花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女や仲間たちの趣味雑談ブログ」。お題はTRPGを中心に特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。現在は、ソード・ワールドのミストグレイヴ妄想リプレイ「魔神ハンター」を終了に向けつつ寄り道迷走気味。

令和VS珠保ゴブスレ対決4.50(仕掛けて仕損じなし)

THE必殺

 


必殺シリーズのOP集

 

 White NOVAは、時代劇の必殺シリーズが大好きである。

 どれだけ好きかというと、TVシリーズの全作品タイトルと、それに登場した殺し屋やサポート役の密偵の名前をスラスラ言える程度には好き。

 しかし、この世界も奥が深く、NOVAの尊敬する元締めクラスになると、各作品のサブタイトルを挙げると、「それが何話に当たって、あらすじを紹介し、ゲスト俳優が誰か」を資料を見ずに語れるわけである。このレベルになると本当に脱帽する。

 もちろん、先方も全ての話を覚えているわけではなくて、有名なものをピンポイントに覚えているだけなのだろうが、『主水、腹が出る』とタイトルを聞くだけで、『新・仕事人』の1話だと答えるのは基本レベルである。

 なお、『殺しを見たのは受験生』は、『仕事人III』の1話というのは、まだ易しい部類だと思う。

 ただし、『仕事人III』の真の1話は必殺10周年を飾ったスペシャル版の『仕事人大集合』だとか、『仕事人V』の真の1話はスペシャルの『仕事人意外伝 大利根ウエスタン月夜』で、再放送時にそこを飛ばすと、話がつながらない(政や竜といつの間にか知り合っている)ので注意。

 

 同じことは、次の戦隊のキラメイジャーにも言えるかもしれない。まずはエピソード0の映画を見ないと、戦隊の結成物語が分からない。TVの1話ではすでにチーム結成後、物語の途中からスタートとなるようだ。エピソード0とTVの1話がパラレルということもないと思うし。


Mashin Sentai Kirameiger Episode 0 Zero Official Trailer HD

 

 なお、「スーパー戦隊史上初 映画で誕生」とあるが、アメリカのパワーレンジャーを入れるとそうでもない。パワーレンジャーZEOの後番組のパワーレンジャーターボは、映画で初めてチームが結成されたのだ。だから、ターボの1話は、映画版の物語を受けての登場人物交代劇とか、戦隊スーツの刷新とか、新ロボの登場イベントが行われる。

 

 まあ、それはさておき。

 マニアのカタログ知識というのは、趣味の探究の余芸である。それを語って興に入るのは、入門者を通り抜けた後の軽いジャブの応酬みたいなもの。準備体操みたいなものである。

 知っているから偉いのではなくて、知っていることをどのように話のネタとして料理できるか、に、その知識が血肉になっているかが測られる。件の元締めクラスの御仁は、同人誌で各話の分析記事を書いた経緯があるから、覚えていられるそうだし、最近知ったことだが、昔、NOVAが必殺の勉強に使った『殺し屋名鑑』で記事書きしていたこともあるそうだ。

必殺シリーズ完全殺し屋名鑑 荒野の果てに編 (ザ・テレビジョン文庫)

必殺シリーズ完全殺し屋名鑑 荒野の果てに編 (ザ・テレビジョン文庫)

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2001/02
  • メディア: 文庫
 
必殺シリーズ完全闇知識 やがて愛の日が編 (ザ・テレビジョン文庫)

必殺シリーズ完全闇知識 やがて愛の日が編 (ザ・テレビジョン文庫)

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2001/08
  • メディア: 文庫
 
必殺シリーズ完全殺し屋名鑑 月が笑ってらぁ編 (ザ・テレビジョン文庫)

必殺シリーズ完全殺し屋名鑑 月が笑ってらぁ編 (ザ・テレビジョン文庫)

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2001/02
  • メディア: 文庫
 

  自分はその事実を知らないままに、一時期、その人を必殺知識の元締めと仰いで、掲示板にわずかながら書き込ませていただいたこともあるわけだが(今はツイッターで時々、御文を拝見しつつ、時に指折りな情報をいただいて感謝することも)、ネットの世界には名前こそ大々的に出ているわけではなくても、プロに近い活躍をしてきた人の余芸サイトが数々ある。

 さらに今の時代、本職よりもブログでの趣味研究に情熱を向けているライター崩れ、あるいは同人作家、さらにはゴーストライターはネット上では至るところにいると思われる。かく言う自分も、20年ほど前に、友人が編集の仕事をしていた伝手で、以下の本に寄稿させてもらったこともあるわけで。 

ガンダムヒロインズ―ヒロインのガンダム20年史

ガンダムヒロインズ―ヒロインのガンダム20年史

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 1998/09
  • メディア: 単行本
 

  原稿書いて金をもらったことのある人間をプロと言うのなら、自分自身、プロの物書きだった時期が確実にあるわけだ。結果として、後に続かなかっただけで。

 こういうのは文章技術や知識だけでなく、運や人間関係のコネといった面も欠かせない。作家としてやっていくには、質の高い、面白い文章を量産できることに加え、一緒に仕事できて楽しいと言ってくれる編集さんとの人間関係、そして担当編集が変わっても作家としての人間的魅力を積極的にアピールできるかとか、業界内で仕事をもらえるように積極的に顔を売る営業努力も欠かせない。

 昔、縁した作家の人たち(現在もツイッターなどで自己アピールに余念がない)は、自分の見る限りにおいて、みんなこぞってアクティブだ。残念ながら、自分はここまでアクティブになれなかったと思っている。

 

 運が悪かったとか、時代が悪かったとか、言い訳をあれこれすることもできるが(そういう文章も書き散らしてきたが)、結局のところ、好きなものを仕事にして、維持していくために、地道に書き続け、動き続け、話し続け、関係者に顔をつなぎ続けた彼らの努力を見ていると頭が下がる思いだ。

 同じことが自分にできたかと言われると、自信がない。ただ、今なお、こちらを楽しませる作品を作ってくれるクリエイター諸氏に、エールを送るのみである。

 

 それでもまあ、こういうブログでは、彼らに憧れて、自分にできることを目一杯、書いて、好きなものを語り続けることはできるわけである。

 ネットというのは、プロじゃなくても、自分の拙い文章を公表できる場で、俺みたいな「書きたい趣味人」にとっては、ささやかな自己顕示欲を満たしてくれるハッピーな場である。

 自分の場さえ構築すれば、好きなことが書ける。

 そして、そんな好きなことの一つが、仕事人に代表される必殺シリーズである。

 

 仕事人としては、銭をもらわなきゃ仕事しちゃいけねえ、という不文律があるが、

 まあ、「裏稼業:ブログライター」はケチなことを言わねえ。

 必殺好き、テーブルトークRPG、そしてゴブリンスレイヤー好きだったら、今回の作品は割と楽しめると思うので、こんなダラダラした前書きは、さっさと読み飛ばして、本編に進みな。


HISSATSU

 

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令和VS珠保ゴブスレ対決4(今度はバトルだ)

プレイ前の反省会

 

晶華「ねえねえ、NOVAちゃん」

NOVA「何だ?」

晶華「前回の神ロールプレイだけど、正直やり過ぎだと思うの」

NOVA「まあ、俺も自分のキャラクターのジャンが霊媒体質だとは思わなかったな。ジャンのロールプレイが分からなくなっているし。自分で作ったキャラなんだけど、キャラよりプレイヤーの素が出すぎたようだ」

晶華「一人称まで、ぼくと俺でコロコロ変わっているしね」

NOVA「そりゃ、まあ、中の人が変わったからな」

晶華「って、中身は同一人物じゃない。11年前の平成NOVAちゃんと、今の令和NOVAちゃんってだけで」

NOVA「いや、人間、10年も経つと結構、変わるぜ。根本の性格は変わらなくても、趣味嗜好とか物の考え方とか、成長したり、逆に劣化したり、円熟したり、逆に高齢化によって我儘な幼児退行化してしまったり、個々人によって様々な変化を示す。まあ、昔の友人に会うと、懐かしい気分になって昔の自分ロールプレイが素で出たりするので大抵は『お前も変わらないなあ』と言ってられるが、まともに社会で成長した人間は、環境に合わせた適切な自分スタイルで振る舞うことを覚えて、環境の変化に応じた新しい自分を構築するわけで、変わらない自分というのは幻想だ」

晶華「そりゃ、私だって変わったけどね。生まれたばかりの姉妹分裂前の私と、お姉ちゃんと分かれた私と、吸血花粉症ガールになってた私と、太陽サンサンなんて言ってる今の私と、全然違うキャラじゃない」

NOVA「俺の中では、天然無邪気な姉・翔花と、腹黒毒舌な妹という方向性があったが、今のお前は成長して、周りに合わせられるようになったと思う。というか、俺と二人だとツッコミ・アシスタント芸で十分キャラ立ちしていたけど、ここに来て、謙虚になったというか、周りの人をフォローできるようになったというか、柔軟に振る舞えるようになったと思う。しかし、まさかアストに対して、気遣いを示すとは思わなかったぞ」

晶華「そ、そりゃ、GMがいないとRPGできないし、メガネ付けてるし、いちいち翔花ちゃんって言わなければ、それなりに仕事のできる有能ぶりを示すこともあるし、NOVAちゃんがアストをイジメているなら、私が少しぐらいフォローしてあげないとって思うし……」

NOVA「以前のお前は、他人をフォローしようなんて、あまり思わなかったんじゃないか?」

晶華「私のことは、今はどうでもいいのよ。それより問題はNOVAちゃんの方! ジャンのロールプレイって、ああいう感じでいいの? もう、どうしようもなく、キャラがブレブレじゃない。初期設定をもう一度、読み直してよ」

NOVA「半年前の記事か。なになに? 口癖は『話せば分かる』? そんなこと、一言も言ってねえな。大体、この世界、大抵のゴブリンとはまともな会話ができないからなあ。他にも、『やむを得ない。痛みをもって知るがいい』とか『ペンは剣よりも強し』とか、いろいろ書いているが、もう少し意識してみようか。

「書物好きで冒険譚に憧れて……って設定は使えるな。別にプレイヤー知識を使う際に、わざわざ神のお告げを持ち出さなくても、『昔、読んだ物語にこう書いてありました』って言うだけで、無難に策を講じることができる。『噂の小鬼殺しの物語によると……』と言えば、世界観的にも問題ないような気がする」

晶華「ゴブスレさんの話って、世間で知られているの?」

NOVA「少なくとも、妖精弓手ちゃんは吟遊詩人の美化した小鬼殺しの伝承を聞いて、ゴブスレさんに興味を持ったわけだからな。ジャンが『小鬼殺しの物語』に興味を持って、その脚色された部分の裏に隠された事実を推測して、そこから戦術を構築するようなキャラであっても、何の不思議もない」

晶華「じゃあ、まだ1年足らずのにわかゴブスレマニアなNOVAちゃんにツッコミです」

NOVA「何だ?」

晶華「前回、NOVAちゃんは『ゴブスレさんが爆発物の仕掛けを用意した』と発言して、爆発物の罠を示唆したけど、原作の最初のダンジョンでは、そんな罠はないのよね。他のエピソードで、粉塵爆発とかいろいろあるのと混同していない?」

NOVA「いや、確か最初の洞窟でも、ゴブスレさんがゴブリンを燃やす描写があったはずだが」

晶華「それは、原作小説52ページにある『メディアの油とか、ペトロレウムとかいう、燃える水』のシーンね。ルールブックの408ページにも、魔法のアイテムとして用意されているわ」

NOVA「晶華よ」

晶華「なあに?」

NOVA「お前、よく読み込んでいるなあ。さすがの俺も、ページ数なんて、いちいち覚えていないぞ」

晶華「知力の晶華は伊達じゃないってことよ」

NOVA「まあ、その場で素早く調べるだけでも凄いんだがな。俺の場合は、たとえ知っていることでも、いろいろな知識が未整理で、ごちゃごちゃ混ざっている可能性も大きいので、時々整理してくれるアシスタントがいれば助かる。まあ、大抵は、書いてから後で混同していることに気付いて、その場その場で修正したりしながら、より深く知っていくという過程を辿るんだけどな。書いたその時は、それで正解だと思い込んでいることほど、よく調べもしないで勘違いしている可能性もあるわけで、そこを冷静に指摘してくれる知人友人は大切にしたいよな」

晶華「NOVAちゃんはうっかりさんで間違っちゃうことも時々あるけど、過ちを正す姿勢は崩さないってのは、評価ポイントだと思うの」

NOVA「まあ、真摯な探究心というのは、マニアにしても研究者にしても必須の態度だと考えるからな。とある初歩の科学の啓蒙本によれば、『科学において大切な過程は、好奇心に基づく問題提起と、そこから仮説を構築する主観的直感的洞察力と、それを実験や現象を踏まえて検証する客観的観察眼と、仮説が間違えていれば潔く修正しながら次の段階に進もうとする前向きな向上心』という趣旨で、それは科学に限らず、趣味の探究においても言えることだと思うんだ」

晶華「好奇心と、主観的洞察力と、客観的観察眼と、前向きな向上心か。心→頭→目につながって、そこから次につなげる意思力ってところかしらね」

NOVA「とりあえず、興味を持って聞いてみる。それはいい。俺も質問されて答える過程そのものは好きだ。だけど、その質問したところからの発展性が気に掛かるし、仕事での教え子相手なら『尋ねられて答えた後のフィードバックが直接見ることができる』から、『ああ、こいつはきちんと理解しているな』とか『ああ、こいつはわかっていないからフォローが必要だ』とか、その後の対応がとりやすい。

「ネットでも、説明されたことに対するフィードバックがあれば、そういう人には言葉を惜しまず、話したい気にもなるし、フィードバックの中からその人独自の知見や、納得し得る理論的解釈があれば、『おお、そういう考え方もあるか』と心理的対価や報酬となる」

 

晶華「で、これは何の話?」

NOVA「ええと、ゴブスレに対する好奇心と、試しにあれこれ記事書きしてみる主観的なドタバタと、実際に書いてみたら何だか変な展開になってますという検証と、それでも潔く過ちを認めて次の段階に進もうとする前向きな向上心かな」

晶華「まあ、前の記事とかも読み直して、積極的にフィードバックしながら、『おお、こんなリプレイもあるのか』と読者の皆さんに楽しんでもらえればいいってことね」

NOVA「イッツ・ショーーーーーータイム(緑川光さんの声で)」

 

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令和VS珠保ゴブスレ対決3.75(神の導きによりて)

迷宮を走る者たち(ダンジョン・ランナー)

 

アスト「よし、愛の力でASTROスペック起動。……はい、ゴブスレ.netに接続します」

ヒノキ「今度は大丈夫なのか? まともにプレイができるのかの?」

ゲンブ「アリナ様はダイスを振りたくて、うずうずしているでござる」

NOVA「確かめてみよう。おい、アスト。お前が好きなのは?」

アスト「そんなのは決まっている。翔花ママ……いや、翔花ちゃんだ」

晶華「KPちゃんの影響は受けているけど、まだ、アストの自我は保っている感じね」

NOVA「ああ。ケイPの侵食効果は俺が想定していたよりも大きいようだ。何しろ、あの真面目な武人であるクラブキングが、ケイPマーク3と融合した途端、触手教信者になっちまったからな」

晶華「でも、私たちは影響を受けてないわよ」

NOVA「俺とお前と翔花は、ケイPと魂の契約を交わしているから、ケイPの侵食効果を受けない。だが、そうでない者がドゴランアーマーを装着したりすると、想定外の副作用があるんじゃないか」

GMアスト「無駄話は慎むように。プレイが一向に進まなくて、ここにゴブリンスレイヤーのリプレイ記事を楽しみに来た読者の皆さんがお怒りだ」

NOVA「ああ。今回の記事ナンバーは3.75話だからな。これでプレイが進まなければ、次は3.875話になっちまう」

ヒノキ「そんな中途半端な数字は勘弁じゃ。頑張って、4話を迎えるためにも、今回はしっかり、ダンジョンを駆け抜けるのじゃ」

NOVA「ああ、迷走は控えてな」

 

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令和VS珠保ゴブスレ対決3.5(GM迷走)

ゴブリンの洞窟ダイブイン

 

アスト「よし、覚悟を決めて、ASTROスペックを起動するぞ。シナリオプログラムのダウンロード開始。……はい、ゴブスレ.netに接続します」

 

https://ga.sbcr.jp/sp/goblin_slayer_trpg/gstrpg_sce_01.pdf

GMアスト「よし、君たち4人の冒険者はレイワ、エド、ヤヨイの3人の幼子を助けるため、小鬼の洞窟に踏み込んだ。そこからの続きだ」

学術騎士ジャン(NOVA)「おお、何だかセーブしていたところから、ゲームを再開するような気分だな。継戦カウンターは1で、消耗も1点。ところで、前はまったく気にしていなかったけど、因果点は何点だっけ?」

GMアスト「5点だ」

ジャン「いきなり高いな。ルールブック掲載の初心者対応シナリオだと、3点を推奨していたはずだが」

GMアスト「しかし、これは初心者を苦しめるシナリオだからな。金もなく、毒消しもまともに用意していないのに、ゴブリンなんて雑魚だから、と侮ってかかる素人を抹殺するという、原作小説のオープニングを再現したシナリオ。さあ、原作者の手に掛かって死ぬことを、ファンとして本望に思うがいい」

ツラヌキ・丸子(ヒノキ)「ヒヒヒ。なかなかGMぶりが板について来たではないか。GM養成メガネのASTROスペックは、うまく機能しているようじゃの」

アカミドリ(晶華)「あれ? ASTROスペックって、そういう装備だっけ?」

ジャン「ああ、ケイPマーク2に内蔵された装着者の支援システムを応用して、そこにノヴァストラダマスの仕込んだブラックボックス込みのシナリオデータを引き出せるようにして、どんな素人でも、それなりにゲームマスターとして振る舞えるようにした代物だ。これさえ実用化すれば、日本のTRPG人口も画期的に増えるんじゃないか。

サイバーパンク系のゲームだと、頭にチップとしてデータインストールするだけで、持っていない技能を一時的に習得できる装備が普通にある。素人が企業秘書とか上流社会の礼儀作法とかを簡単に習得できるわけだ」

アカミドリ「だったら、素人でも一流の戦士になったりできるわけ?」

ジャン「一流は無理だな。一流の動作や思考には、局面に応じた臨機応変さとかの状況対応力が欠かせないが、データ化できるのは型にはまったルーチンワーク的なもの。仮にレベル5以上をベテランの域とするなら、脳内チップで対応できるのは、せいぜいレベル2とか3とか、それぐらいだろう。ゲーム作品にもよるが、『ズブの素人ではないけど、普通に手抜かりなく決まった仕事をこなせるレベル』だな」

蜥蜴用心棒(ゲンブ)「ゴブリンスレイヤーは、ファンタジー世界の物語であろう。それなのに、どうしてサイバーパンクの話題に走るのでござるか? 寄り道も結構だが、もう少し世界観を考えていただきたい、と」

ジャン「うん、それなんだけどな。最近はゴブスレの原作者が後書きで一番ハマっている作品が、ファンタジーサイバーパンクを混ぜたシャドウランらしいんだ。基本はファンタジーのゴブスレにも、スターウォーズとか仕事人とかシャドウランのネタが投入されているので、そこは絡めても問題ないか、と」

用心棒「そういうものでござるか」

ジャン「ついでに、日本のシャドウランの現在の元締めであるゲームデザイナーの朱鷺田祐介さんがニチアサの熱心な視聴者でな。ツイッターでリアルタイムで感想書きながら、ご自分の作品に絡めたりしているんだ。そして、彼がZAIAスペックの設定を気に入って、シャドウランのネタに使えないかな、的なことを呟いていたり。だから、ゴブスレ→シャドウラン→ZAIAスペックという流れが、俺の中ではつながってくるわけだよ」

用心棒「はあ、そういう背景を語られると、必然のつながりが納得できるでござる」

ジャン「気心の知れた友人との会話では、いきなり話がポンと飛ぶこともあるが、相手が戸惑っているなら、そこのところを話し手が補ってくれるんだよ。逆に、補わなくても、即、話に乗って対応してくれる稀少な親友もいる。俺も自分で話していて、『時折り話が飛ぶこと』を自覚しているが、親友レベルになると、本当に即応能力が高いんだよな。『こいつは、よく、この流れに付いて来れるな』と。

「もちろん、相手が付いて来れていない場合も、リアルだと普通に分かるので、『スマン、いきなり話が飛んだ。これはつまり、こういうことを考えて(思いついて)しまって、こういう流れなんだ』と補足すると、まあ、分かってもらえる。で、その説明をどこまでしないといけないかで、相手の知識とか理解力とかがリアル会話だと把握できるので、だんだん適切なボールでやりとりできるわけだ」

晶華「ネットだったら?」

NOVA「表情とか、口調とかが分からないから、微妙なニュアンスが伝わりにくいな。(笑)という表現一つとっても、相手の発言内容が楽しくて笑っているのか、自分の発言に笑いを付けているのか、二通りに解釈できるし、ウケているのか、嘲笑しているのかも、文脈とか、日頃の発言イメージに左右される。真面目な話の途中に(笑)を付けた場合、重い空気を解そうとする気遣いにも、単に話の重大さが理解できないようにも受け取られる。

「書き言葉で『バカな奴やな(笑)』とか安易に書いちゃうと、悪意しか伝わらないけど、関西人の間では、話し言葉で『バカ=面白い』というニュアンスで会話する時もあるので、『お互いのバカさ自慢をした』後で、ふと我に返って、『バカを競って、どないするねん。ほんま、俺たちアホやな』とお互いを明るく笑い合ってオチをつける。

「関西人の笑いのペーソス(人情味)は、人をバカにした分、その代償に自分もバカにして、お互い様でしたチャンチャンって締めくくれる人が、一般にウケるわけで、そういうバーターな流れを無視して、一部だけ切り取ってみせても、単に口の悪いギスギスした悪口合戦にしか聞こえないわけだ」

 

GMアスト「で、それは何の話なんだ? そろそろプレイを先に進めてもいいのかな?」

ジャン「ああ、スマない。要は、唐突な話にも背景があって、そこを膨らませて語ると、納得できる会話になって、満足度も高くなる。逆に、そういう背景を自覚していなかったり、言葉足らずで語られなければ、フラストレーションが溜まるわけだな。個人的な事情って奴だ」

GMアスト「そんなことは、ゴブスレには関係ない。プレイに集中するように」

ジャン「……なるほど。ASTROスペックの問題点その1。合理的なマスタリングには長けるが、無駄話をしたい人間の心理をフォローするまでには至らない。想像力と創造力、コミュニケーション力を重視する遊びには、改善が必要、と」

アカミドリ「まあ、無駄話の多いNOVAちゃんにも問題があるけどね。早く、プレイを進めましょう」

 

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令和VS珠保ゴブスレ対決3(娘クエストの始まり)

プレイ再開

 

ヒノキ「ほぼ一月ぶりのゴブスレ対決なのじゃ」

NOVA「本来は、正月休みの間に一話ぐらい書こうと思っていたんだが、やはり正月はのんびり過ごした方がいい、と思い直したからな。結局、シンカリオンを見たり、敬愛する脚本家大先生の逝去の報に落ち込んだり、心のアップダウンが激しかったんだよ。今年は開始時から波乱万丈な気分だ」

晶華「NOVAちゃんの落ち込んだときの対処法は?」

NOVA「音楽を聴いたり、静かに読書したり、仕事に専念したり、その時次第だな。自分が落ち込んでいても仕事はしないといけないし、今回は落ち込んでいる原因が仕事とは無関係で、趣味関連だからな。だったら、仕事で教え子を応援するのが、いい気分転換になるんだ。

「それにしても、上原さんロスがこんなに響くとは思わなかった。このインパクトは、過去の人を例に挙げると、伊福部昭さんと藤田まことさん以来のショックになるかな。故人が自分に与えた影響を思い出すと、どうしようもなく涙が込み上げて来てな。この2週間は、涙腺崩壊太郎になっちゃってたよ」

ゲンブ「もう、立ち直ったのでござるか?」

NOVA「ブログ記事のペースも作りたいから、いつまでも感情を乱されているわけにもいかない。いろいろ吐き出したら、少しずつ気持ちの整理はできたってところかな。とりあえず、今回の件で改めて思ったのは、『人は、自分の寄って立つ土台を三つは確保しておかないといけない』ってこと。

「例えば、趣味にしても、特撮ヒーローやスーパーロボットの二つだけだったら、今回の訃報で趣味に逃げ込むことすらできなくなる。趣味話をするたびに涙を流していたんじゃ、楽しめないからな。そういう時に、TRPGという違う方面の趣味があると、そちらに切り替えられるし、これが趣味とは別に、仕事とか、部屋の整理とか、気分を切り替えられるものなら何でもいいんだが、立脚点とかアイデンティティーが少なければ、それだけ一つの足場が崩れたときのダメージが大きくなる。

「まあ、自分の立ち回りの下手さか、運が悪かったか、どうしようもない不可抗力で、人はなにかを失うことが時としてある。自分に原因があるなら、反省して、改善して、と自分を成長させる契機にすればいいが、そうでないなら……自分の感情を乱す要因となるものは切り捨てるか、逆に執着するか、それとも自分の中の思い出の1ページとして心の中で整理して美しく保存するか、という選択かな。別に俺は感情を否定したり、切り捨てるつもりはないし、そこまでクールに徹することもできないわけで」

アスト「なるほどな。ならば、今のNOVAの気持ちを乱すには、シナリオの中にそういう要素を組み込めばいいわけか。ゴブリンが『大事にしていた恋人や、恩人であるその兄(岸田森氏)を殺害して、用心棒怪獣とのタッグで追い詰め、十字架に貼り付ける。その後で、所属していた防衛チームの隊員を洗脳する』 これで完璧だな」


帰ってきたウルトラマンの敗北

 

NOVA「いやいや。そんなことをすれば、初代マン兄さんやセブン兄さんが駆けつけてきて、逆転するだけだぞ。エンタメは、最後はスッキリ終わらせたいのが、俺のポリシーだ。今だと、さらに味方は多い」


【賢者と先生】[タイタス×80 vs ブラックキング×ナックル星人]ウルトラマン◆フュージョンファイト #125『ウルトラマン 夕陽に死す』★×6 ULTRAMAN Fusion Fight


帰ってきたウルトラマン 切断技集

 

アスト「新マンやりすぎだろう」

NOVA「これが70年代イズムという奴だな」

アスト「だったら、オレもスピードAの名前の通り、Aで対抗だ」


ウルトラマンA 切断技集

 

NOVA「ぐっ、そう来たか。さすがに切断技対決では、Aには勝てん。この勝負、俺の負けを認めよう」

ヒノキ「何と。新兄さん対Aの対決で、新兄さんが負けを認めたじゃと?」

アスト「フッ、全てのAはオレの味方だ」

NOVA「すると、ジャンボーグAのアストと、ジャン・ボーグナインの俺の対決劇が始まったりするわけか」

アスト「そう、その通り。お前のキャラ、学術騎士のジャン・ボーグナインの最期も近いようだな」


Jumborg 9 vs Imitation Jumborg Ace

 

晶華「って、TRPGの前に一体、何の戦いをしているんだか」

NOVA「当ブログは、円谷プロのヒーローたちを今年も応援します」

 

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2020年初のロードス話

第2次邪神戦争の話

 

晶華「ヤッホー、リナ老師。NOVAちゃんを引きずってきたよ。放っておくと、鬱モードで上原さんがどうこう呟くばかりになりそうなので、気分を改めないといけないし」

NOVA「うおー、俺は上原正三さんの話をまだ続けたいんだ〜」

晶華「どこでも訃報話ばかり展開するのも、良くないと思うのよ。そろそろゴブスレ対決のことも考えないといけないし」

NOVA「今回のロードス話は、お前とヒノキ姐さんでやってくれ。俺はそういう気分じゃない」

ヒノキ「やれやれ。仕方ない。それでは、わらわたちだけで第2次邪神戦争について語るとするかの。今回のテキストはこれじゃ」

ゲームマスタリーマガジン第10号

ゲームマスタリーマガジン第10号

  • 作者:安田 均
  • 出版社/メーカー: 書苑新社
  • 発売日: 2019/12/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

晶華「NOVAちゃんが、新クトゥルフのルールブックと一緒に買ってきた雑誌ね。あと、こういう本も買ってきたみたい」

ヒノキ「ほう、リプレイか。しかし、今回はソード・ワールドではなく、ロードス中心に話を展開したいのじゃ。では、アッキー、ロードス者として問題を出す。邪神戦争には、第1次と第2次の二つがあるのじゃが、その違いとは何じゃ?」

晶華「第1次邪神戦争は、マーモVS他のロードス諸王国連合軍の戦いね。リプレイ第3部および小説『ロードス島戦記』6巻と7巻で描かれているわ。単に、邪神戦争と言えば、こちらを指すわね。これまでのロードスRPG関連のサプリメントでも、ここまでは網羅されていた、と」

ロードス島戦記RPG サプリメント 魔神戦争・邪神戦争編
 

ヒノキ「うむ。これまでのロードスで、TRPGの背景になったのは、ここまで。さらに前日譚の『ロードス島伝説』の時代は魔神戦争編。ロードスのTRPGでは、魔神戦争、英雄戦争、第1次邪神戦争までが背景設定として公開されてきたが、小説ではその後の時代も描かれておるのじゃな」

 晶華「それが『新ロードス島戦記』ね」

新ロードス島戦記1 闇の森の魔獣 新装版 (角川スニーカー文庫)
 

ヒノキ「うむ。新ロードスの小説単行本が出たのは、1998年から2006年にかけて。この時期には、原作者の水野良氏はゲーム製作元のグループSNEから独立していて、小説とゲームは完全に切り離された形で展開されたのじゃ」

晶華「確かTRPG冬の時代とか言われて、ロードス島戦記のゲーム展開を主導していた『コンプRPG』誌も休刊してしまい、ゲーム展開をしたくてもできない状態だったらしいわね」

ヒノキ「それでも小説の方はきちんと完結し、マーモ公に就任したスパークと小ニースを中心に、彼のマーモ公国統治の苦労と、それに反抗する敵残党の新生マーモ帝国の暗躍、そして邪神カーディス教団との対決までを描いた内容じゃ」

晶華「マーモ帝国の目的は、侵略によるロードスの完全統一だったけど、カーディス教団の目的は世界を終末させて、来世への転生を図ることで、より性質が悪いのよね」

ヒノキ「そうじゃ。ベルドが立ち上げ、アシュラムやバグナードたちが引き継いだ旧マーモ帝国は、邪悪と称されているが、世界を滅ぼそうとまではしておらん。あくまで俗世の覇権確立を狙っていたのじゃが、カーディス教団は破壊神の力で、世界そのものを無に帰しめようとしておった。その中で、マーモ公スパークは光だけでなく、闇の勢力との和解および共闘という決断をして、世界の危機を救ったのじゃ」

晶華「第1次邪神戦争までは、光VS闇の二元論だったけど、第2次邪神戦争では闇を受け入れるための葛藤と、真の敵は闇ではなく、世界を終わらせようとする亡者、無の勢力というところまで突き詰め、それまで邪悪とされたファラリスの暗黒神官や、ダークエルフですら『マーモの法に従うという条件で共生を図る』展開になった、と」

ヒノキ「この光と闇の共生という矛盾が描かれたのが、昨年の新作中の短編『光と闇の境界』であり、そこから100年後の新たな戦争の物語になるのじゃが、この戦争にはまだ名が付けられておらん。後世で、『誓約戦争』あるいは『宝冠戦争』とでも呼称されるのであろうか」

ロードス島戦記 誓約の宝冠1 (角川スニーカー文庫)

ロードス島戦記 誓約の宝冠1 (角川スニーカー文庫)

 

晶華「とにかく、小説では100年後の新たな戦乱が描かれ始め、ゲームの方でも20年越しの、サポートされなかったマーモ公国の物語をフォローして、小説の後追いをするようになったのが現状だと」

ヒノキ「ゲームの方も、ロードス30周年を祝うだけでなく、TRPG冬の時代に中断されていた部分まで、今回踏み込んでくれたのは、当時、苦渋を呑まされていた者にとっては、雪辱を晴らしてもらっている感じゃな、新兄さん」

NOVA「ああ、俺としてはデザイナーの川人くんと杉浦くんの2人を応援するばかりだ」

晶華「NOVAちゃんにとっては、この2人が盟友って設定なのよね」

NOVA「設定じゃねえ。彼らがキン肉マンテリーマンに匹敵するなら、俺はスペシャルマンみたいなものだ」

晶華「言葉の意味は分からないが、とにかくショボい自信ね」

ヒノキ「どこかのファミレスで、ダベっているようなもんじゃな」

THE超人様 4 (ジャンプコミックス)

THE超人様 4 (ジャンプコミックス)

 

 

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シンカリオンと鉄道の話

怪獣王と新幹線変形ロボ

 

NOVA「冬期も終えて、ようやくブログを書くのに時間の余裕ができたぞ、と」

ヒノキ「おお、新兄さんのお出ましか」

NOVA「ああ、先にアステロイド監視所に出向いて、客人兼助っ人を招待してきた」

ヒノキ「助っ人? 誰のことじゃ?」

NOVA「この記事を参照

ヒノキ「ま、まさかの風来坊の御仁を召喚されたとは?」

NOVA「ちなみに向こうで唱えた召喚呪文はこれな」


ULTRA7(東芝レコードVer.)


ULTRASEVEN HENSHIN - ULTRAMAN ORB THE MOVIE

 NOVA「向こうでは、動画の貼り付けができないから、こちらで脳内イメージをフォローする形にした。とりあえず、今年はここで主に国内RPGを、GTライフでD&Dやパグマイアを中心にした翻訳RPGを中心に記事書きする予定だ。まあ、あくまで原則だから、記事内容によっては書きやすい方で書くことになるだろうけどな。そして、こっちではお土産にこれ」

ゲームマスタリーマガジン第10号

ヒノキ「おお、わらわの待ち望んでいた雑誌じゃな」

NOVA「ええ。昨年末に出たけれど、年始になってようやく手に入れた本です。今回のメインはソード・ワールドと、ロードスの『第2次邪神戦争対応ワールドガイド(その1)』といったところ。まあ、ロードスの話は次回に回すことにして、今回はシンカリオンです」

ヒノキ「どうして、この話の流れで、唐突にシンカリオンなんじゃ?」

NOVA「いや、俺の中ではつながっているのですよ。何しろ、シンカリオン映画を見たついでに、この雑誌とクトゥルフRPG最新版を購入したものですから、何から記事書きしたらいいか、少し悩んだ次第」

ヒノキ「悩むことなどなかろう。わらわのところに最初に来ればいい」

NOVA「そうしてしまうと、こっちに入り浸りになって、GTライフの記事が書けなくなってしまいますからね。昨年は、ここでの記事が66。空想タイムの記事が94。それに比べてGTライフは30と大きく偏ってしまいました。合計190記事なんですが、今年はこれをもう少しバランスよく整えたいと思います。少なくとも、毎週どのブログも1記事以上は書くことを目標にしたい。本当は曜日を決めて、何曜日はどのブログで書く、とローテーションを組んだ方がいいのでしょうけど」

ヒノキ「ふむ。毎日書くと言うのはどうじゃ?」

NOVA「記事文量を細かく切りとることで、そうできないか、と試してもみたのですが、ストーリーや会話の流れがある場合、中途半端なところで区切るのもどうかと思われ。この辺、プロの文章だと、文字数、原稿枚数に指定があるので、書いてから分量が収まるように削る作業があるのですが、俺の場合、書いているうちに書きたいことが膨らむ癖があって、これをどうしようかな、というのが課題だと思いつつ」

ヒノキ「前置きが長いのと、寄り道脱線が多いのが、問題じゃな」

NOVA「稀に、表題と違う内容の記事になって、後から表題を改めるケースもありますからね。今も、この流れで、どうやって『怪獣王と新幹線変形ロボ』に辿り着こうか悩んでいます」

ヒノキ「この流れだと急カーブが必要じゃな」

NOVA「そこで、キーワードとなるのが、以下のソード・ワールドの新作サプリメントなんですが」

ヒノキ「まだ表紙絵が出て来んようじゃの」

NOVA「鉄道とキングというタイトルだったら、『怪獣王と新幹線変形ロボ』につながるだろうと頭では考えたものの、実際に文章にすると、意外とつながらないものですね」

ヒノキ「というか、そのサプリを出すと、話がTRPGの流れになって、ゴジラシンカリオンの話にスポッと収まるのは無理ではないかの?」

NOVA「そのようですね。仕方ない。仕切り直します」

 

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