロ「はとこですね。実姉のように振る舞う従姉をウザがって、距離感をとろうとする心理の現れでしょうか」

ヒノキ「元ネタは、旧ソード・ワールドリプレイのスイフリーとパラサの関係じゃろうがの」

シロ「エルフ(森の妖精)のスイフリーとグラスランナー(草原の妖精)のパラサは、どちらも妖精つながりで、従兄弟(いとこ)のようなものという主張に対して、『一緒にするな、従兄弟じゃなくて、はとこぐらいの距離感だろう』って感じで、付かず離れずの漫才みたいになってるんですね」

ヒノキ「従姉がベタベタしてくるのを嫌った主人公が『ええい、このはとこめ』とつぶやくシーンが、ダイカタナでは何回あるか。まあ、この主人公はパーティー仲間から慕われたり、面倒みがいい反面、しょっちゅう、イジられてグヌヌとなる展開が多くて、こういうコミュニケーションが面白いというか、まあ、ツンデレ風味の女戦士や、健気な女司教とも良好な関係を築いているのが中巻ではより目立った感じじゃな」

シロ「上巻では、まだそこまで気心が知れた関係になっていないですからね」

リトル「共通の試練を協力して切り抜ける中で、通じ合える仲というのがあるのですぅ」

ヒノキ「上巻では、迷宮の2階まで攻略したが、中巻では3階と4階に至っておる。3階は落とし穴だらけのトラップ地帯。4階は階段から降りる区画と、1階のダークゾーン奥のエレベーターから降りる区画があって、その先に大きなバトルイベントがある構成となっている。本家のウィザードリィを知る者には、ブルーリボンとか、呪われた死の指輪という単語に感じ入るものがあるじゃろう」

シロ「確か『モンスター配備センター』って場所ですね」

ヒノキ「ダイカタナでは、女司教を酒場に放置した前の仲間との対決になる。この戦いと、3階での忍者(あるいはタイガー暗殺拳士)によるクリティカル斬首イベントが、本作のバトル盛り上がりどころと言えようか」

リトル「クリティカルで即死ですかぁ?」

ヒノキ「一応、ダイカタナでは『ロスト=死亡』『デッド=戦闘不能の重傷』という扱いじゃな。主人公が首を斬られて、死亡寸前の重態に陥るんじゃが、教会に運ばれて何とか生還する。まさか、二人称文体で『君は首をはねられた』的な表現に出くわすとはビックリじゃ」

シロ「一人称文体で、『こうしてボクは死んだ』と同じくらいショッキングですね。語り部が死んだり、読者が殺されたりするような文章は」

ヒノキ「その瞬間、語り部が幽霊になったり、読者が擬似的に死を体感するようなものじゃからのう。自分が死んだ後に、仲間がどうパニクるか、とか、ゲームのキャラやアバターが死んだ後にどう再開するかなど、いろいろ考えることもあろう。普通じゃなかなか体験し得ない死の感覚というものを味合わせる小説の挑戦と言ったところか」

リトル「死への想像ですかぁ」

シロ「まさに死の迷宮ですね」

ヒノキ「よく『ゲーム感覚の死は軽い』と言われるが、それでも『手塩に掛けて育てたキャラが死んだときの喪失感』は経験した者にはそれなりに重いものじゃよ。現実の死の重みはなかなか味わえない(味わいたくない)からこそ、仮想現実で死を味わって重い気分になることも一つの教育擬似体験ではなかろうか。ゲームと現実の違いというのは、ゲームを体験した者でないと分からないわけで、よくゲームを知らない者がゲームをしている者に対して、『現実とゲームの違いが分からない』と批判するのは間違っている、というのが最近の風潮かもしれん」

シロ「案外、ゲームを知らない者が『一面的な思い込みで、ゲーマーとはこういう想像力の欠如した者』と思いがちですからね」

ヒノキ「ゲームと現実が違うことは、ゲーマーの方がよく認識しているものじゃよ。もちろん、現実をよく知らない子どもがゲームしか知らないというのは問題になるかもしれん。だからと言って、現実で『痛みを味あわせるのが正解か』という議論になって、『人を傷つけさせないためには、人の痛みを自分でも味わってみるといい』という教育理論が正しいか否かは賛否が分かれると思う。ただ、『現実で経験できないこと、経験させたくないことを、仮想現実で感じとらせる材料を与える』ことについては、令和の時代の道徳テーマになっていくやもしれん」

シロ「文章による疑似体験、映像や音楽による擬似体験、そしてヴァーチャル世界に入ることによる疑似体験が、人の文化を発展させてきたって考え方もありますね。現実にあるものだけを追っていたのでは、人の想像力は刺激されず、文化や芸術は生まれなかったという考えもあります」

ヒノキ「もちろん、『死や戦争というネガティブな物は擬似体験することも忌むべきもので、そういうものは視界から遠ざけるべき』という考え方も、特に精神的に未成熟な子供たちにはありかもしれぬ。ならば、どういう精神段階で死や戦争を味あわせるべきか、死や闘争に対してどのように受け止めるのが望ましいのか、そこを社会通念として考えるのが道徳教育かもしれんが、一面的な見方では現実を把握できないのも実情じゃろうか」

シロ「大事なのは、考えて悩む契機を与えることかもしれません」

リトル「現実でも、親族やペットの死で痛みを味わった人と、そういう経験を持たない人では感度差が異なりますし、フィクションを通じて間接的に感じ取ろうとする想像力を否定しちゃうと、それこそ同じ経験を持たない者は分かり合えないという話になりますからねぇ」

ヒノキ「まあ、ハッピーエンドの物語を志向しつつも、そこに到達できない者もいるという苛酷な現実の中で、どのような生き様を示すか、そして散って行った者の想いをどう汲みとるか、そういう想像力を養うテキストとしても、ダイカタナ中巻はありじゃろう。何しろ、主人公が侍精神の持ち主じゃ。武士道は生死の理を真剣に見据えるものなり、とわらわは思うゆえ」

 

シンフォギアガメライベントの話

 

ゲンブ「何と。こんなところにもガメラが」


【戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED】「ガメラコラボイベント」PV

 

ヒノキ「おお、ゲンブ。今回は口をはさまないと思っていたら、そっちに注目しておったか」

リトル「シンフォギアですかぁ。去年ゴジライベントがあったのを、時空魔術師さまの塔で見てましたぁ」

シロ「その記事は、この辺だなあ」

ゲンブ「ゴジラに続き、ガメラがこういう場所で復刻していたとは。我としては、もっと早く気づくべきだったでござる」

ヒノキ「まあ、今、気づいたのじゃから、後からでも追うとよかろう。一体、どういう話じゃ」

ゲンブ「では、第1話から早速」


【シンフォギアXD】ガメラ 大怪獣絶唱 EP1 もうひとつの2020年

 

ゲンブ「まさか、平成ガメラ3部作の続編が、こういう形で描かれようとはな」

リトル「ガメラ3がバッドエンドに終わった後の20年後みたいですぅ」

ヒノキ「並行世界の話とは言え、ゲンブには辛い物語かもしれんのう」

ゲンブ「いや、どんな時も希望は失わない。ガメラは必ず来る、でござる。眷属の名にかけて、そういう物語を示したい」

シロ「では、続きです」


【シンフォギアXD】ガメラ 大怪獣絶唱 EP2 人類戦線にて


【シンフォギアXD】ガメラ 大怪獣絶唱 EP3 反転攻勢

 

ゲンブ「イリスアーマーに、ギャオスアーマー、レギオンアーマーでござるか」

シロ「まるで、花粉症ガールのドゴランアーマーみたいだな」

リトル「シンフォギアは、コラボした作品由来のアーマーをいろいろまとうみたいですねぇ。 これまでも特撮やヒーロー関連では、『ゴジラ』『SSSSグリッドマン』『ULTRAMAN』があったようですしぃ」

ヒノキ「ゴジラアーマーやモスラアーマーはあっても、ラドンアーマーはなかったので、わらわにしてみると、シンフォギアもまだまだじゃのう」

シロ「確かに、シーサーアーマーもなかったし。どうして、敵のガイガンキングギドラなんだ。3式機龍はまだ分かるけど」

ゲンブ「まあ、今はガメラアーマーの活躍を応援して欲しいでござる」


Symphogear XD - Kaiju Gear All Attacks (Gamera Collab)

 

ヒノキ「今回は、話が長引いた気がするので、続きはまた次回じゃ」

ゲンブ「文字数はそれほどでもないでござるが、何ぶん映像ストーリーが思いの外に長くて充実しているでござるからな。ガメラ3の先の未来(バッドエンドだけど)がこういう形で真面目に作られるとは思わなかった。まあ、ここから先の濃い物語と、希望の復活に期待するでござる」

(当記事 完)