秋の最後の日
NOVA「ヒノキ姐さん、いよいよ、戦いの時が来たぜ」
ヒノキ「おお、新兄さん。とうとう、公約を果たすときが来たのじゃな」
ゲンブ「久しぶりのゴブリンスレイヤーでござるな」
晶華「うん、お姉ちゃんたちはNOVAちゃんの塔に連れて行ったし、ここでは私たちプレイヤー4人、準備万端だよ」
【運命に、抗え。】 ゴブリンスレイヤー 【MAD】
NOVA「とりあえず、この2019年、令和元年は俺がゴブリンスレイヤーという作品にハマった年ということになる。そのきっかけがTRPGだったりするわけだが、流れとしてはTRPG→原作小説→アニメの順番だな」
ヒノキ「ハマる時は一気にのめり込む男だったのじゃな、新兄さんは」
NOVA「自分でも、この勢いは久しぶりだったので驚いた。きっと、平成から令和に移る時期のお祭りムードに突き動かされたんじゃないかなあ」
晶華「だけど、この対決に負けると、NOVAちゃんの中の令和は終わってしまうのよね」
NOVA「誰だよ、その設定を考えた奴は?」
ヒノキ「それも、お主じゃないか?」
NOVA「いや、あれは遠い夏の日にお盆休みボケしていた作者NOVAなんです。つまり、遠い夏の日の幻」
ゲンブ「つまり、なかったことにするのでござるか?」
NOVA「まさか。公約はきちんと果たしますよ。要は、俺たちが正々堂々とゲームで勝てばいい。うちのブログの愛読者も、それを期待しているはずだ」
晶華「いるの、愛読者って?」
NOVA「いるぞ。少なくとも、今月だけで延べ850人、一日平均20〜30人弱の読者が、うちのブログにアクセスしている。この数字が個人ブログとして多いか少ないかは分からないが、ニッチでも需要があるなら書き続ける原動力にはなるな。まあ、需要がなくても、興が乗れば自己満足で書き続ける奴なんだが」
晶華「ところで、愛読者ってAI読者って考えて、人工知能がブログやネットの記事を好き好んで読む時代なんて、来るのかなあ」
NOVA「さあな。人間の読者には人気がないのに、やたらとAIの読者からは愛される人間の作家がいれば面白いかもしれないなあ。AIに人間のお笑いは分からないでしょうと言っていた社長はいるけど、AIの笑いのツボとか、AIにどんな感受性が宿るかなど、いろいろ興味が湧くよな」
ヒノキ「……と、取り留めもなく雑談をしているわけじゃが、ゲームマスターは何をしておるんじゃ? 確か、元タイムジャッカーのスピードAといったか。わらわは会ったことがないが」
ゲンブ「我はクラブキングと、アリナ様はダイアナジャックと戦ったりもしたが、スピードAのことはよく知らん」
NOVA「本当は正月に一度、旧コンパーニュ跡地で会っているんですよ。その記事が消えてしまって、黒歴史になっただけで。元々は、翔花ファンクラブの読者A、アストという男が未来世界に飛ばされて、いろいろと波乱万丈の人生を歩んだそうです。俺も細かいことはよく分からないんですけどね。晶華なら、未来で一緒に快盗稼業をしていたから分かるんじゃないか?」
晶華「そういう記憶は、全部ダイアンナのジャッキーちゃんの方に行ったから、私はストーカーAのことなんて、何も知らないの。いわゆる遠い未来の幻って奴ね」
NOVA「とにかく、アストの奴が来ないと、始まらん」
晶華「ストーカーが来るのを待ち望むのも、おかしな話だと思うけど、GMをしてくれるというのなら話は別よね。最悪、来ないようなら、NOVAちゃん、代わりにGMしてね」
NOVA「ええ? 前は10年前のNOVAにGMしてもらおうと思って召喚したら、結局、俺がGMする羽目になったんだし、今回も俺がGMだったら、俺はいつプレイヤーをしたらいいんだ?」
晶華「そんなの私が知るか」
NOVA「とにかく、俺もロードス島戦記以来、長年リプレイをたくさん読んできたが、GMが当日に来なかったので、プレイヤー予定の人間が急遽、GMを担当しないといけなくなったリプレイなんて読んだことがない。『GM(神)が当日ゲームをすっぽかしたので、やむなくプレイヤーA(勇者)の私がGM(魔王)になりました』ってタイトルのラノベがあったら、読んでみたい」
ヒノキ「GMが神だったり、魔王だったりするのがポイントじゃな。言い得て妙というか、お前さん、そのタイトルで一つ小説を書いてみるというのはどうじゃ?」
NOVA「いやいや、そのアイデアは今、この記事を読んでいる読者の誰かに譲ります。俺は作者になるより、俺のアイデアを作品に仕上げてくれる誰かの読者になりたい。とにかく、勇者が魔王とイチャラブする作品以降、勇者と魔王がいろいろと絡む作品が多くなったなあ、というのが、この10年の間の業界観測だな」
晶華「魔王が可愛い女の子だったり、勇者が可愛い女の子だったり、両方とも可愛い女の子だったりする話が多いような気がする」
NOVA「あるいは、勇者が男なのに、魔王の魔力でTS(性転換)させられて、魔王の嫁にされてしまう話もあったりするぞ。まあ、俺の視界にはあまり入ってないが、BLでどっちも男のままという作品も一部界隈では相当数あるだろうが」
ヒノキ「女魔王というネタを流行らせたのは、やはり、この作品になるかのう?」
NOVA「それまでも悪の女王や、女首領や、ラスボス的な魔女は普通にいろいろあったが、『魔王(美少女)』というイメージは、この作品がきっかけかも知れん。まあ、その前に、キューティーハニーとかセーラームーンとか、美少女VS女ボスの系譜に遡ったりもするし、それをネタにしたTRPG作品もあるんだがな」
NOVA「勇者VS魔王という対立構造のイメージは、やはりドラクエ3の影響が大きいな。それ以前の作品だと『勇者ライディーン』が妖魔帝国の悪魔王バラオと戦うのが日本のフィクションにおける原典だと思うが」
神と悪魔
ゲンブ「勇者という主人公の称号と、敵対する妖魔、悪魔、魔王というキーワードはライディーンが原典という説でござるか」
ヒノキ「悪魔だとデビルマンも捨て難いが。不動明に融合合体したアモンは、デーモン族の勇者と呼ばれておったぞ」
NOVA「だけど、デビルマン(悪魔人間)となった明自身が勇者の称号を持っていたわけじゃないですし。勇者という称号だと、グレートマジンガーの方が偉大な勇者と呼ばれて、ミケーネの闇の帝王が敵ボスだった。ライディーンが1975年で、グレートマジンガーが74年なので、勇者と呼称されるロボはグレートが先だけど、敵が魔王と呼ばれていないので、勇者VS魔王というキーワードの先駆者はライディーンということになるか。もちろん、アニメになる前の小説やコミックなどで、さらに先達がいる可能性は否定しないけど」
ヒノキ「で、勇者と魔王の話はともかくとして、やはりGMは来ないようじゃな」
NOVA「いや。どうやら来たようですよ」
GOGOGOGO!
時空震動とともに出現す。
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