花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、ソード・ワールドのミストグレイヴ妄想リプレイ「魔神ハンター」を終了に向けつつ寄り道迷走気味。

シンカリオンと鉄道の話

怪獣王と新幹線変形ロボ

 

NOVA「冬期も終えて、ようやくブログを書くのに時間の余裕ができたぞ、と」

ヒノキ「おお、新兄さんのお出ましか」

NOVA「ああ、先にアステロイド監視所に出向いて、客人兼助っ人を招待してきた」

ヒノキ「助っ人? 誰のことじゃ?」

NOVA「この記事を参照

ヒノキ「ま、まさかの風来坊の御仁を召喚されたとは?」

NOVA「ちなみに向こうで唱えた召喚呪文はこれな」


ULTRA7(東芝レコードVer.)


ULTRASEVEN HENSHIN - ULTRAMAN ORB THE MOVIE

 NOVA「向こうでは、動画の貼り付けができないから、こちらで脳内イメージをフォローする形にした。とりあえず、今年はここで主に国内RPGを、GTライフでD&Dやパグマイアを中心にした翻訳RPGを中心に記事書きする予定だ。まあ、あくまで原則だから、記事内容によっては書きやすい方で書くことになるだろうけどな。そして、こっちではお土産にこれ」

ゲームマスタリーマガジン第10号

ヒノキ「おお、わらわの待ち望んでいた雑誌じゃな」

NOVA「ええ。昨年末に出たけれど、年始になってようやく手に入れた本です。今回のメインはソード・ワールドと、ロードスの『第2次邪神戦争対応ワールドガイド(その1)』といったところ。まあ、ロードスの話は次回に回すことにして、今回はシンカリオンです」

ヒノキ「どうして、この話の流れで、唐突にシンカリオンなんじゃ?」

NOVA「いや、俺の中ではつながっているのですよ。何しろ、シンカリオン映画を見たついでに、この雑誌とクトゥルフRPG最新版を購入したものですから、何から記事書きしたらいいか、少し悩んだ次第」

ヒノキ「悩むことなどなかろう。わらわのところに最初に来ればいい」

NOVA「そうしてしまうと、こっちに入り浸りになって、GTライフの記事が書けなくなってしまいますからね。昨年は、ここでの記事が66。空想タイムの記事が94。それに比べてGTライフは30と大きく偏ってしまいました。合計190記事なんですが、今年はこれをもう少しバランスよく整えたいと思います。少なくとも、毎週どのブログも1記事以上は書くことを目標にしたい。本当は曜日を決めて、何曜日はどのブログで書く、とローテーションを組んだ方がいいのでしょうけど」

ヒノキ「ふむ。毎日書くと言うのはどうじゃ?」

NOVA「記事文量を細かく切りとることで、そうできないか、と試してもみたのですが、ストーリーや会話の流れがある場合、中途半端なところで区切るのもどうかと思われ。この辺、プロの文章だと、文字数、原稿枚数に指定があるので、書いてから分量が収まるように削る作業があるのですが、俺の場合、書いているうちに書きたいことが膨らむ癖があって、これをどうしようかな、というのが課題だと思いつつ」

ヒノキ「前置きが長いのと、寄り道脱線が多いのが、問題じゃな」

NOVA「稀に、表題と違う内容の記事になって、後から表題を改めるケースもありますからね。今も、この流れで、どうやって『怪獣王と新幹線変形ロボ』に辿り着こうか悩んでいます」

ヒノキ「この流れだと急カーブが必要じゃな」

NOVA「そこで、キーワードとなるのが、以下のソード・ワールドの新作サプリメントなんですが」

ヒノキ「まだ表紙絵が出て来んようじゃの」

NOVA「鉄道とキングというタイトルだったら、『怪獣王と新幹線変形ロボ』につながるだろうと頭では考えたものの、実際に文章にすると、意外とつながらないものですね」

ヒノキ「というか、そのサプリを出すと、話がTRPGの流れになって、ゴジラシンカリオンの話にスポッと収まるのは無理ではないかの?」

NOVA「そのようですね。仕方ない。仕切り直します」

 

真・怪獣王と新幹線変形ロボ

 

NOVA「大変です、ヒノキ姐さん」

ヒノキ「何じゃ、新兄さん。いつにも増して騒々しい。さあ、お茶でも飲んで落ち着くがいい」

NOVA「ああ、ありがとうございます。これで一息つける。(お茶を飲んで)ぶほっ、ヒ、ヒ、ヒ、ヒーーーーーッ」

ダイショー コイケヤ監修 カラムーチョ鍋スープ ホットチリ味 辛さ5倍 580g ×5個

ヒノキ「ヒヒヒ。わらわ特製ピリ辛ムー茶じゃよ。先週は、ピリ辛雑煮を食べてもらえなかったからのう」

NOVA「み、み、水……水をくれ。バタッ」

ヒノキ「あ、死んだ」

 

(当ブログ 完)

 

真・怪獣王と新幹線変形ロボマーク2

 

NOVA(復活)「い、一体、何ですか、今のは? 俺が激辛ムー茶を飲んで、死んじゃって、ブログそのものが終わってしまうなんて、どこの時間軸の話ですか」

ヒノキ「これぐらいの辛さで死んでしまうとは情けない。まあ、新兄さんが死んでしまっては、この記事ではなく、ブログそのものが『完』になってしまうことは分かった。何事も試してみるものじゃの」

NOVA「とにかく、『辛・怪獣王と辛幹線変形ロボ』の記事を書きたいわけじゃないんですから」

ヒノキ「わらわの好きな四字熟語は『辛抱遠慮』じゃ」

NOVA「字が違う。それを言うなら『深謀遠慮』でしょう。辛さを抱えて、遠くを慮ってどうするんですか?」

ヒノキ「この辛さを抱えながら汗水垂らして克服する中で、遠くを慮ることができるのじゃよ」

NOVA「無理やり、意味をこじつけないで下さい。とにかく、話を戻します。……大変です。シンカリオンの映画に、セイリュウが出ました」

ヒノキ「そりゃ、シンカリオンなんじゃから、セイリュウも出るじゃろう」


【シンカリオン】セイリュウの初期と後期を比較

 

NOVA「いや、そっちのセイリュウも確かに出ましたが、さらに、こっちのセイリュウも出たんです」

ヒノキ「こっちのセイリュウ? つまり、Gが出た?」


【2019年12月27日公開】 劇場版『新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X』 予告


謎の新しい武器!カイサツブレードでシンカリオンE5はやぶさがシン・ゴジラをやっつけるぞ~♪

 

ヒノキ「って、ただの人形劇ではないか」

NOVA「まあ、さすがに公開中の映画のサプライズ動画は上がっていませんな。しかし、『シンカリオン ゴジラ』で検索すると、私製の動画がいろいろ出て来るものです」


【新幹線変形ロボ シンカリオン】磨け!!研究所の老メカニック E7 かがやきがゴジラにシャリンドリル!プラレール 子供向けアニメ

 

ヒノキ「しかし、シンカリオンゴジラのクロスオーバーとは、わらわたちの地道な活動が実を結んだ感じじゃな」

NOVA「少なくとも、当ブログではシンカリオン東宝怪獣は、TRPG話と並んで、コラボもしながら盛り上がってましたからね。私的にブログで書いたネタが、公式で完成度の高い形で見せてくれると、感じ入ること大です。昨年は映画をいっぱい見ましたが、俺の中での2019ベスト映画は、ジオウのオーバークォーツァー。そして、2位はシンカリオン。3位はアベンジャーズのエンドゲームです」

ヒノキ「普通は、アベンジャーズがトップに来るものと思うがの」

NOVA「まあ、そうなんでしょうけど、俺のブログに与えた影響としては、ジオウの夏映画の方がインパクト大です。アベンジャーズは感動はしたけど、ネタとして影響を与えるまでには至らなかった。というか、アベンジャーズを見た後に、ゴジラを見たり、スパイダーマンを見たり、次々と消化していったので、感動が分散してしまったというか。大作すぎると、逆にネタとして調理するのも難しいって感じです。去年はさらに牙狼の映画も集大成だったし」

ヒノキ「そんな中で、堂々2位に食い込んだシンカリオンが凄いのじゃ」

NOVA「ええ。厳密に言うなら、俺が見たのは今年に入ってからなので、去年の映画に入れていいのかどうか微妙ですけど、まあ、公開が12月27日ですからね。ギリギリ去年ということになる。俺にとっては、今年の初映画というだけで」

ヒノキ「ふむ。シンカリオンを2位にする理由は?」

NOVA「密度の問題です。アベンジャーズなどの大作は2時間を超えて、見ただけでお腹いっぱいになります。そして、長すぎると、やはり途中でダレるタイミングがあるんですね。満腹感もあるけど胃もたれもする。それに対して、シンカリオン映画は79分という短い時間の中で、よくもこれだけ詰め込んだな、という内容。お子様ランチかな、と思って注文してみたら、結構本格的な美味しさで満腹できたわけで、しかも大事なのは『物語に感動した』んですよ。これ大事」

ヒノキ「新兄さんは、割と簡単に感動するからの。ある意味、幸せな男じゃが」

NOVA「いや、一口に感動と言っても、いろいろな場合があるんです。例えば、『アクション演出に感動』とか『特撮の映像に感動』とか『切り取った情景の美しさに感動』とか『作り手のシリーズ愛、オマージュの豊かさに感動』とか『役者の演技に感動』とか『ストーリーの仕掛け、伏線の使い方に感心』とか『これまでの物語のあれこれが収束する見事な手際に拍手』とか、とにかく驚いたり、主人公あるいは脇キャラの言動に心動かされたり、緊迫した事件が解決することで満足感を得たり、いろいろと細かく分析して、自分の感動ポイントを明示することを批評と言います。

「その上で、この作品のどこがお勧めか、何に注目して見たら楽しめるか、どういう人向きか、そこを伝えていない文章は、作品批評とは言えませんね。ダメな点を挙げつらうことを批評と勘違いしている人間も多いですが、俺は人と付き合うのに、『作品の面白さを語り合える、あるいは受け止める、吸収しようとする人間』とは好意をもって付き合えますし、『クールに徹して、情緒的な俺にはできない質の分析をできる人間』からは学べます。一応、俺としても『楽しんでいるという主観、情感』と『周辺情報から客観的にわかる分析、作品の背景などの考察』を両立させようとしていますが、まずは自分が主観的に楽しめるかどうかが大事ですね」

ヒノキ「ふむ、このままだと、作品批評論に展開しそうじゃの」

NOVA「つまり、俺が『批評になってない』と切り捨てる文章は、『その文章を読んでも作品の楽しさが伝わらない、あるいは、そもそも作品を楽しむ意図のない文章』あるいは『分析をしていない短絡的なツッコミ、揚げ足取り』的な内容。面白いツッコミというのは芸になるけど、ツッコミを入れるためには、場を温める必要がある。まず、ツッコミ芸よりも、場を温める作法を心得ていないと、芸人としては成立しません」

ヒノキ「次は、芸人論か」

NOVA「ええと、何の話? 社長として、企業をうまく経営するためには? って話だったかな?」

ヒノキ「違うよ。新兄さんの仕事は、シンカリオンの感動ポイントを分かりやすく語ることだよ」

NOVA「はっ、分かりました。新幹線変形ロボ.netに再接続します」

 

シンカリオンの感動ポイント

 

NOVA「この作品のテーマは分かりやすいな。3つにまとめるとこうなる」

 

1.好きなものは、とことん好きになれ。オタクの夢推奨。子供の夢は恥ずかしくない。大人になっても、子供の夢を否定することなく、自分の道を大事にしろ。

 

2.新幹線は、人と人、街と街、地域と地域をつなぐ。心に壁を作ることなく、未来に向かって、開放的につなげ、自分の世界を広げよう。

 

3.大人と子供、都会と地方、人類と異種族といった差異に対しても、言葉の力で語り合い、差異を乗り越えて、それぞれの好きな想い、絆を結びつけよう。

 

NOVA「リンクとか、連結とか、クロスとか、そういう用語をとっても、シンカリオンは大切にしていることが分かる。オーバークロス合体というのは、メディア間のクロスオーバーのもじりだし。歴史とか、対話とか、そういう要素を大事にしているのもいい」

ヒノキ「『夢や好きを大事にしよう』『いろいろつなげて世界を広げよう』『差異を乗り越えよう』か。確かにポジティブ精神の発露じゃな」

NOVA「ええ。いい子供番組です。ただ、シンカリオンの場合、子供の世界だけでなく、それをバックアップする大人の世界もしっかり描いている。大人が好きなものや夢を否定しないし(隠れオタクは多いけど)、しっかり子どもとコミュニケーションとっているし、バックアップで働いている大人が格好いいと思わせてくれるアニメです。富野ものなんかで有りがちな、純粋な子どもと汚れた大人の対立劇にはなっていない。世代間格差の物語じゃなくて、大人と子供が協力する姿は見ていて感動です。というか、この世界、時には大人の方が無邪気で純粋だったり、ノリが良かったりするんですね。しかも、超進化研究所って職員のメガネ率が高い。そこも大事」

ヒノキ「うむ。グリッドマンの声で喋る出水指令長などは、メガネンジャーにスカウトしたい人材じゃな」


【新幹線変形ロボ シンカリオン アニメ】おまけPV 本庄・出水編

 

NOVA「いやあ、出水さんが来たら、俺なんかお払い箱ですよ。司令の権限を譲り渡しましょう。まあ、惜しむらくは、出水さんがロボに乗って前線で戦わなかったことですね。そのうち、サイバスターか飛龍、轟龍、ウイングゼロみたいなロボに乗ってシンカリオンのピンチを助けてくれるって期待していたのに」

ヒノキ「そういう妄想は、スパロボの中だけにしておくといい」

NOVA「で、感動ポイントの話をしていたら、ふと思い出したんですけど、このシンカリオンの脚本家って、下山健人さんなんですね。そして、仮面ライダージオウのメインライターも下山さん。つまり、俺が昨年の映画ベスト2に挙げた作品が、両方とも下山さんということになるわけで、結果的に昨年は俺にとっての下山イヤーということになるわけですよ」

ヒノキ「下山さんって、どういう脚本家じゃ?」

NOVA「不思議センスで有名な脚本家・浦沢義雄さんの弟子で、兄弟子の大和屋暁さんと並んで、俺にとってはギャグセンスの高い若手脚本家って認識でした。戦隊で言えば、ゴセイジャーがデビュー作で、ニンニンジャーが初メインライター。それ以前にアニメ界で活躍していて、デビュー作は2004年の忍たま乱太郎。以降は、BLEACHに中盤から参加し、終盤のメインライターにまで上り詰めるなど、この10年少しの間に、どんどん経験を積んで頭角を現してきた脚本家の一人ということになるでしょうか。

「俺にとっては、大和屋暁さんが思いきり変化球を投げてきてインパクト大で(キツツキとか)、師匠のセンスをまともに受け継いでいるのに対し、下山さんは割とバランスが取れているというか、熱さとギャグの両方を持っていて、安心して楽しませてくれる人。クロスオーバーも得意というか、パロディーネタも数多い感じ。直球の中に、いろいろ混ぜてくる人で、ツラヌキの四字熟語ギャグセンスもこの人ならではの要素かな、と思う。ハヤトの鉄道オタクセンスも、下山さんに起因するものだろうし」

ヒノキ「忍たまとか、ニンニンジャーとか、忍者へのこだわりも強そうじゃな」

NOVA「郷土の歴史というものに興味があるみたいですね。地方の名産とか、そんなのも。とにかく、いろいろ混ぜてくる人なのは間違いない。ニンニンジャーのバリエーション豊かさも、この人のものだろうし」

 

NOVA「で、ニンニンジャーは最終的に、祖父から父、主人公、その息子へと忍者の系譜が受け継がれる話に結実。ジオウも、ライダー世代の歴史を受け継ぐ話ですし、シンカリオンもそういう映画になりました。つまり、時空を超えて想いを受け継ぐってテーマが下山さんの中にはあって、その辺が俺の好きな要素の一つですね。

シンカリオン映画では、ハヤト父のホクトが少年になって、『鉄道オタクであることを隠しながら、受験勉強に邁進していた暗い少年期』が提示される。ある意味、これは旧世紀のオタクの姿でもあるんですね。オタク趣味が世間では根暗と結びつけられ、ひどい時期には犯罪者扱いもされた風潮というのが確かにあって、『人に隠れて、こっそり趣味を後ろめたく思いながら一人で楽しむ』という時代の象徴が、ホクト少年期で描かれていた、と」

「だけど、21世紀の鉄道オタクであるハヤトは、『好きなものにこだわりをもって、それを通じて人と積極的にコミュニケーションを図る明るいオタク』として描かれていて、それを育んだのがオタク肯定の明るい家庭環境とか、好きな夢を実現させて仕事に想いを乗せている超進化研究所の職員たち、そして、性格は違っていても個々のこだわりを持っている運転士たちの仲間。

「この21世紀の理想郷では、他人の趣味を否定する野暮で偏狭な存在は敵キャラとして登場するわけで、最終的にはその一派であるビャッコたちが戦いを通じて、シンカリオンの可能性を認め、閉塞した自分たちの道をつなげ合わせることで再生の道を志す。自分たちの偏狭さを絶対のものとして、他者を排除して君臨しようとする勢力に対して、どう歩み寄って共生の道を模索するかが、ハヤトの理想、目的になるわけですな」

ヒノキ「まあ、子供番組らしい理想の描かれ方じゃな」

NOVA「ええ。現実ではそう綺麗にまとまらない面も当然あるのですが、今回は父親ホクト世代の根暗なオタク像と、21世紀のハヤト世代の陽性のオタク像の接触を通じて、大人世代にはホクトの気持ちに感情移入できるし、それがハヤトのセリフ『好きなものを諦める必要なんてないんだ。父さんたちの好きだって想いが未来、俺たちの今を作ったんだし、その道はこれからも俺たちの明日につながっていく』って主張が、シンカリオン好きの大人の琴線にも思いきり響くわけで、要するに、子どもに未来への希望を語る映画であるとともに、少年の心を持った大人を癒す映画にもなっている」

ヒノキ「つまり、新兄さんはホクトに感情移入しまくったわけか」

NOVA「そうです。コミュ障気味なガリ勉少年だったホクトが、未来の息子であるハヤトに自分の趣味を肯定され、その記憶を失わないまま過去に戻り、シンカリオン開発チームの一員になりつつ、趣味に理解のある歴女と出会って結婚、明るい家庭も築いて、自分の趣味を息子に伝える。もう、俺は速杉ホクト君に自分を重ねて見ていましたよ」

ヒノキ「未来の息子に肯定されたから、自信を持って自分の道を歩み、好きなものを好きと言って恥じない時代を作る。そういうことか」

NOVA「まあ、インターネットの普及によって、それまでサブカルチャーとされてアングラ感覚だったオタク文化が、実は非常に濃厚な金脈、未来への可能性に満ち溢れていたことが分かり、日の目が当たるようになったのも21世紀の特徴ですからね。大人世代と少年少女たちのディスコミュニケーションを描いた90年代の代表作品がエヴァンゲリオンだとするならば、そのアンチテーゼとも言えるシンカリオンエヴァとコラボして、明るいエヴァに引き上げたのもトピックと言えるし」

ヒノキ「そう言えば、エヴァともコラボしていたんじゃな」

NOVA「エヴァは、基本的に世紀末感覚の漂う、暗い話なんですね。ただ、それが混迷期の世相とマッチして、時代のバイブルとして持ち上げられて行った感がある。1995年は、天災とカルト宗教の大事件で大変な年でしたから、エヴァはその時代の空気を色濃く反映しているんです」

ヒノキ「今のエヴァはどうなんじゃ?」

NOVA「さあ。作品内の空気感は昔よりも絶望的らしいですけど。かつては戦いを強要されて嫌がっていたシンジ君が、今度は戦うなと言われて鬱屈していて、だけど自分の意思で再びエヴァに乗って戦う道を選んだことを肯定する考えもある。まあ、俺にとってのエヴァは原典よりも、スパロボでアレンジされたバージョンだけど」

ヒノキ「シンカリオンエヴァも、現状のシン版ではなく、90年代の古き時代の懐かしいエヴァの時代を志向している面があるのう」

NOVA「アスカがまだ学生時代の制服を着ていますしね。惣流か式波か、どっちのアスカかは分かりませんが。式波だとしても『破』の時期の途中までなのは確定。実は『Q』の時期のエヴァは、まだシンカリオンとコラボしていない。もしかすると、シンカリオン版のエヴァは原作と異なる、スパロボで仲間との絆を経て明るく成長した時間軸のエヴァという可能性も否めないわけで。

「とにかく、エヴァ自体は閉塞した物語なんだけど、その閉塞した状況で足掻き、もがきながら必死になる主人公に感情移入する世代が21世紀最初の10年には確実にいたことも分かります。一方で、2010年代は多彩なコラボなんかで多元宇宙、パラレルワールドがどんどん広がった10年間と位置付けられますかね。それまでは、スパロボなどの一部ゲーム、あるいはお祭り映画だけのクロスオーバーが、日常的になったというか、ツイッターなどで作り手側と受け手側の交流が密にもなって、一つの物語に対する多様な解釈が可能になって、バージョン違いの物語の乱立も表面化していった時代とも」

ヒノキ「何じゃ。今度は、時代解釈論にまで踏み込むのか?」

NOVA「2020年ですからね。自分にとっての、2010年代というものを総括整理し始めたくもなって」

ヒノキ「別に、今せんでもいいじゃろ。それより、ゴジラについて語ってくれ」

 

ゴジラ

 

NOVA「まさか、令和最初の和製ゴジラ映画が、シンカリオンとはこのNOVAのブルーアイズをもってしても読めなんだわ……ってところですね。コードネーム『ユキノゴジラ』」

ヒノキ「ところで、このブログには『ゴジラ』カテゴリーが設定されておらんが、どうしてじゃ?」

NOVA「基本的に、ゴジラは『映画』カテゴリーで十分だと思っていた時期がありました。今から、新たに『ゴジラ&怪獣』カテゴリーでタグ付けしようとしたら、だいぶたくさんの記事に付けないといけないですね。最近、空想タイムの方でそうしたところ、結構、遡る作業が膨大になってしまったので、よりゴジラネタの多そうなこちらはどうしようかな、と思ってました。まあ、時間ができたので、過去記事に付ける作業も追々進めるとして、手始めにこの記事から付けておきますか」

ヒノキ「うむ。善は急げ、と言うからな」

NOVA「ゴジラに善悪は関係ないですけどね。一時期は、地球を守る正義の怪獣王と呼ばれていたこともありましたが、ゴジラの基本理念は『俺は好きにする。お前たちも好きにしろ。ただし強い奴はぶっ潰す』の凶暴さですからね。まあ、息子が生まれると性格的に丸くなる感じでもありますが」

ヒノキ「で、シンカリオン映画に出たゴジラはしっかり暴れたのか?」

NOVA「ええ、バッチリ暴れました。シンカリオンに襲い掛かったり、敵ボスに襲い掛かったり、とにかく最強格の脅威として大暴れです。登場時間は決して多くないのですが、登場している間は、もう完全に映画の質が変わってます。劇中登場人物と同じサプライズを感じて、『まさか、ゴジラ? 嘘だろう、オイ。これ、どうするんだよ?』って気分になりましたよ。ターミネーター新作を見て、いきなり最初に殺されるジョン・コナーを見たときに続くサプライズです。年末ライダー映画を見ても、スターウォーズ新作を見ても、サプライズはゼロだったのに、もうシンカリオン映画でゴジラを見た瞬間、『これは大当たりだ。今日、見に来て良かった』とゾクゾクしましたもん」

ヒノキ「しかし、シンカリオンゴジラとは、また唐突じゃのう?」

NOVA「いや、それが伏線はあったんですよ。シンカリオン6話、ツラヌキがデビューしたアイアンスチーマー回の後編で、ちらっとシン・ゴジラネタがあるんです。時は2018年2月10日の放送分。そこから苦節1年10ヶ月ちょいを経て、ついにゴジラがスクリーンに現れたわけで。なお、その回の俺の掲示板感想を引用します」

今回のシン・ゴジラが、まさか終盤の強敵の伏線になるとは。
って、いや、本当に伏線かどうかは知りませんが、エヴァとのコラボがあるなら、監督つながりで実現してもいいかも。後は、東宝の許諾さえ得られれば。ええと、JRが東宝さんに話しつけてくれませんかね。

NOVA「シンカリオンエヴァゴジラ、見事につながったよ。本当に、JR東日本シンカリオン制作チームが、映画の配給の東宝さんに話をつけてくれて、やってくれたよ。俺のささやかな夢がかなった。予言者じゃないけど、掲示板で書いたことが2年以内にかなったとなると、何でも願ってみるものだなあ。そして、願ったことは記録を残しておくと、後から喜びを噛み締めることができる。掲示板が削除されても、シンカリオン記事はしっかり頑張って保存しておいた甲斐があった、と大いに満足している俺が今、ここにいます」

ヒノキ「新兄さんがそれほどまで喜んでくれるとは、同じ東宝怪獣の眷属として、わらわも鼻が高い。で、ラドンの出番はどうじゃった?」

NOVA「シンカリオンには、ラドンは出ていません」

ヒノキ「何じゃと? ならば、ラドン誕生65周年になる2021年に、ラドンシンカリオン映画に登場することを願って、今、ここに書き込むのじゃ、新兄さん」

NOVA「ええ? ええと、JR東日本さん、東宝さん、次のシンカリオン作品では、妹の速杉ハルカを成長させて、新しい主人公にして、空の大怪獣ラドンとコラボさせてやってくれませんかね。あるいは、サクラ母さんとスザクとアズサも含めて、女性キャラ中心の物語とか。とにかく、俺はシンカリオンの続きを応援しています」

 

PS.記事を書いているうちに、アマゾンさんが期待のソード・ワールドサプリの画像も挙げてくれたので、最後に貼り付け。 

  (当記事 完)