THE必殺
White NOVAは、時代劇の必殺シリーズが大好きである。
どれだけ好きかというと、TVシリーズの全作品タイトルと、それに登場した殺し屋やサポート役の密偵の名前をスラスラ言える程度には好き。
しかし、この世界も奥が深く、NOVAの尊敬する元締めクラスになると、各作品のサブタイトルを挙げると、「それが何話に当たって、あらすじを紹介し、ゲスト俳優が誰か」を資料を見ずに語れるわけである。このレベルになると本当に脱帽する。
もちろん、先方も全ての話を覚えているわけではなくて、有名なものをピンポイントに覚えているだけなのだろうが、『主水、腹が出る』とタイトルを聞くだけで、『新・仕事人』の1話だと答えるのは基本レベルである。
なお、『殺しを見たのは受験生』は、『仕事人III』の1話というのは、まだ易しい部類だと思う。
ただし、『仕事人III』の真の1話は必殺10周年を飾ったスペシャル版の『仕事人大集合』だとか、『仕事人V』の真の1話はスペシャルの『仕事人意外伝 大利根ウエスタン月夜』で、再放送時にそこを飛ばすと、話がつながらない(政や竜といつの間にか知り合っている)ので注意。
同じことは、次の戦隊のキラメイジャーにも言えるかもしれない。まずはエピソード0の映画を見ないと、戦隊の結成物語が分からない。TVの1話ではすでにチーム結成後、物語の途中からスタートとなるようだ。エピソード0とTVの1話がパラレルということもないと思うし。
Mashin Sentai Kirameiger Episode 0 Zero Official Trailer HD
なお、「スーパー戦隊史上初 映画で誕生」とあるが、アメリカのパワーレンジャーを入れるとそうでもない。パワーレンジャーZEOの後番組のパワーレンジャーターボは、映画で初めてチームが結成されたのだ。だから、ターボの1話は、映画版の物語を受けての登場人物交代劇とか、戦隊スーツの刷新とか、新ロボの登場イベントが行われる。
まあ、それはさておき。
マニアのカタログ知識というのは、趣味の探究の余芸である。それを語って興に入るのは、入門者を通り抜けた後の軽いジャブの応酬みたいなもの。準備体操みたいなものである。
知っているから偉いのではなくて、知っていることをどのように話のネタとして料理できるか、に、その知識が血肉になっているかが測られる。件の元締めクラスの御仁は、同人誌で各話の分析記事を書いた経緯があるから、覚えていられるそうだし、最近知ったことだが、昔、NOVAが必殺の勉強に使った『殺し屋名鑑』で記事書きしていたこともあるそうだ。
自分はその事実を知らないままに、一時期、その人を必殺知識の元締めと仰いで、掲示板にわずかながら書き込ませていただいたこともあるわけだが(今はツイッターで時々、御文を拝見しつつ、時に指折りな情報をいただいて感謝することも)、ネットの世界には名前こそ大々的に出ているわけではなくても、プロに近い活躍をしてきた人の余芸サイトが数々ある。
さらに今の時代、本職よりもブログでの趣味研究に情熱を向けているライター崩れ、あるいは同人作家、さらにはゴーストライターはネット上では至るところにいると思われる。かく言う自分も、20年ほど前に、友人が編集の仕事をしていた伝手で、以下の本に寄稿させてもらったこともあるわけで。
原稿書いて金をもらったことのある人間をプロと言うのなら、自分自身、プロの物書きだった時期が確実にあるわけだ。結果として、後に続かなかっただけで。
こういうのは文章技術や知識だけでなく、運や人間関係のコネといった面も欠かせない。作家としてやっていくには、質の高い、面白い文章を量産できることに加え、一緒に仕事できて楽しいと言ってくれる編集さんとの人間関係、そして担当編集が変わっても作家としての人間的魅力を積極的にアピールできるかとか、業界内で仕事をもらえるように積極的に顔を売る営業努力も欠かせない。
昔、縁した作家の人たち(現在もツイッターなどで自己アピールに余念がない)は、自分の見る限りにおいて、みんなこぞってアクティブだ。残念ながら、自分はここまでアクティブになれなかったと思っている。
運が悪かったとか、時代が悪かったとか、言い訳をあれこれすることもできるが(そういう文章も書き散らしてきたが)、結局のところ、好きなものを仕事にして、維持していくために、地道に書き続け、動き続け、話し続け、関係者に顔をつなぎ続けた彼らの努力を見ていると頭が下がる思いだ。
同じことが自分にできたかと言われると、自信がない。ただ、今なお、こちらを楽しませる作品を作ってくれるクリエイター諸氏に、エールを送るのみである。
それでもまあ、こういうブログでは、彼らに憧れて、自分にできることを目一杯、書いて、好きなものを語り続けることはできるわけである。
ネットというのは、プロじゃなくても、自分の拙い文章を公表できる場で、俺みたいな「書きたい趣味人」にとっては、ささやかな自己顕示欲を満たしてくれるハッピーな場である。
自分の場さえ構築すれば、好きなことが書ける。
そして、そんな好きなことの一つが、仕事人に代表される必殺シリーズである。
仕事人としては、銭をもらわなきゃ仕事しちゃいけねえ、という不文律があるが、
まあ、「裏稼業:ブログライター」はケチなことを言わねえ。
必殺好き、テーブルトークRPG、そしてゴブリンスレイヤー好きだったら、今回の作品は割と楽しめると思うので、こんなダラダラした前書きは、さっさと読み飛ばして、本編に進みな。
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