花粉症ガール・翔花伝&コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女主役の物語」&「その仲間たちの雑談話」など。TRPG話や特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。

時空魔術師、来訪

 ヒノキ反省

 

ヒノキ「大変じゃ。わらわの守護するはずの九州の地に災厄が発生した。油断した。何たること」

ゲンブ「落ち着いてくだされ、アリナさま。何もお嬢さまのせいではござらぬ。それに、この度の地震は、3年前、2016年の熊本地震と異なり、今のところ死者や重傷者は出ておらず、震度の割に被害は少なかったと発表されております」

ヒノキ「しかし、わらわはクリスマス前まではきちんと警戒しておったのじゃぞ。そう、シンカリオン最終決戦に際して、予言書『朱雀降臨暦』には、大地のエネルギー暴走の危険があるだろうから警戒すべし、と記されておったのに。予言は外れ、最終決戦は後に持ち越され、地脈は別に慌てて鎮静化する必要なし、と思い込んだのが失態じゃった。

「そう、わらわはクリスマス気分で浮かれ、新兄さんのところで童心に返って久方ぶりに寛ぎ、楽しい年末気分を味わい、そして新たな住居である新コンパーニュに移ってきた。その結果が見よ。鎮静化すべき地脈の異常にも気付かず、呑気に構えておったが故に、今回の厄災じゃ。果たしてサブロー殿はご無事であろうか。いや、九州の民は、大地の神霊を恨んではいないだろうか。すまぬ、わらわが浅はかだった(涙目)」

ゲンブ「……アリナ様。かくも心を痛めておいでとは」

ヒノキ「いや、これはもしかして天罰かも知れんのう。わらわは新兄さんのところから、無断で一冊の書物を拝借した。つまり盗みを働いたのじゃ。神聖なる身でありながら、己の欲望に抗しきれず、不埒な罪を犯したが故に、諸天が怒りを示したのじゃ」

ゲンブ「それは理不尽でござる。お嬢さまが罪を犯して反省される。それは結構。しかし、どうして、お嬢さまの罪が九州の住人たちに降りかかるのでござるか。それが真実であるならば、彼らにはとんだとばっちりではござらぬか。ご自分を責めるのはお辞めなさいませ。代わりに、今の自分に何ができるのかをお考えあれ。今のアリナ様は、我を忘れていらっしゃる」

ヒノキ「いや、わらわの過ちはまだある。お主には黙っておったが、あれは15年前のファイナルウォーズの時のことじゃ」

ゲンブ「ファイナルウォーズ……と言うと、セイリュウが裏切り、先代ビャッコを殺めた事件のことでござるな。我はその時、イリスや大量のギャオスとの戦いに傷つき疲れ、身を潜めておった故、ファイナルウォーズの詳しい経緯はよく知らぬ。一体、その時に何があったのでござるか」

ヒノキ「全てはエイリアンXの地球侵略活動に端を発する。わらわにとって、エイリアンXは54年前の怪獣大戦争の時以来、相性が悪いというか、不倶戴天の敵と言えよう。連中は地球の怪獣を洗脳して自らの尖兵として操るというズル賢い奴らじゃ。一度は、わらわと、そしてセイリュウも眠っているところを捕らわれ、洗脳操作されてしまっての。その時の雪辱は晴らしはしたものの、3年後の総進撃の戦いにおいて、今度はエイリアン・キラアクなる鉱物生命体にまで操られてしまったのじゃ」

ゲンブ「失態続きではありませんか」

ヒノキ「そういうゲンブだって、宇宙人に操られたことぐらいあるだろうに」

ゲンブ「う〜ん、ないわけではござらんが。確か、子供たちを人質にとった卑劣なバイラス星人だったか。そう言えば、その年は総進撃の戦いと同じ1968年。つまり、昨年がちょうど50周年で、うむ、昭和の出来事ゆえ、時効と言って良いはず。とにかく、怪獣を操る宇宙人がしばしば出現した時代だったでござるな」

ヒノキ「そう、昭和の時は、わらわもセイリュウも共に仲良く、操られたりもしながらも、地球人類の支援のおかげで解放された暁には、共に協力して悪いキングギドラを倒したりしたものじゃったよ。思えば、あの時が一番わらわとセイリュウの関係が良好だったのやも知れぬ」

ゲンブ「その後、時経て平成に至り、新世紀に入って、ついにはファイナルウォーズとなるわけでござるか。一体、どのような経緯でセイリュウが裏切ったのか」

ヒノキ「実はの……」

 

来訪者

 

謎の声「やあ、ヒノキ姐さんにゲンさん。明けましておめでとう」

ゲンブ「な、何と、新星どの?  いきなり前触れもなく現れるとは!」

ヒノキ「ま、まさか、新兄さんがこのようなところにおられるはずがない。大方、またまたノヴァストラダマス、あるいは快盗アナザールパンレッド、しかして、その実体はトナカイ座タランドゥスの聖闘士ニコラウスであろう。騙されるなよ、ゲンブ」

NOVA「おいおい、ヒノキ姐さん。余の顔を見忘れたのか」

ヒノキ「余じゃと?   は、もしや、徳田新之助?  新さんだとでもいうのか?」


暴れん坊将軍ⅡOP

 

NOVA「まあ、新さんは新さんでも、新星さんと言おうか」

ヒノキ「しかし、お主が本物である証拠が、どこにあるのか?」

NOVA「証拠だと?  ええい、証拠、証拠とうるせえ奴だ。証拠と言われれば、証拠ならぬ粉杉晶華、この新さんと共に連れてきた桜吹雪ならぬ花粉症ガール、散らせるものなら散らせてみやがれい」

ヒノキ「何、まさか?」

 

PON!

小さな閃光と共に出現す。

  

晶華「今よ、隙あり!  クリスマスの時のお返し!  日輪の力を借りて、今必殺の晶華3サンアタック、大胆クラッシュ!」

ヒノキ「甘いわ!  ヒノキ流カウンター、ジェットアッパー!(ドガッ)」

晶華「キュー(対空迎撃され墜落)」

ヒノキ「フッ、転移からの速攻キックを真似たのかもしれぬが、何の武道の心得もないアッキーでは、隙だらけ。殺気を隠すこともできないようではのぅ」

NOVA「あ〜あ、だからやめておけって言ったんだ。晶華じゃヒノキちゃんには勝てないって分かってたのに、どうしても仕返しするって言い張って聞かなかったもんでよ。これは、ほんの挨拶代わりってことで許してやってくれないか、姐さん」

ヒノキ「娘に攻撃させて、失敗すればあっさり降伏するとは、これが時空魔術師の流儀か?」

NOVA「いや、流儀というか、別にケンカを売りに来たわけじゃないし。俺とヒノキさんが戦う理由はないだろう?」

ヒノキ「勝手に住居に押し入ってきて、攻撃を仕掛けて来たのはそちらじゃろうが。しかも、父親として娘を倒されても平気とは、つまらん男じゃのう。それでも伝説の時空魔術師と呼ばれた男か!  恥を知れい」

NOVA「あのう、俺は別に伝説の魔術師なんて呼ばれてないんですけど。勝手に俺を伝説にしたのはヒノキ姐さんだし」

ヒノキ「問答無用!  男なら敵と対峙したときに拳の一つも打ち合わせずに、それで済むと思っておるのか。何たる惰弱!  このヒノキ、貴様のような軟弱な弟を持った覚えなどないわ!」

NOVA「ヒノキ姐さん、ぼくは姐さんとは戦いたくないんです」

ヒノキ「ええい、新よ。お前はそれでも聖闘士か」

NOVA「いや、聖闘士じゃないんですが。ええと、この聖闘士ごっこ、いつまで続けたらいいんですかね、ゲンさん」

ゲンブ「そんなの我が知るか。こうなったら、とことん拳を交えるのも悪くないのではござらんか。音に聞く新星どのの実力、我も一見したいと存ず」

NOVA「やれやれ。そんなことをしている場合じゃないんだがな。おい、晶華、いつまで寝てるんだ。早く起きろ。俺はお前をそんなヤワな娘に設定した覚えはないぞ」

晶華「う〜ん。あ、お早う、NOVAちゃん」

NOVA「お早うじゃねえ。お前、俺の制止を振り切って、勝手にヒノキ姐さんを攻撃した挙句、何を呆気なく返り討ちにあってるんだ。おかげで、俺までとばっちりを受けて、拳を交えろって脅されているんだぞ。この責任、どう取ってくれるんだよ」

ヒノキ「責任も何も、娘の罪は保護者である父親の罪でもあろう。見苦しく言い逃れに走るとは、White NOVA、何とも見下げ果てた男よ」

NOVA「うわ、勝手に持ち上げておいて、勝手に幻滅して、何て面倒くさい御仁なんだ、ヒノキ姐さんって。こうなったら、あれを使うしかないか」

ヒノキ「あれじゃと?」

NOVA「そう。手に入れたばかりの禁断の力。その名もグレートゼオライマー。次元連結システムの力を今ここに!」


ゼオライマー、暁に出撃す

 

ヒノキ「何?  グレートゼオライマーじゃと?  全てを消し去る冥王の力を手に入れたと申すか?」

NOVA「そう。イザとなれば、烈・メイオウ攻撃で全てをチリ一つ残さず、消滅させることも辞さない」

ヒノキ「いかん。そのような力を暴走させては。正気に戻るんじゃ、新星どの」

NOVA「俺は正気です。力を示せ、と言われたら、手持ちの札で最強の力を示して、牽制するのも一手じゃないですか。ちなみに、こういうイメージ映像もありますよ」


Super Robot Taisen X-Ω - Great Zeorymer VS Neo Granzon l グレートゼオライマー VS ネオ・グランゾン

 

ヒノキ「何と。あのネオグランゾンさえ、容易く倒してしまうほどの力を備えておるのか、グレートゼオライマーは」

NOVA「ええ、目下のスパクロでは最強ユニットの一つと言ってもいいのではないでしょうか。ただし、俺の入手した機体はまだ限界突破していないので、性能をフルに発揮できない状態なんですがね。さすがに、そこまで突き詰めることはできなかったわけで、今後、限界突破素材が入手できることを願っています。とにかく、執念とラッキーで手に入れたグレートゼオライマー。この天の力、散らせるものなら散らしてみやがれい」

ヒノキ「いや、今のわらわは天の力を敵に回すような罰当たりなことはしたくないのじゃ。それはそうと、新兄さんはサブロー殿の安否をご存知ではないかえ?」

NOVA「ああ、無事だって連絡ありましたよ」

ヒノキ「ホッ、それは何よりじゃ」

晶華「それで、今回の地震は何なの?  せっかくヒノキさんが九州守護の霊的加護云々と言っていたのに、何の役にも立っていないじゃない?   どうしたって言うの?」

ヒノキ「かたじけない。全ては、わらわの不徳の致すところじゃ。済まぬ、この書物をお返しするゆえ、メイオウ攻撃で自爆するとか、花粉症ガールV3やメガネンジャー特別隊員の称号資格を取り消すことだけは勘弁願いたい」

 

遠見の水晶球と、混沌の渦

 

NOVA「とにかく、あわや一触即発の危機だったが、最悪の事態は回避された、ということでいいんですね」

ヒノキ「ああ、さしものわらわも、冥王、あるいは天の力を持ち出されては、うかつに手を出せんからのう。この勝負、今はお預けじゃ」

NOVA「ええ、こちらも今は持てる運を使い果たしていますからね。先の読めぬ戦いに費やす余力はありません。それよりも、もっと重大なことがあります」

ヒノキ「それは、コナっちゃんのことか?  それともタイムジャッカー?」

NOVA「それを知るには、遠見の水晶球の力が必要です。あれさえ使えば、ヒノキ姐さんも今の事態をより詳しく把握できるはず」

ヒノキ「水晶の設置は完了し、いつでも使う準備はできておる。が、キーワードの謎解きがまだでの。手掛かりは、この書物の126ページにあるということじゃが」

ウォーロックマガジンvol.3

ウォーロックマガジンvol.3

 

ヒノキ「答えは『アドバンスト・ファイティング・ファンタジー』か『混沌の渦』というところまで分かったのじゃが、そのうちのどちらかを確定できぬのじゃ」

NOVA「だったら、二者択一で試してみればよかったのに」

ヒノキ「そんな恐ろしいマネがどうしてできようか。運良く当たればいいが、もしも外したらどうなる?  半々の確率で生きるか死ぬかの運命が決まる大博打なのじゃぞ。もしも失敗して、水晶球に仕込まれたトラップが起動して、新コンパーニュが吹き飛ぶほどの大爆発でも起これば、わらわはまた致命的な過ちを犯してしまうことになりかねん。だから、答えが確定するまでの間、決断を保留していた次第」

NOVA「いや、どうして、そんな致命的なトラップが水晶球に仕込まれていると考えたんですか。俺なら、たった二つと分かれば、両方試してみますよ。俺の好きな四文字熟語は、試行錯誤ですし」

ヒノキ「いやいや、新兄さんもゲームマスター経験を持つ御仁であるゆえ、当然トラップを仕掛けることにも熟達しておるじゃろう。わらわなら、このようなアーティファクト級のアイテムを軽々しく迂闊に使用するならば、リスクを設定する。賢明な者だけが力を得られるようにの。賢き者は幸を手に入れ、愚かな者には報いが生じる。これこそが正しき世の理というものじゃ」

NOVA「確かに知恵は大事。一理ありますが、俺の世界観は少し異なります。巧遅は拙速に如かず。いくら頭の中で慎重に考えてもタイミングを外して出遅れては、中途半端なものでも手早く仕上げて、事態の推移に応じて臨機応変に改善していく機微にはかないません。考えすぎて行動に移せない者よりは、素早く事を成し遂げ、失敗しても再び雄々しく立ち上がる者に魅力を感じますね」

ヒノキ「それは、そなたが時空魔術師だから言えること。失敗しても、リセットを押して巻き戻せば何とかなる、と考えておるのじゃろう」

NOVA「まあ、それができることもあるでしょう。失敗したら、またやり直せばいい。失敗から学んで成長を続けるのがモットーですし。もちろん、失敗のリスクが大きい時は慎重にもなりますが、行動せずに後悔するよりは、行動して後悔した方がいいと考える人間です」

ヒノキ「で、答えはどっちじゃ。わらわは当然、AFFの可能性が高いと考えるが」

NOVA「外れ。俺はマニアだから、よりマイナーな作品を選ぶに決まっているじゃないですか。正解は『混沌の渦』です。16世紀ヨーロッパを舞台とした、巻末の薬草リストに定評のあるRPG。これです」

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初期の文庫本RPG『混沌の渦』

ヒノキ「持っておったのか」

NOVA「ええ、話題に挙げるなら、持っていないと話が深まりませんからね。NOVAのお宝、NOVAコレクションの一つだと思っていただければ」

ヒノキ「おお、それはどのような効果を発動するのじゃ(ワクワク)」

NOVA「そうですね。16世紀のヨーロッパ風の世界で冒険ができるのは基本ですが」

ヒノキ「16世紀ということは、日本では戦国時代も後半、信長や秀吉など天下人に至る時代じゃな。ヨーロッパはルネサンスを過ぎて近世に入った辺りで、大航海時代を経て絶対王政に至る時期。イングランド女王エリザベス1世が現れ、古き友シェークスピアが活躍する時代に至る。何とも風雅な時代背景よのう」

NOVA「世界観やシステムから考えて、これをもっと異世界ファンタジー寄りにブラッシュアップしたのが『ウォーハンマーRPG』だと考えていますが、それはともかく。このシステムだと、魔法は《混沌の渦》というカオスなエネルギーに接触して、現実を改変する力、と設定されています。つまり、あらゆる不可思議現象は《混沌の渦》が原因で生じるもの。ちなみに、このゲームには呪文リストが用意されておらず、魔法使いはプレイヤーの宣言どおりに、どんな効力の魔法でも発現できる可能性があるわけで」

ヒノキ「すると、わらわが《混沌の渦》の力を使えば、新兄さんの持っているNOVAコレクションを全て、わらわの物にすることもできるのじゃな」

NOVA「イヤな例えだな。ええと、普通に起こり得る現象なら第一段階、たまたま起こるかも知れない現象なら第二段階、絶対に起こらないわけじゃないけど滅多に起こらないような現象なら第三段階、普通は起こらない凄い偶然かつ驚きの現象が第四段階、物理的に不可能と考えられる現象が第五段階、と区分けされて成功の難易度が決まる」

ヒノキ「ふむ。新兄さんがわらわにプレゼントをくれる魔法は?」

NOVA「親しい友人なら第一段階だけど、クリスマスや誕生日といった理由がなければ第二段階かな。NOVAコレクションに分類されるルールブックなどを手放す気にさせるのは第三段階かも」

ヒノキ「ふむ、第三段階か。その魔法だと、他にどんなことができるのじゃ?」

NOVA「ルールブックに例示されているのは、『突然何かが屋根の上から落ちてきたり、部屋の隅の死体に誰も気づかずに通り過ぎたり、弓のつるが切れたり、滝の上の綱渡りに成功したり、ふつうの人が冬の夜を屋外で生き抜いたり』といった感じだな。俺流に例えるなら、『なぜかキツツキが飛んで来るのは第三段階で、それが腹に突き刺さって爆死するのは第五段階』と言ったところかな」

ヒノキ「なるほど。どうして唐突にキツツキネタが出てくるのかも謎だが、新兄さんにキツツキネタを語らせる魔法は、せいぜい第一段階と言ったところかの」

NOVA「いやいや、キツツキネタは年を越えて、今なお生き残っていますよ。ツイッターで、今もネタに出ますもん。シャケネタはすぐに鎮静化したのに、キツツキネタは何故か尾を引き続けているのが一部世界の現状だったり。ところで、キツツキ召喚の術という形で、意図的にタイミングよくキツツキを呼び出して、相手を攻撃させるのは第四段階ってところかな」

ヒノキ「つまり、NOVAコレクションを新兄さんから譲られることよりも、キツツキ召喚の術の方が難易度が高い、と」

NOVA「うっ。キツツキに負けるのは悔しいが、現実的に考えるとそうなるな。キツツキを呼べば、どこからともなく飛んで来る可能性よりは、俺が親しい友人と目する相手に大事な持ち物を託す可能性の方が高いわけで。もちろん、キツツキの多い森を舞台にしていたり、ヒナの頃から大切にキツツキを育てていれば、キツツキを呼べる可能性も高まるだろうけど」

ヒノキ「よし、これでNOVAコレクションがわらわの物になる日も近い。キツツキを召喚するよりも簡単なのじゃからな」

NOVA「だが、しかし、俺だって何の抵抗もせずに、NOVAコレクションを奪われるわけにはいかん。俺も魔法使いなんだし、強靭な意志力で抵抗することで、大事なお宝を守ろうとすることはできるんだぜ。俺の精神抵抗力、コレクションへの愛を打ち破るのは、生半可なことではない」

ヒノキ「おのれ、新兄さん。まだ抵抗するか。どうしても、NOVAコレクションを渡さぬと申すか」

NOVA「そうだ。命に代えても……と言うつもりはさすがにないが、誰かの大切なものを奪ったり、傷つけたりするような行為は、日野木アリナよ、天罰に値する極悪非道な所業と心知れい」

ヒノキ「ハッ。わらわとしたことが、お宝への欲望に目がくらみ、危うく新兄さんとの大切な関係を壊してしまうところであった。恐るべきはNOVAコレクションの呪縛力よ。まるで一つの指輪のように、わらわの心を蝕んでいく。『混沌の渦』がこれほどの誘惑力を内包していたとは」

NOVA「ええ、俺も『混沌の渦』の話をしていて、キツツキが何故出てきたのか、さっぱり分からないわけで。やはり、キツツキは妄想と混沌の使者なのかも」

ヒノキ「うむ。そのうち、混沌と妄想を司るキツツキ座の聖闘士が出現するやもしれんな」

 

旧き塔に潜む邪気

 

晶華「ああ、NOVAちゃん。長い寄り道から帰って来れた?」

NOVA「寄り道じゃない。ヒノキ姐さんを遠見の水晶球と、力の源である《混沌の渦》に同調させる言霊儀式だったんだが、何とか無事に終わったぞ」

ヒノキ「恐ろしい試練じゃった。自分の内なる欲望を制御して、我を取り戻すことがかくも困難だとは思いも寄らなかったわ。魔術とTRPGと妄想の世界はまだまだ奥が深いものよのう」

ゲンブ「我にはちっとも理解できぬ会話であったが、お二方の間で通じあったのなら、それが何よりでござる」

NOVA「それでは、遠見の水晶球を早速使ってみましょう」

ヒノキ「任せるのじゃ。キーワードは混沌の渦。おお、水晶球の中に何やら映像が浮かび上がって来たぞ」

NOVA「そのまま意識を集中して下さい。映像が何か見定めるのです」

ヒノキ「これはコンパーニュの塔。しかし、ここではない。旧世界に残した塔じゃが、何やら邪悪な影みたいな歪みに覆われておる。わらわ達が出て行った後、何者かが棲みついたようじゃの。無人とはいえ、何者も侵入できぬよう結界を施してあったはずじゃが」

NOVA「もしかすると、結界を破って侵入した連中のせいで、九州の地脈が乱れたのかもしれない。コンパーニュの結界は、そう簡単には抜けないはず。それができるとすれば、俺のように時空を操作する技を使える者か?」

ヒノキ「すなわち……」

NOVA&ヒノキ『タイムジャッカー!』

 

(旧空想タイム記事「タイムジャッカーVS時空魔術師!?」につづく)