ミッションを終わらせるために
GM(ヒノキ)「14日めの夜、お主たち烈火団は【岩棚の城塞】にて、ガンツフォートの驕王と称するゴブリン王ムルカグンドリの酒宴に誘われ、そして深夜が過ぎて夜明け前となった」
デル(リトル)「徹夜したのかぁ?」
GM「そうしたければ構わないが、ゴブリンたちは完全に無警戒で酔いつぶれておる」
ホリー(シロ)「ボクも完全に酔いつぶれて、フカフカのイノセントの傍らで熟睡している」
デル「うう、周りがそういう状態で、一人だけ起きているのも辛いなぁ。警戒しながらも、そのうち、うつらうつらと寝入ってしまいそうだぁ」
G太郎(ゲンブ)「まあ、前回のラストで、ゴブリン王がパトロン候補になるという話を聞かされたでござるからなあ。こちらから敵意を向けない限りは、相手から攻撃してくることはないと見た。相手がこちらを騙そうとしているなら、GMも我らが不信感を抱かなかったかダイスを振らせてくれるであろう。そういう気配も見せずに、騙そうとするマスタリングは決してフェアではあるまい」
GM「もちろん、わらわはフェアなGMを心掛けておるため、警告もなしにプレイヤーキャラを騙し討ちするようなマネはせんつもりじゃ。ムルカグンドリは、強者としてG太郎の友になりたいと語ったことは本当であるゆえ、現段階では敵対するようなマネはせん。少なくとも、一宿一飯の恩義ぐらいは着せようとする」
デル「ところで、一宿は寝泊まりできる場所だからいいとして、一飯が気になるなぁ。こいつら、ワインの肴として何を食べてるんだぁ? 油断しているとイノセントを食べようとしやがるぐらいだからなぁ」
GM「それを気にすると、語らぬわけにはいかんのう。蛮族は人肉も平気で食べるし、時には共喰いだってする。昨夜、お主たちが試合の形で倒したゴブ三郎と他2名のゴブリン肉が、宴の供物として振る舞われたのじゃ」
デル「ゲッ、そういう食習慣には合わせられねぇ。オラは修行の一環と言い張って、勧められた食べ物は断り、自分の保存食だけを食べるぞぉ」
ホリー「もちろん、ボクもだ」
G太郎「ということで、我らは一宿の恩義だけで、一飯については丁重に辞退申そう。食習慣の違いゆえ、ゴブリン料理は口に合わないと述べて、悪気はないことを伝えてな」
GM「『まあ、お前たちはゴブリンじゃないからな』とムルカグンドリは受け入れてくれた。他のゴブリンたちも、自分たちの食べる分が減らないことを喜んでいた。……と言うことで、保存食を1日分減らすように。ホリーだけは、イノセントの分も合わせて2日分じゃ」
ホリー「仕方ないなあ。後で、人族の拠点で保存食を補充しておこう。ここでは寝泊まりできても、食事は自分持ちと考えよう」
GM「では、一晩休んで夜明け前。酔いつぶれたホリーだけは、1D振るように」
ホリー「1」
GM「では、1tb時間だけ二日酔いで、行動判定にマイナス1じゃ。まあ、昼には回復している二日酔いなぞ、大したことはないがの」
ホリー「小さい出目でよかった」
G太郎「さて、ここから南へ帰還することになるのでござるが、【城塞】の真南は【隠者の迷路】とか言っておったな。もしかして、素通りできずに迷ってしまう場所か?」
GM「その通り、とムルカグンドリは言った」
G太郎「ならば、荷車にワイン樽を乗せて進まねばならん以上、迷路をさ迷い歩くのは勘弁願いたい。迷路の中の隠者とは会っておきたいが、それはまた別の機会にするでござる。今は、葡萄酒ミッションの達成に専念しよう。そのためには、また西に戻って、【凱旋門】からまっすぐ南下するコースを辿るでござる」
GM「では、出立する烈火団に対して、ムルカグンドリは『そちらの仕事が済めば、すぐに余に会いに来てくれ。神殿のアンデッドを退治したお前たちなら、グールメイジどもも殲滅できるだろう。期待しておるぞ』と念を押すように訴える」
G太郎「グールメイジとは、どれだけの強さでござるか?」
GM「レベル5で単体戦闘力は大したことはないが、名前のとおり真語魔法4レベルを使ってきて、しかも知性を持ち、配下のアンデッドを率いて群れで襲ってくる。その上、普段は地下の迷宮に潜んでいるから、討伐が面倒くさい。さらに麻痺毒や病気を感染させてくるから、プリーストなしでは戦いたくないそうじゃ」
デル「なるほど。アンデッド退治なら、プリーストが専門家ということか」
ホリー「相手がアンデッドなら人蛮共通の敵。そういうことなら、協力してもいいだろうなあ。〈光のアミュレット〉も無駄にならないし」
G太郎「では、アンデッド退治ミッション、遠からず引き受けに来るでござるよ」
ムルカグンドリ『それでこそ、余が友と見込んだマッスルG太郎と烈火団だ。その武勲に誉れあれ』
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