花粉症ガール外伝・コンパーニュ記

会話リプレイ形式の「精霊少女主役の物語」&「その仲間たちの雑談話」など。TRPG話や特撮・怪獣ネタ成分が濃厚。

200号記念雑誌と、アウトロー本の話

妖精郷からの連絡

 

リモートNOVA『ヒノキ姐さん、お久しぶりです』

ヒノキ「おお、新兄さん。そちらもいろいろ大変だったようじゃのう。こっちの記事に手をつける余裕もなく、妖精郷に掛かりっきりになっていたようじゃが、第4部の完結におめでとうと祝っておこう」

リモートNOVA『ありがとうございます。それと、こっちが一段落したので、娘からもあいさつしたいと』

リモート翔花『ヤッホー、ヒノキちゃん。お久しぶり〜♪』

ヒノキ「おお、おお、粉っちゃん。封印されていた妖精郷から無事に解放されたと聞いてはおったが、元どおりの元気な姿を見られて何よりじゃ」

リモート翔花『うん、5月のGW期には解放されていたんだけど、その後、自分のキャラクターのエマ・ショーカさんが呪いで昏睡状態になって、緑に光ったり黒いオーラを発したりで大変で、覚醒したのが6月半ば過ぎ。その後、魔神と戦ったり、ケセラセラな風の大妖精と出会ったり、ファルシオンで不死鳥の剣士だったり、いろいろあってドタバタだったんだから』

ヒノキ「妖精郷第4部を読まないと、ちっとも分からない説明じゃが、わらわは熱心な読者じゃからの。そちらの冒険譚はバッチリじゃ。できれば、不死鳥の剣士はわらわがプレイしたかったが、粉っちゃんがわらわの分まで戦っていると思うと、応援したい気持ちにも駆られよう。今後も精進いたせよ」

リモート翔花『うん、それでシロちゃんはいる?』

シロ「もちろん、いるぞ、翔花。いつ連絡が来るか待ち遠しかった(涙目)」

リモート翔花『え? シロちゃん、泣いてるの?』

シロ「泣いてない。これは……心の汗だ。そう、夏だから大分暑くなってきたからな。目から汗ぐらい出ても不思議じゃない(心の汗目)」

リモート翔花『そっかあ。心の汗かあ。花粉症ガールは汗をかかないから全然分からなかったよ』

リモートNOVA『犬猫だって、人間みたいな汗のかき方はしないんだがな。猫は足裏の肉球にしか汗腺がないそうだ』

リモート翔花『肉球かあ。花粉症ガールには肉球もないんだよね。いいなあ、シロちゃん。今度、触らせてね』

シロ「も、もちろんだ。翔花の頼みなら、いつだって大歓迎だ(ハアハア)」

リモート晶華『へえ。じゃあ、私も触らせてもらおうっと』

シロ「お前もいたのか、アッキー。触らせてやってもいいが、一回100円だぞ」

リモート晶華『お金をとるの?』

シロ「当然だ。猫の肉球には、それだけの価値がある。ボクの肉球をただで触っていいのは、翔花だけだ。猫は可愛いから、それだけで商売できるほどなんだ」

リモートNOVA『とにかく、夏休みの俺が仕事で忙しい時期に、娘2人をコンパーニュに預けたいと思っているのだが、構わないだろうか、ヒノキ姐さん』

ヒノキ「おお、粉っちゃんとアッキーがうちに遊びに来るのか。それは歓迎じゃとも」

リモートNOVA『まあ、こっちでの魔法研鑽とか、妖精郷EXUDUS記事とかの合間を見計らっての話になると思いますが、よろしくお願いします』

シロ「夏休みに翔花がうちに遊びに来る。ボクは夢でも見ているのか(ハアハア、心の汗目)」

リトル「シロ姉さん、興奮しすぎですぅ」

ゲンブ「忍びであることを忘れているようでござるな。ここが戦場なら、今どき、命を落としていても不思議ではない」

リモート翔花『亀おじさんも、リウ君もその時はよろしくね』

ゲンブ「ああ、妖精郷仕込みの武術の冴え、たっぷり見せてもらいたいでござるよ」

リトル「翔花さん、屋久島でスペースGを倒してくれた御恩は忘れていません。また、いろいろお話を聞かせてくださいねぇ」

 

Role&Roll誌の話

 

NOVA『さて、前置き終了して、今回の本題だが、まずはこれだ』

Role&Roll Vol.200

ヒノキ「おお、それは伝説のTRPG雑誌ではないか」

NOVA『2003年からスタートして、5月にとうとう200号に達した現在日本最長の月刊TRPG雑誌だな。なお、俺も100号は持ってるし、その後も時々買ったり買わなかったりだが、今はSNE系の雑誌メインで、こっちはあまり熱心には追っかけてなかった。だけど、10日ほど前の日曜に神戸のゲームショップに寄った際に、200号のオーラに惹きつけられ購入した次第だ』

Role&Roll Vol.100

ヒノキ「100号は2013年1月に発売されて、当時は1000円少しで買えたのじゃな。今は2000円以上もするわけで、ずいぶん育ったものじゃ」

NOVA『さすがに毎月は買えなくなったというか、雑誌を買うと、肝心のゲームが買えなくなってしまうというジレンマが。一応、創刊号が出たときはTRPG冬の時代の終了を象徴する出来事だったし、ソード・ワールドとか安田社長のボードゲーム記事とかを追っかけるのに欠かせない雑誌だったし、カオスフレアとかパスファインダーとか今でも魅力的な情報はいろいろ載っているんだが、雑誌の性質上、自分が持っていないゲームの記事とかが無駄にならざるを得なくなって、ページが膨らむにつれて欲しい情報の密度が下がっていくという状況で、連載記事は単行本化された時に買えば十分という話になる。

パスファインダーの世界ゴラリオンのワールドガイド連載は気にしていたんだが、今度の200号で初めて世界地図が掲載されたってことで、各号の情報のまとめ記事みたいになっている。そのうち一冊にまとまったワールドガイドが出ないかなあ、と思ったりもするが、当面はD&D3.75版のシステムだけでも堪能できているし、プレイもしない世界のワールドガイドだけあっても、ワクワクはあまり膨らまないなあ。小説とかリプレイでリンクしているならともかく』

ヒノキ「じゃが、アメコミ展開はしているのであろう?」

NOVA『PSゲームも最近出たみたいだが、王国経営できるRPGってことで、いろいろ面白そうだけど、プレイしている時間がなさそうだな』

NOVA『D&Dで昔プレイしたこっちも気になるし』 

NOVA『さすがに欲しいもの全部に手を出す時間も金もないわけで、情報だけはチェックしながら、その中で手を付けやすいところに手を出す形になる。昔は、TRPGと名の付くものには片っ端から手を伸ばしていたんだけど(それが仕事にもつながるという認識もあって)今はさすがにそこまでの情熱はないってことで』

ヒノキ「じゃが、雑誌を買う最大の目的は実用だけでなく、世界にはこんなものもあるのかとカタログ的に眺めてイメージを膨らませるとか、関連分野の興味関心の幅を広げるといった作用もあるじゃろう」

NOVA『ああ、Role&Roll誌は総合誌だし、SNEがGMマガジンを出すまでは、21世紀のソード・ワールド(旧版から2.0まで)を紹介する唯一の雑誌だった。ただ、今はSNEの比重もGMウォーロックに移っていて、7月には2冊めも予定されている』 

ヒノキ「専門雑誌で情報を仕入れて、ワクワクしながら何のゲームを購入するかを迷いながら考え、そしてブログ記事を書くネタにもする。そういうローテーションが上手く回ると良いのじゃな」

NOVA『TRPGじゃないが、雑誌といえばこれも大切だしな』 

 

そしてアウトロー

 

NOVA『まだ買ってない雑誌へのワクワクはこれぐらいにして、買ったサプリの紹介をここでしておきたい』 

ヒノキ「実際のところ、そのアウトロー本とやらはどうなのじゃ?」

NOVA『去年に出たキャラクタービルディングブックが楽しめたソード・ワールド初心者から中級者が、1ランクアップするのに手頃な本と言えようか』

ヒノキ「しかし、初心者が3000円近い大型書籍を買うなど有り得んじゃろう」

NOVA『お金の話だけなら、文庫本で出ている基本ルールブックを1冊1000円で買えば、入り口としてはベストだけど、文庫ルールの欠点はビジュアルインパクトが弱いということになる。ルールマニアは文章読んで、データを眺めているだけでもワクワク想像したり、さっさとキャラ作りしたり、ルールをチェックしながら分析したり、他のゲームと何が違うのかを考察したり、いろいろ楽しめるんだが……というか、それこそ年季の入ったTRPGゲーマーの標準スタイルと考えるんだが、初心者あるいは年季の入った上級者であっても、イラスト豊富な大型本はイメージを膨らませるのに有効で、さらに今のソード・ワールドには初心者をワクワクさせるBOXセットも用意されている』

グループSNE ソード・ワールド2.5 RPGビルディングBOX (1-5人用 1シナリオ30-90分 10才以上向け) TRPG

ヒノキ「BOXセットを買う層は、初心者とは言えぬな。値段的に」

NOVA『どちらかと言えば、上級者が買って、初心者を釣るのに向いた商品だと考える。現ソード・ワールドの商品展開で、しばしば批判されるのは「初心者向きの商品なのに、こんなに高額にして誰が買うんだ?」ってもの。当然、マニアが買って、初心者をソード・ワールドの世界にご招待するための商品に決まっている。TRPGボードゲームに比べて、ビジュアルイメージが弱いので、その辺を補強しようと思えば、当然高額にならざるを得ない。もっとも、そこに文句をつけるファンは、文庫RPG(90年代)以降のファンであって、日本のTRPG草創期(80年代)から追っかけているマニアの時代を知らないと見えるな』

ヒノキ「確かに、80年代のTRPGは大型ボックスが当たり前じゃった」

NOVA『ゲームブックのFFシリーズを入門として、そこからワクワクD&Dのボックスセットを買って、それからシナリオとかサプリメントを2、3000円でなけなしのお小遣いをはたいて買って、友人を誘った「プレイヤー経験よりもGM経験の方が多い変わり者TRPGマニア」の気持ちが分かる人間は少数派だと思うぞ』

ヒノキ「普通は、誰かがGMをやってくれて、プレイヤーから入門するものじゃからな」

NOVA『友人の間では、俺が一番ゲームに詳しい人間だったから、俺が初心者マスターとして、初心者プレイヤーを誘う時期が80年代。そして俺のためにGMをしてくれる人間を育てようと頑張ったんだけど高校時代には果たせず、自分一人だけがどんどん深みにハマっていく孤高の時代を経て、90年代にいきなりプロの門を叩いた形になる』

ヒノキ「それはずいぶん歪なゲーマー人生じゃのう」

NOVA『当時、プレイヤー経験は片手で数えるほどで、それに対してGM経験は初心者相手に何十回って感じだったな。何百回には達していないので、まだまだ未熟なんだが』

ヒノキ「何百回って、どれぐらいのレベルじゃ?」

NOVA『そりゃ、毎週GMをしていれば、1年で50回だろう。それで3、4年の年季を積めば、何百回には届く。プロの初心者レベルって、それぐらいは必要だろう。そして、今トップレベルのゲーマー重鎮は30年以上は続けているんだから何千回という経験を積んでいる。俺なんかはこの年で、何百回に届いているかどうかは微妙なので、万年セミプロレベルなのさ』

ヒノキ「しかし、新兄さん、当ブログで『マッスル太郎』および『続・マッスル太郎』カテゴリーの記事が合わせて97記事。さらに『妖精郷(フェアリーガーデン)』が60記事あるので、ソード・ワールドのリプレイ記事だけで150を越えているのではないか。妄想リプレイとは言え、きちんとゲームルールを駆使したプレイ記録じゃ。その記事の総数を考えると、リアルプレイの経験数を加えて、何百回には届いていると言えるのではないか?」

NOVA『そ、そうなのか? う〜む、言われてみれば、GM回数はともかくとして、ゲーム記事のライティング回数としては十分プロ級と誇っていいのかもしれんなあ。よし、今年からゲーム記事に関しては「プロではないがプロに限りなく近い男」と自負しても良さそうだ。うむ、TRPG界の黄金聖闘士シャカを名乗るとしよう。ちょうど仏教徒だし』

ヒノキ「シャカを名乗るのはいいが、誕生日は? 乙女座ではなかろう」

NOVA『魚座だよ。蟹座のデスマスクと仲良しの双魚宮守護者ピスケスのアフロディーテだよ。聖闘士の中でも最もバラが良く似合う美形カマ野郎だよ。悪かったな。男にストーキングされて迷惑している色白美形メガネでよ』

ヒノキ「色白メガネは認めるが、美形はどうかと思うぞ。自画自賛し過ぎではないかの?」

NOVA『男に言い寄られた経験が何度かあるから、ヒゲ面をさらすように自己防衛する習慣があるんだよ。というか、色白だからヒゲが目立つ。朝に剃っても昼には生えていたりしている。ヒゲは生やすが、ハゲじゃない。それがNOVAだ』

ヒノキ「ヒゲ面、色白、小柄でオタク気質でメガネ、それらの特徴を総合すると、新兄さんはラクシア世界のダークドワーフに似ていると考えられるのう」

NOVA『う〜ん、自分では髭のハーフエルフのイメージだったんだが、最近、中年太りでお腹が出てきたから、ダークドワーフという自己イメージを持ってもいいか……って、わざわざリモートで、俺は何の話をしているんだよ』

ヒノキ「相変わらずの寄り道脱線回路全開のようじゃのう」

 

NOVA『とにかく、話を戻す。俺の外見も、星座も、GM経験もスルーして、TRPG初心者への入り口としては、ビジュアル重視で、初心者ガイド的なコミックや遊べるギミック満載なBOXセットや大型本だって需要があるって話だ。初心者は金を出さないというのは偏見だ。面白そうな入り口さえ用意してやれば、初心者はお金を貯めても欲しいって思うこともあるんだよ。俺がその例だ』

ヒノキ「新兄さんみたいなのは特殊ケースじゃから、一般的な例にはなりにくいと思うが、ある程度は売れてなければ、続きの商品展開はできんからのう」

NOVA『で、ようやく今回のアウトロー本の紹介になるんだが……う〜ん、キャラビルドブック2という企画から始まっただけあって、初心者対応要素は全部キャラビルドブックに備わっているんだな。実質、アウトロー本はキャラビルドブック必須ではないとは言え、単独では使い方の例示が少ないため、イメージが湧きにくい。具体的には、ビルドブックにあったキャラ作成のリプレイマンガやリプレイ文章というガイドラインがないため、データ集だけで読み物としてはあまり面白くない、ということになる』

ヒノキ「つまり、新兄さんの意見では、初心者はこのアウトロー本をお勧めできない、ということになるのかの?」

NOVA『買う順番の話だな。初心者ガイド記事の充実したビルドブックなしにアウトロー本に手を出すと、あまり楽しめそうにないということだ。初心者がビルドブックで楽しんだ後で、データを増やすためにアウトロー本に進出すると楽しさが広がる、深まるのは間違いない。次に上級者の話だが、上級者は何を楽しむと思う?』

ヒノキ「そりゃ、新しいデータがいっぱいでワクワクできることじゃろう」

NOVA『逆を言えば、手持ちのサプリメントで知っているデータが使い回しされているほど、水増しで損したと感じるのが上級者だ。トレーディングカードなら、新しいカードパッケージを買っても、開けてみたらダブってるカードだらけって感覚。

『例えば、新種族が全部で4種類、そのうちの1つの虚弱蛮族のウィークリングは4つの亜種で構成されていて、総計7種類になるんだが、完全新規は2つだけで、他は2.0時代の種族の再登場。2.5から始めた者には恩恵が大きいが、2.0から積極的に追いかけていた者には使い回しデータに映りそうだ。俺的にはアルヴという種族だけで興味ありだったけど、手持ちサプリのデータの使い回しで損したと感じる者もいるんだな』

ヒノキ「まあ、知っているデータの再収録には眉を顰める者もいよう」

NOVA『あと、これはビルドブックを買った者にとっては、ランダム名前決定表も、パーソナリティ決定表も、剣の恩寵ルールも、巻末のデータ類まとめも全部、前作のほぼ使い回しなので、170ページ中50ページほどが無駄になる。まあ、新種族に対応した名前とか、ビルドブックの後に出たモンストラス・ロア掲載の新職業ドルイドやデモンルーラーに関するデータが加わった、現時点の完全版にアップデートされてはいるんだがな』

ヒノキ「初心者には向かず、とは言え、上級者にとってはデータの多くが既存のものを水増ししただけで、完全新規のデータに乏しく、これを買って喜ぶのは全てのデータを揃えたいマニアか、2.5から始めてステップアップしたい中級者と言ったところか」

NOVA『そして、データマニアではなく、世界観マニアは新しい発見をして喜ぶんだな』

ヒノキ「と言うと?」

NOVA『2.0時代のメイン舞台は、ラクシア世界の南半球にあるテラスティア大陸と、その北側にある蛮族支配下の土地レーゼルドーン大陸だった。霧の街はレーゼルドーン大陸の南端、エイギア地方にあるわけだが、そこに2.5で版上げされた際、新大陸としてアルフレイムが登場した。アルフレイムはテラスティアの北にある北半球の大陸だとは説明されていたが、ラクシア全体のワールドマップが公開されていないため、テラスティアとアルフレイムの具体的な位置関係や距離が定かではなかったんだ』

ヒノキ「ふむ。すると今回、それが示されたのか?」

NOVA『今回の新種族シャドウの紹介で、彼らの出身地であるレーゼルドーン大陸が、アルフレイムの西側に位置することが分かって、すると、アルフレイムはテラスティアの北東に当たるということが判明したことになる。

『例えるなら、テラスティアが南米大陸で、レーゼルドーンが北米大陸で、アルフレイムがヨーロッパぐらいの位置関係になるかな。もう少し近いかもしれないが、それまでは何となくテラスティアがクリスタニアで、その北にロードスみたいな小島があって、さらに北のアレクラスト大陸みたいな位置イメージでアルフレイム大陸をとらえていたので、自分の中のラクシア世界のイメージが修正された感じだな』

ヒノキ「今後は、テラスティアとアルフレイムの行き来が盛んになるらしいことを新兄さんが語っていたが、その取っ掛かりといったところかのう」

NOVA『その辺は、GMウォーロック誌の2冊めで触れられるかもしれないな。実はテラスティアの追っかけが、ラーリオス企画に身を入れすぎたせいで十分にできなかったので、2.5ではその辺に熱を入れようかと思っている。やっぱり、TRPGを楽しむ理由に、公式の提示する世界が少しずつ広がっていく様子をリアルタイムで追っかけるってのもあると思うんだよな。昔、ロードスからアレクラスト、そしてクリスタニアフォーセリア世界が広がって行ったのと同じワクワク感を今のラクシア世界に感じている。

『テラスティアは、あまり海を越えて新世界へって要素が少なかったと思うので(ないわけじゃないけど、どちらかと言えば空の世界で、各地の点在した地域を別々の物語で個々に紡ぎあげているような感覚だった)。大陸から海を越えて、別の大陸へって物語はワクワクしないかな?』

ヒノキ「大航海時代の冒険って感じじゃな」

NOVA『2.0が10年かけて、テラスティアの地理や歴史をコツコツ綴ってきた先に、新大陸アルフレイムの物語が始まって、その上で両大陸の交流ドラマが始まるのは、昔、カシュー王が大陸から渡ってきて、ロードスのフレイム王国を築くドラマとか、アシュラムとピロテースがロードスから新天地クリスタニアへ亡命したドラマに通じるものを感じてさ。次の展開が気になるって気持ちなんだよ』

ヒノキ「なるほど。30年ぶりのワクワクってことか。それを聞くと、わらわも楽しみに思えてきたのう」

 

ヴァグランツ(放浪者)の話

 

NOVA『ともあれ、アウトロー本では初めてヴァグランツ(放浪者)と呼ばれる、冒険者と異なるプレイヤーキャラの新スタイルが説明されているのが大きな特徴です。これまでのソード・ワールドの主人公たちは、「冒険者ギルドという互助組織に所属している職業」として公的な身分が保障され、仕事を受注したり、いろいろな恩恵を受けてきたり、時には責務を伴ったりして来ました。冒険者は、冒険者ギルドに所属するトラブル解決業という前提だったわけですね』

ヒノキ「冒険者がギルドに所属しているという世界観を日本で最初に提示したのは、ロードス第2部リプレイじゃったのう。そこからソード・ワールドの世界観の土台に引き継がれたわけじゃが」

NOVA『それまでは、酒場にたむろしていた冒険者志望の者が仕事の情報を聞いて、パーティーを組むという物語の開始パターンはあったけど、ギルドという形での職業斡旋システムが明確化されたのは水野さんのロードスが日本初だと記憶します』

ヒノキ「ロードスのリプレイでは、カシュー王配下のシャダムがギルドマスターで、冒険者ギルドはフレイム王国が背景についている商業都市ライデンでの実験組織みたいなものであった。それが小説版じゃと、主人公パーンたちの知り合いの盗賊フォースが長となった盗賊ギルドに置き換わって、パーンやオルソンたちのアシュラム追跡に協力してくれる、という設定に変わっておる。ロードスには、公式に冒険者ギルドなる組織は存在せず、小説版では主に王族の指示に従って密命を受けた騎士を中心に物語が展開する」

NOVA『初期のパーンたちは、酒場に集った一行が金になりそうな事件を聞きつけて冒険を始める典型的な冒険者パターンで始まりましたが、ヴァリス王国のフィアンナ姫を魔女カーラから救った件で王族とのコネを得て、以降は旅を続けながら、各国の権力者と関わって、ロードスの戦乱に対処していく話になる。その後の主人公のスパークを始め、ロードス小説の定番は、戦記ものという根幹設定に合わせて、王侯貴族の関係者を軸にしたものが多く、名もなき市井の冒険者を主人公にしたものは、少なくとも水野さんの小説では一つもないということになる。もちろん、脇役でそういうキャラはいますが』

ヒノキ「つまり、名もなき一冒険者が主人公であるべき、などと言っていた人間は、ロードスのお約束をちっとも分かっていないということになるわけじゃな」

NOVA『水野さんのこれまで書いてきた物語パターンをしっかり分析した上で、そうでない物語を望んでの意見だったら一理あるかもしれないですが、それなら「そういう話も読みたいなあ」という願望であって、「そうあるべき」という当然・義務みたいな表現はどうかな、と思うんですね。なお、俺自身、昔はロードスの公式にわずかなりとも関わった人間でして、プレイヤーキャラとして騎士を演じたこともありますし、コンベンションで使う公式シナリオを書いたこともあります』

ヒノキ「ほう。灰色の騎士ボーグナインを演じたのは聞いておったが、シナリオにもタッチしておったとは。どんな内容じゃ?」

NOVA『英雄戦争後のアラニア王国のザクソン自警団に所属する若者たちが、魔法使いセシルの要請に応じてトラブル解消するシナリオなんですが、この場合は自警団が冒険者ギルド相当みたいなものでしたね。他には魔神戦争時代のシナリオで、たまたま訪れていた村が魔神の襲撃にあって巻き込まれてしまうとか、知り合いの商人の頼みとか、そんな話を書きました。

『一応、公式では「ロードスには冒険者ギルドは存在しないので、別の導入を考えないといけない」という設定上の縛りがあったんです。あくまで冒険者ギルドというシステムは、アレクラスト大陸特有のシステムで、大陸出身の王カシューが試験的に取り入れる可能性はあったとしても、ロードスで一般に存在するものにはならなかった、と』

ヒノキ「つまり、冒険者ギルドという存在は、ロードスリプレイに端を発するけれど、ソード・ワールドの根幹設定に吸収され、ロードスの公式物語には継承されなかったということじゃな」

NOVA『もちろん、初期のコンピューターゲームや現在のオンラインゲームなんかでは、酒場で依頼を受けることはあり、と考えます。それらはファンタジー冒険小説やゲームの定番ですので、別にロードスの発明ではない。ロードスおよびソード・ワールドが発明したのは、「冒険者ギルドという職業斡旋システムが世間で一般に認知されており、プレイヤーキャラ一行の冒険活動を支援してくれ、社会的な身分保証までしてくれるという世界観」ですから。

『要するに、ソード・ワールドのプレイヤーキャラは、冒険者ギルドというベンチャー企業に所属するサラリーマンか契約社員、もしくは派遣社員であって、報酬は仕事ごとの出来高制。完全なフリーの自営業で冒険しているケースというのは特殊ケースなわけです』

ヒノキ「そういう組織に所属していない、本当に自由な冒険活動を行うキャラが、今回のアウトロー本で導入されたヴァグランツ(放浪者)なのじゃな」

NOVA『ええ。実のところ、ソード・ワールドでは旧版から、冒険者ギルドという社会システムが冒険の中心で、TRPGではそこから依頼を受けて事件を解決するというパターンが基本でした。これが初心者にも分かりやすいシステムで、日本の多くのファンタジーTRPGに取り入れられ、今は当たり前のようになっていますが、とりあえず冒険者ギルドもしくは準拠する組織にプレイヤーキャラは所属していて、上から回された仕事を引き受けて報酬をもらう形ですね。別のパターンを考えるとGMの手間が増えるというか、公式シナリオを作る方も導入部分を省略できれば、文章量を冒険の中身に費やせるというか、冒険者ギルドの恩恵はいっぱいあるけれど、その分、物語パターンの単調化にもつながる、と』

ヒノキ「冒険者ギルドを考案した立役者の一人である水野氏の小説では、意外にも冒険者ギルドは登場していないらしいのう」

NOVA『昔のソード・ワールドに話を絞りますと、無名の「羽根頭と呼ばれる冒険者チーム」が短編小説のいくつかに登場していて、水野さんご自身の公式シナリオに基づいた小説物語を展開しています。そちらは冒険者ギルドつながりですが、一番有名な長編小説のリウイシリーズでは、主人公のリウイ自身が王族の隠し子にして、魔術師ギルドの長の養子という特殊背景の持ち主なので、王命に従いアレクラスト大陸の各国を漫遊して「ファーラムの剣探索」を続けるという設定。だから、本当に冒険者ギルドの依頼とは違う「遍歴の騎士もしくは王子の、美女を引き連れた諸国巡り」というのが水野さんの王道ストーリーで、そこを理解していない小説読みとはまともにロードスの話ができないだろう、と考えたりもしています』

ヒノキ「少なくとも、作家の書く物語の類型、作風を理解していないということじゃから、ただの個人の感想ならいざ知らず、評論とか意見を差し挟むだけの分析はできていないということじゃな」

NOVA『今のロードス小説も、そろそろ1巻発売から2年になるけど、一向に2巻めの情報が入って来ないですね。念のため、作者の公式サイトはこちら』

ヒノキ「ヴァグランツの話から、かつてのソード・ワールドのワールドデザイナーの話にさかのぼっておるようじゃが、そろそろ戻って来んかのう」

NOVA『ああ、失礼。要は、これまでのソード・ワールドでは、「冒険者ギルドに所属する冒険者」という設定が一種のお約束だったわけですが、公式の小説では違う設定の主人公も描かれていて、その辺は熟練のGMやプレイヤーが遊ぶなら、公式に縛られない遊び方を模索することも可能。ただし、TRPGの公式はあくまで冒険者ギルドを中心に展開するよってスタンスで来ていたわけですよ。だけど、ここに来て、方針転換というか、新しい冒険スタイルの可能性の提案を打ち出してきた形です』

ヒノキ「ヴァグランツはアウトローと呼称されるが、別に悪党というわけではなく、単に『冒険者ギルドに所属していないフリーランサー』という意味合いのようじゃな」

NOVA『ええ、企業所属の社員である冒険者に対して、独立志向の強い自由人気質な連中ですね。そんな奴らだって英雄の資質があれば主人公にだってなれるわけで、ただ、これまでのソード・ワールドのゲームシステムが冒険者ギルドを中心とする世界観で構築され、名誉点とかもそういう社会システムに準拠したルールですから、冒険者ギルドに所属しないというだけで、ルールの一部見直しとかアレンジとかのガイダンスが必要なわけです。今回、2.5で初めて、それを行なったというのが大きい』

ヒノキ「2.0時代は行なっていたのか?」

NOVA『ヴァグランツという名前は使っていませんが、一部のワールドガイドでは、冒険者ギルドが変わったシステムを採用していて、アレンジ版ルールを伴っていますね。そもそも古代の魔法文明時代には冒険者ギルドなんて存在していませんし』

NOVA『蛮族領では、人族文化の冒険者ギルドなんて存在していませんし』 

ヒノキ「蛮族領には、冒険者ギルドが存在しない。つまり、霧の街を舞台にしているマッスル太郎や、今の魔神ハンターの物語の主人公たちは……」

NOVA『新しい定義に従えば、彼らもヴァグランツということになりますね。それに、妖精郷の面々も、典型的な冒険者ではなくてヴァグランツだ。報酬も社会的名誉も、ちっとも保証されていませんから』

ヒノキ「確かに、奴隷上がりのお笑いルーンフォーク魔神や、蛮族姿に身をやつした密偵が典型的冒険者とは思えんが」

NOVA『そもそも、霧の街の地上では名誉点なんかなかったじゃないですか。地下でも、蛮族名誉点という似て非なる用語に置き換えられていますし。名誉点の本来の定義は、冒険者ギルドが所属冒険者の世のため人のための活躍ぶりを保証するためのルールですからね。人族にとっての偉業を成し遂げた際に与えられるもので、人も知らず世も知らず影となっている冒険活動従事者には定義上、与えられないものなんです。霧の街には霧の街の、妖精郷には妖精郷の独自のルールで冒険活動を続ける。それらの異質な活動家は全てヴァグランツと再定義されたということなんですよ』

ヒノキ「そうか。これまでのマッスル太郎の物語は、冒険者の話ではなく、ヴァグランツ英雄譚じゃったのか。知らなかった」

NOVA『俺もです。今回、初めて定義された呼称ですからね。しかし、魔神ハンターも、妖精郷パーティーもみんなヴァグランツということであれば、ヴァグランツ用のルールが使えます』

ヒノキ「おお、ヴァグランツ用の新ルールか。それは一体?」

NOVA『ヴァグランツ用の戦闘特技が習得できます。今後のキャラ育成の選択肢として検討してもよろしいかと』

ヒノキ「新たな戦闘特技か。例えば?」

NOVA『数は18種類ですが、俺が面白いと思ったのは3つ。1つはスパイクシールド以外でも盾で殴れる《シールドバッシュ》。2つは片手用武器でも対複数攻撃ができる《乱撃》。そして3つめは使用宣言した上でクリティカルすれば、相手の持つアイテムをぶんどれる《掠め取り》ですね。他にも、自分が5点ダメージを受ける代わりに相手に+5の追加ダメージを与える《捨て身攻撃》とか、気配を消すような動きで回避判定を振り直したり、奇襲の追加ダメージを与える《シャドウステップ》とか、野卑な裏技めいた特技がいろいろ』

ヒノキ「なるほど。それらを導入することで、これまでと違った方向性の戦闘スタイルも目指せるようになる、と。キャラの育成方針に一考の余地ありじゃな」

NOVA『主だった追加ルールは、新種族の追加と、ヴァグランツという概念の定義、そして新たな戦闘特技ぐらいですか。それと個人的には、新たな育成方針として「獣使い」という職業スタイルが示されたことが面白いな、と』

ヒノキ「獣使い? うちにはイノセントをこよなく愛する騎兵がおるが」

NOVA『ライダー技能を持った騎兵キャラって、基本は前衛キャラじゃないですか。だけど、騎芸の【遠隔指示】を習得しておくことで、騎獣に前衛を任せ、自分は後ろで魔法や飛び道具、呪歌で支援に徹することも可能というスタイルです。これまでのソード・ワールド公式でもあまり見なかったスタイルなので、ルール上、できるとは言っても、裏技っぽかったのが公式推奨になった感じです』

ヒノキ「なるほど。そういうスタイルも今後は検討する価値があるかもしれんのう。前衛に不向きな魔法使いがライダー技能を習得するようなスタイルとか、シロに提案するのもよかろう」

 

ヴァグランツのキャラ作り計画?

 

NOVA『さて、一部の層で使い回しデータの多さで不評を受けている新サプリですが、俺的には今後のソード・ワールドの公式展開の方向性を感じさせてくれる面白い本と考えます。まあ、俺の意見はSNEの身内びいきなので、若干の中立性、客観性を欠くものと自覚はありますが、妥当な文句を言う権利は商品を買った者にはあるので、アマゾンの商品評には賛否ともにうなずけるものがあったとしておきます。少なくとも、買わずに(中身を知らずに)思い込みで適当な悪意を広げている意見じゃないので』

ヒノキ「新兄さん的には、今回の新サプリは当たりということじゃな」

NOVA『ええ。ゴジラSP程度には、楽しいサプリだと思ってますよ』

ヒノキ「わらわはゴジラSPが嫌いじゃ。何で、ラドンが電波怪獣で、あそこまで大量発生して、ゴジラの攻撃でなぎ払われる雑魚扱いせねばならぬのじゃ」

NOVA『俺も不満なところはいっぱいです。こうなったら、次はモスラSPか、ジェットジャガーSPでも作って、今回の足りないところを補完した続編でも見せてくれないと、このモヤモヤは収まりません』

ヒノキ「で、コングの映画はどうするのじゃ」

NOVA『当然、見に行きますよ。公開すぐというわけではありませんがね』

ヒノキ「ふむ。7月はヒーロー記念映画もあるので、映画三昧になる予定なのじゃな」

NOVA『楽しみはいっぱいの夏ですが、せっかくのアウトロー本でも、とりあえずキャラ作りぐらいはして、記事書きもしたいんですよ』

ヒノキ「じゃが、そっちは妖精郷がまだ残っておるし、わらわの方も魔神ハンターで手一杯じゃ。新キャラを作って記事にするような余裕はあまりないと思うがのう」

NOVA『まあ、キャラ作りだけなら、俺が一人黙々とダイスを振っているだけでも楽しめるんですけど、それじゃあ芸がない。読者に楽しんでもらえる記事にするには、新しいプレイヤーによる完全新キャラの新鮮組なヴァグランツ・キャラ作りという企画にしたい』

 

謎の声『その役割、吾輩が引き受けようでごわす』

ヒノキ「何者じゃ! この通信に割り込んで来るとは!」

セイリュウ『久しいのう、スザクよ。それに時空魔術師よ、娘御は無事に救出できたそうだな。大地母神ガイア様も殊の外、喜んでおられる』

NOVA『おお、ゴジラ様。これも貴方様が妖精郷の初代GMとして叱咤激励を重ねてくれたおかげ。この度はゴジラSP終了、およびコング映画の公開の運び、おめでとうございます』

セイリュウ『うむ。SPは名義貸しと特別出演みたいなもので、ジェットジャガーのおかげで我が分体の回収はできたと言うところか。コングとの対決は……この男の性根を鍛え直すのに良い機会となろう』

NOVA『この男……って、もしかして、元マーキュリー・バットのキングこと……』

謎の声『そうでごわす。昨年の20周年記念イベントで、ヤプールにそそのかされて暴れて迷惑をかけたために、キングの称号を剥奪されて、屋久島で怪獣王さまの下、一から修行をし直すことになったのが吾輩、カニコングでごわすよ』

NOVA『なるほど。カニとは言え、コングの名を持つ男。コング映画公開の折に再登場してくるのは必然であったか』

カニコング『その通り。この映画で、もしもコングが勝った場合、当ブログの怪獣関係にも影響して、吾輩が再び王の座を取り戻す可能性もゼロじゃない』

NOVA『なるほど、それは一大事だな。だったら、俺はゴジラ様を応援しないとな』

カニコング『あんたは、コングに愛はないのか〜』

NOVA『魚座として、蟹座とは同盟を結んでいるし、コングは好きだが、二つが組み合わさったカニコングよ、お前はダメだ。空気が読めず、触手帝国への野心を云々言っているうちは、当ブログ時空のキャラとしてふさわしくない。当ブログは教育にいい記事を目指しているんだからな』

カニコング『触手の夢は封印したでごわす。空気の読めない場違いな妄言は反省した。だから是非とも吾輩に再チャンスを〜(土下座)』

NOVA『ほう、見事な土下座だ。それほどの謙虚さを身につけるとは、並大抵の修練を積んだわけではなさそうだな。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の言葉もある。人は学問や徳が深まるほど謙虚な振る舞いを覚え、小人物ほど尊大になりがちとの言だ。カニコングよ、尊大だったキング時代から、お主がいかなる修行を経て来たか、一言で述べてみせよ』

カニコング『一言でごわすか。それは難しい注文でごわすな。念のため、マスターNOVA殿はどのような回答をお持ちですか?』

NOVA『質問に質問で返すとは無作法な奴。だが、俺が得た悟りの一部は「煩悩即菩提」の奥義だ。即とはイコールにあらず、ただ煩悩という契機を持って、そこを基点に自己修練を果たした先に菩提、つまり仏の境地に至るという考え。快に溺れてはならず、知に驕ってはならず、それらの欲求や悩みに向き合い、利得に高めてこそ己を高めることができる。煩悩を捨てるでもなく、振り回されるでもなく、自己の内奥を観察する知見の道標とすべし、ということだ』

カニコング『ちっとも、一言ではないでごわす。だがしかし、触手という煩悩を捨てる必要はないでごわすか?』

NOVA『捨てる必要はないが、所構わず、TPOを弁えず、触手触手とキモいことを繰り返しているから、それで周囲を楽しませることなく自己中な触手帝国の妄想を抱いているから、自己の煩悩に支配されてダメになる。触手帝国の夢は、触手好きの世界でのみ評価されるものであって、世界の全てが触手に満たされた触手トピアなんぞは、全力全開で否定する。やはり、世界には多様性とバランス感覚、中庸が必要だ』

カニコング『なるほど。触手一筋ではダメということでごわすか』

NOVA『俺は怪獣優生思想を自認するが、怪獣が全てというわけではない。怪獣も好きだし、ロボットも好き、特撮も好きだがTRPGも好きだし、アニメだってコミックだって否定するものでもない。ラブコメだって毛嫌いしているわけではないが、自分では書いていても楽しくないというだけだ。他の人がラブコメで楽しい作品を作ってくれるなら、それは素晴らしいことだ。しかし、これしかないと視野の狭い人間はクリエイターとして尊敬できんがな。

『何かを極め尽くしての極意なら、宮本武蔵の剣の道ほどの達観を得たなら、渋沢栄一論語の精神で商業活動に従事するなら、いろいろと経験を積み重ねた末の覚悟の境地として、個人の柱として敬意を示すが、広げもしない、深めもしない閉じた世界じゃ、魅力を感じないと思う』

カニコング『ならば、吾輩の決意を一言で申そう。それは「屋久島ヴァグランツ計画」でごわす』

 

ヒノキ「屋久島ヴァグランツ計画じゃと!? それは一体?」

NOVA『なるほど、地に足ついた大きな妄想だな。妄想を申そう、と来たか。少しは芸の何たるかが分かってきたと見える』

カニコング『はっ。妄想の王、妄魔時王に褒めていただけるとは恐悦至極』

NOVA『誰が妄魔時王やねん。もう、そのネタは時代遅れだぞ。今は全力全開の時代だ。それと、宇宙海賊と、怪獣とか、恐竜とか、髑髏っぽい何か、牙っぽい何かの時代が来ていると見た』

カニコング『とにかく、聞いて驚け、でごわす。今、屋久島にはモスラの力が封印され、大地母神ガイア様の元、セイリュウゴジラ様の精霊と、次元ドルイドのハイラス兄貴と、ドクター・ウルシェードと、ケイPマーク2と、アストロメガネンオーがあるでごわす。これだけの話のネタがあるのに、ただの田舎の小島のままくすぶっているのは、あまりにも勿体ない。ここを基点に、吾が触手帝国、いや神聖ヴァグランツ帝国を立ち上げるには、またとない好機かと』

NOVA『あのなあ。その「帝国を作るって発想」から見直す気はないか? ヴァグランツはアウトローだし、放浪者って意味合いなんだから、帝国統治とは逆の方向なの。せめて、アウトローの安住の地とか、大地母神の御許で慎ましやかに生きるとか、そういうことを言えば、おお、頑張れよって応じれるんだが、帝国を作るって野心を口に出されても素直に応援するわけにいかないだろうが。俺のブログ時空に、帝国なんていらねえよ』

カニコング『新星ノヴァン帝国を作りたいと思ったようなことは?』

NOVA『ねえよ』

カニコング『全力全開ノヴァンカイザーに変身したいと思ったようなことは?』

NOVA『それは……ある。しかし、何ちゃらカイザーというネーミングは、別に帝国を作らなくてもなれる。ゴーカイジャーは海賊帝国を作っていないし、ゼンカイザーは全開帝国を作っていないし、ツーカイザーも然り。おまけにカイゼルグリッドナイトもだ。今は確かにカイザーブーム、カイジャーブーム、怪獣ブームかもしれないが、帝国ブームではない』

カニコング『ならば、吾輩がカニカイザーを名乗っても?』

NOVA『今が旬一番のコングの加護を失うぞ』

カニコング『うっ……とにかく、せっかくの屋久島の人材が揃っているのに、何もしないというのは、あまりにも勿体なさすぎる。青天でも時代は薩摩藩。すなわち、屋久島もかつての薩摩の領域であるからして、ここで屋久島をプッシュするのは、時代の流れに即している。まさに天下万民のためとも言えよう。殿、何とぞ御認可のほどを(土下座)』

NOVA『おい、今、天下万民のため、と言ったか?』

カニコング『当然でごわす。民のための統治は王の務め。読者のための執筆は作家の務め。己のことしか考えぬ輩が天下の謗りを受けるは、これ必定。逆に言えば、民や読者を味方に付けられる者は天下に名を轟かせるのも道理』

NOVA『なるほど。その理に到達しているとは、さすがはゴジラ様の薫陶を受けただけはある。この一橋慶ノヴァ、ここに快を感じたり。ヨホホイ。よし、お主の好きにするがいい、カニ沢コン太夫よ。その芸人魂で面白い記事を書いてみせよ』

カニコング『いや、記事を書くのは、殿ですが?』

NOVA『俺!?』

カニコング『当然でござる。そもそも、貴殿は作者である上、カニのハサミでは上手くタイプができ申さん。某(それがし)に代わって、「屋久島ヴァグランツ計画」を形にするのは、殿を置いて他にはござらん。かの徳川家康公もそうだそうだと言っておられる』

NOVA『言ってないだろう。家康さんがそうだそうだと言っている証拠がどこにある?』

 

NOVA『証拠になってねえだろうが。てっきり、家康さんがそうだそうだと言っている動画でも登場するか、とドキドキしたが、とにかく家康さんは屋久島ヴァグランツを応援していない。大体、薩摩は徳川の幕府を滅ぼす側じゃないか。ヴァグランツは公組織に所属していない、いわば不定浪人に近い存在。ならば、尊王攘夷運動で幕府をつぶそうとした勢力だから、家康さんがそうだそうだと言うはずがない』

カニコング『しかし、吾が心の中の家康さまがそうだそうだと言ったでごわす』

NOVA『俺の心の中の家康さんはそんなことは言わねえ。寝言は休み休み言え』

カニコング『散々、休んだでごわす。ここは一つ、吾輩にチャンスと思って』

NOVA『思わねえよ』

セイリュウ『このわしからもよろしく頼む。実は、この企画は、ハイラス殿も応援しておるのだ。ガイア様の前で披露する「神前TRPGキャラメイク編」ということで、屋久島一同が全員賛意を示している』

NOVA『俺の知らないところで、そのような動きがあったとは。仕方ないですね。他ならぬセイリュウゴジラ様の要望とあらば、俺にとっては権現さまの北大路家康さまに匹敵するお墨付きも同然。この一橋慶ノヴァ、全力全開で屋久島ヴァグランツ計画を書くことにしましょう』

 

ヒノキ「やれやれ。魔神ハンター記事は、しばらく延期のようじゃのう」

NOVA『いや、魔神ハンターも頑張りますよ。そっちの方が、よほど読者の要望が多いに決まっていますからね。降って湧いた屋久島ヴァグランツ記事に現を抜かしちゃ、読者の期待を裏切ってしまう。俺は世界初の魔神ハンターと屋久島ヴァグランツ記事を両立させる男になってみせる』

ヒノキ「そもそも、屋久島ヴァグランツという複合語自体、この記事以前には存在しなかったのではないかのう」

(当記事 完)