九州のヒーロー
NOVA『ヒノキ姐さん、今さらながら、新年明けましておめでとうございます』
ヒノキ「おお、新兄さんも息災そうで何よりじゃ」
NOVA『ところで、今回はドゲンジャーズについて話を伺いたいんですが』
ヒノキ「何じゃ、やぶからぼうに?」
NOVA『ええ、九州ローカルのヒーロー番組が東京で放送されていると聞きまして。しかも、春から第2シーズンが始まるそうじゃないですか。ナレーションが関智一で、主役格のヒーローの声がレッドレーサー岸祐二とか、スーツアクターに知ってる人がいろいろといるという話を聞いて、詳しい人に教えてもらおうと思いまして』
ヒノキ「ふむ。特撮ヒーローマニアとして年季の入った新兄さんに、わらわが教えを乞われるとは珍しいこともあるようじゃの」
NOVA『いや、マニアだからこそ、自分の知識の限界は自覚して、先達に真摯に話を聞きたいと思うもの。知らないことでテキトーな知ったかを話して、知識人ぶることなどマニアとして愚の骨頂。何しろ、マニアの世界ではテキトーについた嘘などすぐにバレるわけで、下手なメッキで自分を飾る行為こそ忌み嫌われるもの。己の無知を認め、さらなる知への扉を謙虚に探究する心こそ、マニアの王道なれ』
ヒノキ「YouTubeで配信されておらんのか?」
NOVA『仮面ライダーディケイドの井上正大氏が、感想動画をアップしてました』
特撮番組『ドゲンジャーズ 』予告 【4月12日(日)放映開始】
ヒノキ「これ、本編よりもディケイドのツッコミ見てる方が楽しめるのでは?」
NOVA『とりあえず、主役の変身までは見たいので、2話のレビューも貼り付けときます』
NOVA『なるほど、大体分かった。 アキバレンジャーをさらに緩くした作風で、アクションは力入っている時もあるけど、基本はヒーローと悪役の日常バタバタコメディーって感じかあ。真面目に感じ入るよりも、クスッと苦笑しながら、サプライズ演出をふんわり楽しむお茶らけ作品だ。しかし、ルーキーの土下座シーンで笑った。やっぱ、土下座してるじゃん』
ヒノキ「お主は、わらわの話を聞くために来たのじゃないのか?」
NOVA『いや、もうディケイドのレビューで十分笑わせてもらいました。これにて、一件落着です。一応、宣伝だけはしておきますな』
ヒノキ「主役ヒーローが薬剤戦師オーガマンの力を受け継いだ新人ルーキーということで、ある意味ヒーリング(癒し系)ヒーローじゃな。実にタイムリーと言えよう」
NOVA『ともかく、ヒノキ姐さんのおかげで、ドゲンジャーズについて少しは分かった気がします。それでは、俺はこれで。妖精郷がありますので。魔神ハンターの方は頑張って下さい』
ヒノキ「……わらわは何もしておらんがの。単に話の聞き役になっただけじゃが、まあ、適当に相槌を打ってやれば、自分で考えて、自分で勝手に解決する者もいるということか」
大いなる神像と神殿解放
GM(ヒノキ)「では、魔神ハンターの続きをプレイするのじゃ」
G太郎(ゲンブ)「前回は、亡者の神殿からライフォス神像を持ち帰ったでござる」
デル(リトル)「それと〈銀の蜜蜂〉という組織に手紙を持って行って、〈ジーズドルフ解放軍〉との連携を打診したんだなぁ」
ホリー(シロ)「組織の目指す方向が違うということで、適度な距離を模索するって流れになった」
GM「うむ。少し回想的に補足すると、亡者の神殿から出て行く際、ライフォス神像が強烈な光を発して、神殿を浄化したことにする。つまり、この神殿は【亡者の神殿】改め【解放された神殿】と名前を変えることにしよう。少なくとも今しばらくは、アンデッドは発生せずに、神殿で安全に寝泊まりできるものとする。ただし、食事は出ないので、ここで休むと保存食は消費するがの」
G太郎「それでも、ただで寝泊まりできる場所が追加されたのは大きい。今後、北を探索する際の拠点として重宝するでござる」
GM「本来のシナリオでは、ここのミッションをクリアしても、アンデッドは出現し続け、それを倒すたびにお宝探しができるのじゃが、ただの時間の浪費にしかならんと思って、改変した。ここで経験点稼ぎをするよりも、北の魔窟に潜る方がよほど儲かるじゃろうし、お主たちの仕事はアンデッドハンターでなく、魔神ハンターじゃからのう」
●ミストグレイヴ上層階の地図
(青字は拠点および宿泊可能地点。赤字は目的地。
緑字は新規に記入)
蛇の酒蔵ー凱旋門ー?
(梯子) (魔窟)
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コボルド窟ー金床ー ? ー ?l l l
大水車ー解放のー煌びやかな
l 神殿 大通路
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物乞い市場ー 騎獣ー水没通路
(蜜蜂) 調教所 (梯子)
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肉の穴ー処刑遊戯場
(解放軍)
デル「では、神殿の呪いを解放して、神像を持ってきて、〈銀の蜜蜂〉からの返信を届けて、次の作戦会議ってことだなぁ」
GM「12日めの朝、仕事をうまく終わらせてきたお主たちに、マルクスは喜びとねぎらいの言葉をかける」
マルクス『そうか。破壊された神殿が、神の力で解放されたとは素晴らしい。これぞ、我らがジーズドルフの解放の日が近いことの前触れかもしれん。〈烈火団〉の諸君。君たちの活躍にもライフォス様の讃えあれ。よし、こうなれば神殿を我らの新たな拠点として、次なる作戦行動を取るべき時かな』
ラルカン『マルクス様。その任務は是非とも私にお任せあれ。解放軍の主力を神殿に派遣して、そこで陣を構築する。そして、このまま一気に煌びやか卿の拠点たる大通路を攻略し、囚われた奴隷たちを解放して……』
マルクス『いや、ラルカン、いくら何でも性急すぎるだろう。まずは、少数の精鋭だけで神殿を探索し、使えそうな物資を回収して、密かに前線基地として使えるか使えないかを調査するだけに留めよう。軍まで派遣して、大掛かりに事を進めるのはまだまだ危険性が大きい』
ラルカン『しかし、〈銀の蜜蜂〉が協力してくれるとなれば、今こそ我らが決起の絶好の機会。蛮族どもに虐げられた人族の恨みを爆発させるのは、この時を置いて他にはないのではありますまいか』
マルクス『〈銀の蜜蜂〉は軍事的行動には協力しないそうだ。情報収集のみ協力する、と手紙には書いてあった』
ラルカン『何ですと? そんな惰弱な組織とは、それでもレジスタンスか!?』
G太郎「ああ、お言葉でござるが、ラルカン殿。〈銀の蜜蜂〉はトップが女性であるため、荒事には向いていないのでござるよ」
ホリー「まあ、荒事が得意な女性もいないわけじゃないんだけどね。それでも組織の方針が違うんだし、向こうは軍と名乗っているわけでもないんだから、勝手に戦闘力を期待しても、的外れじゃないか? 相手にだって相手の都合がある。自分ところの戦力が足りないからって、他所の戦力を求めて、思い通りにならないからって惰弱呼ばわりするのは、同盟ってものを分かってないんじゃないかな」
ラルカン『むっ。確かに言いすぎたようだな。少し頭に血が昇ったようだ。トップが女性ということなら、惰弱という言葉も改めねばなるまい。それぞれの役割、できる範囲の活動というものがあるのだろうからな』
デル「口止めされているから言葉には出さないけど、向こうのトップのソニア・ゾラはスキュラ、レベル8蛮族みたいだからなぁ。たぶん、ラルカンのおっちゃんよりも強いだろうさぁ」
GM「ならば、わらわも念のために明言しておくと、ラルカン自身は古風な武人キャラで、男は戦場へ、女は危険なことをせずにバックアップに務めるべし、という価値観を持っているキャラじゃ。しかし、GMとしては当然、そういう風に考えていないことを示しておくぞ。もちろん、作者の新兄さんもな。創作作品の一部のキャラの言動を切り取って、作者が差別思想を持っていると非難するのは、時代背景やら自分と異なるキャラへの理解が足りぬ逆差別主義者というのが、わらわの考えじゃが、あえて火に油を注ぐ真似をするのは、わらわの本意ではない」
G太郎「アリナ様なら喜んで火を付けたりもしそうでござるが、ここではラルカンが過激な暴言を口にしたのを、他のキャラが宥めたということで問題なかろう」
GM「うむ。一通りの報告などを受けとったマルクスは、それを元に今後のプランを練る。まずは、入手したライフォス神像を〈解放軍〉の拠点に設置し、その50mに見える幻の威容をもって、人々の信仰と希望を掻き立てる。そして一部のメンバーを派遣して、密かに神殿の調査活動に従事させる。
「一方で、お主たちに頼みたいミッションは、いつでも受注可能な食料調達以外、新しいものはない。平均レベル6に達したら、新たなミッションが立ち上がるのじゃが」
ホリー「今は平均レベル5に上がったばかりだし、まだまだ先の話ですね」
GM「クエストでは、相変わらず解放軍のメンバー集めが求められておる。今は4人じゃが、これが6人に達すると、新たなクエストが発生する。他には、新たな情報が2点ばかり話題になった」
G太郎「どんな情報でござるか?」
GM「1つは、ジーズドルフの歴史で、街を築いた三祖の伝説が語られる。『堅牢なるゾラエンテス』『才知あふれるセランシェ』『猛々しきスエラ』の3兄妹が街の建設の祖と言われておるそうじゃ」
G太郎「はて、3人だけでござるか? 私が前に地上で聞いたところによれば、もう一人の妹、『慈愛深きシェラシース』という御仁がいて、四祖だという話でござったが」
マルクス『なかなか博学じゃないか。確かに、そういう説もある。しかし、シェラシースの名は古文書に見られるものの、3兄妹のさらに妹だとする証拠がないのだ。童歌や口承によれば4兄妹と歌われていて、シェラシースが3人を助けて後を継いだとされるし、その存在を疑う者はいないが、妹ではなくて外から来た人物説、あるいは3人の王族に仕えたルーンフォーク説、はたまたセランシェの影武者の侍女説など、諸説あってだな。歴史の専門家の間では解釈が分かれているらしい』
G太郎「シェラシースがルーンフォークかもしれない、というのは興味深い話でござるな。実は人ならざる魔神だったという説は?」
マルクス『いくら何でも、それはないだろう。冗談にしてはキツ過ぎる。大体、魔神がどうして人間の王族に仕えて、助けてくれるんだ?』
G太郎「古代魔法文明時代は、人族の魔法使いが魔神を使役したという話もござるが」
マルクス『時代が違う。確かに、翠将が住まうという翡翠の塔は、魔法文明時代の産物らしいが、三祖あるいは四祖の時代はその後の魔動機文明時代に当たる。ルーンフォークなら有り得るが、魔神など有り得ん。いくら何でもシェラシースを魔神呼ばわりは、失礼にも程がある。言って良いことと悪いことは弁えるべきであろう』
G太郎「……いささか言葉が滑ったようでござるな。私もルーンフォークとして、魔神扱いされるのは勘弁願いたいもの」
マルクス『そうであろう。我らシャドウ族も容姿で差別されては来たが、人族として受け入れてもらっている。ルーンフォークも同様のはず。しかし、魔神は人族ではなく、蛮族以上に邪悪な化け物だからな』
G太郎「……心がズキズキ痛みながらも、笑顔は絶やさないでござる。どうやら、ここで正体を明かすわけにはいかないようだと理解して、もう一つの情報に水を向けるとしよう」
GM「情報その2は、お主たちが街を脱出するルートについて。【地底湖の畔】にいるマーマン族がシェス湖へ至る抜け穴を管理しているらしい」
ホリー「略奪品についても、マーマンの一族が詳しいみたいだし、彼らとの接触が今後の課題になりそうだ」
デル「そのためにも、北方の探索を進めないとなぁ」
G太郎「拠点の神殿ができたんだから、そこを中心に探索を進めるとよさそうでござるな」
マルクス『とにかく、我らの方は神殿の調査の準備に取り掛かるので、君たちは〈銀の蜜蜂〉の方を助けてやってくれないか? 彼女たちとの関係が深まれば、我らの活動も行いやすくなるだろうし、この件を任せられるのは君たちしかいないのでね』
G太郎「では、神殿調査の方はお任せしたでござる。我らは〈銀の蜜蜂〉との折衝担当ってことで」
6人の囚われ人
12日めの昼、一行はもう一度、物乞い市場にあるビシャナの宿屋に向かった。
しかし、その途中でランダムイベントが発生して、予定の変更を余儀なくされることに。
GM「北への道中に、囚人が入った檻が放置されているのが目に留まるのじゃ。囚人の数は……1dを振るがいい」
デル「(1コロ)6キター」
GM「何と。この囚人たちを救出すると、解放軍のメンバーとしてスカウトできるのじゃが、まさか一度に6人も増えるとはのう。ネーミングもキャラ付けも大変じゃ」
G太郎「6人で1セットだと、おそ松くんではどうでござろうか」
ホリー「ええと、ネット検索で調べると、おそ松、カラ松、チョロ松、一松、十四松、トド松となってますね」
GM「う〜む。それならば、オーソン、カール、チョロン、イーチン、トッシー、トッドの6人で決定じゃ。6人の個性付けなどは、さすがに今とっさに思いつくはずがない」
G太郎「モブ兵士候補ということで、ラルカン殿の軍の予備役扱いでござろうか。こやつらを連れて、一度、南へ引き返す方がいいと見た」
GM「まずは檻から解放してやらねばのう」
G太郎「そもそも、どうしてこんなところに檻が? 何かの罠と思うのが当然であって、警戒しながら近づくでござる」
GM「探索判定で目標値14じゃ」
G太郎「19で成功でござる」
GM「ならば、地面から槍が突き出して来るのじゃが、それを予期したG太郎は難なくかわした。と同時に、物陰からダークドワーフの狂神官が現れ、『貴様たちも我が神グレンダールの生贄にしてくれる〜』と狂気の笑顔で襲いかかってくる」
デル「グレンダール様は生贄なんて求めてない。お前の信仰は間違っているぞぉ」
狂神官『お前ごときドレイクにグレンダール様の何が分かると言うんじゃ〜。グレンダールは我らがダークドワーフの神なり。異種族が信じることは認め〜ん』
デル「お前が認めなくても、オラはグレンダール様の神官なんだ〜。どっちの信仰が正しいか、勝負だぁ」
狂神官『望むところよ〜。真に鍛えられし者の力を見せつけてくれるわ〜』
G太郎「ええと、私には信仰というものがよく分からんのだが、鍛えられし者の力でよければ、はい、先制判定成功。4連続キックで勝ったでよろしいな」
GM「HP35じゃが、一応、防護点は8点あるからのう。67点ダメージを与えられるかどうか試してみるべきじゃろう」
G太郎「命中判定4連発。ぐおっ。1回ピンゾロを振ったでござる。残り3回の攻撃で……6ゾロクリティカル31点、23点、17点でござったが、どうかな?」
GM「ピンゾロとか6ゾロとか忙しいダイス目みたいじゃが、防護点を引いて受けたダメージは……23点、15点、以下略でサクッと倒されて戦闘終了」
G太郎「戦利品判定は特技のボーナスを足して11」
GM「豪華な武器(500G)と、破皇のメダリオン(100G)じゃのう。檻には鍵が掛かっているが、目標値14の解錠判定ぐらい出るじゃろうな」
G太郎「ピンゾロじゃないので成功」
GM「なら、もう少しで生贄として炎に焼かれる運命だったオーソンたち6人は無事に解放された。お主たちに感謝の涙を流し、たちまち説得されて、レジスタンスの仲間になる決意をした。やれやれ、まさかのランダムイベントで、一気に解放軍のスカウト人員が10人に膨れ上がるとは思わなかったのう」
デル「マルクスさん、ラルカンさん、解放軍の新しい仲間を6人連れてきたぜぇ」
マルクス『何だと? これもライフォス様のご加護か』
ラルカン『よ〜し、お前たちは私がこれからビシバシ鍛えてやるぞ〜』
オーソンたち6人『押忍! 噂のマッスルG太郎さんに救われた命、解放軍のために捧げさせてもらいやす』
このイベントで★3つと、9000G分のアイテムを稼ぎ出した一行だった。美味しすぎる。
GM「それで、フラグが立って、一気に情報が増えた形じゃが、今回は処理が煩雑になるので、ミッションを終えてからにしよう。形としては、オーソンたちが持って来た情報なので、マルクスもじっくり検討した上で、お主たちに伝えるということじゃ」
G太郎「では、改めてビシャナの宿屋に向かうでござる」
ルール変更の是非論
GM「同じ場所でのランダムイベント判定は省略じゃ。 それと、拠点となった場所同士の移動では、今後ランダム判定はなしという形にしよう。すなわち【肉の穴】と【物乞い市場】間の移動ではランダムイベントなしにスムーズに行き来できるものとする」
G太郎「我らが何度も行き来を重ねるうちに、この辺りは平和になったということでござるな」
GM「ランダムイベントは思いがけないサプライズが面白い反面、プレイのスムーズさを削ぐ欠点があるからのう。ストーリーの興を削ぐ場合は、GM裁量で融通を利かせるのもありじゃろう。とりあえず、拠点間の移動ではランダムイベントは発生しないということを、今後の方針にする。そして安全な拠点が増えていけば、ランダムイベントの生じない区間も今後増えていくということで」
G太郎「移動がスムーズに行えるというのは、プレイアビリティが高まっていい改変でござるな」
GM「当然のことじゃが、TRPGのルールやシナリオのガイドラインは参加者が楽しむためにあるもの。GMと参加プレイヤーの合意があれば、その場での裁定指針を変更したり追加したりするのは自由。もちろん、合意に至れなければルールやシナリオの記述に従うべきじゃろう。そこで求められるのは、『どうして、そのルールを使うか、あるいは使わないのかを参加者に納得できる形で説明できること』じゃ。最終的な判断はGMに一任されるが、TRPGは言葉でのコミュニケーションを旨とするゲームのため、要望やプレイ方針などを確認しながら進めることが望ましい」
G太郎「つまり、決まっていることを『変えるべき』という発言は、その変えるべき理由をきちんと説明できてこそ主張してよい、ということでござるな」
GM「そう。ルールや法に口出しすることが許されるのは、法学者などの専門家か、ルールを運用あるいはプレイに関わる当事者などじゃ。もちろん、ルールデザイナーやディベロッパーなどが自分たちの商品を『より良くするため』に改善案を主張するのはそれが仕事じゃが、趣味の世界では『自分の好みのために、自分の裁量権を持たない物事に過剰に口を挟みたい輩』が稀に発生するようじゃのう」
ホリー「スポーツ観戦をしていて、スランプの投手を見て『ピッチャー交代すべきだろう』とTVに対して文句をつぶやく親父みたいなものですね」
G太郎「あるいは、『推しのアイドルがセンターに来るべきだ』と、そのアイドルへのこだわりを示したいファンとか」
デル「『〜〜すべき』という言葉は、『〜〜して当然』『〜〜するのが正しい』という強い主張を訴える言い回しで、軽々しく使うべきじゃないと思うなぁ」
GM「そうすれば、世の中がうまく回る、あるいは自分を含む関係者が幸せになれる、少なくとも自分と同じ考えを持つ者が満足できるという意味合いじゃろうが、当然、その言葉は強い強制力を示すので、その考えに同意できない者にとっては反論のターゲットにもなろう。すなわち、同意できない者に挑戦状を叩きつけたに等しい言辞だからのう」
G太郎「『ピッチャー交代』に対しては、そのピッチャーを応援している者がいれば、『いや、ここが踏ん張りどころですよ。まだまだ行けます』と言ったりするだろうし、『アイドル』に関しては『いやいや、ぼくはこっちを推しますから、センターの座は譲れませんよ』と返しが来る。その上で、互いの意見を激論交わすきっかけにもなって、そこから相互のこだわりを理解しあったり、感情衝突が亀裂になって人間関係を破壊したり、まあ、いろいろでござるなあ」
GM「ケンカ上等の評論家や、根拠を示しての著書での表現とか自分の意見を強調する場面での使用が望ましいが、その言葉の使用が『専門家っぽく見える』という安易な理由で使っている者がいるとすれば、わらわの目には愚かに見えるのう。主に、よそのコメント欄の話じゃが」
ホリー「『エンハンサーがMP消費するのは違和感があるので、別のリソース消費に変えるべき』というそこだけの主張ですか。ぼくたちは全員、エンハンサー技能をとっていて有効活用していると考えますので、プレイヤー全員が当事者として反論する権利がありますね」
GM「そもそも『MP消費に違和感』という言葉に同意を覚えないので、そこを納得させなければ、その後の『〜〜すべき』が正当なものかも判断できん。聞いてみると、その御仁は『いろいろな物事に違和感を覚えがち』なので、さぞや世の中に生きにくさを感じておるのかもしれんが、個人の背景はさておき、誰かとの会話をつなげようとしたら、『その違和感の正体を、自分の言葉で説明しないことには上手く伝わらん。個人の心の中身はある程度、言葉を費やして表現されないことには、察する材料にも事欠く』からのう。ましてや、『ルールを変えるべき』という強い言辞は、そのルールを使って実際に遊んでいる者からすれば、『その言葉に一考の価値があるだろうか?』という問題提起になりかねんが、まあ、結論からすれば『現行ルールを変えるほどの説得力は持たないし、ただの難癖でしかないので、大したことを言っているわけじゃない。表現だけが大きいが、中身を伴わない戯言である』と言わざるを得ない」
G太郎「TRPGのルールにあれこれ言及するのは、マニアのたしなみというところはあるが、総じてルールの読み込みや実際のプレイ経験の裏付けがあってこそ、マニア同士の敬意を示されよう。ルール改変については、『このルールは処理ばかりが煩雑になるので、ここでは割愛しておこう』『このルールは、こう扱うとうまく機能するので、お勧め』『このルールとこっちのルールを組み合わせると、こんなに面白いことができる。だけど、プレイヤーに有利すぎるので、ゲームバランスが崩壊するよな(笑)』『いや、その場合、GMはこう対応すれば問題ないですよ』などと談義を交わして、ルールの是非を巡るのが通の会話と言えよう。要は、そのシステムでどう面白く遊べるか、どのルールだとプレイが失敗して苦労したのか、生きたルール談義というのはそういうことであろう。ルールにケチを付けるからには、そうするだけの背景があってこそ説得力を増すが、その背景なしに根拠不明の言動でルール批判をするのでは、そのルールのファンを敵に回す愚行となりかねん」
GM「まあ、何というか、『自分もその作品のファンとして、敬意をもって遇して欲しいのだろうに、わざわざ、その作品を傷つけるようなことを口にして(しかも、その言いがかりのレベルが低い)ファンの神経を逆撫でして、何をしたいのか?』というツッコミどころじゃな。好きな女の子に素直になれずに傷つける、小学生男子の心理状態でも働いているのじゃろうか?」
ホリー「『作品批評はマニアのたしなみ、そうすることで自分もマニアとして認められる』と考えているのでしょうかね」
GM「それは手段と目的を履き違えているのう。マニアの目的は作品を楽しむことであって、『どうすれば、その作品をより楽しめるか』を追求する過程が批評行為とも言えよう。つまり、『自分は作品をこれだけ楽しんでますよ』アピールを示すのがマニアの道であり、批評行為の目的も『現状には、こういう問題点があるので、こうすればもっと良くなるのではないか』という提案の一部。そのためには問題点の指摘や分析、原因を探る過程が必要なのであって、そこから先のもっと良い未来や展望まで語ってこその批評活動と言えよう。そういう目的意識を見失った批判のための批評には、何の価値もないとわらわは考える」
G太郎「ずいぶん、話が寄り道したでござるなあ」
GM「作者が悪い。ともあれ、ルールの変更やシナリオ記述のアレンジは、場のプレイヤーが楽しめるものにするという前提があって、ゲームにおける全ての改変は、そうすることでゲームが楽しいものになるという意識があってこそじゃ」
ホリー「ただし、課金ルールの変更や、プレイヤーが不利になる改変については、運営側の事情あってこそで、ユーザーフレンドリーとは言い難いですけどね」
GM「ルール変更はたびたびトラブルの元になるからのう」
G太郎「最近、気づいたことでござるが、レンジャー5レベルの追加戦闘特技が、2.0では自分への回復効果を1点高める《治癒適性》だったのが、2.5では抵抗力に関わる《サバイバビリティ》に変更されたのでござるなあ。自分でキャラを育ててレンジャーレベルをそこまで上げて、たまたま古い方のルールをチラ見していたら、思わず発見した結果でござる」
GM「これも実際のプレイを経て、レンジャー5レベルともなれば、回復能力が1点上がっても大して有効ではないという意見が出たのじゃろうな。やはりTRPGのルールというのは、実プレイを経ないと分からないところが多くて、最低でもキャラクター作りぐらいはしないと、個々のデータの良し悪しは見えて来ん。逆にルール批判をするということは、その人物のプレイ経験を露骨に示すことになる。『マニアぶった批判』と『マニアならではの批判』のレベルが違うのは、『マニアは作品を楽しんでいる』という前提があるので、そのやり込み具合や発見が言葉の端々に出てくる。『よく知らんのに悪口』と『よく知っているからこそ出てくる悪口』の差という奴かのう」
G太郎「その上で、『前の《治癒適性》の方が良かったのに、どうして《治癒適性》がなくなったんだよ? GMお願い。2.0時代から育ててきたぼくのレンジャーは、2.5にコンバートしても《治癒適性》を残して欲しいんだ。《サバイバビリティ》なんてなくてもいいからさ』と訴えるプレイヤーもいるのでござろう」
GM「何かを変えるということは必ず、変えて良かった派と、前の方が良かった派の両方の意見が出るものじゃからな。どちらが多数派になるか、その割合がいかほどかは個々の事例があろうが、変えたことで不満を持つ者は必ず出て来るので、変えるだけの理由をしっかり提示することが求められるわけだし、変わったことで生じるメリット、デメリットをしっかり分析できれば研究と言える」
ホリー「物事の変化を見据えるというのは、そういうことなんですね」
GM「で、G太郎の《サバイバビリティ》は、《治癒適性》に置き換えてもいいのか? わらわは別にどっちでもいいが」
G太郎「さっきのは、あくまで《治癒適性》にこだわるようなファンの例示でござる。やはり、このレベル帯では回復が1点増えることで助かる局面は稀でござろう。自然環境下で抵抗を1日1回自動成功できる《サバイバビリティ》の方が強力な効果であることは間違いないゆえ、わざわざ戻す必要は感じない。もちろん、両方もらえるならそれに越したことはないでござるが」
GM「そいつは贅沢というものじゃ(苦笑)。では、さらば《治癒適性》ということで問題ないな」
蜜蜂のミッション
GM「いささか寄り道が過ぎたが、時間は12日めの夕方なのじゃ。もちろん、空が見えるわけではないので、腹具合その他の体感時間での判断じゃが。お主たちはビシャナの宿屋に無事に到着した」
G太郎「では、挨拶など適当に済ませて、早速、仕事の話に参ろう」
ホリー「ここでの交渉事はG太郎に任せた。ボクはミサとコヨミを愛でてるから」
GM「スキンシップを図ろうとするホリーに対して、コヨミは怯えて泣き出し、ミサは私に触らないで、と睨みつける」
ホリー「……ボクじゃこの娘たちの癒しにはなれないのか? 仕方ない。ここはイノセントの力を借りよう」
デル「イノセントに愛でさせるのかぁ?」
ホリー「逆だ。この娘たちにイノセントを愛でてもらう。ほ〜ら、イノセントだよ〜。フカフカモフモフで可愛いだろう」
GM「では、コヨミとミサは最初、イノセントに恐る恐る近づいてみたけど、おとなしくしているのが分かって、やがてキャッキャと撫で始める」
ホリー「フッ。ボクとイノセントは騎芸【以心伝心】で感覚を共有しているからな。イノセントが撫でられるということは、すなわちボクが撫でられていることに等しい。つまり、美少女2人に撫でられることで、ボクは幸せを感じるという寸法だ」
デル「うわあ、ホリー姉さんの変態度がますます加速しているぅ」
GM「残念ながら、【以心伝心】は騎手が騎乗状態でないと発動しない」
ホリー「何だと? だったら、ボクがイノセントに騎乗すればいいだけの話。さあ、イノセントに乗ったぞ。このままイノセントを愛でてくれ」
GM「下心を丸出しのホリーに、少女たちはキャーッと言って、逃げていく」
デル「やれやれ、ホリー姉さん。完全に嫌われちまったみたいだなぁ」
ホリー「シクシク」
G太郎「こっちはこっちで仕事の話に専念でござる。選べるミッションはどうなってる?」
GM「ここでのミッションは、3つある。いずれも繰り返し受注可能で、ストーリーに大きく絡むようなものはないが、果たすことでビシャナチケットが得られる。ビシャナチケットは、ガメル銀貨や一部の情報と交換するのに使えて、現段階で有用なのは、チケット1枚で現金3000ガメル、チケット2枚で『ソニア・ゾラの秘密』あるいは『ヤーハッカゼッシュの情報』、チケット3枚で『霧の街の防空施設の情報』が手に入る」
G太郎「防空施設の情報は、ルキスラ帝国が一番欲しているという話だったでござるな。他にも、ユリア・ミルドリスの件と、海賊に略奪された〈破剣の星槌〉探しの2つがサブミッション的に与えられていたわけだが」
GM「本来なら、3つの使命のうち1つを選ぶのじゃが、ミストグレイヴを遊び尽くしたいという理由から、全部つなげてみた次第」
G太郎「とにかく、ようやくメインとなる防空施設の情報が出たので、チケット3枚を得るという目的が見えたのでござるが、3つのミッションの詳細を聞くでござるよ」
GM「ミッション内容は『食糧調達』『ワイン購入』『ティアハートの花の採取』で、食糧は以前に解放軍で引き受けたものと内容は全く同じ。報酬が違うだけじゃ」
G太郎「この回で始めたミッションでござるな。コボルド窟で食糧を買って、帰ってくる途中で蛮族に襲われるのを撃退する話」
GM「リプレイ記事では、同じことを繰り返してもつまらないからのう。別のミッションを引き受けてくれることを推奨する」
G太郎「プレイヤーとしても、先の読めたルーティンワークだけではつまらん。ただの経験点やチケットを稼ぐだけの作業よりは、新鮮なストーリー体験を望むものでござるよ。ワイン購入は、食糧購入とは何が違うのでござるか?」
GM「目的地がマップ左上の【蛇の酒蔵】ということじゃな。先にネタバレをしておくと、酒蔵でワインをゲットした後、ついでに他の客への配達を頼まれ、行った先での酒宴パーティーに巻き込まれる」
G太郎「地上での、サカロス薬酒クエストを思い出すでござるなあ。あの時の私はまだまだレベル2の新米冒険者だった。おっかなびっくり怖々冒険しているといった感じで、今のように大胆な行動は決してとれなかったでござるよ」
GM「リアルタイムで1年3ヶ月前と言ったところか。まさか、あのマッスル太郎が師匠として弟子を持つ身になろうとは、わらわも当時は思いもよらなかった」
G太郎「目的地も明確で、昔のことを思い出してほろ酔い気分になれそうなミッションということで、それを選ぶとしよう。一応、念のためティアハートとはどのようなミッションでござるか?」
GM「ティアハートの花は、地下水路に生えてある。つまり、上層階から地下水路に下りて、歩き回るミッションということになるのう」
G太郎「それなら地下に潜る前に、まずは地上の拠点作りに励む方がいいでござる。今回は、ワインのミッションでチケットをゲット。それで現金を手に入れ、そのお金でコボルドの奴隷を購入。コボルド窟のオードル・プルの信頼を得て、そこでもミッションを得られるようにする。そして、いよいよ魔窟に突入、という青写真を考えてみた」
GM「魔窟の初体験ミッションで、第2部完結という頃合いじゃろうか。では、今回は葡萄酒ミッションを引き受けて、つづくとしよう」
●ここまでの冒険成果
経験点:6人の囚われ人を救出★2つ
解放軍の同士6人め到達★1つ
(合計★3つ)
魔物退治分60
ピンゾロ分(G太郎1回)
収支結果:戦利品(600ガメル分)
クエスト報酬(9000ガメル分)
ミッション:蛇の酒蔵でワインを買ってきて
(4人→現在10人)
深層階で【月の図書館】を探す
地下世界から外への脱出方法を探す
情報
・煌びやか卿アー・ヌルチェとは緩やかな関わり合い。
・〈銀の蜜蜂〉からティアハートの花ミッションを受注できる。
・【呪われた神殿】が【解放の神殿】として新たな拠点候補に。
・解放軍同志6人め達成で、いろいろフラグが立った。
・【ゴミ溜め窟】にいるリザードマンの情報屋ゾ・ゴグが略奪品に詳しい。
・【ゴミ溜め窟】に、カレンの密偵仲間が行方不明に。
・【死者の道】に〈真紅のマギスフィア〉があるらしい。
・略奪品は【地底湖の畔】のマーマンが詳しい。
・【地底湖の畔】のマーマンは地上への抜け道にも詳しい。
・地下水路のリザードマンの集落の位置情報。
・ギルマン王ブグプリとの面会には、地下水路で手に入る〈ストロベリーオイスター〉が12個必要。
・〈ギルマン王の冠のかけらI〉入手。
・【コボルド窟】のオードル・プルは地上に伝手があるかも。
・【戦神の凱旋門】の魔窟で、魔神狩りができる。
・四祖の1人シェラシースの秘密は?
密偵の知り合い
・アム・ヤーセン(ドワーフ娘→ラミア)
キーワード「月の図書館」「隠者ヴァラルト」「黒炎の工房」「巨大格納庫」「漆黒のスフィア」
・ニコ・シュナウヘア(ナイトメア→オーガ)
冒険達成度:合計3%
(当記事 完)

